JP3556114B2 - 芳香族ポリアミド繊維紙 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性寸法安定性に優れ、特に電気回路板用積層物を製造するために好適に使用できる芳香族ポリアミド繊維紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気回路板用積層物に使用される基材には、耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、電気絶縁性、耐変形性(捩じれ、反り、波打ちなどを生じ難いこと)、ビア形成時のレーザー加工性及び軽量性などの諸特性が要求される。芳香族ポリアミド繊維紙は、他素材からなる紙基材に比べ、耐熱性、電気絶縁性、耐熱寸法安定性、軽量性などの点で優れているため、最近では、この電気回路板用積層物の基材にも活用されつつある。
【0003】
例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド短繊維(コーネックス;帝人株式会社製)とポリメタフェニレンイソフタルアミドパルプ(フィブリッド)からなる紙「芳香族ポリアミド繊維紙(特開平2−236907号公報や特開平2−106840号公報)」、ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維(ケブラー;デュポン株式会社製)やコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド短繊維(テクノーラ;帝人株式会社製)と有機系樹脂バインダーからなる芳香族ポリアミド繊維紙「樹脂含浸シート(特開平1−92233号公報)や芳香族ポリアミド繊維紙の製造方法(特開平2−47392号公報)」などが提案されている。
【0004】
しかし、前者の繊維紙は、250℃以上の高温で熱処理されると収縮して寸法変化を生じるばかりでなく、繊維の平衡水分率(含水率)が高く且つ不純イオンの含有量も多いので、特に長期間高湿下で保持された場合における電気絶縁性に劣るため、高度な信頼性が要求される電気絶縁用基材には使用できない。
【0005】
一方、後者の繊維紙は、繊維の平衡水分率及び不純イオンの含有量の点では優れているものの、有機系樹脂のみをバインダー成分として使用しているため、繊維紙の製造工程でバインダー成分が紙の表裏側にマイグレーションして偏在化する結果、紙の中層部に存在するバインダー成分の量は微小となり、得られる繊維紙の厚さ方向の均一性が低下して信頼性が悪化するという問題がある。
【0006】
このような繊維紙を電気回路板用積層物の基材として使用すると、その製造工程、特にエポキシ樹脂などの配合ワニスを含浸、乾燥させるプリプレグ工程や当該プリプレグ品を積層成形する工程などで、配合ワニスの含浸量(特に厚さ方向)や付着量のバラツキが拡大したり、バインダー用樹脂の一部が溶融して繊維間の接着力低下を招き紙基材の切断が発生したり、さらには、短繊維が相互移動し易くなるために繊維密度分布の均一性が悪化して、特に高温で処理されるハンダリフロー工程終了後の電気回路板用積層物に変形が生じるという問題があり好ましくなかった。
【0007】
また、バインダー成分として有機系樹脂を用いる代わりにメタ型芳香族ポリアミドフィブリッドを用いて、パラ型芳香族ポリアミド短繊維(例えばケブラー;デュポン株式会社製)とフィブリル化されたパラ型芳香族ポリアミドの微小繊維(例えばケブラー;デュポン株式会社製)とを結合せしめた繊維紙「高密度パラアラミド紙(特開昭61−160500号公報)」が提案されている。
【0008】
この繊維紙は、耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、耐変形性(捩じれ、反り、波打ちなどを生じ難いこと)などの特性は改良されるものの、その構成短繊維がホモポリマーからなる短繊維であるため、炭酸ガスレーザー等を用いてビアを形成させると、ビア内壁に多数の凹凸ができ、メッキ処理後も該凹凸がそのまま残ってしまうという問題があり、この改善が強く望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性並びに高湿下における電気絶縁性に優れ、特に電気回路板用積層物の基材として好適で、従来の芳香族ポリアミド繊維紙における上記諸問題、とりわけ電気回路板用積層物の製造工程における変形(捩じれ、反り、波打ちなど)発生や高湿下における電気絶縁性不足及びレーザー加工性の問題が解消される新規な芳香族ポリアミド繊維紙を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、芳香族ポリアミド繊維紙を構成するパラ型芳香族ポリアミド短繊維として、ホモポリマーからなる短繊維とコポリマーからなる短繊維とを混在させるとき、所望の芳香族ポリアミド繊維紙が得られることを究明した。
【0011】
かくして本発明によれば、パラ型芳香族ポリアミド短繊維と軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維、及び有機系バインダーとを主成分としてなる芳香族ポリアミド繊維紙において、該紙の全重量中に占める該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の量が50〜95重量%であり、且つ、該パラ型芳香族ポリアミド短繊維が、該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して5〜95重量%のホモポリマーからなる短繊維と、5〜95重量%のコポリマーからなる短繊維とを含むと共に、該紙の熱寸法変化率が0.04〜0.11%であることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における芳香族ポリアミド繊維紙とは、パラ型芳香族ポリアミド短繊維と軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維、及び有機系バインダーからなる紙状物、不織布、もしくはシート状物を含むものである。
【0013】
ここで、パラ型芳香族ポリアミド短繊維とは、ポリアミドを構成する繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、下記式(I)で表される芳香族ホモポリアミド、または、芳香族コポリアミドからなる短繊維である。
【0014】
ここでAr1、Ar2は芳香族基を表し、なかでも下記式(II)から選ばれた同一の、または、相異なる芳香族基が好ましい。但し、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3個の低級アルキル基、フェニル基などで置換されていてもよい。
【0015】
【化1】
Figure 0003556114
【0016】
【化2】
Figure 0003556114
【0017】
具体的には、ポリパラフェニレンテレフタラミド繊維、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタラミド繊維等のパラ型全芳香族ポリアミド繊維などが例示される。
【0018】
このような全芳香族ポリアミド繊維の製造方法や繊維特性については、例えば、英国特許第1501948号公報、米国特許第3733964号公報、第3767756号公報、第3869429号公報、日本国特許の特開昭49−100322号公報、特開昭47−10863号公報、特開昭58−144152号公報、特開平4−65513号公報などに記載されている。
【0019】
上記のパラ型芳香族ポリアミド短繊維が該紙の全重量中に占める比率は50〜95重量%であることが必要である。該比率が上記範囲を外れる場合は、得られる芳香族ポリアミド繊維紙の耐熱性や寸法安定性が不良となる。
【0020】
また、上記のパラ型芳香族ポリアミド短繊維は、該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して5〜95重量%のホモポリマーからなる短繊維と、5〜95重量%のコポリマーからなる短繊維とを含むことが必要である。
【0021】
ホモポリマーからなる短繊維とコポリマーからなる短繊維との比率が上記範囲を外れると、得られる芳香族ポリアミド繊維紙の、寸法安定性とレーザー加工性との両立が困難になる。
【0022】
また、軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維とは、220℃以上で軟化が起こり、後述の有機系バインダーと共にパラ型芳香族ポリアミド短繊維間を結合できる短繊維であれば特に制限はないが、中でもメタ型芳香族ポリアミド短繊
維が好ましい。該熱可塑性樹脂短繊維が該紙の全重量中に占める比率は2〜30重量%であることが好ましい。該比率が上記範囲を外れる場合は、得られる芳香族ポリアミド繊維紙の耐熱性や寸法安定性が不良となる場合がある。
【0023】
メタ型芳香族ポリアミド短繊維とは、芳香族ポリアミド短繊維のうち、延鎖結合の50モル%以上が非共軸で非平行の芳香族ポリアミドからなる短繊維であって、例えば、ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸等の一種又は二種以上と、ジアミンとしてメタフェニレンジアミン、4,4−ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン等の一種又は二種以上を使用したホモポリマー又は共重合ポリマーからなる短繊維をあげることができる。
【0024】
その代表的な例は、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリメタキシレンテレフタルアミド、あるいはイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、メタフェニレンジアミン等を共重合せしめた共重合ポリマーからなる短繊維等であり、これらの中で特に繰り返し単位の80モル%以上、さらに好ましくは、90モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミドである芳香族ポリアミド短繊維が好ましい。
【0025】
上述の芳香族ポリアミド短繊維及び軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維の単繊維繊度は、0.3〜5.0デニールであることが好ましい。0.3デニール未満では、製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定に生産することが困難になるだけでなく、コストも高くなるため望ましくない。一方、5.0デニールを越えると、繊維の機械的物性、特に強度低下が大きくなるため実用的でなくなる。なお芳香族ポリアミド短繊維は、その一部が機械的にフィブリル化されていてもよいが、その割合が多くなりすぎると配合ワニスの含浸性が低下する等本発明の目的を阻害するようになるので、できるだけその割合は少なくすることが望ましい。
【0026】
また、上記短繊維の繊維長は、2〜12mmであることが好ましい。該繊維長が2mm未満の場合、得られる芳香族ポリアミド繊維紙(繊維集合体)の機械的物性が不十分なものとなりやすい。一方繊維長が12mmを越える場合は、短繊維の開繊性、分散性等が悪化して得られる繊維集合体の均一性が損なわれ、やはり機械的物性が不十分なものとなりやすい。
【0027】
本発明で用いる芳香族ポリアミド繊維紙中のバインダー成分(結合剤)としては、水分散型有機樹脂バインダーが好ましく、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂及びフッ素樹脂などが例示される。なかでも分子内にエポキシ官能基を有する水分散可能なエポキシ系の樹脂が、プリプレグ製造工程で含浸させる配合ワニスとの相溶性が良く最適である。
【0028】
次に、また、バインダー成分の他の例としては、有機高分子重合体からなるフィブリッドが挙げられる。ここで、フィブリッドとは、湿式抄造工程において、バインダー性能を呈する微小フィブリルを有する薄葉状、鱗片状の小片、又はランダムにフィブリル化した微小短繊維の総称であり、例えば、特公昭35−11851号公報、特公昭37−5732号公報等に記載の如く、有機高分子重合体溶液を該高分子重合体溶液の沈澱剤及び剪断力が存在する系において混合することにより製造されるフィブリッドや、特公昭59−603号公報に記載の如く、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性を有する成形物に叩解等の機械的剪断力を与えてランダムにフィブリル化させたフィブリッドが例示され、なかでも前者の方法によるものが最適である。
【0029】
かかる有機系バインダーの芳香族ポリアミド繊維紙中に占める割合は、3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%とする必要がある。バインダーの割合が3重量%未満では、例えば抄紙時における短繊維間の結合力、接着力が小さくなりすぎて充分な引張強度を発現し得なくなり、その後のカレンダー加工工程や配合ワニスを含浸するプリプレグ製造工程などで切断し易くなり好ましくない。一方30重量%を越えると、配合ワニスの含浸性を阻害して含浸不良や含浸ムラを生じさせ、配合ワニスの特性を充分に発揮できなくするため、電気絶縁回路板用積層物の基材として不適当なものとなり好ましくない。
【0030】
以上に述べた本発明の芳香族ポリアミド繊維紙は、従来公知のいかなる方法で製造してもよく、例えば、芳香族ポリアミド短繊維及び軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維を定められた所定の比率になるように秤量し、繊維濃度が約0.15〜0.40重量%になるように水中に投入して均一分散、調整した水性スラリー中に、必要に応じて、分散剤や粘度調整剤を加えた後、長網式や丸網式等の抄紙機による湿式抄造法で湿紙を形成し、この湿紙に有機系のバインダー樹脂をスプレー方式等により所定の固形分比率の重量になるよう付与した後に、乾燥して得た乾燥紙を加熱加圧加工することにより、所望の芳香族ポリアミド繊維紙を得ることができる。
【0031】
あるいは、芳香族ポリアミド短繊維を高速流体で開繊しながらベルト上にランダムに積層した後、有機系のバインダー樹脂をスプレー方式で必要量付与し、加熱加圧、乾燥して目的とする芳香族ポリアミド繊維紙を得ることもできる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中で用いた試験片の作製方法及び物性の測定法は以下の通りである。
【0033】
<試験片の作製方法>
(1)プリプレグの作製
高純度のブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に硬化剤としてジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル−4メチルイミダゾールを配合してなるエポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトンとメチルセルソルブの混合溶液に溶解して得た配合ワニスを芳香族ポリアミド繊維紙に含浸させた後、110〜120℃で5〜10分間乾燥して、樹脂分の体積含有率が55%であるBステージのプリプレグ紙を作製した。
【0034】
(2)電気回路板用積層物の作製
上記プリプレグを5枚重ね、両側に厚さ18μの銅箔を積層して圧力20〜50kg/cm2、温度170〜260℃の条件で60分間加熱プレスを行い、樹脂を硬化せしめて電気回路板用積層物を得、更に230℃の熱風乾燥機内で約20分間後硬化処理を行った。
【0035】
(3)電気回路板用積層物へのビア作製
上記電気回路板用積層物の表面銅箔をエッチングして除去した後、炭酸ガスレーザーを用いて直径200μmのビアを作製した。
【0036】
<物性の測定方法>
(1)紙の引張強力
定速伸長型引張試験機を用い、JIS C−2111の7に準拠する方法で測定した。
【0037】
(2)紙の層間剥離強力
定速伸長型引張試験機を用い、長さ200mm,幅15mmの試料の中間層部をT字状に剥離する時の強力(g/15mm)を測定した。
【0038】
(3)紙の熱寸法変化率
高精度二次元座標測定機(ムトウ工業株式会社製)を用い、長さ300mm、幅50mmの試料の長さ方向について、熱処理前と温度280℃で5分間熱処理した後の長さを測定し、下記計算式により熱寸法変化率を算出した。なお、測定用の試料は、連続紙の長さ方向と幅方向から採取して測定し、その平均値で比較判定した。
【0039】
【数1】
Figure 0003556114
【0040】
(4)電気回路板用積層物の反り量
電気回路板用積層物を裁断し、当該積層物の端部から20mmの幅で両面の銅箔を枠状に残して、中央部の200mm角相当部を全部エッチングにより銅箔を取り除いて評価用のサンプルを作製する。
この部分エッチングされた電気回路板用積層物を定盤上に置き、該積層物の四隅で浮きあがりの最も大きい個所の浮き上がり量を測定した。
【0041】
(5)電気回路板用積層物のビアの精度
ビアの中心を通るように積層板を切断し、電子顕微鏡にてビアの内径を5μm毎に測定して、下記式によりビア精度を算出した。ビア精度が5%未満を○、5%以上10%未満を△、10%以上を×とした。
【0042】
【数2】
Figure 0003556114
【0043】
[実施例1〜7]
パラ型芳香族ポリアミド短繊維として、単繊維繊度1.5デニール、繊維長3mmのコポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなる繊維(帝人(株)製:テクノーラ)及び単繊維繊度1.4デニール、繊維長3mmのポリパラフェニレン・テレフタルアミドからなる繊維(デュポン社製:ケブラー49)を用い、軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維として、単繊維繊度3.0デニール、繊維長6mmのポリメタフェニレン・イソフタルアミドからなる繊維(帝人(株)製:コーネックス)を用いて、表1に示す比率で混合した後、パルパーにより水中に離解分散させ、これに0.02%濃度になるように分散剤(松本油脂(株)製:YM−80)を添加して、繊維濃度0.15重量%の抄紙用スラリー液を作成した。
【0044】
次にタッピー式角型手抄機を用い、該抄紙用スラリー液を使用して抄紙し、軽く加圧脱水後、固形分濃度2重量%の水分散性エポキシ樹脂バインダー(大日本インキ化学工業(株)製:ディックファインEN-0270)を、該樹脂分が表1の割合となるようにスプレー方式で付与した後、160℃の熱風乾燥機中で約20分間乾燥して、坪量60g/m2の芳香族ポリアミド繊維紙を得た。得られた芳香族ポリアミド繊維紙のカレンダー加工条件を表2に、また、該芳香族ポリアミド繊維紙及びそれから作製された電気回路板用積層物の物性を表3に示す。
【0045】
[従来例1]
単繊維繊度1.5デニール、繊維長3mmのコポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなる繊維(帝人(株)製:テクノーラ)を表1に示す比率でパルパーにより水中に離解分散させ、これに0.02%濃度になるように分散剤(松本油脂(株)製:YM−80)を添加して、繊維濃度0.15重量%の抄紙用スラリー液を作成した。
【0046】
次にタッピー式角型手抄機を用い、該抄紙用スラリー液を使用して抄紙し、軽く加圧脱水後、固形分濃度2重量%の水分散性エポキシ樹脂バインダー(大日本インキ化学工業(株)製:ディックファインEN-0270)を、該樹脂分が表1の割合となるようにスプレー方式で付与した後、160℃の熱風乾燥機中で約20分間乾燥して、坪量60g/m2の芳香族ポリアミド繊維紙を得た。得られた芳香族ポリアミド繊維紙のカレンダー加工条件を表2に、また、該芳香族ポリアミド繊維紙及びそれから作製された電気回路板用積層物の物性を表3に示す。
【0047】
[比較例1〜
実施例1において、ホモポリマー及びコポリマーからなるパラ型芳香族ポリアミド短繊維並びに軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維の混合比率を表1の如く変更した以外は実施例1と同様に実施した。尚、比較例はコポリマーからなる芳香族ポリアミド短繊維を使用しなかった例である。得られた芳香族ポリアミド繊維紙のカレンダー加工条件を表2に、また、該芳香族ポリアミド繊維紙及びそれから作製された電気回路板用積層物の物性を表3に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003556114
【0049】
【表2】
Figure 0003556114
【0050】
【表3】
Figure 0003556114

Claims (6)

  1. パラ型芳香族ポリアミド短繊維と軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維、及び有機系バインダーとを主成分としてなる芳香族ポリアミド繊維紙において、該紙の全重量中に占める該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の量が50〜95重量%であり、且つ、該パラ型芳香族ポリアミド短繊維が、該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して5〜95重量%のホモポリマーからなる短繊維と、5〜95重量%のコポリマーからなる短繊維とを含むと共に、該紙の熱寸法変化率が0.04〜0.11%であることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙。
  2. 軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維がメタ型芳香族ポリアミド繊維である請求項1記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  3. 有機系バインダーがエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の水分散型有機樹脂バインダーである請求項1又は2記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  4. パラ型芳香族ポリアミド短繊維及び軟化温度220℃以上の熱可塑性樹脂短繊維の繊維長が2〜12mmの範囲にある請求項1〜のいずれか1項に記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  5. 芳香族ポリアミド繊維紙に熱硬化性樹脂を含浸して形成されたプリプレグであって、該芳香族ポリアミド繊維紙が、請求項1〜のいずれか1項に記載の芳香族ポリアミド繊維紙であることを特徴とするプリプレグ。
  6. 熱硬化性樹脂を含浸した芳香族ポリアミド繊維紙を加熱加圧成形して形成された積層板であって、該芳香族ポリアミド繊維紙が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族ポリアミド繊維紙であることを特徴とする積層板。
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