JP2001193715A - ワーク接合方法 - Google Patents

ワーク接合方法

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JP2001193715A
JP2001193715A JP2000003482A JP2000003482A JP2001193715A JP 2001193715 A JP2001193715 A JP 2001193715A JP 2000003482 A JP2000003482 A JP 2000003482A JP 2000003482 A JP2000003482 A JP 2000003482A JP 2001193715 A JP2001193715 A JP 2001193715A
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welding
welded
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Masanori Kondo
正紀 近藤
Masayasu Ota
正保 太田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽金属製のワーク相互を、迅速かつ簡単に、
作業能率も良く、強固できれいな仕上がりとすることが
でき、全体にわたり連続接合可能で、シール性能、作業
環境の面でも問題がないワーク接合方法を提供する。 【解決手段】 軽金属製の鋳物や押し出し材からなる少
なくとも一対のワークWの端部を溶接し接合するワーク
接合方法において、各ワークWの接合面1a,2aに凹
凸部Rを形成し、当該凹凸部Rが嵌合された状態のワー
クWに溶接を施すようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽金属の押し出し
成形あるいは鋳造により成形されたワーク相互を接合す
るワーク接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車のフレーム構成材は、軽量
化の要請が強く、アルミニウム等の軽金属材料を押し出
し成形した部材が多用されている。この押出成形材は、
断面形状を自由に設定でき所望の強度特性を簡単に得る
ことができることから、前記フレーム構成材としては好
ましい。
【0003】例えば、各種ピラー、サイドシル、サイド
メンバ、クロスメンバ、カウルボックス及びルーフレー
ル等は、閉断面形状にした軽金属材料の押出成形材が用
いられている。
【0004】これら部材は、前記押出成形材のみでなく
鋳込み成形された鋳物材により構成されることもある
が、このような押出成形材や鋳物材(以下、単にワーク
と称す)は、いずれにしても車体組立て工程において順
次連結あるいは溶接され、自動車のフレームとされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
のフレームのような比較的長尺なワークを端部から端部
まで溶接する場合は、熱的な影響やワークを固定保持し
ている状態などの影響により迅速に連続的な溶接を行う
ことができない場合がある。
【0006】例えば、治具を使用することなく、前記ワ
ーク同士を迅速に接合しようとすれば、ワークを組立て
る前に、クリップやリベットあるいはボルトやナット等
を用いてきっちりと仮止めしなければならない。
【0007】クリップによる仮止めは、ワークを締結す
る力が弱く、リベットでは、ワークの一部が変形する虞
れがある。また、ボルトやナットでは、予めワークに下
孔を明けなければならないこともあり、ワークを締結す
るポイントが多くなると、締付け工数も増大し、ワーク
の重量増となる。重量増を避けるには、レーザ溶接作業
後、直ちにボルトやナットを外す必要があるが、これで
は工数がさらに増大し、結果的にコストアップにつなが
ることになる。
【0008】一方、治具を使用する場合は、上述した問
題はないものの、治具をセットすることにより溶接でき
ない部分が生じ、連続的な溶接ができない虞れもある。
これを可能とするためには、溶接に対応して適宜治具を
外さなければならず、これを自動化すれば制御が複雑に
なり、溶接システム全体も複雑になる。
【0009】また、自動車のフレームには、接合部分に
シール性が要求されることがある。例えば、フロアとボ
ディサイドの接合部分などは、外部からの水などの浸入
を防止するためにシール性が要求される。このような部
分を形成するは、予めシール剤を塗布した後に溶接しな
ければならないが、シール剤を塗布する位置によって
は、両ワークを合体させたときに、シール剤が両ワーク
の合わせ面からはみ出したり、垂れ落ちることがあり、
これを拭き取り処理すれば作業能率が低下する。はみ出
したシール剤をそのままにして溶接すると、溶接後のワ
ークは、十分な溶接品質が得られず、シール性能も低下
する虞れがあり、場合によっては、これが燃焼し、作業
環境を害する虞れもある。
【0010】本発明は、上記した従来技術のもつ課題を
解決するためになされたもので、軽金属製のワーク相互
を、迅速かつ簡単に、作業能率も良く、強固できれいな
仕上がりとすることができ、全体にわたり連続接合可能
で、シール性能、作業環境の面でも問題がないワーク接
合方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0012】(1) 軽金属製の鋳物や押し出し材から
なる少なくとも一対のワークの端部を溶接し接合するワ
ーク接合方法において、前記各ワークの接合面に凹凸部
を形成し、当該凹凸部が嵌合された状態のワークに前記
溶接を施すようにしたことを特徴とするワーク接合方
法。
【0013】(2) 前記凹凸部は、ワーク接合面の前
記端部から離間した部分に形成したことを特徴とするワ
ーク接合方法。
【0014】(3) 前記凹凸部に接着剤又はシーリン
グ剤を塗布した後に溶接を施すようにしたことを特徴と
するワーク接合方法。
【0015】(4) 前記溶接が施される部分の近傍に
ある凹凸部には、接着剤又はシーリング剤を塗布しない
ようにしたことを特徴とするワーク接合方法。
【0016】(5) 前記凹凸部は、ワークの端部に沿
って延びる複数条の山部と谷部とからなることを特徴と
するワーク接合方法。
【0017】(6) 前記凹凸部は、ワークを立てて溶
接するときの上面側となる斜面の水平面に対する傾斜角
が下面側の斜面の水平面に対する傾斜角より小さくなる
ようにしたことを特徴とするワーク接合方法。
【0018】(7) 前記凹凸部は、山部と谷部のピッ
チがワークを立てて溶接するときの溶接を施す部分より
離間するにしたがって大きくなるようにしたことを特徴
とするワーク接合方法。
【0019】(8) 前記凹凸部は、山部の高さや谷部
の深さがワークを立てて溶接するときの溶接を施す部分
より離間するにしたがって小さくなるようにしたことを
特徴とするワーク接合方法。
【0020】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、ワークの接
合面相互を凹凸嵌合した状態で溶接できるので、特別な
治具を用いなくてもワークの位置合わせや接合が容易と
なり、ワーク自体の変形もなく、連続的な溶接も可能と
なり、溶接精度、溶接品質が向上し、作業性、生産性も
著しく向上する。
【0021】請求項2に記載の発明では、ワークの端部
から離間した部分に凹凸部を形成するので、ワークの端
部を溶接したとき、溶接ビードがワーク間に入り込み、
溶接品質が向上する。
【0022】請求項3に記載の発明では、凹凸部に接着
剤等が塗布されるので、接着剤等の塗布面積が増大し、
接着強度あるいはシール性能も向上する。また、ワーク
接合端部の近傍にある凹凸部に接着剤等を塗布しない
と、ワーク合体時に接着剤等がワークの合わせ面からは
みだしたり、垂れ落ちる虞れがなく、溶接作業も容易
で、ワークも溶接品質も優れたものとなり、作業環境を
害する虞れもない。しかも、ワークの合わせ面間で接着
剤等が延びるので、シール性能も向上する。
【0023】請求項4に記載の発明では、溶接を施す部
分に近い凹凸部に接着剤等を塗布しないので、両ワーク
間に塗布した接着剤等がワークの合わせ面からはみだし
ても、これを吸収することができ、溶接作業も一層容易
となり、溶接品質やシール性能等も一層優れたものとな
る。
【0024】請求項5に記載の発明では、凹凸部をワー
クの端部に沿って延びる複数条の山部と谷部とから構成
したので、長尺な複数のワークを位置決めする場合に
は、ワーク全長にわたって確実な位置決めができる。ま
た、接着剤等を塗布する場合には、凹凸条の山谷部が接
着剤等の塗布作業のガイドあるいは基準として機能し、
接着剤等の取付けも確実となり、作業性、生産性が向上
する。
【0025】請求項6に記載の発明では、接着剤等を塗
布したワークを立てた状態で溶接する場合に、凹凸部の
上面側斜面の傾斜角が下面側斜面の傾斜角より小さけれ
ば、接着剤等の垂れが生じにくく、シール性が確保さ
れ、作業環境を害する虞れもない。
【0026】請求項7,8に記載の発明では、接着剤等
を塗布したワークを立てた状態で溶接する場合に、山谷
部のピッチが溶接を施す部分より離間するにしたがって
大きくするかあるいは山谷部の高さなどを小さくすれ
ば、接着剤等はピッチの大きい方あるいは山谷部の高さ
が低い方へ流動し、接着剤等のはみだし等による溶接へ
の影響が低減し、接合品質が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。
【0028】図1は本発明の一実施形態に係るワーク接
合方法によりワークを接合する状態を示す要部分解斜視
図、図2は前記ワークの接合状態を示す断面図、図3は
図2の要部を示す拡大断面図である。
【0029】本実施形態に係るワーク接合方法が適用さ
れるのは、例えば、フロアのサイドシルにボディサイド
部材を取付ける場合である。
【0030】図1、2に示すように、ボディサイド部材
1(ワークW1)やサイドシル2(ワークW2)は、軽金
属材料が押出し成形された長尺な部材であり、端部から
端部まで連続的に溶接すると、熱的影響や取付け状態な
どにより正確な溶接ができないこともある。
【0031】本実施形態では、これらワークW1,W2
押出し成形する場合に、平坦な接合面1a又は2aに予め
凹凸部Rを形成している。
【0032】例えば、押出し成形時に使用される型の一
部に、前記凹凸部Rに対応する凹凸形状部分を形成して
おき、ワークWの押出し成形と同時に凹凸部Rを形成す
るかあるいは型から排出されたワークWにローラ等を押
しつけ凹凸部Rを形成する。
【0033】このようにすれば、ワークWの接合面1a
又は2aに長手方向に沿って複数条の山部や谷部を有す
る凹凸部Rが形成される。
【0034】次に、ワークW2をワークW1に接合する場
合に、前記凹凸部Rを相互に嵌合し、位置決めする。押
出し成形されたワークWは、全体的に精度が良く、この
状態で凹凸部Rを相互に嵌合し、位置決めすれば、端部
から端部まで位置ずれを起こすことなく合体させること
ができら。しかも、後述するように端部から溶接を開始
しても凹凸部Rの嵌合により両ワークW相互が位置ずれ
を起こすことはなく、しっかりと合体された状態が維持
されることになる。
【0035】なお、この時点における両ワークWの端部
における隙間G(図3参照)は、後に述べる溶接を考慮
すれば、0〜0.4mm程度であることが好ましい。こ
れら両ワークWは、後に溶接により接合されるが、この
溶接として、例えばレーザ溶接を使用する場合は、実験
検討事実から0〜0.4mm程度であることが好ましい
ことが判明している。実験によれば、隙間Gが0.4m
mを越えると、レーザ溶接の品質を確保できない状態が
生じた。
【0036】図4は本発明の他の実施形態を示す要部拡
大断面図である。ボディサイド部材1とサイドシル2
は、接合部にシール性が要求される部分である。このた
め、図4に示すように、前記接合面1a及び/又は2aに
予め接着剤又はシーリング剤Tを塗布し、その後に当該
接合面1a,2aの端部に溶接を施すようにしてもよい。
【0037】前記接合面1a又は2aに接着剤等Tを塗布
する場合は、本実施の形態では凹凸部R上に接着剤等T
を塗布し、凹凸部Rという広い面で接合が行なわれるよ
うにしている。
【0038】この場合、両接合面1a,2aを合体したと
き、凹凸部Rにより接着剤等Tが広い面積に伸ばされる
ことになり、接着剤の場合は接着強度が増大し、シール
剤の場合は凹凸の噛み合わせにより完全なシール性が得
られる。
【0039】ところが、塗布した接着剤等Tが両接合面
1a,2aの外方に向かって押出されると、溶接時に前述
したような悪影響を及ぼす虞れがあるので、凹凸部R
は、ワークWの接合端部から内方に所定長Sだけ離間し
た部分に形成することが好ましい。このようにすれば、
両接合面1a,2aに、接着剤等Tが不必要に外部に向か
って広がらないように、接着剤等Tの移動を吸収する余
剰スペースYが形成されることになるので、接着剤等T
のはみ出しが防止される。これにより溶接時に生じる悪
影響、つまり、不十分な溶接品質、シール性の低下、燃
焼ガスの発生による作業環境の悪化等を防止できる。
【0040】また、この悪影響をさらに確実に防止する
には、前記凹凸部Rの内の、溶接を施す部分に近い1山
部分には、接着剤等Tを塗布しないようにすることが好
ましい。これにより、凹凸部Rにより接着剤等Tの流れ
が堰き止められ、前記接合端部まで流れず、一層前記悪
影響が防止される。しかも、1山部分を基準にして接着
剤等Tを塗布できるので、接着剤等Tの塗布作業が正確
になり、前記悪影響を、より確実に防止できる。
【0041】なお、当該凹凸部Rは、図上上下方向のみ
でなく、長手方向の端部においても、前述の余剰スペー
スYとなる部分を設けることが好ましい。
【0042】図5は他の実施形態の要部拡大断面図であ
る。この山谷形状の凹凸部Rを有するワークWを立てて
溶接する場合には、当該山谷部における上面側となる斜
面3の水平面に対する傾斜角θ1が、下面側の斜面4の
水平面に対する傾斜角θ2より小さくなるようにするこ
とが好ましい。
【0043】ワークWを立てた状態で溶接する場合、ワ
ークWが合体され、セットされる時点までに、接着剤等
Tが垂れる虞れがあるが、前記した角度関係の凹凸部R
とすると、上面側斜面3が一種の棚として機能すること
になり、接着剤等Tの垂れが生じにくくなり、セット作
業が容易で、シール性も確保しやすく、前記悪影響を確
実に防止できる。
【0044】図6は本発明の別の実施形態を示す要部拡
大断面図である。前述する接着剤等Tの垂れ防止は、他
の手段でも可能である。図6に示すように、山部と谷部
とからなる凹凸部Rのピッチが前記ワークWを立てて溶
接するときの溶接を施す部分より離間するにしたがって
大きくなるように、つまり、1山目のピッチP1より2
山目のピッチP2の方が大きく、2山目のピッチP2より
3山目のピッチP3の方が大きくなるようにしてもよ
い。
【0045】図7は本発明のさらに別の実施形態を示す
要部拡大断面図である。前述の垂れ防止は、図7に示す
ように、当該山部と谷部の高さが前記ワークを立てて溶
接するときの溶接を施す部分より離間するにしたがって
低くなるように、つまり1山目の高さH1より2山目の
高さH2の方が低くく、2山目の高さH2より3山目の高
さH3の方が低くなるようにしてもよい。
【0046】このようにすれば、接着剤等TがピッチP
の大きい部分や、山の高さHの低い部分に流れやすく、
接着剤等Tのはみ出しが防止でき、前記悪影響がなくな
る。
【0047】なお、ここで使用する接着剤としては、基
本的には熱硬化性のものが好ましいが、具体的に述べれ
ば、例えば、1液エポキシ接着剤としては、アサヒゴム
社の商品名「サンダイン」、サンスター技研社の商品名
「ペンギンセメント」、2液エポキシ接着剤としては、
ロードファーイースト社の商品名「FUSOR」、日本
チバガイギー社の商品名「アラルダイト」、2液アクリ
ル接着剤としては、ロードファーイースト社の商品名
「バーサロック」、電気化学工業社の商品名「ハードロ
ック」、2液ウレタン接着剤としては、ロードファーイ
ースト社の商品名「タイライト」、日本ラテックス加工
社の商品名「マイティグリップ」、湿式硬化型変成シリ
コーン接着剤としては、サンスター技研社の商品名「ペ
ンギンシール2550HM」が好ましく使用されるが、これの
みでなく類似の他の接着剤を使用してもよい。
【0048】また、シーリング剤Tとしては、アサヒゴ
ム社の商品名「サンダイン#1310」、セメダイン社
の商品名「セメダインS902」等があるが、これのみ
でなく類似の他のシーリング剤を使用してもよい。
【0049】このような熱硬化性の接着剤Tを使用した
場合は、前記溶接に、例えばレーザ溶接を使用した場合
に熱硬化し、溶接による接合力に接着剤による接着力が
加わり、強固な接合となるので好ましい。
【0050】このレーザ溶接時に発生する熱量は、レー
ザガンの出力、溶接ビードの径、溶接速度に依存する
が、レーザ溶接される部分から接着剤Tまでの距離との
関係では、遠いと伝達熱量が小さく、接着剤等Tの熱硬
化が不十分となり、近すぎると接着剤等Tが溶接熱によ
り燃焼し、燃焼ガスが発生し、作業環境の悪化する虞れ
がある。
【0051】このため、本実施形態では、図7を参照し
て述べれば、前記レーザ溶接が施こされる部位と前記接
着剤等Tの最も近い側(近端側)の距離aと、接着剤等
Tの最も遠い側(遠端側)の距離bが所定値となるよう
にしている。
【0052】この所定値a,bを求める実験を行った。
前記1液エポキシ接着剤(サンスター技研社の商品名
「ペンギンセメント」)を使用し、当該距離aが2mm
未満にすると、溶接熱の影響があらわれ、燃焼ガスが生
じることが判明した。
【0053】次に、前記接着剤等Tがレーザ溶接の温度
で熱硬化する場合の距離について調べた。図8はレーザ
溶接した部分から10,25,40mm離間した部分の
温度変化を調べた図である。
【0054】図8から明らかなように、レーザ溶接し、
約1分経過後の40mm離れた点の温度は、50℃程度
であり、25mm離間した点の温度でも、60℃程度で
あったが、10mm離間した点の温度は、90℃以上も
あった。
【0055】当該接着剤等Tが90℃以上で熱硬化する
ことを考慮すれば、前記距離bは10mm以内としなけ
ればならないことになる。
【0056】したがって、接着剤等Tの取付位置は、近
端側が2mm以上離間し、遠端側が10mm以内の範囲
内となることが好ましく、この範囲内に貼ることができ
る接着剤等Tであれば、どのような幅のものでもよい。
【0057】一方、両ワークの剪断強度、つまり剥離強
度についても調べた。実験に当たり、両ワークW間に貼
った接着剤等Tの位置のみを種々変化させ、他の条件
(例えば幅など)が同一としたものを準備した。そし
て、ワークWの端部に熱を加えて接着剤等を熱硬化させ
て両ワークWを接合させた後、両ワークを剥離するよう
に引張り、剪断強度を調べた。
【0058】この結果は、図9から明らかなように、2
〜10mmの範囲に接着剤等Tを貼ったものの剪断強度
は、実用に耐え得る20kg/cm2以上となることが
判明したが、25mm、40mmでは十分な剪断強度が
得られなかった。ただし、この実験結果は、、凹凸部R
を有しない平坦なワークの場合である。
【0059】前記接着剤等Tが貼られるワークWの接合
面は、いずれか一方若しくは両方が粗面となるように前
処理してもよい。この処理としては、サンドブラスト等
を使用した物理的処理の他に、酸あるいはカセイソーダ
等を用いた化成処理やプライマ塗布等の化学的処理等を
使用することが好ましい。接着剤等貼着部分を粗面とす
れば、両ワークWが接着剤等Tを介して接合するとき、
より高い接合力が得られ、強固な仮止めができ、作業
性、生産性も向上する。
【0060】なお、前述のレーザ溶接としては、通常の
YAGレーザ溶接、炭酸ガスレーザ溶接等が使用される
が、電子ビーム溶接を使用してもよい。
【0061】本発明は、上述した実施の形態のみに限定
されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変使用
することができる。例えば、前記凹凸部Rは、山部と谷
部が繰り返された形状のもののみでなく、図10に示す
ようにジグザグの凹凸等であってもよい。このような形
状であれば、比較的簡単に成形でき、コスト的にも好ま
しい。前記実施の形態では、主として自動車車体のサイ
ドシル2について説明したが、ルーフサイドレールや他
の構成部材にも適用できる。また、前記実施の形態で
は、自動車車体を形成する場合について説明したが、本
発明は、これのみでなく、種々の押出し成形される板材
あるいは単なる板材を溶接する場合にも適用できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す要部分解斜視図で
ある。
【図2】 同実施形態により接合されたワークを示す断
面図である。
【図3】 図2の要部を示す拡大断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態を示す要部拡大断面図
である。
【図5】 本発明のさらに他の実施形態の要部拡大断面
図である。
【図6】 本発明の別の実施形態を示す要部拡大断面図
である。
【図7】 本発明のさらに別の実施形態を示す要部拡大
断面図である。
【図8】 溶接部から離間した部分の温度状態を調べた
図である。
【図9】 接着剤等を熱硬化させた後のワークの剪断強
度を示す図である。
【図10】 本発明の別の実施形態を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
1a,2a…接合面、 θ1,θ2…傾斜角、 H…高さ、 P…ピッチ、 R…凹凸部、 T…接着剤又はシーリング剤、 W(1,2)…ワーク、 Y…余剰空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 103:08 B23K 103:08 Fターム(参考) 3J001 FA02 GA03 GB01 GB03 HA02 HA04 JD11 JD12 JE01 KB01 4E068 BD00 CA13 DA00 DA02 DA16 DB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属製の鋳物や押し出し材からなる少
    なくとも一対のワークの端部を溶接し接合するワーク接
    合方法において、前記各ワークの接合面に凹凸部を形成
    し、当該凹凸部が嵌合された状態のワークに前記溶接を
    施すようにしたことを特徴とするワーク接合方法。
  2. 【請求項2】 前記凹凸部は、ワーク接合面の前記端部
    から離間した部分に形成したことを特徴とする請求項1
    に記載のワーク接合方法。
  3. 【請求項3】 前記凹凸部に接着剤又はシーリング剤を
    塗布した後に前記溶接を施すようにしたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のワーク接合方法。
  4. 【請求項4】 前記溶接が施される部分の近傍にある前
    記凹凸部には、前記接着剤又はシーリング剤を塗布しな
    いようにしたことを特徴とする請求項3に記載のワーク
    接合方法。
  5. 【請求項5】 前記凹凸部は、前記ワークの端部に沿っ
    て延びる複数条の山部と谷部とからなることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のワーク接合方法。
  6. 【請求項6】 前記凹凸部は、前記ワークを立てて溶接
    するときの上面側となる斜面の水平面に対する傾斜角が
    下面側の斜面の水平面に対する傾斜角より小さくなるよ
    うにしたことを特徴とする請求項5に記載のワーク接合
    方法。
  7. 【請求項7】 前記凹凸部は、前記山部と谷部のピッチ
    が前記ワークを立てて溶接するときの溶接を施す部分よ
    り離間するにしたがって大きくなるようにしたことを特
    徴とする請求項5に記載のワーク接合方法。
  8. 【請求項8】 前記凹凸部は、前記山部の高さや谷部の
    深さが前記ワークを立てて溶接するときの溶接を施す部
    分より離間するにしたがって小さくなるようにしたこと
    を特徴とする請求項5に記載のワーク接合方法。
JP2000003482A 2000-01-12 2000-01-12 ワーク接合方法 Pending JP2001193715A (ja)

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