JP2001192587A - ガラス層をもつ基体用防汚処理剤及びその製造方法並びにガラス層をもつ基体の防汚処理方法及びその製品 - Google Patents
ガラス層をもつ基体用防汚処理剤及びその製造方法並びにガラス層をもつ基体の防汚処理方法及びその製品Info
- Publication number
- JP2001192587A JP2001192587A JP2000004659A JP2000004659A JP2001192587A JP 2001192587 A JP2001192587 A JP 2001192587A JP 2000004659 A JP2000004659 A JP 2000004659A JP 2000004659 A JP2000004659 A JP 2000004659A JP 2001192587 A JP2001192587 A JP 2001192587A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass layer
- agent
- antibacterial
- antifouling
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ガラス層をもつ基体に対し、十分な防汚効果を
確実に発揮可能とするとともに、製造コストの低廉化を
実現可能とする。 【解決手段】ガラス層2をもつ衛生陶器用の防汚処理剤
は、ガラス層2に存在する水酸基と脱水反応等により結
合可能であり、ケイ素含有官能基を有するとともに、抗
菌成分を含む。
確実に発揮可能とするとともに、製造コストの低廉化を
実現可能とする。 【解決手段】ガラス層2をもつ衛生陶器用の防汚処理剤
は、ガラス層2に存在する水酸基と脱水反応等により結
合可能であり、ケイ素含有官能基を有するとともに、抗
菌成分を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス層をもつ基
体用防汚処理剤と、ガラス層をもつ基体用防汚処理剤の
製造方法と、ガラス層をもつ基体の防汚処理方法と、そ
の防汚処理方法により得られるガラス層をもつ製品とに
関する。
体用防汚処理剤と、ガラス層をもつ基体用防汚処理剤の
製造方法と、ガラス層をもつ基体の防汚処理方法と、そ
の防汚処理方法により得られるガラス層をもつ製品とに
関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス製品、セラミックス製品、ホウロ
ウ製品等の基体たる窯業製品は、基体自体がガラス層を
構成していたり、基体が釉薬からなるガラス層で覆われ
たものであり、使用時にはそのガラス層に屎尿、石けん
液、洗顔液、洗髪液、口紅、毛染め液等が接触し、汚れ
を生じる。このため、ガラス層の表面に撥水作用を奏す
る各種の防汚処理剤が塗布されることがある(例えば、
特開昭58−147484号、特開昭60−22147
0号、特開平4−96935号、特開平3−29043
7号)。
ウ製品等の基体たる窯業製品は、基体自体がガラス層を
構成していたり、基体が釉薬からなるガラス層で覆われ
たものであり、使用時にはそのガラス層に屎尿、石けん
液、洗顔液、洗髪液、口紅、毛染め液等が接触し、汚れ
を生じる。このため、ガラス層の表面に撥水作用を奏す
る各種の防汚処理剤が塗布されることがある(例えば、
特開昭58−147484号、特開昭60−22147
0号、特開平4−96935号、特開平3−29043
7号)。
【0003】また、Ag、Cu、Zn等の抗菌金属は抗
菌作用を奏し得る抗菌成分として知られており、この抗
菌成分を含む抗菌剤がガラス層中に焚き込まれることも
なされる。
菌作用を奏し得る抗菌成分として知られており、この抗
菌成分を含む抗菌剤がガラス層中に焚き込まれることも
なされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
試験結果によれば、ガラス層の表面に汚れが付着するメ
カニズムは、およそ次のようなものであると考えられ
る。すなわち、これら窯業製品では、ガラス層の表面に
水酸基(−OH)が存在する。この水酸基には水の中に
含まれている溶性シリカ等の金属イオンが結合し、これ
らが析出し、汚れを取り込みやすいと考えられる。特
に、溶性シリカは網目構造をなすケイ酸として析出し、
汚れを取り込みやすいと考えられる。こうして、取り込
まれた汚れの中にはカビや細菌類が繁殖しやすく、これ
らが汚れを落ちにくくするとともに、これにより不衛生
ともなる。このような現象が起こるのは、製品の全面で
はなく、水に濡れたり、乾いたりを繰り返す鉢面等であ
る。
試験結果によれば、ガラス層の表面に汚れが付着するメ
カニズムは、およそ次のようなものであると考えられ
る。すなわち、これら窯業製品では、ガラス層の表面に
水酸基(−OH)が存在する。この水酸基には水の中に
含まれている溶性シリカ等の金属イオンが結合し、これ
らが析出し、汚れを取り込みやすいと考えられる。特
に、溶性シリカは網目構造をなすケイ酸として析出し、
汚れを取り込みやすいと考えられる。こうして、取り込
まれた汚れの中にはカビや細菌類が繁殖しやすく、これ
らが汚れを落ちにくくするとともに、これにより不衛生
ともなる。このような現象が起こるのは、製品の全面で
はなく、水に濡れたり、乾いたりを繰り返す鉢面等であ
る。
【0005】この点、上記のように、例えば鉢面等のガ
ラス層の表面に撥水作用を奏するだけの従来の防汚処理
剤を塗布すれば、その防汚処理剤がガラス層の表面に撥
水層を形成し、この撥水層が金属イオンを含む水をはじ
くことから、かかる金属イオンの析出に起因する汚れを
防止できるはずである。
ラス層の表面に撥水作用を奏するだけの従来の防汚処理
剤を塗布すれば、その防汚処理剤がガラス層の表面に撥
水層を形成し、この撥水層が金属イオンを含む水をはじ
くことから、かかる金属イオンの析出に起因する汚れを
防止できるはずである。
【0006】しかしながら、こうしてガラス層の表面に
撥水作用を奏するだけの従来の防汚処理剤を塗布するだ
けでは、ガラス層の表面に少ない水分の下で汚れ成分だ
けが残留するような場合、水をはじくことによる作用だ
けではその汚れ成分を残存させることとなるため、十分
な防汚効果が得られないおそれがある。また、ガラス層
の表面に水酸基が残存したり、水酸基が再び剥き出しに
なったりするような場合も、その部分では金属イオンの
析出を完全には防止できないと考えられることから汚れ
成分が残存し、同様である。
撥水作用を奏するだけの従来の防汚処理剤を塗布するだ
けでは、ガラス層の表面に少ない水分の下で汚れ成分だ
けが残留するような場合、水をはじくことによる作用だ
けではその汚れ成分を残存させることとなるため、十分
な防汚効果が得られないおそれがある。また、ガラス層
の表面に水酸基が残存したり、水酸基が再び剥き出しに
なったりするような場合も、その部分では金属イオンの
析出を完全には防止できないと考えられることから汚れ
成分が残存し、同様である。
【0007】このため、ガラス層中に抗菌成分を焚き込
むとともに、そのガラス層の表面に上記従来の防汚処理
剤を塗布することも考えられる。こうであれば、従来の
防汚処理剤による撥水層が金属イオンを含む水をはじい
て金属イオンの析出に起因する汚れを防止できるととも
に、それでも残留する汚れ成分をガラス層中の抗菌成分
が分解し、より優れた防汚効果が期待できる。
むとともに、そのガラス層の表面に上記従来の防汚処理
剤を塗布することも考えられる。こうであれば、従来の
防汚処理剤による撥水層が金属イオンを含む水をはじい
て金属イオンの析出に起因する汚れを防止できるととも
に、それでも残留する汚れ成分をガラス層中の抗菌成分
が分解し、より優れた防汚効果が期待できる。
【0008】ところが、こうであれば、防汚処理剤から
なる撥水層がガラス層中の抗菌成分を隠蔽しやすく、そ
の作用を十分に生かしきれないと考えられる。また、こ
うしてガラス層に抗菌成分を焚き込むとすると、ガラス
層が厚みを有することから、実際に抗菌効果を発揮する
のが表面域だけであるのに対して無駄な抗菌成分を消費
しやすく、製造コストの低廉化が困難である。
なる撥水層がガラス層中の抗菌成分を隠蔽しやすく、そ
の作用を十分に生かしきれないと考えられる。また、こ
うしてガラス層に抗菌成分を焚き込むとすると、ガラス
層が厚みを有することから、実際に抗菌効果を発揮する
のが表面域だけであるのに対して無駄な抗菌成分を消費
しやすく、製造コストの低廉化が困難である。
【0009】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、ガラス層をもつ基体に対し、十分な防
汚効果を確実に発揮可能とするとともに、製造コストの
低廉化を実現可能とすることを解決すべき課題としてい
る。
たものであって、ガラス層をもつ基体に対し、十分な防
汚効果を確実に発揮可能とするとともに、製造コストの
低廉化を実現可能とすることを解決すべき課題としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス層をもつ
基体用防汚処理剤は、ガラス層をもつ基体における該ガ
ラス層の防汚処理方法に用いる防汚処理剤において、前
記ガラス層に存在する水酸基と脱水反応又は脱水素反応
により結合可能であり、ケイ素含有官能基を有するとと
もに、抗菌成分を含むものであることを特徴とする。
基体用防汚処理剤は、ガラス層をもつ基体における該ガ
ラス層の防汚処理方法に用いる防汚処理剤において、前
記ガラス層に存在する水酸基と脱水反応又は脱水素反応
により結合可能であり、ケイ素含有官能基を有するとと
もに、抗菌成分を含むものであることを特徴とする。
【0011】本発明の防汚処理剤を用いて防汚処理方法
を行う場合は以下の通りとなる。つまり、本発明のガラ
ス層をもつ基体の防汚処理方法は、ガラス層をもつ基体
と防汚処理剤とを用意し、少なくとも該ガラス層に該防
汚処理剤を接触させる防汚処理方法であって、前記防汚
処理剤は、前記ガラス層に存在する水酸基と脱水反応又
は脱水素反応により結合可能であり、ケイ素含有官能基
を有するとともに、抗菌成分を含むものであることを特
徴とする。
を行う場合は以下の通りとなる。つまり、本発明のガラ
ス層をもつ基体の防汚処理方法は、ガラス層をもつ基体
と防汚処理剤とを用意し、少なくとも該ガラス層に該防
汚処理剤を接触させる防汚処理方法であって、前記防汚
処理剤は、前記ガラス層に存在する水酸基と脱水反応又
は脱水素反応により結合可能であり、ケイ素含有官能基
を有するとともに、抗菌成分を含むものであることを特
徴とする。
【0012】ここで、ガラス層と防汚処理剤を接触させ
る方法については、特に限定はないが、布や紙等に防汚
処理剤を染み込ませて塗布する方法や、スプレーにより
塗布する方法等を採用することができる。
る方法については、特に限定はないが、布や紙等に防汚
処理剤を染み込ませて塗布する方法や、スプレーにより
塗布する方法等を採用することができる。
【0013】そして、本発明の防汚処理剤及び防汚処理
方法により得られる製品は以下の通りとなる。つまり、
本発明のガラス層をもつ製品は、ガラス層をもつ基体か
らなり、該ガラス層の表面側には、該ガラス層の水酸基
と脱水反応又は脱水素反応により結合し、ケイ素含有官
能基を有するとともに、抗菌成分を含む撥水抗菌層をも
つことを特徴とする。
方法により得られる製品は以下の通りとなる。つまり、
本発明のガラス層をもつ製品は、ガラス層をもつ基体か
らなり、該ガラス層の表面側には、該ガラス層の水酸基
と脱水反応又は脱水素反応により結合し、ケイ素含有官
能基を有するとともに、抗菌成分を含む撥水抗菌層をも
つことを特徴とする。
【0014】これらにおいて、基体としてはガラス製
品、セラミックス製品又はホウロウ製品等の窯業製品を
採用することができる。セラミックス製品としてはタイ
ルや衛生陶器その他を採用することができる。
品、セラミックス製品又はホウロウ製品等の窯業製品を
採用することができる。セラミックス製品としてはタイ
ルや衛生陶器その他を採用することができる。
【0015】本発明に係る防汚処理剤はケイ素含有官能
基(X−Si−O−)を有し、このケイ素含有官能基が
釉薬層等のガラス層の表面に存在する水酸基(−OH)
と脱水反応又は脱水素反応により結合してその水酸基を
シールドして撥水作用を発揮する。このため、溶性シリ
カ等の金属イオンを含む水を使用するとしても、その水
酸基はもはや不能化されてそれら金属イオンと結合せ
ず、屎尿等の成分を結合しなくなる。特に、金属イオン
として溶性シリカを含む水を使用しても、網目構造をな
すケイ酸として析出せず、又は析出しにくく、汚れを取
り込みにくい。こうして、防汚処理剤がこのケイ素含有
官能基を有すれば、溶性シリカ等の金属イオンを含む水
を同時に使う基体にあって、屎尿等の汚れがこびり付き
にくく、その清掃が容易となる。そして、取り込まれた
汚れの中にカビや細菌類が繁殖しにくく、これらが汚れ
を落ちにくくすることがないとともに衛生的ともなる。
基(X−Si−O−)を有し、このケイ素含有官能基が
釉薬層等のガラス層の表面に存在する水酸基(−OH)
と脱水反応又は脱水素反応により結合してその水酸基を
シールドして撥水作用を発揮する。このため、溶性シリ
カ等の金属イオンを含む水を使用するとしても、その水
酸基はもはや不能化されてそれら金属イオンと結合せ
ず、屎尿等の成分を結合しなくなる。特に、金属イオン
として溶性シリカを含む水を使用しても、網目構造をな
すケイ酸として析出せず、又は析出しにくく、汚れを取
り込みにくい。こうして、防汚処理剤がこのケイ素含有
官能基を有すれば、溶性シリカ等の金属イオンを含む水
を同時に使う基体にあって、屎尿等の汚れがこびり付き
にくく、その清掃が容易となる。そして、取り込まれた
汚れの中にカビや細菌類が繁殖しにくく、これらが汚れ
を落ちにくくすることがないとともに衛生的ともなる。
【0016】ここで、防汚処理剤はケイ素含有官能基が
互いには結合していないことが好ましい。発明者らの試
験結果によれば、ケイ素含有官能基同士で結合していな
い防汚処理剤であれば、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚
れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高い。防
汚処理剤のケイ素含有官能基同士が結合しておれば、ケ
イ素が多くなって撥水抗菌層に網目構造をなすケイ酸が
析出し、そこに汚れが取り込まれやすいと考えられるか
らである。
互いには結合していないことが好ましい。発明者らの試
験結果によれば、ケイ素含有官能基同士で結合していな
い防汚処理剤であれば、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚
れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高い。防
汚処理剤のケイ素含有官能基同士が結合しておれば、ケ
イ素が多くなって撥水抗菌層に網目構造をなすケイ酸が
析出し、そこに汚れが取り込まれやすいと考えられるか
らである。
【0017】また、本発明に係る防汚処理剤は、抗菌成
分を含んでいることから、撥水作用の下で汚れ成分が残
存するような場合でも、残存するその汚れ成分を抗菌成
分が分解し、より優れた防汚効果を発揮できる。
分を含んでいることから、撥水作用の下で汚れ成分が残
存するような場合でも、残存するその汚れ成分を抗菌成
分が分解し、より優れた防汚効果を発揮できる。
【0018】しかも、本発明に係る防汚処理剤は、ガラ
ス層の表面の水酸基をシールドするケイ素含有官能基と
ともに抗菌成分を含むことから、ガラス層の防汚処理方
法に用いられれば、ガラス層の表面域においてケイ素含
有官能基と抗菌成分とがともに剥き出しになっていると
考えられ、抗菌成分が確実に抗菌作用を奏する。また、
厚みを有するガラス層中に抗菌成分を常に深く分散させ
る訳ではないので、無駄な抗菌成分を消費せず、製造コ
ストの低廉化が容易である。
ス層の表面の水酸基をシールドするケイ素含有官能基と
ともに抗菌成分を含むことから、ガラス層の防汚処理方
法に用いられれば、ガラス層の表面域においてケイ素含
有官能基と抗菌成分とがともに剥き出しになっていると
考えられ、抗菌成分が確実に抗菌作用を奏する。また、
厚みを有するガラス層中に抗菌成分を常に深く分散させ
る訳ではないので、無駄な抗菌成分を消費せず、製造コ
ストの低廉化が容易である。
【0019】したがって、本発明によれば、ガラス層を
もつ基体に対し、十分な防汚効果を確実に発揮させ得る
とともに、製造コストの低廉化を実現させ得る。
もつ基体に対し、十分な防汚効果を確実に発揮させ得る
とともに、製造コストの低廉化を実現させ得る。
【0020】なお、防汚処理剤のケイ素含有官能基はガ
ラス層をもつ基体のガラス層にあるケイ素と同様に高い
耐久性を発揮する。
ラス層をもつ基体のガラス層にあるケイ素と同様に高い
耐久性を発揮する。
【0021】防汚処理剤としては、ケイ素含有官能基と
結合した末端のフッ化炭素基を有するものを採用するこ
とが好ましい。発明者らの試験結果によれば、こうして
フッ化炭素基を有すれば、フッ化炭素基の小さな臨界表
面張力により、防汚効果が高い撥水効果としても現れ、
耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に対し
て効果が高いからである。
結合した末端のフッ化炭素基を有するものを採用するこ
とが好ましい。発明者らの試験結果によれば、こうして
フッ化炭素基を有すれば、フッ化炭素基の小さな臨界表
面張力により、防汚効果が高い撥水効果としても現れ、
耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に対し
て効果が高いからである。
【0022】フッ化炭素基は−CnF2n+1(nは1≦n
≦12自然数)であることができる。発明者らの試験結
果によれば、これによりフッ素数が多く、フルオロシラ
ンが嵩高くなるため、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、
耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が大きい。
≦12自然数)であることができる。発明者らの試験結
果によれば、これによりフッ素数が多く、フルオロシラ
ンが嵩高くなるため、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、
耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が大きい。
【0023】また、防汚処理剤として、ケイ素含有官能
基と結合した末端のアルキル基を有さないもの採用する
ことも好ましい。発明者らの試験結果によれば、これに
より耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に
対して効果が大きい。
基と結合した末端のアルキル基を有さないもの採用する
ことも好ましい。発明者らの試験結果によれば、これに
より耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に
対して効果が大きい。
【0024】他方、防汚処理剤として、ケイ素含有官能
基と結合した末端のアルキル基を有するものも採用する
ことも好ましい。発明者らの試験結果によれば、こうし
てアルキル基を有すれば、アルキル基の大きな臨界表面
張力により、防汚効果が耐口紅汚れ、耐摩耗性としても
現れるからである。
基と結合した末端のアルキル基を有するものも採用する
ことも好ましい。発明者らの試験結果によれば、こうし
てアルキル基を有すれば、アルキル基の大きな臨界表面
張力により、防汚効果が耐口紅汚れ、耐摩耗性としても
現れるからである。
【0025】耐摩耗性の観点からは、アルキル基とし
て、メチル基又はエチル基を採用し得る。他方、耐アル
カリの観点からは、アルキル基として、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基又はヘキシル基を採用し得る。発明
者らの試験結果によれば、アルキル基がプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基又はヘキシル基等であれば、アルキ
ル基が嵩高くなって耐アルカリの点で優れる一方、耐摩
耗性の点で劣る。他方、アルキル基がメチル基又はエチ
ル基であれば、耐摩耗性の点で優れる一方、耐アルカリ
の点で劣る。
て、メチル基又はエチル基を採用し得る。他方、耐アル
カリの観点からは、アルキル基として、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基又はヘキシル基を採用し得る。発明
者らの試験結果によれば、アルキル基がプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基又はヘキシル基等であれば、アルキ
ル基が嵩高くなって耐アルカリの点で優れる一方、耐摩
耗性の点で劣る。他方、アルキル基がメチル基又はエチ
ル基であれば、耐摩耗性の点で優れる一方、耐アルカリ
の点で劣る。
【0026】防汚処理剤がケイ素含有官能基と結合した
末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含有官能
基と結合した末端のアルキル基を有する場合、フッ化炭
素基よりアルキル基が多いものを採用することが好まし
い。発明者らの試験結果によれば、これにより防汚処理
剤がパーフルオロアルキルシランだけでなくなり、耐口
紅汚れ及び耐摩耗性に対して効果が高い。
末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含有官能
基と結合した末端のアルキル基を有する場合、フッ化炭
素基よりアルキル基が多いものを採用することが好まし
い。発明者らの試験結果によれば、これにより防汚処理
剤がパーフルオロアルキルシランだけでなくなり、耐口
紅汚れ及び耐摩耗性に対して効果が高い。
【0027】他方、防汚処理剤がケイ素含有官能基と結
合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含
有官能基と結合した末端のアルキル基を有する場合、ア
ルキル基よりフッ化炭素基が多いものを採用することも
好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより防
汚処理剤中のパーフルオロアルキルシランが多くなり、
耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカ
リ性に対して効果が高い。
合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含
有官能基と結合した末端のアルキル基を有する場合、ア
ルキル基よりフッ化炭素基が多いものを採用することも
好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより防
汚処理剤中のパーフルオロアルキルシランが多くなり、
耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカ
リ性に対して効果が高い。
【0028】ケイ素含有官能基とアルキル基とはジメチ
ルシロキサン(O−Si(CH3)2)により結合してい
ることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、これ
により耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐
アルカリ性に対して効果が高い。
ルシロキサン(O−Si(CH3)2)により結合してい
ることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、これ
により耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐
アルカリ性に対して効果が高い。
【0029】このジメチルシロキサンは、直鎖状にケイ
素含有官能基とアルキル基とを結合しているものの他、
環状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合している
ものを採用することが好ましい。発明者らの試験結果に
よれば、これにより耐水アカ汚れ、耐口紅汚れ、耐毛染
め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して安定して
高い効果を発揮する。
素含有官能基とアルキル基とを結合しているものの他、
環状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合している
ものを採用することが好ましい。発明者らの試験結果に
よれば、これにより耐水アカ汚れ、耐口紅汚れ、耐毛染
め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して安定して
高い効果を発揮する。
【0030】ジメチルシロキサンが直鎖状にケイ素含有
官能基とアルキル基とを結合しているものの具体例とし
ては、特開平8−209118号公報記載の第1剤と第
2剤とを混合した防汚処理剤を採用することができる。
官能基とアルキル基とを結合しているものの具体例とし
ては、特開平8−209118号公報記載の第1剤と第
2剤とを混合した防汚処理剤を採用することができる。
【0031】また、防汚処理剤の抗菌成分としては、A
g、Cu、Zn等の抗菌金属を採用することができる。
g、Cu、Zn等の抗菌金属を採用することができる。
【0032】本発明のガラス層をもつ基体用防汚処理剤
の製造方法は、ガラス層をもつ基体における該ガラス層
の防汚処理方法に用いる防汚処理剤の製造方法におい
て、パーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物と加水
分解性基含有メチルポリシロキサン化合物との親水性溶
媒中での共加水分解物である第1剤と、オルガノポリシ
ロキサンと強酸との混合物である第2剤と、抗菌成分を
含む抗菌剤とを用意する第1工程と、該第1剤と該第2
剤と該抗菌剤とを混在させて防汚処理剤とする第2工程
と、を有することを特徴とする。
の製造方法は、ガラス層をもつ基体における該ガラス層
の防汚処理方法に用いる防汚処理剤の製造方法におい
て、パーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物と加水
分解性基含有メチルポリシロキサン化合物との親水性溶
媒中での共加水分解物である第1剤と、オルガノポリシ
ロキサンと強酸との混合物である第2剤と、抗菌成分を
含む抗菌剤とを用意する第1工程と、該第1剤と該第2
剤と該抗菌剤とを混在させて防汚処理剤とする第2工程
と、を有することを特徴とする。
【0033】本発明の防汚処理剤の製造方法では、まず
第1工程により第1剤、第2剤及び抗菌剤を用意する。
第1工程により第1剤、第2剤及び抗菌剤を用意する。
【0034】ここで、第1剤はパーフロロアルキル基含
有有機ケイ素化合物と加水分解性基含有メチルポリシロ
キサン化合物との親水性溶媒中での共加水分解物であ
る。第1剤中に存在するパーフロロアルキル基含有有機
ケイ素化合物と加水分解性基含有メチルポリシロキサン
化合物は、ガラス層の表面に存在する水酸基と脱水反応
又は脱水素反応により結合してその水酸基をシールドす
るためのケイ素含有官能基を有する成分として用意され
る。
有有機ケイ素化合物と加水分解性基含有メチルポリシロ
キサン化合物との親水性溶媒中での共加水分解物であ
る。第1剤中に存在するパーフロロアルキル基含有有機
ケイ素化合物と加水分解性基含有メチルポリシロキサン
化合物は、ガラス層の表面に存在する水酸基と脱水反応
又は脱水素反応により結合してその水酸基をシールドす
るためのケイ素含有官能基を有する成分として用意され
る。
【0035】パーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合
物を第1剤中の構成成分とした理由は、フッ化炭素基の
大きな臨界表面張力により防汚効果が撥水効果としても
現れ、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性
に対して効果が高いからである。また、加水分解性基含
有メチルポリシロキサン化合物を第1剤中の構成成分と
した理由は、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アル
カリ性に対して効果が大きいからである。
物を第1剤中の構成成分とした理由は、フッ化炭素基の
大きな臨界表面張力により防汚効果が撥水効果としても
現れ、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性
に対して効果が高いからである。また、加水分解性基含
有メチルポリシロキサン化合物を第1剤中の構成成分と
した理由は、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アル
カリ性に対して効果が大きいからである。
【0036】第2剤はオルガノポリシロキサンと強酸と
の混合物である。オルガノポリシロキサンを第2剤中の
構成成分とした理由は、アルキル基の小さな臨界表面張
力により、防汚効果が耐口紅汚れ、耐摩耗性としても現
れるからである。さらに、強酸を第2剤の構成成分とし
た理由は、本発明に係る方法より調整した防汚処理剤を
用いて防汚処理を行った場合、第1剤中の構成成分であ
るパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物及び加水
分解性基含有メチルポリシロキサン化合物とガラス層の
表面の水酸基とが結合するための触媒として強酸が有効
に作用するからである。
の混合物である。オルガノポリシロキサンを第2剤中の
構成成分とした理由は、アルキル基の小さな臨界表面張
力により、防汚効果が耐口紅汚れ、耐摩耗性としても現
れるからである。さらに、強酸を第2剤の構成成分とし
た理由は、本発明に係る方法より調整した防汚処理剤を
用いて防汚処理を行った場合、第1剤中の構成成分であ
るパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物及び加水
分解性基含有メチルポリシロキサン化合物とガラス層の
表面の水酸基とが結合するための触媒として強酸が有効
に作用するからである。
【0037】また、抗菌剤としては、Ag、Cu、Zn
等の抗菌成分である抗菌金属の微粉末、抗菌金属を含む
コロイド、抗菌金属のイオンを溶解させた溶液を採用す
ることができる。具体的には、有機銀・銅化合物や銀・
銅担持無機化合物であり、(1)銀、銅、銀−銅合金、
(2)リン酸銀、硝酸銀、塩化銀、硫化銀、酸化銀、硫
酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、過塩素酸銀、(3)リン酸
第一銅、リン酸第二銅、有機銅化合物、塩化第一銅、塩
化第二銅、硫化第一銅、酸化第一銅、酸化第二銅、硫化
第二銅、硫化第一銅、硫化第二銅、クエン酸銅、乳酸
銅、過塩素酸銅等を採用することができる。また、亜鉛
についても、同様に、有機亜鉛化合物や亜鉛担持無機化
合物であり、亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫化亜鉛、硫
酸亜鉛、乳酸亜鉛、過塩素酸亜鉛等を採用することがで
きる。これらの金属は、単体であってもよく、合金であ
ってもよく、また化合物であってもよい。
等の抗菌成分である抗菌金属の微粉末、抗菌金属を含む
コロイド、抗菌金属のイオンを溶解させた溶液を採用す
ることができる。具体的には、有機銀・銅化合物や銀・
銅担持無機化合物であり、(1)銀、銅、銀−銅合金、
(2)リン酸銀、硝酸銀、塩化銀、硫化銀、酸化銀、硫
酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、過塩素酸銀、(3)リン酸
第一銅、リン酸第二銅、有機銅化合物、塩化第一銅、塩
化第二銅、硫化第一銅、酸化第一銅、酸化第二銅、硫化
第二銅、硫化第一銅、硫化第二銅、クエン酸銅、乳酸
銅、過塩素酸銅等を採用することができる。また、亜鉛
についても、同様に、有機亜鉛化合物や亜鉛担持無機化
合物であり、亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫化亜鉛、硫
酸亜鉛、乳酸亜鉛、過塩素酸亜鉛等を採用することがで
きる。これらの金属は、単体であってもよく、合金であ
ってもよく、また化合物であってもよい。
【0038】本発明に係る製造方法及び防汚処理方法で
は、抗菌金属の大きさがより小さいコロイドや溶液を採
用することが好ましい。より好ましくは、硝酸銀、硫酸
銀、過塩素酸銀等の溶液を採用することである。コロイ
ドでは抗菌金属の大きさが原子より大きいのに対し、こ
れらの溶液では抗菌金属の大きさが原子と同等だからで
ある。かかる抗菌金属をイオンで溶解させた溶液は、抗
菌金属イオンと溶媒とを含む処理液として具体化可能で
ある。また、コロイドは抗菌金属の微粒子を大量に含有
することが好ましく、溶液は抗菌金属イオンを高濃度で
溶解させていることが好ましい。
は、抗菌金属の大きさがより小さいコロイドや溶液を採
用することが好ましい。より好ましくは、硝酸銀、硫酸
銀、過塩素酸銀等の溶液を採用することである。コロイ
ドでは抗菌金属の大きさが原子より大きいのに対し、こ
れらの溶液では抗菌金属の大きさが原子と同等だからで
ある。かかる抗菌金属をイオンで溶解させた溶液は、抗
菌金属イオンと溶媒とを含む処理液として具体化可能で
ある。また、コロイドは抗菌金属の微粒子を大量に含有
することが好ましく、溶液は抗菌金属イオンを高濃度で
溶解させていることが好ましい。
【0039】第1剤と第2剤とは混合されると、共加水
分解物のシラノール基はオルガノポリシロキサン及び強
酸と反応して脱水反応によりシロキサン結合(Si−O
−Si)し、複数の分子が複雑に絡み合った付加化合物
になると考えられる。このため、第1剤と第2剤と抗菌
剤とを混合してなる防汚処理剤は、パーフロロアルキル
基含有有機ケイ素化合物、加水分解性基含有メチルポリ
シロキサン化合物、オルガノポリシロキサン等の1分子
だけから構成されているのではなく、これら複数の分子
が複雑に絡み合った付加化合物、一種のポリマーとして
結合されて構成されているとともに、その付加化合物と
基体の表面とが強固に化学結合され、かつ抗菌成分が撥
水抗菌層に固定化されると考えられる。
分解物のシラノール基はオルガノポリシロキサン及び強
酸と反応して脱水反応によりシロキサン結合(Si−O
−Si)し、複数の分子が複雑に絡み合った付加化合物
になると考えられる。このため、第1剤と第2剤と抗菌
剤とを混合してなる防汚処理剤は、パーフロロアルキル
基含有有機ケイ素化合物、加水分解性基含有メチルポリ
シロキサン化合物、オルガノポリシロキサン等の1分子
だけから構成されているのではなく、これら複数の分子
が複雑に絡み合った付加化合物、一種のポリマーとして
結合されて構成されているとともに、その付加化合物と
基体の表面とが強固に化学結合され、かつ抗菌成分が撥
水抗菌層に固定化されると考えられる。
【0040】なお、撥水抗菌層中の抗菌成分は、付加化
合物内のケイ素含有官能基又はアルキル基若しくはフッ
化炭素基内に存在するか、ガラス層の表面にイオン交換
により拡散されていると考えられる。ケイ素含有官能基
等内に存在する場合はキレートになっているとも考えら
れる。発明者らの試験結果によれば、抗菌成分がフッ化
炭素基に担持されておれば、抗菌作用の寿命が長くな
る。
合物内のケイ素含有官能基又はアルキル基若しくはフッ
化炭素基内に存在するか、ガラス層の表面にイオン交換
により拡散されていると考えられる。ケイ素含有官能基
等内に存在する場合はキレートになっているとも考えら
れる。発明者らの試験結果によれば、抗菌成分がフッ化
炭素基に担持されておれば、抗菌作用の寿命が長くな
る。
【0041】上記防汚処理剤の製造方法においては、第
2工程として、(1)第1剤に抗菌剤を粉末、コロイド
あるいは溶液として加えて溶解させ、得られた混合剤を
第2剤と混合する方法と、(2)第2剤に抗菌剤を粉
末、コロイドあるいは溶液として加えて溶解させ、得ら
れた混合剤を第1剤と混合する方法と、(3)第1剤と
第2剤とを混合して混合剤とし、これに抗菌剤を粉末、
コロイドあるいは溶液として加えて溶解させる方法とが
ある。
2工程として、(1)第1剤に抗菌剤を粉末、コロイド
あるいは溶液として加えて溶解させ、得られた混合剤を
第2剤と混合する方法と、(2)第2剤に抗菌剤を粉
末、コロイドあるいは溶液として加えて溶解させ、得ら
れた混合剤を第1剤と混合する方法と、(3)第1剤と
第2剤とを混合して混合剤とし、これに抗菌剤を粉末、
コロイドあるいは溶液として加えて溶解させる方法とが
ある。
【0042】これらのうち、発明者らの試験結果によれ
ば、得られた防汚処理剤による抗菌作用は、(1)の方
法>(2)の方法>(3)の方法の順で優劣を生じてい
る。このため、本発明に係る防汚処理剤の製造方法とし
ては、第2工程において、第1剤に抗菌剤を溶解させて
混合剤とし、この混合剤と第2剤とを混合することが抗
菌作用の点で好ましい。
ば、得られた防汚処理剤による抗菌作用は、(1)の方
法>(2)の方法>(3)の方法の順で優劣を生じてい
る。このため、本発明に係る防汚処理剤の製造方法とし
ては、第2工程において、第1剤に抗菌剤を溶解させて
混合剤とし、この混合剤と第2剤とを混合することが抗
菌作用の点で好ましい。
【0043】他方、得られる防汚処理剤の撥水作用の安
定性の点では、第2工程において、第2剤に抗菌剤を溶
解させて混合剤とし、この混合剤と第1剤とを混合する
ことが抗菌作用の点で好ましい。第1剤に抗菌剤を溶解
させて混合剤としてしまうと、抗菌剤が触媒として作用
しやすく、第1剤と第2剤との反応が損なわれるからで
あると考えられる。
定性の点では、第2工程において、第2剤に抗菌剤を溶
解させて混合剤とし、この混合剤と第1剤とを混合する
ことが抗菌作用の点で好ましい。第1剤に抗菌剤を溶解
させて混合剤としてしまうと、抗菌剤が触媒として作用
しやすく、第1剤と第2剤との反応が損なわれるからで
あると考えられる。
【0044】ガラス層には予め抗菌成分を含めることも
できる。この場合、製品のガラス層は、撥水抗菌層に抗
菌成分を含むとともに、その撥水抗菌層より奥の内部に
も抗菌成分を含むこととなる。こうであれば、撥水抗菌
層により抗菌作用を発揮可能であるとともに、その撥水
抗菌層が一部でも摩耗した後においても内部の抗菌成分
により抗菌作用を発揮することができる。
できる。この場合、製品のガラス層は、撥水抗菌層に抗
菌成分を含むとともに、その撥水抗菌層より奥の内部に
も抗菌成分を含むこととなる。こうであれば、撥水抗菌
層により抗菌作用を発揮可能であるとともに、その撥水
抗菌層が一部でも摩耗した後においても内部の抗菌成分
により抗菌作用を発揮することができる。
【0045】こうして、ガラス層に予め抗菌成分を含ま
せておくとともに、そのガラス層の表面に撥水抗菌層を
形成する場合、基体のガラス層の全体に予め抗菌成分を
含ませることはある程度やむを得ないものの、そのガラ
ス層の全体に撥水抗菌層を形成するだけでなく、より強
力に抗菌成分の作用が要求されるガラス層の部位にのみ
撥水抗菌層を形成することもできる。例えば、大便器の
ガラス層の全体に予め抗菌成分を含ませつつ、大便器の
封水部やリムから水が流れる部位等、水の接触する部位
にのみ撥水抗菌層を形成することができる。
せておくとともに、そのガラス層の表面に撥水抗菌層を
形成する場合、基体のガラス層の全体に予め抗菌成分を
含ませることはある程度やむを得ないものの、そのガラ
ス層の全体に撥水抗菌層を形成するだけでなく、より強
力に抗菌成分の作用が要求されるガラス層の部位にのみ
撥水抗菌層を形成することもできる。例えば、大便器の
ガラス層の全体に予め抗菌成分を含ませつつ、大便器の
封水部やリムから水が流れる部位等、水の接触する部位
にのみ撥水抗菌層を形成することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施例
1〜12を比較例1〜4とともに説明する。
1〜12を比較例1〜4とともに説明する。
【0047】(実施例1)まず、ガラス層をもつ基体の
半製品として、市販の衛生陶器を用意する。この衛生陶
器は、図1に示すように、素地1上に釉薬からなるガラ
ス層2を有するものである。また、次のようにして防汚
処理剤を用意する。
半製品として、市販の衛生陶器を用意する。この衛生陶
器は、図1に示すように、素地1上に釉薬からなるガラ
ス層2を有するものである。また、次のようにして防汚
処理剤を用意する。
【0048】すなわち、パーフロロアルキル基含有有機
ケイ素化合物としての C8F17CH2CH2Si(OCH3)3 と、加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物とし
ての Si(CH3O)3CH2CH2−(Si(CH3)2O)10
−Si(CH3)2CH 2CH2Si(OCH3)3 とからなり、これらを0.1N塩酸水、t−ブタノール
及びヘキサンからなる親水性溶媒中で共加水分解した第
1剤を用意する。これらはそれぞれシラノール(Si−
OH)基を有するものである考えられる。
ケイ素化合物としての C8F17CH2CH2Si(OCH3)3 と、加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物とし
ての Si(CH3O)3CH2CH2−(Si(CH3)2O)10
−Si(CH3)2CH 2CH2Si(OCH3)3 とからなり、これらを0.1N塩酸水、t−ブタノール
及びヘキサンからなる親水性溶媒中で共加水分解した第
1剤を用意する。これらはそれぞれシラノール(Si−
OH)基を有するものである考えられる。
【0049】また、オルガノポリシロキサン(HO−
(Si(CH3)2O)30−Si(CH 3)2OH)と、強
酸としてのメタンスルホン酸との混合物を第2剤として
用意する。
(Si(CH3)2O)30−Si(CH 3)2OH)と、強
酸としてのメタンスルホン酸との混合物を第2剤として
用意する。
【0050】さらに、抗菌剤として、硝酸銀(AgNO
3)粉末を用意する。
3)粉末を用意する。
【0051】そして、第1剤5mlに硝酸銀粉末2.0
×10-5molを加え、溶解し、混合剤とする。この
後、その混合剤に第2剤5mlを加えて混合し、防汚処
理剤とする。
×10-5molを加え、溶解し、混合剤とする。この
後、その混合剤に第2剤5mlを加えて混合し、防汚処
理剤とする。
【0052】このようにして調製した防汚処理剤を上記
衛生陶器のガラス層2の表面に塗布する。約10分間、
表面の防汚処理剤を乾燥させる。この後、表面に残った
未反応の防汚処理剤をエタノールで除去する。
衛生陶器のガラス層2の表面に塗布する。約10分間、
表面の防汚処理剤を乾燥させる。この後、表面に残った
未反応の防汚処理剤をエタノールで除去する。
【0053】こうして、図2に示すように、衛生陶器の
ガラス層2の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼
ね備えた撥水抗菌層3を形成し、防汚処理を施す。
ガラス層2の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼
ね備えた撥水抗菌層3を形成し、防汚処理を施す。
【0054】(実施例2)第2剤5mlに硝酸銀粉末
2.0×10-5molを加え、溶解し、混合剤とする。
この後、その混合剤に第1剤5mlを加えて混合し、防
汚処理剤とする。そして、上記実施例1と同様、衛生陶
器のガラス層2の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能
を兼ね備えた撥水抗菌層3を形成し、防汚処理を施す。
2.0×10-5molを加え、溶解し、混合剤とする。
この後、その混合剤に第1剤5mlを加えて混合し、防
汚処理剤とする。そして、上記実施例1と同様、衛生陶
器のガラス層2の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能
を兼ね備えた撥水抗菌層3を形成し、防汚処理を施す。
【0055】(実施例3)第1剤5mlと第2剤5ml
とを混合し、混合剤とする。この混合剤に硝酸銀粉末
2.0×10-5molを加えて溶解し、防汚処理剤とす
る。そして、上記実施例1と同様、衛生陶器のガラス層
2の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼ね備えた
撥水抗菌層3を形成し、防汚処理を施す。
とを混合し、混合剤とする。この混合剤に硝酸銀粉末
2.0×10-5molを加えて溶解し、防汚処理剤とす
る。そして、上記実施例1と同様、衛生陶器のガラス層
2の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼ね備えた
撥水抗菌層3を形成し、防汚処理を施す。
【0056】(実施例4)上記実施例1の衛生陶器に代
わり、釉薬中に抗菌剤としての銀パウダー(銀純度99
%以上 平均粒径10μm)を焚き込んだ衛生陶器を用
意する。この衛生陶器は、図3に示すように、素地4上
に銀パウダーを含む釉薬からなるガラス層5を有するも
のである。そして、上記実施例1と同様、図4に示すよ
うに、この衛生陶器のガラス層5の表面に撥水性及び抗
菌性の両方の機能を兼ね備えた撥水抗菌層6を形成し、
防汚処理を施す。
わり、釉薬中に抗菌剤としての銀パウダー(銀純度99
%以上 平均粒径10μm)を焚き込んだ衛生陶器を用
意する。この衛生陶器は、図3に示すように、素地4上
に銀パウダーを含む釉薬からなるガラス層5を有するも
のである。そして、上記実施例1と同様、図4に示すよ
うに、この衛生陶器のガラス層5の表面に撥水性及び抗
菌性の両方の機能を兼ね備えた撥水抗菌層6を形成し、
防汚処理を施す。
【0057】(実施例5)実施例4の衛生陶器を用意す
る。そして、上記実施例2と同様、衛生陶器のガラス層
5の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼ね備えた
撥水抗菌層6を形成し、防汚処理を施す。
る。そして、上記実施例2と同様、衛生陶器のガラス層
5の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼ね備えた
撥水抗菌層6を形成し、防汚処理を施す。
【0058】(実施例6)実施例4の衛生陶器を用意す
る。そして、上記実施例3と同様、衛生陶器のガラス層
5の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼ね備えた
撥水抗菌層6を形成し、防汚処理を施す。
る。そして、上記実施例3と同様、衛生陶器のガラス層
5の表面に撥水性及び抗菌性の両方の機能を兼ね備えた
撥水抗菌層6を形成し、防汚処理を施す。
【0059】(実施例7)抗菌剤として、過塩素酸銀
(AgClO4)をt−ブチルアルコールに2.0×1
0-2mol/Lの割合で溶解させたものを用意する。他
の条件は実施例1と同様である。
(AgClO4)をt−ブチルアルコールに2.0×1
0-2mol/Lの割合で溶解させたものを用意する。他
の条件は実施例1と同様である。
【0060】(実施例8)実施例7の抗菌剤を用意す
る。他の条件は実施例2と同様である。
る。他の条件は実施例2と同様である。
【0061】(実施例9)実施例7の抗菌剤を用意す
る。他の条件は実施例3と同様である。
る。他の条件は実施例3と同様である。
【0062】(実施例10)実施例7の抗菌剤を用意す
る。他の条件は実施例4と同様である。
る。他の条件は実施例4と同様である。
【0063】(実施例11)実施例7の抗菌剤を用意す
る。他の条件は実施例5と同様である。
る。他の条件は実施例5と同様である。
【0064】(実施例12)実施例7の抗菌剤を用意す
る。他の条件は実施例6と同様である。
る。他の条件は実施例6と同様である。
【0065】(比較例1)撥水抗菌層3を形成する前の
実施例1〜3、7〜9の衛生陶器をそのまま用いた。
実施例1〜3、7〜9の衛生陶器をそのまま用いた。
【0066】(比較例2)撥水抗菌層6を形成する前の
実施例4〜6、10〜12の衛生陶器をそのまま用い
た。
実施例4〜6、10〜12の衛生陶器をそのまま用い
た。
【0067】(比較例3)撥水抗菌層3を形成する前の
実施例1〜3、7〜9の衛生陶器を用意する。また、第
1剤5mlと第2剤5mlとを混合し、防汚処理剤とす
る。そして、上記実施例1と同様、この衛生陶器の表面
に撥水性の機能のみを兼ね備えた撥水層を形成し、防汚
処理を施す。
実施例1〜3、7〜9の衛生陶器を用意する。また、第
1剤5mlと第2剤5mlとを混合し、防汚処理剤とす
る。そして、上記実施例1と同様、この衛生陶器の表面
に撥水性の機能のみを兼ね備えた撥水層を形成し、防汚
処理を施す。
【0068】(比較例4)撥水抗菌層6を形成する前の
実施例4〜6、10〜12の衛生陶器を用意する。そし
て、上記実施例1と同様、この衛生陶器の表面に撥水性
の機能のみを兼ね備えた撥水層を形成し、防汚処理を施
す。
実施例4〜6、10〜12の衛生陶器を用意する。そし
て、上記実施例1と同様、この衛生陶器の表面に撥水性
の機能のみを兼ね備えた撥水層を形成し、防汚処理を施
す。
【0069】(評価)上記実施例1〜12及び比較例1
〜4の製品に対し、撥水性能試験及び抗菌性能試験を行
った。撥水性能試験は水との接触角(°)の測定により
行った。また、抗菌性能試験は、菌種を大腸菌(E.col
i)IFO3972及び黄色ブドウ球菌(S.aureus)I
FO12732とするフィルム密着法により行った。結
果を表1に示す。
〜4の製品に対し、撥水性能試験及び抗菌性能試験を行
った。撥水性能試験は水との接触角(°)の測定により
行った。また、抗菌性能試験は、菌種を大腸菌(E.col
i)IFO3972及び黄色ブドウ球菌(S.aureus)I
FO12732とするフィルム密着法により行った。結
果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1より、実施例1〜12に係る防汚処理
剤によって防汚処理した製品の表面は、大きな水接触角
を示し、十分な撥水機能を有することがわかる。これ
は、実施例1〜12の防汚処理剤がケイ素含有官能基を
有し、このケイ素含有官能基がガラス層2、5の表面に
存在する水酸基と脱水反応等により結合してその水酸基
をシールドして撥水作用を発揮するためである。また、
これらの防汚処理剤がケイ素含有官能基同士では結合し
ていないためである。さらに、これらの防汚処理剤がケ
イ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基等を有す
るためである。
剤によって防汚処理した製品の表面は、大きな水接触角
を示し、十分な撥水機能を有することがわかる。これ
は、実施例1〜12の防汚処理剤がケイ素含有官能基を
有し、このケイ素含有官能基がガラス層2、5の表面に
存在する水酸基と脱水反応等により結合してその水酸基
をシールドして撥水作用を発揮するためである。また、
これらの防汚処理剤がケイ素含有官能基同士では結合し
ていないためである。さらに、これらの防汚処理剤がケ
イ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基等を有す
るためである。
【0072】また、実施例1〜12により得られた製品
は、大腸菌及び黄色ブドウ球菌のいずれの菌に対して
も、十分な抗菌効果を示すことも分かる。これは、実施
例1〜12に係る防汚処理剤が抗菌成分を含むためであ
る。
は、大腸菌及び黄色ブドウ球菌のいずれの菌に対して
も、十分な抗菌効果を示すことも分かる。これは、実施
例1〜12に係る防汚処理剤が抗菌成分を含むためであ
る。
【0073】このため、実施例1〜12により得られた
製品は、溶性シリカ等の金属イオンを含む水を使用する
としても、屎尿等の汚れがこびり付きにくく、その清掃
が容易となることがわかる。そして、取り込まれた汚れ
の中にカビや細菌類が繁殖しにくく、これらが汚れを落
ちにくくすることがないとともに衛生的となることもわ
かる。
製品は、溶性シリカ等の金属イオンを含む水を使用する
としても、屎尿等の汚れがこびり付きにくく、その清掃
が容易となることがわかる。そして、取り込まれた汚れ
の中にカビや細菌類が繁殖しにくく、これらが汚れを落
ちにくくすることがないとともに衛生的となることもわ
かる。
【0074】また、実施例1〜12により得られた製品
は、ガラス層2、5にAgを含んでいることから、撥水
作用の下で汚れ成分が残存するような場合でも、残存す
るその汚れ成分をAgが分解し、より優れた防汚効果を
発揮できることがわかる。
は、ガラス層2、5にAgを含んでいることから、撥水
作用の下で汚れ成分が残存するような場合でも、残存す
るその汚れ成分をAgが分解し、より優れた防汚効果を
発揮できることがわかる。
【0075】しかも、実施例1〜12により得られた製
品は、防汚処理剤がガラス層2、5の表面の水酸基をシ
ールドするケイ素含有官能基とともにAgを含むことか
ら、ガラス層2、5の表面域においてケイ素含有官能基
とAgとがともに剥き出しになっていると考えられるこ
とから、比較例4に比し、Agが確実に抗菌作用を奏す
ることがわかる。
品は、防汚処理剤がガラス層2、5の表面の水酸基をシ
ールドするケイ素含有官能基とともにAgを含むことか
ら、ガラス層2、5の表面域においてケイ素含有官能基
とAgとがともに剥き出しになっていると考えられるこ
とから、比較例4に比し、Agが確実に抗菌作用を奏す
ることがわかる。
【0076】また、実施例1〜3、7〜9により得られ
た製品は、厚みを有するガラス層2中にAgを深く分散
させる訳ではないので、無駄なAgを消費せず、製造コ
ストの低廉化が容易であることもわかる。
た製品は、厚みを有するガラス層2中にAgを深く分散
させる訳ではないので、無駄なAgを消費せず、製造コ
ストの低廉化が容易であることもわかる。
【0077】したがって、実施例1等の製品は、十分な
防汚効果を確実に発揮するとともに、安価に製造可能で
あることがわかる。
防汚効果を確実に発揮するとともに、安価に製造可能で
あることがわかる。
【0078】また、表1によれば、抗菌性能は、実施例
1>実施例2>実施例3であり、実施例4>実施例5>
実施例6であり、実施例7>実施例8>実施例9であ
り、かつ実施例10>実施例11>実施例12であるこ
とから、防汚処理剤の製造方法としては、第1剤と抗菌
剤を混合した混合剤に第2剤を混合する方法が最も抗菌
効果において優れていることもわかる。
1>実施例2>実施例3であり、実施例4>実施例5>
実施例6であり、実施例7>実施例8>実施例9であ
り、かつ実施例10>実施例11>実施例12であるこ
とから、防汚処理剤の製造方法としては、第1剤と抗菌
剤を混合した混合剤に第2剤を混合する方法が最も抗菌
効果において優れていることもわかる。
【0079】さらに、防汚処理を行う基体に関して考察
すると、実施例4〜6、10〜12の製品によれば、ガ
ラス層5に予め抗菌成分を含めているため、撥水抗菌層
6により抗菌作用を発揮可能であるとともに、その撥水
抗菌層6が一部でも摩耗した後においても内部の抗菌成
分により抗菌作用を発揮することができる。
すると、実施例4〜6、10〜12の製品によれば、ガ
ラス層5に予め抗菌成分を含めているため、撥水抗菌層
6により抗菌作用を発揮可能であるとともに、その撥水
抗菌層6が一部でも摩耗した後においても内部の抗菌成
分により抗菌作用を発揮することができる。
【0080】なお、実施例4〜6、10〜12の製品
は、実施例1〜3、7〜9の製品に比して、抗菌効果に
優れている。この理由は、実施例4〜6、10〜12の
製品がは実施例1〜3、7〜9の製品に比して、担持さ
れたAg量が多いことによると考えられる。
は、実施例1〜3、7〜9の製品に比して、抗菌効果に
優れている。この理由は、実施例4〜6、10〜12の
製品がは実施例1〜3、7〜9の製品に比して、担持さ
れたAg量が多いことによると考えられる。
【0081】
【図1】実施例1〜3、7〜9及び比較例1、3に係る
衛生陶器の一部模式断面図である。
衛生陶器の一部模式断面図である。
【図2】実施例1〜3、7〜9の製品の一部模式断面図
である。
である。
【図3】実施例4〜6、10〜12及び比較例2、4に
係る衛生陶器の一部模式断面図である。
係る衛生陶器の一部模式断面図である。
【図4】実施例4〜6、10〜12の製品の一部模式断
面図である。
面図である。
【符号の説明】 2、5…ガラス層 3、6…撥水抗菌層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/14 C09D 5/14 183/06 183/06 C09K 3/00 112 C09K 3/00 112F E03D 11/02 E03D 11/02 Z (72)発明者 今井 茂雄 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 三浦 正嗣 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 徳島 俊吾 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 Fターム(参考) 2D039 AA01 AA04 DB04 4G059 AA01 AC22 AC30 FA22 GA01 GA02 GA04 GA16 4H011 AA02 BA01 BB18 BC18 DA01 4J038 DL031 DL071 GA16 HA566 MA09 NA05 NA11 PA18 PB02 PB05 PC03
Claims (8)
- 【請求項1】ガラス層をもつ基体における該ガラス層の
防汚処理方法に用いる防汚処理剤において、 前記ガラス層に存在する水酸基と脱水反応又は脱水素反
応により結合可能であり、ケイ素含有官能基を有すると
ともに、抗菌成分を含むものであることを特徴とするガ
ラス層をもつ基体用防汚処理剤。 - 【請求項2】ケイ素含有官能基は互いには結合していな
いことを特徴とする請求項1記載のガラス層をもつ基体
用防汚処理剤。 - 【請求項3】ケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化
炭素基を有し、抗菌成分は該ケイ素含有官能基及び該フ
ッ化炭素基の少なくとも一方に担持されていることを特
徴とする請求項1又は2記載のガラス層をもつ基体用防
汚処理剤。 - 【請求項4】ガラス層をもつ基体における該ガラス層の
防汚処理方法に用いる防汚処理剤の製造方法において、 パーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物と加水分解
性基含有メチルポリシロキサン化合物との親水性溶媒中
での共加水分解物である第1剤と、オルガノポリシロキ
サンと強酸との混合物である第2剤と、抗菌成分を含む
抗菌剤とを用意する第1工程と、 該第1剤と該第2剤と該抗菌剤とを混在させて防汚処理
剤とする第2工程と、を有することを特徴とするガラス
層をもつ基体用防汚処理剤の製造方法。 - 【請求項5】ガラス層をもつ基体と防汚処理剤とを用意
し、少なくとも該ガラス層に該防汚処理剤を接触させる
防汚処理方法であって、 前記防汚処理剤は、前記ガラス層に存在する水酸基と脱
水反応又は脱水素反応により結合可能であり、ケイ素含
有官能基を有するとともに、抗菌成分を含むものである
ことを特徴とするガラス層をもつ基体の防汚処理方法。 - 【請求項6】ガラス層には予め抗菌成分を含めることを
特徴とする請求項5記載のガラス層をもつ基体の防汚処
理方法。 - 【請求項7】ガラス層をもつ基体からなり、該ガラス層
の表面側には、該ガラス層の水酸基と脱水反応又は脱水
素反応により結合し、ケイ素含有官能基を有するととも
に、抗菌成分を含む撥水抗菌層をもつことを特徴とする
ガラス層をもつ製品。 - 【請求項8】ガラス層は撥水抗菌層より奥の内部にも抗
菌成分を含むことを特徴とする請求項7記載のガラス層
をもつ製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000004659A JP2001192587A (ja) | 2000-01-13 | 2000-01-13 | ガラス層をもつ基体用防汚処理剤及びその製造方法並びにガラス層をもつ基体の防汚処理方法及びその製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000004659A JP2001192587A (ja) | 2000-01-13 | 2000-01-13 | ガラス層をもつ基体用防汚処理剤及びその製造方法並びにガラス層をもつ基体の防汚処理方法及びその製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001192587A true JP2001192587A (ja) | 2001-07-17 |
Family
ID=18533417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000004659A Pending JP2001192587A (ja) | 2000-01-13 | 2000-01-13 | ガラス層をもつ基体用防汚処理剤及びその製造方法並びにガラス層をもつ基体の防汚処理方法及びその製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001192587A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015030874A (ja) * | 2013-08-01 | 2015-02-16 | 株式会社エツミ光学 | 抗菌製品の防汚処理方法 |
CN107922256A (zh) * | 2015-08-10 | 2018-04-17 | 旭硝子株式会社 | 带防污层的玻璃板 |
-
2000
- 2000-01-13 JP JP2000004659A patent/JP2001192587A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015030874A (ja) * | 2013-08-01 | 2015-02-16 | 株式会社エツミ光学 | 抗菌製品の防汚処理方法 |
CN107922256A (zh) * | 2015-08-10 | 2018-04-17 | 旭硝子株式会社 | 带防污层的玻璃板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4056877B2 (ja) | ガラス層をもつ製品 | |
KR100198724B1 (ko) | 표면처리제 및 그 사용방법 | |
KR950004153B1 (ko) | 화학흡착 단분자 누적막 및 그의 제조방법 | |
KR101354818B1 (ko) | 내마모성 및 내후성의 세정 용이성을 갖는 무기물의 평활한표면을 제공하기 위한 저장 안정성 코팅 조성물 | |
JP4128394B2 (ja) | ポリシラザン含有コーティング膜の親水性促進剤及び親水性維持剤 | |
KR100944465B1 (ko) | 친수성막과 그 제조방법 및 친수성막 형성용 도료 | |
TWI291941B (ja) | ||
JP2005281443A (ja) | 親水性膜及びその形成方法 | |
JP2001192587A (ja) | ガラス層をもつ基体用防汚処理剤及びその製造方法並びにガラス層をもつ基体の防汚処理方法及びその製品 | |
JP2000290089A (ja) | 水廻り窯業製品の防汚処理方法 | |
JP2002211992A (ja) | ガラス層をもつ製品及びその製造方法 | |
JP3000221B2 (ja) | ケイ酸塩性の加工材料からなる器物上の光沢貴金属彩飾模様 | |
JP5636705B2 (ja) | 抗菌機能材 | |
KR20100021418A (ko) | 위생도기 및 그 제조 방법 | |
EP4349597A1 (en) | Water-repellent, oil-repellent member having anti-microbial, anti-mold, and anti-viral properties, method for producing water-repellent, oil-repellent member, and article | |
JP2970973B2 (ja) | 抗菌性窯業製品とその製造方法 | |
JP2002193690A (ja) | 防汚処理方法及びガラス層をもつ製品 | |
CN114213447A (zh) | 一种长效抗菌化合物及其制备方法和应用 | |
JP4086276B2 (ja) | 水溶性防汚塗料 | |
JPH09255941A (ja) | 撥水処理剤およびその製造方法 | |
EP3052575B1 (fr) | Substrat avec des propriétés anticalcaires et procédé pour obtenir un tel substrat | |
JP3693290B2 (ja) | セラミックス表面保護膜用組成物 | |
JP3611240B2 (ja) | 防汚性衛生陶器 | |
JP2002193692A (ja) | 強化陶磁器及びその製造方法 | |
JP3611241B2 (ja) | 節水便器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050913 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090113 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090526 |