JP2001193721A - ねじ部の弛み防止構造及び流体機械 - Google Patents

ねじ部の弛み防止構造及び流体機械

Info

Publication number
JP2001193721A
JP2001193721A JP2000321476A JP2000321476A JP2001193721A JP 2001193721 A JP2001193721 A JP 2001193721A JP 2000321476 A JP2000321476 A JP 2000321476A JP 2000321476 A JP2000321476 A JP 2000321476A JP 2001193721 A JP2001193721 A JP 2001193721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
screw
centering
rotor shaft
slack
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000321476A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Shiohama
洋史 塩浜
Noboru Higano
昇 日向野
Masao Tateno
正夫 舘野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority to JP2000321476A priority Critical patent/JP2001193721A/ja
Publication of JP2001193721A publication Critical patent/JP2001193721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Compressor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱膨張係数の異なったねじ部材間で熱応力を
吸収する。 【解決手段】 熱膨張係数の異なるねじ部材11,1
3、15,17のねじ部45にスラスト反力を与え、生
じた摩擦抵抗によって弛みを防止するねじ部の弛み防止
構造3であって、ねじ部45を螺着したとき互いに押圧
し、熱応力による寸法変化を吸収する円錐面47,49
を前記の各ねじ部材に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ねじ部の弛み防
止構造と、これを用いた流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−200360号公報にルーツ
式流体機械が記載されている。
【0003】ルーツ式流体機械では、ケーシングに形成
されたロータ室に一対のロータが収容されており、これ
らを回転させると、流体は吸入口からロータ室に吸入さ
れ、吐出口から吐き出される。各ロータはタイミングギ
ア組の同期機構によって互いに接触しないように反対方
向に回転する。
【0004】図5は、ルーツ式流体機械の一般的なロー
タ201の構造を示しており、各ロータは、軸方向に平
行な歯すじで互いに噛み合うロータ本体203と、ロー
タ軸205とで構成されている。ロータ本体203とロ
ータ軸205は、互いの間に形成されたねじ部207で
螺着されていると共に、圧入部209で圧入されてセン
ターリングされ、固定されている。
【0005】ロータ本体203は、ロータ201の慣性
モーメントを低減してルーツ式流体機械の効率を高める
ためにアルミニウム合金のような軽金属合金で作られて
おり、ロータ軸205は、ロータ201の強度を高く保
つために、鋼で作られている。
【0006】また、ねじ部207と圧入部209にはロ
ータ本体203の慣性が掛かり、これらが弛み易いか
ら、ねじ部207をねじ込むに当たっては、ねじスラス
ト力によってロータ本体203の端部211がケーシン
グ213に適度な圧力で突き当たるようにされており、
ケーシング211から受けるスラスト反力(軸力)によ
ってねじ部207に生じる摩擦抵抗により、その弛みを
防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、稼働中の温度
上昇に伴い、アルミニウムと鉄系合金の熱膨張係数の差
によって、ロータ軸205よりロータ本体203が大き
く膨張するから、その端部211がケーシング213に
強く当たり、面圧が過大になって磨耗し、端部211と
ケーシング213との間に隙間が生じる。
【0008】そして、温度が下がると、この隙間はアル
ミニウム合金であるロータ本体203の大きな収縮に伴
ってさらに広くなる。
【0009】このような隙間が生じると、流体の漏れが
生じ、ルーツ式流体機械の効率が低下する。
【0010】さらに、隙間が生じると、ねじ部207に
掛かるスラスト反力が小さくなり、あるいは、スラスト
反力が掛からなくなって、ねじ部207が弛む恐れが生
じる。
【0011】ねじ部207が弛むと、ロータ本体203
の固定が不完全になり、各ロータの間でロータ本体20
3同士が接触し、磨耗、焼き付きなどが生じる。
【0012】また、圧入部209は、ロータ軸205に
設けられた円筒面と、ロータ本体203に設けられたそ
れより小径の円筒面とで構成されており、ねじ部207
でねじ込む際に、これらの円筒面は互いに螺旋状に回転
し、摺動しながらその重なり幅Tだけ圧入されるから、
ロータ本体203とロータ軸205との囓りが生じ易
い。
【0013】さらに、圧入部209とねじ部207との
センターリングが狂うと、この囓りの程度が大きくなり
易い。
【0014】ロータ本体203とロータ軸205との囓
りが生じると、ロータ201が偏芯して振れが発生し、
振動と騒音が発生すると共に、ロータ同士、あるいは、
ロータ201とロータ室との接触によって、上記のよう
な、磨耗、焼き付きなどが生じる。
【0015】そこで、この発明は、熱膨張係数の異なっ
たねじ部材の間に生じる熱応力を吸収するねじ部の弛み
防止構造と、これを用いた流体機械の提供を目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のねじ部の
弛み防止構造は、互いの間に設けられたねじ部で連結さ
れた熱膨張係数の異なる一対のねじ部材の前記ねじ部に
スラスト反力を与え、生じた摩擦抵抗によって弛みを防
止するねじ部の弛み防止構造であって、温度変化に伴い
熱膨張係数の差によって生じる熱応力を両ねじ部材の間
で吸収する吸収手段を設けたことを特徴としている。
【0017】このように、請求項1記載のねじ部の弛み
防止構造では、熱膨張係数の差により、温度変化に伴っ
て生じる熱応力を、両ねじ部材の間に配置された吸収手
段が吸収するから、熱応力によって生じる両ねじ部材間
の変化(例えば、寸法変化)が吸収され、寸法変化に伴
う不具合が防止される。
【0018】従って、温度が変化しても、ねじ部に掛か
るスラスト反力(軸力)が減少することがなく、弛み防
止機能が高く保たれる。
【0019】また、ねじ部材と相手側部材との間に隙間
が設けられている場合は、両ねじ部材の熱膨張係数差の
影響によってこの隙間が変化することはない。
【0020】このように、両ねじ部材の間で熱応力を吸
収する本発明のねじ部の弛み防止構造を用いれば、ロー
タ本体203とケーシング213とを直角に突き当てて
ねじ部207の弛みを防止している従来例と異なり、温
度変化によるねじ部の弛みと、隙間の変動などから解放
され、装置の性能が安定する。
【0021】なお、吸収手段は、請求項2に記載したよ
うなものの他に、例えば、板ばねや、その他のスプリン
グ、樹脂やゴムのような弾性体でもよい。
【0022】請求項2の発明は、請求項1に記載された
ねじ部の弛み防止構造であって、吸収手段が、両ねじ部
材にそれぞれ設けられ、ねじ部を螺着したとき互いに突
き当たる円錐面であることを特徴としている。
【0023】この構成では、吸収手段が、各ねじ部材に
それぞれ設けられた円錐面であり、これらはねじ部を螺
着することによって互いに突き当てられている。
【0024】そこで、ねじ部を螺着する際に、各ねじ部
材の円錐面を適度な強さで互いに押圧させれば、円錐面
からねじ山にスラスト反力が掛かり、生じた摩擦抵抗に
よってねじ部の弛みが防止される。
【0025】また、熱膨張係数の大きいねじ部材の円錐
面を外側にし、熱膨張係数の小さいねじ部材の円錐面を
内側にすると、温度上昇に伴って、熱膨張係数の大きい
ねじ部材が熱膨張係数の小さいねじ部材より軸方向に大
きく膨張し、円錐面相互の押圧力が増加するが、このと
き、外側の円錐面が撓むことによって、この熱応力を径
方向外側に逃がすことができる。
【0026】こうして、熱膨張に伴う両ねじ部材(円錐
面)の相対的な寸法変化が吸収されるから、ねじ部に掛
かるスラスト反力が変化することはなく、ねじ部の弛み
防止機能が高く保たれ、請求項1の構成と同等の作用・
効果を得ることができる。
【0027】また、ねじ部をねじ込む際に各円錐面が互
いに押圧されることによって、各ねじ部材が無理なくセ
ンターリングされ、このセンターリング機能によってね
じ部材間の偏芯が防止される。
【0028】これらの効果を、図5の従来例で説明する
と、ロータ軸205とロータ本体203にそれぞれ円錐
面を形成し、ねじ部207によって各円錐面を適度な強
さで互いに押圧させれば、円錐面からねじ山にスラスト
反力が掛かり、生じた摩擦抵抗によってねじ部207の
弛みが防止される。
【0029】さらに、稼働中の温度上昇に伴って、ロー
タ本体203がロータ軸205より軸方向に大きく膨張
し各円錐面が強く押圧されても、外側のロータ本体20
3の円錐面が撓み、この熱応力が径方向外側に逃げるこ
とによって、ロータ軸205とロータ本体203(各円
錐面)の相対的な寸法変化が吸収されるから、ねじ部2
07に掛かるスラスト反力も変化しない。
【0030】こうして、ねじ部207の弛み防止機能が
高く保たれ、ロータ本体203の固定強度の低下が防止
され、ロータ本体203同士の接触や、磨耗、焼き付き
などが防止される。
【0031】これに加えて、各円錐面のセンターリング
機能によってロータ本体203とロータ軸205の偏芯
が防止されると共に、これらの円錐面では、従来例のよ
うな囓りが発生することはないから、ロータの回転アン
バランス(偏芯)による振れ、ロータ同士、あるいは、
ロータとロータ室との接触、振動と騒音などが防止され
る。
【0032】また、上記のように、ロータ軸205とロ
ータ本体203の相対的な寸法変化は各円錐面が吸収す
るから、ロータ軸205やロータ本体203の端部とケ
ーシング213との間に適度な隙間を形成しておけば、
この隙間は熱膨張の影響から解放され、温度が変化して
もほぼ一定に保たれる上に、従来例と異なって、ロータ
本体の端部に過大な面圧や、磨耗などが発生することは
ないから、流体の漏れが防止され、流体機械の効率が高
く保たれる。
【0033】なお、熱膨張係数の小さいねじ部材の円錐
面を外側にし、熱膨張係数の大きいねじ部材の円錐面を
内側にすれば、温度の下降に伴って、上記と同様な効果
が得られる。
【0034】請求項3の発明は、請求項2に記載された
ねじ部の弛み防止構造であって、円錐面のテーパー角度
を、熱応力によって各円錐面が挫屈する角度より小さ
く、螺着時に各円錐面が互いに囓り合う角度より大きい
範囲に設定したことを特徴としており、請求項2の構成
と同等の作用・効果を得ることができる。
【0035】また、円錐面のテーパー角度を、このよう
な範囲の中に設定したことによって、ねじ部材の相対的
な寸法変化を吸収する上記の機能が得られる上に、各円
錐面が熱応力によって強く押圧されても挫屈することは
なく、また、螺着時に各円錐面が互いに囓り合うことも
ない。
【0036】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載されたねじ部の弛み防止構造であって、各ねじ
部材の軸方向一側に、互いの芯合わせをする第1のセン
ターリング部が設けられ、軸方向他側に、吸収手段及び
互いの芯合わせをする第2のセンターリング部が設けら
れていることを特徴としており、請求項1〜3の構成と
同等の作用・効果を得ることができる。
【0037】また、軸方向の両端側に一対のセンターリ
ング部を設けたことによって、センターリング機能が向
上するから、例えば、流体機械に用いた場合、ロータの
偏芯による回転アンバランス(振れ)、ロータ同士の、
あるいは、ロータとロータ室との接触、振動と騒音など
が大幅に軽減される。
【0038】また、上記のように、吸収手段と別の個所
にセンターリング部を設けたことによって、吸収手段が
センターリング機能から解放される。
【0039】従って、吸収手段が円錐面である場合は、
各円錐面を特別に高精度で加工しないでも、円錐面に掛
かる熱応力によって内側部材(例えば、ロータ軸)や外
側部材が変形することがなくなり、流体機械の場合、こ
の変形によるロータの回転アンバランス、ロータ同士
の、あるいは、ロータとロータ室との接触、振動と騒音
などが防止される。
【0040】また、センターリング機能から解放された
ことによって、吸収手段(円錐面)の負担が軽減される
から、熱応力を受けても円錐面の挫屈が生じにくくな
り、請求項3の構成において、円錐面の設定角度をそれ
だけ大きくすることが可能になり、角度設定が容易にな
る。
【0041】なお、第2のセンターリング部と吸収手段
は互いに近接して設けられていればよく、互いに連結し
て設ける必要はない。
【0042】請求項5の発明は、請求項4に記載された
ねじ部の弛み防止構造であって、第2のセンターリング
部が、吸収手段の径方向内側に設けられていることを特
徴としており、請求項4の構成と同等の作用・効果を得
ることができる。
【0043】また、吸収手段の径方向内側に設けたこと
によって、第2のセンターリング部が小径になるから、
内側部材(例えば、ロータ軸部材)がそれだけ軽量にな
り、ベアリングの負担が軽減する。
【0044】請求項6のルーツ式流体機械は、凸状の歯
すじで互いに噛み合う軽金属合金のロータ本体と鉄系合
金のロータ軸とからなり、流体がその回転中心軸とほぼ
直角方向に移動する一対のロータと、これらのロータを
回転自在に収容するロータ室と、このロータ室と連通す
る流体の流入口及び流出口を有するケーシングと、請求
項1〜5のいずれかに記載されたねじ部の弛み防止構造
とを備え、その一対のねじ部材が、各ロータのロータ本
体及びロータ軸であり、これらがロータ本体の軸孔とロ
ータ軸との間に設けられたねじ部で連結されていること
を特徴としている。
【0045】このルーツ式流体機械では、請求項1〜5
のいずれかに記載されたねじ部の弛み防止構造によっ
て、軽金属合金のロータ本体の軸孔に鉄系合金のロータ
軸を螺着したから、従来例と異なって、ロータ本体の固
定強度の低下と、偏芯が防止され、ロータ同士、あるい
は、ロータとロータ室との接触、振動と騒音などが防止
される。
【0046】また、ロータの端部とロータ室との間に隙
間を形成すれば、上記のように、この隙間は熱膨張の影
響から解放され、温度が変化しても変動しないから、流
体の漏れが防止され、効率が高く保たれる。
【0047】また、このように、隙間の変化が防止され
るから、流体機械を分解し、隙間調整手段などを用いて
隙間を調整する必要がなくなり、これに伴うコストの発
生を避けることができる。
【0048】請求項7のスクリュー式流体機械は、スク
リュー状の歯すじで互いに噛み合う軽金属合金のロータ
本体と鉄系合金のロータ軸とからなり、流体がその回転
中心軸とほぼ平行に移動する一対のスクリューロータ
と、これらのロータを回転自在に収容するロータ室と、
このロータ室と連通する流体の流入口及び流出口を有す
るケーシングと、請求項1〜5のいずれかに記載された
ねじ部の弛み防止構造とを備え、その一対のねじ部材
が、各ロータのロータ本体及びロータ軸であり、これら
がロータ本体の軸孔とロータ軸との間に設けられたねじ
部で連結されていることを特徴としている。
【0049】このスクリュー式流体機械では、請求項6
のルーツ式流体機械と同様に、請求項1〜5のいずれか
に記載されたねじ部の弛み防止構造によって、軽金属合
金のロータ本体の軸孔に鉄系合金のロータ軸を螺着した
ことにより、請求項6の構成と同等の効果を得ることが
できる。
【0050】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1と図2によ
ってスーパーチャージャ1(本発明の第1実施形態:ル
ーツ式流体機械)の説明をする。
【0051】このスーパーチャージャ1にはねじ部の弛
み防止構造3が用いられている。スーパーチャージャ1
は請求項4の特徴を備え、ねじ部の弛み防止構造3は請
求項1,2,3の特徴を備えている。なお、左右の方向
は各図での左右の方向であり、符号を与えていない部材
等は図示されていない。
【0052】図1のように、スーパーチャージャ1は、
ねじ部の弛み防止構造3、入力プーリ5、ロータ7,
9、ロータ軸11,13、ロータ本体15,17、ケー
シング19、エンドカバー21、タイミングギア組23
などから構成されている。
【0053】入力プーリ5は入力側のロータ軸11にス
プライン連結され、ナット25で固定されている。入力
プーリ5はベルトを介してエンジン側のプーリに連結さ
れており、エンジンの駆動力によって回転駆動される。
【0054】ケーシング19は、ケーシング本体27と
プレート29とで構成されている。プレート29はピン
31によってケーシング本体27に位置決めされてお
り、ボルト33によってエンドカバー21と共にケーシ
ング本体27に固定されている。
【0055】ケーシング19には、ロータ室35と、こ
れと連通する吸入口(流入口)と吐出口(流出口)とが
形成されており、ロータ7,9は、このロータ室35に
収容されている。
【0056】エンドカバー21とプレート29との間に
はギア室37が形成されており、タイミングギア組23
はこのギア室37に収容されている。ギア室37にはエ
ンドカバー21に設けられたオイルフィラーからオイル
が注入されてオイル溜りが設けられており、オイルの注
入後、このオイルフィラーはプラグによって塞がれる。
また、エンドカバー21とプレート29との間にはOリ
ング39が配置されており、ギア室37から外部へのオ
イル洩れを防止している。
【0057】一方のロータ7はロータ軸11とロータ本
体15とで構成されており、他方のロータ9はロータ軸
13とロータ本体17とで構成されている。各ロータ軸
11,13(ねじ部材)は鋼(鉄系の合金)で作られて
おり、各ロータ本体15,17(ねじ部材)はアルミニ
ウム合金(軽金属合金)で作られている。
【0058】ロータ軸11,13とロータ本体15,1
7との間には、それぞれねじ部45、円錐面47,49
(吸収手段)、圧入部51(センターリング部)、隙間
53などが設けられている。
【0059】図2のように、ねじ部45は、ロータ軸1
1,13の雄ねじ55と、ロータ本体15,17の雌ね
じ57からなり、ロータ軸11とロータ本体15及びロ
ータ軸13とロータ本体17は、それぞれねじ部45を
回転させてねじ込みながら、互いの間に設けられた圧入
部51を圧入させると共に、ねじスラスト力によって各
円錐面47,49を所定の強さで突き合わせて組付けら
れている。
【0060】各ロータ本体15,17は軸方向に平行な
2条の歯すじ59,61によって互いに噛み合ってい
る。
【0061】また、各歯すじ59,61には、それぞれ
を軸方向に貫通した空洞部63,65が形成されてお
り、ロータ7,9の慣性モーメントを低減させ、スーパ
ーチャージャ1の効率とエンジンの燃費とを向上させて
いる。
【0062】各ロータ本体15,17の表面とロータ室
35の内周にはコーティングが施されており、歯すじ5
9,61とロータ室35との隙間と、ロータ本体15,
17の隙間を所定の値に調整すると共に、これらが直接
接触することを防止している。
【0063】各ロータ軸11,13は、ロータ本体1
5,17の左側で、シール型のアンギュラーコンタクト
ベアリング67,69によってケーシング本体27に支
承されており、ロータ本体15,17の右側で、アンギ
ュラーコンタクトベアリング71,73によってプレー
ト29に支承されている。
【0064】ロータ室35から外部への空気洩れは、シ
ール型アンギュラーコンタクトベアリング67,69に
よって防止される。
【0065】アンギュラーコンタクトベアリング71,
73の左側には、ロータ軸11,13とプレート29と
の間にシール75,77がそれぞれ配置されており、ロ
ータ室35からギア室37への空気漏れと、ギア室37
からロータ室35へのオイル洩れとを防止している。
【0066】さらに、ケーシング本体27に設けられた
ベアリングハウジング79の開口部81には止め輪83
によってカバー85が装着されており、開口部81から
塵や埃などの異物が侵入することを防止している。
【0067】タイミングギア組23は互いに噛み合った
一対のタイミングギア87,89から構成されている。
タイミングギア87はテーパーリング固定機構91によ
ってロータ軸11の右端部に固定されており、タイミン
グギア89はロータ軸13の右端部に設けられたテーパ
ー部93でロータ軸13に圧入され、ナット95とピン
97によって固定されている。
【0068】テーパーリング固定機構91は、テーパー
リング99と、ロータ軸11の右端に螺着されるナット
101からなり、ナット101によってタイミングギア
87とロータ軸11との間にテーパーリング99を押し
込むことにより、タイミングギア87を回転方向に位置
決めする。
【0069】なお、タイミングギア87の位置決めは、
各ロータ7,9の歯すじ59,61を互いに接触しない
ように噛み合わせた状態で、タイミングギア87をタイ
ミングギア89に噛み合わせて行う。
【0070】プーリ5から入力したエンジンの駆動力
は、タイミングギア組23を介してロータ7,9を回転
させ、タイミングギア組23はロータ7,9を互いに接
触しないように反対方向に同期回転させる。
【0071】スーパーチャージャ1は、吸入口から吸入
した吸気を吐出口から吐出してエンジンに供給する。
【0072】アンギュラーコンタクトベアリング67の
アウターレース103とケーシング本体27との間には
スペーサ105と皿ばね107が配置されており、皿ば
ね107はアウターレース103を押圧することによっ
て、アンギュラーコンタクトベアリング67とロータ7
をセンターリングしている。
【0073】また、ケーシング本体27に設けられたア
ンギュラーコンタクトベアリング67用のベアリングハ
ウジング109には隙間調整用のボルト111が螺着さ
れている。このボルト111を回転調整すると、皿ばね
107の付勢力とのバランスによって、ロータ軸11と
ロータ本体15が左右に移動するから、この調整によっ
て、ロータ室35の右側でロータ軸11との間に適度な
隙間を形成し、ロータ室35の左側でロータ本体15と
の間に適度な隙間を形成している。
【0074】また、アンギュラーコンタクトベアリング
69のアウターレース113とケーシング本体27との
間にはスペーサ115と皿ばね117が配置されてお
り、皿ばね117はアウターレース113を押圧するこ
とによって、アンギュラーコンタクトベアリング69と
ロータ9をセンターリングしている。
【0075】また、アンギュラーコンタクトベアリング
73のインナーレース119とタイミングギア89との
間には皿ばね121が配置されており、インナーレース
119を押圧することによって、アンギュラーコンタク
トベアリング73とロータ9をセンターリングしてい
る。
【0076】上記のスペーサ115の厚さを変えること
によって、ロータ軸13と共にロータ本体17が左右に
移動するから、この厚さ調整によって、ロータ室35の
右側でロータ軸13との間に適度な隙間を形成し、ロー
タ室35の左側でロータ本体17との間に適度な隙間を
形成している。
【0077】なお、これらの隙間は、ロータ軸11,1
3及びロータ本体15,17とロータ室35との干渉を
防止しながら、吸気の漏れが最小限になる値に調整され
ている。
【0078】ねじ部の弛み防止構造3は、各ロータ7,
9に設けられており、それぞれロータ軸11,13、ロ
ータ本体15,17、ねじ部45、円錐面47,49か
ら構成されている。
【0079】各円錐面47,49は、上記のように、ね
じ部45のねじスラスト力によって所定の強さで突き当
たっており、各円錐面47,49からねじ部45のねじ
山にスラスト反力が掛かり、生じた摩擦抵抗によってね
じ部45の弛みが防止されている。
【0080】ここで、温度が上昇すると、図2のような
熱応力123によって、熱膨張係数の大きいアルミニウ
ム合金のロータ本体15,17が熱膨張係数の小さい鋼
のロータ軸11,13より軸方向に大きく膨張するが、
ロータ本体15,17の円錐面49を外側にし、ロータ
軸11,13の円錐面47を内側にしたから、ロータ本
体15,17の円錐面49が矢印125の方向に撓むこ
とにより、この熱応力123を径方向外側に逃がすこと
ができる。
【0081】このように、温度上昇に伴う熱応力123
を受けても、ロータ軸11,13とロータ本体15,1
7の間の相対的な寸法変化が吸収されるから、ねじ部4
5に掛かるスラスト反力が変化することはなく、従っ
て、ねじ部45の弛み防止機能は高く保たれる。
【0082】この熱膨張の吸収機能は、このように各ロ
ータ7,9のロータ軸11,13とロータ本体15,1
7との間で行われるから、上記のように、ロータ軸1
1,13の右側と、ロータ本体15,17の左側に設け
られた隙間は熱膨張の影響から解放され、温度が変化し
てもほぼ一定に保たれるまた、ねじ部45をねじ込む際
に各円錐面47,49が互いに押圧されることにより、
ロータ軸11,13とロータ本体15,17がそれぞれ
無理なくセンターリングされる。
【0083】さらに、各円錐面47,49のテーパー角
度は、熱応力123によって各円錐面47,49が挫屈
する角度より小さく、ねじ部45をねじ込んだときに各
円錐面47,49が互いに囓り合う角度より大きい範囲
の間で設定されている。
【0084】このように設定したことにより、上記のよ
うな熱膨張の吸収機能が得られる上に、大きな熱応力を
受けたときの各円錐面47,49の挫屈が防止され、ま
た、螺着時の各円錐面47,49の囓りが防止される。
【0085】こうして、スーパーチャージャ1とねじ部
の弛み防止構造3が構成されている。
【0086】上記のように、ねじ部の弛み防止構造3で
は、ロータ軸11,13とロータ本体15,17に円錐
面47,49を設け、ねじ部45のねじスラスト力によ
ってこれらを適度な強さで互いに突き当て、生じたスラ
スト反力によってねじ部45の弛みを防止している。
【0087】これに加えて、熱膨張係数の大きいロータ
本体15,17の円錐面49を外側にし、熱膨張係数の
小さいロータ軸11,13の円錐面47を内側にしたこ
とより、温度上昇による熱応力123受けても、円錐面
49の撓みによってこの熱応力123が吸収され、ねじ
部45に掛かるスラスト反力と、ねじ部45の弛み防止
機能が高く保たれる。
【0088】このようにねじ部45の弛みが防止されて
ロータ本体15,17の固定強度が高く保たれるから、
ロータ本体15,17同士の接触や、磨耗、焼き付きな
どが防止される。
【0089】また、円錐面47,49のセンターリング
機能によって、ロータ軸11,13とロータ本体15,
17がセンターリングされるから、従来例でロータ本体
203とロータ軸205との間で生じるような囓りが、
圧入部51で発生することはなく、回転アンバランス
(偏芯)によるロータ7,9の振れと、ロータ本体1
5,17との接触、あるいは、ロータ本体15,17と
ロータ室35との接触、振動と騒音などが防止される。
【0090】また、温度上昇によるロータ軸11,13
とロータ本体15,17の相対的な寸法変化は円錐面4
7,49が吸収するから、ロータ軸11,13とロータ
室35との隙間と、ロータ本体15,17の左端とロー
タ室35との隙間は、熱膨張の影響から解放されてほぼ
一定に保たれるので、スーパーチャージャ1は、吸気の
漏れが防止され、効率が高く保たれる。
【0091】その上、ねじ部の弛み防止構造3は、上記
のように、ロータ軸11,13とロータ本体15,17
(円錐面47,49)の間でスラスト反力を発生させて
ねじ部45の弛みを防止するように構成したから、ロー
タ本体203をケーシング213に突き当ててねじ部2
07の弛みを防止している従来例と異なり、温度変化に
伴うねじ部45の弛みと、隙間の変動などから解放さ
れ、スーパーチャージャ1の性能が安定する。
【0092】このように隙間の変化が防止されるから、
スーパーチャージャ1を分解し、隙間調整手段などを用
いて隙間を調整する必要がなくなり、これに伴う大きな
コストの発生が避けられる。
【0093】[第2実施形態]図3によってスーパーチ
ャージャ(本発明の第2実施形態:ルーツ式流体機械)
の説明をする。
【0094】第2実施形態のスーパーチャージャは、第
1実施形態のスーパーチャージャ1において、ねじ部の
弛み防止構造3に代えて、ねじ部の弛み防止構造151
を設けたものであり、このねじ部の弛み防止構造151
は請求項1,2,3,4,5の特徴を備えている。
【0095】以下、スーパーチャージャ1と同機能の部
材には同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明
する。
【0096】ねじ部の弛み防止構造151は、各ロータ
7,9に設けられており、それぞれロータ軸11,1
3、ロータ本体15,17、圧入部51(第1のセンタ
ーリング部)、ねじ部45、円錐面47,49、圧入部
153(第2のセンターリング部)から構成されてい
る。
【0097】図3のように、圧入部153は、円錐面4
7,49の径方向内側に連続して形成されている。
【0098】各ロータ7,9は、それぞれのロータ軸1
1とロータ本体15及びロータ軸13とロータ本体17
を、ねじ部45でねじ込みながら、互いの間に設けられ
た圧入部51,153を圧入させると共に、ねじスラス
ト力によって各円錐面47,49を所定の強さで突き合
わせて組付けられている。
【0099】また、各ロータ7,9は、ロータ本体1
5,17の両端側に一対のセンターリング部(圧入部5
1,153)を設けたことによって、センターリング機
能が大幅に向上しており、偏芯による回転アンバランス
(振れ)、ロータ7,9同士の、あるいは、ロータ7,
9とロータ室35との接触、振動と騒音などが防止され
る。
【0100】また、円錐面47,49は、圧入部51,
153を設けたことによってセンターリング機能から解
放されており、それぞれを特別に高精度で加工しないで
も、熱応力を受けたときにロータ軸11,13が変形す
ることはない。
【0101】従って、この変形によるロータ7,9の回
転アンバランス、ロータ7とロータ9とロータ室35間
の接触、振動、騒音などが防止される。
【0102】また、高精度の加工が不要であるから、加
工コストがそれだけ低減されている。
【0103】また、センターリング機能から解放された
ことによって、円錐面47,49の負担が軽減されてお
り、熱応力による円錐面の挫屈が生じにくくなっている
から、円錐面47,49はそれぞれの設定角度を大きく
することが可能になり、それだけ角度設定が容易であ
る。
【0104】また、円錐面47,49の径方向内側に設
けられた圧入部153は小径であるから、ロータ軸1
1,13がそれだけ軽量になり、ベアリング67,7
1、69,73の負担が軽減される。
【0105】こうして、第2実施形態のスーパーチャー
ジャが構成されている。
【0106】このスーパーチャージャは、各ロータ7,
9にねじ部の弛み防止構造151を用いたことにより、
ロータ軸11,13の変形、偏芯による振れ、ロータ7
とロータ9とロータ室35間の接触、振動、騒音などが
防止される。
【0107】また、円錐面47,49は、高精度加工が
不要になると共に、角度設定が容易になり、加工コスト
が大幅に低減される。
【0108】また、ロータ軸11,13が軽量になり、
ベアリング67,71、69,73の負担が軽減され
る。
【0109】これに加えて、第2実施形態のスーパーチ
ャージャは、ねじ部の弛み防止構造3に代えてねじ部の
弛み防止構造151を用いたことによる効果を除いて、
スーパーチャージャ1と同等の効果が得られる。
【0110】[第3実施形態]図4によってスーパーチ
ャージャ(本発明の第3実施形態:ルーツ式流体機械)
の説明をする。
【0111】第3実施形態のスーパーチャージャは、第
1実施形態のスーパーチャージャ1において、ねじ部の
弛み防止構造3に代えて、ねじ部の弛み防止構造171
を設けたものであり、このねじ部の弛み防止構造171
は請求項1,2,3,4の特徴を備えている。
【0112】以下、スーパーチャージャ1と同機能の部
材には同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明
する。
【0113】ねじ部の弛み防止構造171は、各ロータ
7,9に設けられており、それぞれロータ軸11,1
3、ロータ本体15,17、圧入部51(第1のセンタ
ーリング部)、ねじ部45、円錐面47,49、圧入部
173(第2のセンターリング部)から構成されてい
る。
【0114】図4のように、圧入部173は、円錐面4
7,49の径方向外側に連続して形成されている。
【0115】各ロータ7,9は、それぞれのロータ軸1
1とロータ本体15及びロータ軸13とロータ本体17
を、ねじ部45でねじ込みながら、互いの間に設けられ
た圧入部51,173を圧入させると共に、ねじスラス
ト力によって各円錐面47,49を所定の強さで突き合
わせて組付けられている。
【0116】また、各ロータ7,9は、ロータ本体1
5,17の両端側に一対のセンターリング部(圧入部5
1,173)を設けたことによって、センターリング機
能が大幅に向上し、偏芯による振れ、ロータ7とロータ
9とロータ室35間の接触、振動、騒音などが防止され
る。
【0117】また、円錐面47,49は、圧入部51,
173を設けたことによってセンターリング機能から解
放されており、特別に高精度で加工しないでも、ロータ
軸11,13が熱応力を受けて変形することがなく、こ
の変形によるロータ7,9の振れ、この振れによる接
触、振動、騒音などが防止されると共に、円錐面47,
49の加工コストが低減される。
【0118】また、円錐面47,49の角度設定が容易
になる。
【0119】また、円錐面47,49の径方向外側に設
けられている圧入部173は大径であるから、センター
リングの精度が高くなる。
【0120】従って、センターリング機能がそれだけ向
上し、ロータ7,9の振れ、振れによる接触、振動、騒
音などの防止効果がさらに向上する。
【0121】こうして、第3実施形態のスーパーチャー
ジャが構成されている。
【0122】このスーパーチャージャは、円錐面47,
49より小径の圧入部153に代えて、円錐面47,4
9より大径の圧入部173を用いたことによる効果を除
いて、第2実施形態のスーパーチャージャと同等の効果
が得られる。
【0123】なお、上記のように、本発明のねじ部の弛
み防止構造において、吸収手段は、上記実施形態(請求
項2,3)の円錐面の他に、例えば、板ばねや、その他
のスプリング、樹脂やゴムのような弾性体でもよい。
【0124】また、ねじ部材に用いられる軽金属合金は
アルミニウム合金に限らず、鉄系の合金も鋼に限らな
い。
【0125】また、上記のように、請求項4の発明にお
いて、第2のセンターリング部と吸収手段は互いに近接
して設けられていればよく、互いに連結して設ける必要
はない。
【0126】また、請求項7の発明は、ロータ軸とロー
タ本体との連結に請求項1〜5の構成のねじ部の弛み防
止構造を用いたスクリュー式流体機械であり、上記実施
形態のルーツ式流体機械と同等の効果を得ることができ
る。
【0127】また、本発明のねじ部の弛み防止構造は、
ルーツ式流体機械やスクリュー式流体機械の流体機械に
限らず、例えば、ベーン式流体機械やギアポンプのよう
な他の形式の流体機械でも実施可能である。
【0128】また、本発明の流体機械は、ロータを回転
させて流体を移動するブロワーやコンプレッサだけでな
く、流体圧を与えてロータから回転を取り出す流体圧モ
ータ(膨張器:タービン)として用いてもよい。
【0129】
【発明の効果】請求項1記載のねじ部の弛み防止構造
は、吸収手段が熱応力を吸収して、ねじ部に掛かるスラ
スト反力の変化を防止し、両ねじ部材の間で熱応力を吸
収することにより、温度変化に伴う不具合が防止され、
例えば、ねじ部の弛み防止機能が高く保たれ、ねじ部材
と相手側部材との隙間が一定に保つことができる。
【0130】請求項2の発明は、請求項2の構成と同等
の効果を得ることができる。
【0131】また、各ねじ部材に設けられた円錐面から
のスラスト反力によってねじ部の弛みが防止され、円錐
面の撓みによってねじ部の弛み防止機能を高く保つこと
ができる。
【0132】また、各円錐面のセンターリング機能によ
って、ねじ部材間の偏芯が防止される。
【0133】請求項3の発明は、請求項2の構成と同等
の効果を得ることができる。
【0134】また、円錐面のテーパー角度を所定の角度
範囲に設定したことにより、上記のような熱応力の吸収
機能が得られる上に、大きな熱応力を受けたときの各円
錐面の挫屈と、螺着時の各円錐面の囓りとが防止され
る。
【0135】請求項4の発明は、請求項1〜3の構成と
同等の効果を得ることができる。
【0136】また、軸方向の両端側にセンターリング部
を設けてセンターリング機能を向上させたことにより、
流体機械のロータの振れ、ロータとロータ室間の接触、
振動、騒音などが軽減される。
【0137】また、吸収手段と別の個所にセンターリン
グ部を設けたことによって、吸収手段がセンターリング
機能から解放され、吸収手段が円錐面である場合は、各
円錐面を特別な高精度で加工しないでも、円錐面が熱応
力を受けたとき、流体機械の場合、ロータ軸の変形が防
止され、ロータの振れと振れによる接触、振動、騒音な
どが防止される。
【0138】また、吸収手段(円錐面)の負担が軽減さ
れ、円錐面の挫屈が生じにくくなるから、請求項3の構
成において円錐面の設定角度を大きくすることが可能に
なり、角度設定がそれだけ容易になる。
【0139】請求項5の発明は、請求項4の構成と同等
の効果を得ることができる。
【0140】また、吸収手段の径方向内側に設けたこと
によって第2のセンターリング部が小径になり、内側部
材(ロータ軸部材)が軽量になる。
【0141】請求項6のルーツ式流体機械は、請求項1
〜5に記載されたねじ部の弛み防止構造を用いたことに
より、これらと同等の効果を得ることができる。
【0142】また、ロータ本体の弛みと偏芯が防止さ
れ、ロータ同士及びロータとロータ室との接触、振動と
騒音などが防止される。
【0143】さらに、ロータの端部とロータ室の隙間
は、熱膨張の影響から解放され、温度が変化しても変動
しないから、流体の漏れが防止され、効率が高く保たれ
る。
【0144】また、流体機械を分解して隙間を調整する
必要がなくなり、これに伴うコストの上昇が避けられ
る。
【0145】請求項7のスクリュー式流体機械は、請求
項1〜5のねじ部の弛み防止構造を用いたことにより、
請求項6のルーツ式流体機械と同等の効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の要部を示す拡大図である。
【図3】第2実施形態の要部を示す断面図である。
【図4】第3実施形態の要部を示す断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 スーパーチャージャ(ルーツ式流体機械) 3 ねじ部の弛み防止構造 7,9 ロータ 11,13 ロータ軸(ねじ部材) 15,17 ロータ本体(ねじ部材) 19 ケーシング 35 ロータ室 45 ねじ部 47,49 円錐面(吸収手段) 151 ねじ部の弛み防止構造 153 円錐面47,49の径方向内側に設けられた圧
入部(第2のセンターリング部) 171 ねじ部の弛み防止構造 173 円錐面47,49の径方向外側に設けられた圧
入部(第2のセンターリング部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 2/18 311 F04C 15/00 G 15/00 D 18/16 J 18/16 R 18/18 B 18/18 29/00 B 29/00 F16B 39/282 Z F16B 39/282 F04B 21/00 U N

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの間に設けられたねじ部で連結され
    た熱膨張係数の異なる一対のねじ部材の前記ねじ部にス
    ラスト反力を与え、生じた摩擦抵抗によって弛みを防止
    するねじ部の弛み防止構造であって、温度変化に伴い熱
    膨張係数の差によって生じる熱応力を両ねじ部材の間で
    吸収する吸収手段を設けたことを特徴とするねじ部の弛
    み防止構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明であって、吸収手
    段が、両ねじ部材にそれぞれ設けられ、ねじ部を螺着し
    たとき互いに突き当たる円錐面であることを特徴とする
    ねじ部の弛み防止構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発明であって、円錐面
    のテーパー角度を、熱応力によって各円錐面が挫屈する
    角度より小さく、螺着時に各円錐面が互いに囓り合う角
    度より大きい範囲に設定したことを特徴とするねじ部の
    弛み防止構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の発明で
    あって、各ねじ部材の軸方向一側に、互いの芯合わせを
    する第1のセンターリング部が設けられ、軸方向他側
    に、吸収手段及び互いの芯合わせをする第2のセンター
    リング部が設けられていることを特徴とするねじ部の弛
    み防止構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発明であって、第2の
    センターリング部が、吸収手段の径方向内側に設けられ
    ていることを特徴とするねじ部の弛み防止構造。
  6. 【請求項6】 凸状の歯すじで互いに噛み合う軽金属合
    金のロータ本体と鉄系合金のロータ軸とからなり、流体
    がその回転中心軸とほぼ直角方向に移動する一対のロー
    タと、これらのロータを回転自在に収容するロータ室
    と、このロータ室と連通する流体の流入口及び流出口を
    有するケーシングと、請求項1〜5のいずれかに記載さ
    れたねじ部の弛み防止構造とを備え、その一対のねじ部
    材が、各ロータのロータ本体及びロータ軸であり、これ
    らがロータ本体の軸孔とロータ軸との間に設けられたね
    じ部で連結されていることを特徴とするルーツ式流体機
    械。
  7. 【請求項7】 スクリュー状の歯すじで互いに噛み合う
    軽金属合金のロータ本体と鉄系合金のロータ軸とからな
    り、流体がその回転中心軸とほぼ平行に移動する一対の
    スクリューロータと、これらのロータを回転自在に収容
    するロータ室と、このロータ室と連通する流体の流入口
    及び流出口を有するケーシングと、請求項1〜5のいず
    れかに記載されたねじ部の弛み防止構造とを備え、その
    一対のねじ部材が、各ロータのロータ本体及びロータ軸
    であり、これらがロータ本体の軸孔とロータ軸との間に
    設けられたねじ部で連結されていることを特徴とするス
    クリュー式流体機械。
JP2000321476A 1999-10-26 2000-10-20 ねじ部の弛み防止構造及び流体機械 Pending JP2001193721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000321476A JP2001193721A (ja) 1999-10-26 2000-10-20 ねじ部の弛み防止構造及び流体機械

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-304254 1999-10-26
JP30425499 1999-10-26
JP2000321476A JP2001193721A (ja) 1999-10-26 2000-10-20 ねじ部の弛み防止構造及び流体機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001193721A true JP2001193721A (ja) 2001-07-17

Family

ID=26563838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000321476A Pending JP2001193721A (ja) 1999-10-26 2000-10-20 ねじ部の弛み防止構造及び流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001193721A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293434A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Toshiba Corp 電動送風機
CN103527481A (zh) * 2013-10-30 2014-01-22 上海齐耀螺杆机械有限公司 一种螺杆压缩机

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293434A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Toshiba Corp 電動送風機
CN103527481A (zh) * 2013-10-30 2014-01-22 上海齐耀螺杆机械有限公司 一种螺杆压缩机
CN103527481B (zh) * 2013-10-30 2015-12-16 上海齐耀螺杆机械有限公司 一种螺杆压缩机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6312239B1 (en) Screw-type compressor having an axial bearing part on only one rotor
JPH09296858A (ja) ギヤ組及びこのギヤ組を用いた流体機械
US5938420A (en) Fastening structure of rotor body and rotor shaft and fluid machine using this fastening structure
US6142759A (en) Two-shift fluid machine
JPH0151912B2 (ja)
JP2001193721A (ja) ねじ部の弛み防止構造及び流体機械
JP4365901B2 (ja) スクロール式流体機械の製造方法
JP2611371B2 (ja) トロコイドポンプ
CN108350798B (zh) 安装构造以及增压器
CN213392656U (zh) 一种罗茨真空泵
JP2002364570A (ja) ルーツ式流体機械
JP2002098080A (ja) 流体機械
CN111441942A (zh) 增压器
JP3980718B2 (ja) スクロール式流体機械およびそのスラスト隙間の調整方法
JP3248939B2 (ja) スクロール型圧縮機
JPS58135391A (ja) 油圧ポンプ
JPH03210001A (ja) スクロール型流体装置
JP2002213381A (ja) 流体機械
JPH04255584A (ja) 液圧流体のための内接歯車ポンプ
JPH0123676B2 (ja)
JP2002130164A (ja) 流体機械
JP2701826B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2000045962A (ja) 流体機械及びそのロータとケーシングの隙間調整方法
JP2663934B2 (ja) スクロール圧縮機
JP3212399B2 (ja) スクロール型圧縮機