JP2001273632A - 磁気転写方法 - Google Patents

磁気転写方法

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JP2001273632A
JP2001273632A JP2001007714A JP2001007714A JP2001273632A JP 2001273632 A JP2001273632 A JP 2001273632A JP 2001007714 A JP2001007714 A JP 2001007714A JP 2001007714 A JP2001007714 A JP 2001007714A JP 2001273632 A JP2001273632 A JP 2001273632A
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magnetic transfer
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JP2001007714A
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English (en)
Inventor
Shoichi Nishikawa
正一 西川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーボ信号等の情報を担持するマスター担体
を用いて、スレーブ媒体の両面に片面ずつ順次磁気転写
を行う磁気転写方法において、良好な磁気記録信号の転
写を行う。 【解決手段】 スレーブ媒体2のトラック方向の一方向
に静磁界(初期直流磁界)Hinを印加して直流消磁(直
流磁化)を行ない、その後、スレーブ媒体2の第1の磁
気転写面2bに第1のマスター担体3の情報担持面を密
着させ、スレーブ媒体2の第2の磁気転写面2cにリリ
ース媒体1の磁性層1bを密着させた状態で初期直流磁
界4とは逆方向に転写用磁界Hduを印加して磁気転写を
行う。次に、スレーブ媒体2の第1の磁気転写面2bに
リリース媒体1の磁性層1bを密着させ、スレーブ媒体
2の第2の磁気転写面2cに第2のマスター担体4を密
着させた状態で先の磁気転写時と同様に転写用磁界Hdu
を印加して磁気転写を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気転写方法に関
し、さらに詳しくはマスター担体からスレーブ媒体に情
報を磁気的に転写する磁気転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体においては一般に、情報量
の増加に従って、多くの情報を記録する大容量で安価
で、さらに好ましくは短時間で必要な箇所が読み出せ
る、いわゆる高速アクセスが可能な媒体が望まれてい
る。それらの一例としてはHDやZIPに代表される高
密度FDが知られている。大容量を実現するためには、
狭いトラック幅を正確に磁気ヘッドが走査し、高いS/
N比で信号を再生する、いわゆるトラッキングサーボ技
術が、大きな役割を担っている。トラッキングサーボ技
術を用いて再生される磁気記録媒体には、ディスクの1
周の中で、ある間隔でトラッキング用のサーボ信号、ア
ドレス情報信号、再生クロック信号等が、いわるプリフ
ォーマットとして記録されている。
【0003】磁気ヘッドはこのようなプリフォーマット
の信号を読み取って自らの位置を修正することにより正
確にトラック上を走行することが可能に設定されてい
る。現在のプリフォーマットは、ディスクを専用のサー
ボ記録装置を用いて1枚づつまた1トラックずつ記録し
て作成される。
【0004】しかしながら、サーボ記録装置は高価であ
り、またプリフォーマット作成に時間が掛かるために、
この工程が製造コストの大きな部分を占めることになっ
ており、その低コスト化が望まれている。
【0005】一方、1トラックずつプリフォーマットを
記録するのではなく、磁気転写方法によりそれを実現す
る方法も提案されている。例えば、特開昭63−183
623、特開平10−40544および特開平10−2
69566にそのような磁気転写技術が紹介されてい
る。ところが、実際上の具体的な手法は開示されておら
ず、特に転写時に印加する磁界の条件およびその磁界を
発生するための具体的な装置構成などは不明であった。
【0006】そこで、例えば特開昭63−183623
や特開平10−40544では、基板の表面に情報信号
に対応する凸凹形状が形成され、凸凹形状の少なくとも
凸部表面に強磁性薄膜が形成された磁気転写用マスター
担体の表面を、強磁性薄膜あるいは強磁性粉塗布層が形
成されたシート状もしくはディスク状磁気記録媒体の表
面に接触、あるいはさらに交流バイアス磁界、あるいは
直流磁界を印加して凸部表面に形成された強磁性材料を
励起することにより、凸凹形状に対応する磁化パターン
を磁気記録媒体に記録する方法が提唱されている。
【0007】この方法は、マスター担体の凸部表面をプ
リフォーマットするべき磁気記録媒体、すなわちスレー
ブ媒体に密着させて同時に凸部を構成する強磁性材料を
励磁することにより、スレーブ媒体にプリフォーマット
信号を記録するという転写方法であり、磁気転写用マス
ター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を変化させる
ことなく静的に記録を行うことができ、正確なプリフォ
ーマット記録が可能であり、しかも記録に要する時間も
極めて短時間である。
【0008】ところで、スレーブ媒体となる磁気記録媒
体は、その大容量化のために、支持体の両面に磁性層を
有し、両面使用可能とされており、各面についてそれぞ
れプリフォーマットが必要である。上述のような磁気転
写方法を用いてスレーブ媒体両面へのプリフォーマット
を行う際には、両面のそれぞれにマスター担体を密着さ
せて両面同時に磁気転写を行う方法と、片面ずつ順次磁
気転写を行う方法とが考えられる。しかしながら、マス
ター担体に使用される基板には数μmの反りがあり、結
果としてマスター担体が数μmの反りを有している。こ
のように反りのあるマスター担体を用いて両面同時に磁
気転写を行う場合、両面にそれぞれ配されたマスター担
体とスレーブ媒体との密着性を確保するためには、両者
を相当な力で押圧する必要がある。マスター担体は複数
のスレーブ媒体への磁気転写に用いられるものであり、
このような大きな力での押圧が繰り返されると、機械的
(力学的)に破損するおそれがある。一方、片面ずつ転
写を行う場合には、同時転写の場合より押圧の力が小さ
くてすむという利点がある。そこで磁気転写用のマスタ
ー担体の耐久性を向上させるために、片面ずつ磁気転写
を行うことが望ましいと考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、片面ず
つ磁気転写を行う場合には、片面(第1の磁気転写面)
への磁気転写後、他面(第2の磁気転写面)への磁気転
写時に印加される転写用磁界により、第1の磁気転写面
に既に記録されている磁気記録信号が消去、あるいは欠
落するおそれがある。また、第1の磁気転写面の磁気転
写時の転写用磁界により、第2の磁気転写面の磁化に悪
影響を受ける場合もある。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、支持体の両面に磁性層を有してなるスレーブ媒
体の両面に片面ずつ順次磁気転写を行う磁気転写方法に
おいて、良好な磁気記録信号の転写を行うことができる
磁気転写方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気転写方法
は、転写すべき情報を担持した磁気転写用マスター担体
を、支持体の両面に磁性層を有するスレーブ媒体の表面
に密着させ、転写用磁界を印加して、前記スレーブ媒体
に前記情報を磁気転写する磁気転写方法であって、前記
スレーブ媒体の第1の面に磁気転写を行い、次いで、磁
性層を有するリリース媒体を前記スレーブ媒体の第1の
面に密着させた状態で、該スレーブ媒体の第2の面に磁
気転写を行うことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の他の磁気転写方法は、転写
すべき情報を担持した磁気転写用マスター担体を、支持
体の両面に磁性層を有するスレーブ媒体の表面に密着さ
せ、転写用磁界を印加して、前記スレーブ媒体に前記情
報を磁気転写する磁気転写方法であって、前記スレーブ
媒体の第1の面に磁気転写を行う際、磁性層を有するリ
リース媒体を前記スレーブ媒体の第2の面に密着させた
状態で磁気転写を行い、次いで、磁性層を有するリリー
ス媒体を前記スレーブ媒体の第1の面に密着させた状態
で、該スレーブ媒体の第2の面に磁気転写を行うことを
特徴とするものである。
【0013】上記各磁気転写方法において、スレーブ媒
体の第1の面とは最初に磁気転写がなされる面をいい、
第2の面とは後に磁気転写がなされる面をいう。
【0014】なお、スレーブ媒体の第1の面に磁気転写
を行う際に用いるリリース媒体と、第2の面に磁気転写
を行う際に用いるリリース媒体とは、同一のものであっ
てもよいし、別のものであってもよい。
【0015】なお、前記リリース媒体の磁性層の比透磁
率が前記スレーブ媒体の磁性層の比透磁率よりも高いも
のであることが望ましい。また、この場合には、前記マ
スター担体が、基板と該基板上に設けられた磁性層とを
備えてなるものであるとき、前記リリース媒体の磁性層
厚(dr)と磁化(Mr)との積、および前記マスター
担体の磁性層厚(dm)と磁化(Mm)との積の関係が 0.5<(Mm・dm)/(Mr・dr)≦1.0 であることが望ましい。
【0016】なお、上記本発明の磁気転写方法において
は、前記スレーブ媒体の第1の面に磁気転写を行う前
に、該スレーブ媒体の磁化をトラック方向に初期直流磁
化させ、前記転写用磁界を前記初期直流磁化の方向と略
逆向きの方向に印加して磁気転写を行うことが望まし
い。ここで、スレーブ媒体の磁化とは、スレーブ媒体の
各磁性層の磁化を意味するものである。
【0017】なお、前記情報信号をサーボ信号としても
よい。
【0018】
【発明の効果】本発明の磁気転写方法によれば、スレー
ブ媒体の第1の面への磁気転写後、スレーブ媒体の第2
の面に転写を行う際に、第1の面に磁性層を有するリリ
ース媒体を密着させておくことにより、第2の面への磁
気転写時の転写磁界により生ずる磁束の第1の面(第1
の面側の磁性層)への進入が低減されるため、片面ずつ
の磁気転写において第1面の磁化反転、磁気状態の変化
を防止でき、既に磁気転写がなされ磁気記録情報を有し
ている第1の面の磁気記録信号が消去されること、ある
いは欠落することを防止できる。
【0019】本発明の他の磁気転写方法によれば、スレ
ーブ媒体の第1の面への磁気転写時には、第2の面に磁
性層を有するリリース媒体を密着させておき、スレーブ
媒体の第2の面への磁気転写時には、第1の面に磁性層
を有するリリース媒体を密着させておくことにより、第
1、第2の各面への磁気転写時に印加される転写用磁界
により生ずる磁束の他面への進入を低減することがで
き、各面における磁気記録信号の消去、欠落を防止する
ことができる。
【0020】前記リリース媒体の磁性層の比透磁率が前
記スレーブ媒体の磁性層の比透磁率よりも高いものであ
れば、磁束吸い込み効果がより顕著となり、上記のよう
な信号劣化防止の効果がさらに向上する。
【0021】また、スレーブ媒体の第1の面への磁気転
写を行う前に、スレーブ媒体の磁化をトラック方向に初
期直流磁化させておくことにより、より良好な磁気転写
を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は本発明に係る磁気転写方法を示す図
であって、(a)は磁場(初期直流磁界)を一方向に印
加してスレーブ媒体を初期直流磁化する工程、(b)は
スレーブ媒体の第1の面へ磁気転写を行う工程、(c)
はスレーブ媒体の第2の面へ磁気転写を行う工程、
(d)は磁気転写後のスレーブ媒体の磁化の状態をそれ
ぞれ示す図であり、簡単のためにそれぞれ一部断面図の
みを示している。
【0023】スレーブ媒体2は、支持体2aの両面に磁
性層2b、2cを有するものであり、これらの磁性層2
b、2cが第1の磁気転写面(第1の面)および第2の
磁気転写面(第2の面)を構成する。マスター担体3、
4はそれぞれスレーブ媒体2の磁性層2b、2cに転写
すべき情報に応じた凹凸パターンを表面に有したもので
あり、基板3a、4aと該基板上に上述の凹凸パターン
を構成する磁性層3b、4bとからなる。また、リリー
ス媒体1は、基板1a上に磁性層1bを有してなるもの
である。
【0024】磁気転写方法の概要は次のようなものであ
る。まず図1(a)に示すように、スレーブ媒体2のト
ラック方向の一方向に静磁界(初期直流磁界)Hinを印
加して直流消磁(直流磁化)を行う。その後、図1
(b)に示すように、このスレーブ媒体2の第1の磁気
転写面2bに第1のマスター担体3の情報担持面(凹凸
パターン面)を密着させ、スレーブ媒体2の第2の磁気
転写面2cにリリース媒体1の磁性層1bを密着させた
状態で初期直流磁界4とは逆方向に転写用磁界Hduを印
加して磁気転写を行う。次に、図1(c)に示すよう
に、スレーブ媒体2の第1の磁気転写面2bにリリース
媒体1の磁性層1bを密着させ、スレーブ媒体2の第2
の磁気転写面2cに第2のマスター担体4を密着させた
状態で先の磁気転写時と同様に転写用磁界Hduを印加し
て磁気転写を行う。なお、転写用磁界Hduの強度は、ス
レーブ媒体2の保持力Hcsとの関係において、0.6×
Hcs〜1.3×Hcsが好ましく、0.8×Hcs〜1.2
×Hcsがさらに好ましい。
【0025】上記のようにスレーブ媒体2の第1の磁気
転写面2b、第2の磁気転写面2cについて順次磁気転
写を行った結果、図1(d)に示すように、各磁気転写面
(トラック)2b、cにはマスター担体3、4表面の凹
凸パターンに応じた情報が磁気的に転写記録される。
【0026】次に、マスター担体について説明する。マ
スター担体の基板としてはシリコン、アルミ、ガラス、
高分子材料等を用いることができる。なお、基板の表面
は平滑である必要がある。この基板上にフォトレジスト
を塗布し、サーボ信号のパターンに応じたマスクを用い
て一括露光、現像処理により、情報に応じたパターンを
形成する。次いで、反応性エッチング、Ar等による物
理的エッチング、もしくは液体によるエッチング等のエ
ッチング工程により基板のエッチングを行い、基板に所
定の深さの凹部を形成する。次いで、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等により磁性材
料が凹部を埋める程度まで成膜する。その後、フォトレ
ジストを除去することにより、結果として、パターン状
に磁性層を有するマスター担体が形成される。
【0027】なお、基板上にパターン状の凹部を形成す
る際には、直接けがきにより形成してもよいし、射出成
形法により凹凸パターンを有する基板を作成してもよ
い。
【0028】また、上述のマスター担体は、基板の凹部
に磁性材料が埋め込まれ、結果としてマスター担体表面
が平坦な形状に形成されたものであるが、表面に凹凸パ
ターンを有する基板上の凹凸パターン上に一様に磁性層
を成膜するようにしてもよい。
【0029】また、平板基板を用い、平板基板上に、サ
ーボ信号パターンに応じた磁性層の凸部をフォトファブ
リケーションで作成してもよい。図1に示すマスター担
体3、4は平板基板上に磁性層の凸部パターンが形成さ
れてなるものを示している。
【0030】磁性層を構成する磁性材料としてはCo、
Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZ
r、等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、
FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTa
N)、Ni、Ni合金(NiFe)等を用いることがで
きる。特に好ましいのはFeCo、FeCoNiであ
る。なお、磁性層dmの厚みは20nm〜1000nm
の範囲が好ましく、さらに好ましくは50nm〜300
nmである。この磁性材料としては、磁束密度が大きい
こと、スレーブ媒体2と同じ方向(面内記録なら面内方
向、垂直なら垂直方向)の磁気異方性を有するものであ
ることが、明瞭な転写が行えるので好ましい。
【0031】また磁性層に上述のような磁気異方性を持
たせるために、磁性層の下(基板側)に非磁性の下地層
を設けることが好ましい。この非磁性層は結晶構造と格
子定数とを磁性層のものと合わせる必要がある。このよ
うな非磁性層としては、Cr、CrTi、CoCr、C
rTa、CrMo、NiAl、Ru等を用いることがで
きる。
【0032】なお、磁性層の上5〜30nmのDLC等
の保護膜を設けてもよい。さらに、保護膜上に潤滑剤層
を設けることが望ましい。潤滑剤層を設ける理由は、ス
レーブ媒体2との位置合わせ時に生じるずれを補正する
際の摩擦を緩和し、耐久性を向上させるためである。
【0033】次に、リリース媒体1について説明する。
既に述べたように、リリース媒体は、スレーブ媒体の片
面への磁気転写時にスレーブ媒体の他面に密着させ、転
写磁界が印加されたときに生じる磁束をリリース媒体の
密着されているスレーブ媒体の面内でなく、リリース媒
体の磁性層に収束させ、転写信号の品位劣化を防止する
ものである。
【0034】リリース媒体1としては、マスター担体と
略同一の材料を用いることができ、具体的には、基板と
して、シリコン、アルミ、ガラス、高分子材料等を用
い、その表面に磁性層が成膜されてなるものである。
【0035】なお、本発明者らが行った種々の実験結果
において、リリース媒体の磁性層には、比透磁率が5〜
10000、好ましくは50〜5000、さらに好まし
くは100〜4000の範囲の材料を用いることによ
り、信号の転写不良や転写済みの信号の乱れを防止でき
ることが確認されている。ただしここで、リリース媒体
1の比透磁率は、実用上はスレーブ媒体2の比透磁率よ
りも高くすることがより効果的である。
【0036】磁性層の具体的な磁性材料としてはCo、
Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZ
r、等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、
FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTa
N)、Ni、Ni合金(NiFe)等を用いることがで
きる。この磁性層の厚みは好ましくは20〜1000n
m、さらに好ましくは50〜300nmである。
【0037】なお磁性層の上に5〜20nmのDLC等
の保護膜を設けてもよい。さらに保護膜上に潤滑剤を設
けてもよい。潤滑剤を設ける理由は、スレーブ媒体2と
の接触過程で生じる摩擦を低減し、耐久性を向上させる
ためである。
【0038】なお、リリース媒体の磁性層への磁束吸い
こみの効果はこの磁性層の飽和磁化と磁性層厚の積に比
例するため、飽和磁化および/または磁性層厚を大きく
することにより、リリース媒体内への磁束吸いこみ量を
大きくすることができる。一方、磁気転写面側の磁気転
写の信号品位を維持する必要があるため、リリース媒体
およびマスター担体としては、リリース媒体の磁性層厚
(dr)と磁化(Mr)との積、およびマスター担体の
磁性層厚(dm)と磁化(Mm)との積の関係が 0.5<(Mm・dm)/(Mr・dr)≦1.0 であることが好ましい。
【0039】次にスレーブ媒体2について述べる。スレ
ーブ媒体2としては塗布型磁気記録媒体、あるいは金属
薄膜型磁気記録媒体を用いる。塗布型磁気記録媒体とし
てはZip100、Zip250、HiFDなどの市販
媒体が挙げられる。金属薄膜型磁気記録媒体の磁性材料
としてはCo、Co合金(CoPtCr、CoCr、C
oPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、
CoNi等)を用いることができる。
【0040】上述において説明した通り、スレーブ媒体
のプリフォーマットを磁気転写により行うことにより、
マスター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を変化さ
せることなく静的に記録を行うことができ、しかも正確
なプリフォーマット記録が可能であり、かつその記録に
要する時間も極めて短時間にでき、さらに、両面同時に
磁気転写を行う方法では繰り返しの使用によりマスター
担体の破損が容易に生じていたが、片面ずつ磁気転写を
行うため、マスター担体の破損度を低減することができ
る。
【0041】また、特に、本発明においては一方の面へ
の磁気転写時に、他方の面に磁性層を有するリリース媒
体を密着させ、一方の面への磁気転写時に印加する転写
用磁界により生じる磁束をリリース媒体の磁性層に収束
させることにより、他方の面の磁化に影響を与えないよ
うにすることができ、リリース媒体を用いない場合に生
じていた他方の面の磁気記録信号の消去、あるいは欠落
等を防止することができる。
【0042】以下に、本発明の磁気転写方法の実施例1
〜6およ比較例1〜3を示し、その特性を評価した結果
を図2に示す。
【0043】まず、評価の方法を説明する。マスター担
体からスレーブ媒体(磁気記録媒体)への磁気転写方法
は上記実施の形態(図1参照)において説明した通りで
ある。スレーブ媒体2の第1の磁気転写面2bへの磁気
転写がなされた時点で、一旦スレーブ媒体2の該第1の
磁気転写面2bからの再生出力を観測する。その後、ス
レーブ媒体2の第2の磁気転写面2cへの磁気転写を行
い、この第2の磁気転写面2cへの磁気転写後、第1の
磁気転写面2bの再生出力を再度観測する。この時の出
力が最初の磁気転写直後の出力の95%以上であれば
○、80〜94%であれば△、80%未満であれば×と
評価した。なお、信号の再生には、ヘッドギャップが
0.35μm、トラック幅が3.1μmであるインダク
ティブヘッドを用いた。また、磁気転写時のマスター担
体とスレーブ媒体の密着性の評価には電特測定装置(協
同電子製:SS−60)を使用した。
【0044】マスター担体3、4としては、その磁性層
がFeCo50at%からなり、磁性層厚みが200n
m、比透磁率100の3.5型円盤(直径3.5インチ
円盤)を用いた。円盤状パターンは円盤中心から半径方
向20mm〜40mmの位置までの幅10μm等間隔の
放射状ライン、ライン間隔は半径方向20mmの最内周
位置で10μm間隔であった。
【0045】スレーブ媒体2としては、市販のZip2
50塗布型磁気記録媒体を使用した。
【0046】また、初期直流磁界および転写用磁界は電
磁石を用いて印加した。スレーブ媒体2の初期磁化を行
う際には、初期直流磁界Hinとしてピーク磁界強度が3
98kA/m(5000Oe:スレーブ媒体2Hcの2
倍)を印加し、スレーブ媒体2の第1の磁気転写面2b
への磁気転写時には、初期直流磁界とは反対の向きに1
99kA/m(2500Oe)の転写用磁界Hduを印加
した。また、スレーブ媒体2の第2の磁気転写面2cへ
の磁気転写時には、第1の磁気転写面への磁気転写時の
磁界と同方向に199kA/m(2500Oe)の転写
用磁界を印加した。
【0047】[実施例1] リリース媒体1として、そ
の磁性層をFeCo50at%を用いてスパッタ法によ
り作成し、磁性層厚200nm、比透磁率100の3.
5型円盤(直径3.5インチ円盤)を使用した。その結
果、出力割合(最初の出力に対する後の出力の割合)は
96%と良好な結果が得られた。
【0048】[実施例2] リリース媒体1として、そ
の磁性層をCoFe22Ni13at%を用いてスパッ
タ法により作成した、磁性層厚200nm、比透磁率1
000のものを使用した。その結果、出力割合は94%
と良好な結果が得られた。
【0049】[実施例3] リリース媒体1として、そ
の磁性層をFeNi80at%を用いてスパッタ法によ
り作成した、磁性層厚200nm、比透磁率2000の
ものを使用した。その結果、出力割合は98%と良好な
結果が得られた。
【0050】[実施例4] リリース媒体1として、そ
の磁性層をFeNi80at%を用いてメッキ法により
作成した、磁性層厚200nm、比透磁率3200のも
のを使用した。その結果、出力割合は82%となり、上
記実施例1〜3よりも出力割合は若干低下したものの、
概ね良好な結果が得られた。
【0051】[実施例5] リリース媒体1として、上
記の実施例1に示したリリース媒体の磁性層厚を220
nmとしたものを使用した。その結果、出力割合は99
%と良好な結果が得られた。
【0052】[実施例6] リリース媒体1として、上
記の実施例1に示したリリース媒体の磁性層厚を180
nmとしたものを使用した。その結果、出力割合は88
%となり、上記1〜3および5よりも出力割合は若干低
下したものの、概ね良好な結果が得られた。
【0053】以上は本発明に係る磁気転写方法を行なっ
た実験結果であり、いずれも良好な結果を示したが、本
発明との比較検討のために、従来の技術ではどのような
結果になるかを確認するべく、次に述べるような比較例
について実験を行なった。
【0054】[比較例1] リリース媒体1を使用しな
い、すなわち比透磁率を1として上記実施例と同様の磁
気転写を行った。リリース媒体1を使用しない点を除い
ては上記実施例と同一条件に設定した。その結果、出力
割合は10%となり、上記実施例1〜6よりも顕著に出
力割合が低下することが確認された。
【0055】[比較例2] リリース媒体1として、比
透磁率が1より小さいAlからなる媒体を使用した。そ
の結果、出力割合は12%となり、上記実施例1〜6よ
りも顕著に出力割合が低下することが確認された。
【0056】[比較例3] リリース媒体1として、比
透磁率が1より小さいTaからなる媒体を使用した。そ
の結果、出力割合は17%となり、上記実施例1〜6よ
りも顕著に出力割合が低下することが確認された。
【0057】以上のように、本発明に係る磁気転写方法
(実施例1〜6)を用いてプリフォーマットされたスレ
ーブ媒体は、従来の方法(比較例1)、もしくは磁性層
を有しない(比透磁率が1より小さい)リリース媒体
(比較例2および3)を用いてプリフォーマットされた
スレーブ媒体と比較して、スレーブ媒体の第2の面への
磁気転写時の転写用磁界による第1の面に先に記録され
ている情報信号への影響が少なく、磁性層を有するリリ
ース媒体を用いることが非常に有効であることが確認さ
れた。
【0058】なお、リリース媒体の比透磁率を高くする
と、転写終了後、リリース媒体1とスレーブ媒体を引き
剥がす際に、リリース媒体からの磁界によりスレーブ媒
体の磁気信号が変化する場合があり、種々の比透磁率の
リリース媒体について転写信号の信号品位の比較を行っ
た結果、既述のようにリリース媒体の磁性層の比透磁率
は5〜10000の範囲とすることにより信号の転写不
良や転写済みの信号の乱れを防止できることが確認され
た。
【0059】なお、上記実施形態では、主に水平磁気記
録方式における磁気転写方法についてを中心として述べ
たが、本発明に係る磁気転写方法は垂直磁気記録方式に
おける磁気転写方法についても適用可能であることは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気転写方法を示す図
【図2】本発明に係る磁気転写方法を用いた実験結果を
示す図
【符号の説明】
1 リリース媒体 1b リリース媒体の磁性層 2 スレーブ媒体 2b スレーブ媒体の第1の磁気転写面 2c スレーブ媒体の第2の磁気転写面 3、4 マスター担体 3b、4b マスター担体の磁性層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写すべき情報を担持した磁気転写用マ
    スター担体を、支持体の両面に磁性層を有するスレーブ
    媒体の表面に密着させ、転写用磁界を印加して、前記ス
    レーブ媒体に前記情報を磁気転写する磁気転写方法であ
    って、 前記スレーブ媒体の第1の面に磁気転写を行い、 次いで、磁性層を有するリリース媒体を前記スレーブ媒
    体の第1の面に密着させた状態で、該スレーブ媒体の第
    2の面に磁気転写を行うことを特徴とする磁気転写方
    法。
  2. 【請求項2】 転写すべき情報を担持した磁気転写用マ
    スター担体を、支持体の両面に磁性層を有するスレーブ
    媒体の表面に密着させ、転写用磁界を印加して、前記ス
    レーブ媒体に前記情報を磁気転写する磁気転写方法であ
    って、 前記スレーブ媒体の第1の面に磁気転写を行う際、磁性
    層を有するリリース媒体を前記スレーブ媒体の第2の面
    に密着させた状態で磁気転写を行い、 次いで、磁性層を有するリリース媒体を前記スレーブ媒
    体の第1の面に密着させた状態で、該スレーブ媒体の第
    2の面に磁気転写を行うことを特徴とする磁気転写方
    法。
  3. 【請求項3】 前記リリース媒体の磁性層の比透磁率が
    前記スレーブ媒体の磁性層の比透磁率よりも高いことを
    特徴とする請求項1または2記載の磁気転写方法。
  4. 【請求項4】 前記マスター担体が、基板と該基板上に
    設けられた磁性層とを備えてなるものであり、 前記リリース媒体の磁性層厚(dr)と磁化(Mr)と
    の積、および前記マスター担体の磁性層厚(dm)と磁
    化(Mm)との積の関係が 0.5<(Mm・dm)/(Mr・dr)≦1.0 であることを特徴とする請求項3記載の磁気転写方法。
  5. 【請求項5】 前記スレーブ媒体の第1の面に磁気転写
    を行う前に、該スレーブ媒体の磁化をトラック方向に初
    期直流磁化させ、 前記転写用磁界を前記初期直流磁化の方向と略逆向きの
    方向に印加して磁気転写を行うことを特徴とする請求項
    1から4いずれか1項記載の磁気転写方法。
  6. 【請求項6】 前記情報信号がサーボ信号であることを
    特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の磁気転写
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051649A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Fujitsu Limited 情報記録媒体
KR100503160B1 (ko) * 2002-03-20 2005-07-22 후지 샤신 필름 가부시기가이샤 자기전사용 마스터담체

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