JP2001194695A - 光導波路デバイス及びこれを用いた多波長光源及びこれを用いた光学システム - Google Patents

光導波路デバイス及びこれを用いた多波長光源及びこれを用いた光学システム

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JP2001194695A
JP2001194695A JP2000268336A JP2000268336A JP2001194695A JP 2001194695 A JP2001194695 A JP 2001194695A JP 2000268336 A JP2000268336 A JP 2000268336A JP 2000268336 A JP2000268336 A JP 2000268336A JP 2001194695 A JP2001194695 A JP 2001194695A
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light source
optical waveguide
light
optical
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Kiminori Mizuuchi
公典 水内
Kazuhisa Yamamoto
和久 山本
Rie Kojima
理恵 児島
Noboru Yamada
昇 山田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長の異なる多波長のコヒーレント光を同時
に出射可能な光導波路デバイス、この光導波路デバイス
と光源を一体化した多波長光源、及びこの多波長光源を
用いた光学システムを提供する。 【解決手段】 基板11と、該基板の表面近傍に形成し
た複数の光導波路12−1、12−2と、これら光導波
路の一端に形成した入射部14−1、14−2と、光導
波路の他端に形成した出射部16とを備えた光導波路デ
バイスに、複数の光導波路が互いに異なる位相整合条件
を満足し、複数の光導波路の出射部を略同位置に設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コヒーレント光源
を応用した、光情報処理、光応用計測分野に使用される
光導波路デバイスに関し、さらには、光導波路デバイス
を用いた多波長光源および光学システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果を利用した光波長変換
は、短波長化、使用波長範囲の拡大を可能にするため、
多くの分野での応用が実現されている。特に、2次の非
線形光学効果を利用した第2高調波発生(SHG)や和
周波発生(SFG)は短波長光源の実現に有効な手段で
あり、種々の光源が実用化されている。中でも光導波路
を利用した光導波路型の非線形光学デバイスは高効率化
が容易であり、小型化、ウェハプロセスによる量産化が
可能であるため、小型の短波長光源として民生機器への
応用が期待されている。
【0003】現在、光導波路型SHG素子の主流となっ
ているのが、周期性を有する分極反転構造を利用した擬
似位相整合型(QPM)のSHG素子である。QPM−
SHG素子は、位相整合波長を分極反転周期により任意
に設定でき、高効率の波長変換が可能である等の利点を
有することで、一つの素子内に異なる位相整合波長の光
導波路の形成が可能となる。これを利用したQPM−S
HG素子が従来から提案されている。
【0004】図9に、異なる位相整合特性を有する光導
波路を一つの基板上に集積化した従来の光導波路デバイ
スの一例を平面図で示す。LiNbO3基板91上に複
数の光導波路92を形成し、光導波路92を横切るよう
に周期の異なる分極反転構造93を形成することによ
り、一つの基板上に異なる位相整合特性を有する複数の
光導波路が形成されることになる。QPM−SHG素子
の短所として、位相整合波長の許容度が極端に狭いとい
う問題がある。この素子は、位相整合波長が徐々に異な
る光導波路を形成することで、基本波光源の波長と位相
整合する光導波路をいずれかの場所に形成できる。即
ち、光導波路を選択することで任意の波長の基本波と位
相整合が可能となる。
【0005】図10に、異なる位相整合波長の光導波路
を一つの基板上に集積化した光導波路デバイスとして、
位相整合波長の許容度の拡大を実現した従来のQPM−
SHG素子を平面図で示す。図10において、一つの光
導波路上に複数の分極反転領域Λ1、Λ2、Λ3が形成
され、各分極反転領域は異なる位相整合条件を有する。
異なる位相整合条件を有する分極反転領域を組み合わせ
ることで、光導波路デバイス全体の位相整合波長の許容
度の拡大を図っている。波長許容度を拡大することで、
基本波の波長変動に対して安定な出力特性が得られる。
【0006】一方、複数の波長の光源を得ようとする試
みは、半導体レーザによっても提案されている。半導体
レーザ上に異なる活性層を形成し、1チップから異なる
波長のレーザ光源を出射する方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光導波路デ
バイスにより同一または近接した発光点より複数の波長
の異なるコヒーレント光を得る構成を実現しようとする
ものである。
【0008】これに対し、従来の導波路型光デバイス
は、異なる位相整合特性を有する複数の光導波路を一つ
のデバイス上に集積化しているが、異なる波長の基本波
を同時に波長変換する構成は提案されていない。
【0009】さらに、1チップ半導体レーザから同時に
波長の異なる光を出射する構成はあるが、光導波路の出
射部は異なる位置に形成されているため、一つの光学系
により2つの出射光を同時に集光するには、収差が大き
くなり、回折限界までの集光特性を得るには複雑な光学
系を有するという問題があった。
【0010】したがって、本発明は、上記問題点を解決
し、波長の異なる多波長のコヒーレント光を同時に出射
可能な光導波路デバイスを提供し、また、この光導波路
デバイスと光源を一体化した多波長光源を提供し、さら
には、この多波長光源を用いた光学システムを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の光導波路デバイスは、基板と、該基板の表
面近傍に形成された複数の光導波路と、該光導波路の一
端に形成された入射部と、前記光導波路の他端に形成さ
れた出射部とを備えた光導波路デバイスであって、前記
複数の光導波路が互いに異なる位相整合条件を満足し、
前記複数の光導波路の出射部を略同位置に設けたことを
特徴とする。
【0012】本発明の前記光導波路デバイスによれば、
光源からの異なる波長の基本波を同時に波長変換するこ
とができ、同一の出射部から多波長の出射光が出射され
るため、同一点光源からの出射光となり、色収差補正を
行った対称構造のレンズ系を用いると回折限界までの集
光が可能となる。
【0013】本発明の前記光導波路デバイスにおいて、
前記光導波路は周期状の分極反転構造を有することが好
ましい。この場合、前記分極反転構造の周期は前記光導
波路間で互いに異なっている。
【0014】この構成によれば、ホトリソグラフィおよ
びドライエッチングを用いて、様々な位相整合条件を有
する光導波路を基板上に容易に形成することができる。
【0015】本発明の前記光導波路デバイスにおいて、
前記光導波路の一部に反射器を有していることが好まし
い。
【0016】この構成によれば、反射器を用いること
で、少ない基板面積で長い光導波路が形成できるため、
基板面積の有効利用と波長変換の高効率化が実現でき
る。
【0017】また、本発明の前記光導波路デバイスにお
いて、前記光導波路の出射部における基板対向面の法線
が前記基板表面と約45度の角度をなすことが好まし
い。
【0018】この構成によれば、出射光を基板の表面ま
たは裏面から取り出すことができるので、基板表面への
グレーティング、検出器等の集積化が容易になり、小型
の集積化光源を実現することができる。
【0019】また、本発明の前記光導波路デバイスにお
いて、前記位相整合条件が第2高調波に対する位相整合
条件であることが好ましい。
【0020】この構成によれば、現在市販されている異
なる波長の半導体レーザを光導波路デバイスに結合する
ことで、青色発光領域である400nm帯の複数の波長
の光を単一の光導波路デバイスより容易に出射でき、光
学情報記録媒体への高密度光記録が可能になる。
【0021】または、本発明の前記光導波路デバイスに
おいて、前記位相整合条件が和周波に対する位相整合条
件であることが好ましい。
【0022】この構成によれば、和周波に対する位相整
合条件を満足する分極反転領域を加えることで、発振波
長をさらに多くすることができる。
【0023】また、本発明の前記光導波路デバイスにお
いて、前記光導波路の一部が互いに他の光導波路と光学
的に結合していることが好ましい。
【0024】この構成によれば、少ない基板面積で長い
光導波路が形成できるため、基板面積の有効利用と波長
変換の高効率化が実現できる。
【0025】前記の目的を達成するため、本発明の多波
長光源は、波長の異なる複数のコヒーレント光源と、前
記光導波路デバイスとを備え、前記コヒーレント光源か
らの光を前記光導波路デバイスにより波長変換すること
を特徴とする。
【0026】本発明の前記多波長光源によれば、コヒー
レント光源からの異なる波長の基本波を同時に波長変換
することができ、同一の出射部から多波長の出射光が出
射されるため、同一点光源からの出射光となり、色収差
補正を行った対称構造のレンズ系を用いると回折限界ま
での集光が可能となる。
【0027】本発明の前記多波長光源において、前記コ
ヒーレント光源は半導体レーザであり、前記光導波路デ
バイスの入射部と前記半導体レーザが直接結合されてい
ることが好ましい。
【0028】また、本発明の前記多波長光源において、
前記波長の異なるコヒーレント光源が、一つの基板上に
形成されたマルチストライプの半導体レーザであること
が好ましい。
【0029】また、本発明の前記多波長光源において、
前記コヒーレント光源が波長可変機能を有することが好
ましい。
【0030】この構成によれば、0.1nm程度と狭い
擬似位相整合型(QPM)の第2高調波発生(SHG)
素子の位相整合波長許容度に対して、コヒーレント光源
の波長を可変制御して位相整合波長に合致させること
で、高効率の波長変換が可能となるだけでなく、周囲の
温度変化により位相整合波長が変動した場合でも、コヒ
ーレント光源の波長を可変制御することで、常に安定な
出力が得られる。さらに、位相整合波長を制御すること
で、出射する光を切り替えることも可能となる。
【0031】さらに、本発明の前記多波長光源におい
て、前記光導波路デバイスが、電極構造を有し、該電極
により出力変調を行うことが好ましい。
【0032】この構成によれば、光導波路上に電極構造
を集積化し、これに電圧を印加することで光導波路の屈
折率を変化させて出力変調を行うと、半導体レーザの出
力を変調する場合と比べて、出力変動に伴う半導体レー
ザの発振波長の変動がなくなるので、安定な出力変調が
可能となる。
【0033】前記の目的を達成するため、本発明の光学
システムは、前記多波長光源と、集光光学系とを備えた
ことを特徴とする。
【0034】本発明の前記光学システムによれば、特殊
な集光レンズや、光学系内に収差補正用のグレーティン
グ素子等を設けることなく、簡易な光学システムで光学
調整も容易になる。また、短波長の多波長光源を適用す
るうえで非常に有効となる。
【0035】本発明の前記光学システムはさらに波長フ
ィルタを備え、前記多波長光源からの光を前記波長フィ
ルタにより分離し、前記波長フィルタにより検出光を分
離することが好ましい。
【0036】この構成によれば、例えば、記録媒体を構
成する2層の記録層の間に波長フィルタを形成して、こ
の波長フィルタにより、1層目の記録層には2つの波長
の光が到達するが、2層目の記録層には一方の波長しか
到達しない構成にすることで、2波長を分離し、1層目
の記録層への記録再生時に2層目の記録層に与える影響
を低減することができる。また、フォトディテクタの前
に波長フィルタを設けて、波長フィルタにより2波長を
分離した後、異なるフォトディテクタによりそれぞれの
波長の光を検出することで、1層目と2層目の記録層に
対する同時再生が可能になる。また、一方の光を再生専
用に、他の光を記録および消去専用に使用することがで
き、光源の光出力の切り替えを行わない高速の光記録が
可能となる。また、多波長光源は発光点が同一であるた
め、同一の集光点に2波長の光を集光でき、記録と再生
を同時に行うことができる。
【0037】また、本発明の前記光学システムにおい
て、前記多波長光源からの出射光に、波長に応じて異な
る強度変調を加えることが好ましい。
【0038】この構成によれば、一方の波長の光を連続
発振(CW)動作させ、他方の光を高周波で変調するこ
とにより、SHG出力の大幅な増大が可能となる。
【0039】また、本発明の前記光学システムはさらに
記録媒体を備え、前記記録媒体に、前記多波長光源から
の光を前記集光光学系により集光し、前記記録媒体が波
長選択機能を有していることが好ましい。
【0040】また、本発明の前記光学システムにおい
て、前記多波長光源からの複数の波長の光により、前記
記録媒体に同時に記録または再生を行うことが好まし
い。
【0041】また、本発明の前記光学システムにおい
て、前記多波長光源からの少なくとも一つの波長の光に
より、前記記録媒体に記録を行い、同時に前記多波長光
源からの他の波長の光により、前記記録媒体から情報を
検出することが好ましい。
【0042】この場合、前記多波長光源からの前記他の
波長の光により検出した信号に基づいて、前記少なくと
も一つの波長の光の強度や、記録媒体上での焦点を制御
することが好ましい。
【0043】この構成によれば、記録時に記録情報をリ
アルタイムに検出し、この情報をフィードバックして、
記録光の光強度や、記録媒体上での焦点を制御しながら
記録を行うことで、記録媒体に形成する記録ピットの形
状を精確に制御することができ、記録密度を大幅に増大
させることができる。
【0044】さらに、本発明の前記光学システムにおい
て、前記多波長光源からの複数の波長の光を混合して、
前記記録媒体に記録することが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明は、非線形光学効果を利用
した光波長変換素子である光導波路デバイスにより、多
波長光源および光学システムを実現するものであり、そ
の特徴は、以下の3点にある。・複数のコヒーレント光
源から光導波路デバイスの導波路内に光を入射するた
め、複数の入射部を備えている。・複数のコヒーレント
光源に対し位相整合条件を成立させるため、異なる位相
整合条件の光導波路を備えている。・波長変換した光を
出射する出射部を有し、かつ出射光の集光特性を高める
ため、略同位置に出射部を配置している。
【0046】まず最初に、本発明の光導波路デバイスを
用いた多波長光源について説明を行う。
【0047】(実施の形態1)図1に、本発明の第1の
光導波路デバイスを用いた多波長光源の構成を平面図で
示す。基板11上に形成された2本の光導波路12−
1、12−2は出射部16近傍でY分岐導波路17を用
いて合波し単一導波路となっている。光導波路12−
1、12−2には、それぞれ周期の異なる分極反転構造
13−1、13−2が形成されている。半導体レーザ1
5−1、15−2から出射された基本波は、それぞれ光
導波路12−1、12−2の入射部14−1、14−2
に結合し、分極反転構造13−1、13−2で波長変換
された後、Y分岐導波路17により合波され、出射部1
6より出射する。
【0048】半導体レーザ15−1、15−2の発振波
長はそれぞれ820nmと840nmで、分極反転周期
はそれぞれの波長に位相整合するよう調整している。波
長変換された光は波長410nm、420nmで出射部
16より出射される。光源としては、それぞれの基本波
820nm、840nmの光と波長変換された光410
nm、420nmの4波長の光を同一の出射部16より
出射する多波長光源となる。さらに、半導体レーザを変
調することで、出射される光を変調、また片方の光のみ
を出射する等の制御が可能となる。同一の出射部16か
ら多波長の出射光が出射されるため、同一点光源からの
出射光となり、色収差補正を行った対称構造のレンズ系
により回折限界までの集光が可能となる。
【0049】通常、多波長の光源を用いる場合は、光源
を複数必要とし、その発光点の間隔はかなり広い。半導
体レーザを集積化して形成した場合でも100μm以
上、単純に複数の半導体レーザを接触させて固定した場
合では、数100μmの間隔を必要とする。また、同一
の基板に半導体レーザの発光点を複数形成するマルチス
トライプ構造の半導体レーザも報告されているが、その
場合でも数10μm間隔の発光点となる。また、マルチ
ストライプの半導体レーザの場合、導波路部のエピ成長
が同一であるため、半導体レーザの発振波長を自由に制
御するのが難しく、隣接する発光点の波長差を数10n
m以上とるのが困難になる。
【0050】さらに、400nm帯の短波長光を発生す
る場合、GaN半導体レーザが必要となるが、現状では
GaNのマルチストライプレーザは実現されていない。
また、現在、室温連続発振に成功しているGaNレーザ
は発振波長が400nm±10nm程度に限られてお
り、発振波長範囲を拡大すると信頼性等を劣化させると
言う問題がある。また結晶成長が難しいため、波長の異
なる活性層を基板に隣接して形成するのは困難である。
即ち、現状の技術で半導体レーザにより複数の発振波長
を単一または近接した発光部分から発生させるのは、非
常に難しい。さらに波長400nm帯の青色領域におい
て、多波長の光を単一または近接した発光部分から発生
させるのはさらに困難である。
【0051】これに対し、本発明の多波長光源を用いる
と、波長変換技術により青色領域である400nm帯の
複数の波長の光を単一の光導波路デバイスより容易に出
射できる。現在市販されている半導体レーザの発振波長
は、AlGaAs系で780〜880nm程度、AlG
aInPで630〜680nm程度であり、これらを用
いれば、390〜440nm、315〜340nmの第
2高調波を発生することが可能となり、多波長光源の発
振波長はこれらのレーザの組み合わせにより自由に選択
できる。また他の半導体レーザを用いればさらに、発振
波長の選択範囲は広がる。
【0052】図2に、本発明の第2の光導波路デバイス
を用いた多波長光源の構成を平面図で示す。基板21上
に形成された2本の光導波路22−1、22−2は斜め
の直線導波路として形成され、それぞれ僅かに位置が異
なる出射部26で終端している。光導波路22−1、2
2−2には、それぞれ周期の異なる分極反転構造23−
1、23−2が形成されている。半導体レーザ25−
1、25−2から出射された基本波は、それぞれ光導波
路22−1、22−2の入射部24−1、24−2に結
合し、分極反転構造23−1、23−2で波長変換され
た後、出射部26より出射する。
【0053】多波長光源の構成としては、図2に示す斜
めの直線導波路を用いる構成も有効である。図1に示す
Y分岐導波路17を形成すると、Y分岐を構成する部分
での曲がり導波路による伝搬損失を低減するため、導波
路の曲率はなるべく小さくする必要があり、Y分岐部分
の長さが1mm以上必要となり、図2の構成に比べて光
導波路デバイスの長さを1.1〜1.2倍に長くしなけ
ればならない。また、Y分岐を構成する曲がり導波路、
分岐部分では光導波路の伝搬定数が僅かに異なるため、
分極反転による波長変換を直線導波路部分と同条件で行
うことが難しく、この部分での波長変換を行うことが困
難となる。これに対し、図2に示す斜めの直線導波路を
用いると、光導波路22−1、22−2のほぼ全長を波
長変換に使用できるため、図1の構成に比べより高効率
の光源を実現することができる。
【0054】また、光導波路の出射部は集光レンズに収
差を生じない程度ならば、僅かに異なる位置に設定する
ことも可能である。実際には、数μm程度ならば出射部
の位置を離すことも可能である。同一の出射部にする場
合には、光導波路をY分岐構造にする必要があり、光導
波路が接近する部分で導波光のロスが生じない設計が必
要となる。光導波路を僅かに離すことで導波路設計が容
易になり、光導波路が合波する場合のロスを低減するこ
とが可能となる。
【0055】また、基本波光源となる半導体レーザに
は、波長可変機能を有する光源が望ましい。QPM−S
HGの位相整合波長許容度は0.1nm程度と狭いの
で、高効率な波長変換を行うには、精密な波長制御が必
要となる。従って、半導体レーザの波長を制御して位相
整合波長に合致させることで、高効率の波長変換が可能
となる。用いた半導体レーザは、光導波路部にDBR(D
istributed Bragg Reflector)グレーティング部を有す
る構造であり、DBRグレーティング部に形成したヒー
タによりDBRグレーティングの反射波長を調整するこ
とで、半導体レーザの発振波長を制御している。波長可
変範囲は2nm程度である。波長可変レーザを用いるこ
とで、高効率の波長変換が可能になる。また、周囲の温
度変化により位相整合波長が変動した場合も、半導体レ
ーザの発振波長を制御することで常に安定な出力が得ら
れる。さらに、多波長光源では、位相整合波長を制御す
ることで、出射する光を切り替えることも可能となる。
例えば、半導体レーザの発振波長を僅かにずらすこと
で、第2高調波の出力をゼロにすることが可能となり、
出射する光を自由に選択することができる。
【0056】なお、本発明の多波長光源では、出力の変
調方式として、半導体レーザの出力または、発振波長を
変調することで行ったが、他の変調方式として、光波長
変換素子に出力変調機能を集積化することができる。光
波長変換素子は、光導波路から構成され、高非線形材料
は高い電気光学定数を有するので、光導波路上に電極構
造を集積化し、これに電圧を印加することで光導波路の
屈折率を変化させることで、SHG出力を変調すること
ができる。SHG素子による出力変調を行うと、半導体
レーザの出力変調に対し安定な出力変調が可能となり有
効である。その理由は、半導体レーザを出力変調する
と、半導体レーザの発振波長が出力変動に伴いわずかに
変動するためである。
【0057】また、半導体レーザとしては、単一基板上
に複数の活性層を有するマルチビーム半導体レーザの使
用も可能となる。既に、2ビーム、3ビームレーザが実
用化されており、単一基板に複数の半導体レーザを集積
化可能である。発振波長の異なるレーザを集積化した半
導体レーザの作製も可能である。多ビームの半導体レー
ザを用いると、半導体レーザの出射部に対する位置精度
が高くなるため、半導体レーザと光導波路デバイスとの
位置合わせが容易になる。複数の半導体レーザを光導波
路デバイスに結合させるには、それぞれの半導体レーザ
の位置を精密に合わせる必要がある。集積化された半導
体レーザの場合、位置合わせの回数が1回ですむため、
アライメントプロセスが容易になり、多波長光源の作製
時間を短縮することができる。また、複数の入射部間の
距離を小さくすることもできる。異なる半導体レーザを
用いる場合、半導体レーザチップの大きさを考慮すると
入射部間の距離は数100μmとなり、導波路デバイス
の幅もこれに比例して大きくなる。一方、入射部間が広
い場合、導波路間距離を小さくするためY分岐部分の距
離が大きくなり、光導波路デバイスの寸法が長さ方向に
1.1〜1.2倍に拡大する。これに対し、集積化され
た半導体レーザの場合、出射ビーム間隔は数10μm程
度であり、光導波路デバイスの入射部間距離を1/10
以下に小さくできるため、デバイス寸法を面積比で50
%程度に削減できるため、基板材料費を1/2と大幅に
低減できる。
【0058】なお、本実施形態では、2つの半導体レー
ザ光源を用いた場合について説明したが、さらに多くの
半導体レーザを用いても同様の構成が可能である。半導
体レーザを多数用いることで多くの発振波長を有する多
波長光源が実現できる。
【0059】また、本発明の多波長光源は、半導体レー
ザへの戻り光を防止する役割を果たす点でも利点があ
る。半導体レーザは、共振器内に出射光が帰還した場
合、モードのマルチ化、ノイズ発生等の問題が生じて光
のコヒーレンスが低下する。これに対し、光導波路デバ
イスを介して高調波に波長変換することで、高調波成分
を利用すれば、半導体レーザに帰還する光は高調波とな
り共振器へのノイズの影響はほとんどなくなる。さら
に、デバイス構造を工夫することで、光導波路デバイス
から半導体レーザに帰還する基本波を低減でき、より安
定な出力特性が得られる。光導波路の入出射部には、基
本波の波長に対応した反射防止膜を施し、出射部には、
2波長の基本波が存在するため多層膜の反射防止膜によ
り、反射防止膜の波長帯域を広げるのが望ましい。さら
に、基本波、高調波共に、反射防止可能な反射防止膜を
堆積するのがより好ましい。これにより、高調波出力の
反射損失が低減され10数%の出力向上が図れる。
【0060】また、出射部を導波路の進行方向に対し斜
めに形成する方法もある。出射部を基板の面内方向に4
°程度傾けると、出射部から半導体レーザへの反射戻り
光を1/100以下に低減でき安定な動作が可能とな
る。
【0061】また、出射部の基板対向面の法線を基板表
面に対し45°程度に傾けると、出射光を基板の表面ま
たは裏面から取り出すことができるので、基板表面への
グレーティング、検出器等の集積化が容易になり、小型
の集積化光源を実現することができる。
【0062】次に、本発明の他の光導波路デバイスを用
いた多波長光源の構成について説明する。
【0063】複数の光源からの光を波長変換する他の構
成として、前述した様に、複数の光源からの光を波長変
換した後、一つの光導波路内に合波する構成以外に、複
数の光源を合波した後、波長変換する方法もある。
【0064】図3に、本発明の第3の光導波路デバイス
を用いた多波長光源の構成を平面図で示す。半導体レー
ザ35−1、35−2からの光はY分岐導波路37によ
り合波され単一の光導波路32に導かれて、出射部36
から出射される。光導波路32には周期性を有する分極
反転構造33が形成されており、導波光を波長変換す
る。分極反転構造33は複数の領域(図3では領域Aと
領域B)に分割され、それぞれの半導体レーザ35−
1、35−2の波長に合わせた分極反転周期を有する。
分極反転による位相整合条件としては、位相整合波長の
差が1nm以上必要である。位相整合波長の条件が1n
m以下になると、位相整合特性が互いに干渉し、波長に
対するSHG出力特性の変動が大きくなる。
【0065】さらに、第2高調波に対する位相整合条件
を有する分極反転領域に加えて、和周波に対する位相整
合条件を満足する分極反転領域を加えると、発振波長を
さらに多くすることができる。
【0066】なお、分極反転領域を分割することで位相
整合する導波路長が短くなり変換効率が低下するという
問題がある。この場合は、光導波路を基板端面で反射し
て折り返し使用することが有効である。端面には反射膜
を形成する。方向性結合器を用いると、反射した光を1
00%もう一方の導波路に導くことが可能となる。反射
器を用いると、基板面積は一定で長い光導波路が形成で
きるため、高効率の波長変換が行える。
【0067】また、反射器を用いた他の構造も作製可能
である。図4及び図5に示すように、反射器を用いて光
導波路を折り曲げ、光導波路の作用長を増大することで
高効率化が図れ、基板を有効に使用することができる。
【0068】図4に、本発明の第4の光導波路デバイス
を用いた多波長光源の構成を平面図で示す。この第4の
光導波路デバイスは、導波路端面に反射器48−1、4
8−2、49−1、49−1を設けたことを特徴とす
る。
【0069】図4において、半導体レーザ45−1から
出射された光は、入射部44−1から入射して光導波路
42−1を伝搬し、分極反転構造43−1により第2高
調波に変換される。一方、半導体レーザ45−2から出
射された光も同様に、入射部44−2から入射して光導
波路42−2を伝搬し、分極反転構造43−2により第
2高調波に変換される。第2高調波への変換効率は数1
0%以下であるから、半導体レーザ45−1、45−2
から出射されて第2高調波に変換されなかった光は、反
射器49−1、49−2で反射され中央の光導波路で合
波される。ここで半導体レーザ45−1、45−2から
の2つの波長の光は和周波に変換される。光導波路の出
射部46からは、2つの半導体レーザ45−1、45−
2からの2つの基本波、それぞれの第2高調波、および
2つの基本波の和周波の合計5波長の光を取り出すこと
ができる。
【0070】この構成によれば、光導波路を折り返して
使用することで、長い相互作用長を実現することがで
き、高効率化を図ることが可能になる。また、第2高調
波と和周波を同時に取り出すことができるという利点を
有する。
【0071】図5に、本発明の第5の光導波路デバイス
を用いた多波長光源の構成を平面図で示す。この第5の
光導波路デバイスは、多数の反射器58を用いて、長い
相互作用長を実現している点に特徴がある。
【0072】図5において、半導体レーザ55−1、5
5−2から出射された光は、それぞれ入射部54−1、
54−2から光導波路に入射し、分極反転構造53によ
り波長変換される。導波路端面に設けた反射器58は、
光導波路を伝搬する導波光を多数回にわたって反射す
る。多数の反射器58を用いることで、基板55の面積
を大きくすることなく、光導波路の長さを長くすること
ができ、相互作用長を増大させることが可能になる。2
つの光は、光導波路52で合波し、出射部56から出射
される。
【0073】(実施の形態2)以下では、実施の形態1
に記載したような多波長光源を用いた光学システムにつ
いて説明する。
【0074】図6に、本発明の多波長光源を用いた光学
システムの概略構成図を示す。多波長光源61から出射
された光は、コリメートレンズ62でコリメートされ、
フィルター63を通った後、集光光学系65で集光され
記録媒体66に集光される。記録媒体66からの反射光
は、フィルター63により反射され、フォトディテクタ
ー64で検出される。記録媒体66に記録した信号を検
出することで、情報を読みとることができる。
【0075】本発明の多波長光源を用いた光学システム
の特徴は、従来の単一波長光源に用いる場合と同様な簡
易な光学系が使用できる点にある。半導体レーザを複数
組み合わせて多波長光源を構成した場合、光源の発光点
は数100μm程度の間隔を有するこのため、コリメー
トレンズと集光レンズにより集光した場合に、大きな収
差が生じて回折限界までの集光が困難になる。このた
め、特殊な集光レンズを用いるか、光学系内に収差補正
用のグレーティング素子等の挿入が必要となり、光学調
整に対しても高い精度が必要となる。本発明の光学シス
テムは、光学システムの簡便性、光学調整の容易さの点
で優れている。また、短波長の多波長光源を適用するの
に非常に有効である。
【0076】次に、本発明の多波長光源による記録媒体
への光記録について説明する。波長に対する感度の異な
る記録媒体と、多波長光源を用いれば、波長多重による
高密度記録が可能である。記録媒体としては、ホールバ
ーニング効果を有する媒体を用いて、異なる波長に感度
を有する媒体を層状に堆積することで各層に対して異な
る波長により記録再生が可能となるため、多層膜への光
記録が可能となる。波長多重を利用する場合において
も、記録波長の短波長化は重要である。短波長の光源を
利用すれば、それぞれの波長における記録密度の向上が
図れるため、高密度記録が容易になる。短波長の光源を
利用すれば、波長の異なる光を利用して、記録密度を大
幅に増大できる。例えば、20nm間隔に波長の異なる
複数の光源を3つ集積化すれば、3波長に対する波長多
重記録が可能となる。
【0077】また、波長分散を利用すれば、多層膜への
同時記録が可能となる。例えば2波長の光源を用い、集
光光学系の分散特性を利用し、それぞれの波長の光の集
光点を異なる深さに設定する。2層の記録媒体を用い、
記録媒体のそれぞれの記録層の厚みに合わせて、2波長
の光がそれぞれの層に集光するように設定する。それぞ
れの光を別々に変調すれば、2層の記録媒体に同時に異
なる記録が行える。2層への同時期録を行えば、記録速
度、読み出し速度が2倍になり高速の記録再生光学シス
テムが実現できる。
【0078】さらに、干渉フィルタを用いれば1層目と
2層目の光の分離が容易になる。干渉フィルタを挟んで
2層の記録層を形成し、干渉フィルタにより2波長を分
離する。即ち、1層目の記録層には2つの波長の光が到
達するが、2層目には波長フィルタにより一方の波長し
か到達しない。これにより、1層目の記録膜への記録再
生時に2層目の膜に与える影響を低減することができ
る。干渉フィルタにより2波長を分離する場合、2波長
の間隔は10nm以上が好ましい。というのは、干渉フ
ィルタの分離波長の間隔が大きいほど分離比が大きくな
り、また、分離波長の間隔が狭くなると、干渉フィルタ
を構成する多層膜の層数が大きくなるため膜厚が大きく
なる。干渉フィルタの膜厚が大きくなると、干渉フィル
タを透過する光の収差が増大するので、集光特性が劣化
するという問題が生じるためである。
【0079】さらに、多波長光源を用いると、高調波の
多波長化に加えて基本波を利用することができる。前述
したように多波長光源からは、高調波および基本波が共
に出射される。このため、基本波の利用も可能となる。
現行の記録媒体としてCD、CDR、CD−RW等への
記録再生は短波長光の使用は難しい。特にCD−R、C
D−RWへは膜の吸収により短波長光は使用できない。
これに対し、基本波の光を用いることで、CD、CD−
R、CD−RW等への対応も容易になる。即ち、高密度
記録再生に加え、現行の記録媒体に対する記録再生も行
える光学システムを一つの多波長光源により実現するこ
とができる。
【0080】(実施の形態3)次に、多波長光源を利用
した他の光学システムについて説明する。
【0081】現行の相変化型光記録用の光源は、3つの
光強度レベルを切り替えて使用している。即ち、再生レ
ベル、消去レベル、記録レベルの3レベルである。光強
度を再生レベルに設定して記録層の番地および記録内容
を読み出し、消去レベルに設定して記録内容を消去し、
また、記録レベルに設定して新しい記録内容の書き込み
を行っている。従って、再生レベルと消去レベル、また
再生レベルと記録レベルに光源の出力を高速に切り替え
て使用している。しかしながら、光源の出力の切り替え
とその安定化に時間を要するため、光記録の書き込み時
間が遅くなるという問題があった。
【0082】これに対し、本発明の多波長光源を用いた
光学システムを利用すると、再生と記録を異なる波長で
行うことで、光源の出力の切り替えが必要でなくなり、
高速の光記録が可能となる。光学システムとしては、図
6の光学システムのフォトディテクタ64の前に波長フ
ィルタを挿入し、2波長を分離した後、異なるフォトデ
ィテクタによりそれぞれの波長の光を検出する。一方の
光を再生専用に、他の光を記録および消去専用に使用す
ることで、光の切り替えを行わない光記録が可能とな
る。また、多波長光源は発光点が同一であるため、同一
の集光点に2波長の光を集光でき、記録と再生を同時に
行うことができる。
【0083】さらに、記録と再生を同時に行うことで、
記録している相変化膜の状態をリアルタイムで観測でき
る。この情報をフィードバックすることで、記録相変化
膜への記録精度を大幅に向上することができる。光によ
って記録媒体に記録されるピットはその大きさおよび形
状が微妙に変化すると記録ノイズになり、この記録ノイ
ズが大きくなると再生信号が十分得られなくなるという
記録密度の限界を決定している。これに対し、本発明の
光学システムを使用すると、記録時に記録ピットの情報
を検出しながら記録を行うことができる。この情報をフ
ィードバックして、記録光の光強度や、記録媒体上での
焦点を制御しながら記録を行うことで、記録ピットの形
状を精確に制御することが可能となる。従来の構成で
は、記録光によりピットの形状が観測可能であるが、記
録光は高い周波数で変調されているため縦モードがマル
チ化しており、高精度で記録部分の状態を観測するのは
難しかった。しかしながら、本発明の光学システムによ
れば、記録光は、従来通り高い周波数で変調されてマル
チモード化しているが、モニター光はCW発振している
ので、低ノイズで記録部分の状態を観測することが可能
となった。
【0084】また、本発明の光学システムによれば、記
録ノイズを大幅に低減でき、記録密度を増大することが
可能となる。例えば、410nmと420nmの多波長
光源を用いれば、波長差による集光特性の差を防止する
色収差補正のレンズを用いるだけで、同一の集光点に回
折限界の集光スポットを実現できる。これは、同一の発
光点を有する多波長光源によってのみ実現できる特性で
ある。これによって、高密度の光記録が可能になった。
【0085】また、記録方法として2波長または多波長
の光を異なる変調度により変調しながら記録することが
可能となる。すなわち、一方の波長の光を連続発振(C
W)動作させ、他方の光を高周波で変調する。これを組
み合わせることにより、変調波形を自由に制御すること
ができる。SHG出力は基本波パワーの2乗に比例して
増大するため、入力光を変調することでSHG出力の大
幅な増大が可能となる。
【0086】(実施の形態4)次に、本発明の光学シス
テムによる光学情報記録媒体として相変化型光ディスク
への記録について説明する。相変化型光ディスクの記録
膜を多層化することで、記録密度の増大が図れる。しか
しながら、多層膜記録を実現するには、各層の透過及び
吸収特性の最適化が重要である。例えば、2層膜記録の
場合、1層目の吸収係数が大きいと1層目の記録は容易
になるが、透過特性が劣化するため、2層目の記録に多
大なパワーを必要とする。第1及び第2の記録媒体を共
に良好に記録再生するためには、波長λにおける両記録
層の光吸収比と第1の記録媒体の光透過率が所定の条件
を満たさなければならない。ここで、光吸収比とは、記
録層が結晶状態であるときの記録層の光吸収率をAc
(%)、記録層が非晶質状態であるときの記録層の光吸
収率をAa(%)としたときのAc/Aaである。
【0087】登録特許第2094839号公報によれ
ば、良好な消去率確保のためには結晶状態と非晶質状態
の昇温速度を揃えることが重要で、その条件としてAc
/Aa≧1.0を満足することが開示されている。ま
た、第1の記録層が結晶状態であるときの第1の記録媒
体の光透過率をTc(%)、第1の記録層が非晶質状態
であるときの第1の記録媒体の光透過率をTa(%)と
したとき、第2の記録媒体は第1の記録媒体を透過して
きたレーザ光で記録再生するため、TcとTaはより高
い方が望ましい。しかし逆に高すぎると、入射光の配分
から考えて、AaとAcが小さくなり第1の記録媒体の
記録が困難になる。レーザ波長660nm近傍での発明
者の記録実験により、第1及び第2の記録媒体共に良好
な記録再生特性を得るには、Tc≧45且つTa≧45
を満足する必要があることがわかっている。
【0088】ここで、記録再生する波長λにおける多層
構成の記録媒体の光反射率R、光透過率T、および各層
の光吸収率Aなどの光学的特性は、その波長における各
層の複素屈折率(屈折率と消衰係数)がわかれば、例え
ばマトリクス法(例えば、久保田広著「波動光学」(岩
波新書、1971年)の第3章を参照)により厳密に算
出することができる。したがって、各層の複素屈折率の
波長依存性は、多層構成の光学特性を決定する重要要素
である。
【0089】発明者の短波長記録の計算によると、記録
層の複素屈折率の波長依存性が大きいことに起因して、
波長400nm近傍では第1の記録層の光吸収比≧1.
0と第1の記録媒体の光透過率≧45%とを同時に満足
することが難しい。この場合、第1の記録媒体の消去率
が不十分になるか、または第2の記録媒体へ到達するレ
ーザ光が不十分で第2の記録媒体の記録パワーが不足す
るという事態が生じる。 図7は、光学情報記録媒体の
一構成例を断面図で示している。この光学情報記録媒体
は、第1の基板73上に第1の下側光干渉層71−1、
第1の下側界面層71−2、第1の記録層71−3、第
1の上側界面層71−4、第1の上側光干渉層71−
5、第1の反射層71−6を順次積層し、次に第2の基
板74上に第2の反射層72−6、第2の上側光干渉層
72−5、第2の上側界面層72−4、第2の記録層7
2−3、第2の下側界面層72−2、第2の下側光干渉
層72−1を順次積層して構成されている。第1の下側
光干渉層71−1から第1の反射層71−6までの多層
構成が第1の記録媒体71であり、第2の下側光干渉層
72−1から第2の反射層72−6までの多層構成が第
2の記録媒体72である。第1の記録媒体71が形成さ
れた第1の基板73と、第2の記録媒体72が形成され
た第2の基板74とは接着層75で貼り合わせられる。
【0090】第1の基板73及び第2の基板74として
は、円盤状で、レーザビームを導くための案内溝が形成
された、ポリカーボネート、アモルファス・ポリオレフ
ィンまたはPMMAなどの樹脂またはガラスを用いるこ
とができ、透明で表面の平滑なものを使用する。
【0091】接着層75は、透明な光硬化性樹脂や透明
な遅効性樹脂を使用できる。本構成では、接着層75が
隔離層の機能も兼ね備えている。
【0092】図8は、図7に示す光学情報記録媒体に対
する記録再生方法を模式的に示している。例えば、図7
の光学情報記録媒体を記録再生する場合、第1の記録媒
体71の記録再生は波長λ1の第1のレーザ光80で行
い、第2の記録媒体72の記録再生は波長λ2の第2の
レーザ光81で行う。図8において、R1は、波長λ1
に対する第1の記録媒体71の反射率、T1は、波長λ
1に対する第1の記録媒体71の光透過率、T2は、波
長λ2に対する第1の記録媒体71の光透過率、R
2は、波長λ2に対する第2の記録媒体72の反射率で
ある。第2の記録媒体72を良好に記録再生するために
は、T2≧45%が望ましい。
【0093】次に、本発明者は、図7に示す第1の記録
媒体71の多層構成の光学計算を行った。膜厚は、第1
の下側光干渉層71−1の膜厚と第1の上側光干渉層7
1−5の膜厚を変数として、第1の下側界面層71−2
と第1の上側界面層71−4の膜厚を5nm、第1の記
録層71−3の膜厚を6nm、第1の反射層71−6の
膜厚を10nmとした。材料は、光干渉層としてZnS
−20mol%SiO 2、界面層としてGeN、記録層
としてGeSbTe、反射層としてAg合金を選んだ。
記録層結晶状態と記録層非晶質状態の反射光量の変化が
より大きく、また光吸収比が最も大きくなる光干渉層の
膜厚として、第1の下側光干渉層71−1が36λ/6
4n(nm)で第1の上側光干渉層71−5が12λ/
64n(nm)の組み合わせを選び、そのように構成し
たときの、波長λ1に対する光吸収比Ac/Aa、第1
の記録層71−3がそれぞれ結晶状態、非晶質状態であ
る場合の透過率Tc、Taを表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】表1に示す結果から、第1の記録媒体71
の光吸収比Ac/Aaは波長が短くなるほど小さくな
り、光透過率Tc、Taは波長が短くなるほど大きくな
ることがわかった。
【0096】次に、この結果をもとに、第1の記録媒体
71及び第2の記録媒体72を波長λ1に対して光学設
計した。さらに、図7に示す構成で光学情報記録媒体を
6種類試作した。第2の記録媒体72の設計膜厚は、Z
nS−SiO2からなる第2の下側光干渉層72−1が
6λ/64n(nm)、GeNからなる第2の下側界面
層72−2が5nm、GeSbTeからなる第2の記録
層72−3が10nm、GeNからなる第2の上側界面
層72−4が5nm、ZnS−SiO2からなる第2の
上側光干渉層72−5が20λ/64n(nm)、Ag
合金からなる第2の反射層72−6が80nmである。
単一波長λ1で第1の記録媒体71及び第2の記録媒体
72のCNR(キャリア対ノイズ比)と消去率を測定し
た。測定は、パルステック製ドライブにレーザ波長の異
なる光ヘッドを載せ換えて行った。線速度は5m/sで
ある。CNRは3T信号を10回記録して振幅とノイズ
レベルから得た。引き続き11T信号を測定済み3T信
号の上に1回重ね書きして3T信号の振幅を測定し、振
幅低下分から消去率を得た。第1の記録媒体71の消去
率Ers(dB)と第2の記録媒体72の記録感度Pp
/Pbを評価した結果を表2に示す。記録は溝上記録で
ある。記録感度はCNR=50dBなるピークパワー
(mW)とバイアスパワーPb(mW)で定義した。
【0097】
【表2】
【0098】表1に示す計算結果及び表2に示す測定結
果から、Ac/Aaが1.0以上あれば消去率が20d
B得られ実用可能となり、さらに1.2以上あれば30
dB以上の消去率が得られるので1.20以上がより好
ましい。したがって、第1の記録媒体71は波長430
nm以上で記録再生することが好ましいことがわかる。
【0099】第2の記録媒体72の記録感度について
は、λ1が短いほど高感度化傾向にある。これは、表1
の計算結果と傾向が合っており、第1の記録媒体71の
透過率が高い方が第2の記録媒体72は高感度化でき
る。従って、第2の記録媒体72の記録感度に対しては
記録波長はより短い方が好ましい。この場合は420n
m以下が好ましい。
【0100】以上の結果から、第1の記録媒体71と第
2の記録媒体72は、記録再生に好ましい波長が一致し
ないことが分かった。
【0101】そこで、図8に示すように第1の記録媒体
71を波長λ1で記録再生し、第2の記録媒体72をλ
1にごく近い範囲内にある波長λ2で記録再生すること
を考えた。その場合の第1の記録媒体71の波長λ2に
対する透過率を表1を得たのと同様に光学計算した。こ
の場合、第1の記録媒体71はλ1に対して設計膜厚を
決定するので、波長の異なるλ2に対しては光干渉層の
光学長が変わる。波長λ1に対する第1の記録媒体71
の光吸収比は表1に示した通りである。Δλ=λ1−λ
2とし、λ1=430である場合の、Δλに対する透過
率の変化を計算した。結果を表3に示す。
【0102】
【表3】
【0103】表3から、Δλが大きいほど第1の記録媒
体71の透過率は大きくなることがわかる。λ1=43
0nmの光吸収比は1.20が得られているので(表
1)、十分な光吸収比と高い透過率が両立できる。
【0104】表3の計算結果から、2波長使用した場合
の第1の記録媒体71の透過率の波長依存傾向が得られ
た。より好ましい波長λ1は、430nmから450n
mで、波長λ2はλ1より小さいことが好ましい。
【0105】次に、λ1=430nmと450nm、λ
2=400nmの2種類の波長の組合せに対して、光学
情報記録媒体を試作し、第1の記録媒体71と第2の記
録媒体72の溝上のCNRと消去率を測定した。測定
は、パルステック製ドライブに波長λ1の光ヘッドと波
長λ2の光ヘッドを載せ換えて行った。
【0106】第1の記録媒体71はλ1に対して設計膜
厚を決定し、第2の記録媒体72はλ2に対して設計膜
厚を決定して、図7に示す光学情報記録媒体を試作し
た。第1の記録媒体71の消去率Ers(dB)、第2
の記録媒体72の記録感度Pp/Pbを評価した結果
を、表4に示す。
【0107】
【表4】
【0108】この測定結果から、単一波長で記録再生す
るよりも、λ1>λ2の2波長で記録再生した方が、3
0dB以上の第1の記録媒体71の消去率が得られ、且
つΔλが大きいほど第2の記録媒体72の記録感度がよ
り高くなることが検証できた。
【0109】次に、本発明の多波長光源を用いた光学シ
ステムにより2波長記録を実施する。用いた光源は、波
長860nmと波長800nmの市販の半導体レーザを
波長変換素子に結合し、λ1=430nm、λ2=40
0nmの多波長光源を構成した。その多波長光源を用い
て、光学情報記録媒体の第1の記録媒体71及び第2の
記録媒体72の溝上における、記録感度、CNR、消去
率、ジッター値を測定した。この測定結果を表5に示
す。
【0110】
【表5】
【0111】表5に示すように、上記多波長光源を用い
た光学システムを用いることで、多層膜への記録再生に
おいて良好な特性が得られた。
【0112】本発明の多波長光源は、短波長領域におい
て複数の出射波長を発生できると共に、発振波長の設定
が容易にできるため、相変化膜の記録再生に必要な設計
波長を容易に発生することが可能となり、高密度の記録
再生光学システムを構成することができた。さらに、出
射光を単一の発光点より出射できるため、簡便な光学シ
ステムで多波長光源を使用できるという利点を有する。
【0113】また、前述した2波長により記録と再生を
同時に行う構成は2層の記録にも適用できる。例えば、
波長400nmと430nmの2波長光源を用いる場
合、第1層を記録する場合は430nmの光を記録光と
し、400nmの光を再生光とする。第2層の場合はそ
の逆となる。その構成において、記録時の記録ピットの
情報をフィードバックしながら記録を行うことで、記録
ピットの形状を精確に制御することができ、記録ノイズ
を低減して高密度記録を達成することが可能になる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光導波路
デバイス、これを用いた多波長光源、及びこれを用いた
光学システムによれば以下の効果を奏する。
【0115】(1)異なる位相整合特性を有する複数の
光導波路により、光源からの異なる波長の基本波を同時
に波長変換することができ、同一または近接位置に設け
た出射部から多波長の出射光が出射されるため、同一点
光源からの出射光となり、色収差補正を行った対称構造
の集光レンズ系を用いると、光学情報記録媒体に対して
回折限界までの集光が可能となる。
【0116】(2)光導波路デバイスに反射器を設ける
ことにより、少ない基板面積で長い光導波路が形成でき
るため、基板面積の有効利用と波長変換の高効率化が実
現できる。
【0117】(3)光導波路デバイスの光導波路を第2
高調波に対する位相整合条件を満足するように構成し、
現在市販されている異なる波長の半導体レーザを光導波
路デバイスに結合することで、青色発光領域である40
0nm帯の複数の波長の光を単一の光導波路デバイスよ
り容易に出射でき、光学情報記録媒体への高密度光記録
が可能になる。
【0118】(4)位相整合波長が狭いQPM−SHG
素子の許容度に対して、コヒーレント光源の波長を可変
制御して位相整合波長に合致させることで、高効率の波
長変換が可能となるだけでなく、周囲の温度変化により
位相整合波長が変動した場合でも、コヒーレント光源の
波長を可変制御することで、常に安定な出力が得られ
る。さらに、位相整合波長を制御することで、出射する
光を切り替えることも可能となる。
【0119】(5)特殊な集光レンズや、光学系内に収
差補正用のグレーティング素子等を設ける必要がないの
で、簡易な光学システムとなり光学調整も容易になる。
また、短波長の多波長光源を適用するうえで非常に有効
となる。
【0120】(6)光学システムに設けた集光レンズ系
の分散特性を利用することにより、光学情報記録媒体に
対する複数の波長を有する光の集光点を異なる深さに設
定することで、多層膜への同時記録が可能となり、例え
ば2層の記録層を有する光学情報記録媒体を用いると、
記録及び再生速度が2倍になり高速の記録再生光学シス
テムが実現できる。
【0121】(7)光学システムに設けた波長フィルタ
の分離特性を利用することにより、多波長光源から光学
情報記録媒体への異なる波長の光を分離したり、光学情
報記録媒体からフォトディテクタへの異なる波長の検出
光を分離することで、2層の記録層を有する光学情報記
録媒体に対して2波長の光により記録再生を行う場合、
1層目の記録層には2つの波長の光が到達するが、2層
目の記録層には一方の波長しか到達しない構成にするこ
とで、2波長を分離し、1層目の記録層への記録再生時
に2層目の記録層に与える影響を低減することができ
る。
【0122】(8)また、波長フィルタにより光学情報
記録媒体からの2波長の反射光を分離した後、異なるフ
ォトディテクタによりそれぞれの波長の光を検出するこ
とで、1層目と2層目の記録層に対する同時再生が可能
になる。
【0123】(9)また、一方の光を再生専用に、他の
光を記録および消去専用に使用することができ、光源の
光出力の切り替えを行わない高速の光記録が可能とな
る。
【0124】(10)さらに、多波長光源は発光点が同
一であるため、光学情報記録媒体の同一の集光点に2波
長の光を集光でき、記録と再生を同時に行うことができ
るので、記録時に記録情報をリアルタイムに検出し、こ
の情報をフィードバックして、記録光の光強度や、記録
媒体上での焦点を制御しながら記録を行うことで、記録
媒体に形成する記録ピットの形状を精確に制御すること
ができ、記録密度を大幅に増大させることが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の光導波路デバイスを用いた多
波長光源の構成を示す平面図
【図2】 本発明の第2の光導波路デバイスを用いた多
波長光源の構成を示す平面図
【図3】 本発明の第3の光導波路デバイスを用いた多
波長光源の構成を示す平面図
【図4】 本発明の第4の光導波路デバイスを用いた多
波長光源の構成を示す平面図
【図5】 本発明の第5の光導波路デバイスを用いた多
波長光源の構成を示す平面図
【図6】 本発明の多波長光源を用いた光学システムの
構成図
【図7】 本発明の光学システムに用いる光学情報記録
媒体の一構成例を示す断面図
【図8】 図7に示す光学情報記録媒体に対する記録再
生方法を示す模式図
【図9】 第1の従来例による光導波路デバイスの構成
を示す平面図
【図10】 第2の従来例による光導波路デバイスの構
成を示す平面図
【符号の説明】
11、21、31、41、51 基板 12−1、12−2、22−1、22−2、32、42
−1、42−2、52光導波路 13−1、13−2、23−1、23−2、33、43
−1、43−2、53分極反転構造 14−1、14−2、24−1、24−2、34−1、
34−2、44−1、44−2、54−1、54−2
入射部 16、26、36、46、56 出射部 15−1、15−2、25−1、25−2、35−1、
35−2、45−1、45−2、55−1、55−2
半導体レーザ 17、37 Y分岐導波路 48−1、48−2、49−1、49−2、58 反射
器 61 多波長光源 62 コリメートレンズ 63 フィルタ 64 フォトディテクタ 65 集光光学系 66 記録媒体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/0045 G11B 7/005 A 5D090 7/005 7/09 A 5D118 7/09 7/125 A 5D119 7/125 B 5F073 7/135 A 7/135 Z 7/24 522Q 7/24 522 H01S 5/026 H01S 5/026 5/40 5/40 G02B 6/12 F (72)発明者 児島 理恵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山田 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA03 KA12 LA12 LA18 MA07 NA08 RA00 RA01 RA08 2H048 GA01 GA07 GA23 GA33 GA61 2H079 AA02 AA12 BA01 CA21 EA03 EA05 2K002 AA04 AA05 AB12 EA16 GA04 HA20 HA31 5D029 JB13 5D090 AA01 BB12 CC01 CC04 CC14 CC16 DD03 FF05 FF11 KK03 KK06 LL01 LL02 5D118 AA04 BA01 BB02 BF02 BF03 CD01 CG06 CG07 CG09 CG23 DC03 DC17 DC18 5D119 AA04 AA22 BA01 BB13 CA15 DA01 DA05 EA03 EC47 FA05 HA36 JA29 JA63 KA02 5F073 AB06 AB15 AB21 AB23 AB27 BA05

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板の表面近傍に形成された
    複数の光導波路と、該光導波路の一端に形成された入射
    部と、前記光導波路の他端に形成された出射部とを備え
    た光導波路デバイスであって、 前記複数の光導波路が互いに異なる位相整合条件を満足
    し、 前記複数の光導波路の出射部を略同位置に設けたことを
    特徴とする光導波路デバイス。
  2. 【請求項2】 前記光導波路は周期状の分極反転構造を
    有する請求項1記載の光導波路デバイス。
  3. 【請求項3】 前記分極反転構造の周期が前記光導波路
    間で互いに異なっている請求項2記載の光導波路デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記光導波路の一部に反射器を有してい
    る請求項1から3のいずれか一項記載の光導波路デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記光導波路の出射部における基板対向
    面の法線が前記基板表面と約45度の角度をなす請求項
    1から4のいずれか一項記載の光導波路デバイス。
  6. 【請求項6】 前記位相整合条件が第2高調波に対する
    位相整合条件である請求項1から5のいずれか一項に記
    載の光導波路デバイス。
  7. 【請求項7】 前記位相整合条件が和周波に対する位相
    整合条件である請求項1から5のいずれか一項に記載の
    光導波路デバイス。
  8. 【請求項8】 前記光導波路の一部が互いに他の光導波
    路と光学的に結合している請求項1から5のいずれか一
    項に記載の光導波路デバイス。
  9. 【請求項9】 波長の異なる複数のコヒーレント光源
    と、請求項1から8のいずれか一項に記載の光導波路デ
    バイスとを備え、 前記コヒーレント光源からの光を前記光導波路デバイス
    により波長変換することを特徴とする多波長光源。
  10. 【請求項10】 前記コヒーレント光源は半導体レーザ
    であり、前記光導波路デバイスの入射部と前記半導体レ
    ーザが直接結合されている請求項9記載の多波長光源。
  11. 【請求項11】 前記波長の異なるコヒーレント光源
    が、一つの基板上に形成されたマルチストライプの半導
    体レーザである請求項9または10記載の多波長光源。
  12. 【請求項12】 前記コヒーレント光源が波長可変機能
    を有する請求項9から11のいずれか一項に記載の多波
    長光源。
  13. 【請求項13】 前記光導波路デバイスが、電極構造を
    有し、該電極により出力変調を行う請求項9から12の
    いずれか一項に記載の多波長光源。
  14. 【請求項14】 請求項9から13のいずれか一項に記
    載の多波長光源と、 集光光学系とを備えたことを特徴とする光学システム。
  15. 【請求項15】 前記光学システムはさらに波長フィル
    タを備え、 前記多波長光源からの光を前記波長フィルタにより分離
    する請求項14記載の光学システム。
  16. 【請求項16】 前記波長フィルタにより検出光を分離
    する請求項15記載の光学システム。
  17. 【請求項17】 前記多波長光源からの出射光に、波長
    に応じて異なる強度変調を加えた請求項14から16の
    いずれか一項に記載の光学システム。
  18. 【請求項18】 前記光学システムはさらに記録媒体を
    備え、 前記記録媒体に、前記多波長光源からの光を前記集光光
    学系により集光し、 前記記録媒体が波長選択機能を有している請求項14か
    ら17のいずれか一項に記載の光学システム。
  19. 【請求項19】 前記多波長光源からの複数の波長の光
    により、前記記録媒体に同時に記録または再生を行う請
    求項18記載の光学システム。
  20. 【請求項20】 前記多波長光源からの少なくとも一つ
    の波長の光により、前記記録媒体に記録を行い、同時に
    前記多波長光源からの他の波長の光により、前記記録媒
    体から情報を検出する請求項18記載の光学システム。
  21. 【請求項21】 前記多波長光源からの前記他の波長の
    光により検出した信号に基づいて、前記少なくとも一つ
    の波長の光の強度を制御する請求項20記載の光学シス
    テム。
  22. 【請求項22】 前記多波長光源からの前記他の波長の
    光により検出した信号に基づいて、前記少なくとも一つ
    の波長の光の前記記録媒体上での焦点を制御する請求項
    20記載の光学システム。
  23. 【請求項23】 前記多波長光源からの複数の波長の光
    を混合して、前記記録媒体に記録する請求項18記載の
    光学システム。
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