JP2001185419A - 薄膜コイル素子及びその製造方法 - Google Patents

薄膜コイル素子及びその製造方法

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JP2001185419A
JP2001185419A JP36461599A JP36461599A JP2001185419A JP 2001185419 A JP2001185419 A JP 2001185419A JP 36461599 A JP36461599 A JP 36461599A JP 36461599 A JP36461599 A JP 36461599A JP 2001185419 A JP2001185419 A JP 2001185419A
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thin
film coil
coil
film
insulating layer
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JP36461599A
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English (en)
Inventor
Toshio Tanuma
俊雄 田沼
Hideki Yoshikawa
秀樹 吉川
Koichi Yoshioka
功一 吉岡
Kozo Ishihara
宏三 石原
Shigehiro Horimoto
重浩 堀元
Masaki Hongo
政紀 本郷
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electronic Components Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル抵抗の低減を図ることができる新規な
薄膜コイル構造を有する薄膜コイル素子を提供する。 【解決手段】 面内にスパイラル状に形成された第1の
薄膜コイル1と、第1の薄膜コイル1と同一面内におい
て第1の薄膜コイル1に沿い隣接してスパイラル状に形
成される第2の薄膜コイル2と、第1の薄膜コイル1と
第2の薄膜コイル2の間に設けられた絶縁層3とを備え
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気デバイス及び
インダクタなどに用いることができる薄膜コイル素子及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コイル電流により誘導される磁界発生を
目的とする磁気デバイスやインダクタなどに用いられる
コイルとしては、表面に絶縁被覆が施された銅線を同心
円状に巻き付けた構造の巻線コイルが一般的に知られて
いる。このような巻線コイルでは、小型化を図るため微
細化するのに限界があった。微細化するのに適したコイ
ルとしては、基板上にスパイラル状の薄膜を形成した薄
膜コイルが従来から知られている。薄膜コイルは、巻線
コイルと比較して、体積が小さく、かつ高い精度でコイ
ルを形成できるという特徴を有している。
【0003】薄膜コイルは、一般に、フォトリソプロセ
スを用いてレジスト感光材を所定のパターン形状に露光
してレジストフレームを形成し、このフレームの中に銅
などの良導体をめっきによりスパイラル状に形成するこ
とにより製造されている。レジストフレームを除去した
後、コイル間の絶縁性と強度を確保するため、コイル間
に有機材料などから構成される絶縁層が埋め込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして形成
される薄膜コイルは、巻線コイルと比べて、コイルの断
面積を大きくすることが容易でないため、コイルの断面
積を大きくしてコイル抵抗を低減させることが困難であ
るという問題があった。特に、ターン数を増加させる
と、抵抗が著しく増大するため、ターン数を増やしかつ
抵抗を低減させたコイルにすることができないという問
題があった。
【0005】本発明の目的は、このような従来の問題を
解消し得る新規な薄膜コイル構造を有する薄膜コイル素
子及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜コイル素子
は、面内にスパイラル状に形成された第1の薄膜コイル
と、該第1の薄膜コイルと同一面内において該第1の薄
膜コイルに沿い隣接してスパイラル状に形成された第2
の薄膜コイルと、第1の薄膜コイルと第2の薄膜コイル
の間に設けられた絶縁層とを備えることを特徴としてい
る。
【0007】本発明によれば、従来絶縁材料により埋め
込まれていた部分に、絶縁層を介して第2の薄膜コイル
が設けられる。従って、第1の薄膜コイル、第2の薄膜
コイル、及び絶縁層から形成される2重スパイラルコイ
ルの構造となる。
【0008】本発明に従う限定的な局面においては、第
1の薄膜コイルと第2の薄膜コイルとが電気的に並列に
接続される。第1の薄膜コイルと第2の薄膜コイルとを
電気的に並列に接続することにより、第1の薄膜コイル
のみの場合に比べ、単位平面面積内に占めるコイル導体
の断面積を増加させることができるので、大幅な低抵抗
化を達成することができ、コイルの消費電力を抑制する
とともに、コイルへの印加電流量を増加させることがで
きる。特に、高周波磁界を誘導して発生させる場合、コ
イル全体の抵抗を低減することにより、コイル導体内部
における渦電流の発生を抑制することができ、効率良く
高周波磁界を発生させることができる。
【0009】このような電気的接続は、例えば、コイル
の両端の電極部への接合部において行うことができる。
また、本発明に従う薄膜コイル素子においては、第1の
薄膜コイル、第2の薄膜コイル、及び絶縁層から形成さ
れる2重スパイラルコイルの表面をほぼ平坦に形成する
ことができる。
【0010】本発明に従うさらに限定された他の局面に
おいては、第1の薄膜コイル、第2の薄膜コイル、及び
絶縁層から形成される2重スパイラルコイルを、中間絶
縁層を介して、膜厚方向に積層させることができる。
【0011】上記のようにして積層された2重スパイラ
ルコイルは、互いに電気的に並列に接続させることがで
きる。電気的に並列に接続させた場合、さらに全体とし
てのコイル断面積を増加させることができ、コイルの低
抵抗化をさらに図ることができる。
【0012】また、上記の積層された2重スパイラルコ
イルは、互いに電気的に直列に接続させてもよい。電気
的に直列に接続させることにより、コイルのターン数を
増加させることができる。
【0013】2重スパイラルコイルを膜厚方向に積層さ
せる際、下層に位置する2重スパイラルコイルの表面を
ほぼ平坦に形成することにより、その上に形成するレジ
スト膜の厚みを均一にすることができ、フォトリソグラ
フィーにおける精度を高めることができる。
【0014】本発明の製造方法は、上記本発明の薄膜コ
イルを製造することができる方法であり、外側導体路部
分と内側導体路部分との間が所定の間隔に保たれている
ように基板上に第1の導体路をスパイラル状に形成して
第1の薄膜コイルを作製する工程と、第1の薄膜コイル
の第1の導体路の少なくとも側壁部分上に絶縁層を形成
する工程と、第1の薄膜コイルの第1の導体路の外側導
体路部分と内側導体路部分の間に上記絶縁層を介して第
2の導体路を形成することにより、第1の薄膜コイルに
沿うスパイラル状の第2の薄膜コイルを作製する工程と
を備えることを特徴としている。
【0015】本発明の製造方法における限定された局面
においては、さらに、第1の薄膜コイルと第2の薄膜コ
イルを電気的に並列に接続する工程をさらに備えてい
る。本発明の製造方法に従うさらに限定された他の局面
においては、上記第2の薄膜コイルの作製工程が、外側
導体路部分と内側導体路部分の間に導電性シード層を形
成する工程と、導電性シード層を電極として第2の導体
路をめっきにより形成する工程とを備えている。
【0016】なお、上記本発明の薄膜コイルは、上記本
発明の製造方法により製造されるものに限定されるもの
ではない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に従う一
実施例の薄膜コイル素子を示す断面図及び平面図であ
る。基板4の上には、めっきのための導電性シード層5
が設けられている。導電性シード層5の上には、スパイ
ラル状に形成された第1の薄膜コイル1が設けられてい
る。
【0018】図1及び図2に示すように、第1の薄膜コ
イル1と同一面内に、第1の薄膜コイル1に沿い隣接し
てスパイラル状に形成された第2の薄膜コイル2が設け
られている。第1の薄膜コイル1と第2の薄膜コイル2
の間には、これらのコイル間を電気的に絶縁するための
絶縁層3が設けられている。
【0019】図2に示すように、第1の薄膜コイル1と
第2の薄膜コイル2は、それらの外側端部における接合
部8並びにそれらの内側端部における接合部10におい
て、電気的に並列に接続されている。接合部8の周辺領
域は電極部7として用いられ、接合部10の周辺領域は
電極部9として用いられる。
【0020】第1の薄膜コイル1及び第2の薄膜コイル
2は、上述のように、それらの両端において電気的に並
列に接続されているので、第1の薄膜コイル1のみが設
けられている従来の薄膜コイル構造と比較して、単位面
積内に占める導体部分の断面積を増加させることができ
る。このため、薄膜コイル全体の低抵抗化を図ることが
できる。従って、コイルの消費電力を抑制することがで
きるとともに、コイルへの印加電流量を増加させること
ができる。特に、磁界変調方式の光磁気記録用薄膜磁気
ヘッドのコイルなどのように、高周波磁界を発生させる
ための薄膜コイルとして用いると、薄膜コイルを低抵抗
化することができるので、コイル導体内部における渦電
流の発生を抑制して渦電流損失を低減することができ、
効率良く高周波磁界を発生することができる。
【0021】図3〜図5は、図1及び図2に示す実施例
の薄膜コイルを製造するための工程の一例を示す断面図
である。図3(a)に示すように、基板4の上に、めっ
き用の導電性シード層5を形成する。基板4としては、
非導電性基板が好ましく用いられ、例えば、チタン酸カ
ルシウム、アルミナ、シリコンなどの基板を用いること
ができる。導電性シード層5としては、銅、金などの金
属層または合金層を形成することが好ましく、例えば、
スパッタリング法により形成することができる。
【0022】導電性シード層5の上に、レジスト層11
を形成する。次に、スパイラル状(コイル形状)に加工
した露光マスク12をレジスト層11の上に配置し、露
光する。
【0023】図3(b)に示すように、露光後現像処理
を行い、レジストフレーム11を形成する。レジストフ
レーム11はスパイラル状(コイル形状)に形成されて
おり、図3(b)に示すように、本実施例ではその断面
が逆台形状に形成されている。
【0024】図3(c)に示すように、次に、電気めっ
き法により、レジストフレーム11の間の導電性シード
層5が露出している部分の上に、銅などからなる導体層
1を形成する。この導体層1が、第1の薄膜コイル1と
なる。次にレジストフレーム11を除去し、図3(d)
に示すように、導電性シード層5の上に第1の薄膜コイ
ル1のみが残された状態にする。
【0025】図4(e)に示すように、次に、第1の薄
膜コイル1の外側端部1aの上にレジスト層13aを形
成し、内側端部1bの上にレジスト層13bを形成す
る。これらのレジスト層13a及び13bは、第1の薄
膜コイル1の表面部分を露出させて電極部を形成するた
めに設ける。
【0026】図4(f)に示すように、次に、第1の薄
膜コイル1及び露出している導電性シード層5並びにレ
ジスト層13a及び13bの上に、絶縁層3を形成す
る。絶縁層3は、例えば、アルミナまたはSiO2 など
から形成することができる。その厚みは、例えば500
nmとすることができる。絶縁層3は、例えばスパッタ
リング法により形成することができる。この場合、第1
の薄膜コイル1の側壁部の上にも均一に形成されるよう
に、スパッタリング装置内で基板を自転させながら公転
させることが好ましい。
【0027】次に、レジスト層13a及び13bを除去
し、コイルの両端部1a及び1bにおいて、第1の薄膜
コイル1の表面を露出させ、それぞれ電極部7及び電極
部9を形成する。
【0028】図4(h)に示すように、次に、第1の薄
膜コイル1の間の底部及び第1の薄膜コイル1の上方面
の上の絶縁層3の上に、めっきのための導電性シード層
6を形成する。導電性シード層6は、例えば銅、金など
の金属層または合金層などから形成することができる。
【0029】図5(i)に示すように、次に、斜め入射
角を有するイオンビームを照射することにより、第1の
薄膜コイル1の上方の導電性シード層6のみを除去す
る。イオンビームの入射角としては、例えば80度とす
ることができる。
【0030】図5(j)に示すように、次に、第1の薄
膜コイル1の間の導電性シード層6を電極として、電気
めっき法により、銅などからなる第2の薄膜コイル2を
形成する。図5(j)示すように、第2の薄膜コイル2
は、第1の薄膜コイルの外側導体路部分1aと、内側導
体路部分1bの間に、絶縁層3を介して形成される。な
お、本願明細書において、外側導体路部分とは、スパイ
ラル状の導体路の近接する一対の導体路部分において相
対的に外側に位置する導体路部分を意味し、内側導体路
部分とは相対的に内側に位置する導体路部分を意味す
る。従って、図5(j)において、導体路部分1a及び
1bの間の関係では、導体路部分1aが外側導体路部分
であり、導体路部分1bが内側導体路部分である。ま
た、導体路部分1b及び1cにおいては、導体路部分1
bが外側導体路部分であり、導体路部分1cが内側導体
路部分となる。
【0031】なお、第1の薄膜コイル1と第2の薄膜コ
イル2は、図2に示すように、その両端の接合部8及び
10において電気的に接続されている。従って、第1の
薄膜コイル1と第2の薄膜コイル2は電気的に並列に接
続されている。このような電気的な接続は、接合部8及
び接合部10において、絶縁層3を形成しないことによ
り行うことができる。具体的には、例えば、図4(e)
及び(f)に示すレジスト層13a及び13bを、この
ような接合部8及び10の側壁部分を覆うように形成し
ておき、絶縁層3を形成した後、レジスト層13a及び
13bを除去することにより、接合部8及び10におい
て絶縁層3を形成しないようにすることができる。
【0032】次に、電極7及び9に、それぞれアルミ配
線または銅配線などからなる電流リードを接続し、さら
に第1の薄膜コイル1及び第2の薄膜コイル2の上をコ
イルの保護及び絶縁のため絶縁層で被覆し、薄膜コイル
素子とすることができる。
【0033】図6及び図7は、本発明に従う他の実施例
の薄膜コイル素子を示す平面図及び模式的断面図であ
る。本実施例の薄膜コイル素子は、磁界変調方式の光磁
気記録用薄膜磁気ヘッドの薄膜コイル素子である。
【0034】図6及び図7を参照して、チタン酸カルシ
ウムからなる基板4の上には、NiFeからなる下部磁
性膜23(厚さ3μm)が形成されている。下部磁性膜
23は、1.5mm×1.3mmの矩形状となるように
形成されている。下部磁性膜23の上には、絶縁層19
が形成されている。絶縁層19は、レジスト材料(商品
名「THB−542P」、日本合成ゴム社製)をアニー
ル処理することにより形成されている。
【0035】絶縁層19の上には、第1薄膜コイル1、
第2薄膜コイル2、及び絶縁層3からなる2重スパイラ
ルコイル20が形成されている。なお、第1の薄膜コイ
ル1、第2の薄膜コイル2、及び絶縁層3は、図3〜図
5に示す製造工程と同様の方法により形成することがで
きる。銅からなる第1の薄膜コイル1及び第2の薄膜コ
イル2の膜厚はそれぞれ20μm及び19.5μmと
し、コイルの線幅(厚み方向における中央部の幅)はそ
れぞれ20μmとした。アルミナからなる絶縁層3の膜
厚は500nmとした。また、第1薄膜コイル1及び第
2薄膜コイル2のターン数は、それぞれ12ターンであ
る。なお、図7においては、第1の薄膜コイル1をめっ
きにより形成するための導電性シード層、及び第2の薄
膜コイル2をめっきにより形成するための導電性シード
層を図示省略している。第1の薄膜コイル1を形成する
ための銅からなる導電性シード層(厚さ200nm)
は、絶縁層19の上に形成される。また、第2の薄膜コ
イル2を形成するための銅からなる導電性シード層(厚
さ200nm)は、第1の薄膜コイル1の間の底部の絶
縁層3の上に形成される。
【0036】2重スパイラルコイル20の上には、コイ
ルを保護し絶縁するための絶縁層18が設けられてい
る。絶縁層18は、絶縁層19と同様にレジスト材料を
アニール処理することにより形成されている。
【0037】図6及び図7に示すように、2重スパイラ
ルコイル20の中心部には、主磁極14が設けられてい
る。また、2重スパイラルコイル20の周囲には、図6
に示すように四方に補助磁極15a〜15dが設けられ
ている。これらの磁極は、いずれも2重スパイラルコイ
ル20と電気的に絶縁されて設けられている。図7に示
すように、主磁極14の内部には絶縁層21が設けられ
ており、補助磁極15b及び15dの内部には、それぞ
れ絶縁層22b及び22dが設けられている。図6に示
す補助磁極15a及び15cの内部にも同様に絶縁層が
設けられている。これらの磁極内部の絶縁層は、各磁極
層の抵抗を高め、渦電流による損失を低減するために設
けられている。
【0038】図6及び図7に示すように、2重スパイラ
ルコイル20の内側端部の電極部9には電極リード17
が取り付けられており、外側端部の電極部7には電極リ
ード16が取り付けられている。
【0039】以上のようにして得られる薄膜コイル素子
のコイルの両端部に、3Vの電圧を印加したところ、
2.5Aの電流が流れた。この結果、コイルの抵抗は
1.2Ωであることが確認された。
【0040】比較として、図6及び図7において第2の
薄膜コイル2として示す部分が絶縁材料から形成されて
いる従来の薄膜コイル素子について、同様にして、コイ
ルの両端部に3Vの電圧を印加したところ、1.2〜
1.3Aの電流しか流れず、コイルの抵抗は約2.4Ω
であった。このことから、本発明に従う実施例の薄膜コ
イル素子は、コイルの低抵抗化を図ることができる素子
構造であることが確認された。
【0041】図8は、本発明に従うさらに他の実施例の
薄膜コイル素子を示す断面図である。本実施例では、上
記の2重スパイラルコイルが、中間絶縁層を介して、膜
厚方向に積層されている。
【0042】図8を参照して、基板34の上には、導電
性シード層35が設けられており、導電性シード層35
の上には、第1の薄膜コイル31、第2の薄膜コイル3
2、及び絶縁層33からなる2重スパイラルコイル37
が設けられている。この2重スパイラルコイル37は、
上記と同様にして形成することができる。第2の薄膜コ
イル32間の底部には第2の薄膜コイル32をめっきに
より形成するための導電性シード層36が設けられてい
る。
【0043】2重スパイラルコイル37の上には、中間
絶縁層40が設けられている。中間絶縁層40の上に
は、導電性シード層55が設けられている。導電性シー
ド層55の上には、第1の薄膜コイル51、第2の薄膜
コイル52、及び絶縁層53からなる2重スパイラルコ
イル57が設けられている。2重スパイラルコイル57
も、上記と同様にして形成することができる。第2の薄
膜コイル52間の底部には、第2の薄膜コイル52をめ
っきにより形成するための導電性シード層56が設けら
れている。
【0044】2重スパイラルコイル37の中心の電極部
39と、2重スパイラルコイル57の中心の電極部59
は、中間絶縁層40を貫通して設けらるコンタクトホー
ル41により電気的に接続されている。
【0045】図9は、図8に示す2重スパイラルコイル
37及び57が、互いに電気的に直列に接続される場合
の素子構造を示す平面図である。図9に示すように、下
方の2重スパイラルコイル37の中心には電極部39が
設けられており、外側のコイル端部には電極部38が設
けられている。上方の2重スパイラルコイル57の中心
には電極部59が設けられており、コイル端部には電極
部58が設けられている。上述のように、下方の2重ス
パイラルコイル37の電極部39は、中間絶縁層40を
通り、上方の2重スパイラルコイル57の電極部59に
電気的に接続されている。また、上方の2重スパイラル
コイル57は、下方の2重スパイラルコイル37と逆方
向のスパイラル形状を有している。
【0046】下方の2重スパイラルコイル37の電極部
38から入った電流は、第1の薄膜コイル31及び第2
の薄膜コイル32を通り、中心の電極部39から、中間
絶縁層40を貫通して、上方の2重スパイラルコイル5
7の電極部59に入り、第1の薄膜コイル51及び第2
の薄膜コイル52内を流れ、電極部58から出力され
る。
【0047】図9に示すような2重スパイラルコイルの
直列接続構造とすることにより、薄膜コイル素子の平面
の面積を増加させることなく、コイルのターン数を増加
させることができる。
【0048】図10は、図8に示す2重スパイラルコイ
ル37及び57を電気的に並列に接続した薄膜コイル素
子を示す平面図である。本実施例では、上方の2重スパ
イラルコイル57が、下方の2重スパイラルコイル37
と同じ方向のスパイラル形状を有している。下方の2重
スパイラルコイル37の外側端部の電極部38と、上方
の2重スパイラルコイル57の外側端部の電極部60
は、中間絶縁層40を貫通して電気的に接続されてい
る。また、下方の2重スパイラルコイル37の中心の電
極部39と、上方の2重スパイラルコイル57の中心の
電極部59は、中間絶縁層40を貫通して電気的に接続
されている。従って、第1の薄膜コイル31、第2の薄
膜コイル32、第1の薄膜コイル51、及び第2の薄膜
コイル52が全て電気的に並列に接続されている。
【0049】図10に示すように下方の2重スパイラル
コイル37と上方の2重スパイラルコイル57を電気的
に並列に接続することにより、単位平面面積あたりの導
体部の断面積をさらに増加させることができ、さらにコ
イル抵抗を低減させることができる。従って、コイルの
消費電力をさらに抑制することができるとともに、コイ
ルへの印加電流量をさらに増加させることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明は、新規な薄膜コイル構造を提供
するものであり、光磁気記録用の磁気ヘッドや、ハード
ディスク用薄膜磁気ヘッド(磁気抵抗効果型ヘッドを含
む)、並びに薄膜インダクタに用いるコイル等に適用す
ることができるものであり、コイル抵抗の低減、コイル
ターン数の増加、並びに小型化、低背化などを図ること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の従う一実施例の薄膜コイル素子を示す
断面図。
【図2】本発明の従う一実施例の薄膜コイル素子を示す
平面図。
【図3】図1及び図2に示す実施例の薄膜コイル素子を
製造する工程を示す断面図。
【図4】図1及び図2に示す実施例の薄膜コイル素子を
製造する工程を示す断面図。
【図5】図1及び図2に示す実施例の薄膜コイル素子を
製造する工程を示す断面図。
【図6】本発明に従う他の実施例の薄膜コイル素子を示
す平面図。
【図7】本発明に従う他の実施例の薄膜コイル素子を示
す模式的断面図。
【図8】本発明に従うさらに他の実施例の薄膜コイル素
子を示す断面図。
【図9】図8に示す実施例において、2重スパイラルコ
イルを直列に接続した薄膜コイル素子を示す平面図。
【図10】図8に示す実施例において、2重スパイラル
コイルを並列に接続した薄膜コイル素子を示す平面図。
【符号の説明】
1…第1の薄膜コイル 2…第2の薄膜コイル 3…絶縁層 4…基板 5,6…導電性シード層 7,9…電極部 8,10…接合部 14…主磁極 15a〜15d…補助磁極 16,17…電極リード 34…基板 35,36,55,56…導電性シード層 31,51…第1の薄膜コイル 32,52…第2の薄膜コイル 33,53…絶縁層 39,59…電極部 40…中間絶縁層 41…コンタクトホール 58,60…電極部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 秀樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 吉岡 功一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 石原 宏三 大阪府大東市三洋町1番1号 三洋電子部 品株式会社内 (72)発明者 堀元 重浩 大阪府大東市三洋町1番1号 三洋電子部 品株式会社内 (72)発明者 本郷 政紀 大阪府大東市三洋町1番1号 三洋電子部 品株式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA36 DA04 DA07 5D075 AA03 CC04 CF03 5E070 AA01 AB03 AB10 CB12 CB13 CB20 CC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内にスパイラル状に形成された第1の
    薄膜コイルと、 前記第1の薄膜コイルと同一面内において前記第1の薄
    膜コイルに沿い隣接してスパイラル状に形成された第2
    の薄膜コイルと、 前記第1の薄膜コイルと前記第2の薄膜コイルの間に設
    けられた絶縁層とを備えることを特徴とする薄膜コイル
    素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の薄膜コイルと前記第2の薄膜
    コイルとが電気的に並列に接続されていることを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜コイル素子。
  3. 【請求項3】 前記電気的接続が、コイル両端の電極部
    への接合部でなされていることを特徴とする請求項2に
    記載の薄膜コイル素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の薄膜コイル、前記第2の薄膜
    コイル、及び前記絶縁層から形成される2重スパイラル
    コイルの表面がほぼ平坦に形成されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜コイル素
    子。
  5. 【請求項5】 前記第1の薄膜コイル、前記第2の薄膜
    コイル、及び前記絶縁層から形成される2重スパイラル
    コイルが、中間絶縁層を介して、膜厚方向に積層されて
    いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の薄膜コイル素子。
  6. 【請求項6】 前記積層された2重スパイラルコイル
    が、電気的に並列に接続されていることを特徴とする請
    求項5に記載の薄膜コイル素子。
  7. 【請求項7】 前記積層された2重スパイラルコイル
    が、電気的に直列に接続されていることを特徴とする請
    求項5に記載の薄膜コイル素子。
  8. 【請求項8】 外側導体路部分と内側導体路部分との間
    が所定の間隔に保たれるように基板上に第1の導体路を
    スパイラル状に形成して第1の薄膜コイルを作製する工
    程と、 前記第1の薄膜コイルの第1の導体路の少なくとも側壁
    部分上に絶縁層を形成する工程と、 前記第1の薄膜コイルの第1の導体路の外側導体路部分
    と内側導体路部分の間に前記絶縁層を介して第2の導体
    路を形成することにより、前記第1の薄膜コイルに沿う
    スパイラル状の第2の薄膜コイルを作製する工程とを備
    えることを特徴とする薄膜コイル素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の薄膜コイルと前記第2の薄膜
    コイルを電気的に並列に接続する工程をさらに備えるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の薄膜コイル素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の薄膜コイルの作製工程が、
    前記外側導体路部分と前記内側導体路部分の間に導電性
    シード層を形成する工程と、前記導電性シード層を電極
    として前記第2の導体路をめっきにより形成する工程と
    を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の薄
    膜コイル素子の製造方法。
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