JP2002170272A - 光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置

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JP2002170272A JP2000364978A JP2000364978A JP2002170272A JP 2002170272 A JP2002170272 A JP 2002170272A JP 2000364978 A JP2000364978 A JP 2000364978A JP 2000364978 A JP2000364978 A JP 2000364978A JP 2002170272 A JP2002170272 A JP 2002170272A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ディスクの情報の記録および再生時に安定し
た信号検出ができる光ヘッド装置を提供する。 【解決手段】半導体レーザ5からの出射光である第1の
直線偏光の入射光に対しては回折格子として作用せず入
射光を透過し、かつ光ディスク7からの反射戻り光であ
る、第1の直線偏光と直交する偏光方向の第2の直線偏
光の入射光に対しては回折格子として作用し入射光を回
折する複屈折性材料からなる偏光性回折素子1を作製し
て、この偏光性回折素子1を光ヘッド装置の光源5とビ
ームスプリッタ4との間の光路中に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクなどの
光記録媒体の情報の記録および再生に使用する光ヘッド
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばCDやDVDのような光ディス
ク、または光磁気ディスクなどの光記録媒体(以下、こ
れらをまとめて「光ディスク」という)の情報記録面上
に情報を書き込んだり(以下、「記録」という)、また
は情報記録面上の情報を読み取ったり(以下、「再生」
という)する光ヘッド装置が各種用いられている。
【0003】図6は従来の光ヘッド装置の一例について
概略を示す側面図である。半導体レーザ5からの出射光
は、ビームスプリッタ4の半導体レーザ5側の表面に形
成された反射膜(図示せず)により反射され、対物レン
ズ3により光ディスク7の情報記録面に集光される。こ
こで、反射膜は入射光の一部を透過し残りの光を反射す
る部分反射膜である。光ディスク7からの反射光は、再
び対物レンズ3を透過し、一部の光がビームスプリッタ
4を透過した後光検出器6の受光面に集光され、残りの
光がビームスプリッタ4の反射膜により反射され戻り光
となって半導体レーザ5の発光点に集光される。光検出
器6において、受光した光が電気信号に変換され、この
受光光量に応じた電気信号はアンプで増幅され、さらに
自動ゲイン補正回路で適宜ゲインが補正されて信号レベ
ルが一定範囲に調整されて出力される。
【0004】なお、光ヘッド装置の構成として、ビーム
スプリッタ4と対物レンズ3との間にコリメートレンズ
を配置する場合や、ビームスプリッタ4と光検出器6と
の間にシリンドリカルレンズや凹レンズを配置する場合
がある。また、CD用の波長790nm帯域の半導体レ
ーザとDVD用の波長650nm帯域の半導体レーザと
を2個用いた構成の光ヘッド装置などがある。
【0005】このような光ヘッド装置において、光源と
して用いられる半導体レーザの発光点に光ディスクの情
報記録面からの反射戻り光が入射すると半導体レーザの
出射光強度が不安定になり、その結果正確な情報の記録
および再生ができなくなる問題が生じる。この問題を解
決するために、半導体レーザ用電源の駆動電流に数百M
Hzの高周波電流を重畳する回路を設けて、半導体レー
ザの発振モードをシングルモードからマルチモードに変
えることにより戻り光と発振光との干渉を低減して出射
光強度を安定化している。
【0006】また、半導体レーザと対物レンズとの間も
光路中に半導体レーザの発振波長に対して位相差がπ/
2となる1/4波長板2を配置し、1/4波長板を往復
した戻り光の偏光状態を発振光の偏光状態から変化させ
ることにより、戻り光と発振光との干渉を低減すること
で出射光強度を安定化している。しかし、CD−RやC
D−RWなどの光ディスクの情報記録面に高速で情報を
記録するために半導体レーザの出射光を高出力化する
と、半導体レーザの発光点への戻り光強度も増大し、半
導体レーザの出射光強度が不安定になり安定した記録お
よび再生ができなくなる問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実情
に鑑み、比較的高出力な半導体レーザを光源として用い
る光ヘッド装置において、光ディスクの情報の記録およ
び再生時に安定した信号検出ができる光ヘッド装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源と、光源
からの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、光
記録媒体からの反射光を検出する光検出器と、光源から
の出射光を対物レンズ側へ反射しかつ光記録媒体からの
反射光の一部を光検出器側へ透過するとともに反射光の
残りの部分を光源側へ反射するビームスプリッタとを備
え、光記録媒体に情報の記録および再生を行う光ヘッド
装置であって、光源とビームスプリッタとの間の光路中
に、複屈折性材料からなる下記の偏光性回折素子が設置
されていることを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
偏光性回折素子:光源からの出射光である第1の直線偏
光が偏光性回折素子へ入射するときは、回折格子として
作用せず第1の直線偏光を透過させ、また光記録媒体か
らの反射光であって第1の直線偏光と直交する偏光方向
の第2の直線偏光が偏光性回折素子へ入射するときは、
回折格子として作用し第2の直線偏光を光源から遠ざけ
るように回折させる。
【0009】また、光源と、光源からの出射光を光記録
媒体に集光する対物レンズと、光記録媒体からの反射光
を検出する光検出器と、光源からの出射光を対物レンズ
側へ反射しかつ光記録媒体からの反射光の一部を光検出
器側へ透過するとともに反射光の残りの部分を光源側へ
反射するビームスプリッタとを備え、光記録媒体に情報
の記録および再生を行う光ヘッド装置であって、光源と
ビームスプリッタとの間の光路中に、複屈折性材料から
なる下記の偏光性回折素子が設置されていることを特徴
とする光ヘッド装置を提供する。 偏光性回折素子:光源からの出射光である第1の直線偏
光が偏光性回折素子へ入射するときは、光記録媒体へ入
射して信号検出するための3ビームの発生用回折格子と
して作用して、第1の直線偏光の50%以上を0次回折
光として直進透過させ、また光記録媒体からの反射光で
あって第1の直線偏光と直交する偏光方向の第2の直線
偏光が偏光性回折素子へ入射するときは、第2の直線偏
光を光源から遠ざける回折格子として作用して、第2の
直線偏光の90%以上を回折させる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の光ヘッド装置の一
例について概略を示す側面図である。第1の直線偏光を
出射する光源である半導体レーザ5とビームスプリッタ
4との光路中に偏光性回折素子1が設置されている以外
は図6に示した従来の光ヘッド装置の構成と同じであ
る。したがって、図6と同じ符号は同じ要素を示す。偏
光性回折素子1は、光源(半導体レーザ)から出射する
第1の直線偏光の入射光に対しては回折格子として作用
せず入射光を透過し、かつ光記録媒体からの反射光であ
って、第1の直線偏光と直交する偏光方向の第2の直線
偏光の入射光に対しては回折格子として作用し入射光を
光源から遠ざけるように回折する。
【0011】このような偏光性回折素子1が設置されて
いるので、光ディスクにより反射され、さらにビームス
プリッタ4に反射された第2の直線偏光は、回折されて
半導体レーザに届かないので、半導体レーザの出射光強
度が安定になり、その結果光ヘッド装置の正確な情報の
記録および再生を行うことができる。ここで、入射光を
半導体レーザから遠ざけるように回折する場合、半導体
レーザに全く届かぬように避けてもよいが、半導体レー
ザの発光点を避けてもよい。ここでは、この場合も含ん
でいる。偏光性回折素子1は複屈折性材料からなり、複
屈折性材料には光学結晶、高分子液晶などがある。生産
性の容易さなどの観点から、高分子液晶を用いることが
好ましい。
【0012】図2は、本発明における偏光性回折素子の
構成の一つの例を示す側面図である。偏光性回折素子で
ある回折素子10は、透光性平面基板11の一方の面
に、常光屈折率noおよび異常光屈折率ne(no≠ne
の複屈折性材料13を断面形状が段差dの周期的凹凸状
となるよう加工し、その凹部に屈折率nsの等方性屈折
率透明材料14を充填する。そして、透光性平面基板1
1と、透光性平面基板12とで等方性屈折率透明材料1
4を挟み込んだ構造としている。透光性平面基板11お
よび透光性平面基板12の空気との界面には反射防止膜
が形成されていてもよい。
【0013】ここで、例えば屈折率nsが常光屈折率no
と略等しい等方性屈折率透明材料14を用い、|ne
s|×dが半導体レーザ5の発振波長λの(m+1/
2)倍(mは0を含む正の整数)となる段差dとしてい
る。ここでmは0、1または2であることが好ましい。
3以上であると段差dの大きさが大きくなって、生産効
率上好ましくない。mが0のときが最も生産効率がよく
特に好ましい。
【0014】このような構造の回折素子10を、図1の
偏光性回折素子1として光ヘッド装置に搭載し、半導体
レーザ5の出射光の第1の直線偏光が回折素子10に常
光偏光(図2(a)中の◎)として入射するように配置
する。このとき、複屈折性材料13の凹凸周期構造は,
常光屈折率noと屈折率nsとを略等しくしてあるため等
方性屈折率層として作用し、第1の直線偏光の入射光は
回折されることなく直進透過する。
【0015】偏光性回折素子1(回折素子10)を透過
した直線偏光は、光ディスク7で反射されるので、1/
4波長板2を往復して透過し、第2の直線偏光の一部が
ビームスプリッタ4を透過して光検出器6に信号光とし
て入射し、残りはビームスプリッタ4の反射膜(図示せ
ず)で反射され偏光性回折素子1(回折素子10)に戻
り光となって再入射する。このとき、戻り(復路)光の
偏光方向が光ディスクへ向かう往路の直線偏光の偏光方
向と直交する、第2の直線偏光である異常光直線偏光
(図2(b)中の←→)となっているため、複屈折性材
料13の凹凸周期構造は、位相差2π×(ne−ns)×
d/λすなわち2π×λ×(m+1/2)/λで位相差
π(m=0としてよい)の位相回折格子として作用す
る。そして、戻り光のほとんどは±1次以上の高次光と
して回折されるため、直進透過して半導体レーザ5の発
光点に集光される戻り光はわずかとなる。
【0016】また、複屈折性材料13の凹凸周期構造の
格子ピッチPに応じて発生するQ次回折光の回折角度θ
は入射光の波長λに対して、sinθ=Qλ/Pの関係
にある。ここで、Qは±1、±2、・・・の値をとる。
半導体レーザ5の発光点に最も近い回折光は±1次回折
光であるため、±1次回折光が半導体レーザ5の発振に
影響しない領域、すなわち発光点と重ならない領域に回
折されるように格子ピッチPを設定する。具体的には5
0μm以下の格子ピッチPとすることが好ましい。
【0017】凹凸周期構造の格子パターンは格子を平面
的に上から見ると通常直線状であるが、直線格子の格子
方向が異なる領域に分割した分割パターンや、直線格子
の代わりに曲線格子のホログラムパターンとしてもよ
い。その結果、高出力半導体レーザを光源として用いる
光ヘッド装置において、半導体レーザの発光点に集光す
る戻り光はほとんどなくなり、上記のように半導体レー
ザの発振光強度が安定するため、光ディスクの情報の記
録および再生時に安定した信号検出ができる。
【0018】図3は、本発明における偏光性回折素子の
構成の他の例を示す側面図である((a)第1の偏光が
往路として入射した様子を示し、(b)第2の偏光が復
路として入射した様子を示す。)。光ディスクにおける
情報の再生のための信号検出法として、一般的に用いら
れている3ビームを使用する3ビーム法を適用するため
に、回折素子20において、透光性平面基板12の一方
の面に光ディスクのトラッキングに用いるためのサブビ
ームを発生する回折格子15が形成されている。回折格
子15の回折効率は偏光方向に依存しない。他の構成は
図2の回折素子10の構成と同じであり、その他の符号
で図2と同じものは図2と同じ要素を示す。
【0019】このような構造の回折素子20を、図1の
偏光性回折素子1として光ヘッド装置に用いることによ
り、光ヘッド装置の部品点数および重量を増やすことな
く光ディスクの情報の記録および再生時に安定した信号
検出ができるので好ましい。すなわち、反射光の信号検
出用の3ビームの発生素子として用いる、回折効率が偏
光方向に依存しない回折格子が、偏光性回折素子にさら
に形成されていることが好ましい。
【0020】図4は本発明における偏光性回折素子の構
成の別の例を示す側面図である((a)第1の偏光が往
路として入射した様子を示し、(b)第2の偏光が復路
として入射した様子を示す。)。図1の光ヘッド装置の
ビームスプリッタ4と対物レンズ3との間の光路中に配
置された1/4波長板2の代わりに配置する。偏光性回
折素子である回折素子30は、等方性屈折率透明材料1
4と透光性接着材17を用いて透光性平面基板11と透
光性平面基板12との間に位相差がπ/2の奇数倍とな
る位相板16を挟み込んだ構成としている。他の構成は
図3の回折素子20の構成と同じであり、その他の符号
で図3と同じものは図3と同じ要素を示す。位相板16
はポリカーボネート複屈折膜や高分子液晶などの位相差
発生機能を有する有機薄膜位相板や水晶位相板が用いら
れる。
【0021】このような構造の回折素子30を、図1の
偏光性回折素子1として複屈折性材料13が半導体レー
ザ5側になるように配置することにより、光ヘッド装置
の部品点数および重量が減少するとともに、光ディスク
の信号の記録再生時に安定した信号検出ができるので好
ましい。また、位相板を偏光性回折素子と対物レンズと
の間の光路中に設置してもよい。
【0022】図5は、本発明における偏光性回折素子の
構成のさらに別の例を示す側面図である((a)第1の
偏光が往路として入射した様子を示し、(b)第2の偏
光が復路として入射した様子を示す。)。図4に示す偏
光性の回折素子30では、複屈折性材料13を構成要素
とする偏光性の回折格子と透光性平面基板12の一方の
面に形成された回折格子15とが別々に形成されてい
る。
【0023】しかし、図5に示された回折素子40では
複屈折性材料13を構成要素とする偏光性の回折格子の
みであり、この回折格子40が図4の回折格子15の機
能も果たす構成となっている。すなわち、図5(a)に
示すように、第1の直線偏光は、0次回折光とともに、
±1次回折光が発生し合計3ビームとなる。第1の直線
偏光は、図5(b)に示すように、±1次回折光が発生
し、この回折光は光源を避けるように(すなわち光源か
ら遠ざけるように)偏向される。図5の符号で図4の符
号と同じものは、図4と同じ要素を表わす。
【0024】図5において、複屈折性材料13の常光屈
折率noおよび異常光屈折率ne(n o≠ne)が等方性屈
折率透明材料14の屈折率nsと異なり、|ne−ns
×dが半導体レーザの発振波長λの(m+1/2)倍
(mは0を含む正の整数)となる段差dであるととも
に、|no−ns|×dが発振波長λの(k+1/4)倍
から(k+1/12)倍のまでの範囲(kは0を含む整
数)とすることが好ましい。ここでmとkは0、1また
は2であることが好ましい。3以上であると段差dの大
きさが大きくなって、生産効率上好ましくない。mとk
が0のときが最も生産効率がよく特に好ましい。
【0025】このような構造の回折素子40を、図1の
偏光性回折素子1として複屈折性材料13が半導体レー
ザ5側になるとともに、光ヘッド装置において半導体レ
ーザ5の出射光の第1の直線偏光が複屈折性材料13に
常光偏光として入射するように配置することが好まし
い。この配置により、光ヘッド装置の部品点数および重
量が減少するとともに、光ディスクの情報の記録および
再生時に安定した信号検出ができる。
【0026】このとき、往路において複屈折性材料13
の凹凸周期構造は位相差が2π×(no−ns)×d/λ
である、すなわち2π×λ×(k+1/4)/λから2
π×λ×(k+1/12)/λまでであるから、位相差
がπ/2からπ/6までの位相回折格子として作用する
ため(k=0としてよい)、回折効率の式から、50%
から93%程度の0次回折光と20%から3%程度の±
1次回折光が算出され、凹凸周期構造の格子ピッチを適
宜設定することにより光ディスクの情報を含む信号検出
用の3ビーム発生素子とすることができる。
【0027】複屈折性材料13を透過した0次回折光と
±1次回折光の直線偏光は位相板16を透過した後円偏
光となって回折素子40を出射し、光ディスクで反射し
て戻り光となって再び回折素子40に入射する。位相板
16を透過した後、往路の入射常光偏光と直交する偏光
方向を有する異常光偏光となって複屈折性材料13に入
射する。このとき、複屈折性材料13の凹凸周期構造は
位相差が2π×(ne−ns)×d/λ(すなわち2π×
λ×(m+1/2)/λ)であり、位相差がπの位相回
折格子として作用し、戻り光の大部分は±1次以上の高
次回折光となるため、直進透過して半導体レーザの発光
点に集光される戻り光はわずかとなる。ここで、m=0
としてよい。
【0028】このような構造の回折素子40を用いるこ
とにより、一つの偏光性回折格子のみで、光ディスクの
情報を含む信号検出用の3ビームの発生素子としての機
能と半導体レーザの発光点への戻り光を偏向する機能を
同時に実現できる。その結果、上記のように光ヘッド装
置の部品点数および重量が減少するとともに、光ディス
クの情報の記録および再生時に安定した信号検出ができ
る。
【0029】
【実施例】「例1」まず、本例の光ヘッド装置に用いら
れた回折素子について、図4を用いて説明する。一方の
面に反射防止膜が形成された透光性平面基板11である
ガラス基板の他方の面上に、複屈折性材料13として常
光屈折率noが1.55および異常光屈折率neが1.7
0の高分子液晶層を形成し、フォトリソグラフィとエッ
チングの技術により直線状の格子ピッチが5μm、凹部
の深さが2.6μmの凹凸周期構造を作製した。また、
透光性平面基板12の外側の面にSiO2の膜を厚さ
0.24μmに成膜した後、フォトリソグラフィとエッ
チングの技術により格子ピッチが25μm、凹凸段差が
0.24μmの回折格子15を作製し、その表面に反射
防止膜を形成した。
【0030】さらに、屈折率ns=1.55の等方性屈
折率透明材料14である均質屈折率透明樹脂を用いて、
高分子液晶層の凹凸状に加工された凹部を充填した。ま
た、ポリカーボネート複屈折膜製の1/4波長板16
を、透光性平面基板11、12である2枚のガラス基板
を用いて挟み込んで、均質屈折透明樹脂と同じ屈折率の
透光性接着材17により接着し、回折素子30を作製し
た。ここで、ポリカーボネート複屈折膜製の1/4波長
板16は、光ヘッド装置に用いられる、発振波長λが7
90nmである半導体レーザ5の入射直線偏光に対し
て、透過光の位相差がπ/2となるものを使用した。
【0031】このような構造の回折素子30を、図1の
偏光性回折素子1として光ヘッド装置に搭載し、半導体
レーザ5から出射する直線偏光が高分子液晶層に常光偏
光(第1の直線偏光)として入射するように配置した。
このとき、回折素子30を透過する光は、高分子液晶層
の凹凸周期構造による回折はしないが、回折格子15に
より0次回折光と±1次回折光が発生し、これらの光を
光ディスクの情報を含む信号検出用の3ビームとして用
いた。発生した回折光は、入射光に対しての約83%の
0次回折光と約7%の±1次回折光であり、出射光は円
偏光であった。
【0032】さらに、ビームスプリッタ4の表面に形成
された反射膜(図示せず)により、入射光の85%が反
射され、対物レンズ3により光ディスクの情報記録面に
集光し、情報記録面からの反射光となって発散した。こ
の発散した反射光は、そのうちの15%の光が再び対物
レンズ3によりビームスプリッタ4を透過し、光検出器
6の受光面に集光され、残りの85%がビームスプリッ
タ4により反射され戻り光となって偏光性回折素子1
(回折素子30)に入射した。
【0033】偏光性回折素子1(回折素子30)に入射し
た光は1/4波長板16を透過して異常光偏光(第2の
直線偏光)となって高分子液晶からなる回折格子に入射
し、入射光の95%以上が±1次以上の高次回折光とな
って拡散され、半導体レーザ5の発光点に集光される光
はほぼゼロとなった。その結果、高出力の半導体レーザ
を光源として用いる光ヘッド装置において、半導体レー
ザの発振光強度が安定し、光ディスクの情報の記録およ
び再生時に安定した信号検出ができた。
【0034】「例2」まず、本例の光ヘッド装置に用い
られた回折素子について、図5を用いて説明する。一方
の面に反射防止膜が形成された透光性平面基板11であ
るガラス基板の他方の面上に、複屈折性材料13として
常光屈折率noが1.55および異常光屈折率neが1.
70の高分子液晶層を形成し、フォトリソグラフィとエ
ッチングの技術により直線状の格子ピッチが25μm、
凹部の深さが1.9μmの凹凸周期構造を作製した。透
光性平面基板12の片面に反射防止膜を形成した。
【0035】さらに、屈折率ns=1.49の等方性屈
折率透明材料14である均質屈折率透明樹脂を用いて、
高分子液晶層の凹凸状に加工された凹部を充填した。ま
た、ポリカーボネート複屈折膜製の1/4波長板16
を、透光性平面基板11、12である2枚のガラス基板
を用いて挟み込んで、均質屈折透明樹脂と同じ屈折率の
透光性接着材17により接着し、回折素子40を作製し
た。ここで、ポリカーボネート複屈折膜製の1/4波長
板16は、光ヘッド装置に用いられる、発振波長λが7
90nmである半導体レーザ5の入射直線偏光に対し
て、透過光の位相差がπ/2となるものを使用した。
【0036】このような構造の回折素子40を、図1の
偏光性回折素子1として光ヘッド装置に搭載し、半導体
レーザ5の出射光の直線偏光が高分子液晶層からなる偏
光性の回折格子に常光偏光(第1の直線偏光)として入
射するように配置した。このとき、高分子液晶層の凹凸
周期構造は位相差2π×(no−ns)×d/λ、すなわ
ち位相差0.29πの位相回折格子として作用し、入射
光に対しての約81%の0次回折光と約8%の±1次回
折光が発生した。出射光は円偏光であった。この0次回
折光と±1次回折光を光ディスクの情報を含む信号検出
用の3ビームとして用いた。
【0037】さらに、ビームスプリッタ4の表面に形成
された反射膜(図示せず)により、入射光の85%が反
射され、対物レンズ3により光ディスクの情報記録面に
集光し、情報記録面からの反射光となって発散した。こ
の発散した反射光は、そのうちの15%の光が再び対物
レンズ3によりビームスプリッタ4を透過し、光検出器
6の受光面に集光され、残りの85%がビームスプリッ
タ4により反射され戻り光となって偏光性回折素子1
(回折素子40)に入射した。
【0038】偏光性回折素子1(回折素子40)に入射し
た光は1/4波長板16を透過して異常光偏光(第2の
直線偏光)となって高分子液晶からなる回折格子に入射
し、入射光の95%以上が±1次以上の高次回折光とな
って拡散され、半導体レーザ5の発光点に集光される光
はほぼゼロとなった。その結果、高出力の半導体レーザ
を光源として用いる光ヘッド装置において、半導体レー
ザの発振光強度が安定し、光ディスクの情報の記録およ
び再生時に安定した信号検出ができた。
【0039】本例では、一つの偏光性回折素子のみを用
いて、往路で光ディスクの情報を含む信号検出用の3ビ
ームを発生し、復路で半導体レーザの発光点への戻り光
を回折するため、例1に比べて単純な構成で同じ作用効
果が得られた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における偏
光性回折素子を用いた光ヘッド装置において、半導体レ
ーザの発光点への戻り光がなくなるため、半導体レーザ
の発振光強度が安定し、光ディスクの情報の記録および
再生時に安定した信号検出ができる。また、部品点数の
増加を招くことなく、光ディスクの情報を含む信号検出
用の3ビームを発生する回折格子機能と、半導体レーザ
の発光点への戻り光を遮断する機能とを併せ持った偏光
性回折素子からなる光ヘッド装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッド装置の構成の一例を示す側面
図。
【図2】本発明における偏光性回折素子の一例を示す図
で、(a)第1の直線偏光が往路として入射した様子を
示す側面図、(b)第2の直線偏光が復路として入射し
た様子を示す側面図。
【図3】本発明における偏光性回折素子の他の例を示す
図で、(a)第1の直線偏光が往路として入射した様子
を示す側面図、(b)第2の直線偏光が復路として入射
した様子を示す側面図。
【図4】本発明における偏光性回折素子の別の例を示す
図で、(a)第1の直線偏光が往路として入射した様子
を示す側面図、(b)第2の直線偏光が復路として入射
した様子を示す側面図。
【図5】本発明における偏光性回折素子のさらに別の例
を示す図で、(a)第1の直線偏光が往路として入射し
た様子を示す側面図、(b)第2の直線偏光が復路とし
て入射した様子を示す側面図。
【図6】従来の光ヘッド装置の構成の概略を示す側面
図。
【符号の説明】
1:偏光性回折素子 10、20,30,40:回折素子 2、16:1/4波長板(位相板) 3:対物レンズ 4:ビ−ムスプリッタ 5:半導体レーザ 6:光検出器 7:光ディスク(光記録媒体) 11、12:透光性平面基板 13:複屈折性材料 14、17:等方性屈折率透明材料(透光性接着材) 15:回折格子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、光源からの出射光を光記録媒体に
    集光する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を検出
    する光検出器と、光源からの出射光を対物レンズ側へ反
    射しかつ光記録媒体からの反射光の一部を光検出器側へ
    透過するとともに反射光の残りの部分を光源側へ反射す
    るビームスプリッタとを備え、光記録媒体に情報の記録
    および再生を行う光ヘッド装置であって、光源とビーム
    スプリッタとの間の光路中に、複屈折性材料からなる下
    記の偏光性回折素子が設置されていることを特徴とする
    光ヘッド装置。 偏光性回折素子:光源からの出射光である第1の直線偏
    光が偏光性回折素子へ入射するときは、回折格子として
    作用せず第1の直線偏光を透過させ、 また光記録媒体からの反射光であって第1の直線偏光と
    直交する偏光方向の第2の直線偏光が偏光性回折素子へ
    入射するときは、回折格子として作用し第2の直線偏光
    を光源から遠ざけるように回折させる。
  2. 【請求項2】前記偏光性回折素子に、または、前記偏光
    性回折素子と前記対物レンズとの間の光路中に、前記第
    1の直線偏光の入射光に対する透過光の位相差がπ/2
    の奇数倍となる位相板を配設し、前記第1の直線偏光の
    入射光が前記位相板を往復して透過することにより前記
    第2の直線偏光に変換される請求項1に記載の光ヘッド
    装置。
  3. 【請求項3】前記光記録媒体へ入射して信号検出するた
    めの3ビームの発生素子として用いる、回折効率が偏光
    方向に依存しない回折格子が、前記偏光性回折素子にさ
    らに形成されている請求項1または2に記載の光ヘッド
    装置。
  4. 【請求項4】光源と、光源からの出射光を光記録媒体に
    集光する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を検出
    する光検出器と、光源からの出射光を対物レンズ側へ反
    射しかつ光記録媒体からの反射光の一部を光検出器側へ
    透過するとともに反射光の残りの部分を光源側へ反射す
    るビームスプリッタとを備え、光記録媒体に情報の記録
    および再生を行う光ヘッド装置であって、光源とビーム
    スプリッタとの間の光路中に、複屈折性材料からなる下
    記の偏光性回折素子が設置されていることを特徴とする
    光ヘッド装置。 偏光性回折素子:光源からの出射光である第1の直線偏
    光が偏光性回折素子へ入射するときは、光記録媒体へ入
    射して信号検出するための3ビームの発生用回折格子と
    して作用して、第1の直線偏光の50%以上を0次回折
    光として直進透過させ、 また光記録媒体からの反射光であって第1の直線偏光と
    直交する偏光方向の第2の直線偏光が偏光性回折素子へ
    入射するときは、第2の直線偏光を光源から遠ざける回
    折格子として作用して、第2の直線偏光の90%以上を
    回折させる。
  5. 【請求項5】前記偏光性回折素子は、常光屈折率no
    よび異常光屈折率ne(no≠ne)を有する複屈折性材
    料を断面形状が段差dの周期的凹凸状となるよう加工さ
    れ、その凹部に屈折率nsの等方性屈折率透明材料が充
    填された偏光性回折素子であり、|ne−ns|×dが入
    射光の波長λの(m+1/2)倍である(mは0を含む
    正の整数)とともに、|no−ns|×dが入射光の波長
    λの(k+1/4)倍から(k+1/12)倍まで(k
    は0を含む正の整数)の範囲にある請求項4に記載の光
    ヘッド装置。
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