JP2001185812A - 半導体レーザおよびその製法 - Google Patents

半導体レーザおよびその製法

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JP2001185812A
JP2001185812A JP36408299A JP36408299A JP2001185812A JP 2001185812 A JP2001185812 A JP 2001185812A JP 36408299 A JP36408299 A JP 36408299A JP 36408299 A JP36408299 A JP 36408299A JP 2001185812 A JP2001185812 A JP 2001185812A
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stripe groove
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semiconductor
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JP36408299A
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Tetsuhiro Tanabe
哲弘 田辺
Hideaki Maruta
秀昭 丸田
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p形半導体基板が用いられ、電流ブロック層
が活性層の下側に設けられても、段差に伴う活性層への
影響を防止し、閾値の低下など電気的特性の優れた半導
体レーザおよびその製法を提供する。 【解決手段】 p形半導体基板1上にp形第1クラッド
層3a、電流ブロック層6順次が設けられている。電流
ブロック層6には、ストライプ溝6aが、その側壁が
(111)B面になるように形成されている。そのスト
ライプ溝6aにより露出するp形第1クラッド層3aお
よび電流ブロック層6の上にp形第2クラッド層3b、
活性層4およびn形クラッド層5がそれぞれ順次エピタ
キシャル成長されるが、活性層4とする半導体層は、ス
トライプ溝6aの側壁にも堆積され、その堆積厚さt
が、ストライプ溝6aによる露出面および電流ブロック
層6の平坦面上に堆積される部分の厚さhより小さくな
るように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパーソナルコンピュ
ータの外部読取装置(CDROMやDVDROM)、レ
ーザビームプリンタ(LBP)などに用いられる赤外か
ら可視光赤色の波長域で発振する半導体レーザおよびそ
の製法に関する。さらに詳しくは、たとえばp形基板を
用いてp形層内で電流ブロック層による電流狭窄を行う
ように、活性層より下面側に電流ブロック層を設けなが
ら、電流ブロック層の段差に伴うしきい電流値の増大や
信頼性の問題を改善し得る半導体レーザおよびその製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばレーザビームプリンタで用いら
れるツインビームの半導体レーザの場合、プリンタの設
計構造上、コモン電極となる基板がp形であることが好
ましいなど、用途に応じてp形基板を用いた半導体レー
ザが要求される。このようなp形基板を用いた半導体レ
ーザの構造としては、図3に示されるような構造が考え
られる。すなわち、図3において、p形化合物半導体基
板21上にp形クラッド層22、活性層23、n形第1
クラッド層24a、ストライプ溝25aが形成されたp
形電流ブロック層25、n形第2クラッド層24b、コ
ンタクト層26が順次積層されて、積層された半導体層
の表面および半導体基板21の裏面にそれぞれn側電極
27、p側電極28が設けられることにより、レーザチ
ップが形成されている。
【0003】この構造のように、n形層内に電流ブロッ
ク層25が設けられると、n形層はp形層よりキャリア
の拡散長が大きい、すなわち抵抗率が小さいため、電流
の広がりが大きく、図3に点線で定性的に示されるよう
に、電流注入領域が広がって、活性層の所望の範囲に電
流を注入させることができないという問題がある。
【0004】このような問題が生じないようにするた
め、p形層内に電流ブロック層を設ける構造にすると、
たとえば図4に示されるように、p形半導体基板21上
にp形第1クラッド層22aおよびストライプ溝25a
が形成されたn形電流ブロック層25が設けられ、さら
にp形第2クラッド層22b、活性層23、n形クラッ
ド層24、コンタクト層26が順次積層されて、その両
面に前述と同様に電極27、28が設けられる構造にな
る。このストライプ溝25aは、通常(100)面を主
面とするGaAs基板上に積層された半導体層の<01
1>方向と垂直方向に形成される。そのため、図4に示
されるように、電流ブロック層25のストライプ溝25
aの側壁にも平坦面とほぼ同じ厚さで成長する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、p形半
導体基板を用いた半導体レーザでは、活性層より下層に
電流狭窄をするブロック層を形成する必要があるが、活
性層より下層に電流ブロック層が形成されると、ストラ
イプ溝の側壁にも平坦面と同程度の厚さに成長し、活性
層に凹凸が形成される。そのため、その部分からも電流
が流れ、電流狭窄効果が低下し、しきい電流値が増大す
るという問題がある。
【0006】一方、たとえば特開平3−227087号
公報に、活性層のストライプ幅を常に一定にするため、
ストライプ溝25aを<011>方向に沿うように形成
し、その溝内の半導体基板上に側面が(111)B面の
ファセットになるメサストライプを成長する構造が示さ
れている。すなわち、図5に断面図が示されるように、
(100)基板21に成長した半導体層の<011>方
向に沿うように設けられたストライプ溝25aから露出
する半導体基板21上に、n形クラッド層24(24
a)、活性層23(23a)、およびp形クラッド層2
2(22c)がこの順で、その側面が(111)B面と
なるように断面形状が3角形のメサストライプ構造を形
成する構造が開示されている。
【0007】しかし、この構造では、その側面(11
1)Bに全然成長しないようにしているため、ストライ
プ構造部分と電流ブロック層上に堆積する半導体層とが
離れてしまい、同公報にも示されているように、メサス
トライプ構造を覆うように埋込層29が設けられてい
る。この埋込層29は、結晶性がよくないために、完全
な電流阻止の効果を得ることができなかったり、同公報
に他の例が示されているように半絶縁性材料で埋め込む
などの方法が必要になってくる。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、電流ブロック層が活性層の下側に設
けられても、段差に伴う活性層への影響を防止し、か
つ、他の工程を増やすことなしに、低いしきい電流値な
ど電気的特性の優れた半導体レーザおよびその製法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、活性層の
下側にストライプ溝が形成された電流ブロック層が設け
られる構造の半導体レーザにおいて、しきい電流値の増
大など電気的特性が低下しやすい原因を鋭意検討を重ね
て調べた結果、前述のように、ストライプ溝の側壁上に
も平坦面と同じ厚さで活性層とする半導体層が堆積さ
れ、それに伴う活性層の凹凸により電流狭窄が充分にな
されないことに原因があることを見出した。そして、ス
トライプ溝の側壁を(111)B面とし、半導体層の成
長条件を制御することにより、側壁上の堆積厚さを調整
することができ、その厚さを薄くすることにより、しき
い電流値を下げ得ることを見出した。しかし、側壁上の
成長を完全に阻止すると、前述の図5に示されるよう
に、ストライプ溝内の成長と電流ブロック層の平坦面上
の成長とが完全に分離してしまい好ましくない。
【0010】本発明による半導体レーザは、第1導電形
半導体基板と、該第1導電形半導体基板の上に設けられ
る第1導電形第1クラッド層と、該第1クラッド層上に
設けられ、ストライプ溝を有する電流ブロック層と、該
ストライプ溝により露出する前記第1クラッド層および
電流ブロック層の上にそれぞれ設けられる第1導電形第
2クラッド層、活性層および第2導電形クラッド層を構
成し得る半導体積層部とを有し、前記ストライプ溝の側
壁が(111)B面になるように形成されると共に、前
記活性層を構成する半導体層は、該ストライプ溝の側壁
上にも堆積されることにより、前記ストライプ溝による
露出面および前記電流ブロック層の平坦面上にそれぞれ
堆積される部分が連続して形成され、かつ、前記ストラ
イプ溝の側壁上に堆積される部分の厚さが、前記ストラ
イプ溝による露出面および前記電流ブロック層の平坦面
上に堆積される部分の厚さより薄くなるように形成され
ている。
【0011】この構造にすることにより、電流ブロック
層のストライプ溝による段差のため、活性層を形成する
半導体層が歪曲するが、平坦部に積層される半導体層の
厚さに対して、その途中のストライプ溝の側壁に成長す
る部分の厚さが、非常に薄いため、電流の漏れなどが殆
ど生じなくなる。一方、僅かではあるが、ストライプ溝
の側壁にも半導体層が成長する構造になっているため、
(111)B面に完全に半導体層が成長しない構造と異
なり、ストライプ溝内の半導体層と、電流ブロック層上
に堆積される半導体層とは連続して成長する。すなわ
ち、(111)B面に完全に成長させないと、電流ブロ
ック層上の半導体層もその(111)B面に成長しない
ため、図5に示されるようにストライプ構造の半導体層
と、電流ブロック層上に堆積する半導体層とが分離し、
その間に後から埋込層を設けなければならないが、本発
明によればその必要がなく、電流ブロック層により活性
層を完全に挟持することができる。その結果、段差部に
よる影響は殆どなくなり、優れた電気特性の半導体レー
ザが得られる。
【0012】前記ストライプ溝の側壁上に堆積される活
性層を構成する半導体層の厚さが、前記ストライプ溝に
よる露出面および前記電流ブロック層の平坦面上にそれ
ぞれ堆積される部分の厚さの1/2以下であればとくに
効果が大きい。
【0013】前記ストライプ溝の側壁が(111)B面
になるように形成するには、たとえば前記半導体基板が
(100)面を主表面とするGaAs基板であり、前記
ストライプ溝が<011>方向と平行な方向に形成され
ることにより得られる。
【0014】本発明による半導体レーザの製法は、第1
導電形半導体基板の上に第1導電形第1クラッド層と、
電流ブロック層とを積層し、該電流ブロック層をその側
壁に(111)B面が露出するようにストライプ状にエ
ッチングしてストライプ溝を形成し、該ストライプ溝に
より露出する前記第1クラッド層および電流ブロック層
上に第1導電形第2クラッド層および活性層を構成する
半導体層を、前記ストライプ溝の側壁部にも成長しなが
ら、かつ、該側壁部上の成長厚さを、該ストライプ溝に
よる露出面および前記電流ブロック層の平坦面上の成長
厚さより薄くなるように成長条件を調節して順次成長
し、ついで第2導電形クラッド層を成長することを特徴
とする。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明の半導体レーザおよびその製法について説明をする。
【0016】本発明による半導体レーザは、その一実施
形態であるLDチップの断面構造が図1に示されるよう
に、p形(第1導電形)半導体基板1の上にp形第1ク
ラッド層3aが設けられ、そのp型第1クラッド層3a
上に、電流ブロック層6が設けられている。この電流ブ
ロック層6には、ストライプ溝6aが、その側壁が(1
11)B面になるように形成されている。そして、その
ストライプ溝6aにより露出するp形第1クラッド層3
aおよび電流ブロック層6の上にp形第2クラッド層3
b、活性層4およびn形(第2導電形)クラッド層5が
それぞれ順次エピタキシャル成長されている。この際、
活性層4とする半導体層は、ストライプ溝6aの側壁上
に堆積されることにより、ストライプ溝6aによる露出
面と電流ブロック層6の平坦面上に堆積される部分とが
連続して形成されると共に、側壁上に堆積される部分の
厚さtが、ストライプ溝6aによる露出面および電流ブ
ロック層6の平坦面上に堆積される部分の厚さhより薄
く形成されている。
【0017】すなわち、前述のように、本発明者らは、
この構造の半導体レーザでの特性を改善するため鋭意検
討を重ねた結果、ストライプ溝6aが(111)B面に
なるように、たとえば主表面が(100)面の基板上に
積層される半導体層の<011>方向と平行になるよう
に形成し、成長の際に成長温度や、成長圧力を変えるこ
とにより、マイグレーションの起こりやすさを変えてや
ると、(111)B面に成長させる半導体層の厚さを制
御することができることを見出した。この性質を利用し
て、(111)B面に半導体層を成長させることによ
り、電流ブロック層により狭窄されるストライプ構造の
部分とそれ以外の部分とを分離させないで、かつ、段差
部分の側壁上に堆積する部分を薄くして、その側壁上の
厚さtによる、しきい電流値Ithへの影響を調べた。
【0018】後で具体的に説明する図1に示される構造
で、さらにストライプ溝の幅を3μm、共振器の長さを
200μmの一定として、側壁上の厚さtを変化させた
ものを製造し、ストライプ溝の側壁上の厚さtと、スト
ライプ溝露出面(電流ブロック層の平坦面上)の厚さh
との比t/h=kに対するしきい電流値Ithの関係を調
べた結果、図2に示される結果が得られた。
【0019】すなわち、k=1のとき、しきい電流値I
th(mA)が17.5〜19であったものが、k=0.5
にすると、しきい電流値Ith(mA)が12〜13とな
り、大きく改善される。さらに、k=0.4にすると、
しきい電流値Ith(mA)が11.5〜12.5となり、
改善割合は低下するが、0.5の場合よりも改善され
た。この結果からも、ストライプ溝の側壁上への堆積厚
さを小さくするほど、好ましくは0.5以下にすること
により、しきい電流値をより小さくすることができ、特
性を改善することができる。しかし、側壁上の成長をな
くすると前述のように、ストライプ溝内での成長が3角
形断面の形状で成長するため、ストライプ溝による露出
面に堆積される半導体層と電流狭窄層の平坦面上に堆積
される半導体層とが側壁面上の堆積層により繋がるよう
に形成される必要がある。
【0020】つぎに、具体例によりこの半導体レーザに
ついて詳細に説明をする。半導体基板1は、たとえば主
表面が(100)面のp形GaAs基板が用いられる。
図1に示される例では、基板1上に、Beが2×1018
cm-3程度の不純物濃度にドープされたGaAsによる
緩衝層2が設けられている。この緩衝層2は、p形半導
体基板1のZn不純物の拡散長が大きく、AlGaAs
系化合物半導体層に達すると、一層拡散しやすくなって
活性層4まで達しやすいので、それを防止するためであ
る。活性層4に不純物が拡散すると、非発光再結合中心
が形成され、発光効率が低下するためである。なお、B
eは拡散長が短いためその拡散を防止しやすい。しか
し、この緩衝層2は、必須のものではない。
【0021】緩衝層2上に活性層4が、活性層よりバン
ドギャップの大きい材料からなるp形第1および第2ク
ラッド層3a、3bとn形クラッド層5とによりサンド
イッチされるダブルヘテロ構造からなる発光層形成部
(半導体積層部)11が形成されている。このダブルヘ
テロ接合構造のストライプ状部分に電流を狭窄して強い
発光をさせるため、p形クラッド層3a、3b内にスト
ライプ溝6aが形成されたn形電流ブロック層6が、た
とえばSiドープによる3×1017cm-3程度の不純物
濃度でn形AlzGa1-zAs(0≦z≦0.8、たとえ
ばz=0.65)により、0.5μm程度の厚さに形成さ
れている。
【0022】この電流ブロック層6は、p形第1クラッ
ド層3a上に全面に成長した後、<011>方向に沿っ
て2〜3μm程度の幅にホトレジスト膜でマスクをし
て、硫酸系エッチャントによりエッチングすることによ
り、その側面が(111)B面となるストライプ溝6a
が形成される。この側面を(111)B面にするのは、
この側面(斜面)上に半導体層を成長しにくくするため
である。尤も、前述のように側面上に完全に成長させな
いのではなく、成長条件を制御することにより、微小厚
さだけ成長させるが、この(111)B面にすることに
より、その側面上での成長厚さを非常に薄く制御するこ
とができる。なお、ストライプ溝6aの側壁を(11
1)B面にするには、主表面が(100)面の基板に<
011>方向に平行にする以外にも、たとえば主表面が
(010)面の基板で、<101>方向に平行にストラ
イプ溝を形成してもよい。
【0023】発光層形成部11を構成するp形第1クラ
ッド層3aおよびp形第2クラッド層3bは、たとえば
Beが5×1017cm-3程度の不純物濃度にドープされ
たp形AlxGa1-xAs(0.4≦x≦0.7、たとえば
x=0.6)層が、それぞれ1.5μm程度と0.2μm
程度の厚さに設けられ、n形クラッド層5は、たとえば
Siが4×1017cm-3程度の不純物濃度にドープされ
たn形AlxGa1-xAs(0.4≦x≦0.7、たとえば
x=0.6)層が1.5μm程度の厚さに設けられてい
る。また、活性層4は、図示されていないが、たとえば
6nmのAl0.1Ga0.9Asウェル層と、5nm程度の
Al0.3Ga0.7Asバリア層が交互に、それぞれノンド
ープでウェル層が3層形成され、その両端にそれぞれが
接するクラッド層の導電形と一致した導電形のAl0.3
Ga0.7Asガイド層が25nm程度の厚さに設けられ
る多重量子井戸構造(MQW)に形成されている。その
結果、波長が780nm程度の赤色レーザとなる。前述
の活性層4とする半導体層の厚さは、MQW構造とする
場合はこの全体の厚さを意味する。
【0024】本発明では、前述のように、この活性層4
およびp形第2クラッド層3bが、電流ブロック層6の
側壁(斜面)上には僅かの量(厚さt)成長するように
その成長条件が調整されており、ストライプ溝6aによ
り露出するp形第1クラッド層や電流ブロック層6の平
坦部上に成長する厚さhより薄く設けられていることに
特徴がある。この側壁の厚さは、後述するように、成長
条件を制御することによりある程度コントロールするこ
とができる。
【0025】この電流ブロック層6のストライプ溝6a
側壁での成長は、成長条件によっては(111)B面に
なっているため成長させなくすることができるが、成長
温度や、成長圧力を変化させることにより成長する厚さ
を制御することができる。たとえば他の層を成長すると
きは基板温度を650℃程度で行い、このp形第2クラ
ッド層3bおよび活性層4を成長するときは、700℃
程度で成長することにより、側壁にも薄く成長し、スト
ライプ構造部と電流ブロック層6上の成長部とが分離さ
れないで成長することができる。
【0026】n形クラッド層5上には、Siがドーピン
グされ、不純物濃度が2×1018cm-3程度のGaAs
からなるコンタクト層8が1μm程度の厚さに形成され
ている。そして、その表面にAu-Ge/Niからなる
n側電極8が、70μm程度に研削されたp形半導体基
板1の裏面にTi-Auからなるp側電極9がそれぞれ
設けられている。そして、共振器長が250μm程度に
なるように劈開されることにより、図1に示されるよう
なLDチップが得られる。
【0027】この半導体レーザを製造するには、たとえ
ばZnがドープされた主表面が(100)面のp形Ga
As基板1上に、基板温度を650℃程度にして、MO
CVD法により、Beドープのp形GaAsからなる緩
衝層2を1μm程度成長し、さらにBeドープのp形A
0.6Ga0.4Asからなるp形第1クラッド層3aを
1.5μm程度、Siドープによるn形Al0.65Ga
0.35Asからなる電流ブロック層6を0.5μm程度そ
れぞれ順次成長する。その後、MOCVD装置から半導
体ウェハを取り出して、ホトレジスト膜を全面に設け、
ホトリソグラフィ工程により<011>方向と平行にな
るように2〜3μm程度の幅となるストライプ状の窓を
あける。そして、そのパターンが形成されたホトレジス
ト膜をマスクとして、硫酸系エッチャントにより電流ブ
ロック層6にストライプ溝6aを形成する。
【0028】その後、レジスト膜を除去し、再度MOC
VD装置などの結晶成長装置に入れ、Beドープのp形
Al0.6Ga0.4Asからなるp形第2クラッド層3bを
0.2μm程度、BeドープのAl0.3 Ga0.7 Asか
らなるp形光ガイド層を25nm程度、ノンドープで6
nm程度のAl0.1 Ga0.9 Asウエル層と5nm程度
のAl0.3 Ga0.7 Asバリア層とをそれぞれ交互に積
層し、さらにSiドープのAl0.3 Ga0.7 Asからな
るn形光ガイド層よりなる多重量子井戸構造(MQW)
の活性層4を、基板温度を700℃にしてストライプ溝
6aの側壁にも成長するようにしながら成長する。そし
て、基板温度を650℃に戻して、Siドープのn形ク
ラッド層5を1.5μm程度、SiドープのGaAsか
らなるn形コンタクト層9を1μm程度、それぞれ順次
エピタキシャル成長する。
【0029】なお、成長に使用するガスとしては、たと
えばGaとして、トリエチルガリウム(TEG)、As
としてアルシン(AsH3)、Inとしてトリメチルイ
ンジウム(TMIn)、Alとしてトリメチルアルミニ
ウム(TMA)、Beとしてビスメチルシクロジエニル
ベリリウム((MeCp)2Be)、SiとしてSiH4
などを使用することができ、成長する組成に応じてこれ
らのガスを導入すればよい。成長温度をより高くしたい
ときは、TEGに代えてトリメチルガリウム(TMG)
を用いることが有効である。そして、GaAs基板1の
裏面を研削およびポリッシュして70μm程度の厚さに
し、積層した半導体層の表面側にAu-Ge/Niを真
空蒸着により成膜し、300〜400℃程度でシンター
した後、Ti/Auの積層膜を設けてn側電極8を、さ
らにGaAs基板1の裏面にTi/Auの積層膜からな
るp側電極9をそれぞれ形成し、たとえば共振器長が2
00〜250μm程度になるように劈開によりチップ化
することにより図1に示される構造のLDチップが得ら
れる。
【0030】前述の例では、p形半導体基板上にp形
層、活性層、n形層を積層する構造のp形層内に電流ブ
ロック層を構成する例であったが、p形層は拡散長が小
さく、p形層内に電流ブロック層を設けることが好まし
いため、とくにp形基板である場合に前述の構造になり
やすい。しかし、n形層内に電流ブロック層を設ける構
造でも、同様にストライプ溝の側壁上の半導体層を薄く
することにより、しきい電流値を小さくすることができ
る。
【0031】本発明によれば、p形半導体基板を用いる
場合にp形層内で電流ブロック層により電流狭窄を行っ
ても、電流ブロック層の側壁(斜面)への活性層の堆積
を平坦面に堆積される厚さより薄く形成されているた
め、漏れ電流を殆ど防止することができ、その段差によ
る影響が生じない。しかも、その側壁を(111)B面
にしてはいるが、完全に半導体層を成長させなくしてい
るのではなく、側壁にも成長させるようにしているた
め、ストライプ構造部と電流ブロック層上の平坦面に成
長する部分とが分離することなく、連続して成長する。
その結果、ストライプ構造の周囲に後から埋込層を設け
る必要もなく、より一層しきい電流値の低下をもたらす
ことができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、たとえばp形半導体基
板を用いなければならない半導体レーザなどのように、
活性層の下側に電流ブロック層を設ける構造でも、その
段差に基づく、しきい電流値の増大などの影響を防止
し、非常に電気的特性の優れた半導体レーザが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの一実施形態であるLD
チップの断面説明図である。
【図2】ストライプ溝側壁上の半導体層の厚さtと、平
坦面上の半導体層の厚さhとの比kに対するしきい電流
値の変化を示す図である。
【図3】従来のp形半導体基板を用いたLDチップの構
造例の説明図である。
【図4】従来のp形半導体基板を用いたLDチップの他
の構造例である。
【図5】従来のストライプ構造の側面を(111)面と
したLDチップの一例の説明図である。
【符号の説明】
1 p形半導体基板 3a p形第1クラッド層 3b p形第2クラッド層 4 活性層 5 n形クラッド層 6 電流ブロック層 6a ストライプ溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電形半導体基板と、該第1導電形
    半導体基板の上に設けられる第1導電形第1クラッド層
    と、該第1クラッド層上に設けられ、ストライプ溝を有
    する電流ブロック層と、該ストライプ溝により露出する
    前記第1クラッド層および電流ブロック層の上にそれぞ
    れ設けられる第1導電形第2クラッド層、活性層および
    第2導電形クラッド層を構成し得る半導体積層部とを有
    し、前記ストライプ溝の側壁が(111)B面になるよ
    うに形成されると共に、前記活性層を構成する半導体層
    は、該ストライプ溝の側壁上にも堆積されることによ
    り、前記ストライプ溝による露出面および前記電流ブロ
    ック層の平坦面上にそれぞれ堆積される部分が連続して
    形成され、かつ、前記ストライプ溝の側壁上に堆積され
    る部分の厚さが、前記ストライプ溝による露出面および
    前記電流ブロック層の平坦面上に堆積される部分の厚さ
    より薄くなるように形成されてなる半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記ストライプ溝の側壁上に堆積される
    活性層を構成する半導体層の厚さが、前記ストライプ溝
    による露出面および前記電流ブロック層の平坦面上にそ
    れぞれ堆積される部分の厚さの1/2以下である請求項
    1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板が(100)面を主表面
    とするGaAs基板であり、前記ストライプ溝が<01
    1>方向と平行な方向に形成されてなる請求項1または
    2記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 第1導電形半導体基板の上に第1導電形
    第1クラッド層と、電流ブロック層とを積層し、該電流
    ブロック層をその側壁に(111)B面が露出するよう
    にストライプ状にエッチングしてストライプ溝を形成
    し、該ストライプ溝により露出する前記第1クラッド層
    および電流ブロック層上に第1導電形第2クラッド層お
    よび活性層を構成する半導体層を、前記ストライプ溝の
    側壁部にも成長しながら、かつ、該側壁部上の成長厚さ
    を、該ストライプ溝による露出面および前記電流ブロッ
    ク層の平坦面上の成長厚さより薄くなるように成長条件
    を調節して順次成長し、ついで第2導電形クラッド層を
    成長することを特徴とする半導体レーザの製法。
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