JP2001192486A - 抗アレルギー性天然ゴム材料 - Google Patents

抗アレルギー性天然ゴム材料

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JP2001192486A
JP2001192486A JP2000006385A JP2000006385A JP2001192486A JP 2001192486 A JP2001192486 A JP 2001192486A JP 2000006385 A JP2000006385 A JP 2000006385A JP 2000006385 A JP2000006385 A JP 2000006385A JP 2001192486 A JP2001192486 A JP 2001192486A
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JP
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natural rubber
rubber material
antiallergic
metal
coated
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JP2000006385A
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Koichi Niihara
晧一 新原
Yasuhiro Hidari
容昊 左
Yamato Hayashi
大和 林
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SAWATANI RUBBER KOGYO KK
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SAWATANI RUBBER KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗アレルギー性を有すると共に、製造コスト
が安い抗アレルギー性天然ゴム材料を提供する。 【解決手段】 天然ゴム材料の表面に金属をコーティン
グした。コーティングされた金属膜の厚さがほぼ均一で
ある。金属が銀である。天然ゴム材料が天然ゴムラテッ
クスからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴムカテーテル
等の天然ゴム材料に含まれる残留タンパク質によるアレ
ルギーの発生を防止した抗アレルギー性天然ゴム材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、天然ゴムラテックス等からなる
例えばゴムカテーテル等の天然ゴム材料には、水溶性の
タンパク質が残留しているため、このタンパク質がアレ
ルゲンとなって人体に対しアレルギーを引き起こすこと
が知られている。
【0003】このようなアレルギーの発生を防止しよう
とする従来の抗アレルギー性天然ゴム材料としては、例
えば、(1)天然ゴムラテックスと金属粒子又は金属イ
オン担持粒子の混合物を表面にコーティングしたもの、
(2)遠心分離法、温湯等への浸漬(リーチング)、又
は塩素処理により残留タンパク質を低減化したもの、
(3)分解酵素処理により残留タンパク質を分解、除去
した高純度脱タンパク質天然ゴムラテックス(高純度D
PNRL)からなるもの、(4)シリコンゴムを表面に
コーティングしたもの、等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来例(1)においては、金属粒子等の存在によ
り抗菌性を有するものの、使用中に残留タンパク質が溶
出してアレルギーを引き起こすという問題点がある。
【0005】従来例(2)においては、残留タンパク質
が完全には除去されていないと共に、製造コストが高い
という問題点がある。
【0006】従来例(3)及び(4)においては、抗ア
レルギー性を有するものの、煩雑な分解酵素処理やシリ
コンゴムのコーティング工程が必要であるため、製造コ
ストが高いという問題点がある。
【0007】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、抗アレルギー性を有すると共に、
製造コストが安い抗アレルギー性天然ゴム材料を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1の発明は、天然ゴム材料の表面に金属をコー
ティングしたものである。
【0009】請求項2の発明においては、前記コーティ
ングされた金属膜の厚さがほぼ均一である。
【0010】請求項3の発明においては、前記金属が銀
である。
【0011】請求項4の発明においては、前記天然ゴム
材料が天然ゴムラテックスからなる。
【0012】請求項5の発明においては、前記天然ゴム
材料が多孔質である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て説明する。この実施形態に係る抗アレルギー性天然ゴ
ム材料は、天然ゴム材料の表面に金属をコーティングし
たものである。
【0014】ここでいうところの天然ゴム材料とは、天
然ゴム組成物からなるゴムカテーテル、ゴム手袋、コン
ドーム、ゴム風船等の各種のゴム製品をいうが、その表
面形状としては、平面、曲面、凹凸を有する面、粉体の
表面等、特に限定されるものではない。なお、天然ゴム
材料が多孔質である場合は、軽くて感触やクッション性
等が良好であるので、靴の中底等の各種のクッション材
として好適に使用できるという利点がある。
【0015】天然ゴム組成物としては、例えば、天然ゴ
ムラテックス、この天然ゴムラテックスを凝析・乾燥等
して得た生ゴム(天然ゴム)、あるいはこれらを必要に
応じて加硫等したものが挙げられる。なお、天然ゴム材
料が天然ゴムラテックスからなる場合は、余分な工程が
不必要であるので、製造コストをより安くできるという
利点がある。
【0016】金属としては、例えば、銀、パラジウム、
白金、金、銅、ニッケル等、あるいはこれらの2種以上
の合金又は金属間化合物が挙げられるが、銀を用いた場
合は、人体に無害であると共に、抗菌性をも有するとい
う利点がある。
【0017】コーティングされる金属膜の厚さは数nm
〜数千nmオーダーであればよいが、その形態は特に限
定されるものではなく、直径1nm未満又は直径1〜数
千nmの結晶粒からなる多結晶膜、結晶方位の揃った配
向膜、単結晶膜、あるいは生成条件によってはアモルフ
ァス構造を有する膜であってもよい。
【0018】天然ゴム材料の表面に金属をコーティング
する方法としては、例えば、この出願の発明者による過
去の特許出願(特願平2000−5810号参照)に開
示されている方法等を使用できる。
【0019】即ち、無機化合物の粉末を分散させた有機
溶剤含有液中に適宜の天然ゴム材料を浸漬した状態で振
動又は熱を加えれば、天然ゴム材料の表面に金属膜を形
成することができる。このコーティング方法によれば、
金属膜がほぼ均一に形成され、その厚さも超音波の出
力、照射時間等の振動条件や温度条件により制御可能で
ある。
【0020】なお、無機化合物としては、金属への還元
性に富むものが好ましく、例えば、既述の金属の酸化
物、硝酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。この無機化合
物の粉末の粒径は特に限定されるものではないが、平均
粒径が数百μm以下のものが好ましい。
【0021】コーティング前には、天然ゴム材料をアル
コール等で洗浄し、表面の汚れや酸化膜等を除去して活
性状態にしておくのが望ましい。コーティングに際して
は、酸化銀粉末等を分散させたアルコール等に天然ゴム
材料を浸漬した状態で、0〜500℃、好ましくは0〜
100℃、より好ましくは20〜60℃の温度条件で超
音波を所定時間照射等する。なお、アルコール等に天然
ゴム材料を浸漬してから酸化銀粉末等を分散させてもよ
いし、あるいはこれら天然ゴム材料と酸化銀粉末等を同
時に添加してもよい。また、コーティング後には、金属
膜が安定に結合するように、液中から取り出した天然ゴ
ム材料を20〜100℃程度で数時間〜数十時間程度、
乾燥機の中等に静置するのが望ましい。
【0022】このように、天然ゴム材料の表面に金属を
コーティングしておけば、アレルゲンとなるタンパク質
が残留している場合でも、金属膜によりブロックされて
溶出することがないか又はほとんどないので、アレルギ
ーの発生を有効に防止できるという利点がある。また、
金属のコーティングも上記の方法等により簡単に行うこ
とができるので、製造コストも安いという利点がある。
更に、コーティングされた金属膜の厚さがほぼ均一であ
る場合は、抗アレルギー性を天然ゴム材料の表面全体に
渡って安定して発揮できるという利点がある。
【0023】
【実施例】次に、実施例により更に詳細に説明するが、
この発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0024】〔実施例1〜5〕図1に示すように、天然
ゴムラテックスシートの表面に銀をコーティングした。
即ち、まず、市販の手術用ゴム手袋から多数の天然ゴム
ラテックスシート(10×10×0.3mm)を切り出
し、エタノールで十分に洗浄した。次いで、これらを、
酸化銀粉末(和光純薬工業社製、平均粒径:約2μm)
を分散させたエタノール1000mLに浸漬し、50℃
で超音波(出力:500W、周波数:38kHz)を時
間を変えて照射した(実施例2:10分、実施例3:3
0分、実施例4:60分、実施例5:180分)〔但
し、実施例1:照射せず(0分)〕。その後、天然ゴム
ラテックスシートを液中から取り出し、50℃の乾燥機
中に30分間放置した。
【0025】得られた天然ゴムラテックスシート表面の
X線回折パターンをそれぞれ測定した。その結果を図2
に示す。また、コーティングされた金属膜の厚さもそれ
ぞれ測定した。その結果を図3に示す。
【0026】〔溶出タンパク質の定量〕更に、実施例5
で得られた天然ゴムラテックスシートを試料とし、遠沈
管に2gとなるように精秤した。次いで、リン酸緩衝液
(pH7.4)10mLを加え、室温で2時間振とうし
た〔矢上健ら:衛生試験所報告, 111, 84 (1993)〕。そ
の後、試料を取り除き、残液を3000rpmで10分
間遠心分離した上澄み液を溶出液とした。この溶出液に
ついて、Lowryらの方法〔Lowry, O. H.:J. Bio.Chem.,
193, 265 (1951)〕に従い、吸光光度法により溶出タン
パク質を定量した。その結果を表1に示す。なお、標準
タンパク質としては、牛血清アルブミンを用いた。
【0027】
【表1】
【0028】〔実施例6〕有機溶剤にブタノールを用い
た以外は、実施例5と同様の操作を行った。得られた天
然ゴムラテックスシート表面のX線回折パターンやコー
ティングされた金属膜の厚さの結果は、実施例5とほぼ
同様であった。
【0029】〔比較例〕有機溶剤に脱イオン水を用いた
以外は、実施例5と同様の操作を行った。得られた天然
ゴムラテックスシート表面のX線回折パターンを測定し
た。その結果を図4に示す。また、実施例5と同様にし
て溶出タンパク質を定量した。その結果を表1に示す。
【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、天然ゴム材料の表面に金属をコーティングしている
ので、アレルゲンとなるタンパク質が残留している場合
でも、金属膜によりブロックされて溶出することがない
か又はほとんどない。そのため、アレルギーの発生を有
効に防止できるという利点がある。また、金属のコーテ
ィングも既述の方法等により簡単に行うことができるの
で、製造コストも安いという利点がある。
【0031】請求項2の発明によれば、コーティングさ
れた金属膜の厚さがほぼ均一であるので、抗アレルギー
性を天然ゴム材料の表面全体に渡って安定して発揮でき
るという利点がある。
【0032】請求項3の発明によれば、金属が銀である
ので、人体に無害であると共に、抗菌性をも有するとい
う利点がある。
【0033】請求項4の発明によれば、天然ゴム材料が
天然ゴムラテックスからなり、余分な工程が不必要であ
るので、製造コストをより安くできるという利点があ
る。
【0034】請求項5の発明によれば、天然ゴム材料が
多孔質であり、軽くて感触やクッション性等が良好であ
るので、靴の中底等の各種のクッション材として好適に
使用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5におけるコーティング方法を示す
フローチャート。
【図2】実施例1〜5で得られた天然ゴムラテックスシ
ート表面のX線回折パターン。
【図3】実施例1〜5における超音波の照射時間と金属
膜の厚さとの関係を示すグラフ。
【図4】比較例で得られた天然ゴムラテックスシート表
面のX線回折パターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 大和 京都府相楽郡木津町木津川台7丁目12番13 号 Fターム(参考) 4C081 AC08 AC10 BA14 BA15 BA17 CB051 CD31 CG07 CG08 DA02 DB03 DC03 EA06 4F006 AA04 AA51 AB73 AB74 BA17 CA09 DA02 4F100 AA17 AB01B AB24B AL09A AN01A BA02 DJ00A EJ252 EJ422 EJ822 GB66 JC00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム材料の表面に金属をコーティン
    グしたことを特徴とする抗アレルギー性天然ゴム材料。
  2. 【請求項2】 前記コーティングされた金属膜の厚さが
    ほぼ均一であることを特徴とする請求項1記載の抗アレ
    ルギー性天然ゴム材料。
  3. 【請求項3】 前記金属が銀であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の抗アレルギー性天然ゴム材料。
  4. 【請求項4】 前記天然ゴム材料が天然ゴムラテックス
    からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記
    載の抗アレルギー性天然ゴム材料。
  5. 【請求項5】 前記天然ゴム材料が多孔質であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の抗アレルギ
    ー性天然ゴム材料。
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JP2021521978A (ja) * 2018-04-25 2021-08-30 バクティガード アーベー 物質の漏出を減少させるための基材コーティングの使用

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