JP2001192205A - カーボンナノチューブの製造方法および製造装置 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造方法および製造装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンナノチューブの収量を上げることが
でき、また、陰極堆積物生成毎に電極を交換する必要が
ない。 【解決手段】 容器内に配置された炭素電極からなる陽
極と、該陽極に対向配置された炭素電極からなる陰極と
の間にアーク放電させる工程と、上記陰極に生成された
堆積物を採取する工程とを備え、上記アーク放電させる
工程がアーク放電開始前に陽極の先端部を上記容器内に
て平坦化させる陽極先端平坦化工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーボンナノチュー
ブの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、単分子層のグ
ラファイトシートであるグラフェンの一枚を継目のない
円筒形に巻いた形状、あるいは複数枚を入れ子状に積層
した形状を有するチューブであり、その構造から由来す
る特異な物性に着目して、材料科学からエレクトロニク
スまでの広範囲の分野への適用が期待されている注目す
べき新素材である。このカーボンナノチューブは、へリ
ウムガスや水素ガス中で 2本の炭素電極間に直流アーク
放電を起こしたときに、陽極側の炭素が蒸発して陰極側
の炭素電極表面に凝集した陰極堆積物中に形成される。
カーボンナノチューブの製造装置を図4により説明す
る。図4は従来の製造装置の構成図である。図4に示す
ように、密閉容器1中にともに炭素電極からなる陽極2
と陰極3とを配置する。また、陽極2は、直線運動を可
能とする移動機構により、図4の紙面左右方向に移動可
能となっている。給電設備6により、陽極2および陰極
3にアーク放電に必要な電流が供給される。また、陰極
3の表面に接触して陰極堆積物を掻き取るための採取刃
などの採取部5aと、掻き取られた堆積物を集める採取
容器5bとからなる採取器5が設けられている。
【0003】以上の構成において、陽極2と陰極3との
間隔を 1〜2mm 程度とし、給電設備6より直流電流を流
しアーク放電を起こす。すると、陽極2先端の炭素が蒸
発し、この蒸発した炭素が再結晶化することにより、陰
極3先端表面に堆積物が生成する。そして、陰極堆積物
と陽極2との間を常に 1〜2mm 程度と一定に保つよう
に、陰極堆積物の成長とともに移動機構により陽極2を
移動させることにより、陰極3の先端面に陰極堆積物が
成長していき、この陰極堆積物内にカーボンナノチュー
ブが生成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造方法においては、カーボンナノチューブの収量が少
ないという問題がある。また、カーボンナノチューブの
収量が少ないとともに、陽極側の炭素電極先端の変形が
大きくなるため陰極堆積物を一度生成する毎に電極を交
換しなければならないという問題がある。このため、製
造工程の自動化が困難であるという問題がある。
【0005】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、カーボンナノチューブの収量を上げ
ることができ、また、陰極堆積物生成毎に電極を交換す
る必要がないため容易に製造工程を自動化することがで
きるカーボンナノチューブの製造方法およびその製造装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカーボンナ
ノチューブの製造方法は、容器内に配置された炭素電極
からなる陽極と、該陽極に対向配置された炭素電極から
なる陰極との間にアーク放電させる工程と、上記陰極に
生成された堆積物を採取する工程とを備え、上記アーク
放電させる工程がアーク放電開始前に陽極の先端部を上
記容器内にて平坦化させる陽極先端平坦化工程を含むこ
とを特徴とする。陽極先端平坦化工程が上記陽極を上記
陰極に放電しながら押圧する工程であることを特徴と
し、他の陽極先端平坦化工程が上記陽極先端部を機械加
工する工程であることを特徴とする。またこれら陽極先
端平坦化工程を組み合わせることができる。
【0007】また、本発明に係るカーボンナノチューブ
の製造方法におけるアーク放電させる工程が上記陰極の
表面における放電位置を不連続的に移動させて放電させ
る工程であることを特徴とする。また、アーク放電させ
る工程が水素ガス雰囲気中で行なうことを特徴とする。
【0008】本発明に係るカーボンナノチューブの製造
装置は、容器内に配置された炭素電極からなる陽極と、
この陽極に対向配置された炭素電極からなる陰極と、こ
の陰極の表面における放電位置を不連続的に移動させる
手段と、上記陰極に生成された堆積物を採取する手段
と、上記陽極先端表面を平坦化する手段とを備えること
を特徴とする。
【0009】カーボンナノチューブの収量が少ない原因
を追及したところ、アーク放電の継続により陽極先端形
状が変形して、収量が落ちることが分かった。その状態
を図5に示す。図5は従来の製造方法におけるアーク放
電終了後の状態を示す電極部分の断面図である。陰極3
と陽極2とでアーク放電を継続すると、陰極3表面に陰
極堆積物7が生成する。陰極堆積物7は外周側に形成さ
れるグラファイトの多結晶体からなる固い殻7aと、そ
の固い殻7aの内部に生成する芯となる堆積物7bと、
その芯となる堆積物7b表面に成長した厚さが約 0.1〜
0.3mm程度の表面堆積物7cとから構成される。カーボ
ンナノチューブは、堆積物7bおよび表面堆積物7cの
中に含まれている。
【0010】一方、アーク放電終了後の陽極2は、円柱
状電極の中心部分2bが内部に凹んだ形状となっている
ことが分かった。この原因は、アーク放電を継続するこ
とにより、周囲のガス雰囲気にさらされている円柱状電
極の周囲部分2cよりも中心部分2bの温度が高くな
り、陽極中心部分2bがより蒸発・消耗したものと考え
られる。この状態で放電位置を変更して再度アーク放電
を開始すると、周囲部分2cからの放電が主として起こ
り、グラファイトの多結晶体からなる固い殻7aの生成
量が増加し、結果としてカーボンナノチューブの収量が
低下する。また、陽極2の先端部分の不均一が大きくな
ると、陰極堆積物生成毎に電極を交換しなければならな
くなる。
【0011】本発明は、このような知見に基づきなされ
たもので、アーク放電終了毎に陽極の先端部を容器内で
平坦化させることにより、カーボンナノチューブの含有
量に優れた陰極堆積物が得られる。また、陽極の先端を
陰極に放電しながら押圧する、および/または陽極先端
部を機械加工することで陽極先端の平坦化を行なうこと
により、自動化が容易となり、低コスト化が図れる。ま
た、陰極の表面における放電位置を不連続的に移動させ
て放電させることにより、堆積物7bおよび表面堆積物
7cの量が多くなり、カーボンナノチューブの収量がよ
り上がる。さらにアーク放電を水素ガス中で行なうこと
により、不純物であるナノポリヘドロンの生成が少なく
なり、高密度で高純度のカーボンナノチューブが得られ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るカーボンナノチュー
ブ製造装置を図1により説明する。図1はカーボンナノ
チューブ製造装置の構成図である。密閉容器1内にそれ
ぞれ炭素電極からなる陽極2と陰極3とが対向配置さ
れ、また、陽極2の電極先端部を機械的に平坦化するた
めの切断または研磨機4、および陰極に生成された堆積
物を採取するための採取器5がそれぞれ密閉容器1内に
備えられている。陽極2および陰極3は、それぞれ図示
を省略した電流導入端子を経て給電設備6に接続され、
アーク放電に必要な電流が供給される。陽極2は、陰極
3に対して前進・後退を可能とする移動機構、陰極3自
体の回転を可能とする回転機構、および陰極3とのアー
ク放電位置を変位させる変位機構を備え、図1の紙面左
右方向に移動できるとともに自身が回転可能、および陰
極3に対して上下左右に変位可能である。移動機構、回
転機構および変位機構は、モータ等による自動、あるい
は手動による方法など公知の機構を採用できる。
【0013】表面に陰極堆積物が堆積する陰極3は、陽
極2の直径より大きな直径の対向面を有し、陰極3自身
が不連続的に回転する間欠回転機構を有している。間欠
回転機構は、ステップモータ等による自動、あるいは手
動による方法など公知の間欠回転機構を採用できる。な
お、陽極2を固定して陰極3が移動できるように、ある
いは陽極2および陰極3をともに移動できるように構成
してもよく、その場合、陽極2と同様の移動機構を陰極
3に設ける。
【0014】容器1内には、アーク放電終了後の陽極2
先端表面を平坦化する機構が設けられている。平坦化す
る機構の一つは、切断または研磨機4による方法であ
る。切断または研磨機4のうち、切断機は回転式切断刃
などにより、研磨機はグラインダーなどにより行なうこ
とができ、これらは容器1内に設置される。一例とし
て、図1に示すように、切断機4は回転式切断刃4bの
回転と上下移動とを制御する制御部4aと、制御部4a
に接続されている回転式切断刃4bとから構成され、回
転式切断刃4bが回転しながら上下動することにより陽
極2の先端部分を切削して平坦化する。
【0015】他の平坦化する機構は接触放電による方法
である。この方法を図2により説明する。図2は接触放
電による陽極先端平坦化方法を示す図である。円柱状電
極の中心部分2bが内部に凹んだ形状となっているアー
ク放電終了後の陽極2の先端部を、放電しながら陰極3
に接触させて押し付ける(図2の矢印方向)。陽極2先
端部は円柱状電極の中心部分2bが周囲部分2cよりも
内部に凹んだ形状となっているため、周囲部分2cに電
流が集中して蒸発する。また押し付ける力により周囲部
分2cが削られる。例えば陽極2を回転させながら押し
付けることにより、より容易に周囲部分2cが削られ
る。その結果、陽極2先端部が平坦化する。
【0016】陽極2先端部の平坦化は、切断または研磨
機4による方法と、接触放電による方法とを、それぞれ
単独で用いてもよく、また両者を組み合わせてもよい。
また、この平坦化は減圧下の容器中で行なわれるため、
切り屑がまき散ることもなく、また陰極3表面で切り屑
が固着することもない。
【0017】平坦化された陽極2先端面は、陽極軸に対
して垂直面であってもよいが、好ましくは垂直面から僅
かに軸中央部分を凸状に加工する。好ましい陽極2先端
面形状の拡大断面図を図3に示す。先端面形状は、軸中
央部分が半円球状の凸状部2aであることが好ましく、
その凸状部2aの高さLは、陽極2で一様にアーク放電
ができる程度の高さであればよい。具体的には、例え
ば、直径φ 10mm 程度の円柱状電極の場合、高さLは
0.1〜1mm である。このように、僅かな凸状とすること
により、アーク放電が偏らず軸中央部分から開始して全
体に広がるので均一な陰極堆積物が生成する。軸中央部
分を凸状に加工する方法としては、回転式切断刃と陽極
軸とに所定の角度を持たせ、かつ陽極軸を回転させなが
ら切断する方法、陰極面と陽極軸とに所定の角度を持た
せ、かつ陽極軸を回転させながら接触放電させる方法等
がある。
【0018】陰極に生成した堆積物を採取するための採
取器5は、陰極3の表面に接触して陰極堆積物を掻き取
るための採取刃などの採取部5aと、掻き取られた堆積
物を集める採取容器5bとからなる。給電設備6は、陽
極2と陰極3との間にアーク放電を生じさせるための電
力を供給するための装置であり、アーク放電時の電流値
を任意に制御調節できる装置であれば使用できる。ま
た、密閉容器1内の雰囲気を調節するガス導入設備や排
ガス排気設備、圧力計等が備えられている。
【0019】次に、上述の製造装置を用いたカーボンナ
ノチューブの製造方法について説明する。まず、密閉容
器1内を 10-3〜10-4Pa 程度の真空度として、ガス導入
設備より、水素ガス、窒素ガスと水素ガスとの混合ガ
ス、窒素ガスと酸素ガスとの混合ガス、窒素ガス、二酸
化炭素ガス、ヘリウムガスまたはアルゴンガスなどを導
入し、密閉容器1内の真空度が 104Pa 〜 105Pa 程度と
なるようにする。
【0020】導入するガスとしては水素ガスが好まし
い。水素ガスを用いることにより、カーボンナノチュー
ブが複数個同芯円筒状に筒中心部まで密に積層する構造
がみられ、また不純物の一種であるナノポリヘドロンの
生成が少なくなるなど、高密度で高純度のカーボンナノ
チューブが得られる。水素ガスを用いる場合の真空度
は、 6650Pa 〜39900Pa の範囲内が好ましい。この範囲
内であると、高密度で高純度のカーボンナノチューブが
より得られる。水素ガス中でアーク放電を行なうと、水
素ガスは電極材料の炭素と反応して消費されるので、新
しい水素ガスを密閉容器1内に連続的に補給しながら、
炭化水素化合物となった廃ガスを容器1外に排気する。
連続的な補給と排気とを行なうことにより、真空度を 6
650Pa 〜39900Pa の範囲内に調整する。具体的には、内
容積 8.3リットルの密閉容器1で、真空度を 6650Pa 〜
39900Pa の範囲内に維持するには、水素ガスの流量を 1
0〜50cc/毎秒の範囲とすればよい。また、同量のガスを
容器1外に排気する。
【0021】次に、陽極2が(+)で陰極3が(−)に
接続された状態で給電設備6より直流電圧を印加し、陽
極2と陰極3との間にアーク放電を生じさせる。上記水
素ガス中でのアーク放電電流は、放電を継続させて陰極
堆積物7を成長させることのできる電流であればよく、
例えば、陽極の形状、種類、陰極との間隔、雰囲気等に
よっても異なるが、50〜400A/cm2、好ましくは 100〜25
5A/cm2である。
【0022】陽極2先端形状として軸中央部分を僅かな
凸状とすることにより、陽極2の全面での放電が容易に
起こりやすくなり、陰極堆積物7は陽極2とほぼ同じ径
で丸く大きなものが生成する。アーク放電が開始された
後、陰極堆積物7と陽極2との間を常に一定の距離、例
えば 1mm程度の距離を保つように、陰極堆積物7の成長
とともに陽極2を後退させていく。所望の大きさにまで
陰極堆積物7を成長させた後、放電を停止する。
【0023】アーク放電終了後、容器1内を大気圧に戻
すことなく、変位機構により陽極2および陰極3とのア
ーク放電位置を変位させる。次いで、陽極2の先端部を
容器1内にて切断または研磨機4により、あるいは接触
放電による方法を用いて平坦化する。変位機構により変
更された位置で再度上記方法によりアーク放電を行ない
陰極堆積物7を成長させる。この方法を繰り返すことに
より、陰極3表面に複数の陰極堆積物7がそれぞれ独立
して生成する。最後に密閉容器1内の真空度を低下させ
て大気圧に開放し、陰極3先端面に成長した陰極堆積物
7を採取して、その中央部分のカーボンナノチューブを
取り出せば、多量のカーボンナノチューブを得ることが
できる。なお、陰極堆積物7の採取も容器1内を大気圧
に戻すことなく行ない、再度アーク放電を行なえば連続
的に多量のカーボンナノチューブが得られる。また、陰
極堆積物7の採取を陽極2表面平坦化前に行ない、その
後に陽極2表面を平坦化して、アーク放電位置を変位さ
せることなく再度アーク放電を行なうことができる。
【0024】
【実施例】実施例1 図1に示す装置を用いてカーボンナノチューブを製造し
た。陰極3は直径φ 65mm の黒鉛電極を用い、陽極2は
直径φ10 mm 、長さ 10cmの黒鉛電極を用い、電極間隔
は 1mmに設定した。密閉容器1内に水素ガスを満たし、
その真空度を 13000Pa 程度とした。放電電流を 150A
(電流密度 191A/cm2)になるように給電設備6を設定
してアーク放電を開始した。アーク放電は陽極2全面に
起った。陽極2を後退させることにより陰極3先端面に
陰極堆積物が生成した。アーク放電は 1 分間継続し
た。陰極堆積物を採取した後、陽極2先端面を研磨機4
により研磨して平坦化するとともに、陰極3を間欠回転
させてアーク放電位置を変えて上記条件でアーク放電を
行ない生成した陰極堆積物を採取した。この操作を 10
回繰り返して陰極堆積物を採取し、この陰極堆積物を精
製してカーボンナノチューブを得た。カーボンナノチュ
ーブの収量は後述する比較例に比較して少なくとも 1.5
倍以上あった。
【0025】実施例2 陰極3先端面の平坦化を、アーク放電終了後の陽極2先
端部を放電電流 150A程度で放電しながら陰極3に押し
付けて平坦化する以外は、実施例1と同様にしてカーボ
ンナノチューブを得た。カーボンナノチューブの収量は
実施例1と同様であった。
【0026】比較例1 陰極3先端面の平坦化を行なわないで、かつ陰極3を回
転せず固定して 10 分間アーク放電を継続する以外は、
実施例1と同様にしてカーボンナノチューブを得た。陰
極堆積物の成長は次第に遅くなり、アーク放電時間の合
計は実施例1と同様であるにもかかわらず、陰極堆積物
の生成量は少なく、またその中のカーボンナノチューブ
量も少なかった。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るカーボンナノチューブの製
造方法は、容器内に配置された炭素電極からなる陽極
と、該陽極に対向配置された炭素電極からなる陰極との
間にアーク放電させる工程と、上記陰極に生成された堆
積物を採取する工程とを備え、上記アーク放電させる工
程がアーク放電開始前に陽極の先端部を上記容器内にて
平坦化させる陽極先端平坦化工程を含むので、陰極堆積
物生成毎に電極を交換する必要がない。電極交換が不要
となるので、自動化による連続生産が安定してでき、カ
ーボンナノチューブの収量を上げることができ、材料コ
ストと生産コストを下げることができる。
【0028】また、陽極先端平坦化工程が上記陽極を上
記陰極に放電しながら押圧する工程であるので、上記陽
極先端部を機械加工する工程であるので、あるいはこれ
ら陽極先端平坦化工程を組み合わせるので、陽極先端部
の平坦化が容易にでき、また僅かな凸状にしやすい。そ
の結果、よりカーボンナノチューブの収量を上げること
ができる。
【0029】本発明に係るカーボンナノチューブの製造
方法において、アーク放電させる工程が上記陰極の表面
における放電位置を不連続的に移動させて放電させる工
程であるので、陰極堆積物中に含まれるカーボンナノチ
ューブの割合を上げることができる。また、アーク放電
を水素ガス中で行なうので、高密度で高純度のカーボン
ナノチューブが得られる。
【0030】本発明に係るカーボンナノチューブの製造
装置は、容器内に配置された炭素電極からなる陽極と、
この陽極に対向配置された炭素電極からなる陰極と、こ
の陰極の表面における放電位置を不連続的に移動させる
手段と、上記陰極に生成された堆積物を採取する手段
と、上記陽極先端表面を平坦化する手段とを備えるの
で、カーボンナノチューブを収率よく連続生産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンナノチューブの製造装置の構成図であ
る。
【図2】接触放電による陽極先端平坦化方法を示す図で
ある。
【図3】陽極先端面形状の拡大断面図である。
【図4】従来の製造装置の構成図である。
【図5】従来方法におけるアーク放電終了後の状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 密閉容器 2 陽極 3 陰極 4 切断または研磨機 5 採取器 6 給電設備 7 陰極堆積物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余谷 純子 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊勢 電子工業株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CB02 CC06 CC09 4G075 AA27 AA62 BA02 BB02 CA17 CA62 EC21 ED09 EE01 FB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に配置された炭素電極からなる陽
    極と該陽極に対向配置された炭素電極からなる陰極との
    間にアーク放電させる工程と、前記陰極に生成された堆
    積物を採取する工程とを備えたカーボンナノチューブの
    製造方法において、 前記アーク放電させる工程は、アーク放電開始前に前記
    陽極の先端部を前記容器内にて平坦化させる陽極先端平
    坦化工程を含むことを特徴とするカーボンナノチューブ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記陽極先端平坦化工程は、前記陽極を
    前記陰極に放電しながら押圧する工程であることを特徴
    とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記陽極先端平坦化工程は、前記陽極先
    端部を機械加工する工程であることを特徴とする請求項
    1または請求項2記載のカーボンナノチューブの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記アーク放電させる工程は、前記陰極
    の表面における放電位置を不連続的に移動させて放電さ
    せる工程であることを特徴とする請求項1、請求項2ま
    たは請求項3記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アーク放電させる工程は、水素ガス
    雰囲気中で行なうことを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれか一項記載のカーボンナノチューブの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 容器内に配置された炭素電極からなる陽
    極と、該陽極に対向配置された炭素電極からなる陰極
    と、この陰極の表面における放電位置を不連続的に移動
    させる手段と、前記陰極に生成された堆積物を採取する
    手段と、前記陽極先端表面を前記容器内にて平坦化する
    手段とを備えることを特徴とするカーボンナノチューブ
    の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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