JP2001195737A - 磁気転写方法 - Google Patents
磁気転写方法Info
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Abstract
接触して磁気転写する方法において、安定した磁気転写
が可能な磁気転写方法を提供する。 【解決手段】 磁気転写用マスター担体からスレーブ媒
体への磁気記録情報の転写方法において、磁気転写用マ
スター担体の磁性層の磁歪定数が−100×10 -6以
上、100×10-6未満である磁気転写方法。
Description
度の磁気記録再生装置用の磁気記録媒体への記録情報の
磁気転写方法に関し、特に大容量、高記録密度の磁気記
録媒体へのサーボ信号、アドレス信号、その他通常の映
像信号、音声信号、データ信号等の記録に用いられる磁
気転写方法に関する。
ン等で取り扱う情報量が飛躍的に増加している。情報量
の増加によって、情報を記録する大容量で安価で、しか
も記録、読み出し時間の短い磁気記録媒体が求められて
いる。ハードディスク等の高密度記録媒体や、ZIP
(Iomega社)等の大容量のリムーバル型の磁気記
録媒体では、フロッピーディスクに比べて情報記録領域
は狭トラックで構成されており、狭いトラック幅を正確
に磁気ヘッドを走査し、信号の記録と再生を高S/N比
で行うためには、トラッキングサーボ技術を用いて正確
な走査を行うことが必要である。そこで、ハードディス
ク、リムーバル型の磁気記録媒体のような大容量の磁気
記録媒体では、ディスクの1周に対して、一定の角度間
隔でトラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再
生クロック信号等が記録された領域を設けており、磁気
ヘッドは、一定間隔でこれらの信号を再生することによ
り、ヘッドの位置を確認、修正しながら正確にトラック
上を走査している。これらの信号は、磁気記録媒体の製
造時にプリフォーマットと称してあらかじめ磁気記録媒
体に記録する方法が行われている。
信号、再生クロック信号等の記録には正確な位置決め精
度が要求されるので、磁気記録媒体をドライブに組み込
んだ後、専用のサーボ記録装置を用いて厳密に位置制御
された磁気ヘッドによりプリフォーマット記録が行われ
ている。しかしながら、磁気ヘッドによるサーボ信号や
アドレス情報信号、再生クロック信号のプリフォーマッ
ト記録においては、専用のサーボ記録装置を用いて磁気
ヘッドを厳密に位置制御しながら記録を行うために、プ
リフォーマット記録に多くの時間を要している。また、
磁気記録密度の増大に伴ってプリフォーマット記録すべ
き信号量が多くなり、さらに多くの時間を要することに
なる。したがって磁気記録媒体の製造において、サーボ
信号等のプリフォーマット記録工程に要する費用の製造
コストに占める割合が大きくなるので、この工程での低
コスト化が望まれている。
報を記録せずに、プリフォーマット情報をマスター担体
からスレーブ媒体への磁気転写で行う方式も提案されて
いる。例えば、特開昭63−183623号公報、特開
平10−40544号公報および特開平10−2695
66号公報に転写技術が紹介されている。特開昭63−
183623号公報や特開平10−40544号公報に
記載の方法では、マスター担体として基板の表面に情報
信号に対応する凸凹形状が形成され、凸凹形状の少なく
とも凸部表面に強磁性薄膜が形成された磁気転写用マス
ター担体の表面を、強磁性薄膜あるいは強磁性粉塗布層
が形成されたシート状もしくはディスク状磁気記録媒体
の表面に接触、あるいは更に交流バイアス磁界、あるい
は直流磁界を印加して凸部表面を構成する強磁性材料を
励起することにより、凸凹形状に対応する磁化パターン
を磁気記録媒体に記録するものである。
プリフォーマットするべき磁気記録媒体、すなわちスレ
ーブ媒体に密着させて同時に凸部を構成する強磁陸材料
を励磁することにより、スレーブ媒体に所定のプリフォ
ーマット情報の記録を形成する転写方法であり、磁気転
写用マスター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を変
化させることなく静的に記録を行うことができ、正確な
プリフォーマット記録が可能であり、しかも記録に要す
る時間も極めて短時間であるという特徴を有している。
また、この磁気転写法はマスター担体とスレーブ媒体の
両者を静止した状態で接触させて転写する方式であるた
め、サーボ信号記録工程でのマスター担体、スレーブ媒
体ともに破損が発生することが少なく、高い耐久性が期
待される方式である。しかし、転写操作を繰り返すこと
により、マスター担体の基板と基板上に積層した磁性層
の間にクラックが発生し、磁性層が剥離したり、あるい
はマスター担体が破損する場合があることがわかった。
マスター担体とスレーブ媒体とを接触させて転写用磁界
を印加し、磁気転写用マスター担体からスレーブ媒体へ
磁気記録情報を記録する磁気転写方法において、多数回
の磁気転写を行った後に磁気転写用マスター担体に、ク
ラックが生じたり磁性層が剥離し、磁気転写用マスター
担体が破損することを防止し、大量のスレーブ媒体への
精度の高い磁気転写が可能な磁気転写方法を提供するこ
とを課題とするものである。
スター担体からスレーブ媒体への磁気記録情報の転写方
法において、磁気転写用マスター担体の磁性層の磁歪定
数が−100×10-6以上、100×10-6未満である
ものを用いた磁気転写方法によって解決することができ
る。また、磁気転写方法が、基板の表面の情報信号に対
応する部分に磁性層が形成された磁気転写用マスター担
体と転写を受けるスレーブである磁気記録媒体を使用
し、予めスレーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流磁
化した後、磁気転写用マスター担体と初期直流磁化した
スレーブ媒体とを密着させスレーブ媒体面の初期直流磁
化方向と逆向き方向に転写用磁界を印加し磁気転写をお
こなう前記の磁気転写方法である。また、磁気記録媒体
が前記の方法によりサーボ信号を記録したものである磁
気記録媒体である。
写用マスター担体とスレーブ媒体とを静止状態で接触さ
せて転写工程を繰り返すことにより、マスター担体とマ
スター基板上に積層した磁性層の間にクラックが発生
し、磁性層が剥離しマスターが破損することを防止した
転写方法である。本発明者らは、磁性層の損傷の原因の
検討するなかで、磁気転写用マスター担体に使用する基
板上に、磁性層と同様の厚みの非磁性材料からなる薄膜
を形成し、磁気転写と同様の工程を繰り返し行った後
に、非磁性材料からなる薄膜の密着状態を確認したとこ
ろ、非磁性材料を使用した場合、密着性は良好で磁性層
で観測されてきた金属薄膜の剥離は見られず、金属薄膜
の剥離は、磁性材料を使用する場合に発生することを見
出した。以上の結果から、磁気転写用マスター担体の磁
性層の損傷は、転写用磁界と磁性材料の磁化の相互作用
が原因であるものと思われる。
から転写用磁界が与えられると、外部磁場の方向を向い
た領域がエネルギー的に有利になり、他の領域もそのよ
うな状態へと変化する際に歪み変形を生じるために磁性
層が体積変化を起こし、一方、非磁性材料が用いられて
いる基板は外部磁場によって体積変化を起こさないの
で、磁気転写用マスター担体の基板と磁性層の間に歪み
が生じ、クラックが発生し、ついには磁性層が剥離する
ことが原因であると推察される。そこで、本発明では、
磁気転写用マスター担体磁性層として磁歪定数が小さい
材料を使用し、非磁性金属薄膜と同様に耐久試験を行っ
た。その結果、マスター磁性層の剥離が著しく改善でき
ることがわかった。より詳細に磁歪定数と磁性層剥離状
態の関係を調べた結果、マスター担体磁性層の磁歪定数
が−100×10-6以上、100×10-6未満である磁
性材料を使用することで、磁気転写用マスター担体の基
板から磁性層の剥離を防止でき、耐久性を向上できるこ
とを見出した。
和するまで磁界を印加したときの強磁性体の伸び量(δ
L)と磁界印加前の元寸法(L)との比として(1)式
のようによりを磁歪定数(λ)と定義する。 λ=δL/L ……(1) すなわち、本発明は、磁気記録媒体に磁気転写法を行う
方法において、磁気転写用マスター担体磁性層の磁歪定
数が−100×10-6以上、100×10-6未満である
ことを特徴とする磁気転写方法を提供するものである。
方法によって製造することができる。磁気転写用マスタ
ー担体の基板としては、シリコン、アルミ、ガラス、合
成樹脂等の表面が平滑な部材を用いることができる。ま
ず、これらの基板上にフォトレジストを塗布し、磁気転
写により形成するパターンに合致したレジストパターン
をパターン露光、あるいは直接けがきにより形成する。
パターン露光の場合は反応性エッチング、またはアルゴ
ン等による物理的エッチング、または液体によるエッチ
ングにより、基板上にパターンを形成する。次いで、ス
パッタリングにより磁性層を所定の部分に、所定の厚さ
に成膜する。その後、フォトレジストをリフトオフで除
去する。また、磁気転写の際にスレーブ媒体と接触する
凸状の磁性層のみをフォトファブリケーションで作製し
ても良い。
を用いても良い。射出成形法について説明すると、フォ
トレジストを塗布したガラス基板を回転しながら、サー
ボ信号に対応して変調したレーザーを照射しフォトレジ
ストをガラス面全体に露光する。該レジストを現像し
て、ガラス基板を現像しガラスに凹凸を形成する。次い
で、レジストを除去して凹凸を形成したガラス基板上に
めっきを行い、凹凸が形成されためっき原盤を作製す
る。めっき板材料としては、ニッケルもしくはニッケル
合金を使用することができる。また、めっき原盤の耐久
性を向上させるために、ダイヤモンド状炭素等の炭素膜
をスパッタリング等によって形成しても良い。めっき原
盤を使用し射出成形などの方法により、パターン形成し
た樹脂基板を作製する。樹脂材料としてはポリカーボネ
ート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル・塩化ビニル共重合体などの塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよび
ポリエステルなどが使用可能である。耐湿性、寸法安定
性および価格等の点からポリカーボネートが好ましい。
また、形成しためっき原盤にバリがある場合はバーニシ
ュまたはポリッシュにより除去する。パターンの溝深さ
は50〜1000nmの範囲が好ましい。より好ましく
は200〜500nmの範囲である。
i、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe
合金(FeCo、FeCo、Ni、FeNiMo、Fe
AlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金
(NiFe)が用いることができる。特に好ましくはF
eCo、FeCoNiである。使用する磁性層の磁歪定
数は−100×l0-6以上、100×10-6未満が好ま
しい。更に好ましくは−85×10-6以上、85×10
-6未満の範囲内である。
直流スパッタリング、交流スパッタリング等の電力の供
給方法の違い、スパッタリング時の圧力、成膜温度、ス
パッタリング時の投入電力の違いによっても調整するこ
とができる。また、本発明の磁気転写方法に使用する磁
気転写用マスター担体の磁性層の磁歪定数は、磁性層の
下部、すなわち基板側の磁性層の磁歪定数が小さい方が
好ましく、磁性層の下部の磁歪定数を低下させるため、
非磁性の下地層を設けることが好ましく、下地層の結晶
構造と格子常数を磁性層のそれに一致させることが好ま
しい。下地層を形成する材料としては、Cr、CrT
i、CoCr、CrTa、CrMo、Ni、Ru等を挙
げることができる。
LC)等の保護膜を設けても良く、磁気記録媒体に用い
られる潤滑剤層を設けても良い。保護膜として5〜30
nmのダイヤモンド状炭素膜と潤滑剤が存在することが
更に好ましい。潤滑剤が存在すると、磁気転写用マスタ
ー担体とスレーブ媒体との接触過程で生じるずれを補正
する際に摩擦が生じた場合にも、耐久性を高めることが
可能となる。
ついて説明する。スレーブ媒体としては、強磁性金属粒
子を結合剤中に分散した塗布型磁気記録媒体、あるいは
基板上に強磁性金属薄膜を形成した金属薄膜型磁気記録
媒体を用いることができる。塗布型磁気記録媒体として
は、Zip(アイオメガ社)用記録媒体であるZip1
00、Zip250、あるいは高密度フロッピーディス
クなどの磁気記録媒体が挙げられる。
料として、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、
CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCr
B、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeP
t、FeCoNi)を用いることができる。磁束密度が
大きく、磁気転写用マスター担体の磁性層と同じ方向、
すなわち面内記録なら面内方向、垂直なら垂直方向の磁
気異方性を有していることが明瞭な転写が行えるため好
ましい。磁性層の下部、すなわち基板側に必要な磁気異
方性を形成するために非磁性の下地層を設けることが好
ましく、結晶構造と格子常数を磁性層に合致させること
が好ましい。具体的には、下地層形成用材料としては、
Cr、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、N
i、Ru等を挙げることができる。
50:50)、厚さ200nmの磁性層を作製した。円
盤上には、円盤中心から半径方向20mmの位置から4
0mmの位置まで幅10μmの等間隔の放射状ライン、
ライン間隔は半径方向20mmの最内周位置で10μm
間隔のパターンを形成した。磁性層はスパッタリング装
置(アネルバ社製730H)で直流スパッタリング法を
使用し、作製は、温度25℃、アルゴン圧力3.3×1
0-4Pa(0.25mTorr)、投入電力2.54W
/cm2の条件によって形成した。作製した磁気転写用
マスター担体の磁性層の磁歪定数を以下の評価方法によ
って測定するとともに、以下の方法によって剥離試験を
行いその結果を表1に示す。
o(原子比 70:30)に変更した点を除き、実施例
1と同様に実施例2の磁気転写用マスター担体を製造
し、実施例1と同様の方法で評価を行いその結果を表1
に示す。
eNi(原子比 65:22:13)に変更した点を除
き、実施例1と同様に実施例3の磁気転写用マスター担
体を製造し、実施例1と同様の方法で評価を行いその結
果を表1に示す。
に変更した点を除き、実施例1と同様に実施例4の磁気
転写用マスター担体を製造し、実施例1と同様に実施例
4の磁気転写用マスター担体を製造し、実施例1と同様
の方法で評価を行いその結果を表1に示す。
法によって、作製温度−196℃(77K)とした点を
除き実施例1と同様に比較例1のマスター担体を製造
し、実施例1と同様の方法で評価を行いその結果を表1
に示す。
法によって、作製温度−196℃(77K)とした点を
除き実施例2と同様に比較例2のマスター担体を製造
し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
法によって、作製温度−196℃(77K)とした点を
除き実施例3と同様に比較例3のマスター担体を製造
し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
点を除き実施例1と同様に比較例4のマスター担体を製
造し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
する基板を直径5mmの円形に切り出した試料上にスト
レインゲージを取り付ける。ストレインゲージを取り付
けたマスター磁性薄膜に398kA/m(5000O
e)の磁界を印加し、磁性層が完全に飽和した状態での
半径方向の伸び量(δL)と磁界印加前の元寸法(L)
を使用しλ=δL/Lから磁歪定数(λ)を算出した。 2.耐久性の測定 磁性層を形成したマスター担体に10Hzの振動数を有
する398kA/m(5000Oe)の交流磁界を5分
間印加する。交流磁界印加後の磁性層表面に18mm×
20mmの粘着テープ(日東電工社製 ポリエチレンナ
フタレートテープ No.31B)を接着し、981m
N/cm2(500gf/cm2)以上の力で3回以上こ
すりつけ完全に密着後、一気に引き剥がす。この作業を
5回異なった場所に対して実施する。テープ引き剥がし
後の磁性層表面を微分干渉型顕微鏡により、480倍の
拡大率で50視野観測を行い、50視野中の磁性層剥離
個所が10カ所以上であれば不良、10カ所未満であれ
ば良好と評価した
ター担体を用いた磁気転写方法によって、ハードディス
ク、大容量リムーバブルディスク媒体、大容量フレキシ
ブル媒体等のディスク状媒体に、短時間に生産性良く、
トラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生ク
ロック信号等のプリフォーマット記録を高精度で多数回
安定して行うことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気転写用マスター担体からスレーブ媒
体への磁気記録情報の転写方法において、磁気転写用マ
スター担体の磁性層の磁歪定数が−100×10-6以
上、100×10-6未満であることを特徴とする磁気転
写方法。 - 【請求項2】 磁気転写方法が、基板の表面の情報信号
に対応する部分に磁性層が形成された磁気転写用マスタ
ー担体と転写を受けるスレーブである磁気記録媒体を使
用し、予めスレーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流
磁化した後、磁気転写用マスター担体と初期直流磁化し
たスレーブ媒体とを密着させてスレーブ媒体面の初期直
流磁化方向と逆向き方向に転写用磁界を印加し磁気転写
をおこなうことを特徴とする請求項1記載の磁気転写方
法。 - 【請求項3】 請求頃1または2記載の方法によりサー
ボ信号を記録したことを特徴とする磁気記録媒体。
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