JP2001192931A - 芳香族ポリアミド繊維の製造方法及び芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維の製造方法及び芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法

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JP2001192931A
JP2001192931A JP2000002499A JP2000002499A JP2001192931A JP 2001192931 A JP2001192931 A JP 2001192931A JP 2000002499 A JP2000002499 A JP 2000002499A JP 2000002499 A JP2000002499 A JP 2000002499A JP 2001192931 A JP2001192931 A JP 2001192931A
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Sadamitsu Murayama
定光 村山
Yukikage Matsui
亨景 松井
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来技術の有する問題を解決し、
高低温が繰り返される雰囲気中或いは吸脱湿を伴う雰囲
気中においても寸法変化が極めて小さく、且つ、複合積
層板の補強繊維として使用した場合、穴あけ加工や切削
加工、又は、レーザー加工が容易に行うことが出来る芳
香族ポリアミド繊維紙が得られる製造方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】 前記の課題は芳香族ポリアミド繊維に熱
履歴を付与することにより、広角X線回折の回折強度曲
線からScherrer式により求めたみかけの結晶サイズが下
記(1)〜(3)を同時に満足する繊維であって、且
つ、該繊維の温度線膨張係数が−1.0×10-6/℃〜
−7.5×10-6/℃の範囲内にある芳香族ポリアミド
繊維を用いた紙とするにより達成される。 (1)110面の結晶サイズ(A)が75(オングスト
ローム)以上 (2)200面の結晶サイズ(B)が82(オングスト
ローム)以上 (3)A×Bが6150〜63000

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
繊維の製造方法及び芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法
に関し、さらに詳しくは、耐熱性要求下及び高温高湿度
下における電気絶縁材料に供される芳香族ポリアミド繊
維の製造方法及び芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、芳香族ポリアミド繊維は、優
れた諸物性と耐熱性を有しているため、各種用途に使用
されている。
【0003】しかしながら、前記芳香族ポリアミド繊維
を高精度の寸法安定性が要求されるFRP材料分野やO
A機器部品分野の複合積層板用材料として使用する場
合、特に、航空機など高低温が繰り返される雰囲気内で
は、該芳香族ポリアミド繊維の繊維軸方向や繊維軸と直
交する方向の寸法変化が大きく、且つ、吸脱湿に伴う寸
法変化も大きいため、該複合積層板を構成する繊維と樹
脂との界面で歪みを生じ、繰り返し負荷に対する耐久性
が低下して界面剥離を誘発したり、電気絶縁材料用途で
は、この界面部分に微量の水分が堆積して、長期通電時
に内在する不純イオンの移動を誘発したり、さらに、含
有する水分の加熱による水蒸気化で界面剥離を生ずる等
の問題を有していた。
【0004】このような問題を解決する方法として、例
えば、特開平5−83096号公報、特開昭62−21
8425号公報、或いは、特開昭62−225539号
公報には、加熱処理により樹脂との界面接着性を改善す
る方法が開示されている。しかしここに開示された方法
では、含有する不純イオン量が多く、また吸水率も高い
ため、電気絶縁材料に適用できないなどの課題を有して
おり、前記の諸問題の充分な解決策には至っていない。
【0005】一方、芳香族ポリアミド繊維は強靭な耐切
創性を有するため、各種防護材として使用されているが
(例えば、特開平4−14277号公報、特開平6−2
80140号公報など)、その耐切創性の高さ故に、こ
の繊維で補強された複合積層板をドリル等で穴あけ加工
すると、補強繊維が奇麗に切断されずに、切断加工面で
フィブリル化や切断不良を生じて穴の内壁に凹凸が発生
するという問題を有している。特に、最近は小径、且
つ、高精度の穴あけ加工が求められる場合が多く、炭酸
ガスレーザーなどによるレーザー穴あけ加工も種々検討
されており、この問題の改善が関係市場で強く望まれて
いる。さらに、前記の複合積層板を切削加工する場合に
も、穴あけ加工と同様に綺麗に切削加工されず、補強繊
維のフィブリル状微小物が切削面に突き出る問題を有し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来技術の有する問題を解決し、高低温が繰り返
される雰囲気中或いは吸脱湿を伴う雰囲気中においても
寸法変化が極めて小さく、且つ、複合積層板の補強繊維
として使用した場合、穴あけ加工や切削加工、又は、レ
ーザー加工が施される際に、それらの加工面でフィブリ
ル化や繊維の切断不良が起こりにくく、平坦で綺麗な加
工面を形成できる芳香族ポリアミド繊維の製造方法及び
それを用いた芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリア
ミド繊維を製糸する際、及び/又は、製糸した後に、該
芳香族ポリアミド繊維を250〜680℃の温度範囲の
高温雰囲気中を通過させるか、若しくは、温度:250
〜680℃のヒーターに接触させて熱履歴を付与するこ
とにより、広角X線回折の回折強度曲線からScherrer式
により求めた該芳香族ポリアミド繊維の110面と20
0面における見かけの結晶サイズが下記(1)〜(3)
を同時に満足し、且つ、100〜250℃の温度範囲に
おける温度線膨張係数を−0.5×10-6/℃〜−7.
5×10-6/℃の範囲にすることを特徴とする芳香族ポ
リアミド繊維の製造方法にあり、また、芳香族ポリアミ
ド繊維を用い、有機系樹脂バインダー及び/又は耐熱性
の有機高分子重合体からなるフィブリッドを用いて均一
分散した水性スラリーとし、湿式抄紙した後乾燥し、該
乾燥紙を加熱加圧処理及び/又は加熱処理することによ
り熱履歴を付与し、該紙に含有される芳香族ポリアミド
繊維の一部について広角X線回折の回折強度曲線からSc
herrer式により求めた該芳香族ポリアミド繊維の110
面と200面における見かけの結晶サイズが下記(1)
〜(3)を同時に満足し、且つ、100〜250℃の温
度範囲における該芳香族ポリアミド繊維の温度線膨張係
数を−0.5×10-6/℃〜−7.5×10-6/℃の範
囲にすることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙の製
造方法にある。 (1)110面の結晶サイズ(A)が75(オングスト
ローム)以上 (2)200面の結晶サイズ(B)が82(オングスト
ローム)以上 (3)A×Bが6150〜63000
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は芳香族ポリアミド繊維に熱履歴を付与すること
により、該芳香族ポリアミド繊維の110面と200面
における見かけの結晶サイズを前記の範囲になるように
するものであるが、本発明で用いる芳香族ポリアミド繊
維は、公知のものが使用可能であり、例えば、ポリアミ
ドを構成する繰り返し単位の80モル%以上(好ましく
は90モル%以上)が、下記式(1)で表される芳香族
ホモポリアミド、又は、芳香族コポリアミドからなる繊
維を使用することが出来る。特に、芳香族ポリアミド繊
維がより低吸水性になるようにハロゲン原子などで部分
的に置換され、変性された芳香族ポリアミド繊維が最適
である。
【0009】
【化1】
【0010】ここでAr1、Ar2は芳香族基をあらわ
し、なかでも下記式(2)から選ばれた同一の、また
は、相異なる芳香族基が好ましい。但し、芳香族基の水
素原子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基
などで置換されていてもよい。
【0011】
【化2】
【0012】このような芳香族ポリアミド繊維の基本的
な製造方法や繊維特性については、例えば、英国特許第
1501948号公報、米国特許第3733964号公
報、第3767756号公報、第3869429号公
報、日本国特許の特開昭49−100322号公報、特
開昭47−10863号公報、特開昭58−14415
2号公報、特開平4−65513号公報などに記載され
ており、特に耐熱性の優れたものとしてパラ型芳香族ポ
リアミド繊維があげられる。
【0013】該パラ型芳香族ポリアミド繊維は、前記の
Ar1、Ar2の50モル%以上がパラ配位の芳香族基で
ある繊維であり、具体的には、ポリパラフェニレンテレ
フタルアミド短繊維(デュポン(株)製「ケブラー」)
やコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレ
ン・テレフタルアミド短繊維(帝人(株)製「テクノー
ラ」)等が好適に例示される。特に後者は、不純イオン
の含有量が少ないので電気絶縁性に優れより好ましい。
【0014】本発明では、かかる芳香族ポリアミド繊維
を用い、その製造(製糸)工程において、芳香族ポリア
ミド繊維を250〜680℃の温度範囲の高温雰囲気中
を通過させ、若しくは、250〜680℃の温度のヒー
ターなどに接触させて熱履歴を付与せしめることが重要
である。さらに、公知の方法により製造された芳香族ポ
リアミド繊維を、同様の高温雰囲気中に保管または高温
雰囲気中を通過させ、あるいは、高温ヒーターなどに接
触させて、又は、混合抄造して紙とした後に加熱加圧処
理及び/又は加熱処理して熱履歴を付与せしめる後加工
法で行ってもよい。
【0015】このような熱履歴の付与により、広角X線
回折の回折強度曲線からScherrer式により求めた該芳香
族ポリアミド繊維の110面と200面における見かけ
の結晶サイズを前記の(1)〜(3)に示す特定範囲内
になるようにコントロールせしめた芳香族ポリアミド繊
維が得られ、さらに、下記の(4)〜(6)に示す範囲
のものがより好ましく使用される。 (4)110面の結晶サイズ(A)が100(オングス
トローム)以上 (5)200面の結晶サイズ(B)が85(オングスト
ローム)以上 (6)A×Bが8500〜63000 また、このようにして得られる芳香族ポリアミド繊維
は、マイナスの温度線膨張係数を有するものであり、1
00〜250℃の温度範囲における該温度線膨張係数が
−0.5×10-6/℃〜−7.5×10-6/℃の範囲に
ある。このため温度線膨張係数がプラスである樹脂やフ
ィブリッドと組合わせて用いるものが好適であり、両者
を組合わせることにより得られる繊維紙やそれを用いた
複合積層板の面方向の温度線膨張係数を調節することが
可能となる。
【0016】なお、該芳香族ポリアミド繊維として、コ
ポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・
テレフタルアミド繊維を用い、その繊維表面上に固体状
のカチオン変換性で且つ非イオン吸着性の無機化合物が
固着されているものは、配合ワニスの含浸性も良く、ま
た、該無機化合物を介して配合ワニスとの接着性も向上
するため、特に、電気絶縁材料や電気回路板用積層物等
の製造工程における変形量が少なくなる効果や、高湿下
における電気絶縁性や熱寸法安定性などを向上させる効
果も有しているのでより好ましい態様である。
【0017】ここで用いるカチオン変換性で且つ非イオ
ン吸着性の無機化合物とは、カチオンとの変換能を有
し、さらに非イオンの吸着能をも有する化合物であり、
具体例としては、シリカ・アルミナ、シリカ・マグネシ
ア、カオリン、酸性白土、活性白土、タルク、ベントナ
イト、オスモス等があげられる。
【0018】これらの無機化合物は、特に固体粒子とし
て繊維表面に固着されていると接着効果が更に向上する
ので好ましい。該粒子の大きさとしては、0.01〜
5.00μm程度のものが用いられる。また、繊維表面
に該無機化合物を固着させるには、例えば、繊維表面が
加熱等により軟化した状態で該無機化合物粒子を繊維表
面に押し付けて繊維の極表層部に食い込ませればよい。
【0019】さらに、本発明で得られる芳香族ポリアミ
ド繊維を電気絶縁材料分野に適用する場合には、該芳香
族ポリアミド繊維内部に含有される抽出ナトリウムイオ
ンや抽出カリウムイオン、抽出塩素イオンなどの不純イ
オンが絶縁不良を誘発して問題となるため、その製造工
程中やその後の後工程等で、該不純イオンの含有量が下
記(a)〜(c)を、好ましくは下記(d)〜(f)を
満足するように充分洗浄処理したものが好ましい。洗浄
処理方法としては、例えば、該芳香族ポリアミド繊維紙
を工業用水やイオン交換水、蒸留水、有機溶剤との混合
水からなる流水中に及び/又は前記のような水が溜めら
れた浴中で、5m以上浸漬し、及び/又は、浴中に0.
1秒以上浸漬滞留させて洗浄するか、又は、用途に応じ
て10m以上浸漬し、及び/又は、30秒以上浸漬滞留
させて充分洗浄する方法が例示される。 (a)抽出ナトリウムイオンの量≦40mg/リットル (b)抽出カリウムイオンの量≦3.0mg/リットル (c)抽出塩素イオンの量≦7.5mg/リットル (d)抽出ナトリウムイオンの量≦35mg/リットル (e)抽出カリウムイオンの量≦2.5mg/リットル (f)抽出塩素イオンの量≦6.5mg/リットル かかる不純イオンの含有量が前記(a)〜(c)を超え
ると絶縁不良を誘発し易くなって電気絶縁材料分野では
使用出来なくなるおそれがある。
【0020】一方、メタ型芳香族ポリアミド繊維は、一
般にパラ型芳香族ポリアミド繊維に比べて、平衡水分率
(含水率)が高く、且つ、不純イオン含有量も多いため
に、電気絶縁性、特に、高湿度下における電気絶縁性を
低下せしめ、長期に渡って高信頼性が要求される電気材
料用基材や電気回路板用積層物の基材に使用する場合に
は、充分な洗浄処理を行って不純イオン含有量を低下さ
せたり、前記のパラ型芳香族ポリアミド繊維よりもさら
に過酷な熱履歴を付与するなどの工夫が必要である。例
えば、高温雰囲気中での通過時間を若しくは高温ロール
や高温ヒーターへの接触時間を通常のパラ型芳香族ポリ
アミド繊維のそれよりも1.3倍以上となるように設定
するなどの方法が例示される。
【0021】本発明で使用されるメタ型芳香族ポリアミ
ド繊維からなる短繊維としては、前記の芳香族ポリアミ
ドのうち、延鎖結合の50モル%以上が非共軸で非平行
の芳香族ポリアミド、例えば、ジカルボン酸として、テ
レフタル酸、イソフタル酸等の1種又は2種以上と、ジ
アミンとしてメタフェニレンジアミン、4,4−ジアミ
ノフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、キシリレンジアミン等の1種又は2種以上を使用
したホモポリマー又は共重合ポリマーからなる短繊維を
あげることができる。その代表的な例としては、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミド、ポリメタキシレンテレ
フタルアミド、あるいは、イソフタル酸クロライド、テ
レフタル酸クロライド、メタフェニレンジアミン等を共
重合せしめた共重合ポリマーからなる繊維等があげられ
る。
【0022】特に、該メタ型芳香族ポリアミド繊維から
なる短繊維では、前記の方法により、洗浄処理を充分に
行ったものが好ましく、これにより不純イオンの含有量
が前記の(a)〜(c)を、好ましくは(d)〜(f)
を満足するように充分洗浄処理したものがよい。
【0023】このようにして得られる芳香族ポリアミド
繊維を使用して、芳香族ポリアミド繊維からなる紙を製
造するには、該芳香族ポリアミド繊維からなる短繊維と
水溶性の有機系樹脂バインダー及び/又は耐熱性の有機
高分子重合体からなるフィブリッドを用い、均一分散し
た水性スラリーとし、必要に応じて分散剤や粘度調節剤
を加えた後に、例えば、傾斜短網式や長網式、円網式な
どの抄造機を用いて湿式抄造紙を作成し乾燥させた後、
該乾燥紙を加熱加圧処理し、更に必要に応じて加熱処理
を行って目的とする芳香族ポリアミド繊維紙とする方法
(A)か、若しくは、前記芳香族ポリアミド繊維からなる
短繊維を均一分散した水性スラリー中に、前記と同様に
分散剤や粘度調節剤を加えた後に、前記の如き抄造機を
用いて、湿式抄造紙を作成し、更にスプレー方式やシャ
ワー方式などにより該湿式抄造紙に水溶性有機系樹脂バ
インダーを付与した後に乾燥して得られる乾燥紙を加熱
加圧処理し、更に必要に応じて、加熱処理して目的とす
る芳香族ポリアミド繊維紙とする方法(B)が好ましい。
また、前記の(A)と(B)の抄造方法を組み合わせた湿式
抄造方法を用いて目的とする芳香族ポリアミド繊維紙を
製造してもよい。
【0024】該芳香族ポリアミド短繊維と水溶性有機系
樹脂バインダー及び/又は耐熱性の有機高分子重合体か
らなるフィブリッドの使用量としては、該芳香族ポリア
ミド繊維が60〜96重量%の範囲に、該有機系樹脂バ
インダー及び/又は耐熱性の有機高分子重合体からなる
フィブリッドの合計使用量が4〜40重量%の範囲とな
るようにそれぞれ用いるものが有効に例示される。
【0025】前記の紙製造において使用する有機系樹脂
バインダー(結合剤)としては、特に熱硬化性の有機系
樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウ
レタン樹脂、メラミン樹脂などが好適である。なかでも
分子内にエポキシ官能基を有する水分散可能なエポキシ
系の樹脂が、プリプレグ製造工程で含浸させる配合ワニ
スとの相溶性が良く最適である。さらに、用途に応じて
前記の有機系樹脂を混合して使用してもよい。
【0026】次に、本発明で使用する有機高分子重合体
からなるフィブリッドとは、その平衡水分率が8.0%
以下で、湿式抄造工程において、バインダー性能を呈す
る微小フィブリルを有する薄葉状、鱗片状の小片、又
は、ランダムにフィブリル化した微小短繊維の総称であ
り、例えば、特公昭35−11851号公報、特公昭3
7−5732号公報等に記載の如く、有機高分子重合体
溶液を該高分子重合体溶液の沈澱剤及び剪断力が存在す
る系において混合することにより製造されるフィブリッ
ドや、特公昭59−603号公報に記載の如く、光学的
異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性
を有する成形物に叩解等の機械的剪断力を与えてランダ
ムにフィブリル化させたフィブリッドが例示され、なか
でも前者の方法によるものが最適である。
【0027】このような有機高分子重合体としては、繊
維、若しくは、フィルム形成能を有する耐熱性高分子重
合体であって熱分解開始温度が300℃以上のものであ
ればどれでも使用できる。例えば、芳香族ポリアミド、
溶融液晶性全芳香族ポリエステル、ヘテロ環含有芳香族
ポリマー等を用いることが出来るが、それらの中でも、
特に、不純イオン含有量の少ないコポリパラフェニレン
・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド
(帝人(株)製「テクノーラ」)や、平衡水分率の小さ
いp−ヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキシナフト
エ酸の共重合体からなる溶融液晶性全芳香族ポリエステ
ル((株)クラレ製「ベクトラン」)が好ましく、ま
た、耐熱性が要求される場合には、前記のポリパラフェ
ニレンベンズビスオキサゾール(東洋紡績(株)製「P
BO」)が好ましく用いられる。更に、目的に応じて前
記の有機高分子重合体からなるフィブリッドを混合使用
するか、又は、前記の有機高分子重合体の混合物から作
成されたフィブリッドを使用してもよい。
【0028】前記有機系樹脂バインダー及び/又は有機
高分子重合体からなるフィブリッドの芳香族ポリアミド
繊維紙中に占める比率は、4〜40重量%の範囲が適当
であり、好ましくは、5〜30重量%の範囲にあるもの
である。該フィブリッドの混合比率を比較的低めに設定
する場合には、例えば、特公昭35−11851号公報
や特公昭37−5732号公報等に記載された製造方法
から得られるフィブリッドを用いるのが好ましく、ま
た、混合比率を比較的高めに設定する場合には、特公昭
59−603号公報に記載された方法により製造された
フィブリッドを用いるのが好ましく、さらにこれら両方
の製造方法からなるフィブリッドを混合使用してもよ
い。
【0029】前記有機系樹脂バインダー及び/又は有機
高分子重合体からなるフィブリッドの混合比率が4重量
%未満では、湿式抄造工程で紙形成に必要な引張強力を
維持出来ず、一方、40重量%を超えると、得られる芳
香族繊維紙の嵩密度が大きくなり過ぎ、複合積層板の形
成時に配合ワニスの含浸性を阻害するので好ましくな
い。
【0030】また、前記の短繊維の場合と同様、有機高
分子重合体からなるフィブリッドの中にも、含有する水
分(湿分)を脱水(脱湿)処理すると収縮又は伸長する
フィブリッドがあるため、これらの両方を上手く組み合
わせることにより、水洗や乾燥を繰り返しても寸法が変
化し難く、耐熱寸法安定性や耐湿寸法安定性に優れた耐
熱性繊維紙が得られるので、2種以上のフィブリッドを
混合して使用しても構わない。
【0031】また、前記の芳香族ポリアミド繊維とし
て、メタ型芳香族ポリアミド繊維、及び/又は、破断時
の伸度が5.5%以上であるパラ型芳香族ポリアミド繊
維からなら短繊維を一部に用いた芳香族ポリアミド繊維
紙を得ることも出来る。このような芳香族ポリアミド繊
維紙を用いた複合積層板では、穴あけ加工や切削加工を
する際に加工性が向上し、炭酸ガスレーザーによる穴あ
け加工においても良好な結果が得られる。
【0032】このようなメタ型芳香族ポリアミド繊維、
及び/又は、破断時の伸度が5.5%以上であるパラ型
芳香族ポリアミド繊維の使用量としては、全短繊維量に
対して3〜50重量%、パラ型芳香族ポリアミド繊維か
らなる短繊維が50〜97重量%の範囲で使用され、用
途に応じてメタ型芳香族ポリアミド繊維と破断時の伸度
が5.5%以上であるパラ型芳香族ポリアミド繊維の使
用比率を適宜変えればよい。すなわち、このような高伸
度特性を有する芳香族ポリアミド繊維を多く含むもの
は、メタ型の芳香族ポリアミド繊維を多く含むものに比
べて不純イオン含有量や吸水率がより少なく、電気絶縁
性、特に高湿度下における電気絶縁信頼性が長期に亘っ
て要求される電気材料用基材や電気回路板用積層物の基
材には好適な材料となる。
【0033】さらに、前記の芳香族ポリアミド繊維とし
て、メタ型芳香族ポリアミド繊維、及び/又は、破断時
の伸度が5.5%以上であるパラ型芳香族ポリアミド繊
維からなる短繊維を一部に加えて、さらに、パラ型芳香
族ポリアミド繊維としてポリパラフェニレンテレフタル
アミド繊維からなる短繊維及びコポリパラフェニレン・
3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維
からなる短繊維を一部に用いたものでもよい。
【0034】この場合の短繊維の使用比率としては、メ
タ型芳香族ポリアミド繊維、及び/又は、破断時の伸度
が5.5%以上であるパラ型芳香族ポリアミド繊維から
なら短繊維:3〜30重量%(全短繊維比、以下同
じ)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維からな
る短繊維:4〜69重量%、コポリパラフェニレン・
3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維
からなる短繊維:1〜66重量%の比率となるようにし
て用いるものが例示される。
【0035】ここで使用される破断時の伸度が5.5%
以上である変形し易いパラ型芳香族ポリアミド短繊維と
は、例えば、前記のコポリパラフェニレン・3,4’−
オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造工程
において、結晶化が促進されないように延伸倍率を低く
押さえたり、熱履歴を少なくするなどの製造条件を工夫
することにより、通常、市販されているコポリパラフェ
ニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルア
ミド繊維とは大きく異なる特性、即ち、強度が149.
9mN/dtex(17g/de)以下、破断時の伸度が
5.5%以上で、且つ、市販繊維に比べて、同一組成で
あるにもかかわらず、低温で軟化、変形、溶融しやすい
繊維を得ることが可能になる。
【0036】なお、この場合においても前記のように、
繊維の表面に固体状のカチオン変換性及び非イオン吸着
性の無機化合物が固着されている方が配合ワニスの含浸
性も良く、また、該無機化合物を介して配合ワニスとの
接着性も向上するため、電気絶縁材料や電気回路板用積
層物等の製造工程における変形量減少や高湿度下におけ
る電気絶縁性、熱寸法安定性向上などの観点からより好
ましい。
【0037】また、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙に
使用する前記の短繊維は、その単繊維繊度が、0.11
〜11.11dtex(0.1〜10デニール)の範囲
のものが好ましく用いられ、さらに好ましくは、0.3
3〜5.56dtex(0.3〜5デニール)の範囲の
ものが好ましい。該単繊維繊度0.11dtex未満で
は、製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽を発生して
良好な品質の繊維が得られず好ましくない。また、該単
繊維繊度が11.11dtexを超えると繊維の機械的
物性、特に強度の低下が大きくなり実用的でない。
【0038】また、これら短繊維の繊維長は、一般に
0.5〜80mmの範囲のものが使用されるが、湿式法
で紙を形成する場合には、2〜12mmの範囲のものが
好ましく用いられ、さらに好ましくは、2.5〜6mm
の範囲のものである。該繊維長が0.5mm未満では、
得られる芳香族繊維紙の繊維集合体としての機械的物性
が不充分なものとなり易く、一方、湿式法の場合に繊維
長が12mmを超えると、短繊維の開繊性、分散性等が
悪化し、スラリーの均一性が損なわれ、得られる紙も機
械的物性が不充分なものとなり易く好ましくない。
【0039】次に、本発明において、均一分散した水性
スラリーを湿式抄造し、該湿紙を乾燥した後に加熱加圧
処理を行うが、該加熱加圧処理をカレンダー機で行う場
合の条件としては、例えば、直径約15〜80cmの硬
質表面ロールと直径約30〜100cmの表面変形可能
な弾性ロールとの間で、好ましくは、直径約20〜80
cmからなる2ケの硬質表面ロール同士の間で行えばよ
い。その際、乾燥等で部分硬化された有機系樹脂バイン
ダーをさらに硬化させ、及び/又は、耐熱性の有機高分
子重合体からなるフィブリッドを軟化及び/又は部分溶
融させ、バインダーとしての機能を充分に発揮させる。
このためには、加熱温度としては、220〜400℃の
温度範囲で行うことが好ましく、より好ましくは250
〜350℃、さらに好ましくは280℃〜330℃の温
度範囲を採用するのが良い。
【0040】また、圧力は147〜245daN/cm
(150〜250kg/cm)の線圧力で加圧すること
が好ましく、さらに好ましくは176.4〜245da
N/cm(180〜250kg/cm)の線圧力を採用
するのが良い。なお、前記のカレンダー加工は、1段の
処理でもよいが、厚さ方向により均質な紙を得るために
は、予備的に加熱加圧処理を施す2段処理を採用するこ
とが好ましい。また、更に過酷な熱履歴が必要な場合に
は、前記の加熱加圧処理に続いて、温度:280〜60
0℃の範囲の高温雰囲気中を通過させるか、若しくは、
温度:250〜550℃の加熱ロール及び/又はヒータ
ーに接触させて加熱処理を行い、目的とする芳香族ポリ
アミド繊維紙を得ることができる。
【0041】このようにして得られる芳香族ポリアミド
繊維紙は、その嵩密度が0.45〜1.13g/c
3、好ましくは、0.50〜0.88g/cm3、さら
に好ましくは、0.55〜0.75g/cm3の範囲内
にあるものがよい。該嵩密度が0.45g/cm3未満
の場合は、紙の中層部における短繊維相互間の接着力が
低下して複合積層板の作成時に配合ワニスの紙内部への
含浸量が多くなりすぎ、プリプレグ製造工程や電気回路
板用積層板の製造工程、特に、積層プレス工程で含浸ワ
ニスの流れに起因する単繊維の部分的な移動が生じ、得
られる電気回路板用積層物内部で繊維の密度ムラが発生
して、耐熱寸法安定性や耐変形性の低下を招くことがあ
る。
【0042】一方、該嵩密度が1.13g/cm3を超
える場合は、配合ワニスの紙内部への含浸がほとんどな
くなり、得られる電気回路板用積層物の電気絶縁性、耐
熱寸法安定性、耐変形性が低下することがあるので好ま
しくない。
【0043】
【発明の作用・効果】このように本発明では、芳香族ポ
リアミド繊維を製造するに際し、その製造工程で、従来
の繊維の熱処理からは想到できないような熱処理を施す
か、または得られた繊維をその後の後加工法で熱処理を
付加することにより、さらには、ハロゲン原子などで部
分置換された低吸水性原料からの合成により、容易に見
かけ結晶サイズと温度線膨張係数が前記の範囲とするこ
とが出来たものである。
【0044】本発明により得られる芳香族ポリアミド繊
維は、見かけの結晶サイズが大きく、且つ、結晶化が進
んでいるために非結晶部分が少なく、このため高低温度
が繰り返される雰囲気中において繊維軸方向や繊維軸と
直交する方向の寸法変化が少なく、且つ、吸脱湿に伴う
該両方向の寸法変化も小さい特長を有している。
【0045】また、見かけの結晶サイズが前記の範囲に
ある芳香族ポリアミド繊維の平衡水分率は、3.2%以
下、結晶サイズの範囲によっては2.7%以下、さら
に、2.0%以下とすることが可能であり、従来公知の
芳香族ポリアミド繊維(平衡水分率4.5%以上)と比
較して小さく、このため樹脂との界面における剥離の問
題を減少させることが出来る。
【0046】また、本発明で得られる芳香族ポリアミド
繊維を用いた芳香族ポリアミド繊維紙は、抽出不純イオ
ンの量が抽出ナトリウムイオン量で75mg/リットル
以下、抽出カリウムイオンの量で35mg/リットル以
下、抽出塩素イオンの量で95mg/リットル以下とす
ることが出来る。さらに結晶サイズと洗浄を最適化すれ
ば、抽出される不純イオンの量を抽出ナトリウムイオン
量で60mg/リットル以下、抽出カリウムイオンの量
で20mg/リットル以下、抽出塩素イオンの量で80
mg/リットル以下とすることも可能である。
【0047】また、前記のような高伸度を有し、変形し
やすい特性を有するパラ型芳香族ポリアミド繊維を混合
使用し、最適化することにより、抽出される不純イオン
の量をナトリウムイオン量で50mg/リットル以下、
抽出カリウムイオンの量で17mg/リットル以下、抽
出塩素イオンの量で65mg/リットル以下とすること
も可能となり、且つ、前記のように吸水率も少ないため
に、高湿度下での通電時に、含有されている不純イオン
の移動も起こらない。
【0048】また、芳香族ポリアミド繊維の切断端面の
フィブリル化現象や切断不良は、該芳香族ポリアミド繊
維の見かけの結晶サイズに大きく影響される。即ち、見
かけの結晶サイズが小さすぎると、切断端面でのフィブ
リル化は生じ難いけれども、繊維の剛性が低下し、変形
しやすくなってドリルの刃から逃げやすくなり切削性が
悪化する。一方、見かけの結晶サイズが大きくなり過ぎ
ると、繊維の切創性は向上するが、繊維の切断端面が繊
維軸方向に割れやすくなって微少分割し、切削面にフィ
ブリル状の微少繊維が突出し切削性が低下する。
【0049】本発明の芳香族ポリアミド繊維は見かけの
結晶サイズが適度に制御されているため、該繊維で補強
された複合積層板をドリルで穴あけ加工すると、補強繊
維が綺麗に切断され、切断端面でフィブリル化や切断不
良を生ずることがないので、穴の内壁に凹凸が発生しな
い。また、炭酸ガスレーザーによる穴あけ加工において
も同様に綺麗な内壁の穴に仕上がる。
【0050】特に破断時の伸度が5.5%以上である結
晶化度の比較的少ない軟化や変形、溶融し易い特殊な特
性を有するパラ型芳香族ポリアミド繊維を少量混合して
補強された複合積層板は、ドリルによる穴あけ加工性や
切削加工性が向上するばかりでなく、炭酸ガスレーザー
による穴あけ加工においても更に良好な仕上がりとな
る。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例で用いた物性の測定方法及び積層
物(電気回路板用)の製造方法は下記の通りである。
【0052】(1)見かけの結晶サイズ 広角X線回折の回折強度曲線からHindelehら(A.M.Hide
leh and D.J.Johnson, Polymer,19,27(1978))の方
法に従い、Gaussian分布とCaucy分布を組み合わせ分離
し、その半価幅から下記に示すScherrerの式により、1
10面と200面における見かけの結晶サイズを求め
た。
【0053】
【数1】
【0054】ここで、Kは定数で0.94、λはX線の
波長で1.54オングストローム、βは反射プロフィー
ルのラジアン単位の半価幅で実測値をβM、装置定数を
βEとして、β2=βM 2―βE 2から求めた。θはブラッグ
角である。
【0055】(2)引張強力(引張強度)と伸度 A;繊維の引張強力(引張強度)と伸度 定速伸長型引張試験機を用い、JIS L−1013の
7に準じる方法により測定した。 B;紙の引張強力(引張強度)と伸度 定速伸長型引張試験機を用い、JIS C−2111の
7に準じる方法により測定した。
【0056】(3)比重 密度勾配管法(N−ヘプタン/四塩化炭素、25℃)によ
り求めた。
【0057】(4)紙の嵩密度 JIS C−2111の6.1に準じて測定した。 平衡水分率 JIS L−1013に準拠し、以下の方法により測定
した。 A;繊維の平衡水分率 使用する繊維を温度:105℃の雰囲気中で24時間乾
燥(絶乾)した後、温度:20℃、且つ、相対湿度:65
%RHにおいて72時間調製し、該繊維中に含まれる水
分率を求めて、該繊維中の絶乾状態での重量に対する割
合を算出し、これを百分率(%)にて表した。但し、2
種類以上の繊維を混合して用いる場合には、各繊維の平
衡水分率を独立に測定し、混合比に従って重量平均にて
表すものとする。 B;繊維紙(混抄紙)の平衡水分率 抄紙し、加熱加圧加工後の耐熱性繊維紙を温度:105
℃の雰囲気中で24時間乾燥(絶乾)した後、温度:20
℃かつ相対湿度:65%RHにおいて72時間調製し、
該耐熱性繊維紙中に含まれる水分率を求め、該耐熱性繊
維紙の絶乾状態での重量に対する割合を算出し、これを
百分率(%)にて表した。
【0058】繊維と繊維紙(混抄紙)の平均温度(熱線)膨
張係数 A;繊維の平均温度線膨張係数[繊維の長さ方向の平均
温度(熱線)膨張係数] 熱分析装置〔TMA;理学電機(株)製、サーモフレッ
クス型〕を用い、チャック間初期サンプル長:200m
m、昇降温速度:20℃/分で、常温から280℃まで
昇温(1回目)した後、該サンプルを取り付け治具ととも
に五酸化リン(P25)入りのデシケーター中で冷却した
後に、再度、常温から280℃まで昇温(2回目)した場
合の2回目の110〜250℃の温度範囲における寸法
変化量の平均値から算出し、平均温度膨張係数として表
した。なお、測定に用いるサンプルは予め、105℃の
温度で約24時間乾燥後、五酸化リン(P25)中で48
時間冷却調整したものを用いた。 B;繊維紙(混抄紙)の平均温度(熱線)膨張係数[繊維紙
の面方向の平均温度(熱線)膨張係数] 測定用サンプルとして、5mm幅の試料を用いた以外は
前記繊維の測定と同様にして行い、平均温度線膨張係数
を求めた。
【0059】(7)繊維の表面電気抵抗値 JIS−C6480の表面抵抗測定を参考にして、繊維
の長さ方向に20mmの間隔を空けて銀ペーストにより
電極を作成し、この間隔間の電気抵抗値を測定して繊維
の表面電気抵抗値とした。なお、試料の調湿条件は、2
0℃×40%RH×24時間であり、測定環境条件は2
0℃×40%RHである。
【0060】(8)抽出不純イオン量 蒸留水:50ml中に繊維:2gを小さく切断して投入
し、オートクレーブで加圧加熱処理して不純イオンを抽
出する。その抽出水についてICP分析法とイオンクロ
マトグラフ法により、各不純イオンの量を測定し、抽出
水:1リットル当たりの不純イオン量を算出した。
【0061】(9) 熱寸法変化率 高精度二次元座標測定機(ムトウ工業株(株)製)を用
い、長さ:300mm、幅:50mmの試料の長さ方向
について、熱処理前と280℃の温度で5分間熱処理し
た後の長さを測定し、下記式により熱寸法変化率を算出
した。なお、測定用の試料は、連続紙の長さ方向と幅方
向から採取して測定し、その平均値で比較判定した。
【0062】
【数2】
【0063】紙の吸脱湿による寸法変化 熱分析装置(理学電機(株)製、サーモフレックス型
「TMA」)を用い、チャック間初期サンプル長さ:2
00mm,幅:5mm、昇降温速度:10℃/分で測定
した。なお、測定用試料は常温下の85%RH以上の雰
囲気中に120時間以上保管し、十分吸湿させたものを
用いた。
【0064】温度及び湿度に対する寸法安定性の比較判
定は、上記試料を常温から280℃までの範囲内で昇温
と降温を繰り返した場合における試料の寸法変化軌跡を
描き、最初の昇温時と降温時又は2回目以降の昇温時と
降温時の試料の寸法変化軌跡について比較観察し、昇降
温操作前後または昇降温操作中における寸法変化軌跡の
最大乖離量(最大変化量=最大伸長量または最大収縮
量)を測定して、その大小により適否を判定した。即
ち、昇温時と降温時の寸法変化軌跡の乖離量の少ないも
の程、温度及び湿度変化に対して安定であり、耐熱寸法
安定性、耐変形性に優れていると判断した。
【0065】(11) 電気回路板用積層物の作成方法と
切削性の評価 高純度のブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に硬化剤と
してジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル−
4メチルイミダゾールを配合してなるエポキシ樹脂組成
物をメチルエチルケトンとメチルセルソルブの混合溶液
に溶解して得た配合ワニスを芳香族ポリアミド繊維紙に
含浸させた後、110〜120℃の温度で5〜10分間
乾燥して、樹脂分の体積含有率が55%であるBステー
ジのプリプレグ紙を作成した。
【0066】当該プリプレグ紙を18μm厚さの銅箔の
両側に積層し、その外側に同一の銅箔を積層し、更に、
その外側に35μm厚さの銅箔を積層した後、ホットプ
レスにより、減圧下で温度:170℃、圧力:39.2
daN(40kg/cm)の条件で50分間プレスを行
い、樹脂を硬化せしめて電気回路板用積層物を得、更に
温度:200℃の熱風乾燥機内で約20分間後硬化処理
を行った。
【0067】この電気回路板用積層物に高速回転(約7
万回転/分)する外径:0.5mmφのドリルで5箇所
に穴あけ加工を行い、その5箇所の穴について内壁を電
顕写真で、円筒状内壁上部近辺の切削状況を観察し、下
記の如く判定した。 ○;切削性最良⇒円筒状内壁が微小繊維の突き出しもな
く平滑状に綺麗に切削加工されている。 △;切削性良好⇒円筒状内壁に微小繊維の突き出しが若
干見られるものの、何とか実使用上問題ない状態に切削
加工されている。 ×;切削性不良⇒円筒状内壁に微小繊維の突き出しが多
く見られ平滑状に切削加工されていない状態になってい
る。
【0068】(12)電気回路板用積層物の変形量 前記(11)で作成したプリプレグ紙を18μm厚さの
銅箔の両側に積層し、その外側に35μm厚さの銅箔を
積層した後、前記(11)と同様に、ホットプレスによ
り、加熱加圧して作成したドリルによる穴あけ加工前の
電気回路板用積層物を150mm角に裁断し、該積層物
の端部から20mmの幅で両面の銅箔を枠状に残して、
中央部の110mm角相当部を全部エッチングにより銅
箔を取り除いて評価用のサンプルを作成した。この部分
エッチングされた電気回路板用積層物を260℃の温度
で10分間熱処理した後の中央部分を起点とした最大変
形量(反り量、又は捩じれや波み打ちによる浮き上がり
量)を測定し、変形量とした。
【0069】(13)高湿度下での絶縁抵抗値 前記(11)で作成したドリルによる穴あけ加工前の電
気回路板用積層板を用い、その片面に、0.15mm間
隔の櫛型電極パターンをエッチングにより形成し、60
℃×95%RHの雰囲気内で、この櫛形電極間に35V
の直流電圧を印加しながら1000時間保管した。次い
で、該櫛形電極を20℃、60%RHの雰囲気内に1時
間保管後、この櫛形電極間に直流電圧(35〜90V)
を60秒間印加して絶縁抵抗値を測定し、比較した。
【0070】電気回路板用積層物の面方向と厚さ方向の
平均熱膨張係数 前記(11)で作成したプリプレグ紙のみを用いて15
枚積層し、前記(11)と同様にしてホットプレスによ
り、加熱加圧して電気回路板用積層物を得、この積層物
について、下記の方法で平均熱線膨張を測定した。 A;積層物の面方向の平均熱膨張係数 熱分析装置[セイコー電子工業製、TMA(120)SS
C/5200]を用い、前記の電気回路板用積層物(厚
さ:1.5mm)を5mm×7mm角に裁断し、その面
方向(=7mm長さの方向)について熱膨張係数を測定し
た。測定方法は、常温〜200℃まで昇温速度:10℃
/分で昇温した後、引き続いて常温まで冷却し、更に引
き続いて同条件で250℃まで昇温し、2回目の昇温過
程における50〜250℃の温度範囲における平均熱膨
張係数を算出し、比較判定した。 B;積層物の厚さ方向の平均熱膨張係数 熱分析装置[セイコー電子工業製、TMA(120)SS
C/5200]を用い、前記の電気回路板用積層物(厚
さ:1.5mm)を5mm×5mm角に裁断し、その厚
さ方向(厚さ約1.5mmの厚さ方向) について熱膨張
係数を測定した。測定方法は、常温〜200℃まで昇温
速度:10℃/分で昇温した後、引き続いて常温まで冷
却し、更に引き続いて同条件で250℃まで昇温し、2
回目の昇温過程における50〜250℃の温度範囲にお
ける平均熱膨張係数を算出し、比較判定した。
【0071】[実施例1] 単繊維繊度:1.67dtex(1.50デニール)、比
重:1.442、平衡水分率:約7.0%のポリパラフ
ェニレンテレフタルアミド繊維(見かけの結晶サイズが
110面で55オングストローム、200面で62オン
グストローム)を工業用水の流水中に投入し、約1日間
低速で攪拌しながら充分に洗浄して含有不純イオン量を
低減させた後に乾燥し、次いで280℃の高温雰囲気中
で1分間熱処理して目的とする芳香族ポリアミド繊維を
得た。
【0072】得られた芳香族ポリアミド繊維について測
定した見かけの結晶サイズは、110面が80オングス
トローム(A),200面が83オングストローム(B)、
A×Bが6640オングストロームであった。また、そ
の他の諸物性について前記の測定方法により測定評価し
た結果は表1に示す通りであった。
【0073】[比較例1]実施例1において、芳香族ポ
リアミド繊維に工業用水の流水中での洗浄と熱処理を施
さなかった以外は実施例1と同様にして実施した。得ら
れた芳香族ポリアミド繊維について測定した見掛けの結
晶サイズは、110面が55オングストローム(A)、2
00面が62オングストローム(B)のままであり、A×
Bが3410オングストロームであった。また、その他
の諸物性について前記の測定方法により測定評価した結
果を表1に併せて示す。
【0074】[実施例2]実施例1に置いて、蒸留水の
浴中に投入して不純イオンを低減させ、且つ、熱処理温
度を325℃に変更した以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた芳香族ポリアミド繊維について測定した見
掛けの結晶サイズは、110面が102オングストロー
ム(A)、200面が86オングストローム(B)、A×B
が8772オングストロームであった。また、その他の
諸物性について、前記の測定方法により測定評価した結
果を表1に併せて示す。
【0075】[実施例3]実施例2において、蒸留水とN
−メチル-2-ピロリドンの混合溶液(濃度=6%)からな
る浴中に投入して不純イオンを低減させ、且つ、熱処理
温度を330℃に変更した以外は実施例1と同様に実施
した。得られた芳香族ポリアミド繊維について測定した
見掛けの結晶サイズは、110面が106オングストロ
ーム(A)、200面が88オングストローム(B)、A×
Bが9328オングストロームであった。また、その他
の諸物性について、前記の測定方法により測定評価した
結果を表1に併せて示す。
【0076】[実施例4]実施例1において、熱処理温
度を650℃に、また、熱処理時間を1.0秒間に変更
した以外は実施例1と同様にして実施した。得られた芳
香族ポリアミド繊維について測定した見掛けの結晶サイ
ズは、110面が278オングストローム(A)、200
面が212オングストローム(B)、A×Bが58936
オングストロームであった。また、その他の諸物性につ
いて、前記の測定方法により測定評価した結果を表1に
併せて示す。
【0077】[実施例5]単繊維繊度:1.58dte
x(1.42デニール)、比重:1.445、平衡水分
率:約4.5%のポリパラフェニレンテレフタルアミド
繊維(見かけの結晶サイズが110面で72オングスト
ローム、200面で85オングストローム)を実施例2
と同様にして洗浄して含有不純イオン量を低減させた後
に乾燥し、次いで400℃の高温雰囲気中で1分間熱処
理して目的とする芳香族ポリアミド繊維を得た。
【0078】得られた芳香族ポリアミド繊維について測
定した見かけの結晶サイズは、110面が154オング
ストローム(A)、200面が122オングストローム
(B)、A×Bが18788オングストロームであった。
また、その他の諸物性について前記の測定方法により測
定評価した結果を表1に併せて示す。
【0079】[実施例6]実施例5において、熱処理温
度を450℃に変更した以外は実施例5と同様にして実
施して目的とする芳香族ポリアミド繊維を得た。得られ
た芳香族ポリアミド繊維について測定した見かけの結晶
サイズは、110面が170オングストローム(A)、2
00面が145オングストローム(B)、A×Bが246
50オングストロームであった。また、その他の諸物性
について前記の測定方法により測定評価した結果を表1
に併せて示す。
【0080】[比較例2]実施例5において、熱処理温
度を700℃、熱処理時間を0.5分間に変更した以外
は実施例5と同様にして実施した。得られた芳香族ポリ
アミド繊維について測定した見かけの結晶サイズは、1
10面が287オングストローム(A)、200面が22
8オングストローム(B)、A×Bが65436オングス
トロームであった。しかしながら、得られた繊維はその
表面が熱酸化されて茶褐色に変色し、繊維の表面電気抵
抗値が3×107Ω/cmと低く、電気絶縁材料には使
用出来ないものであった。
【0081】[実施例7]実施例5で示した芳香族ポリ
アミド繊維を製造する工程の初期と最終段階において、
工業用流水中に浸漬しながら洗浄して含有不純イオンを
低減させた後に、550℃の超高温ヒーターに緊張下で
0.6秒間接触走行させながら熱処理して目的とする芳
香族ポリアミド繊維を得た。得られた芳香族ポリアミド
繊維について測定した見かけの結晶サイズは、110面
が107オングストローム(A)、200面が92オング
ストローム(B)、A×Bが9844オングストロームで
あった。また、その他の諸物性について前記の測定方法
により測定評価した結果を表1に併せて示す。
【0082】[実施例8]実施例5で示した芳香族ポリ
アミド繊維を製造する工程の初期と最終段階において、
工業用流水中に浸漬しながら洗浄して含有不純イオンを
低減させた後に、650℃の超高温ヒーターに緊張下で
0.5秒間接触走行させながら熱処理して目的とする芳
香族ポリアミド繊維を得た。得られた芳香族ポリアミド
繊維について測定した見かけの結晶サイズは、110面
が280オングストローム(A)、200面が224オン
グストローム(B)、A×Bが62720オングストロー
ムであった。また、その他の諸物性について前記の測定
方法により測定評価した結果を表1に併せて示す。
【0083】[実施例9]実施例8において、ヒーター
温度を600℃、ヒーターへの接触時間を0.6秒間に
変更した以外は実施例8と同様にして実施した。得られ
た芳香族ポリアミド繊維について測定した見かけの結晶
サイズは、110面が275オングストローム(A)、2
00面が208オングストローム(B)、A×Bが572
00オングストロームであった。また、その他の諸物性
について前記の測定方法により測定評価した結果を表1
に併せて示す。
【0084】[比較例3]実施例9において、ヒーター
温度を700℃、ヒーターへの接触時間を1.0秒間に
変更した以外は実施例9と同様にして実施した。得られ
た芳香族ポリアミド繊維について測定した見かけの結晶
サイズは、110面が284オングストローム(A)、2
00面が226オングストローム(B)、A×Bが641
84オングストロームであった。また、その他の諸物性
について前記の測定方法により測定評価した結果を表1
に併せて示す。得られた繊維の表面は熱酸化されて茶褐
色に変色しており、繊維の表面抵抗値は2×107Ω/
cmと低くなって、電気絶縁材料には好ましくないもの
であった。また、熱処理用ヒーター部で繊維の切断が多
発して量産試作は困難な状態であった。
【0085】
【表1】
【0086】[実施例10]実施例5で得られた芳香族
ポリアミド(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)繊
維からなるカット長5mm、平衡水分率1.7%の短繊
維90重量%と、コポリパラフェニレン・3,4’―オ
キシジフェニレン・テレフタルアミドからなり、その繊
維表面にタルクが0.5重量%、オスモスが0.1重量
%固着した単繊維繊度:1.67dtex(1.5デニ
ール)、カット長:3mm、平衡水分率1.8%の短繊
維(帝人(株)製、「テクノーラ」):4重量%と、耐熱性
有機高分子重合体からなるフィブリッドとして、平衡水
分率が4.1%のコポリパラフェニレン・3,4’―オ
キシジフェニレン・テレフタルアミドからなるフィブリ
ッド(帝人(株)製):6重量%とをパルパーにより水中
に離解分散させ、これに0.02%濃度になるように分
散剤(松本油脂(株)製、「YM−80」)を添加して、繊
維濃度:0.15重量%の短繊維とフィブリッドが分散
した抄紙用スラリー液を作成した。
【0087】次にタッピー式角型手抄機を用い、前記の
抄紙用スラリー液を使用して抄紙し、軽く加圧脱水後、
140℃の温度の熱風乾燥機中で約18分間乾燥して、
耐熱性繊維紙を得た。更に続けて、直径約350mmの
一対の硬質表面金属ロールからなるカレンダー機を用
い、温度:200℃、線圧力:156.8daN/cm
(160kg/cm)の条件で加熱、加圧した後、直径約
400mmの一対の硬質表面金属ロールからなる高温ハ
イカレンダー機を用い、温度:320℃、線圧力:19
6daN/cm(200kg/cm)の条件で加熱、加圧
して、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェ
ニレン・テレフタルアミドからなるフィブリッドを部分
的に軟化及び/または溶融させて、前記ポリパラフェニ
レンテレフタルアミド短繊維と強固に固着させ、坪量7
2g/mの芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0088】得られた芳香族ポリアミド繊維紙の平衡水
分率は1.82%であった。この紙の主な製造条件は表
2に、また、この紙の諸特性について前記の測定法によ
り測定評価した結果を表3に示す。
【0089】更に前記により得られた紙を用い、前記に
記載した方法により、配合ワニスを含浸させてプリプレ
グ紙を作成し、これを使用して作成した電気回路板用積
層物について厚さ方向の平均熱膨張係数と高湿度下での
絶縁抵抗値、切削加工性を評価した結果を表3に示す。
【0090】[比較例4]実施例10において、実施例
5で得られた芳香族ポリアミド短繊維:98重量%とコ
ポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・
テレフタルアミドからなるフィブリッド:2重量%を使
用した以外は実施例10と同様にして実施した。
【0091】この紙の主な製造条件は表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0092】更にここで得られた紙を用い、前記に記載
した方法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙
を作成し、これを使用して作成した電気回路板用積層物
について平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切
削加工性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0093】[実施例11〜15、比較例5〜6]芳香
族ポリアミド繊維からなる短繊維として、実施例5に示
した芳香族ポリアミド繊維からなるカット長:5mm、
平衡水分率:1.7%の短繊維と、コポリパラフェニレ
ン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミド
からなり、その繊維表面にタルクが0.5重量%、オス
モスが0.1重量%固着した単繊維繊度:1.67dt
ex(1.5デニール)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」)と
を用い、耐熱性有機高分子重合体からなるフィブリッド
として、平衡水分率が4.1%のコポリパラフェニレン
・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミドか
らなるフィブリッド(帝人(株)製)を用いて、それらの
混合比率を表2に示す如く変更してパルパーにより水中
に離解分散させた以外は実施例10と同様に実施して、
芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0094】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3併せてに示す。
【0095】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0096】[比較例7]比較例5において、コポリパ
ラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフ
タルアミドからなるフィブリッドに代えて、抄造工程で
水分散性エポキシ樹脂バインダーの水希釈液(固形分濃
度10重量%)をスプレー方式により、固形分重量比率
が2重量%になるように付与した以外は、比較例5と同
様に実施して芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0097】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0098】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0099】[実施例16〜17、比較例8]実施例1
2において、実施例5に示した芳香族ポリアミド繊維か
らなる短繊維と、コポリパラフェニレン・3,4’―オ
キシジフェニレン・テレフタルアミドからなり、その繊
維表面にタルクが0.5重量%、オスモスが0.1重量
%固着した単繊維繊度:1.67dtex(1.5デニ
ール)、カット:長3mm、平衡水分率:1.8%の短
繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」)とを表2に示す比率
で混合し、抄造工程で水分散性エポキシ樹脂バインダー
の水希釈液(固形分濃度:10重量%)をスプレー方式
により、表2に示す固形分重量比率となるように付与し
た以外は実施例12と同様に実施して芳香族ポリアミド
繊維紙を得た。
【0100】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0101】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0102】[実施例18]実施例12において、芳香
族ポリアミド繊維からなる短繊維として、実施例2に示
した芳香族ポリアミド繊維からなるカット長:5mm、
平衡水分率:2.7%の短繊維と、コポリパラフェニレ
ン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミド
からなり、その繊維表面にタルクが0.5重量%、オス
モスが0.1重量%固着した単繊維繊度:1.67dt
ex(1.5デニール)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」)と
を用いた以外は実施例12と同様に実施して芳香族ポリ
アミド繊維紙を得た。
【0103】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0104】得られた紙について、前記記載の方法で含
有不純イオン濃度を測定した。その結果、抽出ナトリウ
ムイオンの量は38mg/リットル、抽出カリウムイオ
ンの量は2.7mg/リットル、抽出塩素イオンの量は
7.3mg/リットルであり、何れも良好な結果であっ
た。
【0105】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0106】[実施例19〜24]芳香族ポリアミド繊
維からなる短繊維として、実施例5に示した芳香族ポリ
アミド繊維からなるカット長:5mm、平衡水分率:
1.7%の短繊維と、コポリパラフェニレン・3,4’
―オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなり、そ
の繊維表面にタルクが0.5重量%、オスモスが0.1
重量%固着した単繊維繊度:1.67dtex(1.5
デニール)、カット長:3mm、平衡水分率:1.8%
の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」)と、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミドからなり、単繊維繊度が3.
33dtex(3.0デニール)、カット長:5mmの短
繊維(帝人(株)製、「コーネックス」)と、耐熱性有機高
分子重合体からなるフィブリッドとして、平衡水分率が
4.1%のコポリパラフェニレン・3,4’―オキシジ
フェニレン・テレフタルアミドからなるフィブリッド
(帝人(株)製)とを用い、それらの混合比率を表2に示
す如く変更してパルパーにより水中に離解分散させた以
外は実施例12と同様に実施して芳香族ポリアミド繊維
紙を得た。
【0107】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0108】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0109】[実施例25〜28]実施例20におい
て、ポリメタフェニレンイソフタルアミドからなる短繊
維に代えて、実施例25ではポリパラフェニレンベンゾ
ビスチアゾールからなる短繊維を、実施例26では溶融
液晶性全芳香族ポリエステルからなる短繊維を、実施例
27ではポリエーテルエーテルケトンからなる短繊維
を、実施例28ではポリ4フッ化エチレンからなる短繊
維を、それぞれ用いた以外は実施例20と同様に実施し
て芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0110】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0111】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0112】[実施例29]芳香族ポリアミド繊維から
なる短繊維として、実施例5に示した芳香族ポリアミド
繊維からなるカット長:5mm、平衡水分率:1.7%
の短繊維:15重量%と、コポリパラフェニレン・3,
4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミドからな
り、その繊維表面にタルクが0.5重量%、オスモスが
0.1重量%固着した単繊維繊度:1.67dtex
(1.5デニール)、カット長:3mm、平衡水分率:
1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):55
重量%とを用い、耐熱性有機高分子重合体からなるフィ
ブリッドとして、平衡水分率が4.1%のコポリパラフ
ェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタル
アミドからなるフィブリッド(帝人(株)製):7.5重
量%を用い、更に、水分散性エポキシ樹脂バインダーの
水希釈液(固形分濃度:10重量%)を抄造工程でスプ
レー方式により、7.5重量%の比率(固形分重量比
率)になるように付与した以外は実施例20と同様に実
施して芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0113】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0114】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0115】[実施例30]実施例29において、スプ
レー方式により付与する水分散性エポキシ樹脂バインダ
ーの1/2(固形分重量比率)を水分散性のフェノール樹
脂バインダー(昭和高分子(株)製、固形分濃度:20
重量%)で代替した以外は、実施例29と同様に実施し
て芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0116】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0117】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0118】[実施例31]実施例12において、コポ
リパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テ
レフタルアミドからなるフィブリッドに代えて、溶融液
晶性全芳香族ポリエステルからなるフィブリッド(クラ
レ(株)製)を用いた以外は、実施例12と同様に実施
して芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0119】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0120】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0121】[実施例32]実施例12において、コポ
リパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テ
レフタルアミドからなるフィブリッドに代えて、ポリパ
ラフェニレンベンゾビスチアゾールからなるフィブリッ
ドを用いた以外は、実施例12と同様に実施して芳香族
ポリアミド繊維紙を得た。
【0122】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に合わせて示す。
【0123】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0124】[実施例33〜36、比較例9〜12]実
施例12において、ハイカレンダー加工時の温度と圧力
を表2に示す如く変更した以外は、実施例12と同様に
実施して芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0125】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により評価した結果
を表3に併せて示す。
【0126】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0127】[比較例13〜15]実施例12におい
て、芳香族ポリアミド繊維からなる短繊維として、それ
ぞれ比較例1、比較例2、比較例3に示した芳香族ポリ
アミド繊維からなる短繊維を使用した以外は実施例12
と同様に実施して芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0128】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0129】また、比較例13の試作紙について、前記
に記載の方法で含有不純イオン濃度と平衡水分率を測定
した。その結果、抽出ナトリウムイオンの量は76.9
mg/リットル、抽出カリウムイオンの量は5.3mg
/リットル、抽出塩素イオンの量は11.9mg/リッ
トル、平衡水分率は2.72%であり、電気絶縁材料と
しては不適であった。
【0130】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0131】[実施例37]芳香族ポリアミド繊維から
なる短繊維として、実施例1に示した芳香族ポリアミド
繊維からなるカット長:5mm、平衡水分率:3.2%
の短繊維と、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシ
ジフェニレン・テレフタルアミドからなり、その繊維表
面にタルクが0.5重量%、オスモスが0.1重量%固
着した単繊維繊度:1.67dtex(1.5デニー
ル)、カット長:3mm、平衡水分率:1.8%の短繊
維(帝人(株)製、「テクノーラ」)、及び、破断時の伸度
が63.7%、比重が1.349のコポリパラフェニレ
ン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミド
からなり、単繊維繊度が3.33dtex(3.0デニ
ール)、カット長:5mmの短繊維(帝人(株)製、「テ
クノーラ」)とを用い、耐熱性有機高分子重合体からなる
フィブリッドとして、平衡水分率が4.1%のコポリパ
ラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフ
タルアミドからなるフィブリッド(帝人(株)製)を用
い、それらの混合比率を表2に示す如く変更してパルパ
ーにより水中に離解分散させた以外は実施例20と同様
に実施して芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0132】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0133】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0134】[実施例38]実施例37において、芳香
族ポリアミド繊維からなる短繊維として、実施例3に示
した芳香族ポリアミド繊維からなるカット長:5mm、
平衡水分率:2.4%の短繊維と破断時の伸度が32.
3%、比重が1.368のコポリパラフェニレン・3,
4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミドからな
り、単繊維繊度が2.44dtex(2.2デニール)、
カット長:5mmの短繊維(帝人(株)製、「テクノー
ラ」)とを用い、それらの混合比率を表2に示す如く変更
した以外は、実施例37と同様に実施して芳香族ポリア
ミド繊維紙を得た。
【0135】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0136】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0137】[実施例39]実施例37において、芳香
族ポリアミド繊維からなる短繊維として、実施例6に示
した芳香族ポリアミド繊維からなるカット長:5mm、
平衡水分率:1.6%の短繊維と、破断時の伸度が1
3.5%、比重が1.384のコポリパラフェニレン・
3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミドから
なり、単繊維繊度が3.33dtex(3.0デニー
ル)、カット長:5mmの短繊維(帝人(株)製、「テク
ノーラ」)とを用いた以外は、実施例37と同様に実施し
て芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0138】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の特性について前記の測定法により測定評価した結
果を表3に併せて示す。
【0139】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0140】[実施例40]実施例39において、耐熱
性有機高分子重合体からなるフィブリッドとして、平衡
水分率が4.1%のコポリパラフェニレン・3,4’―
オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなるフィブ
リッド(帝人(株)製):7.5重量%を用い、更に、水
分散性エポキシ樹脂バインダーの水希釈液(固形分濃
度:10重量%)を抄造工程でスプレー方式により、
7.5重量%の比率(固形分重量比率)になるように付
与した以外は実施例39と同様に実施して芳香族ポリア
ミド繊維紙を得た。
【0141】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0142】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0143】[比較例16]実施例37において、芳香
族ポリアミド繊維からなる短繊維として、比較例1に示
した芳香族ポリアミド繊維からなるカット長:5mm、
平衡水分率:6.9%の短単繊維を使用した以外は実施
例37と同様に実施して芳香族ポリアミド繊維紙を得
た。この紙を加温されたジメチルアセトアミドミ溶液で
分解、濾過して、カット長:5mm近辺の繊維のみを取
り出し、広角X線回折の回折曲線から求めた見かけの結
晶サイズは110面が55オングストローム(A)、2
00面が62オングストローム(B)、A×Bが341
0オングストロームであった。
【0144】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0145】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0146】[比較例17]実施例38において、芳香
族ポリアミド繊維からなる短繊維として、比較例1に示
した芳香族ポリアミド繊維からなるカット長:5mm、
平衡水分率:6.9%の短単繊維及び破断時の伸度が1
3.5%のコポリパラフェニレン・3,4’―オキシジ
フェニレン・テレフタルアミドからなり、単繊維繊度が
3.33dtex(3.0デニール)、カット長:5mm
の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」)とを用いた以外
は実施例38と同様に実施して芳香族ポリアミド繊維紙
を得た。この紙について比較例16と同様に求めた見か
けの結晶サイズは110面が54オングストローム
(A)、200面が61オングストローム(B)、A×
Bが3294オングストロームであった。
【0147】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0148】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0149】[実施例41〜43]実施例38で得られ
た芳香族ポリアミド繊維紙を、更に熱処理するに際し実
施例41では350℃、実施例42では400℃、実施
例43では450℃の温度の加熱ロール表面に接触させ
ながら約0.5分間熱処理して目的とする芳香族ポリア
ミド繊維紙を得た。得られた紙について比較例16と同
様に求めた見かけの結晶サイズは、実施例41では11
0面が98オングストローム(A)、200面が87オ
ングストローム(B)、A×Bが8526オングストロ
ームであり、実施例42では110面が102オングス
トローム(A)、200面が88オングストローム
(B)、A×Bが8976オングストロームであり、実
施例43では110面が143オングストローム
(A)、200面が117オングストローム(B)、A
×Bが16731オングストロームであった。
【0150】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により測定評価した
結果を表3に併せて示す。
【0151】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果を表3に併せて示す。
【0152】[実施例44〜45]比較例37で得られ
た芳香族ポリアミド繊維紙を用いて、実施例44では温
度:500℃、実施例45では温度:550℃の高温雰
囲気温度中で約0.5分間熱処理して目的とする芳香族
ポリアミド繊維紙を得た。得られた紙について比較例1
6と同様に求めた見かけの結晶サイズは、実施例44で
は110面が164オングストローム(A)、200面
が138オングストローム(B)、A×Bが22632
オングストロームであり、実施例45では110面が1
76オングストローム(A)、200面が149オング
ストローム(B)、A×Bが26224オングストロー
ムであった。
【0153】この紙の主な製造条件を表2に、また、こ
の紙の諸特性について前記の測定法により評価した結果
を表3に併せて示す。
【0154】更に得られた紙を用い、前記に記載した方
法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、これを使用して作成した電気回路板用積層物につい
て平均熱膨張係数と高湿度下での絶縁抵抗値、切削加工
性を評価した結果は表3に併せて示す。
【0155】
【表2】
【0156】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01D 5/084 D01D 5/084 4L055 D21H 13/26 D21H 13/26 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB06 AB31 AD13 AD23 AD43 AG03 AH21 AK05 4J001 DA01 DB01 DB04 EB36 EB37 EB55 EB57 EC45 EC46 EC65 EC67 FB03 FB06 FC03 FC06 FD01 JA10 JB18 JC04 4J002 CC00W CD00W CK02W CL06X FA04X GC00 4L035 DD19 EE01 EE20 FF01 FF05 MG02 MG04 MG08 4L045 AA05 BA03 BA50 BA60 DA12 DA15 4L055 AF35 AG79 AG87 AG97 AH37 BE02 BE20 EA04 EA09 EA15 EA20 EA29 EA32 FA18 FA30 GA02 GA33 GA37

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミド繊維を製糸する際、及
    び/又は、製糸した後に、該芳香族ポリアミド繊維を2
    50〜680℃の温度範囲の高温雰囲気中を通過させる
    か、若しくは、温度:250〜680℃のヒーターに接
    触させて熱履歴を付与することにより、広角X線回折の
    回折強度曲線からScherrer式により求めた該芳香族ポリ
    アミド繊維の110面と200面における見かけの結晶
    サイズが下記(1)〜(3)を同時に満足し、且つ、1
    00〜250℃の温度範囲における該芳香族ポリアミド
    繊維の温度線膨張係数を−0.5×10-6/℃〜−7.
    5×10-6/℃の範囲にすることを特徴とする芳香族ポ
    リアミド繊維の製造方法。 (1)110面の結晶サイズ(A)が75(オングスト
    ローム)以上 (2)200面の結晶サイズ(B)が82(オングスト
    ローム)以上 A×Bが6150〜63000
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミド繊維の110面と20
    0面における見かけの結晶サイズが下記(1)〜(3)
    を同時に満足し、且つ、100〜250℃の温度範囲に
    おける該芳香族ポリアミド繊維の温度線膨張係数を−
    0.5×10-6/℃〜−7.5×10-6/℃の範囲にす
    ることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 (1)110面の結晶サイズ(A)が100(オングス
    トローム)以上 (2)200面の結晶サイズ(B)が85(オングスト
    ローム)以上 A×Bが8500〜63000
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミド繊維が、ポリパラフェ
    ニレンテレフタルアミド繊維である請求項1に記載され
    た芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリアミド繊維がパラ型芳香族ポ
    リアミド繊維からなり、該パラ型芳香族ポリアミド繊維
    を流水中若しくは水浴中で、又は、有機系溶剤と水との
    混合流水中若しくは混合浴中で洗浄して芳香族ポリアミ
    ド繊維からの抽出不純イオン量が、下記(a)〜(c)
    を同時に満足する芳香族ポリアミド繊維を使用する請求
    項1に記載された芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 (a)抽出ナトリウムイオンの量≦40mg/リットル (b)抽出カリウムイオンの量≦3.0mg/リットル (c)抽出塩素イオンの量≦7.5mg/リットル (抽出不純イオン量の測定方法)蒸留水50ml中に繊
    維2gを小さく切断して投入し、オートクレーブで加圧
    加熱処理して不純イオンを抽出する。その抽出水につい
    てICP分析法とイオンクロマトグラフ法により、各不
    純イオンの量を測定し、抽出水1リットル当たりの不純
    イオン量を算出した。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリアミド短繊維と有機系樹脂バ
    インダー及び/又は耐熱性の有機高分子重合体からなる
    フィブリッドを用いて芳香族ポリアミド繊維紙を製造す
    る方法において、紙の全重量に占める該芳香族ポリアミ
    ド繊維の量が60〜96重量%の範囲に、該有機系樹脂
    バインダー及び/又は耐熱性の有機高分子重合体からな
    るフィブリッドの量が4〜40重量%の範囲となるよう
    に調整し均一分散した水性スラリーとし、該水性スラリ
    ーを用いて湿式抄紙した後乾燥し、該乾燥紙を加熱加圧
    処理及び/又は加熱処理することにより、得られる紙に
    含有される芳香族ポリアミド繊維の一部について広角X
    線回折の回折強度曲線からScherrer式により求めた該芳
    香族ポリアミド繊維の110面と200面における見か
    けの結晶サイズが下記(1)〜(3)を同時に満足し、
    且つ、100〜250℃の温度範囲における該芳香族ポ
    リアミド繊維の温度線膨張係数が−0.5×10-6/℃
    〜−7.5×10-6/℃の範囲となるようにすることを
    特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法。 (1)110面の結晶サイズ(A)が75(オングスト
    ローム)以上 (2)200面の結晶サイズ(B)が82(オングスト
    ローム)以上 A×Bが6150〜63000
  6. 【請求項6】 芳香族ポリアミド繊維の110面と20
    0面における見かけの結晶サイズが下記(1)〜(3)
    を同時に満足し、且つ、100〜250℃の温度範囲に
    おける該芳香族ポリアミド繊維の温度線膨張係数を−
    0.5×10-6/℃〜−7.5×10-6/℃の範囲にす
    る請求項5に記載された芳香族ポリアミド繊維紙の製造
    方法。 (1)110面の結晶サイズ(A)が100(オングス
    トローム)以上 (2)200面の結晶サイズ(B)が85(オングスト
    ローム)以上 (3)A×Bが8500〜63000
  7. 【請求項7】 芳香族ポリアミド繊維として、メタ型芳
    香族ポリアミド繊維からなる短繊維、及び/又は、破断
    時の伸度が5.5%以上であるパラ型芳香族ポリアミド
    繊維からなる短繊維:3〜40重量%、並びに、ポリパ
    ラフェニレンテレフタルアミド繊維:60〜97重量%
    からなる短繊維を含んでなる請求項5、又は、請求項6
    に記載された芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 芳香族ポリアミド繊維として、メタ型芳
    香族ポリアミド繊維からなる短繊維、及び/又は、破断
    時の伸度が5.5%以上であるパラ型芳香族ポリアミド
    繊維からなる短繊維:3〜30重量%、並びに、ポリパ
    ラフェニレンテレフタルアミド繊維からなる短繊維:4
    〜69重量%及びコポリパラフェニレン・3,4’−オ
    キシジフェニレン・テレフタルアミド繊維からなる短繊
    維:1〜66重量%を用いた請求項5、又は、請求項6
    に記載された芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法。
  9. 【請求項9】 メタ型芳香族ポリアミド繊維からなる短
    繊維が、ポリメタフェニレンイソフタルアミドからなる
    短繊維である請求項7、又は、請求項8に記載された芳
    香族ポリアミド繊維紙の製造方法。
  10. 【請求項10】 破断時の伸度が5.5%以上であるパ
    ラ型芳香族ポリアミド繊維からなる短繊維が、コポリパ
    ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
    タルアミド繊維からなる短繊維である請求項7〜請求項
    9のいずれか1項に記載された芳香族ポリアミド繊維紙
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 加熱加圧処理の条件として、温度:2
    20〜400℃、線圧力:147〜245daN/cm
    を用いて加熱加圧処理を行い、有機高分子重合体からな
    るフィブリッドを部分的に軟化及び/又は溶融させる請
    求項5〜請求項10のいずれか1項に記載された芳香族
    ポリアミド繊維紙の製造方法。
  12. 【請求項12】 加熱処理の条件として、温度:280
    〜600℃の高温雰囲気中を通過させるか、若しくは、
    温度:250〜550℃の加熱ロール及び/又はヒータ
    ーに接触させて、加熱処理を行う請求項5〜請求項11
    のいずれか1項に記載された芳香族ポリアミド繊維紙の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載した条件により加熱
    加圧処理を施した後に請求項12に記載した条件により
    加熱処理を行う請求項11、又は、請求項12に記載さ
    れた芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法。
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