JP2006103981A - 炭化珪素構造体及びそれを備えた光学レンズ用金型と電子放出素子並びに炭化珪素構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 寸法精度に優れた微小な凹凸形状を有する炭化珪素構造体及びそれを備えた光学レンズ用金型と電子放出素子並びに炭化珪素構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の炭化珪素構造体は、炭化珪素基板1の表面1aに微小な錐体2が複数個形成され、これらの錐体2の高さ(H)は10nm以上かつ500μm以下、その先端部の直径(D)は1nm以上かつ100μm以下であり、これらの錐体2は、5nm以上かつ500μm以下の間隔で配置されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、寸法精度に優れた微小な凹凸形状を有する炭化珪素構造体及びそれを備えた光学レンズ用金型と電子放出素子並びに炭化珪素構造体の製造方法に関するものである。
従来、回折格子レンズ等の光学レンズ用金型の材料として、WC−Co系、WC−TiC−Co系等の超硬合金が用いられてきたが、近年、回折格子レンズ等の光学レンズのさらなる微小化に伴い、光学レンズ用金型についてもさらなる超精密な微細加工が求められている。
この超硬合金を光学レンズ用金型に用いる場合には、一般的に切削等の機械加工が用いられるが、この機械加工による寸法精度の限界を超える寸法、例えば「μm」以下の寸法が要求される様な場合には、ケミカルエッチングが用いられる。
一方、電子放出素子のエミッタ材料としては、化学的に安定であり、しかも機械的強度が高いシリコンやモリブデン等が用いられてきているが、近年の電子放出素子の研究開発が「熱放出型」から「冷陰極型」に移行するのに伴い、冷陰極型の電子源に対しても新たなエミッタ材料の開発が求められている。
冷陰極型の電子源の場合、電界を集中させるためには、先端の曲率半径が小さなエミッタ材料を電極に対して垂直に配向させることが必要とされ、そこで、近年において発見されたカーボンナノチューブがエミッタ材料として注目されている。このカーボンナノチューブに関しては、既に様々な提案がなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
このカーボンナノチューブは、直径がナノメートルサイズで長さがミクロンサイズの形状を有し、アスペクト比が大きく、先端の曲率半径が小さいことと、シリコンやモリブデン等のスピン型エミッタ材料に比べ真空の制約が緩いゆるいこと、高い電流密度が得られること、頑健であること等により、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等への応用が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
このFEDでは、導電性の炭化珪素基板に切削加工を施し、その後、1200℃〜2000℃の熱処理を施すことにより、基板表面の珪素原子を除去して該表面にカーボンナノチューブを形成させ、このカーボンナノチューブを冷陰極型電子放出素子として利用している。
特開平9−221309号公報 特開2001−319560号公報 特開2003−297222号公報
ところで、従来の光学レンズ用金型では、切削等により超硬合金を機械加工する際にワークなどへの熱的影響から寸法精度に難点があり、μm以下の寸法のものが得られ難しいという問題点があった。
また、ケミカルエッチングでは、確かに、μm以下の寸法のものを得ることができるものの、加工速度が遅く、所望とする加工寸法まで長時間を必要とするために、加工コストが高くなるという問題点があった。
また、所望の金型が得られたとしても、光学レンズ成型時における金型の熱変形等による寸法精度の狂いから、金型寿命が短命となり、ランニングコストが上昇する要因ともなっている。
そこで、熱的特性に優れた炭化珪素を光学レンズ用金型に適用しようとする試みがなされているが、炭化珪素自体が極めて高硬度で、しかも脆性材料であるために、機械加工が容易ではなく、したがって、加工に長時間を要し、冶工具等の消耗も激しく、コスト的に見合うものではなかった。
また、ケミカルエッチングにより炭化珪素を微細加工する方法が提案されているが、炭化珪素自体、熱的安定性および化学的安定性が極めて高いために微細加工が非常に困難であり、特に、ケミカルエッチングを施す場合、炭化珪素を600〜800℃の高温に晒す必要があることに加え、等方性の断面形状を呈し易いという問題点があり、炭化珪素を光学レンズ用金型に適用するには、短時間でより精密でかつ微細加工を可能とする加工方法が求められていた。
一方、カーボンナノチューブを電子放出素子として利用する場合、スクリーン印刷法や沈降法等で作製したカーボンナノチューブを塗布法等により基部上に配置する方法が採られるが、この方法では、カーボンナノチューブが基部に対して水平に配向してしまい、高効率の電子放出性能を有する冷陰極型電子放出素子を得ることが難しいという問題点があった。
また、炭化珪素単結晶の表面(C面)を熱分解してカーボンナノチューブを得る方法もあるが、この方法では、カーボンナノチューブを基部に対して垂直に成長させることは可能ではあるが、このカーボンナノチューブは基部全面にしかも高密度にて成長するために、ナノチューブ同士で電磁的な干渉が発生し、電界集中が起こり難いという問題点があった。
また、カーボンナノチューブを得る他の方法として、導電性炭化珪素基板を切削し、この炭化珪素基板の表面を熱処理し、この表面から珪素原子を除去することにより、カーボンナノチューブを得る方法があり、この方法では、機械加工により規則的にまたは意図した寸法で低電圧型の冷陰極型の電子放出素子を得ることが容易である。
しかしながら、切削自体が機械加工であるから、炭化珪素基板の表面に微細で適度な形状の凹凸パターンを形成することは困難である。また加工工具等の消耗によるランニングコストの増加、熱処理による珪素原子の除去による熱処理工程の追加、熱処理費用の増加等により、製造コストの上昇は避けられない状況である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、寸法精度に優れた微小な凹凸形状を有する炭化珪素構造体及びそれを備えた光学レンズ用金型と電子放出素子並びに炭化珪素構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、フッ素含有ガスのプラズマを炭化珪素に接触させた場合について鋭意検討した結果、このフッ素含有ガスのプラズマ接触のさせ方によっては、炭化珪素の表面にスパイク(spike)と称される凹凸が生じることに着目し、プラズマ励起の際に、真空チャンバー内の金属源から放出される金属原子を炭化珪素上に島状粒子として堆積させ、この島状粒子をマスクとして有効利用することにより、炭化珪素基板の一主面に微小な錐体を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の炭化珪素構造体は、炭化珪素基板の一主面に微小な錐体が複数個形成され、これらの錐体の高さは10nm以上かつ500μm以下、その先端部の直径は1nm以上かつ100μm以下であり、これらの錐体は、5nm以上かつ500μm以下の間隔で配置されてなることを特徴とする。
前記炭化珪素基板は、炭化珪素単結晶または炭化珪素多結晶体からなる基板であることが好ましい。
前記錐体の表面は、炭素または前記錐体より炭素の含有量が高い炭素化合物からなる被膜により被覆されていることが好ましい。
本発明の光学レンズ用金型は、本発明の炭化珪素構造体を備えてなることを特徴とする。
本発明の電子放出素子は、本発明の炭化珪素構造体を備えてなることを特徴とする。
本発明の炭化珪素構造体の製造方法は、炭化珪素基板の一主面に反応性イオンエッチングにより微小な錐体を形成する方法であって、チャンバ内の炭化珪素基板の一主面上にフッ化物を含む反応ガスを導入し、この一主面上にてプラズマを励起させて前記チャンバ内の金属源から放出される金属原子を前記一主面上に島状粒子として堆積させ、この島状粒子をマスクとして前記炭化珪素基板の一主面にエッチングを施し、前記炭化珪素基板の一主面に微小な錐体を形成することを特徴とする。
前記反応ガスの圧力は3Pa以上かつ30Pa以下、その流量は15sccm以上かつ30sccm以下であることが好ましい。
前記フッ化物は、三フッ化窒素または四フッ化炭素であることが好ましい。
前記反応ガスは、酸素を含むことが好ましい。
本発明の炭化珪素構造体によれば、炭化珪素基板の一主面に微小な錐体が複数個形成され、これらの錐体の高さは10nm以上かつ500μm以下、その先端部の直径は1nm以上かつ100μm以下であり、これらの錐体は、5nm以上かつ500μm以下の間隔で配置されてなることとしたので、微小な錐体の寸法精度を高めることができる。また、これらの微小な錐体は、炭化珪素を主成分とするものであるから、超硬合金と比べて熱変形が小さく、したがって、熱変形による狂い等も抑制することができ、構造体としての寿命を延ばすことができる。
本発明の光学レンズ用金型によれば、本発明の炭化珪素構造体を備えたので、熱的影響による寸法精度への影響が極めて小さく、μm以下の寸法のものを容易かつ安価に得ることができる。
また、この光学レンズ用金型を用いて回折格子レンズ等の光学レンズを成型する場合、この光学レンズ用金型に熱変形等による寸法精度の狂い等が生じる虞がなく、したがって、金型の寿命を延命することができ、ランニングコストを低下させることができる。
本発明の電子放出素子によれば、本発明の炭化珪素構造体を備えたので、複数の微小な錐体は炭化珪素基板の一主面に立設することとなり、高効率の電子放出性能を有する電子放出素子を得ることができる。
また、これらの微小な錐体は、5nm以上かつ500μm以下の間隔で配置されているので、これらの微小な錐体同士で電磁的な干渉が生じる虞も無く、電界集中を防止することができる。
本発明の炭化珪素構造体の製造方法によれば、チャンバ内の炭化珪素基板の一主面上にフッ化物を含む反応ガスを導入し、この一主面上にてプラズマを励起させて前記チャンバー内の金属源から放出される金属原子を前記一主面上に島状粒子として堆積させ、この島状粒子をマスクとして前記炭化珪素基板の一主面にエッチングを施し、前記炭化珪素基板の一主面に微小な錐体を形成するので、一主面に微小な錐体が複数個形成された炭化珪素構造体を、高精度で、しかも容易に作製することができる。
本発明の炭化珪素構造体及びそれを備えた光学レンズ用金型と電子放出素子並びに炭化珪素構造体の製造方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本実施形態の炭化珪素構造体の断面形状を示す模式図であり、図において、1は炭化珪素(SiC)基板、2はSiC基板1の表面(一主面)1aに形成された微小な錐体、3は錐体2の先端部に形成されたアルミニウム(Al)等からなる島状粒子、4は錐体2およびSiC基板1の表面を覆う被膜である。
このSiC基板1は、SiC単結晶からなる基板、SiC多結晶体からなる基板のいずれかが好ましい。
このSiC多結晶体は、SiC焼結体を含む。
微小な錐体2は、SiC基板1と同質の組成からなるもので、高さ(H)が10nm以上かつ500μm以下、その先端部の直径(D)が1nm以上かつ100μm以下であり、隣接する錐体2、2間の間隔(T)は5nm以上かつ500μm以下である。
被膜4は、炭素(C)被膜、または錐体2より炭素(C)の含有量が高い炭素化合物、例えば、SiCx(1<X)からなる被膜である。
次に、この炭化珪素構造体の製造方法について説明する。
図2は、この炭化珪素構造体の製造に用いられる反応性イオンエッチング装置を示す構成図であり、図において、11はステンレス鋼(SUS304)からなるチャンバ、12は高周波(RF)電極、13は高周波(RF)電源、14はアース電極、15は窓部、16はCCDカメラ、17は流量制御計、18は流量計、19はバルブ、20はアルゴン(Ar)ガス貯留タンク、21は酸素(O)ガス貯留タンク、22は窒素(N)ガス貯留タンク、23は三フッ化窒素(NF)、四フッ化炭素(CF)等のフッ化物ガスを貯留するタンク、24はロータリーポンプおよび油拡散ポンプを備えた真空排気装置である。
RF電極12とアース電極14は、必要に応じて自由に切り替えることができる。
この反応性イオンエッチング装置を用いて炭化珪素構造体を作製するには、まず、表面が研磨されたSiC基板31を用意し、このSiC基板31をRF電極12上に載置し、真空排気装置24によりチャンバ11内を真空引き32して、例えば1.33×10−3Paの真空度とし、このチャンバ11内にフッ化物を含む反応ガスを導入する。反応ガスの圧力は1Pa以上である。
反応ガスとしては、三フッ化窒素(NF)ガス、四フッ化炭素(CF)ガス、三フッ化窒素(NF)−酸素(O)混合ガス、四フッ化炭素(CF)−酸素(O)混合ガス等が好適に用いられる。
混合ガスの場合、酸素濃度は2v/v%以上かつ20v/v%以下が好ましい。
チャンバ11内における反応ガスの圧力は3Pa以上かつ30Pa以下が好ましい。
圧力が3Pa以下であると、物理的エッチングの影響が大きくなり、錐体2が形成され難くなるからであり、また、30Paを超えると、SiC基板31の表面に凹凸は形成されるものの、錐体2が形成され難くなるからである。
反応ガスの流量は、5sccm以上かつ20sccm以下が好ましい。
流量が5sccm未満であると、SiC基板31の表面の平滑化が進行し、流量が20sccmを超えると、表面を精密に粗面化することができない。
次いで、RF電源13によりRF電極12に高周波電圧を印加してRF電極12とアース電極14との間にプラズマ放電を生じさせる。
このプラズマ放電の際の印加電力(RFパワー)は、80W以上かつ150W以下が好ましい。
RFパワーが80Wよりも低いと、SiC基板31の表面の平滑化が進行し、150Wを超えると、表面を精密に粗面化することができない。
この印加時間、すなわち反応時間は、10〜60分が好ましい。
このプラズマ放電により、RF電極12の周囲には、電子とイオンの易動度の違いによりイオンシースと呼ばれる空間電荷領域が形成され、ほぼ電解が一様に変化する領域となる。その結果、図3に示す様に、SiC基板31の表面(一主面)上にプラズマ33が励起されることとなる。
プラズマ励起の初期段階においては、図4に示す様に、チャンバ11内の金属源から放出されるアルミニウム(Al)等の金属原子がSiC基板31上に浮遊し、このSiC基板31の表面(一主面)に島状粒子34として堆積する。
ここで、プラズマ33領域内に発生した陽イオンがイオンシース領域内に突入すると、この陽イオンは領域内の垂直な電場によりSiC基板31に垂直方向に加速されて入射し、物理的な衝突が起こる(物理的エッチング)。
一方、プラズマ33中のラジカル(R)等の中性分子は、方向性を持たずに入射し、化学的な反応を起こす(化学的エッチング)。
例えば、プラズマ放電の結果発生するF・等のラジカル(R)は、SiC基板31のうち島状粒子34に覆われていない部分のSiと反応してSiF等を生じさせる。このSiF等はSiC基板31から蒸発するので、SiC基板31の表面のうち島状粒子34に覆われていない部分は化学的エッチングがなされ、同時にSiC基板31より炭素(C)の含有量が高いSiCx(1<X)からなる被膜35が形成されることとなる。
このようにして、物理的エッチングと化学的エッチングの特徴を併せ持った反応性イオンエッチングが進行することとなる。
この反応性イオンエッチングの時間、すなわちプラズマ励起の時間は30分以上が好ましい。
この反応性イオンエッチングにより、図5に示す様に、SiC基板31の表面のうち島状粒子34に覆われている部分は錐状に残ってSiC基板31と同質の微小な錐体2となり、島状粒子34に覆われていない部分はエッチングされてSiCx(1<X)からなる被膜35が形成される。
以上により、本実施形態の炭化珪素構造体を作製することができる。
本実施形態の炭化珪素構造体によれば、微小な錐体2の寸法精度を高めることができる。また、これらの微小な錐体2は、SiCを主成分とするものであるから、超硬合金と比べて熱変形が小さく、したがって、熱変形による狂い等も抑制することができ、構造体としての寿命を延ばすことができる。
本実施形態の炭化珪素構造体の製造方法によれば、島状粒子34をマスクとしてSiC基板31に反応性イオンエッチングを施すので、表面1aに微小な錐体2が複数個形成されたSiC構造体を、高精度で、しかも容易に作製することができる。
この炭化珪素構造体を光学レンズ用金型に適用すると、熱的影響による寸法精度への影響が極めて小さく、μm以下の寸法のものを容易かつ安価に得ることができる。
また、この光学レンズ用金型を用いて回折格子レンズ等の光学レンズを成型すると、この光学レンズ用金型に熱変形等による寸法精度の狂い等が生じる虞がなく、したがって、金型の寿命を延命することができ、ランニングコストを低下させることができる。
さらに、錐体2の表面に被膜4が形成されているので、金型の脱型が容易である。
また、この炭化珪素構造体を電子放出素子に適用すると、複数の微小な錐体2がSiC基板1の表面1aに立設することとなるので、高効率の電子放出性能を有する電子放出素子を得ることができる。
また、これらの微小な錐体は、5nm以上かつ500μm以下の間隔で配置されているので、これらの微小な錐体同士で電磁的な干渉が生じる虞も無く、電界集中を防止することができる。
以下、実施例1〜25及び比較例1〜17により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(試料)
7.0mm×5.0mm×1.0mmの大きさの炭化珪素多結晶体からなるSiC基板の表面を1μmの砥粒を用いて研磨し、次いで、アセトン、純水を用いて洗浄し、110℃にて12時間乾燥させ、試料とした。
次いで、この試料をRF電極12上に載置し、チャンバ11内の圧力が1.33×10−3Paになるまで真空排気を行い、さらに60分間そのまま真空排気を続けた。
次いで、反応ガスをチャンバ11内に導入し、5分間放置した後、流量が安定したことを確認した上で、13.56MHzのRFプラズマを励起させた。同時にMatching Unit MU−2(SAMCOインターナショナル社製)を用いてRFパワーが最小になるように調整した。プラズマ励起中、RF電極12に一定の温度の冷却水を循環させることにより試料を500℃に保った。
実施例1〜25及び比較例1〜17それぞれの反応ガスの種類、RFパワー、反応時間を表1および表2に示す。
反応性イオンエッチング終了後、再び10分間程度の真空排気を行い、チャンバ11内に残存した活性種を取り除くことにより、試料との反応を防いだ。その後、大気中のHOやOの吸着の影響をできる限り避けるために、Nを1atmまで導入した後、試料をチャンバ11から取り出した。
次いで、大気の影響を避けるため、この試料を直ちに乾燥剤と酸素吸収剤の入った真空デシケータ(到達真空度1.33×10Pa)に保存した。
次いで、実施例1〜25及び比較例1〜17それぞれの試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてエッチング面のエッチング速度および粗面性を評価した。
粗面性の評価は下記の通りとした。
◎:錐体の先端の径が50μm以下、高さが100μm以下、
間隔が500μm以下
○:錐体の先端の径が100μm以下、高さが500μm以下、
間隔が500μm以下
△:錐体の先端の径が100μm以下、高さが500μm以下、
間隔が500μm以上
×:錐体の先端の径が100μm以上、または錐体を形成しなかったもの
●:錐体上に炭素(C)膜が形成されているもの
Figure 2006103981
Figure 2006103981
本発明の炭化珪素構造体は、寸法精度に優れた微小な凹凸形状を有するものであるから、回折格子型レンズ等の光学レンズ用金型、低電圧でより高い電流密度を有する高効率の電子放出性を有する冷陰極型電子放出素子等はもちろんのこと、他の耐熱性および寸法精度に優れた微小な凹凸形状が求められるあらゆる分野に適用可能である。
本発明の一実施形態の炭化珪素構造体の断面形状を示す模式図である。 本発明の一実施形態の炭化珪素構造体の製造に用いられる反応性イオンエッチング装置を示す構成図である。 本発明の一実施形態の炭化珪素構造体の製造方法を示す過程図である。 本発明の一実施形態の炭化珪素構造体の製造方法を示す過程図である。 本発明の一実施形態の炭化珪素構造体の製造方法を示す過程図である。
符号の説明
11 チャンバ
12 RF電極
13 RF電源
14 アース電極
15 窓部
16 CCDカメラ
17 流量制御計
18 流量計
19 バルブ
20 Arガス貯留タンク
21 Oガス貯留タンク
22 Nガス貯留タンク
23 フッ化物ガス貯留タンク
24 真空排気装置
31 SiC基板
32 真空引き
33 プラズマ
34 島状粒子
35 被膜

Claims (9)

  1. 炭化珪素基板の一主面に微小な錐体が複数個形成され、
    これらの錐体の高さは10nm以上かつ500μm以下、その先端部の直径は1nm以上かつ100μm以下であり、
    これらの錐体は、5nm以上かつ500μm以下の間隔で配置されてなることを特徴とする炭化珪素構造体。
  2. 前記炭化珪素基板は、炭化珪素単結晶または炭化珪素多結晶体からなる基板であることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素構造体。
  3. 前記錐体の表面は、炭素または前記錐体より炭素の含有量が高い炭素化合物からなる被膜により被覆されていることを特徴とする請求項1または2記載の炭化珪素構造体。
  4. 請求項1、2または3記載の炭化珪素構造体を備えてなることを特徴とする光学レンズ用金型。
  5. 請求項1、2または3記載の炭化珪素構造体を備えてなることを特徴とする電子放出素子。
  6. 炭化珪素基板の一主面に反応性イオンエッチングにより微小な錐体を形成する方法であって、
    チャンバ内の炭化珪素基板の一主面上にフッ化物を含む反応ガスを導入し、この一主面上にてプラズマを励起させて前記チャンバ内の金属源から放出される金属原子を前記一主面上に島状粒子として堆積させ、この島状粒子をマスクとして前記炭化珪素基板の一主面にエッチングを施し、前記炭化珪素基板の一主面に微小な錐体を形成することを特徴とする炭化珪素構造体の製造方法。
  7. 前記反応ガスの圧力は3Pa以上かつ30Pa以下、その流量は15sccm以上かつ30sccm以下であることを特徴とする請求項6記載の炭化珪素構造体の製造方法。
  8. 前記フッ化物は、三フッ化窒素または四フッ化炭素であることを特徴とする請求項6または7記載の炭化珪素構造体の製造方法。
  9. 前記反応ガスは、酸素を含むことを特徴とする請求項6、7または8記載の炭化珪素構造体の製造方法。
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