JP2001185337A - 誘導発熱ローラー装置および帯状体のラミネート装置 - Google Patents

誘導発熱ローラー装置および帯状体のラミネート装置

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JP2001185337A JP37016699A JP37016699A JP2001185337A JP 2001185337 A JP2001185337 A JP 2001185337A JP 37016699 A JP37016699 A JP 37016699A JP 37016699 A JP37016699 A JP 37016699A JP 2001185337 A JP2001185337 A JP 2001185337A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導発熱ローラー装置、特に薄金属帯のよう
な帯状体の表面に配向結晶性樹脂フィルムをラミネート
する際に、ラミネート部において、金属板幅方向、長手
方向の厳密な温度管理が可能になるラミネート装置入側
に配設する帯状体の加熱装置として好適な誘導発熱ロー
ラー装置を提供する。 【解決手段】 回転駆動されるローラーと、前記ローラ
ーの内部に設けられ、前記ローラーを誘導発熱させる誘
導コイルを備えた電磁誘導発熱機構と、前記誘導コイル
の出力を決定し、決定した出力を電磁誘導発熱機構の電
力制御装置に指令する計算機と、を備える誘導発熱ロー
ラー装置において、前記誘導コイルをローラー幅方向に
複数個に分割し、分割した各誘導コイル毎に電力制御装
置を個別に配設し、ローラー幅方向の発熱量分布を任意
に変更可能に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導発熱ローラー
装置、特に薄金属帯のような帯状体の表面に配向結晶性
樹脂フィルムをラミネートする際に、ラミネート装置入
側に配設する帯状体の加熱装置として好適な誘導発熱ロ
ーラー装置に関する。また、本発明は、帯状体のラミネ
ート装置、特に帯状体の表面に配向結晶性樹脂フィルム
をラミネートするのに好適な帯状体のラミネート装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶は、素材金属板にフェノー
ル・エポキシ樹脂等の塗装を施した塗装金属缶が主体で
あった。近年、環境ホルモン、廃液処理等による環境汚
染防止のため、塗装缶に代わって、オレフィン系及びPE
Tなどの樹脂フィルムをラミネートしたラミネート金属
板を素材とするラミネート金属缶が台頭してきている。
特に顕著なのが飲料缶分野であり、主として深絞り・し
ごき成形する2ピース缶用途でラミネート金属板を素材
とする缶体の生産量が著しく増加している。
【0003】飲料缶用途に使用するラミネート金属板で
は、金属板とラミネートフィルムの密着力を確保し、同
時に加工性と耐食性を両立させる必要がある。そのため
には、ラミネート装置のラミネート部における金属帯幅
方向、長手方向の厳密な温度管理が重要である。
【0004】飲料缶用途などに使用されるラミネート金
属板の製造に用いられる典型的なラミネート装置を図5
に示す。図5において、1は金属板、2は結晶配向性熱
可塑樹脂フィルム、6,6は一対のラミネートロールで
ある。ラミネートロール6,6の上流側に、金属板1を
樹脂フィルム2が接着可能な温度まで加熱する加熱装置
3を備え、加熱装置3には複数の加熱ロール4が配設さ
れている。本装置において、金属板1は加熱装置3の複
数の加熱ロール4に巻きかけられて走行する間に樹脂フ
ィルム2,2が接着可能な所定温度まで加熱され、ラミ
ネート部5で一対のラミネートロール6,6を用いて金
属板1の表面に樹脂フィルム2,2が圧着され、熱融着
される。
【0005】加熱ロール4には、特開平9−7753号
公報、特開平6−267651号公報等に記載されるよ
うな、ローラー内部にローラー幅方向に分割した誘導発
熱コイルを配設してローラー自体の幅方向の温度分布を
均一化できる誘導発熱ローラー装置が使用されている。
【0006】加熱装置3では、加熱装置3出側の温度検
出手段で検出する金属板1の温度が予め設定されている
所定温度になるように、計算機7で各加熱ロール4に割
り付ける出力を決定し、決定した出力を各加熱ロール4
の電力制御装置8に指令し、各加熱ロール4を加熱す
る。
【0007】従来の金属板のラミネート装置では、図5
の装置に見られるように、設備構成上、加熱装置3とラ
ミネート部5(ラミネートロール6,6)間に、一定の
放冷区間が存在する。このような装置構成の場合、加熱
装置3で金属板1の幅方向温度分布がせっかく均一にな
っても、放冷区間で、特に板端付近と板中央付近の放冷
差によって幅方向の温度ムラが生じ、ラミネート部5で
は金属板1の厳密な温度管理が行われていないため、ラ
ミネート金属板について安定した品質を確保できない場
合がある。
【0008】かかる放冷区間で生じる金属板1の幅方向
の温度ムラを改善するため、特開平5−57860号公
報には、図6に示すように、図示されていない加熱装置
と一対のラミネートロール6,6の間に、金属板1の幅
方向温度を制御する手段11を設け、ラミネート後のラ
ミネート金属板1aおよびラミネートロール6の幅方向
温度分布を温度検出手段12で計測し、演算装置13で
前記計測結果と樹脂フィルム2の配向結晶性が均一にな
るように予め設定した温度を比較演算し、演算結果に基
づいて金属板1の幅方向温度を制御する手段11を動作
させて、金属板1の中央部または端部を、加熱または冷
却し、温度制御することが提案されている。
【0009】本装置では、放冷区間での温度分布の不均
一化はある程度改善されるが、放冷時の幅方向の温度
分布曲線と全く逆位相となる加熱をできる装置は技術的
に困難であり、金属板の板厚が薄くなると、放冷によ
る幅方向の温度較差(温度分布のムラ)が大きくなる
が、この温度較差を是正するための装置が大規模になり
設備費用が高価になるという問題がある。そのため、本
装置は、費用対効果の許す範囲内で、温度分布の不均一
を改善する補助的な手段として使用されるにとどまって
いるため、幅方向の温度分布を改善する効果が不十分で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題を
解決し、誘導発熱ローラー装置、特に薄金属帯のような
帯状体の表面に配向結晶性樹脂フィルムをラミネートす
る際に、ラミネート部において、金属板幅方向、長手方
向の厳密な温度管理が可能になるラミネート装置入側に
配設する帯状体の加熱装置として好適な誘導発熱ローラ
ー装置を提供することを目的とする。また、本発明は、
帯状体のラミネート装置、特に帯状体の表面に配向結晶
性樹脂フィルムをラミネートするのに好適な帯状体のラ
ミネート装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、ラミネー
ト装置のラミネート部における金属板の温度変動につい
て詳細に調査したところ、現状の金属板のラミネート装
置では金属板長手方向の温度変化はほとんどなく、また
放冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差について
は、金属板端部側約270mm以内の領域で大きく、そ
の大きさは金属板の厚さ、材質及び金属板搬送速度に基
づいて決定できることが分かった。
【0012】金属板幅方向の温度較差の問題を低設備コ
ストで解決するには、ラミネート装置のラミネート部上
流の帯状体の加熱装置に配設されている誘導発熱ローラ
ー装置の誘導コイルをローラー幅方向に複数個に分割
し、ローラー幅方向の発熱量分布を任意に変更可能と
し、板端付近の誘導コイルを中央より強く発熱させ、下
流の放冷区間で発生する金属板の幅方向の温度較差を予
め補償してやるのがよい。ラミネート部における金属板
幅方向の温度較差は、予め金属板の板厚、幅及び材質、
金属板搬送速度毎に測定して求めておき、これに基づい
て放冷区間で発生する金属板の幅方向の温度較差の補償
に必要なローラー幅方向の誘導コイルの発熱量分布を決
定することが出来る。
【0013】本発明は、前記知見に基づくものであり、
前記課題を解決する本発明の手段は以下の通りである。 (1)回転駆動されるローラーと、前記ローラーの内部
に設けられ、前記ローラーを誘導発熱させる誘導コイル
を備えた電磁誘導発熱機構と、前記誘導コイルの出力を
決定し、決定した出力を電磁誘導発熱機構の電力制御装
置に指令する計算機と、を備える誘導発熱ローラー装置
において、前記誘導コイルをローラー幅方向に複数個に
分割し、分割した各誘導コイル毎に電力制御装置を個別
に配設し、ローラー幅方向の発熱量分布を任意に変更可
能に配設したことを特徴とする誘導発熱ローラー装置。 (2)前記(1)に記載の誘導発熱ローラー装置が帯状
体の処理部の上流側に配設されており、また前記装置の
計算機が、帯状体の厚さ、幅及び材質、並びに帯状体搬
送速度に基づいて、処理部における帯状体の幅方向温度
分布を均一にするのに必要なローラー幅方向の各々の誘
導コイルの出力分布を決定する手段が付設されており、
前記手段で決定したローラー幅方向の各々の誘導コイル
の出力分布に基づいて分割した各誘導コイルの電力制御
装置に出力指令を行うことが可能に配設されていること
を特徴とする誘導発熱ローラー装置。 (3)前記(2)に記載の誘導発熱ローラー装置が、帯
状体に樹脂フィルムをラミネートするラミネート装置の
ラミネート部上流の帯状体の加熱部に配設されているこ
とを特徴とする帯状体のラミネート装置。 (4)ラミネート部と加熱部の間に帯状体端部を加熱す
るための誘導加熱装置を備えることを特徴とする前記
(3)に記載の帯状体のラミネート装置。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を用いて具体的に説明する。図1は、金属板のラミ
ネート装置の要部を示す図、図2は、図1の装置に配設
されている本発明の実施の形態にかかる誘導発熱ローラ
ー装置4aの要部を示す概略図である。図1において、
加熱装置3には、複数の誘導発熱ローラー装置が配設さ
れている。すなわち、4は従来の加熱装置3に配設され
ているローラー幅方向温度分布を均一にできる誘導発熱
ローラー装置、4aは本発明の実施の形態にかかる誘導
発熱ローラー装置で、加熱装置3の最終位置に配設され
ている。前記各誘導発熱ローラー装置4,4aのローラ
ーは何れも回転駆動されている。また、図1、図2にお
いて、21は誘導発熱ローラー、22は誘導発熱ローラ
ー装置4aの電力制御装置、23は比率設定器24とロ
ーラー温度制御装置25を備える計算機である。
【0015】誘導発熱ローラー21は、外筒26の肉厚
内部に周方向適宜の間隔で軸方向に延び内部に気液2相
の熱媒体が減圧封入された複数のジャケット室27を備
え、また外筒26の内周壁近傍位置に、ローラー幅方向
に複数個に分割配置された誘導コイルC1〜Cnが配設
されている。電力制御装置22は、電力制御装置D1〜
Dnを備え、各誘導コイルC1〜Cnは各々互いに異な
る位相の電力を供給可能な電力制御装置D1〜Dnに接
続されている。また、外筒26の幅方向中央部に、ロー
ラー温度を検出するローラー温度計28が設置されてい
る。
【0016】その他の構成については、既に説明した図
5に示された部分と同じ部分には同じ符号を付してあ
る。
【0017】ローラー温度計28で検出されるローラー
温度と加熱装置3出側の金属板温度には一定の関係があ
る。そこで、予め加熱装置3出側の金属板温度とローラ
ー温度との関係を求めておく。
【0018】加熱装置3で加熱された金属板1は、ラミ
ネート部5に至る間に、放冷区間(加熱装置3とラミネ
ート部5の間)で冷却されて温度降下し、同時に幅端部
では中央部より温度降下量が大きいため、金属板幅方向
で温度較差が生じる。
【0019】放冷区間における温度降下量は、金属板厚
さ、材質、金属板搬送速度によって決まる。そこで、予
め、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度と放冷区間にお
ける温度降下量との関係を求めておく。
【0020】放冷区間における金属板幅方向の温度較差
は、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度によって決ま
る。そこで、予め、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度
と放冷区間における金属板幅方向の温度較差の関係を求
めておく。
【0021】また、誘導発熱ローラー4aについて、放
冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差を補償するの
に必要な分割配置した各誘導コイルC1〜Cnの出力分
布(幅方向の出力比)を予め求めておく。
【0022】また、ラミネート部5で樹脂フィルムを熱
融着するのに必要な金属板温度(以下、ラミネート温
度)は、樹脂フィルムの種類に基づいて決定される。
【0023】上記各関係から、樹脂フィルムの種類とラ
ミネート温度との関係、金属板厚さ、種類、金属板搬送
速度と放冷区間における金属板の温度降下量との関係、
及びローラー温度計28で検出されるローラー温度と加
熱装置3出側の金属板温度との関係に基づいて、ラミネ
ート部5においてラミネート温度を確保するのに必要な
誘導発熱ローラー4aのローラー設定温度が決定され
る。この関係(以下、ローラー設定温度基準)は、ロー
ル温度制御装置25に保有されている。
【0024】図3は、ローラー温度制御装置25に保有
されているローラー設定温度を決定するテーブルの一例
であり、金属板の種類毎に、樹脂フィルムの種類(ラミ
ネート温度)、金属板厚さ、金属板搬送速度に対応する
ローラー設定温度が設定されている。
【0025】また、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度
と放冷区間における金属板幅方向の温度較差の関係、放
冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差を補償するの
に必要な誘導発熱ローラー4aの分割配置した各誘導コ
イルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)の関係に
基づいて、金属板幅方向の温度較差を補償するのに必要
な誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cn
の出力分布(幅方向の出力比)が金属板幅を考慮して決
定される。この関係(以下、幅方向の出力比設定基準)
は、比率設定器24に保有されている。
【0026】図4は、比率設定器24に保有されている
誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの
出力分布(幅方向の出力比)を決定するテーブルの一例
であり、金属板1の種類毎に、樹脂フィルムの種類、金
属板厚さ、金属板幅、金属板搬送速度に対応する各誘導
コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)が設定
されている。
【0027】比率設定器24では、上位計算機から送ら
れてきた金属板の幅、材質、金属板搬送速度の情報及び
前記幅方向の出力比設定基準(例えば図4)に基づい
て、誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜C
nの出力分布(幅方向の出力比)が決定され、決定され
た各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力
比)はローラー温度制御装置25に送られる。
【0028】ローラー温度制御装置25では、上位計算
機から送られてきた金属板1の厚さ、幅、材質、金属板
走行速度、樹脂フィルム種類の情報及び前記ローラー設
定温度基準(例えば図3)に基づいて、ラミネート部5
における金属板1の温度を所定のラミネート温度にする
のに必要な誘導発熱ローラー4aのローラー設定温度を
決定し、決定したローラー設定温度に基づいて、加熱装
置3に配設されている各々の誘導発熱ローラー装置4お
よび4aに割付ける出力(以下、ローラー割付出力)を
決定する。更に、比率設定器24から送られてきた誘導
発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力
分布(幅方向の出力比)に基づいて、誘導発熱ローラー
装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力を決定する。
【0029】次いで、ローラー温度制御装置25は、前
記で決定した各誘導発熱ローラー4の出力を各々の電力
制御装置8に指令する。電力制御装置8は、各誘導発熱
ローラ4に内蔵されている誘導コイルに指令された出力
をする。同時に、ローラー温度制御装置25は、前記で
決定した誘導発熱ローラー4aの各誘導コイルC1〜C
nの幅方向出力を、各誘導コイルC1〜Cnの電力制御
装置D1〜Dnに指令して、各誘導コイルC1〜Cnに
指令の出力をする。
【0030】ローラー温度制御装置25は、ローラー温
度計28で検出したローラー温度と保有しているローラ
ー設定温度基準とを比較し、その偏差がある場合、偏差
をなくするように、各誘導発熱ローラー4および誘導発
熱ローラー4aの各出力を修正(再決定)し、誘導発熱
ローラー装置4aについては、各誘導コイルC1〜Cn
の出力分布(幅方向の出力比)に基づいて、各誘導コイ
ルC1〜Cnの出力を修正(再決定)する。再決定した
出力を各誘導発熱ローラー4の電力制御装置8及び誘導
発熱ローラー4aの電力制御装置D1〜Dnに指令し、
各誘導コイルに所要の出力をする。
【0031】誘導発熱ローラー装置4aのローラー幅方
向に分割配置する誘導コイルC1〜Cnの幅は、放冷区
間で発生する金属板幅方向の温度較差を補償する観点か
らはなるべく狭くすることが有利である。しかし、分割
配置する誘導コイルC1〜Cnの幅を狭くすると設備コ
ストの上昇を招く。本発明者らの知見によると、放冷区
間で発生する金属板幅方向の温度較差は、金属板端部側
約270mm以内の領域で大きく、この領域の温度較差
を低減するには、分割配置する誘導コイルC1〜Cnの
幅を300mm以下が好ましく、200mm以下にする
ことがより好ましいことが分かった。設備コストの上昇
を抑えながら、放冷区間における温度較差を低減するに
は、分割配置する誘導コイルC1〜Cnの幅は100〜
300mmにすることが好ましく、100〜200mm
にすることがより好ましい。
【0032】ローラー幅方向に分割配置した誘導コイル
C1〜Cnの最大出力比(中央側誘導コイルの出力に対
する金属板端部側に位置する誘導コイルの最大出力の割
合)が150%を超えると金属板幅方向の温度較差が大
きくなり、金属板絞り(座屈現象)が発生しやすくなる
ので、最大出力比は150%以下にすることが好まし
い。
【0033】本装置では、外筒26の肉厚内部に周方向
適宜の間隔で軸方向に延び内部に気液2相の熱媒体が減
圧封入された複数のジャケット室27を備えるので、ロ
ーラー21の誘導電流による発熱は、気液2相の熱媒体
を気化、蒸発させ、発生した蒸気は、ジャケット室27
内を適宜に移動し低温状態にあるジャケット室27の内
壁に触れて凝縮する。そのとき潜熱を放出してその部分
の温度を上昇させる。また、凝縮した熱媒体は再び液相
部に戻り、以下これを繰り返すことにより、ローラー2
1の表面温度が局部的に不均一になることが防止され
る。
【0034】本装置では、加熱装置3で、各誘導発熱ロ
ーラー4及び誘導発熱ローラー4aを用いて金属板1が
前記のようにして加熱され、ラミネート部5で一対のラ
ミネートロール6,6を用いて樹脂フィルム2,2が圧
着され、熱融着されるので、ラミネート部5での金属板
温度を配向結晶性樹脂フィルムのラミネートに最適な温
度に近づけることができ、また、ラミネート部5での金
属板幅方向温度分布を均一にできる。その結果、ラミネ
ート帯状体の品質を安定化でき、高品質のラミネート金
属板の製造が可能になる。
【0035】本発明の誘導発熱ローラー装置は、図1の
装置のように、加熱装置3の出側寄りの位置に1基また
は複数基配設するのが最も有効で、設備コストを最小に
抑えることが出来る。また、本発明の誘導発熱ローラー
装置とラミネート部の間の放冷区間に、必要に応じて温
度分布を強制的に微調整するために金属板幅方向端部に
誘導加熱ヒーター等の補助手段(図1の符号31)を併
設することも可能である。例えば、誘導発熱ローラー4
aの端部側誘導コイルの出力比を最大にしても鋼板端部
の温度ムラを所要値以下にできない場合、金属板幅方向
端部に誘導加熱ヒーター(エッジヒーター)31を設け
て鋼板端部を補助加熱して温度ムラを小さくすることも
できる。この場合、補助手段は一定出力にするのがよ
い。
【0036】本発明の誘導発熱ローラー装置は、鋼板、
アルミニウム板等の薄金属帯に配向結晶性樹脂フィルム
をラミネートする際に、ラミネート装置入側に配設する
帯状体の加熱装置として好適であるが、前記に限定され
ず、紙等の帯状体のラミネート装置入側に配設する帯状
体の加熱装置として広く適用できる。
【0037】
【実施例】(実施例1)図1、図2に示した金属板のラ
ミネート装置を用いて、ライン速度150mpmで、厚
さ0.18mm×幅1048mmの低炭素鋼板に厚さ2
5μmのPET樹脂フィルムをラミネートした。なお、放
冷区間の長さは5050mmであり、4基の誘導発熱ロ
ーラー4と1基の誘導発熱ローラー装置4aが配設さ
れ、誘導発熱ローラー装置4aの誘導コイルは、ピッチ
200mmで幅方向に6個(C1〜C6)配設されてお
り、幅方向の最大出力比は1.50(150%)であ
る。加熱装置3で鋼板を加熱するに際して、誘導発熱ロ
ーラー装置4aの誘導コイルC1〜C6の幅方向出力を
一定(比較例)、または変更(発明例)して加熱し、エ
ッジヒーター31は使用しなかった。誘導発熱ローラー
装置4aの幅方向出力の変更は、鋼板端部が位置する誘
導コイルC1,C6の出力をアップした。
【0038】前記で得たラミネート金属板のフィルムの
結晶配向性をX線回折装置で測定した。また予め求めて
おいた樹脂フィルム温度と配向との関係から測定結果を
温度に換算した。誘導発熱ローラー装置4aの加熱条件
及び測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】本発明例は比較例に比べて、何れも幅方向
温度ムラ(温度較差)が大幅に低減されており、鋼板端
部が位置する部分の誘導コイルの出力比を最大値(15
0%)にした方がより優れる。
【0041】(実施例2)実施例1と同様の装置を用
い、実施例1と同様にしてライン速度150mpmで、
厚さ0.18mm×幅1048mmの低炭素鋼板を加熱
装置3で加熱し、更にエッジヒーター31(定格20A
の誘導加熱装置)で鋼板端部を加熱し、厚さ25μmの
PET樹脂フィルムをラミネートした。従来例では、誘導
発熱ローラー4aの誘導コイルの幅方向の出力を一定と
し、エッジヒータ出力を最大の20Aにして鋼板端部を
加熱した。発明例では、誘導発熱ローラー4aの端部側
誘導コイルの出力比を最大値(150%)にして加熱
し、更にエッジヒーター31の出力を12Aに低下して
鋼板端部を補助加熱した。
【0042】前記で得たラミネート金属板について、実
施例1と同様にして、フィルムの配向を測定し、さらに
測定結果を温度に換算した。誘導発熱ローラー装置4a
の加熱条件及び測定結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】本発明例では、幅方向温度ムラ(温度較
差)が大幅に低減されている。一方、従来例では、本発
明例に比べて幅方向温度ムラが大きいだけでなく、エッ
ジ部近傍での局部的な温度上昇が大きく、鋼板幅方向の
温度を均一化するという観点からは問題がある。
【0045】本実施例に見られるように、誘導発熱ロー
ラー4aの端部側誘導コイルの出力比を最大値(150
%)にしても鋼板端部の温度ムラを小さくできない場
合、エッジヒーター31を設けて鋼板端部を補助加熱す
るとよい。
【0046】
【発明の効果】本発明の誘導発熱ローラー装置によれ
ば、下流の処理部における帯状体の長手方向、幅方向の
温度ムラを防止でき、また設備が大規模になることもな
い。
【0047】本発明の誘導発熱ローラー装置は、鋼板、
アルミニウム板等の薄金属帯に配向結晶性樹脂フィルム
をラミネートする際に、ラミネート装置入側に配設する
薄金属帯の加熱装置として好適であるが、前記に限定さ
れず、紙等の帯状体のラミネート装置入側に配設する帯
状体の加熱装置として広く適用可能である。
【0048】本発明の誘導発熱ローラー装置を薄金属帯
の表面に配向結晶性樹脂フィルムをラミネートするラミ
ネート装置入側の加熱装置に配設すると、加熱装置とラ
ミネート部間で生じる薄金属帯端部の冷却によるラミネ
ート部での幅方向の温度ムラを防止でき、ラミネート帯
状体の品質を安定化でき、高品質のラミネート金属板の
製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる誘導発熱ローラー
装置を備える金属板のラミネート装置の要部を示す図。
【図2】本発明の実施の形態にかかる誘導発熱ローラー
装置の要部を示す図。
【図3】ローラー温度制御装置に保有されているローラ
ー設定温度を決定するテーブルの一例を示す図。
【図4】比率設定器に保有されている誘導発熱ローラー
装置の分割配置された各誘導コイルC1〜Cnの出力分
布(幅方向の出力比)を決定するテーブルの一例を示す
図。
【図5】典型的な金属板のラミネート装置の要部を示す
図。
【図6】加熱装置とラミネートロール部間に金属板の温
度を調整する手段を備えるラミネート装置の要部を示す
図。
【符号の説明】
1 金属板(帯状体) 2 結晶配向性熱可塑樹脂フィルム(樹脂フィルム) 3 加熱装置(加熱部) 4,4a 加熱ロール(誘導発熱ローラー装置) 5 ラミネート部 6 ラミネートロール 7 計算機 8 電力制御装置 11 金属板幅方向温度制御手段 12 温度検出手段 13 演算装置 21 誘導発熱ローラー 22 電力制御装置 23 計算機 24 比率設定器 25 ローラー温度制御装置 26 外筒 27 ジャケット室 28 ローラー温度計 31 加熱の補助手段(エッジヒーター) C1〜Cn 誘導コイル D1〜Dn 電力制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K059 AB19 AB22 AB26 AB27 AB28 AC09 AC33 AC44 AC77 AD05 AD15 BD02 CD18 CD48 CD65 CD73 CD79

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動されるローラーと、前記ローラ
    ーの内部に設けられ、前記ローラーを誘導発熱させる誘
    導コイルを備えた電磁誘導発熱機構と、前記誘導コイル
    の出力を決定し、決定した出力を電磁誘導発熱機構の電
    力制御装置に指令する計算機と、を備える誘導発熱ロー
    ラー装置において、前記誘導コイルをローラー幅方向に
    複数個に分割し、分割した各誘導コイル毎に電力制御装
    置を個別に配設し、ローラー幅方向の発熱量分布を任意
    に変更可能に配設したことを特徴とする誘導発熱ローラ
    ー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の誘導発熱ローラー装置
    が帯状体の処理部の上流側に配設されており、また前記
    装置の計算機が、帯状体の厚さ、幅及び材質、並びに帯
    状体搬送速度に基づいて、処理部における帯状体の幅方
    向温度分布を均一にするのに必要なローラー幅方向の各
    々の誘導コイルの出力分布を決定する手段が付設されて
    おり、前記手段で決定したローラー幅方向の各々の誘導
    コイルの出力分布に基づいて分割した各誘導コイルの電
    力制御装置に出力指令を行うことが可能に配設されてい
    ることを特徴とする誘導発熱ローラー装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の誘導発熱ローラー装置
    が、帯状体に樹脂フィルムをラミネートするラミネート
    装置のラミネート部上流の帯状体の加熱部に配設されて
    いることを特徴とする帯状体のラミネート装置。
  4. 【請求項4】 ラミネート部と加熱部の間に帯状体端部
    を加熱するための誘導加熱装置を備えることを特徴とす
    る請求項3に記載の帯状体のラミネート装置。
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WO2008019577A1 (fr) * 2006-08-08 2008-02-21 Qingdong Zhu Appareil chauffant électromagnétique pour réguler l'humidité d'un papier support
CN105150630A (zh) * 2015-09-21 2015-12-16 武汉银采天纸业股份有限公司 一种干湿式多功能复合机
CN111842497A (zh) * 2020-07-21 2020-10-30 山西盛镁科技有限公司 金属板带材接触式在线加热恒温轧制系统及其轧制工艺

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