JP2016021698A - 可変指向性マイクロホン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前部音響端子10a及び後部音響端子10bを有する単一指向性のマイクロホンユニット10と、前記マイクロホンユニットを収容するとともに、周面に複数の音響抵抗孔3が形成された音響管2と、前記音響管内に軸方向に沿って移動自在に設けられ、前記マイクロホンユニットを保持するとともに所定の音響抵抗をもって音波を透過させる保持部材15とを備え、前記マイクロホンユニットの外周面と前記音響管の内周面との間には、前記前部音響端子と前記後部音響端子とを連通させる間隙Sが形成され、前記音響管内における前記マイクロホンユニットの位置により指向性が変化する。
【選択図】図2
Description
また、周囲の騒音が大きいときには、狭指向性のマイクロホンを用いることが望ましい。この場合、音源からの距離や方向による音質変化が著しいという欠点はあるが、目的の音波を確実に収音することができる。
前記マイクロホンにあっては、前記後部音波導入口の部分にその音響抵抗を可変とし、例えばハイパーカージオイドとカージオイドのいずれかに指向性を切換可能にする切換カバーを備えている。
即ち、前記後部音波導入口を全開にする、或いは完全に塞ぐことにより、予め設定されたカージオイド或いはハイパーカージオイドの指向性にすぐに対応することができる。
しかしながら、例えばそれらの中間の指向性に対応したい場合には、小さい後部音波導入口の開口面積を切換カバーで部分的に覆うことにより変化させる必要があった。そのため、使用者自身で後部音響端子側の音響抵抗を細かく変えることは困難であり、指向性の調整は容易でなかった。
尚、前記保持部材は、通気性を有する発泡体により形成されていることが望ましい。また、前記保持部材は、弾性体であることが望ましい。
このように構成することにより、使用者がマイクロホンユニットを音響管の中で軸方向に沿って移動させることができる。それにより、マイクロホンの指向性を単一指向性から狭指向性まで収音状況に応じて無段階に切り換えることができる。また、本構成のマイクロホンの指向性は、長い音響管の中のマイクロホンユニットの位置により決定され、単一指向性のカージオイドからハイパーカージオイドまで緩やかに変化する。そのため、本構成のマイクロホンによれば、使用者自身が容易にマイクロホンの指向性を所望の指向性に設定できる。例えば、使用者は、周囲騒音が小さいときには単一指向性で収音し、周囲騒音が大きいときには狭指向性で収音することを選択できる。
また、前記マイクロホンユニットはさらに突起部を備え、前記突起部は前記スライド溝部から突出しており、前記突起部を前記スライド溝部に沿って摺動させることで前記マイクロホンユニットの位置を変えることが望ましい。
さらに、前記スライド溝部において、該溝部の左右両側に設けられた弾性部材が互いに密着され、該密着部から前記突起部が外方に突出していることが望ましい。
このように音響管にスライド溝部を設け、そこから突出する前記突起部を使用者がつまんで容易にマイクロホンユニットの位置を移動することができ、単一指向性のカージオイドからハイパーカージオイドまで容易に設定することができる。
また、マイクロホンユニット10の先端側には、前方音響端子10aが設けられ、マイクロホンユニット10の後端側には、後方音響端子10bが設けられている。また、マイクロホンユニット10の後面中央には、音声信号を取り出すためのコード11が設けられている。コード11は、音響管2の中を通って音響管2の後端開口2bから管外に引き出されるようになっている。
例えば、図1に示すように音響管2の前端開口2aからマイクロホンユニット10の前後の音響端子が自由空間に露出した状態とすることができる。尚、図4の構成の場合には、図5(a)に示す使用状態となる。
この場合、マイクロホン1は、単一指向性マイクロホンとして動作し、周囲の騒音が小さいときにカージオイドで収音することができる。
また、図2及び図5(c)に示すように音響管2の略中央にマイクロホンユニット10を移動させれば、指向性を狭指向性寄りの単一指向性に変更することができる。
さらに、図3に示すように音響管2の後端にマイクロホンユニット10を移動させれば、指向性が狭指向性となる。したがって、図3の状態では、ハイパーカージオイドで収音することができる。
実施例1では、本実施の形態におけるマイクロホンのうち、図1に示した状態の指向性を説明する。図1に示すようにマイクロホンユニットを音響管の先端に配置し、前部音響端子と後部音響端子が露出した状態で、その指向性特性を測定した。図6は、その状態で測定した0度、90度、135度、および180度の各方向における指向性特性グラフである。また、図7は、そのポーラパターンである。図6、図7に示すように指向性は単一指向性の特性であることを確認した。
実施例2では、前記実施例1と同様に、図2の状態のマイクロホンの指向性を説明する。図2に示すようにマイクロホンユニットの位置を音響管の略中央に配置し、その指向性特性を測定した。
図8は、その状態で測定した0度、90度、135度、および180度の各方向における指向性特性グラフである。また、図9は、そのポーラパターンである。図8、図9に示すように指向性は、実施例1の単一指向性よりも狭指向性よりの特性であることを確認した。
実施例3では、前記実施例1,2と同様に、図3の状態のマイクロホンの指向性を説明する。図3に示すように、マイクロホンユニットの位置を音響管の後端に配置し、その指向性特性を測定した。
図10は、その状態で測定した0度、90度、135度、および180度の各方向における指向性特性グラフである。また、図11は、そのポーラパターンである。図10、図11に示すように指向性は、実施例2の場合よりもさらに狭指向性の特性(ハイパーカージオイド)であることを確認した。
2 音響管
3 音響抵抗孔
4 スライド溝
5 音波遮断部(弾性部材)
10 マイクロホンユニット
10a 前部音響端子
10b 後部音響端子
10c 突起部
11 コード
15 保持部材
S 間隙
Claims (6)
- 前部音響端子及び後部音響端子を有する単一指向性のマイクロホンユニットと、
前記マイクロホンユニットを収容するとともに、周面に複数の音響抵抗孔が形成された音響管と、
前記音響管内に軸方向に沿って移動自在に設けられ、前記マイクロホンユニットを保持するとともに所定の音響抵抗をもって音波を透過させる保持部材とを備え、
前記マイクロホンユニットの外周面と前記音響管の内周面との間には、前記前部音響端子と前記後部音響端子とを連通させる間隙が形成され、
前記音響管内における前記マイクロホンユニットの位置により指向性が変化することを特徴とする可変指向性マイクロホン。 - 前記保持部材は、通気性を有する発泡体により形成されていることを特徴とする請求項1に記載された可変指向性マイクロホン。
- 前記保持部材は、弾性体であることを特徴とする請求項2に記載された可変指向性マイクロホン。
- 前記音響管はさらに軸方向に沿って形成されたスリット状のスライド溝部を備え、
前記マイクロホンユニットは前記スライド溝部に沿って摺動されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された可変指向性マイクロホン。 - 前記マイクロホンユニットはさらに突起部を備え、
前記突起部は前記スライド溝部から突出しており、
前記突起部を前記スライド溝部に沿って摺動させることで前記マイクロホンユニットの位置を変えることを特徴とする請求項4に記載された可変指向性マイクロホン。 - 前記スライド溝部において、該溝部の左右両側に設けられた弾性部材が互いに密着され、該密着部から前記突起部が外方に突出していることを特徴とする請求項5に記載された可変指向性マイクロホンユニット。
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