JP2001192758A - 水素吸蔵合金とその製法及びこの合金からなる水素吸蔵合金電極 - Google Patents

水素吸蔵合金とその製法及びこの合金からなる水素吸蔵合金電極

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JP2001192758A
JP2001192758A JP2000004605A JP2000004605A JP2001192758A JP 2001192758 A JP2001192758 A JP 2001192758A JP 2000004605 A JP2000004605 A JP 2000004605A JP 2000004605 A JP2000004605 A JP 2000004605A JP 2001192758 A JP2001192758 A JP 2001192758A
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Takaaki Miyaki
隆彰 宮木
Kosuke Aoki
康祐 青木
Toshimitsu Goto
敏満 後藤
Hideaki Ito
秀明 伊藤
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量、耐久性、初期活性化特性に優
れた水素吸蔵合金電極を得る。 【解決手段】 一般式(R2−w)(Ni
7−x−y−zMn で示され、かつ2種
以上の混晶組織である水素吸蔵合金。 但し、R:希土類元素又はミッシュメタル A:Al、Cu、Co、Feの少なくとも一種以上 B:Cr、Zn、Nb、Mo、Ag、In、Sn、S
b、Si、P、Sの少なくとも1種以上 C:Mg、Ca、Ti、V、Zrの少なくとも一種以上 0.3≦x≦2.0、0<y≦2.0、0≦z≦1.
0、0<w≦0.5、1.0≦n≦1.3 【効果】 水素吸蔵合金を電極として用いた場合、
放電容量が大きく、繰り返し充放電に対する耐久性に優
れている。また早期に活性化が可能であり、初期活性化
特性にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的に水素
の吸収・放出が可能であり、特に二次電池用材料として
好適な水素吸蔵合金およびその製造方法ならびに該合金
を用いた電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は、その水素吸収・放出反
応を利用して各種用途に利用されており、その応用例の
一つとして電池用の電極として使用されている。この電
極を用いた二次電池は、携帯用コンピュータや携帯電話
などの分野で著しく需要を拡大しており、該電極用材料
としては現在、AB系(主にMm(NiMnCoA
l)系、P6/mmm結晶構造)が主に使用されてい
る。さらに、放電容量を向上させたものとしてAB
合金(ZrMn、ZrV系等)、A系合金
(Mm(Ni・Mn)系、P6/mmc結晶構
造)の水素吸蔵合金が開発、提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記用途では、電池の
小型化の要望も強く、水素吸蔵材料に対し優れた耐久性
と充放電容量が求められており、特に放電容量が高く、
しかも繰り返し充放電による放電容量の低下が少ない材
料が要望されている。しかし、上記材料系のうちAB
系は、容量、耐久性ともに今後これ以上の伸びを期待す
ることは困難であり、特に耐久性に関しては電池の更な
る長寿命化が望まれている現状では満足できるものでは
ない。一方、AB系合金(ZrMn 、ZrV
等)は、現状の合金よりも大きな容量は期待できるが、
初期活性が遅いため、電池として製品出荷する際、事前
に活性化のための充放電負担が大きくコスト高になって
しまう。また、A系合金(Mm(Ni・Mn)
系、P6/mmc)は、十分に優れた水素吸蔵・放
出特性を持っているが、電極とした際には十分な放電容
量を得ることができず、また耐久性も充分といえるもの
ではない。
【0004】本発明は上記事情を背景としてなされたも
のであり、充放電容量が高く、しかも繰り返し充放電に
よる放電容量の低下が少なくて耐久性に優れ、さらに初
期活性化特性に優れた水素吸蔵合金および該合金の製造
方法ならびに該合金を用いた電池用電極を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の水素吸蔵合金のうち第1の発明は、一般式(R
2−w)(Ni7−x−y−zMn
で示され、かつ2種以上の混晶組織である水素吸蔵合
金。 但し、R:希土類元素又はミッシュメタル A:Al、Cu、Co、Feの一種または2種以上 B:Cr、Zn、Nb、Mo、Ag、In、Sn、S
b、Si、P、Sの一種または2種以上 C:Mg、Ca、Ti、V、Zrの一種または2種以上 0.3≦x≦2.0、0<y≦2.0、0≦z≦1.
0、0<w≦0.5、 1.0≦n≦1.3
【0006】第2の発明の水素吸蔵合金は、第1の発明
の水素吸蔵合金において、P6/mmc構造の結晶割
合が40体積%以上であることを特徴とする。
【0007】第3の発明の水素吸蔵合金の製造方法は、
第1または2の発明に示された水素吸蔵合金を製造する
方法であって、該水素吸蔵合金材料を10〜10
/秒の冷却速度で急冷する急冷工程を有することを特徴
とする。
【0008】第4の発明の水素吸蔵合金の製造方法は、
第1または2の発明に示された水素吸蔵合金を製造する
方法であって、該水素吸蔵合金材料を、真空中もしくは
不活性ガス雰囲気中で400℃〜1100℃の温度で均
質化熱処理を行う工程を有することを特徴とする。
【0009】第5の発明の水素吸蔵合金の製造方法は、
第3の発明の急冷工程の後工程として、400℃〜11
00℃の真空中もしくは不活性ガス雰囲気中で均質化熱
処理を行う工程を有することを特徴とする。
【0010】第6の発明の水素吸蔵合金電極は、第1ま
たは第2の発明の水素吸蔵合金からなることを特徴とす
る。第7の発明の水素吸蔵合金電極は、第3〜第5のい
ずれかの製造方法によって得られた水素吸蔵合金からな
ることを特徴とする。
【0011】以下に、本発明の水素吸蔵合金の組成元
素、量比等を限定した理由を説明する。本発明では、一
般式においてRで示される成分として、複数の希土類元
素が混合しているミッシュメタルの他に1種または2種
以上の希土類元素、または、その両方を使用することが
できる。ミッシュメタルとしては、例えばLa:25〜
35重量、Ce:40〜50重量%、Nd:5〜20重
量%、Pr:2〜10重量%、その他の希土類金属とそ
の他の金属1〜5重量%からなるものが挙げられる。
【0012】Mn量比x(0.3≦x≦2.0) 本発明では前記R、NiとともにMnを基本成分の一つ
としている。このMnを含有させることによって電池負
極用活物質として使用可能な水素解離圧を得ることがで
き、その結果、充分な放電容量が得られる。この水素解
離圧を得るためには、Mnの量比xを0.3以上にする
必要があり、0.3未満の量比では電池負極用活物質と
して使用可能な水素解離圧を得ることができない。一
方、Mn量が量比2.0を越えて過多になると、電池内
電解液への溶出が激しくなり、密閉電池にした際に、正
極に悪影響を及ぼしたり、セパレータで析出したりし
て、結果として電池寿命を低下させる。したがってMn
の量比xを0.3〜2.0の範囲内とする。なお、同様
の理由で量比の下限を0.4、上限を1.5とするのが
望ましい。
【0013】A群の量比y(0<y≦2.0) A群を構成するAl、Cu、Co、Feは、繰り返し充
放電による放電容量の低下を抑制して耐久性を向上させ
る作用があるので1種以上を添加する。ただし、量比
2.0を越えて含有させると、放電容量が顕著に低下す
るので、上限を2.0とする。なお、上記作用を充分に
得るためには、量比yの下限を0.1とするのが望まし
く、また、上記と同様の理由で上限を1.6とするのが
望ましい。さらには、下限を0.15、上限を1.4と
するのが一層望ましい。
【0014】B群の量比z(0≦z≦1.0) B群を構成するCr、Zn、Nb、Mo、Ag、In、
Sn、Sb、Si、P、Sは、繰り返し充放電による放
電容量の低下を一層抑制して耐久性を向上させる作用が
あり、所望により1種以上を添加する。ただし、量比
1.0を越えて含有させると、放電容量が顕著に低下す
るので、上限を1.0とする。なお、上記作用を充分に
得るためには、量比zの下限を0.03とするのが望ま
しく、また、上記と同様の理由で上限を0.8とするの
が望ましい。さらには、下限を0.05、上限を0.5
とするのが一層望ましい。
【0015】C群の量比w(0<w≦0.5) C群を構成するMg、Ca、Ti、V、Zrは、放電容
量を増加させるとともに耐久性を向上させる作用があ
り、1種以上を添加する。ただし、量比wが0.5を越
えると、却って耐久性が低下し、また初期活性特性が劣
化する。さらには、C元素が主成分となる合金相が多量
に生じ、結果として容量が低下する。したがって、C群
の元素の合計量比は上限を0.5とする。なお、上記作
用を充分に得るためには、量比zの下限を0.01とす
るのが望ましく、また、上記と同様の理由で上限を0.
2とするのが望ましい。
【0016】n係数(1.0≦n≦1.3) 混晶組織を得るためにはnの値を上記範囲内とすること
が必要であり、この範囲を外れると、単晶になったりし
て所望の効果が得られなかったり、電極負極用活物質と
して不適当な相が生じたりする。
【0017】混晶組織 本発明では混晶組織として、主としてP6/mmc構
造(A系合金を構成する構造)とP6/mmm構
造(AB系合金を構成する構造)からなるのが望まし
い。両構造はいずれも優れた水素吸蔵・放出特性を有し
ているが、単独の構造として見た場合、以下の特性にお
いては、その組成(構成元素)にもよるが、一般的に優
劣を有しているといえる。 ・高率充放電特性 :P6/mmc<P6/mmm ・電解液中への合金成分耐溶出性:P6/mmc>P6/mmm ・水素吸放出時の耐微粉化性:P6/mmc>P6/mmm なお、溶出した元素は、正極への悪影響を及ぼしたり、
セパレータで析出したりして、結果として電池寿命を低
下させる。また合金が微粉化すると合金の比表面積が増
加するため、更に溶出量が増える。両者の中で、P6/
mmm構造は、合金成分の溶出が生じやすい性質を有し
ているが、P6/mmcは元々溶出しづらい上に、耐
微粉化性能にも優れているため、両者を混晶した組織で
は、P6/mmc構造の母相内にP6/mmm構造の
結晶が分散した状況になり、両者の特徴を兼ね備えた、
つまりマクロ的な耐微粉化性に優れた材料となる。これ
を電池用電極として使用した際には、総合的な成分溶出
量が少なくなり、耐久性(繰り返し充放電による放電容
量の低下が小さい)に優れた特性が得られる。しかも、
充放電特性に関しては、P6/mmm構造の存在によっ
て、P6/mmc単相に比べて顕著に優れたものとな
る。したがって、該混晶組織合金は各単相のものに比べ
て電極用活物質として優れた特性を示すことになる。
【0018】なお、上記特性を得るためには、P6
mmc構造の母相内にP6/mmm構造の結晶が分散し
た状況に確実になることが必要であり、そのためには、
P6 /mmc構造の結晶割合が40体積%以上である
のが望ましい。一方、P6/mmc構造の結晶割合が
多くなりすぎると、充放電特性の向上効果が小さくなる
ので、上限を80体積%とするのが望ましい。また、上
記結晶割合における残部は実質的にP6/mmm構造で
あるのが望ましい。ここで、「実質的に」とは、両構造
以外に少量の他構造結晶の混在は不純物として許容され
ることを意味しているが、その量はできるだけ少ない方
が望ましく、具体的には10体積%以下であるのが望ま
しい。両構造以外の相としては、AB、Niが挙げら
れる。
【0019】急冷工程(冷却速度:10〜10℃/
秒) また、上記合金の製造に際しては、溶製した材料を10
〜10℃/秒の冷却速度で冷却する急冷工程を設け
るのが望ましい。上記の急冷によって、混晶(例えばP
/mmc構造とP6/mmm構造を主とする2種以
上の構造)を、より細かくでき、かつ均一に分布させる
ことができるので、得られた合金の特性が均質化される
とともに耐久性が一層向上する。これら作用を確実に得
るためには冷却速度を10℃/秒以上とすることが必
要である。一方、10℃/秒を越えると、非晶質化
し、結晶が得られなくなるため、上記範囲を定める。な
お、同様の理由で下限を10℃/秒、上限を10
/秒に定めるのがさらに望ましい。
【0020】均質化処理(400〜1100℃) 溶製された合金は、その後、通常、真空雰囲気または不
活性ガス雰囲気で均質加熱処理を施し冷却する。上記不
活性ガス雰囲気としては窒素ガス雰囲気やアルゴンガス
雰囲気等が例示されるが、本発明としては不活性ガスの
種別が限定されるものではない。また、真空雰囲気にお
ける真空度も特に限定されないが、例えば10−3To
rr以下の真空度を挙げることができる。均質加熱の際
の加熱温度は400〜1100℃とする。これは、40
0℃未満であると、十分な均質化がなされず、一方、1
100℃を越えると合金が再溶解してしまったり、急冷
処理を施してある場合に組織が成長しすぎて急冷処理の
効果が失われてしまったりするためである。
【0021】上記均質化処理は、上記温度で加熱後冷却
することにより完了する。なお、この冷却速度または均
質化処理を行わない場合には急冷処理の冷却速度を制御
することにより所望の結晶構造割合の混晶組織合金を得
ることができる。すなわち、冷却を遅くするほどにP6
/mmm構造の比率が増え、P6/mmc構造の比率
が減少する。したがって、冷却速度を適度に制御するこ
とにより、所望の比率でP6/mmc構造とP6/m
mm構造とが混合した混晶組織が得られる。なお、好適
な冷却速度は、合金の組成、冷却方法等によっても異な
ってくるため一義的に規定することはできない。製造工
程においては、上記急冷工程と均質化処理のいずれかを
含むのが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の合金は、常法により本発
明範囲内の量比とした材料として溶製することができ、
その方法については本発明は特に限定されない。例え
ば、所望の量比となるよう各金属粉末を秤量した後、ア
ーク式真空溶解装置の水冷式銅坩堝内に収納し、高純度
Arガス雰囲気下でアーク溶解する。上記材料は、本発
明の製造方法に従って、上記急冷工程、均質化処理工程
を経るのが望ましい。なお、急冷工程における急冷方法
も特に限定されるものではなく、上記冷却速度条件が得
られるように、ロール法等の適宜の方法を採択すること
ができる。また、均質化処理は、上記加熱条件にしたが
って加熱処理される。加熱方法は特に限定されるもので
はなく、例えばバッチ炉、連続炉等の加熱炉を用いて加
熱することができる。
【0023】上記製造過程等を経て得られる合金は、P
/mmc構造とP6/mmm構造を主とする混晶組
織になる。該混晶の比率は、上記したように均質化加熱
処理における冷却過程での冷却速度によって制御するこ
とができる。冷却速度は、冷媒の種別や冷却方法の選定
等によって変更することができる。上記合金は、通常は
均質化処理の後において大気中又、不活性雰囲気、場合
によっては湿式で数十μm程度まで粉砕するが、固体の
まま、または粉末を成形したものとして使用することも
できる。該合金は二次電池用材料として好適なものであ
り、電極として電池に組み込む。電池への組み込み方法
や電池の構造等は特に限定されるものではなく、常法ま
たは公知の構造を採用することができる。また、本発明
の合金は、これ以外の用途に使用することも可能であ
り、水素の吸放出を利用した各種の用途に使用すること
も可能である。
【0024】
【実施例】(実施例1)以下に、本発明の実施例を説明
する。表1に示す量比になるように各元素材料を測り取
り、アルゴンアーク溶解して合金材料を溶製し、さらに
以下の製造工程へと移行した。 (1)均質化処理 一部の材料は、アルゴン雰囲気下で850℃、12時間
の均質化加熱処理を施した。この際の冷却速度は平均で
約2℃/分であり、得られた合金は発明材に関して
は、、P6/mmcとP6/mmmを主とし、かつP
/mmcが約50体積%、P6/mmmが約50体
積%である混晶であることが確認された。一方、比較材
12、13は、P6/mmc単相であり、比較材14
はほぼP6/mmm単相であり、比較材15、16は発
明材と同様にP6/mmcとP6/mmmとがそれぞ
れ約50体積%である混晶であった。なお、これらの結
晶構造比率は、X線回析により測定した。 (2)急冷処理 他の材料の一部は、上記アルゴンアーク溶解後、さらに
アルゴン雰囲気中で再溶解し、単ロール法にて急冷凝固
し、フレーク状にした。なお、該方法に用いた単ロール
はCu製で、注湯ノズル(射出ノズル)は石英製からな
る。この急冷に際しての冷却速度は10℃/秒であっ
た。得られた合金は、上記と同様にX線回折によりP6
/mmcが約50体積%、P6/mmmが約50体積
%の混晶であることが確認された。 (3)急冷処理+均質化処理 上記急冷処理を行った材料の一部は、さらに石英管中に
真空封入し、800℃、5時間の均質化熱処理を施し
た。この際の冷却速度は平均で50℃/分であり、得ら
れた合金は、上記と同様の比率との混晶であることが確
認された。
【0025】上記(1)〜(3)のいずれかの工程を経
た合金を400〜500メッシュの粒度に粉砕し、6M
KOH水溶液中で、80℃、1時間の表面処理を行い、
さらに水で洗浄した後、乾燥させた。この合金紛末とC
u粉末とを、合金粉末:Cu粉末=1:4(重量比)と
なるように混合し、該混合粉末をペレットに加圧成形し
た。該ペレットを負極電極として、対極に水酸化Ni
極、参照極にHg/HgO電極、電解液に6MKOH水
溶液を用いて試験セルを製造した。
【0026】上記試験セルを用いて、以下の充放電条件
で充放電試験を繰り返し行った。 充電/100mA/g×4時間(水素吸蔵合金重量当た
り) 放電/50mA/g、終止電圧−0.6V(参照極に対
する試験電極の電位) ※mA/gのgは試験電極中の水素吸蔵合金重量 上記繰り返し充放電における初期の最大放電容量(mA
h/g)を測定し、これを放電容量として表1に示し
た。また、繰返し充放電200サイクル時の放電容量を
上記最大放電容量と対比し、その比率(%)を耐久性と
して表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表から明らかなように、本発明材は、放電
容量について実用上必要とされる250mAh/gを大
きく上回り、耐久性についても実用上必要とされる70
%以上を大きく上回っており、放電容量、耐久性ともに
優れていることが明らかとなった。 一方、A群、B
群、C群元素を含まず、P6/mmc単相からなる比
較材12は、初期容量、耐久性ともに不充分であった。
比較材13、14は、本発明で規定している量比nが発
明の範囲外となるものであり、n<1.0であってP6
/mmc単相からなる比較材13では、初期容量、耐
久性とも不充分であり、n>1.3となる比較材14で
は、容量的には良いが、耐久性が不充分となっている。
さらにA群、B群、C群元素を含まない比較材15、1
6は、耐久性において明らかに劣っている。なお、上記
表には表示していないが、他のA、B元素を添加した場
合、A、B元素をそれぞれ2種類以上添加した場合、C
元素を二種類以上添加した場合にも同様の効果を有する
ことが確認された。
【0029】(実施例2)上記発明材No.10と表2
に示すAB型の合金について、初期活性化特性につい
て比較試験を行った。なお、AB型の合金は、発明材
No.10と同様の製造方法によって製造した。これら
供試材に関し、実施例1と同様に試験セルを製造し、同
様の充放電を繰り返し行った。その際に、最大放電容量
に達するまでのサイクル数を測定した。その結果、表2
に示すように、本発明はAB型の合金に比べて早期に
最大放電容量に達しており、初期活性特性に優れている
ことが明らかになっている。
【0030】
【表2】
【0031】(実施例3)次に、P6/mmc(A
系)単相合金粉末とP6/mmm(AB系)単相
合金粉末とを1:1で混合してペレットとした電極と、
この2つの合金を同比で混合、溶解して、P6/mm
c構造とP6/mmm構造とが1:1で混晶となってい
る合金(発明材)から製造された電極とを用意した。こ
れらは各成分が全体としてほぼ同等の量比となってい
る。これらの電極を用いて実施例1と同様の方法で試験
セルを製造し、同条件で充放電試験を行った。その結果
を表3に示す。表3から明らかなように、単に合金を混
合したものでは放電容量、充放電特性ともに発明材より
も大きく劣っており、混晶組織によって容量、耐久性が
大幅に向上していることが分かる。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水素吸蔵
合金によれば、一般式(R2−w)(Ni
7−x−y−zMnで示され、 但し、R:希土類元素又はミッシュメタル A:Al、Cu、Co、Feの一種または2種以上 B:Cr、Zn、Nb、Mo、Ag、In、Sn、S
b、Si、P、Sの一種または2種以上 C:Mg、Ca、Ti、V、Zrの一種または2種以上 0.3≦x≦2.0、0<y≦2.0、0≦z≦1.
0、0<w≦0.5、 1.0≦n≦1.3 かつ2種以上の混晶組織からなるので、高い放電容量と
優れた耐久性が得られ、二次電池用電極材料として好適
な特性が得られる。この材料を用いた電極では、該特性
に優れた二次電池を構成することができる。上記におい
て、混晶組織がP6/mmc構造の結晶割合が40体
積%以上であるものとすれば、放電容量と耐久性の向上
が確実かつ充分なものとなり、初期活性化特性にも優れ
ている。
【0034】また、上記水素吸蔵合金の製造に関し、1
〜10℃/秒の冷却速度で急冷する急冷工程を設
ければ、微細かつ均一な混晶組織が得られ、上記特性の
均質化が得られるとともに、特に耐久性が向上する。
【0035】また、前記水素吸蔵合金の製造に関し、真
空中もしくは不活性ガス雰囲気中で400℃〜1100
℃の温度で均質化熱処理を行えば、特性の均質化が得ら
れるとともに、その際の冷却過程において冷却速度によ
って混晶における比率を制御することができ、所望の放
電容量と耐久性特性とを得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 641 C22F 1/00 641A 661 661C 691 691B 692 692A (72)発明者 後藤 敏満 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 伊藤 秀明 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 Fターム(参考) 4E004 DB02 TA02 TA06 TB02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(R2−w)(Ni
    7−x−y−zMn で示され、かつ2種
    以上の混晶組織である水素吸蔵合金。 但し、R:希土類元素又はミッシュメタル A:Al、Cu、Co、Feの一種または2種以上 B:Cr、Zn、Nb、Mo、Ag、In、Sn、S
    b、Si、P、Sの一種または2種以上 C:Mg、Ca、Ti、V、Zrの一種または2種以上 0.3≦x≦2.0、0<y≦2.0、0≦z≦1.
    0、0<w≦0.5、 1.0≦n≦1.3
  2. 【請求項2】 P6/mmc構造の結晶割合が40体
    積%以上であることを特徴とする請求項1記載の水素吸
    蔵合金
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水素吸蔵合金
    を製造する方法であって、該水素吸蔵合金材料を10
    〜10℃/秒の冷却速度で急冷する急冷工程を有する
    ことを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の水素吸蔵合金
    を製造する方法であって、該水素吸蔵合金材料を、真空
    中もしくは不活性ガス雰囲気中で400℃〜1100℃
    の温度で均質化熱処理を行う工程を有することを特徴と
    する水素吸蔵合金の製造方法
  5. 【請求項5】 請求項3記載の急冷工程の後工程とし
    て、400℃〜1100℃の真空中もしくは不活性ガス
    雰囲気中で均質化熱処理を行う工程を有することを特徴
    とする水素吸蔵合金の製造方法
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の水素吸蔵合金
    からなることを特徴とする水素吸蔵合金電極
  7. 【請求項7】 請求項3〜5のいずれかに記載の製造方
    法によって得られた水素吸蔵合金からなることを特徴と
    する水素吸蔵合金電極
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