JP3758441B2 - ラミネート金属板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネート装置の上流側に配設した誘導発熱ローラー装置を用いて金属板を加熱した後、金属板の表面に樹脂フィルムをラミネートするラミネート金属板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶は、素材金属板にフェノール・エポキシ樹脂等の塗装を施した塗装金属缶が主体であった。近年、環境ホルモン、廃液処理等による環境汚染防止のため、塗装缶に代わって、オレフィン系及びPETなどの樹脂フィルムをラミネートしたラミネート金属板を素材とするラミネート金属缶が台頭してきている。特に顕著なのが飲料缶分野であり、主として深絞り・しごき成形する2ピース缶用途でラミネート金属板を素材とする缶体の生産量が著しく増加している。
【0003】
飲料缶用途に使用するラミネート金属板では、金属板とラミネートフィルムの密着力を確保し、同時に加工性と耐食性を両立させる必要がある。そのためには、ラミネート装置のラミネート部における金属帯幅方向、長手方向の厳密な温度管理が重要である。
【0004】
飲料缶用途などに使用されるラミネート金属板の製造に用いられる典型的なラミネート装置を図5に示す。図5において、1は金属板、2は結晶配向性熱可塑樹脂フィルム、6,6は一対のラミネートロールである。ラミネートロール6,6の上流側に、金属板1を樹脂フィルム2が接着可能な温度まで加熱する加熱装置3を備え、加熱装置3には複数の加熱ロール4が配設されている。本装置において、金属板1は加熱装置3の複数の加熱ロール4に巻きかけられて走行する間に樹脂フィルム2,2が接着可能な所定温度まで加熱され、ラミネート部5で一対のラミネートロール6,6を用いて金属板1の表面に樹脂フィルム2,2が圧着され、熱融着される。
【0005】
加熱ロール4には、特開平9−7753号公報、特開平6−267651号公報等に記載されるような、ローラー内部にローラー幅方向に分割した誘導発熱コイルを配設してローラー自体の幅方向の温度分布を均一化できる誘導発熱ローラー装置が使用されている。
【0006】
加熱装置3では、加熱装置3出側の温度検出手段で検出する金属板1の温度が予め設定されている所定温度になるように、計算機7で各加熱ロール4に割り付ける出力を決定し、決定した出力を各加熱ロール4の電力制御装置8に指令し、各加熱ロール4を加熱する。
【0007】
従来の金属板のラミネート装置では、図5の装置に見られるように、設備構成上、加熱装置3とラミネート部5(ラミネートロール6,6)間に、一定の放冷区間が存在する。このような装置構成の場合、加熱装置3で金属板1の幅方向温度分布がせっかく均一になっても、放冷区間で、特に板端付近と板中央付近の放冷差によって幅方向の温度ムラが生じ、ラミネート部5では金属板1の厳密な温度管理が行われていないため、ラミネート金属板について安定した品質を確保できない場合がある。
【0008】
かかる放冷区間で生じる金属板1の幅方向の温度ムラを改善するため、特開平5−57860号公報には、図6に示すように、図示されていない加熱装置と一対のラミネートロール6,6の間に、金属板1の幅方向温度を制御する手段11を設け、ラミネート後のラミネート金属板1aおよびラミネートロール6の幅方向温度分布を温度検出手段12で計測し、演算装置13で前記計測結果と樹脂フィルム2の配向結晶性が均一になるように予め設定した温度を比較演算し、演算結果に基づいて金属板1の幅方向温度を制御する手段11を動作させて、金属板1の中央部または端部を、加熱または冷却し、温度制御することが提案されている。
【0009】
本装置では、放冷区間での温度分布の不均一化はある程度改善されるが、▲1▼放冷時の幅方向の温度分布曲線と全く逆位相となる加熱をできる装置は技術的に困難であり、▲2▼金属板の板厚が薄くなると、放冷による幅方向の温度較差(温度分布のムラ)が大きくなるが、この温度較差を是正するための装置が大規模になり設備費用が高価になるという問題がある。そのため、本装置は、費用対効果の許す範囲内で、温度分布の不均一を改善する補助的な手段として使用されるにとどまっているため、幅方向の温度分布を改善する効果が不十分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題を解決し、ラミネート装置の上流側に配設した誘導発熱ローラー装置を用いて金属板を加熱した後、金属板の表面に樹脂フィルムをラミネートする際に、ラミネート部において、金属板幅方向、長手方向の温度ムラの発生を防止できるラミネート金属板の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが、ラミネート装置のラミネート部における金属板の温度変動について詳細に調査したところ、現状の金属板のラミネート装置では金属板長手方向の温度変化はほとんどなく、また放冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差については、金属板端部側約270mm以内の領域で大きく、その大きさは金属板の厚さ、材質及び金属板搬送速度に基づいて決定できることが分かった。
【0012】
金属板幅方向の温度較差の問題を低設備コストで解決するには、ラミネート装置のラミネート部上流の帯状体の加熱装置に配設されている誘導発熱ローラー装置の誘導コイルをローラー幅方向に複数個に分割し、ローラー幅方向の発熱量分布を任意に変更可能とし、板端付近の誘導コイルを中央より強く発熱させ、下流の放冷区間で発生する金属板の幅方向の温度較差を予め補償してやるのがよい。ラミネート部における金属板幅方向の温度較差は、予め金属板の板厚、幅及び材質、金属板搬送速度毎に測定して求めておき、これに基づいて放冷区間で発生する金属板の幅方向の温度較差の補償に必要なローラー幅方向の誘導コイルの発熱量分布を決定することが出来る。
【0013】
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決する本発明の手段は以下の通りである。
(1)ラミネート装置の上流側に配設した加熱装置で、金属板を樹脂フィルムが接着可能な温度まで加熱した後、ラミネート装置で金属板に樹脂フィルムをラミネートするにあたり、加熱装置として、回転駆動されるローラーの内部に、前記ローラーを誘導発熱させる誘導コイルをローラー幅方向に複数個に分割して設けた誘導発熱ローラー装置を用いて、予め金属板の板厚、幅、材質及び金属板搬送速度と、加熱装置とラミネート装置のラミネート部間で金属板が放冷されることによって発生するラミネート部における金属板幅方向の温度格差の関係を求めておき、前記で求めた関係に基づいて加熱装置とラミネート装置のラミネート部間で金属板が放冷されることによって発生するラミネート部における金属板幅方向の温度格差を補償するのに必要なローラー幅方向の誘導コイルの出力分布を金属板端部側270mm以内の板端付近の誘導コイルを中央の誘導コイルより最大出力比(中央の誘導コイルの出力に対する金属板端部側270mm以内の板端付近の誘導コイルの最大出力の割合)150%以下で強く発熱させるように決定し、前記で決定した出力分布に基いて各誘導コイルを出力して金属板を加熱し、加熱装置とラミネート装置のラミネート部間で金属板が放冷されることによって発生するラミネート部における金属板幅方向の温度格差を予め補償することを特徴とするラミネート金属板の製造方法
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて具体的に説明する。図1は、金属板のラミネート装置の要部を示す図、図2は、図1の装置に配設されている誘導発熱ローラー装置4aの要部を示す概略図である。図1において、加熱装置3には、複数の誘導発熱ローラー装置が配設されている。すなわち、4は従来の加熱装置3に配設されているローラー幅方向温度分布を均一にできる誘導発熱ローラー装置、4aは放冷区間で発生する金属板幅方向の温度格差を予め補償するための誘導発熱ローラー装置で、加熱装置3の最終位置に配設されている。前記各誘導発熱ローラー装置4,4aのローラーは何れも回転駆動されている。また、図1、図2において、21は誘導発熱ローラー、22は誘導発熱ローラー装置4aの電力制御装置、23は比率設定器24とローラー温度制御装置25を備える計算機である。
【0015】
誘導発熱ローラー21は、外筒26の肉厚内部に周方向適宜の間隔で軸方向に延び内部に気液2相の熱媒体が減圧封入された複数のジャケット室27を備え、また外筒26の内周壁近傍位置に、ローラー幅方向に複数個に分割配置された誘導コイルC1〜Cnが配設されている。電力制御装置22は、電力制御装置D1〜Dnを備え、各誘導コイルC1〜Cnは各々互いに異なる位相の電力を供給可能な電力制御装置D1〜Dnに接続されている。また、外筒26の幅方向中央部に、ローラー温度を検出するローラー温度計28が設置されている。
【0016】
その他の構成については、既に説明した図5に示された部分と同じ部分には同じ符号を付してある。
【0017】
ローラー温度計28で検出されるローラー温度と加熱装置3出側の金属板温度には一定の関係がある。そこで、予め加熱装置3出側の金属板温度とローラー温度との関係を求めておく。
【0018】
加熱装置3で加熱された金属板1は、ラミネート部5に至る間に、放冷区間(加熱装置3とラミネート部5の間)で冷却されて温度降下し、同時に幅端部では中央部より温度降下量が大きいため、金属板幅方向で温度較差が生じる。
【0019】
放冷区間における温度降下量は、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度によって決まる。そこで、予め、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度と放冷区間における温度降下量との関係を求めておく。
【0020】
放冷区間における金属板幅方向の温度較差は、金属板厚さ、材質、幅、及び金属板搬送速度によって決まる。そこで、予め、金属板厚さ、材質、幅、及び金属板搬送速度と放冷区間における金属板幅方向の温度較差の関係を求めておく。
【0021】
また、誘導発熱ローラー4aについて、放冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差を補償するのに必要な分割配置した各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)を予め求めておく。
【0022】
また、ラミネート部5で樹脂フィルムを熱融着するのに必要な金属板温度(以下、ラミネート温度)は、樹脂フィルムの種類に基づいて決定される。
【0023】
上記各関係から、樹脂フィルムの種類とラミネート温度との関係、金属板厚さ、種類、金属板搬送速度と放冷区間における金属板の温度降下量との関係、及びローラー温度計28で検出されるローラー温度と加熱装置3出側の金属板温度との関係に基づいて、ラミネート部5においてラミネート温度を確保するのに必要な誘導発熱ローラー4aのローラー設定温度が決定される。この関係(以下、ローラー設定温度基準)は、ロール温度制御装置25に保有されている。
【0024】
図3は、ローラー温度制御装置25に保有されているローラー設定温度を決定するテーブルの一例であり、金属板の種類毎に、樹脂フィルムの種類(ラミネート温度)、金属板厚さ、金属板搬送速度に対応するローラー設定温度が設定されている。
【0025】
また、金属板厚さ、材質、金属板搬送速度と放冷区間における金属板幅方向の温度較差の関係、放冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差を補償するのに必要な誘導発熱ローラー4aの分割配置した各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)の関係に基づいて、金属板幅方向の温度較差を補償するのに必要な誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)が金属板幅を考慮して決定される。この関係(以下、幅方向の出力比設定基準)は、比率設定器24に保有されている。
【0026】
図4は、比率設定器24に保有されている誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)を決定するテーブルの一例であり、金属板1の種類毎に、樹脂フィルムの種類、金属板厚さ、金属板幅、金属板搬送速度に対応する各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)が設定されている。
【0027】
比率設定器24では、上位計算機から送られてきた金属板の幅、材質、金属板搬送速度の情報及び前記幅方向の出力比設定基準(例えば図4)に基づいて、誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)が決定され、決定された各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)はローラー温度制御装置25に送られる。
【0028】
ローラー温度制御装置25では、上位計算機から送られてきた金属板1の厚さ、幅、材質、金属板走行速度、樹脂フィルム種類の情報及び前記ローラー設定温度基準(例えば図3)に基づいて、ラミネート部5における金属板1の温度を所定のラミネート温度にするのに必要な誘導発熱ローラー4aのローラー設定温度を決定し、決定したローラー設定温度に基づいて、加熱装置3に配設されている各々の誘導発熱ローラー装置4および4aに割付ける出力(以下、ローラー割付出力)を決定する。更に、比率設定器24から送られてきた誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)に基づいて、誘導発熱ローラー装置4aの各誘導コイルC1〜Cnの出力を決定する。
【0029】
次いで、ローラー温度制御装置25は、前記で決定した各誘導発熱ローラー4の出力を各々の電力制御装置8に指令する。電力制御装置8は、各誘導発熱ローラ4に内蔵されている誘導コイルに指令された出力をする。同時に、ローラー温度制御装置25は、前記で決定した誘導発熱ローラー4aの各誘導コイルC1〜Cnの幅方向出力を、各誘導コイルC1〜Cnの電力制御装置D1〜Dnに指令して、各誘導コイルC1〜Cnに指令の出力をする。
【0030】
ローラー温度制御装置25は、ローラー温度計28で検出したローラー温度と保有しているローラー設定温度基準とを比較し、その偏差がある場合、偏差をなくするように、各誘導発熱ローラー4および誘導発熱ローラー4aの各出力を修正(再決定)し、誘導発熱ローラー装置4aについては、各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)に基づいて、各誘導コイルC1〜Cnの出力を修正(再決定)する。再決定した出力を各誘導発熱ローラー4の電力制御装置8及び誘導発熱ローラー4aの電力制御装置D1〜Dnに指令し、各誘導コイルに所要の出力をする。
【0031】
誘導発熱ローラー装置4aのローラー幅方向に分割配置する誘導コイルC1〜Cnの幅は、放冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差を補償する観点からはなるべく狭くすることが有利である。しかし、分割配置する誘導コイルC1〜Cnの幅を狭くすると設備コストの上昇を招く。本発明者らの知見によると、放冷区間で発生する金属板幅方向の温度較差は、金属板端部側約270mm以内の領域で大きく、この領域の温度較差を低減するには、分割配置する誘導コイルC1〜Cnの幅を300mm以下が好ましく、200mm以下にすることがより好ましいことが分かった。設備コストの上昇を抑えながら、放冷区間における温度較差を低減するには、分割配置する誘導コイルC1〜Cnの幅は100〜300mmにすることが好ましく、100〜200mmにすることがより好ましい。
【0032】
ローラー幅方向に分割配置した誘導コイルC1〜Cnの最大出力比(中央側誘導コイルの出力に対する金属板端部側に位置する誘導コイルの最大出力の割合)が150%を超えると金属板幅方向の温度較差が大きくなり、金属板絞り(座屈現象)が発生しやすくなるので、最大出力比は150%以下にすることが好ましい。
【0033】
本装置では、外筒26の肉厚内部に周方向適宜の間隔で軸方向に延び内部に気液2相の熱媒体が減圧封入された複数のジャケット室27を備えるので、ローラー21の誘導電流による発熱は、気液2相の熱媒体を気化、蒸発させ、発生した蒸気は、ジャケット室27内を適宜に移動し低温状態にあるジャケット室27の内壁に触れて凝縮する。そのとき潜熱を放出してその部分の温度を上昇させる。また、凝縮した熱媒体は再び液相部に戻り、以下これを繰り返すことにより、ローラー21の表面温度が局部的に不均一になることが防止される。
【0034】
本装置では、加熱装置3で、各誘導発熱ローラー4及び誘導発熱ローラー4aを用いて金属板1が前記のようにして加熱され、ラミネート部5で一対のラミネートロール6,6を用いて樹脂フィルム2,2が圧着され、熱融着されるので、ラミネート部5での金属板温度を配向結晶性樹脂フィルムのラミネートに最適な温度に近づけることができ、また、ラミネート部5での金属板幅方向温度分布を均一にできる。その結果、ラミネート帯状体の品質を安定化でき、高品質のラミネート金属板の製造が可能になる。
【0035】
放冷区間で発生する金属板幅方向の温度格差を予め補償するための誘導発熱ローラー装置は、図1の装置のように、加熱装置3の出側寄りの位置に1基または複数基配設するのが最も有効で、設備コストを最小に抑えることが出来る。また誘導発熱ローラー装置とラミネート部の間の放冷区間に、必要に応じて温度分布を強制的に微調整するために金属板幅方向端部に誘導加熱ヒーター等の補助手段(図1の符号31)を併設することも可能である。例えば、誘導発熱ローラー4aの端部側誘導コイルの出力比を最大にしても鋼板端部の温度ムラを所要値以下にできない場合、金属板幅方向端部に誘導加熱ヒーター(エッジヒーター)31を設けて鋼板端部を補助加熱して温度ムラを小さくすることもできる。この場合、補助手段は一定出力にするのがよい。
【0036】
本発明は、鋼板、アルミニウム板等の薄金属帯に配向結晶性樹脂フィルムをラミネートするラミネート金属板の製造方法として好適である
【0037】
【実施例】
(実施例1)
図1、図2に示した金属板のラミネート装置を用いて、ライン速度150mpmで、厚さ0.18mm×幅1048mmの低炭素鋼板に厚さ25μmのPET樹脂フィルムをラミネートした。なお、放冷区間の長さは5050mmであり、4基の誘導発熱ローラー4と1基の誘導発熱ローラー装置4aが配設され、誘導発熱ローラー装置4aの誘導コイルは、ピッチ200mmで幅方向に6個(C1〜C6)配設されており、幅方向の最大出力比は1.50(150%)である。加熱装置3で鋼板を加熱するに際して、誘導発熱ローラー装置4aの誘導コイルC1〜C6の幅方向出力を一定(比較例)、または変更(発明例)して加熱し、エッジヒーター31は使用しなかった。誘導発熱ローラー装置4aの幅方向出力の変更は、鋼板端部が位置する誘導コイルC1,C6の出力をアップした。
【0038】
前記で得たラミネート金属板のフィルムの結晶配向性をX線回折装置で測定した。また予め求めておいた樹脂フィルム温度と配向との関係から測定結果を温度に換算した。誘導発熱ローラー装置4aの加熱条件及び測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003758441
【0040】
本発明例は比較例に比べて、何れも幅方向温度ムラ(温度較差)が大幅に低減されており、鋼板端部が位置する部分の誘導コイルの出力比を最大値(150%)にした方がより優れる。
【0041】
(実施例2)
実施例1と同様の装置を用い、実施例1と同様にしてライン速度150mpmで、厚さ0.18mm×幅1048mmの低炭素鋼板を加熱装置3で加熱し、更にエッジヒーター31(定格20Aの誘導加熱装置)で鋼板端部を加熱し、厚さ25μmのPET樹脂フィルムをラミネートした。従来例では、誘導発熱ローラー4aの誘導コイルの幅方向の出力を一定とし、エッジヒータ出力を最大の20Aにして鋼板端部を加熱した。発明例では、誘導発熱ローラー4aの端部側誘導コイルの出力比を最大値(150%)にして加熱し、更にエッジヒーター31の出力を12Aに低下して鋼板端部を補助加熱した。
【0042】
前記で得たラミネート金属板について、実施例1と同様にして、フィルムの配向を測定し、さらに測定結果を温度に換算した。誘導発熱ローラー装置4aの加熱条件及び測定結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003758441
【0044】
本発明例では、幅方向温度ムラ(温度較差)が大幅に低減されている。一方、従来例では、本発明例に比べて幅方向温度ムラが大きいだけでなく、エッジ部近傍での局部的な温度上昇が大きく、鋼板幅方向の温度を均一化するという観点からは問題がある。
【0045】
本実施例に見られるように、誘導発熱ローラー4aの端部側誘導コイルの出力比を最大値(150%)にしても鋼板端部の温度ムラを小さくできない場合、エッジヒーター31を設けて鋼板端部を補助加熱するとよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、加熱装置とラミネート部間で生じる薄金属帯端部の冷却によるラミネート部での幅方向の温度ムラの発生を防止でき、ラミネート帯状体の品質を安定化でき、高品質のラミネート金属板の製造が可能になる。
【0047】
本発明は、鋼板、アルミニウム板等の薄金属帯に配向結晶性樹脂フィルムをラミネートするラミネート金属板の製造方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に使用する誘導発熱ローラー装置を備える金属板のラミネート装置の要部を示す図。
【図2】 本発明の実施に使用する誘導発熱ローラー装置の要部を示す図。
【図3】ローラー温度制御装置に保有されているローラー設定温度を決定するテーブルの一例を示す図。
【図4】比率設定器に保有されている誘導発熱ローラー装置の分割配置された各誘導コイルC1〜Cnの出力分布(幅方向の出力比)を決定するテーブルの一例を示す図。
【図5】典型的な金属板のラミネート装置の要部を示す図。
【図6】加熱装置とラミネートロール部間に金属板の温度を調整する手段を備えるラミネート装置の要部を示す図。
【符号の説明】
1 金属板(帯状体)
2 結晶配向性熱可塑樹脂フィルム(樹脂フィルム)
3 加熱装置(加熱部)
4,4a 加熱ロール(誘導発熱ローラー装置)
5 ラミネート部
6 ラミネートロール
7 計算機
8 電力制御装置
11 金属板幅方向温度制御手段
12 温度検出手段
13 演算装置
21 誘導発熱ローラー
22 電力制御装置
23 計算機
24 比率設定器
25 ローラー温度制御装置
26 外筒
27 ジャケット室
28 ローラー温度計
31 加熱の補助手段(エッジヒーター)
C1〜Cn 誘導コイル
D1〜Dn 電力制御装置

Claims (1)

  1. ラミネート装置の上流側に配設した加熱装置で、金属板を樹脂フィルムが接着可能な温度まで加熱した後、ラミネート装置で金属板に樹脂フィルムをラミネートするにあたり、加熱装置として、回転駆動されるローラーの内部に、前記ローラーを誘導発熱させる誘導コイルをローラー幅方向に複数個に分割して設けた誘導発熱ローラー装置を用いて、予め金属板の板厚、幅、材質及び金属板搬送速度と、加熱装置とラミネート装置のラミネート部間で金属板が放冷されることによって発生するラミネート部における金属板幅方向の温度格差の関係を求めておき、前記で求めた関係に基づいて加熱装置とラミネート装置のラミネート部間で金属板が放冷されることによって発生するラミネート部における金属板幅方向の温度格差を補償するのに必要なローラー幅方向の誘導コイルの出力分布を金属板端部側270mm以内の板端付近の誘導コイルを中央の誘導コイルより最大出力比(中央の誘導コイルの出力に対する金属板端部側270mm以内の板端付近の誘導コイルの最大出力の割合)150%以下で強く発熱させるように決定し、前記で決定した出力分布に基いて各誘導コイルを出力して金属板を加熱し、加熱装置とラミネート装置のラミネート部間で金属板が放冷されることによって発生するラミネート部における金属板幅方向の温度格差を予め補償することを特徴とするラミネート金属板の製造方法。
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