JP2001194699A - 像振れ補正光学装置 - Google Patents

像振れ補正光学装置

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JP2001194699A
JP2001194699A JP2000359300A JP2000359300A JP2001194699A JP 2001194699 A JP2001194699 A JP 2001194699A JP 2000359300 A JP2000359300 A JP 2000359300A JP 2000359300 A JP2000359300 A JP 2000359300A JP 2001194699 A JP2001194699 A JP 2001194699A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 手振れ等による像振れを補正する補正光学系
を、簡単な構成によって確実に駆動制御する。 【解決手段】 像振れ補正用の補正光学系7を、光軸に
直交する面内で移動可能に支持する。Y駆動部30は、
駆動手段42により回転成分を伴なう運動を行なうアー
ム機構と、補正光学系7の慣性系に対する回転を検出す
る角変化検出手段18と、制御手段23とを備える。前
記アーム機構を、前記駆動手段によって回動される駆動
用アームMと、これに連動して回動し補正光学系7を光
軸と直交する平面内において移動させるアームKと、こ
れに連動して回動し前記角変化検出手段が取付けられた
検出用アームNとで構成する。焦点距離fの光学系の光
軸の変化角度θでの像振れ量d(=f・θ)を補正する
補正光学系の移動量D’=D/A(A=比例係数、D=
像移動量に応じてアームNを、光学系に対する角度変化
が−θとなるように制御し、像振れ補正を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の移動物体に搭載
または保持されるカメラ、特に一般的なスチルカメラに
おいて手振れ防止機能付きカメラ等に採用して好適な像
振れ補正光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学装置に対しての動揺による像振れを
補正するために、光学装置における光学系の一部(勿
論、光学系全体であってもよい)を補正光学系として構
成し、この補正光学系を、光軸と垂直な面内で移動させ
るようにしたものが、従来既に提案されている。
【0003】たとえば特開平2−120821号公報に
は、振れ検出器、振れ補正光学系を有し、かつ前記振れ
検出器が補正光学系の動作量の検出器としても機能する
ようにしてなる像振れ補正装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来から知られている補正装置では、理想的な薄肉単
レンズで適用可能であるが、レンズ交換式カメラの交換
レンズに適用する場合には、ボディ側の厚みがあるため
補正光学系の動作量検出も兼ねる振れ検出器の設置がス
ペース上困難であるといった問題を避けられないもので
あった。
【0005】さらに、スチルカメラ等で多く用いられる
多数枚構成のレンズ群、たとえば本出願人が先に提案し
ている特開平2−234115号公報に示されているよ
うに、後方のレンズ群を、振れ補正のために駆動させる
にあたっては、やはり振れ検出器の設置が困難で、スペ
ース面から問題であるという欠点をもつものであった。
【0006】また、上述した従来装置では、振れ検出器
の構成要素が、光学装置の装置筐体と補正光学系を構成
する部材とに分散されており、設置、調整に手間がかか
るという問題もあるもので、このような問題点を一掃し
得る何らかの対策を講じることが望まれている。
【0007】特に、上述した従来例である特開平2−1
20821号公報においてその図9に示される実施例で
は、補正光学系(つまりシフト可能な結像レンズ)とハ
イドロスタティックセンサの反射ミラーとの距離が、フ
ィルム面との距離の半分必要となる。
【0008】すなわち、振れ角度θ、レンズ焦点距離f
としたときに、像振れ量D=f×θである(遠距離被写
体の場合で、以下本明細書中では全てこの仮定の下に説
明する)。そして、このときの像振れ量の補正のために
必要となる補正光学系の駆動量D’は、単レンズの場合
にはD’=Dで、補正光学系(シフト可能な結像レン
ズ)とハイドロスタティックセンサの反射ミラーとの距
離をAとすれば、2×A×θ=f×θ、2×A=fを満
たさねばならない。
【0009】しかし、このような従来構造では、交換レ
ンズの場合はマウント位置より後方のスペースが使えな
いため、この条件はきつく、これを満足することは困難
である。
【0010】また、上述した特開平2−234115号
公報による防振望遠レンズの光学系に関する構造の装置
では、光学性能維持のために通常D≒D’であって、し
かも補正光学系からフィルム面までの距離Aを、A<<
fとすることが必要で、たとえレンズ系がボディと一体
であっても、Aの距離が確保できない。通常のカメラ用
レンズは、ほとんどこのような構成になるものであり、
さらにD’<DとすればAを小さくできるが、”=”か
ら大きくはずれるのは光学性能上で困難な課題を多く生
じる結果となるもので、このような点に配慮しなければ
ならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る像振れ補正光学装置は、像振れを補
正するために光軸に直交する面内で移動可能に支持され
る光学系の一部を構成する補正光学系と、この補正光学
系を駆動する駆動手段と、この駆動手段により動作され
るように構成されかつこの駆動手段の駆動時に回転成分
を伴なう運動を行なうアーム機構と、このアーム機構に
設けられ慣性系に対する回転を検出する角変化検出手段
と、前記駆動手段を駆動制御する制御手段とを備えてな
り、前記アーム機構は、前記駆動手段によって回動され
る駆動用アームと、この駆動用アームに連動して前記補
正光学系を光軸と直交する平面内において移動させる支
持部材と、前記駆動用アームに連動して回動し前記角変
化検出手段が取付けられた検出用アームとからなり、前
記支持部材を、全体の焦点距離がfである光学系の光軸
に対しての変化角度θでの像振れ量d(d=f・θ)を
補正するための補正光学系の移動量D’{D’=D/A
(ただし、A=係数、D=像移動量)}に対応して可動
させ、前記駆動用アームと前記検出用アームを前記補正
光学系の特性(A)に基づいて配置することにより、こ
の検出用アームが、前記補正光学系の移動量D’の動き
に対応し、常に慣性系に対して回転しないように構成し
たものである。
【0012】また、本発明によれば、補正光学系の駆動
手段による検出用アームの駆動量に対しての運動量を調
整する調整手段を設け、この調整手段を、像振れ補正の
ための補正光学系の移動量D’に対応して回動させ、こ
れにより前記検出用アームの運動量を調整可能に構成し
たものである。
【0013】さらに、本発明によれば、補正光学系駆動
用の駆動手段を制御する制御手段を、角変化検出手段の
出力が静止出力に近づくように、駆動手段を作動させる
ように制御したり、角変化検出手段の出力が静止出力で
あるときには、駆動手段の前回の作動状態を維持するよ
うに制御したりするようにしたものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、像振れ補正光学系を駆動する
手段の一部が慣性系に対して、補正光学系の移動量D’
に対応して、回転しないようになっているため、取り付
けられた角変化検出手段の出力が静止出力となるような
方向に制御手段が駆動手段の作動制御を行なうことによ
り、補正光学系によって適切な像振れ補正を行なえる駆
動が可能となる。
【0015】
【実施例】図1ないし図7は本発明に係る像振れ補正光
学装置の第1実施例を示すものであり、これらの図にお
いて、本実施例では、図1に示したようにスチルカメラ
用の像振れ防止レンズ(望遠レンズ)に本発明を適用し
た場合を説明する。
【0016】まず、図1に示した本発明を適用してなる
像振れ防止機能付きの望遠レンズ1を備えてなるスチル
カメラ2の概略を説明すると、図1において3はカメラ
本体で、その前面部中央には、望遠レンズ1を構成する
レンズ鏡筒4が設けられている。そして、このレンズ鏡
筒4内には、撮影レンズ光学系を構成する第1群レンズ
である固定レンズ5、第2群レンズであるフォーカシン
グレンズ6、および第3群レンズである像振れ補正レン
ズ7が、それぞれ光軸方向に並列して設けられている。
【0017】ここで、このような撮影レンズ光学系の詳
細は、たとえば本出願人が先に提案している特開平2ー23
4115号公報等に示されてなる構成等を基にしているもの
であるが、ここでは説明を簡素化するために、凸レン
ズ、凹レンズ、凸レンズによる三群構成の模式図として
いる。
【0018】そして、上述した光学系において第3群レ
ンズである像振れ補正レンズ7が、光軸に直交する面内
で移動可能に配置され、この移動によってカメラ揺動に
よる像振れを補正するようになっている。
【0019】また、図中8はフィルムである。なお、こ
のスチルカメラ2には、レリーズボタン等を始めとし
て、カメラとして必要な各種の機構部品が設けられる
が、その詳細は周知の通りであり、説明は省略する。
【0020】図2ないし図5は本発明を特徴づける像振
れ補正光学系を構成する像振れ補正レンズ7およびその
駆動機構10の詳細を示すものである。これらの図にお
いて、主に図2を用いて要部構成を説明すると、符号1
1は上述した像振れ補正レンズ7を保持し後述するよう
に図2中上下方向に移動することによりYステージとし
て機能する補正光学系枠、12はこの補正光学系枠11
を図2中上下方向に移動可能に保持しかつ図2中左右方
向に移動可能なXステージで、このXステージ12は、
補正光学系枠11を左右から挾み込んで保持するととも
に、この補正光学系枠11のY方向へのガイド機能を備
えている。なお、補正光学系枠11とは入子構造であお
り(紙面に垂直な方向への倒れ)を防止するように構成
されている。
【0021】13はXステージ12外側を取り囲むよう
に配置されこのXステージ12を図中左右方向に移動可
能に保持しかつ上下方向から挾み込んで保持することに
よりこのXステージ12のX方向でのガイド機能を備え
ている固定枠で、この固定枠13は、光学装置としての
望遠レンズ1のレンズ鏡筒4(筐体)に固定して設けら
れている。なお、図中14a,14b,14cは各2個
づつが組となっている固定枠13の内側に設けられたガ
イド爪で、固定枠13に対してXステージ12のあおり
(図中紙面に垂直な方向への倒れ)を防止しているもの
である。
【0022】15はY駆動スライダで、このY駆動スラ
イダ15は、図4から明らかなように、回転半径R(図
6を用いて後述する)の円弧状を呈し、固定枠13の円
弧溝13aを移動可能に設けられている。また、このY
駆動スライダ15の一部に突設されている円筒状突起部
15aは、補正光学系枠11の長穴11a(図5参照)
に嵌合しており、これにより補正光学系枠11は、この
Y駆動スライダ15によってY方向に駆動されるように
なっている。なお、図中13b,13cはY駆動スライ
ダ15のガイド溝に係合するガイドレール部である。
【0023】ここで、このY駆動スライダ15での円弧
状を形成する回転半径Rについては図6等を用いて後述
するが、この場合に厳密に言えば、Y駆動スライダ15
の一部に設けられている円筒状突起部15aの中心が、
この回転半径Rの軌跡上に位置していることが、本実施
例では必要条件となる。
【0024】さらに、このY駆動スライダ15の円弧内
側縁部分にはギヤが切られており、これに噛合するY駆
動用ピニオンギヤ16が、図3および図4から明らかな
ように、設けられ、固定枠13外側にモータマウント1
7aを介して付設されたY駆動モータ17により回転駆
動されるようになっている。
【0025】18は上述したように回転半径Rの軌跡上
に位置する円筒状突起部15aが設けられているY駆動
スライダ15の一部に一体的に付設されこのY駆動スラ
イダ15の回転半径Rを中心とする回転を検出するため
の角変化検出手段としてのピッチング角速度計(セン
サ)で、この角速度計18は、本発明に係る光学装置の
X軸回りの回転角速度(ピッチング角速度)を検出する
ようになっている。ここでは、このピッチング角速度計
18として、公知の振動片型角速度計等を用いるとよ
い。
【0026】19はX駆動スライダ、20はX駆動用ピ
ニオンギヤ、21はX駆動モータ、22はヨーイング角
速度計であり、これらは上述したY軸側の構成部品(1
5〜18)と略同様の構成であり、その具体的な説明は
省略する。ここで、このX軸側では、角変化検出手段と
して、公知の振動片型角速度計等からなるヨーイング角
速度計22を用い、本発明装置のY軸回りでの回転角速
度(ヨーイング角速度)を検出するようになっている。
【0027】23は上述したY軸側およびX軸側を駆動
するための駆動制御部であり、CPU、モータ電源部等
より構成され、上述したピッチング角速度計18および
ヨーイング角速度計22の出力を基に演算を行ない、Y
駆動モータ17およびX駆動モータ21の駆動制御を行
なうところである。
【0028】以上の構成による装置動作を説明するため
にあたって、光学系での条件を、以下に述べる。まず、
先に説明した図1において、光学装置(光学系全体)に
対する第3群レンズである像振れ補正レンズ7のシフト
量D’に対応する結像面での像移動量Dは、以下の式で
表わせる。
【0029】D’=D/A D=A×D’ (A:比例定数) ・・・(1)
【0030】また、光学装置(光学系全体)の光軸の角
度変化による像移動において、光学系全体の焦点距離を
fとしたとき、光軸に対しての変化角度θでの像振れ量
dは、以下の式のようになる。 d=f×θ ・・・(2)
【0031】ただし、光学装置全体の光学系の主点移動
に起因する像移動は、通常(結像倍率β<<1の場合)
上記(2)式の光軸角度変化に起因する像振れ量dに比
べて小さいので無視する。
【0032】したがって、d=−Dが常に成り立つよう
に光学装置に対して補正光学系(像振れ補正レンズ7)
を駆動してやれば、光学系での光軸回転による像振れを
補正することができる。この像振れ量dを補正するため
の補正光学系の移動量をD’とすると、この移動量D’
は、下記(3)式のようになる。
【0033】 D’=−(f×θ)/A =−θ×(f/A) ・・・(3)
【0034】ところで、上述した図2ないし図5で説明
した補正光学系(像振れ補正レンズ7)の駆動機構10
において、Y駆動スライダ15(X駆動スライダ19に
ついても同等)を模式的に描くと、図6に示すようにな
る。
【0035】すなわち、Y駆動スライダ15は、前述し
たように円弧状の形状で形成されており、これは中心O
rに対して回転可能である。補正光学系枠11を駆動す
るためのY駆動スライダ15の円筒状突起部15aの中
心が、回転半径Rの位置に置かれている。なお、この図
6の例では、ピッチング角速度計18の感度軸も、回転
半径Rの軌跡上に位置している。
【0036】今、回転半径Rの値を、以下のように設定
する。 R=f/A ・・・(4) そして、この(4)式を、(3)式と組み合わせる。 D’=−θ×R ・・・(5)
【0037】この(5)式の条件は、光学装置の光軸が
θ角度変化した際に、回転中心Orに対しY駆動スライ
ダ15を−θ回転移動させてやることで、この条件は満
たされる。このことは、空間座標系(慣性系)で回転中
心Orに対する角度位置が常に一定であること、つまり
は角速度が発生しないことに他ならない。ここで、光学
装置、つまりは回転中心Orの平行移動に関しては、先
に述べたように無視する。
【0038】よって、常にY駆動スライダ15に固定さ
れたピッチング角速度計18の角変化出力が消滅するよ
うに、言い替えればピッチング角速度計18の出力が静
止出力となるように、駆動制御部23がY駆動モータ1
7を駆動させてY駆動スライダ15の位置を制御すれ
ば、ピッチングに関する像振れ補正が達成される。
【0039】なお、厳密には、本機構によれば、D’=
sin(−θ)×Rであるが、補正光学系のシフト量は
D’<<Rであるから、上述した(5)式で問題ないも
のである。
【0040】図7は上述した駆動制御部23でなされる
駆動制御アルゴリズムの一例を示すものである。
【0041】まず、ステップ(以下Sと略す)100か
らスタートし、S110でピッチング角速度計18の出
力を検出する。
【0042】次で、S120でピッチング角速度計18
の出力から、Y駆動スライダ15に掛かる角速度(d
θ)がマイナス方向であるか否かを判定する。そして、
マイナスであればS160に進み、Y駆動スライダ15
のマイナス角速度を打ち消すべく、プラスの角速度が掛
かる方向にY駆動モータ17の駆動を強化する(駆動電
圧を上げる)。また、S120でY駆動スライダ15に
掛かる角速度がマイナスでなければ、S130に進む。
【0043】このS130で今度はピッチング角速度計
18の出力から、Y駆動スライダ15に掛かる角速度が
プラス方向であるか否かを判定する。そして、プラスで
あればS150に進み、Y駆動スライダ15のプラス角
速度を打ち消すべく、マイナスの角速度が掛かる方向に
Y駆動モータ17の駆動を強化する。また、S130で
Y駆動スライダ15に掛かる角速度がプラスでなけれ
ば、S140に進む。
【0044】そして、S140に至る場合は、Y駆動ス
ライダ15に掛かる角速度がゼロである場合だから、こ
の状態を維持すべくY駆動モータ17の駆動を維持す
る。すなわち、駆動制御部23での制御を、前回のルー
チンで決定された駆動条件のままとする。勿論、このル
ーチンが、最初のルーチンであれば、モータ17は最初
停止しているものとし、停止状態を維持することにな
る。
【0045】上述したS140、S150、S160の
各ステップ動作が終了した後は、S170で一つのルー
チンを終了する。なお、S100〜S170のルーチン
は迅速に繰り返される。
【0046】また、S120、S130でのY駆動モー
タ17の駆動強化の度合いは、予め設定された所定の度
合いづつ強化するものでもよいが、検出された角速度の
絶対値に比例するように設定してやってもよい。
【0047】さらに、図示しないが、姿勢検出スイッチ
(たとえば水銀スイッチの組み合わせにより本装置の姿
勢、重力の掛かる方向が検出できるもの)を設けて重力
方向を検出し、駆動制御部23が各可動部材に掛かる重
力の影響を考慮してY駆動モータ17への電力供給を制
御してやれば、より一層高い精度の像振れ補正が可能と
なる。また、近年、実用化が盛んなファジー制御技術を
もって駆動制御を行っても好ましい。
【0048】以上、駆動制御部23での駆動制御アルゴ
リズムについて簡単な一例を示したが、これに限定され
ないことは言うまでもない。なお、X軸方向でのヨーイ
ングに関する像振れ補正に関しても、以上のY軸方向で
の駆動制御と全く同様であり、その説明は省略する。
【0049】また、上述した例では、角変化検出手段と
して、角速度計(センサ)を用いた場合を示している
が、これに限定されるものではない。たとえば特開昭6
4−1918号公報に示されるような角加速度センサで
もよい。すなわち、Y駆動スライダ15が常に慣性系に
対して角度変化を起こさないように補正光学系を駆動制
御すればよいので、角加速度発生を常に抑える方向に駆
動制御してやればよい。
【0050】あるいは、感度軸を合わせた(Y駆動スラ
イダ15回転軌道の接線方向)2個の加速度センサを組
み合わせたものであってもよい。すなわち、加速度セン
サをY駆動スライダ15の光軸方向前方/後方(回転半
径大/小となる位置)に固定し、両者の出力差について
注目すれば、Y駆動スライダ15が慣性系に対して角加
速度成分無き場合は出力差無し、角加速度成分ある場合
は出力差有りとなる。よって、両加速度センサの出力差
を検出して、出力差発生を抑える方向に駆動制御してや
ればよい。
【0051】図8ないし図10は本発明に係る像振れ補
正光学装置の第2の実施例を示すものであり、これらの
図において、前述した図2ないし図5と同一または相当
する部分に関しては同一番号を付して、詳細な説明は省
略する。図8中30,31はX駆動部およびY駆動部
で、補正光学系としての像振れ補正レンズ7および補正
レンズ枠11をX方向、Y方向に駆動するようになって
いる。なお、これらX,Y駆動部30,31は同一の構
造となっているため、以下Y駆動部31についてのみに
説明し、これに対応するX駆動部30には同一番号を付
し、説明は省略する。
【0052】32は円柱状のY駆動軸、33(33A,
33B;以下、このように組となっているものはまとめ
て同様に表記する)はY駆動軸32の両端部にかしめ等
で固定されたY駆動軸支持部材、34(34A,34
B)はY駆動軸支持部材33に固定されたY駆動用Bピ
ン、35はY駆動用Bピン34に回転自在に嵌合してい
るY駆動アーム、36(36A,36B)はY駆動アー
ム35に固定されたY駆動用Oピンである。
【0053】また、37(37A,37B)は図9およ
び図10から明らかなようにY駆動軸支持部材33に固
定されたY駆動用Cピン、38(38A,38B)はY
駆動用Oピン36に回転自在に嵌合され本発明の光学装
置の筐体(レンズ鏡筒4)に固定されているY駆動部支
持部材、39は補正光学系である像振れ補正レンズ7を
含むY駆動部31のY駆動用Oピン36回りの自重によ
る偶力を打ち消す重量に設定されかつY駆動アーム35
に固定されたY駆動部バランサである。
【0054】さらに、図9中40はY駆動アーム35に
固定されたY駆動ウォームホイール、41はこのY駆動
ウォームホイール40に噛み合ったY駆動ウォーム、4
2はY駆動ウォーム41を駆動するY駆動モータであ
る。
【0055】43はピッチング角速度計18が固定され
ているY検出用アーム、44はY検出用アーム43端部
に固定されY駆動軸支持部材33の穴部に回転自在に嵌
合するFピン、45はY検出用アーム43の端部に固定
されているGピンである。
【0056】このような構成において、Y駆動軸受け部
46はY駆動軸32と嵌合しており、補正レンズ7はY
駆動軸32の軸方向、回転方向に対し自在に摺動可能と
成っている。なお、図8において47はこのY駆動軸受
け部46に相当するX駆動軸受け部である。
【0057】また、Y駆動部支持部材38には、図9か
ら明らかなように、光軸方向に切り込み38aが入って
おり、Y駆動用Cピン37およびGピン45と嵌合して
いる。そして、このような構成によれば、Y駆動用Cピ
ン37およびGピン45が光軸方向にのみ摺動可能にな
っている。
【0058】図11および図12は上述した図8ないし
図10に示した実施例を模式的に表し、前述した図1と
同一部分には同一符号を示している。なお、これらの図
においてはY駆動系に関係する箇所のみ簡略化して示す
が、図示を省略した紙面に垂直な方向でのX駆動系につ
いても同様の構成であり、具体的な図示および説明は省
略する。
【0059】これらの図において、点AはY駆動軸3
2、点BはY駆動用Bピン34、点CはY駆動用Cピン
37、点OはY駆動用Oピン36、点FはY検出用アー
ム43のFピン44、点GはGピン45を示している。
さらに、点DはY駆動部バランサ39である。
【0060】また、点ABCを結ぶアームKはY駆動軸
支持部材33、点BODを結ぶアームMはY駆動アーム
35、点FGを結ぶアームNはY検出用アーム43に相
当する。さらに、点FはアームK上の点B点C間にあ
る。
【0061】ここで、上述した点A点B間距離、点B点
C間距離、点O点B間距離は同一に設定されている。ま
た、点O点D間距離は、上記点A点B間距離に比べてか
なり大きく設定されている。たとえば点A点B間距離を
1とした場合、点O点D間距離は10とする。
【0062】さらに、補正光学系となる補正レンズ7が
中立状態(補正光学系の光軸とその他の光学系の光軸と
が一致している状態)において、点Aと点Oは同一位置
に重なっていて、アームKおよびアームMは光軸と平行
になる。なお、図11、図12は補正光学系(補正レン
ズ7)を+Y方向に移動ストロークD’だけ駆動した状
態を示している。
【0063】以上の構成において、アームMを点O中心
に左回りに回転させれば、アームMは点Bを介してアー
ムKを右回りに回転させ、補正光学系(像振れ補正レン
ズ7)を+Y方向に移動させる。この際、点Cが光軸方
向にのみ摺動可能なので、点Aは光軸と垂直な平面内に
おいてのみ移動する。なお、このようなアーム構成は、
機構学において公知のスコット・ラッセル機構を形成し
ているもので、その詳細は周知の通りである。
【0064】ここで、点A点C間距離をL1、点C点F
間距離をL2、アームNの長さ(点F点G間距離)をL
3とする。また、補正光学系(補正レンズ7)の移動ス
トロークがD’であるから、光学装置光軸に対するアー
ムKの傾き角φは下記の式になる。
【0065】 D’=L1×φ ・・・(6) ここで、光学装置光軸に対するアーム33の傾き角ηは
下記の式になる。 L2×φ=L3×η ・・・(7) そして、これらの(6)式、(7)式を合成する。 D’=L1×L3×η/L2 ・・・(8)
【0066】前述した(1)式〜(3)式で説明したよ
うに光学装置全体の焦点距離をf、光軸変化角度θでの
像振れ量d(d=f×θ)に対して、d=−D(D=A
×D’)が常に成り立つように光学装置に対して補正光
学系(補正レンズ7)を駆動してやれば、光学装置の光
軸回転による像振れを補正することができる。
【0067】 L1×L3×η/L2=−(f×θ)/A ・・・(9) ここで、η=−θを満たす条件を考えると、以下の式に
なる。 L1×L3/L2=f/A ・・・(10)
【0068】そして、L1、L2、L3がこの(10)
式の条件を満たす場合、先の(5)式記載個所で説明し
たように、光学装置の光軸がθ角度変化した際、アーム
N(=Y検出用アーム43)が空間座標系(慣性系)で
回転中心点Gに対する角度位置が常に一定であることに
他ならない。なお、点Gの平行移動に関しては先に述べ
たように無視することとする。
【0069】よって、L1、L2、L3を上記(10)
式を満足するように設定してやれば、常にY検出用アー
ム43に固定されたピッチング角速度計18の出力が消
滅するように、言い替えればピッチング角速度計18の
出力が静止状態の出力となるように、駆動制御部23が
Y駆動モータ42を駆動させて第2実施例の駆動機構
(Y駆動部31)を制御することにより、ピッチングに
関する像振れ補正が達成される。
【0070】たとえばf=300、A(比例定数)=1
のとき、L1=8、L2=0.8、L3=30としてや
ればよい。なお、前記同様θ、ηは何れも微小角度であ
るから、sin関数を省略し得るものである。
【0071】また、この第2実施例での制御アルゴリズ
ムは、前述した図7と同様で構わない。勿論、これに限
定されないことも言うまでもない。
【0072】さらに、点FをアームK上の点B点C間に
位置する例を説明したが、アームM上の点O点B間もし
くは点O点D間に配置しても構わない。あるいは、上記
例で点FはアームKに対して回転自在、点Gは装置筐体
(レンズ鏡筒4)に対して回転摺動自在であるとした
が、点FをアームKに対して回転摺動自在(アームKに
Fピン44に嵌合するアーム長手方向のスリットを入れ
てやる)、点Gを装置筐体に対して回転自在(Gピン3
7を穴で受ける)の構成としても構わない。
【0073】また、アームNの空間座標系(慣性系)で
回転中心点Gに対する角度位置が常に一定である条件が
満たされていれば、上記の機構に限定されるものではな
く、たとえば点O、点C、点Gが直線上に配置されない
機構構成となっていても何等不都合はない。
【0074】したがって、上述した構成による像振れ補
正光学装置において、図13に示したように、たとえば
点FでのアームK、アームNの連結部分を、さらに追加
した小さなアームPを介して行なうようにしてもよいこ
とも容易に理解されよう。ここで、アームP両端の点
F、点Hは回転自在な構成とする。また、その場合は点
Gの位置を、点O点Cの延長線上からアームPの長さ
(L4)だけオフセットさせてやると良好である。ここ
で、点Gは摺動させなくてもよい。
【0075】なお、これら第2の実施例およびその変形
例においても、上述した第1実施例で述べたように、角
変化検出手段としては、角速度計(センサ)に限定され
るものではない。たとえば図14から明らかなように、
アームNに垂直な同一方向に感度軸(図中上方への矢印
で示す)を合わせた2個の加速度センサ50A,50B
を組み合わせたものであってもよい。この場合、アーム
Nを点Gの反対側まで延長し、加速度センサ50A,5
0Bを点Gの前方/後方にそれぞれ固定する。
【0076】このような構成において、両方の加速度セ
ンサ50A,50Bの出力差について注目すれば、アー
ムNが慣性系に対して角加速度成分無き場合は出力差無
し、角加速度成分ある場合は出力差有り(一方の感度軸
の逆方向に加速度成分が掛かる)となる。よって、両加
速度センサ50A,50Bの出力差を検出して、出力差
発生を抑える方向に駆動制御してやればよい。なお、図
中実線矢印aで示すような角加速度が生じると、各加速
度センサ50A,50Bには、実線矢印a’,a’で示
すような加速度が生じ、また破線矢印bで示すような角
加速度が生じると、各加速度センサ50A,50Bに
は、破線矢印b’,b’で示すような加速度が生じるも
のである。
【0077】また、上述した第2実施例の機構に関し
て、アームKの全長を比較的小さいものとしても構わず
(点Aが真直進運動であるため)、通常かなりな重量に
達する補正光学系(補正レンズ7)の点O回りの慣性モ
ーメントも小さく抑えることができる。
【0078】なお、点O回りでの補正光学系(補正レン
ズ7)の慣性モーメントは、図11、図12における点
A’に補正光学系(補正レンズ7)がある場合と等価で
ある。
【0079】また、点O点D間距離は、上記点A点B間
距離に比べてかなり大きく設定されているため、点O回
りの補正光学系(補正レンズ7)の自重による偶力を打
ち消すためのY駆動部バランサ39の重量は、補正光学
系(補正レンズ7および補正光学系枠11)の重量に比
べてかなり小さくできる。たとえば、図11、図12で
示した例では、点A’点O間距離が2、点O点D間距離
が10なので、アームの重量を無視した場合、Y駆動部
バランサ39の重量は補正光学系(補正レンズ7および
補正光学系枠11)の重量の1/5で済む。
【0080】ここで、この実施例も、Y方向およびX方
向に駆動可能であり、バランサも各々装備するため2個
となるが、それでも補正光学系(補正レンズ7および補
正光学系枠11)の重量の2/5で済むことになり、携
帯性、操作性等の面で優れている。
【0081】以上により、本発明に係る機構部材のY駆
動用Oピン36中心の静的バランスがとれて、本機構の
駆動特性は本機構の慣性量のみによって決まり、重力の
影響を受けない。このため、いかなる姿勢によっても、
本機構の駆動制御特性が変化せず、比較的簡便な回路構
成で精度の高い制御が可能となる。このことは、図7で
説明したような制御アルゴリズムにおいて、第1実施例
よりも高精度の像振れ補正を簡単な回路で実現できるこ
とになる。
【0082】また、上述したように本機構の静的バラン
スが姿勢によらずとれているから、補正光学系(補正レ
ンズ7および補正光学系枠11)を所定の位置を保持す
るための力量が本来は不要なため(駆動制御部23が応
答しない超低周波角速度変化成分に対抗し得るためのわ
ずかな保持力は必要)、Y駆動ウォームホイール40を
平歯車、Y駆動ウォーム41をピニオンギアとし、Y駆
動モータ42に静止保持力(ディテントトルク)の有る
ステッピングモータを用いても構わない。また、ローラ
駆動、カム駆動、ベルト駆動であっても構わないことは
勿論である。
【0083】図15ないし図17は本発明装置の第3実
施例を示すものである。ここで、図15は光軸方向の前
方から見た図、図16はピッチング方向(Y駆動方向)
の駆動機構10を光軸に垂直な方向(図15中左斜め上
方)から見た図であり、ヨーイング方向(X駆動方向)
も、モータが反対側を向いている以外は略同様の構成
で、具体的な図示は省略する。また、図17はピッチン
グ方向(Y駆動方向)のみをさらに模式化した図であ
る。
【0084】この第3実施例では、光学装置全体の焦点
距離fが変動する場合に有効で、具体的にはズームレン
ズ、内焦式レンズへの適用が有効である。
【0085】この第3実施例は、補正光学系の駆動機構
10として前述した第1実施例での補正光学系(補正レ
ンズ7)、補正光学系枠11、Xステージ12、固定枠
13と、前述した第2実施例でのアームK(Y駆動軸支
持部材33)、アームN(Y検出用アーム43)を組み
合わせたものである。
【0086】そして、ピッチング角速度計18は、前記
アームN(Y検出用アーム43)に固定されている。
【0087】ここで、この実施例では、アームK上の点
AにピンA(図中60で示す)を立て、第1実施例のY
駆動スライダ15の円筒状突起部15aのように、アー
ムKの点C(スライド可能ではなく固定点とする)回り
の回転により補正光学系枠11をY方向に駆動可能に構
成している。
【0088】また、アームKの回転のための機構は、図
16に示されるように、アームK(33)を延長して端
面をウォームホイール40とし、これをウォームギア4
1付きのモータ42で回転させてもよい。勿論、またこ
れに限らず、点Cの部分に直接回転力を加えるようにし
ててもよい。さらに、補正光学系を直接リニアモータ等
の直動駆動源で駆動する場合等にあっては、アームK
(33)が従動部材であっても構わない。
【0089】また、この実施例では、点Gに関してピン
Gが装置筐体に対して光軸方向にスライド可能なGピン
スライダ61に取り付けられている。このGピンスライ
ダ61は、X駆動機構のピンG側へも伸びて、X駆動機
構のピンGも取り付けられている。つまり、Gピンスラ
イダ61の前後位置によって、双方のピンGの位置が決
定される。
【0090】そして、ピンGは、アームN(43)の切
り込み部43bに摺動、回転可能に嵌合している。アー
ムN(43)は、アームK(33)の回転にともなって
ピンGを中心にわずかに摺動を伴ないながら回転する。
ただし、アームN(43)の回転角η、およびアームK
(33)の回転角φは微小であれば、摺動量も微小で、
点F点G距離は点G固定で常にL3とみなしてよい。通
常、補正光学系(補正レンズ7)のストロークD’<<
L1なので、この条件は成り立つ。
【0091】補正光学系(補正レンズ7)が中立状態
(補正光学系の光軸とその他の光学系の光軸とが一致し
ている状態)において、上述した点A、点F、点C、点
Gは同一線上に位置しており、アームK(33)および
アームN(43)は光軸と平行になる。
【0092】ここで、光学装置(光学系全体)の焦点距
離が可変式である場合、先に示した(10)式におい
て、L1×L3/L2=f/Aの右辺が変化するので、
L1、L2、L3の内のどれかを変化させ、常に(1
0)式が成立するようにしてやればよい。
【0093】また、この実施例では、ピンGが装置筐体
(レンズ鏡筒4)に対して、Gピンスライダ61の移動
によって装置光軸方向にスライド可能で、光学装置(光
学系)全体の焦点距離変化に対応して位置を変更するよ
うになっている。このような構成としては、たとえばズ
ームレンズのズームカム環や、内焦式レンズであれば距
離環の作動に連動したカム、リンク、スクリュ機構等に
よってGピンスライダ61が前後するような機構を設け
ればよい。
【0094】以上の構成において、たとえばf=30
0、A=1(定数)のとき、L1=8、L2=0.8、
L3=30であったとしたら、点Gは点Cから29.2
mmの個所とする。ズーミングによりf=200に変化
したならば、(A=1のままとする)L1=8、L2=
0.8、そしてL3=20であるから、点Gは点Cから
19.2mmの個所とすればよい。
【0095】なお、内焦式レンズにおいても、近距離撮
影時には、遠距離撮影時に比べ焦点距離が短くなるの
で、上述したと同様の調整を行えばよいものである。勿
論、定数Aが変化する場合も、(10)式を満足するよ
うにL1、L2、L3を調整すればよい。この例では、
L3を可変としたが、L2を可変、あるいはL1を可変
としてもでも構わないことは自明である。
【0096】また、点Gを装置筐体にスライド可能に設
置し、アームN(43)の切り込み部43bに摺動、回
転可能に嵌合していることとしたが、アームN(43)
のG点結合部を回転可能なだけの結合とし、点F側を切
り込み部とし、摺動可能としてもよい。
【0097】さらに、この例のように、L1、L2、L
3のうちのどれかを変化させる機構を、図8ないし図1
0の第2実施例に適用してもよいことは容易に理解され
よう。たとえば第2実施例におけるY駆動部支持部材3
8の光軸方向への切り込みとGピン45の部分を、第3
実施例のような形式に変更してもよい。
【0098】また、先の第2実施例応用の図13に示し
たように、点FでのアームK、アームNの連結部分を、
更に追加した小さなアームPを介して行なうようにして
も構わない。
【0099】なお、ヨーイング(X駆動部側)に関する
像振れ補正に関しても、上述した第1、第2実施例と全
く同様であり、さらにその駆動制御のための制御アルゴ
リズムも、前述した図7で説明したものであっても、ま
た適宜の制御手法であってもよいことも、勿論である。
【0100】なお、本発明は上述した実施例構造には限
定されず、像振れ補正光学装置を構成する各部の形状、
構造等を適宜変形、変更し得ることは勿論であり、種々
の変形例が考えられよう。また、本発明に係る像振れ補
正光学装置を適用する機器、装置としても、上述した実
施例におけるスチルカメラに限定されないことも言うま
でもない。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る像振れ
補正光学装置によれば、像振れを補正するために光軸に
直交する面内で移動可能に支持される補正光学系と、こ
れを駆動する駆動手段と、この駆動手段の一部を構成若
しくは連動していてその駆動時に回転成分を伴なう運動
を行なう可動部材と、この可動部材に固定され慣性系に
対する回転を検出する角変化検出手段と、駆動手段を駆
動制御する制御手段を備えてなり、可動部材を、光学装
置(装置全体の焦点距離=f)の光軸変化角度θでの像
振れ量(d=f・θ)を補正するための補正光学系の移
動量D’(D’=D/A;A=係数、D=像移動量)に
対応して、光学装置に対する角度変化が−θとなるよう
に可動させ、この可動部材が、補正光学系の移動量D’
の動きに対応し、常に慣性系に対して回転しないように
構成したり、あるいは補正光学系の駆動手段による可動
部材の駆動量に対しての運動量を調整する調整手段を設
け、この調整手段を、像振れ補正のための補正光学系の
移動量D’に対応して回動させて、可動部材の運動量を
調整可能に構成するようにしたので、簡単な構成にもか
かわらず、以下の列挙する種々優れた効果を奏する。
【0102】(1)像振れ補正光学系を駆動する手段の
一部が慣性系に対して、補正光学系の移動量D’に対応
して、回転しないようになっているため、取り付けられ
た角変化検出手段の出力が静止出力となるような方向
(角変化出力が消滅する方向)に、制御手段にて駆動手
段の作動制御を行なうことにより、補正光学系によって
適切な像振れ補正を行なえ、さらにその結果として補正
光学系の駆動量をモニタする別の手段が不要となる等の
利点がある。
【0103】(2)角変化検出手段のセッティングも、
一部材上に固定するだけなので容易に行なえる。
【0104】(3)また、ズームレンズ、内焦式レンズ
のように、使用条件で焦点距離が変化する光学装置に対
しても、機構を工夫するだけで上記制御方法を変化させ
る必要がないため、制御回路が複雑化しない。
【0105】(4)さらに、補正光学系駆動用の駆動手
段を制御する制御手段を、角変化検出手段の出力が静止
出力に近づくように、駆動手段を作動させるように制御
したり、角変化検出手段の出力が静止出力であるときに
は、駆動手段の前回の作動状態を維持するように制御い
たりすることにより、動揺による像振れの補正を、使用
条件に合わせて適切に行なえるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る像振れ補正光学装置を適用して
好適なスチルカメラの概略を説明するための概略構成図
である。
【図2】 本発明に係る像振れ補正光学装置の第1実施
例を示す像振れ補正光学系およびその駆動機構を光軸方
向から見た概略正面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 図2のIV−IV線断面図である。
【図5】 図2のV−V線断面図である。
【図6】 像振れ補正光学系の駆動動作を説明するため
の模式図である。
【図7】 本発明に係る像振れ補正光学装置での駆動制
御部による駆動制御アルゴリズムの一例を示すフローチ
ャートである。
【図8】 本発明に係る像振れ補正光学装置の第2実施
例を示す像振れ補正光学系およびその駆動機構を光軸方
向から見た概略正面図である。
【図9】 図8におけるY駆動部を側方から見た概略分
解斜視図である。
【図10】 図9に示される機構部品による組立体を上
方から見た要部断面図である。
【図11】 本発明による像振れ補正光学装置の要部構
成をスチルカメラとの関係において図示した模式図であ
る。
【図12】 図11の要部を拡大して示す像振れ補正光
学装置の模式図である。
【図13】 図12に示した像振れ補正光学装置の模式
図に対する変形例を示す模式図である。
【図14】 図12、図13の装置模式図に対する別の
変形例を示す模式図である。
【図15】 本発明に係る像振れ補正光学装置の第3実
施例を示す像振れ補正光学系およびその駆動機構を光軸
方向から見た概略正面図である。
【図16】 図15に示した像振れ補正光学装置を光軸
に垂直な方向から見た概略分解斜視図である。
【図17】 この第3実施例での装置の要部構成を示す
模式図である。
【符号の説明】
1…像振れ防止機能付きの望遠レンズ、2…スチルカメ
ラ、4…レンズ鏡筒、7…像振れ補正レンズ(像振れ補
正光学系)、8…フィルム、10…像振れ補正光学系の
駆動機構、11…補正光学系枠、12…Xステージ、1
3…固定枠、15…Y駆動スライダ、15a…円筒状突
起部、16…Y駆動用ピニオンギヤ、17…Y駆動モー
タ、18…ピッチング角速度計(センサ)、19…X駆
動スライダ、20…X駆動用ピニオンギヤ、21…X駆
動モータ、22…ヨーイング角速度計、23…駆動制御
部、30…X駆動部、31…Y駆動部、32…円柱状Y
駆動軸(円柱状X駆動軸)、33…Y駆動軸支持部材
(X駆動軸支持部材)、34…Y駆動用Bピン(X駆動
用Bピン)、35…Y駆動アーム(X駆動アーム)、3
6…Y駆動用Oピン(X駆動用Oピン)、37…Y駆動
用Cピン(X駆動用Cピン)、38…Y駆動部支持部材
(X駆動部支持部材)、39…Y駆動部バランサ(X駆
動部バランサ)、40…Y駆動ウォームホイール(X駆
動ウォームホイール)、41…Y駆動ウォーム(X駆動
ウォーム)、42…Y駆動モータ(X駆動モータ)、4
3…Y検出用アーム(X検出用アーム)、44…Fピ
ン、45…Gピン、46…Y駆動軸受け部、47…X駆
動軸受け部、50A…加速度センサ(角変化検出手
段)、50B…加速度センサ(角変化検出手段)、60
…ピンA、61…Gピンスライダ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像振れを補正するために光軸に直交する
    面内で移動可能に支持される光学系の一部を構成する補
    正光学系と、 この補正光学系を駆動する駆動手段と、 この駆動手段により動作されるように構成されかつこの
    駆動手段の駆動時に回転成分を伴なう運動を行なうアー
    ム機構と、 このアーム機構に設けられ慣性系に対する回転を検出す
    る角変化検出手段と、前記駆動手段を駆動制御する制御
    手段とを備えてなり、 前記アーム機構は、前記駆動手段によって回動される駆
    動用アームと、この駆動用アームに連動して前記補正光
    学系を光軸と直交する平面内において移動させる支持部
    材と、前記駆動用アームに連動して回動し前記角変化検
    出手段が取付けられた検出用アームとからなり、 前記支持部材を、全体の焦点距離がfである光学系の光
    軸に対しての変化角度θでの像振れ量d(d=f・θ)
    を補正するための補正光学系の移動量D’{D’=D/
    A(ただし、A=係数、D=像移動量)}に対応して可
    動させ、 前記駆動用アームと前記検出用アームを前記補正光学系
    の特性(A)に基づいて配置することにより、この検出
    用アームが、前記補正光学系の移動量D’の動きに対応
    し、常に慣性系に対して回転しないように構成したこと
    を特徴とする像振れ補正光学装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の像振れ補正光学装置にお
    いて、 補正光学系の駆動手段による前記検出用アームの駆動量
    に対しての運動量を調整する調整手段を設け、 この調整手段を、全体の焦点距離がfである光学系の光
    軸に対する変化角度θでの像振れ量d(d=f・θ)を
    補正するための補正光学系の移動量D’{D’=D/A
    (ただし、A=係数、D=像移動量)}に対応し、光学
    系に対する角度変化が−θとなるように前記検出用アー
    ムの運動量を調整可能に構成したことを特徴とする像振
    れ補正光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の像振れ補
    正光学装置において、 補正光学系駆動用の駆動手段を制御する制御手段は、角
    変化検出手段の出力が静止出力に近づくように、駆動手
    段を作動させるように制御されることを特徴とする像振
    れ補正光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3記載
    の像振れ補正光学装置において、 補正光学系駆動用の駆動手段を制御する制御手段は、角
    変化検出手段の出力が静止出力であるときには、駆動手
    段の前回の作動状態を維持するように制御されることを
    特徴とする像振れ補正光学装置。
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