JP2001192596A - 筆記具インキ用油性赤色顔料分散液、および油性赤色顔料筆記具インキ - Google Patents
筆記具インキ用油性赤色顔料分散液、および油性赤色顔料筆記具インキInfo
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Abstract
が良好で、インキの増粘や顔料の凝集のない経時安定性
の優れた油性赤色顔料筆記具インキを調製しうる筆記具
インキ用油性赤色顔料分散液を提供すること。 【解決手段】 アルコール系有機溶剤と、該有機溶剤中
に溶解させた顔料分散樹脂と、該有機溶剤中に分散させ
たジケトピロロピロールである赤色顔料とを含み、該赤
色顔料と該顔料分散樹脂との配合比(赤色顔料/樹脂)
が0.5〜5の範囲である筆記具インキ用油性赤色顔料
分散液。
Description
性赤色顔料分散液、および油性赤色顔料筆記具インキに
関し、特に、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液、
および油性赤色顔料ボールペンインキに関する。
あることから筆記具として広範に使用されている。ボー
ルペンのペン先(チップ)は、ボール、ボールを支持す
る受け座、インキ収容管からボールにインキを導くイン
キ誘導孔等で構成されている。ボールペンで筆記すると
きには、まずチップの中にあるボールにインキが付着
し、そのボールが回転することによりインキが随時紙に
転写される。
ら、ボールペンチップにおいては、ボールと受け座との
間の空間にインキがスムーズに移動することが必要とさ
れる。仮に、この空間でインキのスムーズな移動が妨げ
られると、ボールへのインキの付着が不均質になったり
間欠するため、ボールペンの滑らかな書き味が損なわ
れ、カスレ等の筆記不良が生じうる。
剤、着色剤、潤滑剤、粘度調整剤、定着性付与剤等を含
有する粘性組成物であり、多数の種類のものが知られて
いる。例えば、特開平11−116879号公報には、
有機溶剤としてベンジルアルコールやエチレングリコー
ル、着色剤として油溶性赤色染料、そして添加剤として
界面活性剤、脂肪酸、ケトン樹脂等を含む油性赤色ボー
ルペンインキが記載されている。
ように、有機溶剤に溶解するタイプの着色剤、すなわ
ち、染料が従来から用いられてきた。これは、顔料のよ
うに、有機溶剤に溶解しない着色剤を用いると、顔料が
凝集沈降した場合にインキの粘度が変化し、ボールと受
け座との間の空間におけるインキのスムーズな流動が阻
害される可能性が大きいと考えられるからである。更に
顔料の粒子が粗大化した場合は、ボールに衝突すること
によるボール摩耗という現象によって書き味が悪くなっ
たり、筆記できなくなったりする。
溶解せず分散しているため、着色剤が溶剤に溶解してい
る染料インキと比較して着色剤が凝集沈降し易いという
本質的問題を有している。その結果、顔料インキは保存
安定性が染料インキよりも低く、経時的に顔料の凝集沈
降や増粘が生じ易いため、長期間にわたりインキがスム
ーズに流動する特性が要求されるボールペンインキとし
ての用途には不適当と考えられてきた。
を持たせるために染料の代わりに顔料が着目され始め、
油性ボールペンについても顔料を着色剤とする顔料イン
キが望まれている。
剤として赤色顔料「C.I.Pigment Red 1
7」を含有するボールペン用赤色メタリックインキが記
載されている。しかしながら、この赤色顔料はアゾ顔料
である。アゾ顔料は顔料とはいってもアルコールに対す
る堅牢性に乏しく、溶剤としてアルコールを用いた場合
はこれに一部溶解する。
発色性が悪く黄変するため、筆跡の耐光性を問題とする
以前に、筆記直後から鮮明な赤色筆跡が得られないとい
う問題がある。つまり、この顔料インキはメタリック顔
料を含まない通常のボールペンインキとしては色相が好
ましくない。
あらかじめ有機溶剤中で各種樹脂、高分子分散剤或いは
界面活性剤の存在下で分散機を使用して分散、安定化さ
せる必要がある。しかしこれらには経時的に顔料が沈降
凝集したり、或いは顔料インキの粘度が増粘するといっ
た問題が介在しており、優れた経時安定性を付与させる
ことが処方設計上、重要なポイントとなっている。
問題を解決するものであり、その目的とするところは、
アルコール系有機溶剤中で良好な発色性、および分散安
定性を示す顔料を選択し、これを用いて、経時的に顔料
粒子が凝集したり、沈降したりしない赤色顔料分散液を
提供することにある。また、その顔料分散液を用いるこ
とにより、筆跡が薄かったり、かすれたりせずに筆記性
が良好で、インキの増粘や顔料の凝集のない経時安定性
の優れた油性赤色顔料筆記具インキを提供することにあ
る。
有機溶剤と、該有機溶剤中に溶解させた顔料分散樹脂
と、該有機溶剤中に分散させたジケトピロロピロールで
ある赤色顔料とを含む筆記具インキ用油性赤色顔料分散
液を提供するものであり、そのことにより上記目的が達
成される。
液は、アルコール系有機溶剤と、顔料分散樹脂と、ジケ
トピロロピロールである赤色顔料とを含む混合物を提供
する工程;粗分散用ミル媒体を用いて該混合物を分散さ
せる工程;および微分散用ミル媒体を用いて該混合物を
分散させる工程;を包含する方法により製造することが
好ましい。
るためには、前記赤色顔料と樹脂の配合比率(赤色顔料
/樹脂)としては0.5〜5であり、好ましくは1〜
3、更に好ましくは1〜2である。前記赤色顔料と樹脂
の配合比率が0.5未満の場合は少なくとも顔料表面を
被覆した以外の余剰な樹脂が存在して、その部分が核と
なって顔料を被覆した樹脂と結びついて、赤色顔料分散
液が増粘してしまい、充分安定な分散が得られない。ま
た、5を越えると逆に顔料表面を被覆するだけの樹脂が
不足するため、樹脂で被覆されていない部分からファン
デルワールス力によって接近して、やがては凝集してし
まい、充分安定な赤色顔料分散液が得られない。
と有機溶剤中に溶解させた顔料分散樹脂と有機溶剤中に
分散させた赤色顔料とを含む筆記具インキ用油性赤色顔
料分散液である。
基本的には油性赤色顔料筆記具インキの顔料成分の高濃
度組成物である。一般には、筆記具インキ用油性赤色顔
料分散液に適当な希釈溶剤や添加剤を加えて公知の方法
により油性赤色顔料筆記具インキが調製される。つま
り、油性赤色顔料筆記具インキを最終生産物とした場
合、筆記具インキ用油性赤色顔料分散液は油性赤色顔料
筆記具インキを調製するのに用いる中間組成物である。
液は固形分約15〜50重量%であり、これを固形分2
0〜50重量%に調整して油性赤色顔料筆記具インキと
される。
るような一般的な有機溶剤を用いることができる。好ま
しい有機溶剤はボールペンインキで通常使用されるアル
コール系有機溶剤である。常圧で150℃以上の沸点を
示す高沸点溶剤が特に好ましい。
価)アルコール、多価アルコール(グリコール)並びに
それらの誘導体が含まれる。例えば、ベンジルアルコー
ル、1−オクタノール、2−オクタノール、α―メチル
ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられ、更
に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ヘキシレングリコール、ベンジルグ
リコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル
(フェニルグリコール)、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロ
ピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールジアセテート等グリコール類
及びその誘導体が挙げられる。また、上記の有機溶剤は
1種又は2種以上混合して用いてもよい。その使用量は
赤色顔料分散液全量に対して50〜85重量%が好まし
い。
る赤色顔料を用いることができる。ジケトピロロピロー
ル系顔料を用いることが好ましい。これらはアルコール
系有機溶剤中で優れた発色性、堅牢性、および分散性を
示すからである。また、ジケトピロロピロール系顔料は
その色相が筆記具用として好適である。
ケトピロロピロールは、式
付与しない置換基を有していてもよいフェニル基又はナ
フチル基であり、R3及びR4は独立して水素原子又は水
溶性を付与しない置換基である。]で示す構造の化合物
である。
は、R1及びR2が未置換フェニル基、クロロフェニル
基、ブロムフェニル基及びシアノフェニル基からなる群
から選ばれるフェニル基であり、R3及びR4が水素原子
であるところの一般式[I]で表される赤色顔料が特に
好ましい。
ール系顔料以外にも、例えば、ナフトールAS系やβ−
ナフトール系等のアゾ顔料があるが、アゾ顔料は分子構
造中にアゾ基を有するがゆえに耐溶剤性においては、弱
い面を持っている。しかも、用いる有機溶剤が上記に挙
げたような極性的に強い溶剤である場合は、アゾ顔料を
用いると溶剤中で溶解し、発色不良や変色が生じる。
ロロピロールとしては「C.I.PIGMENT Re
d 254」、「C.I.PIGMENT Red 25
5」、「C.I.PIGMENT Red 272」等が
例示できる。1次粒子径が100〜250nmのジケト
ピロロピロール系顔料が好ましい。
カルズ社製の商品名である「CROMOPHTAL D
PP Coral Red C」、「CROMOPHTA
L DPP Flame Red FP」、「CROMOP
HTAL DPP Red BP」、「CROMOPHT
AL DPP Red BOC」、「IRGAZIN DP
P SCARLET EK」、「IRGAZIN DPP
Red BTR」、「IRGAZIN Red 203
1」、「IRGAZIN DPP Red BO」、「I
RGAZIN DPP Red BL」等が挙げられる。
インキに慣用されている樹脂を用いることができる。例
えばポリビニルブチラール樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キ
シレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、テルペ
ンフェノール樹脂、ポリビニルピロリドン等が用いられ
る。好ましくはポリビニルブチラール樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、フェノール変性キシレン
樹脂、テルペンフェノール樹脂が挙げられる。これらの
樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いて
もよい。
ると顔料分散樹脂の軟化点は80〜150℃、好ましく
は100〜135℃、更に好ましくは105〜130℃
である。顔料分散樹脂の配合量は、分散液全量に対し
て、5〜30重量%、好ましく10〜20重量%範囲に
用いることにより、顔料分散性の向上や良好な粘度が調
整される。
には、積水化学工業社製の商品名BL−1、BL−2、
BL−S、BX−10、BX−L、BM−1、BM−
2、BM−S、BX−1、BH−3等;あるいは電気化
学工業社製の商品名#2000−L、#3000−1、
#3000−2、#3000−4、#4000−1、#
4000−2等が挙げられる。
的には、三菱瓦斯化学社製の商品名HP−70、HP−
100、HP−120、HP−150、HP−210、
GHP−160等が挙げられる。
工業社製の商品名ハイラック111、ハイラック22
2、荒川化学社製の商品名K−90等が挙げられる。
は、ヤスハラケミカル社製の商品名YSポリスターT8
0、YSポリスターT100、YSポリスターT11
5、YSポリスターT130、YSポリスターT14
5、YSポリスターS145、マイティエースG12
5、マイティエースG150等が挙げられる。
には、日立化成ポリマー社製の商品名テスポール110
1、テスポール1103、テスポール1104、テスポ
ール1105、テスポール1150、テスポール115
1、テスポール1152、テスポール1155、テスポ
ール1158、テスポール1161等が挙げられる。
散安定性をより高める目的で分散剤やレオロジーコント
ロール剤(増粘剤も含む)を1種もしくは2種以上併用
しても良い。これらの添加量は、顔料分散液の物性を低
下させない量であれば限定されないが、顔料分散液全体
で0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好
ましい。
品名ソルスパース12000、ソルスパース2000
0、ソルスパース24000、ソルスパース2700
0、ソルスパース28000等;ビックケミー製の商品
名ディスパビック160番シリーズ、ディスパビック1
80番シリーズ、ディスパビック2000、ディスパビ
ック2001等;共栄社化学社製の商品名フローレンG
−700、フローレンDOPA−17、フローレンDO
PA−17HF、フローレンDOPA−33等が挙げら
れる。
類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エス
テル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン
界面活性剤;デカグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグ
リセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリア
ルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エ−テル等の非イオン系界面活性剤等を使用しても良
い。
状、棒(針)状、塊(球)状、液状の何れの形状でも良
く、無機系、有機系を問わず使用できる。具体的には、
無機系のベントナイト、スメクタイト、シリカ、炭酸カ
ルシウムや有機系の尿素化合物、アマイド化合物、ウレ
タン化合物、植物油、ポリエチレン、アクリル化合物等
が挙げられる。添加量にもよるが、無機系化合物はボー
ルや受け座の摩耗や筆記性能に悪影響を及ぼすおそれが
あることから、出来れば有機系化合物が望ましい。
法を用いることができるが、まず粗分散させてその後、
微分散させるという2段階の分散工程を得て製造するこ
とが望ましい。赤色顔料として用いるジケトピロロピロ
ール系顔料は縮合多環系顔料に属し、その骨格上かなり
硬いため、分散順序としてはまず、多大なエネルギーを
要する条件にて顔料を粗めに分散して、その後顔料を細
かく分散させる条件にて分散を行う。
ル、アトライター、フーロジェットミキサー、インペラ
ーミル、コロイダルミル、サンドミル[例えば、ビーズ
ミル、サンドグライダー、スーパーミル、アジテーター
ミル、ダイノーミル(商品名)]等の分散機を用い、混
合あるいは分散することができる。このとき、ミル媒体
を用いることができる。ミル媒体の材質は特に限定され
ず、例えば、ガラス製、ステンレス製、ジルコン製、ジ
ルコニア製のビーズを用いうる。ミル媒体は、ミルの容
量に対して、60〜95容量%、特に75〜85容量%
の量で充填することが好ましい。
を平均粒径500nm以下に粗分散する工程、粗分散し
た顔料分散液平均粒径400nm以下に微分散する工程
を包含する顔料分散を行うことである。粗分散工程と微
分散工程とは分散条件を変えて行う。例えば、粗分散は
粗分散用の分散機やミル媒体を用い、微分散は微分散用
の分散機やミル媒体を用いる。
ビーズミル、各種のサンドミルであり、ミル媒体は直径
3mm又は4mmのジルコニア製ビーズが好ましい。ま
た、粗分散工程を行うのに好ましい他の条件は、ミル媒
体の充填率を75〜80%にすることである。
ビーズミル、各種のサンドミルであり、ミル媒体は直径
2mmのジルコニア製ビーズが好ましい。また、微分散
工程を行うのに好ましい他の条件は、ミル媒体の充填率
を80〜85%にすることである。
階目の粗分散においてはビーズ径を例えば3mmにして
分散を行い、その後2段階目の分散として2mmのビー
ズに入れ替えて分散を行う。ビーズの入れ替えが容易で
ない場合は、1段階目の粉砕装置には3mmのビーズを
入れておき、2段階目の粉砕装置には2mmのビーズを
入れておくというように、条件の異なる粉砕装置を連結
させて分散を行ってもよい。この2段階目の分散を行わ
ないと、分散液中に粗粒子が残存して、ボールペンの筆
記において、ボール摩耗が生じ、滑らかな筆記性能が損
なわれてしまう可能性がある。
は、赤色顔料の平均粒径が400nm以下であることが
望ましい。より好ましくは、赤色顔料の平均粒径は50
〜350nm、更に好ましくは100〜300nmであ
る。平均粒径が400nmより大きくなれば、顔料粒子
の沈降が生じて、そのことによりボールペンの先端部か
らのインキの吐出が悪くなる。また、ジケトピロロピロ
ールを赤色顔料として用いる場合、赤色顔料の平均粒径
を100nm以下にすることは実質上困難である。
の粒度分布としては、赤色顔料の粒径1μm以上の粒子
の含有率が10重量%以下であることが望ましい。ボー
ルペンの設計上、ボールペンインキが先端部から吐出さ
れる間隙は、ほんの数μmであり、特に1μm以上の粗
粒子が10重量%より多く存在すれば、粗粒子が重なっ
てボールとチップの間を通過する際に、ボール摩耗が生
じてしまい、筆記感が損なわれてしまう。従って、上記
分散方法の特に2段階目の分散を行うことによって、1
μm以上の粗粒子を10重量%以下に抑えることが重要
となってくる。
液は増粘や顔料の凝集沈降が生じ難く、長期間にわたり
インキがスムーズに流動する特性が要求される筆記具イ
ンキ(例えば、ボールペンインキ)を提供するために十
分な経時安定性を示す。例えば、本発明の筆記具用油性
赤色顔料分散液は常圧50℃で1ヶ月保存しても殆ど増
粘しない。具体的には、その場合の増粘率は、殆ど20
%以下であり、増粘率が30%を越えることはない。
剤中に溶解させた顔料分散樹脂と有機溶剤中に分散させ
た赤色顔料とを含む油性赤色顔料筆記具インキである。
この油性赤色顔料筆記具インキは、上述のように、本発
明の筆記具インキ用油性赤色顔料分散液に適当な有機溶
剤、樹脂、添加剤等を加えて公知の方法により調製する
ことができる。
色顔料の量は所望の色相や濃度に適した量であればよい
が、添加量が多すぎると、ボールペンインキとして用い
た場合に筆記描線のかすれやインキが出なくなって描線
が描けなくなる、所謂筆記不能等の問題が発生し、逆に
少量の場合は筆跡の着色が劣る等の問題が発生する。好
ましい顔料量としては全顔料インキ組成物に対し、5〜
30重量%、好ましくは7〜15重量%である。また、
所期の目的及び効果を奏す範囲で公知の染料、無機顔料
または有機顔料を添加することができる。
しい組成は、少なくとも有機溶剤、有機溶剤に溶解する
顔料分散樹脂、着色剤を含有し、赤色顔料がジケトピロ
ロピロール系顔料であり、そのジケトピロロピロール系
顔料と樹脂との配合比率(ジケトピロロピロール系顔料
/樹脂)が0.5〜5、好ましくは1〜3の範囲の範囲
であり、有機溶剤に溶解する樹脂の軟化点が80〜15
0℃、好ましくは100〜135℃、更に105〜13
0℃のものである。顔料分散安定性をより改良するため
には、顔料分散樹脂として、ポリビニルブチラール樹
脂、フェノール変性キシレン樹脂、ケトン樹脂、或いは
テルペンフェノール樹脂から選ばれる樹脂を1又は2以
上用いることが好ましい。
有機溶剤は前記の顔料分散液に加えた有機溶剤が好まし
く、全顔料インキに対し、全有機溶剤は40〜90重量
%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。
安定の目的で樹脂を添加することができる。例えば、ケ
トン樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロ
ジン誘導体、テルペン系樹脂、クマロン―インデン樹
脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、テルペンフェノール樹
脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリビニルピロリド
ン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン
−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン
変性フマル酸樹脂、テルペン−マレイン酸樹脂等の一般
的な顔料分散用の樹脂やオリゴマーを示すことができ
る。
は、従来公知の筆記具インキの種々の製造方法を適用す
ることができる。即ち、分散混合機によって顔料分散液
を他の成分と共に分散させることによって筆記具インキ
組成物を得ることができる。分散混合としてはサンドミ
ル、ボールミル、ホモミキサー、ビーズミル、高速ディ
スパー等の分散機を用い、混合あるいは分散することが
できる。
要に応じて上記成分以外に酸化防止剤、紫外線吸収剤、
潤滑剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、分散剤、レオロジー
コントロール剤等といった種々の添加剤を必要に応じて
適宜選択して使用してもよい。
用いられる分散剤としては、アビシア製の商品名ソルス
パース12000、ソルスパース20000、ソルスパ
ース27000、ソルスパース24000、ソルスパー
ス28000等;ビックケミー製の商品名ディスパビッ
ク160番シリーズ、ディスパビック180番シリー
ズ、ディスパビック2000、ディスパビック2001
等;共栄社化学社製の商品名フローレンG−700、フ
ローレンDOPA−17、フローレンDOPA−17H
F、フローレンDOPA−33等が挙げられる。
類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エス
テル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン
界面活性剤;デカグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグ
リセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリア
ルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エ−テル等の非イオン系界面活性剤等も用いることが出
来る。
油のポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン、二硫化モリブデン等が挙げられる。
製の商品名ベントンSD−2、ベントン27、日産ガー
ドラー触媒社製の商品名TIXOGEL VZ、TIX
OGELEZ、SUD化学社製の商品名EX−0101
等の有機ベントナイト系増粘剤;日本アエロジル社製の
商品名アエロジル380、アエロジルCOK84、水澤
化学社製の商品名ミズカシルP−801等のシリカ系増
粘剤;共栄社化学社製の商品名ターレンVA−100、
ターレンVA−500、ターレンVA−800、伊藤製
油社製の商品名ASA T−1、ASA T−51、AS
A T−350F、その他脂肪酸ポリアミド等が挙げら
れる。
て、特にジケトピロロピロールを用いることにより、色
相が良好で、耐候性、耐溶剤性等の諸堅牢性が優れてい
る。並びに経時安定性に優れているため、経時的に顔料
粒子が凝集し粗大な粒子が形成されたり、顔料分散液中
で沈降したりすることはない。
ンキは潤滑性に優れ、ボールペンインキとして用いた場
合にボール受け座の摩耗を少なくする効果があり、耐久
性に優れ筆記感も優れているとともに、顔料分散性の良
好な経時安定性に優れ、インキ収容管内で顔料が固まっ
てしまったり、筆記先端部を上向きに放置した場合にイ
ンキの追従性が乏しくなって、カスレが生じたり、ボー
ル摩耗によって書き味が悪くなる等の筆記不良を起こす
ことがない。
るが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」
と略す。
明のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液およびその
製法について説明する。
4gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:
110〜120℃)144gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:IRGAZIN DPP RedBO、チバスペシ
ャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹
拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機
にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ
替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性
赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流
動性ともに良好であった。
ーザー光散乱方式粒度分布測定装置(商品名:LPA3
000/3100、大塚電子社製)を用いて測定を行
い、その結果を表1に示した。
HD型)で25℃下で測定を行った。(これを初期値と
する)更にこの分散液を50℃下で保温されたオーブン
の中に1ヶ月間入れておき、その後同様に測定を行い、
経時変化の状態を粘度の変化率として次のように求め、
その結果を表1に示した。
ールとベンジルアルコールの混合溶媒で2倍希釈した
後、少量をプレパラートにスポットした。これにカバー
ガラスを被せ、室温で1日静置した後に光学顕微鏡で顔
料凝集物を確認した。
6gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:
100〜110℃)216gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:CROMOPHTAL DPPFlame Red
FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360g
を入れて約2時間撹拌した。その後、4mmのビーズを
充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2
mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボー
ルペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られ
た分散液は色調、流動性ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
4gとの混合溶媒中に、フェノール変性キシレン樹脂
(商品名:HP−100、三菱瓦斯化学社製 軟化点:
105〜125℃)144gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:IRGAZIN Red 2031、チバスペシャ
リティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌
した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機に
て約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替
えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤
色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動
性ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
4gとの混合溶媒中に、ケトン樹脂(商品名:ハイラッ
ク222、日立化成工業社製 軟化点:100〜120
℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解し
た。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGA
ZIN Red 2031、チバスペシャリティケミカル
ズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、
3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散
した。その後2mmのビーズに入れ替えて約40分間分
散を行いボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製
した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であっ
た。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
4gとの混合溶媒中に、テルペンフェノール樹脂(商品
名:YSポリスターT115、ヤスハラケミカル社製
軟化点:110〜120℃)144gを入れて約2時
間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピ
ロール(商品名:IRGAZIN Red2031、チ
バスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約
2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横
型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビー
ズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンイン
キ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は
色調、流動性ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
8gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:
100〜110℃)252gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:CROMOPHTAL DPPFlame Red
FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360g
を入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを
充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2
mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボー
ルペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られ
た分散液は色調、流動性ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
0gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:
110〜120℃)180gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:IRGAZIN Red BO、チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌し
た。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて
約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替え
て約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色
顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性
ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
4gとの混合溶媒中に、ポリビニルピロリドン樹脂(商
品名:K−30、アイエスピージャパン社製軟化点:1
00〜110℃)144gを入れて約2時間、撹拌させ
ながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品
名:IRGAZIN Red 2031、チバスペシャリ
ティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌し
た。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて
約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替え
て約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色
顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性
ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
8gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:
100〜110℃)252gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:CROMOPHTAL DPPFlame Red
FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360g
を入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを
充填した横型分散機にて約2時間分散を行い、ボールペ
ンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分
散液は色調、流動性ともに良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
0gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:
110〜120℃)180gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商
品名:IRGAZIN Red BO、チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌し
た。その後、2mmのビーズを充填した横型分散機にて
約2時間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料
分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性とも
に良好であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
80gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂
(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製 軟
化点:110〜120℃)60gを入れて約2時間、撹
拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール
(商品名:IRGAZIN DPP RedBO、チバス
ペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時
間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分
散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに
入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用
油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は流動
性が悪くやがて増粘した。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
0gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:
100〜110℃)750gを入れて、40℃で加熱し
ながら約4時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジ
ケトピロロピロール(商品名:CROMOPHTAL
DPP Flame Red FP、チバスペシャリティ
ケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。
その後、4mmのビーズを充填した横型分散機にて約1
時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約
40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料
分散液を調製した。分散中、分散後ともに流動性は悪い
状態であった。
散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化
率の測定結果を表1に示した。
4gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:
110〜120℃)144gを入れて約2時間、撹拌さ
せながら溶解した。その後、モノアゾ赤色顔料(商品
名:Briliant Carmine7009、山陽
色素社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その
後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間
分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40
分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散
液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに問
題なかったが、時間が経つと色調に変化が見られてき
た。(だんだん少し黄色味を帯びてきた。)
散液の平均粒径と1μm以上の粒子の含有率並びに粘度
の変化率(増粘率)の測定結果を表1に示した。
発明のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を用いた
油性赤色顔料ボールペンインキについて説明する。
リコール25部、ベンジルアルコール10部、ロジン変
性フェノール樹脂(軟化点:110〜115℃)5部、
ケトン樹脂(軟化点:100〜120℃)5部、ポリビ
ニルピロリドン1部、オレイン酸4部を分散混合するこ
とにより油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。
超硬ボールとステンレス製チップと収容管からなるボー
ルペンに充填して、油性ボールペンを得た。そのボール
ペンで筆記するとなめらかで良好な筆記性を示した。そ
して50℃の恒温槽中に筆記先端部を上向きにして1ヶ
月間放置した後、室温にて1日放置して、筆記角度70
°、荷重100gで直線筆記して、その時のカスレ長さ
を測定し、その結果を表3に示した。
機にてJIS S6039に準拠し、荷重100g、筆
記角度70°、筆記速度4m/分の条件で筆記を行い、
500m筆記後のボール摩耗量を光学顕微鏡を用いて測
定し、手書きにて筆記感のテストを行い、その結果を表
3に示した。
色顔料分散液を表3に示す赤色顔料分散液に代えて、そ
れ以外は実施例11と同様に油性赤色顔料ボールペンイ
ンキを調製した。得られたインキはそれぞれ実施例11
と同様に、良好な色調を示し、顔料の凝集及び沈降せず
に、インキの粘度が安定し、初期及び経時において良好
な筆記性を示した。
料分散液を表3に示す赤色顔料分散液に代えて、それ以
外は実施例11と同様に油性赤色顔料ボールペンインキ
を調製した。
ールペンインキについて説明する。
ACID YELLOW 23の染料5gから得られる造
塩型染料、フェニルグリコール45g、ベンジルアルコ
ール15g、ロジン変性フェノール樹脂(軟化点:11
0〜115℃)5g、ケトン樹脂(軟化点:100〜1
20℃)5g、ポリビニルピロリドン1g、オレイン酸
4gを攪拌混合することにより油性赤色ボールペンイン
キを調整した。得られた赤色インキはやや黄味を帯びて
いた。
0gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(軟
化点:100〜110℃)180g、ロジン変性フェノ
ール樹脂(軟化点:110〜115℃)150g、ケト
ン樹脂(軟化点:100〜120℃)150gを入れて
約2時間、攪拌させながら溶解した。その後、C.I.
PIGMENT RED 17(SANYO RED B
S、山陽色素社製)300gを加えて約2時間攪拌し
た。その後、2mmのビーズを充填した横型分散機にて
約30分間分散を行い、赤色顔料分散液を調整した。そ
の後、更にフェニルグリコール750g、ベンジルアル
コール300g、ポリビニルピロリドン30g、オレイ
ン酸120gを用い希釈を行って、油性赤色顔料ボール
ペンインキを調整した。得られた赤色インキは時間を経
つごとに変色が見られた。(黄味を帯びてきた)
径と1μm以上の粒子の含有率並びに粘度の変化率(増
粘率)の測定結果を表2に示した。
料ボールペンインキについて説明する。
0gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:
110〜120℃)120g、ロジン変性フェノール樹
脂(軟化点:110〜115℃)150g、ケトン樹脂
(軟化点:100〜120℃)150g、オレイン酸1
20g、ポリビニルピロリドン30gを入れて約2時
間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピ
ロール(IRGAZIN DPPRed BO、チバスペ
シャリティケミカルズ社製)300gを加えて約2時間
撹拌した。その後、2mmのビーズを充填した横型分散
機にて約30分間分散を行い、その後、フェニルグリコ
ール750g、ベンジルアルコール300gで希釈を行
って、油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。得ら
れたインキは色調、流動性ともに良好であった。
0gとの混合溶媒中に、フェノール変性キシレン樹脂
(商品名:HP−100、三菱瓦斯化学社製 軟化点:
105〜125℃)200g、ロジン変性フェノール樹
脂(軟化点:110〜115℃)150g、ケトン樹脂
(軟化点:100〜120℃)150g、オレイン酸1
20g、ポリビニルピロリドン30gを入れて約2時
間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピ
ロール(IRGAZIN DPP Red BO、チバス
ペシャリティケミカルズ社製)300gを加えて約2時
間撹拌した。その後、2mmのビーズを充填した横型分
散機にて約30分間分散を行い、その後、フェニルグリ
コール750g、ベンジルアルコール300gで希釈を
行って、油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。得
られたインキは色調、流動性ともに良好であった。
超硬ボールとステンレス製チップと収容管からなるボー
ルペンに充填して、油性ボールペンを得た。そのボール
ペンで筆記するとなめらかで良好な筆記性を示した。そ
して50℃の恒温槽中に筆記先端部を上向きにして1ヶ
月間放置した後、室温にて1日放置して、筆記角度70
°、荷重100gで直線筆記して、その時のカスレ長さ
を測定し、その結果を表3に示した。
機にてJIS S6039に準拠し、荷重100g、筆
記角度70°、筆記速度4m/分の条件で筆記を行い、
500m筆記後のボール摩耗量を光学顕微鏡を用いて測
定し、手書きにて筆記感のテストを行い、その結果を表
3に示した。
Claims (13)
- 【請求項1】 アルコール系有機溶剤と、該有機溶剤中
に溶解させた顔料分散樹脂と、該有機溶剤中に分散させ
たジケトピロロピロールである赤色顔料とを含み、該赤
色顔料と該顔料分散樹脂との配合比(赤色顔料/樹脂)
が0.5〜5の範囲である筆記具インキ用油性赤色顔料
分散液。 - 【請求項2】 前記赤色顔料の平均粒径が400nm以
下である請求項1記載の油性赤色顔料分散液。 - 【請求項3】 前記赤色顔料の平均粒径が50〜350
nmである請求項1記載の油性赤色顔料分散液。 - 【請求項4】 前記赤色顔料の粒径1μm以上の粒子の
含有率が10重量%以下である請求項1記載の油性赤色
顔料分散液。 - 【請求項5】 前記赤色顔料の1次粒子径が100〜2
50nmである請求項1記載の油性赤色顔料分散液。 - 【請求項6】 前記有機溶剤が、常圧で150℃以上の
沸点を示す高沸点有機溶剤を含んでいる請求項1〜5の
いずれか記載の油性赤色顔料分散液。 - 【請求項7】 前記顔料分散樹脂が、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール変性
キシレン樹脂、ケトン樹脂、およびテルペンフェノール
樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である請
求項1〜6のいずれか記載の油性赤色顔料分散液。 - 【請求項8】 前記顔料分散樹脂の軟化点が80〜15
0℃である請求項1〜7のいずれか記載の油性赤色顔料
分散液。 - 【請求項9】 常圧50℃で1ヶ月保存後の増粘率が2
0%以下である請求項1〜8のいずれか記載の油性赤色
顔料分散液。 - 【請求項10】 アルコール系有機溶剤と、顔料分散樹
脂と、ジケトピロロピロールである赤色顔料とを含む混
合物を提供する工程;粗分散用ミル媒体を用いて該混合
物を分散させる工程;および微分散用ミル媒体を用いて
該混合物を分散させる工程;を包含する、筆記具インキ
用油性赤色顔料分散液の製造方法。 - 【請求項11】 アルコール系有機溶剤と、顔料分散樹
脂と、ジケトピロロピロールである赤色顔料とを含む混
合物を提供する工程;粗分散用ミル媒体を用いて赤色顔
料の平均粒径が500nm以下になるまで該混合物を分
散させる工程;および微分散用ミル媒体を用いて赤色顔
料の平均粒径が400nm以下になるまで該混合物を分
散させる工程;を包含する、筆記具インキ用油性赤色顔
料分散液の製造方法。 - 【請求項12】 請求項1記載の筆記具インキ用油性赤
色顔料分散液と、アルコール系有機溶剤とを少なくとも
含む油性赤色顔料筆記具インキ。 - 【請求項13】 アルコール系有機溶剤と、該有機溶剤
中に溶解させた顔料分散樹脂と、該有機溶剤中に分散さ
せたジケトピロロピロールである赤色顔料とを含む油性
赤色顔料筆記具インキ。
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