JP2001189885A - カメラレコーダ - Google Patents

カメラレコーダ

Info

Publication number
JP2001189885A
JP2001189885A JP37265299A JP37265299A JP2001189885A JP 2001189885 A JP2001189885 A JP 2001189885A JP 37265299 A JP37265299 A JP 37265299A JP 37265299 A JP37265299 A JP 37265299A JP 2001189885 A JP2001189885 A JP 2001189885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microphone
camera recorder
noise
handle
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP37265299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3536002B2 (ja
Inventor
Hideji Kazuma
秀二 数馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP37265299A priority Critical patent/JP3536002B2/ja
Publication of JP2001189885A publication Critical patent/JP2001189885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3536002B2 publication Critical patent/JP3536002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Studio Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラレコーダ本体からのノイズ音の影響を
受けにくいものとなしつつ、被写体の音の収録を容易と
なし、マイクロホンが運搬時や収納に際して邪魔になる
ことがなく、引っ掛ける心配もないようにし、さらにマ
イクロホンの信頼性を確保する。 【解決手段】 カメラレコーダ本体1に連設されている
取っ手4における筒状握り部8の内部空間8aにマイク
ロホン9を配置してある。筒状握り部8にスライダー1
0を装着し、そのスライダー10にマイクロホン9を取
り付ける。また、ノイズキャンセラ12における圧電素
子13もマイクロホン9の近傍でスライダー10に取り
付ける。マイクロホン9より前方において、筒状握り部
8の周壁部分に高指向性のための複数列の小孔群8dを
形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体を主として
動画像として撮像するとともに音声を同時収録可能に構
成されたカメラレコーダにかかわり、特には、マイクロ
ホンの配置についての有効な技術に関するものである。
本発明が対象とするカメラレコーダは主として、ニュー
ス取材やテレビのドラマ収録等によく使用されているポ
ータブルタイプの業務用のカメラレコーダとして好適な
ものであるが、もっとも、そのようなものに限定する必
要性はなく、民生タイプのものを含めて広く任意の形態
・態様のカメラレコーダに適用され得るものとする。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の技術における業務用のカメ
ラレコーダの一例を示す外観表示の斜視図である。図7
において、符号の1はカメラレコーダ本体、2は撮像レ
ンズ、3は電子式ビューファインダ、4は取っ手、5は
バッテリー、9cはオプション装着のフロントマイクで
ある。
【0003】この従来技術においては、マイクロホンの
配置について次のように考えられている。
【0004】カメラレコーダ本体1の内部には、回転ヘ
ッドシリンダ(スキャナ)、テープ走行メカ、ローディ
ングメカなどが搭載されており、それらの駆動音、すな
わち具体的には、回転ヘッドシリンダの回転音や、ヘッ
ド叩き音・キャプスタン回転音・リール回転音などのテ
ープ走行系駆動音などが発生することは避けられない。
また、ズームレンズ駆動用モータの駆動音も発生する。
これらの駆動音は、周波数が数十ヘルツから数百ヘルツ
のノイズ音となって、カメラレコーダ本体1のキャビネ
ットを介して各部に伝わっていく。もし、そのノイズ音
をマイクロホンで拾ってしまうと、本来の被写体からの
正規の音声信号にノイズ成分が重畳し、音質の劣化をも
たらすことになる。
【0005】そこで、フロントマイク9cの配置につい
ては、カメラレコーダ本体1からなるべく離れた箇所に
フロントマイク9cを配置することが好ましいとされ
る。そして、電子式ビューファインダ3の外装張出し部
3aの位置がカメラレコーダ本体1から最も離れた箇所
とされ、その外装張出し部3aの外側面にフロントマイ
ク9cを取り付けるようにしている。
【0006】また、図8は従来技術における簡易型・マ
イク一体型のビデオカメラの一例を示す(例えば特開平
11−196304号公報参照)。図8において、符号
の31はカメラ本体、32は撮像レンズ、33は接眼レ
ンズユニット、34はマイクロホンユニット、35は揺
動アームである。マイクロホンユニット34は揺動アー
ム35に取り付けられ、揺動アーム35はカメラ本体3
1において支軸36によって回動自在に枢着されてい
る。マイクロホンユニット34は、その収納姿勢におい
て撮像レンズ32の下方でカメラ本体31の前面の凹所
に収まるようになっている。
【0007】そして、使用状態においては、フォーカシ
ングのために行う接眼レンズユニット33の引き出し動
作に連動して揺動アーム35を支軸36まわりに揺動動
作させて、揺動アーム35に取り付けられているマイク
ロホンユニット34をカメラ本体31から離すことによ
り、カメラ本体31からのノイズ音がマイクロホンユニ
ット34に侵入するのを回避するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の技術に
は次のような問題点がある。まず、図7に示す従来の業
務用のカメラレコーダの場合であるが、フロントマイク
9cにカメラレコーダ本体1からのノイズ音が侵入する
のを避けるために、カメラレコーダ本体1から離れた箇
所すなわち電子式ビューファインダ3の外装張出し部3
aの外側面にフロントマイク9cを取り付けているの
で、フロントマイク9cの配置が張り出した状態となら
ざるを得ないこととなっている。そして、その結果とし
て、その張り出したフロントマイク9cが運搬時や収納
に際して邪魔なものとなったり、人や物が動く際に、そ
の張り出したフロントマイク9cを不用意に引っ掛けて
しまい、カメラレコーダを転倒させたり落下させたりし
て、壊してしまうなどの欠点を有していた。また、不要
なノイズ音を完全なレベルにまで除去することはできて
いない状態であった。
【0009】次に、図8に示す従来のマイク一体型のビ
デオカメラの場合であるが、カメラ本体31からマイク
ロホンユニット34が大きく突き出してしまう構造とな
っているので、図7の従来例の場合と同様に邪魔になっ
たり、不用意に引っ掛けて壊したりするという欠点を有
していた。また、揺動アーム35の方式は強度的に弱い
ものとなっており、揺動アーム35自体やマイクロホン
ユニット34が壊れる可能性が高いものとなっていた。
【0010】本発明は上記した課題の解決を図るべく創
作したものであって、カメラレコーダ本体からのノイズ
音の影響を受けにくいものとなしつつ、被写体の音の収
録を容易となし、マイクロホンが運搬時や収納に際して
邪魔になることがなく、引っ掛ける心配もないように
し、さらにマイクロホンの信頼性を確保する、というこ
とを目的としている。
【0011】本発明は、また、指向性を確保すること、
ならびに指向特性を可変できるようにすることも目的と
している。さらに、なるべくノイズレスとなるようにす
ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題の解決を図
ろうとする本発明にかかわるカメラレコーダは、持ち運
びを行うためにカメラレコーダ本体に設けられている取
っ手に着目し、その取っ手にマイクロホンを内装させる
構成を採用したことを特徴としている。
【0013】カメラレコーダは動く被写体を撮像するこ
とがほとんどであり、カメラレコーダは機動性に富んだ
ものである必要がある。その一環として、マイクロホン
は、ケーブルを介してカメラレコーダ本体に接続するの
ではなく、カメラレコーダ本体と一体であることが望ま
しい。また、できるだけ被写体の音を収録しやすいよう
に被写体に近い部位に配置されていることが望ましい。
もちろん、カメラレコーダ本体からのノイズ音の影響を
受けにくいことが要件となる。
【0014】前述したとおり、従来の技術の場合にあっ
ては、電子式ビューファインダの外装張出し部の外側面
にマイクロホンを配置してあったが、それでは、邪魔で
あるとか引っ掛けて転倒・落下させるおそれがあった。
【0015】これに対して、本発明においては、カメラ
レコーダ本体からのノイズ音の影響を受けにくいものと
なしつつ、また、マイクロホンをカメラレコーダ本体と
一体にしながら、被写体の音を収録しやすいように配置
するための工夫として、上記のとおりに、取っ手に着目
し、その取っ手の内部にマイクロホンを配置したのであ
る。
【0016】取っ手は、カメラレコーダ本体から離れて
いるとともにカメラレコーダ本体に対する接合断面積が
比較的に小さいため、カメラレコーダ本体からのノイズ
音が伝わりにくく、そのノイズ音の影響を受けにくくな
っている。
【0017】そのような取っ手の内部にマイクロホンが
存在しているので、運搬時や収納に際して邪魔になるこ
とがないし、引っ掛ける心配がない。
【0018】また、取っ手の部分は比較的に堅牢であ
り、カメラレコーダの激しい使用実態に対しても、マイ
クロホンの信頼性を確保することができる。
【0019】以上のように、本発明は、もともとが一般
的に空洞となっており、しかも相当に堅牢で加えて細長
い形態となっている取っ手という部分に着目したのであ
る。さらにいうと、取っ手は、カメラレコーダがその本
来機能である撮像収録をしていない非駆動時である運搬
時にカメラマンの手で握られるが、このときは非駆動時
であるので、マイクロホンは機能しなくてもよく、そし
て、逆に、カメラレコーダが本来機能である撮像収録を
行うときには、取っ手は手で握られることがなく、マイ
クロホンの集音動作にとって不都合のない領域となって
いる。本発明は、取っ手についてのこのようなまったく
新しい認識に基づいている。
【0020】従来にあっては、取っ手についてこのよう
なきわめて斬新な認識は全くなかったものと考えてよ
い。換言すれば、取っ手の内部空間は、ただの単なるデ
ッドスペースでしかなかったのである。
【0021】本発明は、上記のように取っ手というこれ
までほとんど顧みられることのなかった部分に技術的な
いのちを吹き込み、それをマイクロホン機能としてきわ
めて有効に利用することにより、上記のような様々の優
れた作用・効果が発揮されることとなったものである。
このようなきわめて優れた発想のもとに本発明は展開さ
れているのである。
【0022】また、本発明にかかわるカメラレコーダ
は、マイクロホンを内装する取っ手の筒状握り部におい
て、マイクロホンより前方箇所に複数列の小孔群を形成
したものであり、斜め方向から入射してくる音波を複数
列の小孔群を通して筒状握り部の内部空間で互いに位相
干渉させることで相殺し、鋭い指向性を得ることができ
る。
【0023】また、本発明にかかわるカメラレコーダ
は、筒状握り部の内部でその筒軸方向に沿ってマイクロ
ホンを変位可能となしたものであり、マイクロホンの変
位に伴って音響管としての長さの調整を通じて指向特性
ひいては集音域を可変することが可能となり、被写体の
状況や撮像の条件等に応じた最適な収録が行える。
【0024】また、本発明にかかわるカメラレコーダ
は、ノイズキャンセラを設けて、マイクロホンに対する
カメラレコーダ本体側からのノイズ音(オフセットノイ
ズ音)をキャンセルするように構成してあるので、取っ
手内装によるノイズ音抑制が不充分となる場合であって
も、実質的なノイズレスを実現し、マイクロホンの性能
を優れたものにすることができる。
【0025】また、本発明にかかわるカメラレコーダ
は、指向特性が異なる複数種類のマイクロホンを着脱交
換可能となしてあるので、被写体の状況や撮像の条件等
に応じた最適な収録が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を総括
的に説明する。
【0027】本願第1の発明のカメラレコーダは、取っ
手の内部にマイクロホンを配置した構成となしたもので
ある。すなわち、カメラレコーダ本体から離れかつカメ
ラレコーダ本体に対する接合断面積が小さい取っ手にマ
イクロホンを内装してあるので、カメラレコーダ本体で
発生するノイズ音が伝わりにくくてノイズ音の影響を受
けにくいものとなすことができる。また、このような取
っ手内装方式とすることにより、従来技術の場合のよう
にマイクロホンが運搬時や収納に際して邪魔になるとい
ったことや引っ掛けて転倒・落下させるといった心配が
なく、操作性と安全性の向上を図ることができる。さら
に、比較的堅牢な取っ手に内装されたマイクロホンは、
その信頼性を確保することができる。
【0028】本願第2の発明のカメラレコーダは、上記
の第1の発明において、前記マイクロホンは、前記取っ
手における筒状握り部に内装された構成とされている。
取っ手は、カメラレコーダ本体に対する連結のための脚
部と握り部とからなるのが一般的であり、脚部の方にマ
イクロホンを内装してもよいのであるが、握り部を筒状
となし、その筒状握り部にマイクロホンを内装させる場
合には、空間的ゆとりがより大きく、その内装の設計の
自由度がより高く、また、製造もより簡易化できる。そ
して、なによりも細長いものであるので、後述のライン
マイクロホン等への展開が容易となる。
【0029】本願第3の発明のカメラレコーダは、上記
の第2の発明において、前記筒状握り部において、前記
マイクロホンより前方側の箇所に複数列の小孔群が形成
された構成となしたものである。斜め方向から入射して
くる音波を複数列の小孔群を通して筒状握り部の内部空
間で互いに位相干渉させることで相殺することができ
る。したがって、前方に対して鋭い指向性が得られる。
このような形態のマイクロホンは、「ラインマイクロホ
ン」とか「ガン型マイクロホン」と呼ばれているもの
で、利得は相対的に小さくなるが、指向特性の面では優
れたものである。
【0030】本願第4の発明のカメラレコーダは、上記
の第2・第3の発明において、前記筒状握り部が撮像レ
ンズの光軸とほぼ平行な状態でカメラレコーダ本体の上
面部に取り付けられた構成とされている。カメラレコー
ダの全体は比較的に重たいものであるから、取っ手はカ
メラレコーダ本体の上面部に取り付けられるのが一般的
である。また、撮像レンズが前方にありカメラレコーダ
本体が後方にあるという関係から、カメラレコーダは全
体として前後方向に長いものとなっているのが一般的で
ある。したがって、取っ手としても、その筒状握り部を
撮像レンズの光軸と平行となしてカメラレコーダ本体の
上面部に設ける形態が好ましいことになる。このこと自
体は通常のことであるが、そのような形態の取っ手に着
目した点に発明性があると認識している。
【0031】本願第5の発明のカメラレコーダは、上記
の第2〜第4の発明において、前記マイクロホンが前記
筒状握り部の内部でその筒軸方向に沿って変位可能とさ
れたものになっている。
【0032】この第5の発明による作用は次のとおりで
ある。取っ手における筒状握り部の内部空間(マイクロ
ホンの前方空間)は音響管の役割を果たす。そして、音
響管の長さが短い状態では比較的に広い指向特性を示
し、音響管の長さが長い状態では比較的に狭い指向特性
を示す。したがって、被写体の状況や撮像の条件等に応
じて、マイクロホンを変位させることにより、マイクロ
ホンの指向特性ひいては集音域を可変することが簡単に
でき、最適な収録が可能となる。
【0033】ここで、次のことは重要な意味をもってい
る。上記のようにマイクロホンを被写体に対して接近・
離間して指向特性を可変できるのも、前後方向に比較的
に長い取っ手の筒状握り部にマイクロホンを内装するよ
うにしたことにこそ、その要因がある。換言すれば、取
っ手にマイクロホンを内装したことの副次的効果とし
て、指向特性可変という利点が得られたのである。
【0034】本願第6の発明のカメラレコーダは、上記
の第1〜第5の発明において、前記マイクロホンに対す
るカメラレコーダ本体側からのノイズ音(オフセットノ
イズ音)をキャンセルするためのノイズキャンセラが付
加されているとともに、このノイズキャンセラの少なく
ともノイズ音ピックアップが前記取っ手の内部に配置さ
れた構成とされている。
【0035】この第6の発明による作用は次のとおりで
ある。上記で取っ手がカメラレコーダ本体から離れてお
り接合断面積が小さいのでカメラレコーダ本体からのノ
イズ音の伝わりが抑制されることを述べたが、それを完
全なものにするのはむずかしいことである。ある周波数
のノイズ音成分は減衰が小さいことがある。この第6の
発明は、このような場合に対応せんとするものである。
積極的にノイズキャンセラを付加することにより、カメ
ラレコーダ本体からのノイズ音すなわちオフセットノイ
ズ音の伝わりの抑制が不充分でマイクロホンから侵入し
たとしても、そのオフセットノイズ音をノイズキャンセ
ラにおいてキャンセルする。この場合に、ノイズ音ピッ
クアップをマイクロホンと同じ取っ手の内部に配置する
ことで、キャンセル作用をより精度の高いものとなす。
このようにして、オフセットノイズ音をキャンセルして
ノイズレスに変換してしまうので、マイクロホンとして
優れた性能を発揮することができる。
【0036】本願第7の発明のカメラレコーダは、上記
の第6の発明において、前記ノイズ音ピックアップが圧
電素子であるというものである。ノイズ音ピックアップ
としてマイクロホンを用いることも考えられるが、それ
ではコストが高くかかりすぎることになる。そこで、圧
電素子を採用することにより、低廉でありながら、感度
を確保するようにしたものである。
【0037】本願第8の発明のカメラレコーダは、上記
の第6・第7の発明において、前記ノイズ音ピックアッ
プが前記マイクロホンの近傍に配置された構成とされて
いる。ノイズ音ピックアップがマイクロホンから離れて
配置されていると、入ってくる音波の性状が互いに異な
ってしまい、ノイズキャンセルの精度が低くなる。そこ
で、ノイズ音ピックアップをマイクロホンの近傍に配置
することにより、ノイズキャンセルの精度を高いものと
している。
【0038】本願第9の発明のカメラレコーダは、上記
の第6〜第8の発明において、前記ノイズキャンセラ
は、前記ノイズ音ピックアップからの信号を位相反転す
る手段と、信号レベルを可変する手段とを備えたものと
して構成されているというものである。互いに位相が逆
相となっている2つの波形を重畳すると、その重畳波形
の振幅は小さくなる。どの程度に小さくなるかは、増幅
の度合いによる。その増幅の度合いを可変することによ
り、重畳波形の振幅を限りなくゼロに近づけることがで
きる。すなわち、オフセットノイズ音に対するノイズキ
ャンセルの精度を高いものにすることができる。そし
て、そのための構成が比較的に簡単なものですんでい
る。
【0039】本願第10の発明のカメラレコーダは、上
記の第9の発明において、前記ノイズキャンセラは、ロ
ーパスフィルタを付加したものとして構成されていると
いうものである。オフセットノイズ音としては、高い周
波数成分ほど減衰を起こしやすい。したがって、低い周
波数成分のノイズ音が伝わってきやすく、妨害となりや
すい。そのため、ローパスフィルタ(例えば数百ヘルツ
程度)を介挿することにより、効率の良いノイズキャン
セルを行うことができる。
【0040】本願第11の発明のカメラレコーダは、上
記の第1〜第10の発明において、前記マイクロホンが
前記取っ手に対して着脱自在に構成され、他のマイクロ
ホンと交換可能に構成されているというものである。指
向特性が異なる複数種類のマイクロホンを、被写体の状
況や撮像の条件等に応じて交換することにより、最適な
収録が可能となる。
【0041】以下、本発明のカメラレコーダの具体的な
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実
施の形態においては、業務用のカメラレコーダを例にあ
げる。
【0042】(実施の形態1)図1は実施の形態1のカ
メラレコーダの外観を示す斜視図である。
【0043】カメラレコーダ本体1の前部には撮像レン
ズ2が取り付けられており、また、カメラレコーダ本体
1の前側部分には電子式ビューファインダ3が、上面部
には持ち運びのための取っ手(把手)4が、後部にはバ
ッテリー5がそれぞれ取り付けられている。図示は省略
してあるが、カメラレコーダ本体1には、カメラ制御回
路、映像処理回路、記録再生回路、回転ヘッドシリンダ
(スキャナ)、テープ走行メカ、ローディングメカなど
が内蔵されているとともに、例えばビデオカセットテー
プのような記録媒体が挿抜自在に装着可能となってい
る。撮像レンズ2が前方にあり、カメラレコーダ本体1
が後方にあるという関係から、カメラレコーダは全体と
して前後方向に長いものとなっている。そして、カメラ
レコーダ全体を持ち運ぶための取っ手4は、力学的なバ
ランスのため、および意匠性のために、前後方向に長く
延在する状態でカメラレコーダ本体1の上面部に取り付
けられている。すなわち、取っ手4は、撮像レンズ2の
光軸とほぼ平行な状態の姿勢となっている。
【0044】図2は図1における取っ手4の部分を拡大
し、より詳細に示した一部破断の斜視図、図3は図2に
おけるA−A線矢視の断面図である。
【0045】取っ手4は、前側脚部6と後側脚部7と筒
状握り部8とから構成されている。筒状握り部8の前端
部下面に前側脚部6が連設され、後端部下面に後側脚部
7が連設されている。前側脚部6および後側脚部7のそ
れぞれにおいて、下部に取付け板部6a,7aが一体的
に設けられ、取付け板部6a,7aに形成されたビス挿
通孔6b,7bに通したビス(図示せず)を介して前側
脚部6および後側脚部7ひいては取っ手4をカメラレコ
ーダ本体1に固定するように構成してある。後側脚部7
および前側脚部6は、その内部が空洞になっている。後
側脚部7の内部空間は、配線のため筒状握り部8の内部
空間8aと連通している。
【0046】取っ手4における筒状握り部8は撮像レン
ズ2の光軸と平行となっている。筒状握り部8の内部空
間8aにマイクロホン9を内装させるのであるが、本実
施の形態1においては、そのマイクロホン9が筒状握り
部8の内部空間8aにおいて筒軸方向に沿って前後に変
位可能となるように工夫してある。すなわち、筒状握り
部8の内部空間8aにスライダー10を筒軸方向に沿っ
て摺動自在に装着し、そのスライダー10にマイクロホ
ン9を固定状態で取り付けてある。筒状握り部8におけ
る後側脚部7に近い部分で下面に筒軸方向に沿ったガイ
ドスリット8bが内外貫通状態で形成されている。スラ
イダー10の下面にはガイドスリット8bに摺動自在に
挿通されるガイド軸10aが連設され、筒状握り部8の
外部においてその外周面に摺接する状態のスライド操作
ボタン11がガイド軸10aに連設されている。また、
筒状握り部8の前端開口部には変則な空気流の悪影響を
防止するためのメッシュ8cが取り付けられている。そ
して、マイクロホン9よりも前方側において、筒状握り
部8の周壁部分の左右両側には2列の小孔群8dが形成
されている。一列の小孔群8dは筒状握り部8の筒軸方
向に沿って複数個の小孔が並んだものであり、個々の小
孔は内外貫通状態で形成されている。列状の小孔群8d
の列数は3以上であってもよい。
【0047】さらに、本実施の形態1においては、カメ
ラレコーダ本体1からマイクロホン9に伝わってくる振
動に起因したノイズの影響を排除するためのノイズキャ
ンセラ12が付加されている。
【0048】図4はマイクロホン系とノイズキャンセラ
系とからなる回路図である。ノイズキャンセラ12は、
図4において二点鎖線で囲んだ部分であり、ノイズ音ピ
ックアップとしての圧電素子13と反転アンプ14とレ
ベル調整用ボリウム(可変抵抗器)15とローパスフィ
ルタ16と抵抗器17とを備えている。マイクロホン9
についての回路系は、プリアンプ18と抵抗器19とバ
ッファアンプ20を備えた構成となっている。以下に、
より具体的に説明する。
【0049】マイクロホン9の出力端子がプリアンプ1
8の入力端子に接続され、プリアンプ18の出力端子が
抵抗器19を介してバッファアンプ20の入力端子に接
続されている。また、圧電素子13の出力端子が反転ア
ンプ14の入力端子に接続され、反転アンプ14の出力
端子がレベル調整用ボリウム15の一端に接続され、レ
ベル調整用ボリウム15の他端はグランドGNDに接続
されている。レベル調整用ボリウム15の出力端子がロ
ーパスフィルタ16の入力端子に接続され、ローパスフ
ィルタ16の出力端子が抵抗器17を介してバッファア
ンプ20の入力端子に接続されている。両抵抗器17,
19の接続点Bは、マイクロホン系と圧電素子系(ノイ
ズキャンセラ12)の、バッファアンプ20の入力に対
する加算部となっている。バッファアンプ20の出力端
子は信号ライン21を介してカメラレコーダ本体1に内
蔵の映像信号処理回路に接続されている。また、図4に
示す各部に対して図示しない電源ラインが接続されてい
るが、その電源ラインと信号ライン21とが図3に示す
ように配線22として後側脚部7の内部空間を通ってカ
メラレコーダ本体1側に通線されている。
【0050】図2、図3に示すように、圧電素子13は
スライダー10においてマイクロホン9の近傍に搭載さ
れている。また、図4において破線で囲んだ回路部は回
路基板23としてスライダー10に搭載されている。
【0051】次に、上記のように構成された実施の形態
1のカメラレコーダの作用を説明する。
【0052】(1)マイクロホン9を取っ手4に内装し
たことによる作用・効果 業務用カメラレコーダは、通常一人で使用されることが
多い。これをワンマンオペレーションという。また、業
務用カメラレコーダは機動性に富んでいなければならな
い。そのような機動性の一環として、マイクロホンは、
ケーブルを介してカメラレコーダ本体に接続するのでは
なく、カメラレコーダ本体と一体であることが好まし
く、また、できるだけ被写体の音を収録しやすいように
被写体に近い部位に配置されていることが好ましい。
【0053】前述のように、従来の技術の場合にあって
は、電子式ビューファインダの外装張出し部の外側面に
マイクロホンを配置してあったが、それには、そのマイ
クロホンの張り出しが運搬時や収納状態において邪魔な
ものとなったり、人や物が動く際に、その張り出したマ
イクロホンを不用意に引っ掛けてしまい、転倒・転落な
どして壊してしまうなどといった不都合があることはす
でに説明したとおりである。
【0054】本実施の形態1においては、マイクロホン
9をカメラレコーダ本体1と一体にしながら被写体の音
を収録しやすいように配置するための工夫として、上記
のとおりに、取っ手4における筒状握り部8の内部空間
8aにマイクロホン9を配置してある。取っ手4の筒状
握り部8にマイクロホン9を内装してあるので、従来例
の場合のようにマイクを引っ掛ける心配がなく、また、
運搬時や収納に際して邪魔になることもない。
【0055】さらに、取っ手4の部分は比較的堅牢であ
り、業務用カメラレコーダの激しい使用実態に対して
も、マイクロホン9の信頼性の高いものにしている。
【0056】(2)筒状握り部8においてマイクロホン
9の前方箇所に複数列の小孔群8dを形成したことによ
る作用・効果 斜めの左右両方向から入射してくる音波を複数列の小孔
群8dを通して筒状握り部8の内部空間8aに導入し、
そこで互いに位相干渉させることにより、それらの音波
を相殺して、大幅に減衰することができる。もし、複数
列の小孔群8dを設けていないと、却って、内部空間8
aで音が激しく反響し、ハウリングのような不都合な現
象を起こしてしまうのである。
【0057】複数列の小孔群8dを形成してあることに
より、前方に対して鋭い指向性が得られる。すなわち、
ラインマイクロホンあるいはガン型マイクロホンとして
の構造を採用でき、利得は小さいが、指向特性としては
優れている特徴がある。
【0058】(3)マイクロホン9を筒状握り部8の筒
軸方向に沿って摺動自在としたことによる作用・効果 マイクロホン9を摺動させて筒状握り部8内における前
後方向の位置を調整することにより、マイクロホン9の
指向特性を可変することができる。
【0059】取っ手4における筒状握り部8の内部空間
8a(正確にはマイクロホン9の前方空間)は音響管の
役割を果たす。そして、音響管の長さが短い状態では比
較的に広い指向特性を示し、音響管の長さが長い状態で
は比較的に狭い指向特性を示す。
【0060】したがって、スライド操作ボタン11を操
作してスライダー10とともにマイクロホン9を前方に
移動させ、例えば、その移動限界のP点(最前端位置)
にマイクロホン9を位置させたときには、音響管の長さ
が短くなり、図5の指向特性パターン図において実線で
示すような比較的に広い指向特性Dwを発揮するように
なる。これはハイパー・カーディオイドに近く、ハウリ
ングに対して強い。
【0061】逆に、スライダー10とともにマイクロホ
ン9を後方に移動させ、例えば、その移動限界のQ点
(最後端位置)にマイクロホン9を位置させたときに
は、音響管の長さが長くなり、図5において破線で示す
ような比較的に狭い指向特性Dnを発揮するようにな
る。これはガンマイクのような超指向性をもつ。
【0062】なお、図5に示した指向特性パターン図
は、1kHzの音波を上記の構成のマイクロホン9で収
録した場合のものであり、その音圧スケールは1目盛が
5dBとなっている。
【0063】以上のように、マイクロホン9の位置調整
により、その指向特性を可変でき、結果としてマイクロ
ホン9の集音域を可変することができる。したがって、
被写体の状況や撮像の条件等に応じて、指向特性を調整
することが簡単にでき、最適な収録が可能となる。
【0064】そして、このようにマイクロホン9を被写
体に対して接近・離間して指向特性を可変できるのも、
前後方向に比較的に長い取っ手4の筒状握り部8にマイ
クロホン9を内装するようにしたことに、その要因があ
る。換言すれば、取っ手4にマイクロホン9を内装した
ことの副次的効果として、指向特性可変という利点が得
られたのである。
【0065】さらに、スライダー10の変位に伴うマイ
クロホン9の位置調整は無段階的なものであるので、指
向特性の選択の幅がきわめて広いものとなっている。
【0066】(4)ノイズキャンセラ12を設けたこと
による作用・効果 カメラレコーダ本体1の内部には、回転ヘッドシリンダ
(スキャナ)、テープ走行メカ、ローディングメカなど
が搭載されており、それらの駆動音が近傍にあるマイク
ロホン9に対してノイズとして侵入してくる。具体的に
は、回転ヘッドシリンダの回転音や、ヘッド叩き音・キ
ャプスタン回転音・リール回転音などのテープ走行系駆
動音などがノイズとなってマイクロホン9に侵入し、不
測に収録されてしまうおそれがある。また、ズームレン
ズ駆動用モータの駆動音がマイクロホン9での収録に悪
影響を与える可能性もある。これらの駆動音は、周波数
が数十ヘルツから数百ヘルツのノイズ音となって、カメ
ラレコーダ本体1のキャビネットを伝わりマイクロホン
9に入る。したがって、そのままでは、収録した被写体
の音声信号にノイズが混入してしまうおそれがある。
【0067】しかし、本実施の形態1においては、この
ノイズ混入をノイズキャンセラ12によって防止するよ
うにしている。周辺が無音の状態のときに、カメラレコ
ーダを録画モードに設定し、回転ヘッドシリンダやテー
プ走行メカなどを駆動する。これらの駆動音がノイズ音
となって、取っ手4の内部に伝わり、マイクロホン9に
入る。それと同時に、マイクロホン9の近傍に配置して
ある圧電素子13にもノイズ音が振動として入ることに
なる。このノイズ音は、周囲が無音状態のときのもので
あるので、「オフセットノイズ音」と呼ぶことができ
る。
【0068】マイクロホン9において、その振動板が音
のエネルギーによって振動されることによる圧電効果や
静電容量変化などにより電気信号が出力される。それが
プリアンプ18で増幅され、抵抗器19を介してバッフ
ァアンプ20に入力される。一方、圧電素子13におい
て、振動が圧電効果により電気信号に変換され、反転ア
ンプ14において反転増幅される。反転増幅は、振幅の
増大とともに、周期変化する波形の位相を180度ずら
せる位相反転を伴う。そして、レベル調整用ボリウム1
5から数百ヘルツのローパスフィルタ16に入り、ここ
でマイクロホン9が拾うノイズ音の周波数成分のみが通
過し、他の周波数成分はカットされる。そして、抵抗器
17を介してバッファアンプ20に入力される。
【0069】マイクロホン9の系統のノイズ音信号と圧
電素子13の系統のノイズ音信号とは両抵抗器17,1
9の加算接続点Bにおいて加算されて、バッファアンプ
20に入力され、ここで増幅されることになる。そし
て、このバッファアンプ20からの出力信号のノイズ音
信号のレベルが実質的にゼロとなるようにレベル調整用
ボリウム15を調整する。すなわち、マイクロホン9に
入ったノイズ音信号を圧電素子13でとらえた位相反転
のノイズ音信号によってキャンセルし、ノイズレスに変
換してしまうのである。このノイズキャンセル処理は、
カメラレコーダの使用の初期または製造の最終的工程や
出荷前での調整において一度行えば、あとは通常は調整
の必要はなく、レベル調整用ボリウム15は半固定状態
とされる。もちろん、メンテナンスなど必要に応じての
調整は行われる。
【0070】このように無音状態でノイズキャンセルを
行っておくと、実際の録画モードにおいては、バッファ
アンプ20に入力される音声信号はマイクロホン9に入
った被写体の音声についての信号のみとなり、駆動され
ている回転ヘッドシリンダの回転音や、ヘッド叩き音・
キャプスタン回転音・リール回転音などのテープ走行系
駆動音やズームレンズ駆動用モータの駆動音などの影響
がほとんどないきわめて優れたマイクロホン性能が得ら
れる。
【0071】本実施の形態1においては、マイクロホン
9がスライダー10の摺動に伴って前後方向に変位する
が、そのマイクロホン9が搭載されているスライダー1
0に圧電素子13を搭載してあるので、マイクロホン9
の変位と圧電素子13の変位とが全く同じものとなり、
マイクロホン9と圧電素子13の相対位置関係はマイク
ロホン9の変位にかかわらず常に一定となる。したがっ
て、スライド操作ボタン11を操作してのマイクロホン
9の指向特性の調整において、改めてレベル調整用ボリ
ウム15によるレベル調整を行う必要がなく、操作性が
優れている。
【0072】なお、従来の技術(図7)の場合と同様
に、電子式ビューファインダ3の外装張出し部3aの外
面にオプションのフロントマイクを着脱自在に装着する
ように構成してもよいことはいうまでもない。
【0073】(実施の形態2)実施の形態2は、取っ手
に対してマイクロホンを着脱交換自在となしたものであ
る。図6は本発明の実施の形態2のカメラレコーダにお
ける取っ手の部分および交換される複数のマイクロホン
を示した一部破断の斜視図である。実施の形態1の図2
におけるのと同じ符号は本実施の形態2の図6において
も同一構成要素を指示しており、簡単に説明すると、4
は取っ手、6は前側脚部、7は後側脚部、6a,7aは
取付け板部、6b,7bはビス挿通孔、8は筒状握り
部、8aは筒状握り部8の内部空間、8dは列状の小孔
群である。それらの構成については、特にことわらない
限りにおいて既述のとおりであるので、ここでは詳しい
説明は省略する。また、実施の形態1において説明した
事項であって本実施の形態2において改めて説明しない
事項についてはそのまま本実施の形態2にも該当するも
のとし、詳しい説明は省略する。本実施の形態2におけ
る構成が実施の形態1と相違する点は以下のとおりであ
る。
【0074】筒状握り部8の前端には図2の場合のよう
なメッシュ8cは取り付けられておらず、前端開口部8
eとなっている。
【0075】音響管の実効長が長くて指向特性が相対的
に狭い第1のマイクロホン9Aと、音響管の実効長が短
くて指向特性が相対的に広い第2のマイクロホン9Bと
が取っ手4の筒状握り部8に対して挿抜式に着脱交換自
在となっている。
【0076】取っ手4の筒状握り部8の前端開口部8e
を介して各マイクロホン9A,9Bを挿抜するようにな
っている。筒状握り部8の奥には、各マイクロホン9
A,9Bを電気的に接続するとともに機械的にも支持す
るコネクタ24が固定的に設けられている。それに対応
して、各マイクロホン9A,9Bの後端には、取っ手4
側のコネクタ24に結合されるべきコネクタ部9a,9
bが設けられている。コネクタ24とコネクタ部9a,
9bとは、いずれか一方がメスコネクタであり、他方が
オスコネクタである。
【0077】上記では、着脱交換式のマイクロホンとし
て第1および第2のマイクロホン9A,9Bの2本を例
示したが、必ずしもそれにとらわれる必要性はなく、互
いに指向特性を異にする3本以上のマイクロホンであっ
てももちろんかまわないのである。
【0078】交換の作業は、コネクタどうしの結合を解
除しながらマイクロホンを抜き出し、別のマイクロホン
を差し込んでコネクタ結合を行うだけのきわめて簡単な
作業ですむ。
【0079】被写体の状況や撮像の条件等に応じて、上
記のような指向特性の異なる複数種類のマイクロホンを
交換することにより、最適な収録が可能となる。
【0080】本実施の形態2においては、実施の形態1
の場合のスライダー10の構成はない。スライダー10
がないので、構造的にはより簡単なものとなる。ただ
し、コネクタ24をスライド方式に構成してもよい。コ
ネクタ24をスライド式とすると、筒状握り部8の前端
開口部8eからの前方への突出寸法を第1のマイクロホ
ン9Aと第2のマイクロホン9Bとで同程度にすること
も可能となる。また、実施の形態1の場合と同様に、ノ
イズキャンセラ12は装備しているものとする。この場
合に、ノイズキャンセラは、固定のコネクタ24の奥側
において筒状握り部8の内部に配置することとする。ノ
イズキャンセラによる作用・効果は既述のとおりである
ので、説明を省略する。
【0081】その他の事項で実施の形態1について述べ
た任意の事項は本実施の形態2にも該当するものとす
る。
【0082】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、本発明は上記の実施の形態に限定される必要
性はなく、次のような実施の形態も含み得るものであ
る。
【0083】(1)上記の実施の形態においては、業務
用のカメラレコーダを例にあげたが、必ずしもそれにと
らわれる必要性はなく、民生用のビデオカメラに本発明
を適用してもよい。
【0084】(2)上記の実施の形態においては、ノイ
ズ音ピックアップとして圧電素子を例にあげたが、必ず
しもそれにとらわれる必要性はなく、ノイズ音を静電容
量の変化としてとらえるような形態のものであってもよ
い。その他、公知の任意のものが適用可能であり、その
具体的構成については本発明の要旨とは直接には関係し
ないので説明を省略する。
【0085】(3)取っ手4における筒状握り部8の形
状としては、円筒が好ましい一例ではあるが、必ずしも
それにとらわれる必要性はなく、楕円筒、長円筒、コー
ナーRの矩形筒など任意に変形して実施可能である。
【0086】(4)ノイズキャンセラ12についての図
4に示した回路構成は一例にすぎなくて、公知の技術を
適用ないし応用して、ノイズキャンセルという所要の機
能を発揮するものであれば、どのような回路構成のもの
であってもよい。
【0087】(5)上記の実施の形態においては、ノイ
ズキャンセラ12を付加しているが、必ずしもその付加
の必要性はなく、低級仕様としてはノイズキャンセラの
省略を行ってもよい。
【0088】(6)上記の実施の形態においては、マイ
クロホン9をスライダー10に搭載して変位自在となし
たが、必ずしもそれにとらわれる必要性はなく、スライ
ダー10およびその関連構成を省略し、マイクロホン9
を固定的に設けた形態で実施することも考えられる。
【0089】(7)上記の説明においては、記録手段と
してVTRで構成した例で説明したが、その他の記録媒
体、たとえばハードディスクレコーダやDVD(Digita
l Versatile Disk)‐RAMなどの書き換え可能なある
いはライトワンスのディスクレコーダについても同様に
実施可能である。
【0090】上記の(1)〜(7)は互いに独立した事
項であり、これらのうち任意の事項を任意数適当に組み
合わせてもよきものとする。
【0091】なお、本願の明細書または図面に記載して
ある任意の事項について、その省略の可能性、または特
許請求の範囲への追加ならびに発明の詳細な説明の変更
の可能性を留保する。
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明は、もともとが空
洞ではあるが相当に堅牢で細長い形態となっており、従
来では持ち運びの機能としてしかとらえられていなかっ
た取っ手という部分に着目し、この部分をマイクロホン
機能としてとらえなおしたところに、その技術的思想の
特徴がある。
【0093】取っ手は、カメラレコーダがその本来機能
である撮像収録をしていない非駆動時である運搬時にカ
メラマンの手で握られるが、このときは非駆動時である
ので、マイクロホンは機能しなくてもよく、そして、逆
に、カメラレコーダが本来機能である撮像収録を行うと
きには、取っ手は手で握られることがなく、マイクロホ
ンの動作にとって不都合のない領域となっている。従来
にあっては、取っ手についてこのような認識は全くなか
ったものと考えてよい。すなわち、従来においては、取
っ手の内部空間は、ただの単なるデッドスペースでしか
なかった。
【0094】本発明は、上記のように取っ手というこれ
までほとんど顧みられることのなかった部分に着目し、
その取っ手をまったく新しい視点からとらえなおし、デ
ッドスペースでしかなかった取っ手に技術的ないのちを
吹き込み、マイクロホン機能として有効に利用するとい
うきわめて優れた発想に基づいたものであり、以下のよ
うな優れた効果を発揮する。
【0095】すなわち、カメラレコーダについて本発明
によれば、カメラレコーダ本体から離れておりカメラレ
コーダ本体との接合断面積が小さい取っ手にマイクロホ
ンを内装してあるので、カメラレコーダ本体で発生した
ノイズ音をマイクロホンに伝わりにくくすることができ
るとともに、運搬時や収納に際して邪魔になることがな
く、また、引っ掛けて転倒させたり落下させたりする心
配がない。さらに、取っ手の部分は比較的に堅牢であ
り、カメラレコーダの激しい使用実態に対しても、マイ
クロホンの信頼性を確保することができる。
【0096】また、斜め方向から入射してくる音波を複
数列の小孔群を通して筒状握り部の内部空間で互いに位
相干渉させることで相殺するように構成することによ
り、鋭い指向性を得ることができる。
【0097】また、筒状握り部の内部でその筒軸方向に
沿ってマイクロホンを変位可能となすことにより、音響
管としての長さの調整を通じて指向特性ひいては集音域
を可変し、被写体の状況や撮像の条件等に応じた最適な
収録を可能となすことができる。
【0098】また、カメラレコーダ本体側からのオフセ
ットノイズ音をノイズキャンセラによってキャンセルす
ることにより、取っ手内装によるノイズ音抑制が不充分
となる場合であっても、実質的なノイズレスを実現し、
マイクロホンの性能を優れたものにすることができる。
【0099】また、指向特性が異なる複数種類のマイク
ロホンを着脱交換可能となすことにより、被写体の状況
や撮像の条件等に応じた最適な収録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のカメラレコーダの外観
を示す斜視図
【図2】実施の形態1のカメラレコーダにおける取っ手
の部分を拡大してより詳細に示す一部破断の斜視図
【図3】図2におけるA−A線矢視の断面図
【図4】実施の形態1のカメラレコーダにおけるマイク
ロホン系およびノイズキャンセラ系を示す回路図
【図5】実施の形態1のカメラレコーダにおける指向特
性パターン図
【図6】本発明の実施の形態2のカメラレコーダにおけ
る取っ手の部分および交換される複数のマイクロホンを
示す一部破断の斜視図
【図7】従来の技術における業務用のカメラレコーダの
一例を示す外観表示の斜視図
【図8】従来の技術における簡易型・マイク一体型のビ
デオカメラの一例を示す外観表示の斜視図
【符号の説明】
1…カメラレコーダ本体 2…撮像レンズ 3…電子式ビューファインダ 4…取っ手 5…バッテリー 6…前側脚部 7…後側脚部 6a,7a…取付け板部 6b,7b…ビス挿通孔 8…筒状握り部 8a…筒状握り部の内部空間 8b…ガイドスリット 8c…メッシュ 8d…小孔群 8e…前端開口部 9…マイクロホン 9A…交換式の第1のマイクロホン 9B…交換式の第2のマイクロホン 9a,9b…コネクタ部 10…スライダー 10a…ガイド軸 11…スライド操作ボタン 12…ノイズキャンセラ 13…圧電素子 14…反転アンプ 15…レベル調整用ボリウム 16…ローパスフィルタ 20…バッファアンプ 22…配線 24…コネクタ Dw…広い指向特性 Dn…狭い指向特性

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取っ手の内部にマイクロホンを配置して
    あることを特徴とするカメラレコーダ。
  2. 【請求項2】 前記マイクロホンは、前記取っ手におけ
    る筒状握り部に内装されていることを特徴とする請求項
    1に記載のカメラレコーダ。
  3. 【請求項3】 前記筒状握り部において、前記マイクロ
    ホンより前方側の箇所に複数列の小孔群が形成されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載のカメラレコーダ。
  4. 【請求項4】 前記筒状握り部が撮像レンズの光軸とほ
    ぼ平行な状態でカメラレコーダ本体の上面部に取り付け
    られていることを特徴とする請求項2または請求項3に
    記載のカメラレコーダ。
  5. 【請求項5】 前記マイクロホンが前記筒状握り部の内
    部でその筒軸方向に沿って変位可能とされていることを
    特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかに記載
    のカメラレコーダ。
  6. 【請求項6】 前記マイクロホンに対するカメラレコー
    ダ本体側からのノイズ音をキャンセルするためのノイズ
    キャンセラが付加されているとともに、このノイズキャ
    ンセラの少なくともノイズ音ピックアップが前記取っ手
    の内部に配置されていることを特徴とする請求項1から
    請求項5までのいずれかに記載のカメラレコーダ。
  7. 【請求項7】 前記ノイズ音ピックアップが圧電素子で
    あることを特徴とする請求項6に記載のカメラレコー
    ダ。
  8. 【請求項8】 前記ノイズ音ピックアップが前記マイク
    ロホンの近傍に配置されていることを特徴とする請求項
    6または請求項7に記載のカメラレコーダ。
  9. 【請求項9】 前記ノイズキャンセラは、前記ノイズ音
    ピックアップからの信号を位相反転する手段と、信号レ
    ベルを可変する手段とを備えたものとして構成されてい
    ることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれ
    かに記載のカメラレコーダ。
  10. 【請求項10】 前記ノイズキャンセラは、ローパスフ
    ィルタを付加したものとして構成されていることを特徴
    とする請求項9に記載のカメラレコーダ。
  11. 【請求項11】 前記マイクロホンが前記取っ手に対し
    て着脱自在に構成され、他のマイクロホンと交換可能に
    構成されていることを特徴とする請求項1から請求項1
    0までのいずれかに記載のカメラレコーダ。
JP37265299A 1999-12-28 1999-12-28 カメラレコーダ Expired - Fee Related JP3536002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37265299A JP3536002B2 (ja) 1999-12-28 1999-12-28 カメラレコーダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37265299A JP3536002B2 (ja) 1999-12-28 1999-12-28 カメラレコーダ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001189885A true JP2001189885A (ja) 2001-07-10
JP3536002B2 JP3536002B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=18500818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37265299A Expired - Fee Related JP3536002B2 (ja) 1999-12-28 1999-12-28 カメラレコーダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3536002B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104219429A (zh) * 2010-12-22 2014-12-17 佳能株式会社 配备有手柄单元的摄像设备
JP2016021698A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 株式会社オーディオテクニカ 可変指向性マイクロホン

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104219429A (zh) * 2010-12-22 2014-12-17 佳能株式会社 配备有手柄单元的摄像设备
CN104219429B (zh) * 2010-12-22 2017-12-01 佳能株式会社 配备有手柄单元的摄像设备
JP2016021698A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 株式会社オーディオテクニカ 可変指向性マイクロホン

Also Published As

Publication number Publication date
JP3536002B2 (ja) 2004-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4367484B2 (ja) 音声信号処理装置、音声信号処理方法及び撮像装置
KR101096550B1 (ko) 전자 장치
US20030151678A1 (en) Camcorder combinable with a plurality of sound acquiring units
US20070215407A1 (en) Loudspeaker device
US8315397B2 (en) Microphone device and portable recorder comprising same
JP2001189885A (ja) カメラレコーダ
JP4193840B2 (ja) 電子機器
JP4678432B2 (ja) 撮像装置
JP2006121926A (ja) 電子機器
JP2000278581A (ja) ビデオカメラ
JP2625726B2 (ja) 記録再生装置
CN216565393U (zh) 多功能的摄像机一体终端
JP2023088131A (ja) 撮像装置
JP2999899B2 (ja) ビデオカメラ
JP2003348419A (ja) 撮像装置
KR100542180B1 (ko) 모바일폰용 내장형 스테레오 마이크로폰의 구조
JP3552391B2 (ja) 撮像機器用マイクロホン及び撮像機器
JP2023120667A (ja) 撮像装置
JP3204994B2 (ja) 撮像装置
JP2023083879A (ja) 撮像装置、その制御方法およびプログラム
JP2018196072A (ja) 撮像装置
JP2024151162A (ja) 撮像装置
JPH07240864A (ja) 電子ビデオカメラ
JP2023030453A (ja) 音声処理装置、制御方法、及びプログラム
JP2002345074A (ja) 集音装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees