JP2001192816A - 防着板装置 - Google Patents

防着板装置

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JP2001192816A
JP2001192816A JP2000007881A JP2000007881A JP2001192816A JP 2001192816 A JP2001192816 A JP 2001192816A JP 2000007881 A JP2000007881 A JP 2000007881A JP 2000007881 A JP2000007881 A JP 2000007881A JP 2001192816 A JP2001192816 A JP 2001192816A
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一也 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防着板に付着する蒸発物の付着量を減少させて
付着物の剥離がなく、特にMgO膜の成膜に適した防着
板装置を提供すること。 【解決手段】真空室1内に設けた蒸発源4の上方に、蒸
発物の目的方向以外への飛散を防止する防着板9を備え
た装置に於いて、防着板にヒーター10を取り付けると
共に該ヒーターにその温度を調節する温度調節装置11
を接続した。防着板には温度調節装置に接続された熱電
対その他の温度検出手段を取り付ける。真空室内に、回
転式の蒸発源、蒸発源の蒸発材料を加熱する加熱手段、
蒸発源に対向した基板、及び反応性ガス導入口を設け、
該蒸発源の上方に、該基板の方向以外へ向かう蒸発物の
飛散を防止する金属製の防着板を設けた装置構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性イオンプレ
ーティング装置等の真空装置に設けられる防着装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、反応性イオンプレーティング装置
などの蒸着装置で、蒸発源からの蒸発物が真空室内の壁
面に付着して汚染することを防止するため、図1及び図
2に示すように、真空室a内の蒸発源bの上方に防着板
cを設けることが行われている。これらの図に示したも
のは、反応性イオンプレーティング装置で、ホローカソ
ード電子銃dにより回転式の蒸発源b内の蒸発材料を加
熱蒸発させ、その蒸発物をガス導入管fから導入した反
応性ガスと反応させて上方の基板eに付着させて成膜
し、該防着板cの汚れが大きくなった時点でこれの清掃
が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該防着板cは、被膜形
成目的物である基板eよりも蒸発源bから近い位置に設
けられるため、蒸発物は大きな成膜速度で付着すること
になる。そのため防着板cに付着した蒸発物は144時
間ほどの短時間で40mm程度に厚膜化し、その後剥離
するようになり、剥離した蒸発物が蒸発源b内へ混入し
て異常放電を発生させ、放電持続が困難になるという問
題があった。この厚膜化した付着蒸着物を清掃すれば、
この問題は解消できるが、短時間で清掃を行うことで運
転効率が低下する不都合を伴う。
【0004】また、図示の装置で基板eにMgOの成膜
を行うべく蒸発源bにMgを用意し、蒸発するMgを基
板近傍に導入した酸素ガスと反応させて基板eにMgO
膜を形成するイオンプレーティングの場合、防着板cに
は発火性のMgが付着するため、防着板cの清掃等のメ
ンテナンスを行うべく真空室内を大気に開放した際、M
g付着物が発火する恐れがあってメンテナンス作業に注
意を払う必要があった。特に同図示のように、防着板c
のホローカソード電子銃dの部分だけをMg蒸気の流通
用に開口したものは、防着板cの蒸発源bに近い部分に
は、酸素の供給が非常に少ないことから、非常に速い堆
積速度でMgが付着し、短時間で剥離が発生して好まし
くない。
【0005】本発明は、防着板に付着する蒸発物の付着
量を減少させて付着物の剥離がなく、特にMgO膜の成
膜に適した防着板装置を提供することをを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、真空室内に
設けた蒸発源の上方に、蒸発物の目的方向以外への飛散
を防止する防着板を備えた装置に於いて、該防着板にヒ
ーターを取り付けると共に該ヒーターにその温度を調節
する温度調節装置を接続することにより、上記の目的を
達成するようにした。該防着板には、該温度調節装置に
接続された熱電対その他の温度検出手段を取り付けるこ
とが好ましい。この構成は、真空室内に、回転式の蒸発
源、該蒸発源の蒸発材料を加熱するホローカソード電子
銃その他の加熱手段、該蒸発源に対向した基板、及び反
応性ガス導入口を設け、該蒸発源の上方に、該基板の方
向以外へ向かう蒸発物の飛散を防止する金属製の防着板
を設けた反応性イオンプレーティング装置に適用するこ
とで、防着板には薄いMgO膜が付着するだけでメンテ
ナンスも安全にしかも簡単に行える。
【0007】
【発明の実施の形態】図面に基づき本発明の実施の形態
を説明すると、図3及び図4は反応性イオンプレーティ
ング装置に適用した例を示し、符号1は真空ポンプ14
により真空排気された真空室、符号2は該真空室1の上
方に設置された長手の基板で、該基板2の下方に回転軸
3により回転される回転式の蒸発源4を2基設けた。該
蒸発源4内に収容したMg等の蒸発材料は、4本のホロ
ーカソード電子銃5から成る加熱手段の電子ビームが陽
極である蒸発源4に入射することにより加熱蒸発され
る。該基板2の成膜面の近傍には、反応性ガスを導入す
るガス導入口6を設け、蒸発源4から蒸発する蒸発物と
該反応性ガスとが反応した膜が該基板2に形成されるよ
うにした。
【0008】該蒸発源4の上方には、ホローカソード電
子銃5のビームが通過できる程度の開口7と、基板2の
蒸着面に相当する大きさの蒸着開口8を備えた金属製の
防着板9を設け、これにより蒸発源4からの蒸発物13
が該開口7を介して目的方向である基板2の蒸着面以外
の方向、即ち真空室1の室壁や構造物の方向へ飛散して
付着することが防止される。
【0009】こうした構成は、従来のものと特に変わり
がないが、該防着板9に付着する蒸発物が厚膜化するこ
とにより前記した問題を生じるので、本発明では、該防
着板9にヒーター10を取り付けると共に該ヒーター1
0に温度調節装置11を接続し、該防着板9の温度を付
着した蒸発物が蒸発する温度に制御した。該防着板9に
は該温度調節装置11に接続した熱電対12等の温度検
出手段を設け、これで温度検出しながら該防着板9の温
度を一定に制御するようにした。該ヒーター10は、防
着板9の背面、即ち真空室1の壁面側10aに設けるよ
うにし、該ヒーター10としてはシースヒーターその他
の電気ヒーターが使用される。
【0010】図3及び図4に示すイオンプレーティング
装置に於いて、蒸発源4にMgの蒸発材料を収容して真
空室1内を10-2Paに排気すると共にガス導入口6か
ら酸素の反応性ガスを導入し、ホローカソード電子銃5
の電子ビームによりMg蒸発物を蒸発させる。また、該
ヒーター10を作動させ、防着板9をMgの再蒸発が可
能な温度である500℃一定に加熱しておく。蒸発物は
開口7及び蒸着開口8を介して基板2に到達し、酸素ガ
スと反応してMgO膜が基板2の蒸着面に形成される。
蒸発物は目的とする基板2以外の方向にも拡散し、蒸発
源4の直上の防着板9aの下面及び上下方向の防着板9
bの蒸発物通過側の面にも付着するが、該防着板9が加
熱されているので付着したMg蒸発物は再蒸発する。蒸
発源4の直上の防着板9aの下面は、前記したように最
も厚く蒸発物の付着が見られる場所で、これが剥離する
と異常放電を発生することになるが、防着板9をヒータ
ー10で加熱しておくことで144時間の連続成膜で
も、該防着板9の下面には3mmの厚さでしか付着せ
ず、剥離が全く生じなかった。しかもその付着した薄い
Mg膜は、開口7から回り込むわずかな酸素ガスにより
酸化され、メンテナンスのために該真空室1内を大気に
曝しても発火することがなく、ガスバーナーで10秒間
加熱したが発火しなかった。尚、図1に示した従来の反
応性イオンプレーティング装置の防着板に付着したMg
膜は、ガスバーナーを10秒間当てると発火した。
【0011】ホローカソード電子銃5の加熱手段の代わ
りに、トランスバース式電子銃、差動排気系を有するピ
アス式電子銃、或いは浦本式プラズマガン等を使用して
もよい。また、反応性イオンプレーティング装置に限ら
ず、付着膜の剥離による異常放電やメンテナンス時の発
火の生じる蒸着装置に本発明は好都合に適用できる。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、真空
蒸着装置に設けた防着板にヒーターを取り付けると共に
該ヒーターにその温度を調節する温度調節装置を接続し
たので、蒸着中に防着板に付着する付着物の厚さを薄く
してこれの剥離による異常放電を防止することができ、
メンテナンスも容易になり、特にMgOの反応性イオン
プレーティングに適用して長時間に亘り蒸着し且つ安全
にメンテナンスすることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の防着板装置の截断側面図
【図2】図1の側面図
【図3】本発明の実施の形態を示す截断側面図
【図4】図3の側面図
【符号の説明】
1 真空室、2 基板、4 蒸発源、5 ホローカソー
ド電子銃(加熱手段)、6 ガス導入口、9 防着板、
10 ヒーター、11 温度調節装置、12 熱電対、
13 蒸発物、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉内 利春 茨城県つくば市東光台5−9−7 日本真 空技術株式会社筑波超材料研究所内 Fターム(参考) 4K029 CA04 DA10 DB23 DD05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空室内に設けた蒸発源の上方に、蒸発物
    の目的方向以外への飛散を防止する防着板を備えた装置
    に於いて、該防着板にヒーターを取り付けると共に該ヒ
    ーターにその温度を調節する温度調節装置を接続したこ
    とを特徴とする防着板装置。
  2. 【請求項2】上記防着板に、上記温度調節装置に接続さ
    れた熱電対その他の温度検出手段を取り付けたことを特
    徴とする請求項1に記載の防着板装置。
  3. 【請求項3】真空室内に、回転式の蒸発源、該蒸発源の
    蒸発材料を加熱するホローカソード電子銃その他の加熱
    手段、該蒸発源に対向した基板、及び反応性ガス導入口
    を設け、該蒸発源の上方に、該基板の方向以外へ向かう
    蒸発物の飛散を防止する金属製の防着板を設けた反応性
    イオンプレーティング装置に於いて、該防着板の裏面に
    これを加熱するヒーターを取り付けると共に該ヒーター
    にその温度を調節する温度調節装置を接続したことを特
    徴とする反応性イオンプレーティング装置に於ける防着
    板装置。
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