JP2001188357A - 表示素子用基板への樹脂膜形成法及び装置、並びに該方法を用いた液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

表示素子用基板への樹脂膜形成法及び装置、並びに該方法を用いた液晶表示装置の製造方法

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JP2001188357A
JP2001188357A JP37333299A JP37333299A JP2001188357A JP 2001188357 A JP2001188357 A JP 2001188357A JP 37333299 A JP37333299 A JP 37333299A JP 37333299 A JP37333299 A JP 37333299A JP 2001188357 A JP2001188357 A JP 2001188357A
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resin film
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bake
gap
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Sakurai
芳亘 櫻井
Yoshio Iwai
義夫 岩井
Yasuhiko Yamanaka
泰彦 山中
Takashi Hirose
貴司 廣瀬
Junji Boshita
純二 坊下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリベーク工程における乾燥ムラを抑制する
ことができる感光性樹脂膜の形成法を提供すること。 【解決手段】 基板に所定の膜厚で樹脂溶液を塗布し、
40〜65℃程度の低温で第1のプリベーキングを行っ
た後に、80〜130℃程度の高温で第2のプリベーキ
ングを行うことにより、樹脂膜の乾燥ムラを抑制するこ
とができる。またさらに、上記第1のプリベーキング又
は第2のプリベーキングにおいて、加熱装置と基板の間
に空隙を設け、その空隙にイオン風を送出することによ
り、乾燥ムラの発生を抑制しながら、基板上に形成した
半導体素子の静電破壊を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の表示素子用
基板への樹脂膜形成法に関し、さらに詳細には、表示素
子用基板に乾燥ムラを抑制しながら樹脂膜を形成する方
法及び装置、並びに該方法を用いた反射型液晶表示装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子用TFT基板等の製造に際
しては、樹脂膜の均一な形成が重要な役割を果たす。例
えば、素子形成のためのフォトリソグラフィー工程にお
いてベーキング後のレジスト樹脂膜に乾燥ムラがある
と、レジストの露光及び現像時にパターン異常が発生し
易いため、素子の製造歩留まりを低下させ、完成品の機
能、品質にも好ましくない影響を与える。また、反射電
極の下地として平坦なもしくは微細な凹凸を有する樹脂
膜を形成した反射型液晶表示素子(以下反射型LCD)
においては、樹脂膜の微妙な乾燥ムラが反射率ムラの原
因となり、パネルの表示品質に深刻な悪影響を与える。
【0003】以下、反射型LCDの場合について詳細に
説明する。図10は、反射型LCDの一例を示す概略断
面図である。図10は、一画素分の領域を拡大して示し
ており、簡単のためハッチングを一部省略している。図
10において、1は偏光フィルム、2は位相差フィル
ム、3はガラス基板、4はカラーフィルタ、5は透明電
極、7は液晶、80は反射電極、180は感光性樹脂か
らなる層間絶縁膜、16は無機保護膜、15は薄膜トラ
ンジスタ(以下TFT)、10はガラス基板である。対
向基板3に貼り付けた偏光フィルム1及び位相差フィル
ム2を通過して入射した光を、液晶層7で変調し、反射
電極面80で反射させ、再度偏光フィルム1及び位相差
フィルム2を通過させる。反射電極80に電圧を印加し
て液晶層7による変調状態を制御することにより画像表
示を行うことができる。
【0004】この反射型LCDは、反射率が高く電気抵
抗値の低いアルミニウム層を液晶セルの内部に形成し、
反射板の機能を兼ね備えた電極(反射電極)80とした
ものである。また、反射電極80の下地となる層間絶縁
膜180の表面に凹凸を形成することによって光散乱機
能を付与し、反射電極80の拡散反射率を高めている。
反射電極80は、層間絶縁膜180に設けられたコンタ
クトホール17を通してTFT15のドレイン電極14
と電気的に接続されている。TFT15から反射電極8
0に電圧が印加され、反射電極80は画素電極として液
晶7に電圧を印加する作用を行う。
【0005】感光性樹脂からなる層間絶縁膜180は、
一般に次の方法により形成される。まず、TFT素子1
5及び無機保護膜16を形成した基板10の上に、感光
性のアクリル系樹脂を数μmの膜厚で塗布する。次にプ
リベークを行い、塗布された樹脂膜180の溶媒を蒸発
させる。図9は、プリベークを行うプリベーク装置の一
例を示す概略図である。ホットプレート27の上に直接
基板10を設置し、ホットプレート27から加えた熱に
よって感光性樹脂膜180の溶媒を蒸発させる。加熱
は、90℃で2分間程度行われる。蒸発した溶媒は、ホ
ットプレート27の上方に設けた排気装置25から排気
される。また、TFT15の静電破壊を防止するため、
基板10の表面に向けてイオン風がイオンブロー26か
ら送出される。
【0006】プリベーク工程の後、感光性樹脂膜180
の露光・現像を行い、表面の凹凸やコンタクトホール1
7を形成する。その後、ポストベーク処理を行い、感光
性樹脂を架橋・硬化させて層間絶縁膜180を形成す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法によっては、プリベーク工程において感光性樹脂膜1
80に乾燥ムラが発生し易いという問題があった。乾燥
ムラとは、感光性樹脂膜180から溶媒を蒸発させた後
に観察されるうねり状又は波状のムラである。この乾燥
ムラは、樹脂膜180に生じた微妙な膜厚ムラであると
推定されるが、ポストベーク処理後も残存し、その上に
形成した反射電極80に反射率ムラを生じさせる。この
ため、乾燥ムラは、液晶表示素子の表示ムラの原因とな
り、液晶表示素子の画質を大幅に低下させる。
【0008】また、従来の方法においては、プリベーク
工程において基板10上に形成されたTFT15が静電
破壊を起こし易いという問題もあった。基板10の表面
には、静電気除去のためのイオン風がイオンブロー26
から吹きつけられているが、乾燥ムラの発生を抑制する
ためにはイオンブロー26の風量を小さくする必要があ
るため、TFTの静電破壊を十分に防止することができ
なかった。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、プリベーク工程における乾燥ムラを抑制する
ことができる樹脂膜の形成法を提供すること、及びプリ
ベーク工程において乾燥ムラを抑制しつつ半導体素子の
静電破壊を抑制可能な樹脂膜の形成法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の樹脂膜形成法は、基板に
所定の膜厚で樹脂溶液を塗布し、プリベーキングして溶
媒を蒸発させた後に、ポストベーキングして硬化する表
示素子用基板への樹脂膜形成法であって、上記プリベー
キングが、所定の加熱温度T1で行う第1のプリベーキ
ングと前記T1よりも高い加熱温度T2で行う第2のプリ
ベーキングから成ることを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載の樹脂膜形成法は、
上記第1のプリベーキング中の加熱温度T1の変動幅を
±1℃以内に制御することを特徴とする。
【0012】さらに、請求項3に記載の樹脂膜形成法
は、上記基板近傍から20hPa以下の排気圧で強制排
気することを特徴とする。
【0013】またさらに、請求項4に記載の樹脂膜形成
法は、上記第1のプリベーキング又は第2のプリベーキ
ングにおいて、上記基板の加熱を行う加熱装置と上記基
板の間に、所定高さの空隙を設け、該空隙にイオン風を
送出することを特徴とする。
【0014】加えて、請求項5に記載の樹脂膜形成法
は、上記空隙の高さを8mm以下とすることを特徴とす
る。
【0015】さらに、請求項6に記載の樹脂膜形成法
は、上記イオン風の風速が0.3m/sec以下であること
を特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項7に記載の樹脂膜形
成装置は、基板に所定の膜厚で塗布された樹脂溶液を、
該基板近傍から強制排気しつつ、加熱装置上でプリベー
キングして溶媒を蒸発させる表示素子用基板への樹脂膜
形成装置であって、(a)上記基板と上記加熱装置の間
に空隙を設けるための突起を表面に備えた加熱装置と、
(b)上記空隙にイオン風を送出するためのイオン風送
出装置を備えたことを特徴とする。
【0017】さらに、請求項8に記載の樹脂膜形成装置
は、上記突起の高さが8mm以下であることを特徴とす
る。
【0018】また、本発明の請求項9に記載の反射型液
晶表示素子の製造方法は、請求項1から6までのいずれ
か1項に記載の樹脂膜形成法を用いて、反射電極と半導
体素子の間にある層間絶縁膜を形成することを特徴とす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明に係る樹脂膜形成法を
示すフローチャートである。まず、TFTや電極等を形
成した表示素子用基板に、感光性樹脂等の樹脂を適当な
溶媒に溶かした樹脂溶液を塗布し、樹脂溶液膜を形成す
る。塗布には、スピンコート又はフレキソ印刷等の一般
的な塗布法を用いることができる。次に、加熱温度T1
℃に設定された第1のプリベーク装置により、基板を加
熱し、樹脂溶液膜中の溶媒を蒸発させる(第1のプリベ
ーク)。第1のプリベークによって樹脂溶液膜中の溶媒
の大半を蒸発させる。次に、T1よりも高い加熱温度T2
℃に設定された第2のプリベーク装置によって、さらに
高温で基板を加熱し、樹脂溶液膜中に残存した溶媒をさ
らに蒸発させて樹脂膜とする(第2のプリベーク)。
【0020】次に、必要に応じて凹凸や孔等の必要なパ
ターンを樹脂膜に形成する。感光性樹脂から成る樹脂膜
の場合には、一般的な露光・現像処理を行うことによ
り、パターン形成をすることができる。最後に、加熱温
度T3℃に設定されたベーキング装置によって基板を加
熱し、樹脂膜中に残存する揮発成分を脱離させると共
に、樹脂の架橋反応を進行させて樹脂膜を硬化させる
(ポストベーキング)。
【0021】第1のプリベーク装置及び第2のプリベー
ク装置は、ホットプレート等の基板に直接接触して加熱
する加熱装置を備えたものが好ましく、その場合には加
熱装置の基板接触部の温度を各々T1℃及びT2℃に制御
する。ここで、T1及びT2は、いずれも樹脂の熱分解が
急速に進行しない範囲で、溶媒の蒸発を促進可能な温度
とし、T2がT1よりも高温となるように設定する。例え
ば、T2を従来の感光性樹脂に一般的なプリベーキング
温度である80〜130℃程度に設定し、T1を40〜
65℃程度に設定することができる。一方、ポストベー
クの温度T3は、脱ガスと樹脂硬化反応が進行する温度
とし、例えば150〜220℃程度に設定することがで
きる。
【0022】第1のプリベークにおいては、蒸気圧の低
い低温で溶媒を徐々に蒸発させるため、樹脂溶液膜内の
温度ばらつきを抑制して、均一な状態で樹脂溶液膜を乾
燥させることができる。一方、蒸気圧の低い第1のプリ
ベークでは、樹脂溶液膜中の残存溶媒を十分に蒸発させ
ることは困難であるため、より高温で行う第2のプリベ
ークにおいて、露光・現像に十分なレベルまで残存溶媒
を蒸発させる。従って、このようなプリベーク処理を行
うことにより、溶媒を十分に蒸発させながら、樹脂膜の
乾燥ムラの発生を抑制することができる。
【0023】尚、樹脂膜の乾燥ムラを抑制するために
は、第1のプリベーク温度T1を安定に制御することが
重要である。好ましくは、プリベーク中の温度変動幅Δ
1を±1℃以内に制御する。ここで、ΔT1は、基板が
加熱装置と接触して同じ温度まで昇温した後の、加熱装
置の基板接触部における温度変動幅を指す。尚、これは
基板自身の温度変動幅とほぼ同一となる。第1のプリベ
ーク中は、溶媒の蒸発量が多いため溶媒の蒸発熱による
温度変動が起き易く、また、大量に蒸発する溶媒を排気
する際に発生する気流によっても温度が変動し易い。温
度変動幅ΔT1が大きくては基板面内に温度分布が生じ
易くなるため、樹脂膜の乾燥ムラが発生し易くなる。
【0024】また、同様の理由から、第1のプリベーク
又は第2のプリベークにおいて、蒸発した溶媒を排気す
る排気装置の排気圧を20hPa以下に設定することが
好ましい。特に、溶媒の大半が蒸発する第1のプリベー
クにおいて乾燥ムラが発生し易いので、第1のプリベー
クにおいて排気圧を20hPa以下とすることが重要で
ある。
【0025】尚、第1のプリベーク及び第2のプリベー
クは、別々の装置によって行った方が工程のリードタイ
ム短縮に有利であるが、同一の装置で温度T1からT2
の昇温を行っても良い。いずれの場合においても、第1
のプリベークと第2のプリベークの間で基板を一旦室温
付近まで冷却して良いし、冷却せずに温度T1からT2
直接昇温しても良い。
【0026】(実施の形態2)図2は、本発明に係るプ
リベーク装置の一例を示す概略図である。この装置は、
第1のプリベーク又は第2のプリベークのいずれにも用
いることができる。プリベーク装置23は、基板10を
直接加熱するためのホットプレート27と、基板10の
上の樹脂溶液膜18から蒸発した溶媒を強制的に排気す
るための排気装置25と、基板10にイオン風を送出す
るためのイオン風送出装置26を備える。尚、イオン風
とはイオン化した気体を含む気流のことを指し、イオン
風を吹きつけることによって蓄積した静電気の除電を行
うことができる。イオン風送出装置26には、例えばイ
オンブローやイオナイザを用いることができる。
【0027】ホットプレート27は、その表面に突起部
24を有し、突起部24によって基板10を支持する。
また、その突起部24は、絶縁性であればホットプレー
ト27と基板10の間の静電気を抑制できる。突起部2
4の面積及び本数等は、基板10を均一に加熱すること
ができるように設定する。突起部24によって基板10
とホットプレート27との間にできた空隙に、イオン風
送出装置26からイオン風が吹き込まれている。空隙の
高さhは、突起部24の高さと等しくなる。これによ
り、基板10の表面だけでなく裏面からもイオン風によ
る除電を行うことができる。また、ホットプレート27
と基板10との接触面積が減少するため、ホットプレー
ト27と基板10との間の静電気も抑制される。したが
って、小さなイオン風の風量によって、基板上に形成さ
れたTFT15の静電破壊を効果的に防止することがで
きる。また、イオン風の風量を抑制できるため、樹脂膜
18の乾燥ムラも発生しにくい。
【0028】尚、乾燥ムラを抑制する観点からは、イオ
ン風送出装置26の基板近傍の風速を0.3m/s以下
に設定することが好ましい。また、空隙28の高さhも
乾燥ムラの発生し易さに影響を与えるため、高さhが8
mm以下であることが好ましい。空隙28が広すぎて
は、基板10の裏面において、突起24が接触している
部分とそれ以外の部分との温度差が大きくなるからであ
る。
【0029】(実施の形態3)本発明に係る樹脂膜形成
法を用いた反射型LCDの製造方法の一例について説明
する。ここでは、図3に示す構造の反射型LCDを例に
説明する。尚、図3において、簡単のために一部ハッチ
ングを省略している。図3の反射型LCDは、図10に
示した反射型LCDと同様の構造を有するが、反射電極
8が滑らかな曲線から成る凹構造19を有する点が異な
る。凹構造19は滑らかであるため、鏡面性を有する平
坦な部分20を有する。これによって、反射電極8の反
射特性を改善することができる。反射電極8の凹構造1
9は、下地となる層間絶縁膜18の表面に滑らかな凹構
造を設けることにより形成することができる。本実施の
形態においては、この層間絶縁膜18を本発明に係る樹
脂膜形成法を用いて形成する。
【0030】以下、製造方法について説明する。まず、
無アルカリガラス等から成る反射基板10の上に、所定
の方法によりアルミニウムとタンタル等からなるゲート
電極11を形成し、窒化シリコンからなる層間膜12を
介してチタンとアルミニウムからなるソース電極13お
よびドレイン電極14をゲート電極11と直交して形成
する。さらにゲート電極11とソース電極13との各交
差部にアモルファスシリコンからなるTFT素子15を
形成する。
【0031】次に反射基板10上に無機保護膜16を形
成する。反射基板10上に窒化シリコンを堆積し、ドラ
イエッチングによってドレイン電極14上にコンタクト
ホール17形成して、無機保護膜16とする。無機保護
膜16は、TFT15と反射電極8の層間絶縁膜として
機能するとともに、ドライバー実装部分の電極保護膜と
して機能する。
【0032】次に、有機樹脂からなる層間絶縁膜18を
形成する。層間絶縁膜18は、反射基板10の表面を平
坦化した上で、反射電極8に反射特性を改善するための
凹構造を付与する役割を果たす。本実施の形態において
は、層間絶縁膜18を、感光性樹脂を2回に分けて塗布
・プリベークすることにより形成する。まず、反射基板
10の全面に感光性アクリル樹脂(例えば、PC33
5:JSR株式会社製)を膜厚約3μmで基板全面に塗
布し、図2に示したようなプリベーク装置を用いて、第
1及び第2のプリベーク処理を行う。例えば、第1のプ
リベークの加熱温度T1を40℃±1℃の温度範囲に設
定し、第2のプリベークの加熱温度T2を80℃±1℃
の温度範囲に設定し、ベーキング装置に設置されたホッ
トプレート27と基板10の間の空隙高さhが8mmに
なるように突起部24を設け、排気装置25の炉内排気
圧Wを20Pa、帯電防止用イオンブロー26の風速Vを
0.3m/secに設定する。
【0033】プリベーク後のアクリル樹脂に、図4に示
すような外接する円の直径がR3である正六角形孔をラ
ンダムに配置した凹構造形成用パターン(例えば、R3
が8μm、1画素あたりの凹構造群の面積比率が0.
4、凹構造の1画素あたりの個数Nが96個)を設けた
フォトマスクを用いて紫外線を80〜100mJ/cm2
程度照射する。次に有機アルカリ等を用いて一定時間現
像を行うことにより、アクリル樹脂に凹構造群を形成す
る。次に、孔を形成したアクリル樹脂の全面に、さらに
感光性アクリル樹脂(例えば、PC335:JSR株式
会社製)を膜厚約1μmで基板全面に塗布し、プリベー
ク処理を行う。このプリベーク処理も、前述のアクリル
樹脂と同様の条件で第1のプリベークと第2のプリベー
クに分けて行う。得られたアクリル樹脂膜を、コンタク
トホール17とドライバー実装部分を含む非画素部表示
領域とを開口したフォトマスクを用いて露光・現像し、
約200℃に設定したクリーンオーブン中でポストベー
キングを行い、層間絶縁膜18とする。上記条件で形成
された層間絶縁膜18は、平均深さが約0.6〜0.8
μm、外接円の直径R1が約10μmである滑らかな凹構
造群を有する。
【0034】このように、樹脂を成膜後に凹構造を形成
し、その上にさらに樹脂を成膜することにより、凹部側
面形状を曲面状にした均一な凹構造を形成することがで
きる。また、2回の樹脂膜形成のプリベーク工程をいず
れも第1のプリベークと第2のプリベークに分けて行
い、好ましいプリベーク条件に制御することによって2
層からなる樹脂膜の乾燥ムラを効果的に抑制することが
できる。
【0035】次に、層間絶縁膜18上にアルミニウム等
を成膜・パターニングして反射電極8を形成することに
より、反射基板10が完成する。
【0036】一方、対向基板3には無アルカリガラスを
用い、この対向基板3上に顔料分散レジストからなる
赤、緑、青のストライプ上のカラーフィルター4を形成
し、その上に酸化インジウム錫から成る透明電極5を形
成する。液晶7を挟んで反射基板10と対向基板3を貼
り合わせ、対向基板3裏面に位相差フィルム2及び偏光
フィルム1を貼り付けて反射型LCDが完成する。
【0037】こうして得られる反射型LCDは、反射電
極8の反射率ムラが抑制されているため、輝度が均一で
表示品位が高く、歩留まりが高い。
【0038】なお、本明細書においては、主に反射型L
CDの層間絶縁膜形成について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、あらゆる基板上に塗布さ
れた樹脂膜の形成方法として他の液晶表示素子や各種半
導体装置においても実施することができ、同様の効果を
得ることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)無アルカリガラス基板の全面に感光性アク
リル樹脂(PC335:JSR株式会社製)を膜厚約3
μmに塗布し、図2に示したプリベーク装置を用いて、
第1及び第2のプリベーク処理を行った。第1のプリベ
ークの加熱温度T1を40℃±1℃の温度範囲に制御
し、第2のプリベークの加熱温度T2を80℃±1℃の
温度範囲に制御した。プリベーク温度の制御は、プリベ
ーク装置内のホットプレート27に接続した温度調節器
により行った。ガラス基板は、プリベーク装置内のホッ
トプレート27上に空隙を設けないように(突起部24
の高さh=0mm)設置した。プリベーク装置内の排気
装置25の排気圧Wを0Paとし、イオンブロー26の
風速Vは0.1m/secとした。プリベーク終了後、
アクリル樹脂膜の表面に乾燥ムラは全く観察されなかっ
た。
【0040】(実施例2)ガラス基板とホットプレート
の間の空隙高さhを8mmとし、イオンブロー風速Vを
0.3m/sとし、排気圧Wを20Paとした他は、実
施例1と同様の条件でアクリル樹脂膜のプリベークを行
った。プリベーク終了後、アクリル樹脂の表面に乾燥ム
ラは全く観察されなかった。
【0041】(実施例3)第一のプリベーク及び第二の
プリベークともにホットプレート温度調節器の温度変動
許容幅を±2℃に設定した他は、実施例2と同様の条件
でアクリル樹脂膜のプリベークを行った。プリベーク終
了後、アクリル樹脂膜の表面に図5に示したような波状
のうすい乾燥ムラが観察された。
【0042】(実施例4)ガラス基板とホットプレート
表面の間の空隙高さhを9mmに設定した他は、実施例2
と同様の条件でアクリル樹脂膜のプリベークを行った。
プリベーク終了後、アクリル樹脂膜の表面に図6に示し
たような波状のうすい乾燥ムラが観察された。
【0043】(実施例5)排気装置の排気圧Wを25Pa
に設定した他は、実施例2と同様の条件でアクリル樹脂
膜のプリベークを行った。プリベーク終了後、アクリル
樹脂膜の表面に図7に示したような波状のうすい乾燥ム
ラが観察された。
【0044】(実施例6)イオンブローの風速Vを0.
4m/secに設定した他は、実施例2と同様の条件でアク
リル樹脂膜のプリベークを行った。プリベーク終了後、
アクリル樹脂膜の表面に図8に示したような波状のうす
い乾燥ムラが観察された。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるため下記の効果を奏する。本発明の樹脂膜形成法に
よれば、プリベーキングを、所定の加熱温度T1で行う
第1のプリベーキングと前記T1よりも高い加熱温度T2
で行う第2のプリベーキングに分けて行うため、樹脂膜
への乾燥ムラの発生を抑制することができる。
【0046】また、上記第1のプリベーキング中の加熱
温度T1の変動幅を±1℃以内に制御すること、及び上
記基板近傍からの強制排気の排気圧を20hPa以下に
することにより、乾燥ムラの発生をさらに効果的に抑制
することができる。
【0047】またさらに、上記第1のプリベーキング又
は第2のプリベーキングにおいて、上記基板の加熱を行
う加熱装置と上記基板の間に空隙を設け、該空隙にイオ
ン風を送出することにより、乾燥ムラの発生を抑制しな
がら、基板上に形成した半導体素子の静電破壊を防止す
ることができる。
【0048】加えて、上記空隙の高さを8mm以下とす
ること、及び上記イオン風の風速を0.3m/sec以下と
することにより、乾燥ムラ及び静電破壊をさらに効果的
に抑制することができる。
【0049】また、本発明の樹脂膜形成装置は、基板と
加熱装置の間に空隙を設けるための熱伝導性の突起を表
面に備えた加熱装置と、その空隙にイオン風を送出する
ためのイオン風送出装置を備えるため、簡易な構成によ
って基板上に形成した半導体素子の静電破壊を防止する
ことができる。
【0050】また、請求項1乃至6のいずれか1項に記
載の樹脂膜形成法を用いて反射型LCDの反射電極と半
導体素子の間にある層間絶縁膜を形成することにより、
表示ムラがなく高品質な反射型LCDを高い歩留まりで
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態1に係る樹脂膜
形成法を示すフローチャートである。
【図2】 図2は、本発明の実施の形態2に係る樹脂膜
プリベーク装置を示す概略図である。
【図3】 図3は、本発明の実施の形態3における反射
型LCDの構造を示す部分断面図である。
【図4】 図4は、本発明の実施の形態3において層間
絶縁膜への凹構造形成に用いるフォトマスクを示す平面
図である。
【図5】 図5は、実施例3におけるプリベークによる
乾燥ムラの形状を示す模式平面図である。
【図6】 図6は、実施例4におけるプリベークによる
乾燥ムラの形状を示す模式平面図である。
【図7】 図7は、実施例5におけるプリベークによる
乾燥ムラの形状を示す模式平面図である。
【図8】 図5は、実施例6におけるプリベークによる
乾燥ムラの形状を示す模式平面図である。
【図9】 図9は、従来の樹脂膜プリベーク装置を示す
概略図である。
【図10】 図10は、従来の反射型LCDの構造を示
す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・偏光フィルム 2 ・・・位相差フィルム 3 ・・・対向基板 4 ・・・カラーフィルタ 5 ・・・透明電極 7 ・・・液晶層 8 ・・・反射電極 10 ・・・反射基板 15 ・・・TFT素子 16 ・・・無機保護膜 17 ・・・コンタクトホール 18 ・・・層間絶縁膜 23 ・・・プリベーク装置 24 ・・・突起部 25 ・・・排気装置 26 ・・・イオンブロー 27 ・・・ホットプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 泰彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 廣瀬 貴司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 坊下 純二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA27 DA01 HA01 5F046 JA22 JA24 KA01 KA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に所定の膜厚で樹脂溶液を塗布し、
    プリベーキングして溶媒を蒸発させた後に、ポストベー
    キングして硬化する表示素子用基板への樹脂膜形成法で
    あって、 上記プリベーキングが、所定の加熱温度T1で行う第1
    のプリベーキングと、前記T1よりも高い加熱温度T2
    行う第2のプリベーキングとから成る表示素子用基板へ
    の樹脂膜形成法。
  2. 【請求項2】 上記第1のプリベーキング中の加熱温度
    1の変動幅を±1℃以内に制御することを特徴とする
    請求項1記載の樹脂膜形成法。
  3. 【請求項3】 上記基板近傍から20hPa以下の排気
    圧で強制排気する請求項1記載の樹脂膜形成法。
  4. 【請求項4】 上記第1のプリベーキング又は第2のプ
    リベーキングにおいて、上記基板の加熱を行う加熱装置
    と上記基板との間に、所定高さの空隙を設け、該空隙に
    イオン風を送出することを特徴とする請求項1記載の樹
    脂膜形成法。
  5. 【請求項5】 上記空隙の高さを8mm以下とする請求
    項4記載の樹脂膜形成法。
  6. 【請求項6】 上記イオン風の風速が0.3m/sec以下
    である請求項4記載の樹脂膜形成法。
  7. 【請求項7】 基板に所定の膜厚で塗布された樹脂溶液
    を、該基板近傍から強制排気しつつ、加熱装置上でプリ
    ベーキングして溶媒を蒸発させる表示素子用基板への樹
    脂膜形成装置であって、 (a)上記基板と上記加熱装置との間に空隙を設けるた
    めの突起を表面に備えた加熱装置と、(b)上記空隙に
    イオン風を送出するためのイオン風送出装置とを備えた
    ことを特徴とする表示素子基板への樹脂膜形成装置。
  8. 【請求項8】 上記突起の高さが8mm以下である請求
    項7記載の表示素子基板への樹脂膜形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から6までのいずれか1項に記
    載の樹脂膜形成法を用いて、反射電極と半導体素子との
    間にある層間絶縁膜を形成する反射型液晶表示素子の製
    造方法。
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