JP2001185078A - 低圧放電ランプおよびその製造方法 - Google Patents

低圧放電ランプおよびその製造方法

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JP2001185078A
JP2001185078A JP36467299A JP36467299A JP2001185078A JP 2001185078 A JP2001185078 A JP 2001185078A JP 36467299 A JP36467299 A JP 36467299A JP 36467299 A JP36467299 A JP 36467299A JP 2001185078 A JP2001185078 A JP 2001185078A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エミッタの膜厚が均一になるように被着し、
電極からのエミッタの剥離、脱落を抑制し、エミッタ効
果を長時間持続させる。 【解決手段】 バルブ1と、このバルブ1の両端部に取
り付けられた電極2とを備えている。電極2は、内面に
エミッタ5が被着されたスリーブ6を有している。この
スリーブ6には、貫通孔8が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶パネルのバック
ライト、一般照明用光源、紫外線光源等に用いられる低
圧放電ランプおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような従来の低圧放電ランプ、例え
ば冷陰極蛍光ランプには、点灯中、イオン衝撃によって
エミッタの飛散を防止するために、エミッタをホロー状
電極の内面に被着されたものが知られている(特開昭6
4−33844号公報)。
【0003】エミッタには、通常、バリウム、ストロン
チウム、カルシウム等の混合炭酸塩を加熱分解して活性
化し、混合酸化物としたものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
冷陰極蛍光ランプでは、ホロー状電極の開口径が数mm
しかないので、例えばエミッタ材料を電極内に注入し
て、その内面にエミッタ材料を塗布すると、表面張力の
影響により塗布後のエミッタの膜厚が不均一(最大膜厚
が平均膜厚の5倍以上)になる。そして、このエミッタ
の膜厚の不均一と、炭酸塩から酸化物への加熱分解(活
性化)時のエミッタの熱収縮とにより、エミッタのうち
膜厚の厚い部分が電極から剥離し、その剥離したエミッ
タがランプの搬送時の振動等によって電極から脱落し
て、数千時間点灯経過後に、陰極降下電圧を低下させる
というエミッタ効果の消失が生じてしまうという問題が
あった。
【0005】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、エミッタの膜厚が均一になるように
被着し、電極からのエミッタの剥離、脱落を抑制し、エ
ミッタ効果を長時間持続させることのできる低圧放電ラ
ンプおよびその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の低電圧放電ラン
プは、バルブの両端部に、内面にエミッタが被着された
スリーブを有する電極が取り付けられ、前記スリーブに
は貫通孔が設けられている構成を有している。
【0007】この構成により、毛細管現象を利用してエ
ミッタ材料をスリーブ内へ吸い上げて塗布することがで
きるので、スリーブ内面へのエミッタの被着を容易に行
うことができるとともに、スリーブ内面にエミッタをそ
の膜厚が均一になるように被着させることができ、その
結果、炭酸塩から酸化物への加熱分解(活性化)時に、
エミッタが熱収縮してもエミッタの剥離、脱落が起こる
のを抑制することができる。
【0008】また、本発明の低圧放電ランプの製造方法
は、バルブの両端部に、内面にエミッタが被着されたス
リーブを有する電極が取り付けられ、前記スリーブには
貫通孔が設けられている低圧放電ランプの製造方法であ
って、前記スリーブの開口側の先端をエミッタ材料液に
浸けて、前記スリーブ内に前記エミッタ材料液を吸い上
げると同時に、前記貫通孔から前記スリーブ内の気体を
抜く方法を用いている。
【0009】この構成により、スリーブ内面へのエミッ
タの被着を容易に行うことができるとともに、スリーブ
内面にエミッタをその膜厚が均一になるように被着させ
ることができ、その結果、炭酸塩から酸化物への加熱分
解(活性化)時に、エミッタが熱収縮してもエミッタの
剥離、脱落が起こるのを抑制することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
【0011】本発明の第1の実施の形態である冷陰極蛍
光ランプは、図1に示すように、例えばホウケイ酸ガラ
スからなるバルブ1と、このバルブ1の両端部に取り付
けられた電極2とを備えている。なお、冷陰極蛍光ラン
プの両端部は、同一構造であるので一端部のみを図示し
て説明する。
【0012】バルブ1は、全長が90mm、外径が1.
8mm、内径が1.4mmである。
【0013】このバルブ1の端部は、ガラスビード3に
よって封止されている。
【0014】バルブ1の内面には、蛍光体4が塗布され
ている。この蛍光体4は、例えば、(Y,Eu)23
(La,Ce,Tb)PO4、(Ba,Eu)MgAl
101 7の三波長型蛍光体からなる。
【0015】また、バルブ1内には、所定量の水銀とと
もに、ネオンとアルゴンとの混合ガスが11kPa封入
されている。
【0016】電極2は、内面と外面の一部とにエミッタ
5が被着された有底の円筒状スリーブ6と、このスリー
ブ6の底部に例えば抵抗溶接によって一体化された内部
リード線7とを有している。他端部の電極2(図示せ
ず)との電極間距離は80mmである。
【0017】エミッタ5には、アルカリ土類金属(マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)、
アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属(リチウム、
ナトリウム、カリウム、セシウム)、アルカリ金属の酸
化物、電子放射性物質(ランタン、イットリウム、ラン
タンバリウム(LaB6)、炭素)、またはこの電子放
射性物質の酸化物のうち少なくとも一種を主成分とする
ものを用いた。
【0018】スリーブ6は、外径が1.0mm、内径が
0.8mm、長さが3.0mmであり、エミッタ5の活
性温度(例えば1100℃)以上の耐熱性を有する金
属、例えばニッケル、ステンレス、コバルト、鉄、また
はニッケル合金等からなる。ただし、活性化の必要がな
いエミッタ(アルミン酸バリウム、セシウム化合物等)
を用いる場合は、通常の製造工程中の排気行程での排気
温度(例えば500℃)以上の耐熱性を有する金属であ
ればよい。
【0019】スリーブ6の開口端から2.7mmの位置
の側壁には、直径0.2mmの貫通孔8が1つ設けられ
ている。このように貫通孔8を底部近傍に設けることに
より、後述する吸い上げ塗布の場合では、エミッタの塗
布(被着)量を多くすることができるので、後述するエ
ミッタ効果をより長時間持続させることができる。
【0020】内部リード線7は、外径が0.6mmであ
り、タングステン等からなる。また、この内部リード線
7は、ガラスビード3を貫通してバルブ1の外方に導出
され、外径0.4mmのニッケルからなる外部リード線
9に接続されている。
【0021】次に、このような冷陰極蛍光ランプの製造
方法について説明する。
【0022】あらかじめ内部リード線7と、側壁に貫通
孔8を設けた有底の円筒状スリーブ6とを一体化してお
く。
【0023】そして、このスリーブ6の開口側の先端を
比重1.2のエミッタ材料液(図示せず)に浸け、毛細
管現象によってスリーブ6の内面にエミッタ材料液をス
リーブ6の開口部から浸透させる。この浸透時、スリー
ブ6内の空気は貫通孔8から抜け出る。
【0024】このようにして、スリーブ6の内面にエミ
ッタ材料(図示せず)を塗布する(以下、吸い上げ塗布
という)。
【0025】エミッタ材料液には、酢酸ブチル液とニト
ルセルロースの調合液20lに、例えば炭酸バリウム
(BaCO3)と炭酸ストロンチウム(SrCO3)との
粉末をモル比BaCo3:SrCO3=2:1となるよう
にそれぞれ混合した混合粉末を10kg調合した混合炭
酸塩サスペンジョンを用いた。
【0026】次に、スリーブ6をエミッタ材料液から引
き上げ、空気中で自然乾燥させた後、スリーブ6の外面
に付着したエミッタ材料の一部を布で拭き取る。ただ
し、スリーブ6の内面全体には、エミッタ材料が塗布さ
れており、また貫通孔8内にもエミッタ材料液が浸透
し、貫通孔8はエミッタ材料で塞がれた状態にある。
【0027】この塗布したエミッタ材料をアルゴン雰囲
気の還元炉内(内部温度:約1100℃)に入れ、エミ
ッタ材料を加熱分解して活性化する。
【0028】このようにして、電極2のスリーブ6にエ
ミッタ5を被着する。その後、この電極2を用い、通常
の製造方法によって冷陰極蛍光ランプ(以下、本発明品
Aという)を製造する。
【0029】次に、本発明品Aを用い、陰極降下電圧を
低下させるというエミッタ効果についての検討を行っ
た。
【0030】そこで、まず本発明品Aについて、振動テ
ストを行い、電極2からのエミッタ5の脱落率(%)を
調べた。
【0031】ここでいう脱落率とは、バルブ1内を目視
によって観察し、バルブ1内に0.25mm3以上の脱
落したエミッタ5片が1つでも存在すれば「不良品」と
し、全サンプル数に対する「不良品」数の割合を示すこ
ととする。
【0032】振動テストは、ランプに対して、周波数が
10Hz〜20Hz、かつ振幅が2mmの振動と、周波
数22Hz〜500Hz、かつ加速度が14.7m/s
2の振動との2つの振動をX方向、Y方向、Z方向に各
30分間ずつ印加して行った。
【0033】なお、比較のために、貫通孔のない点を除
いて本発明品Aと同じ構成を有する冷陰極蛍光ランプ
(以下、比較品Aという)についても、本発明品Aと同
じ振動テストを行い、電極からのエミッタの脱落率
(%)を調べた。
【0034】本発明品Aおよび比較品Aのサンプル数
は、各々1000本ずつである。
【0035】また、本発明品Aおよび比較品Aには、ニ
ッケル(ビッカース硬度180)からなるスリーブを用
いた。
【0036】上記振動テストの結果、本発明品Aでは、
エミッタ5の脱落率が0%であった。一方、比較品Aで
は、エミッタの脱落率が30%であった。
【0037】このような結果となったのは、本発明品A
の場合、比較品Aに比して、スリーブ6の内面に被着さ
れたエミッタ5の膜厚が均一であるため、炭酸塩から酸
化物への活性化時にエミッタ5が熱収縮してもエミッタ
5に剥離が生じないためであると考えられる。
【0038】また、上記振動テスト後の本発明品Aと、
比較品Aとにおいて、エミッタ効果の確認を行った。
【0039】本発明品Aと、比較品Aとにおいて、周囲
温度25℃、無風の条件下で高周波点灯回路(図示せ
ず)を用いて各々点灯(ランプ電流5mA、点灯周波数
60kHz)させ、ランプ電圧(Vrms)の経時変化
を調べたところ、図2に示すとおりの結果が得られた。
なお、本発明品Aの結果を記号イで、比較品Aの結果を
記号ロでそれぞれ示した。
【0040】図2から明らかなように、本発明品Aで
は、ランプ電圧が点灯初期から10000時間点灯経過
後までほぼ一定、つまり220Vrms(実効値)を維
持した。一方、比較品Aでは、ランプ電圧が徐々に上昇
し、5000時間点灯経過後にはランプ電圧が280V
rmsに上昇した。これは、比較品Aではエミッタの脱
落が生じたためエミッタ効果が消失し、本発明品Aでは
エミッタ5の脱落が生じなかったため、エミッタ効果を
長時間持続することができたものである。
【0041】以上のように本発明の第1の実施の形態に
かかる冷陰極蛍光ランプの構成によれば、スリーブ6内
面へのエミッタ材料の塗布を吸い上げ塗布によって行う
ことができるので、スリーブ6の内面にエミッタ5をそ
の膜厚が均一になるように被着することができ、エミッ
タ5の活性化時にエミッタ5の熱収縮によってエミッタ
5が電極2(スリーブ6)から剥離、脱落するのを抑制
することができる。その結果、エミッタ効果を長時間持
続させることができる。また、スリーブ6内面へのエミ
ッタ材料の塗布を吸い上げ塗布が可能となった結果、ス
リーブ6内面へのエミッタ5の被着を容易に行うことが
できる。
【0042】ところで、上記した貫通孔8の面積は0.
01mm2以上0.25mm2以下であることが好まし
い。以下、その理由について説明する。
【0043】貫通孔8の面積を0.005mm2以上
0.4mm2以下の範囲で種々変化させた点を除いて本
発明品Aと同じ構成を有する冷陰極蛍光ランプを作製
し、各作製したランプを上記と同じ条件で振動テストを
行い、電極2からのエミッタ5の脱落率、および吸い上
げ塗布成功率を調べたところ、表1に示すとおりの結果
が得られた。
【0044】なお、サンプル数は、各1000本ずつで
ある。
【0045】また、ここでいう吸い上げ塗布成功率と
は、全サンプル数に対する、スリーブ内にエミッタ材料
を吸い上げることが不可能または極めて困難であるサン
プル数の割合を示すこととする。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、貫通孔8の面積が0.
25mm2以下では、エミッタ5の脱落率が0%であっ
た。一方、貫通孔の面積が0.25mm2を越える場
合、例えば0.30mm2ではエミッタの脱落率が10
%、0.40mm2では脱落率が20%であった。これ
は、貫通孔の面積が0.25mm2を越える場合、エミ
ッタのうち貫通孔内に入った部分がエミッタの膜厚の厚
い部分となり、その部分が炭酸塩から酸化塩への活性化
時に脱落しやすいためであると考えられる。
【0048】また、貫通孔8の面積が0.01mm2
上では、吸い上げ塗布成功率が100%であった。一
方、貫通孔の面積が0.01mm2未満では、例えば
0.007mm2では吸い上げ塗布成功率が90%、
0.005mm2では吸い上げ塗布成功率が80%であ
った。これは、貫通孔の面積が0.01mm2未満の場
合、吸い上げ塗布時、貫通孔からの空気の抜けが悪くな
り、エミッタ材料液をスムーズに吸い上げることができ
ないためであると考えられる。
【0049】したがって、貫通孔8の面積を0.01m
2以上0.25mm2以下に規定することにより、貫通
孔8が空気の抜け穴として十分に機能して、スリーブ6
内へのエミッタ材料液の吸い上げをスムーズに行うこと
ができ、またエミッタ5のうち貫通孔8内に入っている
部分の脱落を抑制することができる。
【0050】なお、上記実施の形態では、貫通孔8をス
リーブ6の側壁の底部側近傍に設けた場合について説明
したが、例えば貫通孔8を内部リード線との接続部を除
くスリーブの底部に設けてもよい。
【0051】次に、本発明の第2の実施の形態である冷
陰極蛍光ランプ(以下、本発明品Bという)は、図3に
示すように、一端部が絞り込まれた無底の円筒状スリー
ブ10と、内部リード線7とが一体化されている電極1
1がバルブ1の両端部に取り付けられている点を除いて
本発明の第1の実施の形態である冷陰極蛍光ランプと同
じ構成を有している。なお、冷陰極蛍光ランプの両端部
は、同一構造であるので一端部のみを図示して説明す
る。
【0052】スリーブ10は、最大外径が1.1mm、
最大内径が0.9mm、全長が3mmであり、一端部の
絞り込まれた部分の内径が内部リード線7の外径とほぼ
同じ0.6mmであり、その長さが1mmである。
【0053】外径が0.6mmのタングステン等からな
る内部リード線7の一部がこのスリーブ10の絞り込ま
れた部分に挿入され、その絞り込まれた部分が圧着され
ることにより、内部リード線7とスリーブ10とが一体
化される。
【0054】この一体化の際、内部リード線7とスリー
ブ10との間には、隙間がないように圧着されている。
したがって、内部リード線7の端面が本発明品Aに用い
たスリーブ6の底面に相当するので、本実施の形態であ
る冷陰極蛍光ランプに用いた電極11は、上記第1の実
施の形態である冷陰極蛍光ランプに用いた電極2とほぼ
同等の外形形状からなると言える。
【0055】スリーブ10の開口端から1.7mmの位
置の側壁には、直径0.2mmの貫通孔8が1つ設けら
れている。
【0056】以上のような本発明の第2の実施の形態に
かかる冷陰極蛍光ランプにおいても、上記本発明の第1
の実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプと同様に、スリ
ーブ10内面へのエミッタ5の塗布を吸い上げ塗布によ
って行うことができるので、スリーブ10の内面にエミ
ッタ5をその膜厚が均一になるように被着することがで
き、エミッタ5の活性化時のエミッタ5の熱収縮によっ
てエミッタ5が電極11(スリーブ10)から剥離、脱
落するのを抑制することができる。その結果、エミッタ
効果を長時間持続させることができる。
【0057】次に、本発明の第3の実施の形態である冷
陰極蛍光ランプ(以下、本発明品Cという)は、ビッカ
ース硬度160以下のニッケルからなるスリーブを有す
る電極(図示せず)がバルブ(図示せず)の両端部に取
り付けられている点を除いて本発明の第1の実施の形態
である冷陰極蛍光ランプと同じ構成を有している。
【0058】スリーブのビッカース硬度は、約800度
の希ガス雰囲気中または真空中で、5分間のアニールを
施すことにより、すなわち焼きなましをすることにより
低下させた。上記条件の場合、スリーブのビッカース硬
度は、150になる。
【0059】ここで、本発明品Cについて、暗所での始
動性についての検討を行った。
【0060】なお、暗所とは、周囲照度が0.1ルック
ス以下の空間とする。
【0061】上記検討を行うにあたって、電極からのエ
ミッタの剥離率(%)、および始動確率(%)を調べ
た。
【0062】なお、ここでいう剥離率とは、スリーブの
内面に被着したエミッタを顕微鏡等によって観察し、エ
ミッタが電極から0.1mm以上剥離していたものを
「不良品」として、全サンプル数に対する「不良品」数
の割合を示すこととする。
【0063】また、ここでいう始動確率とは、全サンプ
ル数に対する始動したランプ数の割合を示すこととす
る。
【0064】まず、スリーブのビッカース硬度が150
である本発明品Cと、焼きなましを行っていないニッケ
ル(ビッカース硬度180)からなるスリーブを用いた
点を除いて本発明品Cと同じ構成を有している冷陰極蛍
光ランプ(以下、比較品Bという)とを各々1000本
ずつ製作し、各々の電極からのエミッタの剥離率を調べ
た。
【0065】その結果、本発明品Cでは、エミッタの剥
離率が0%であった。一方、比較品Bでは、剥離率が3
0%であった。これは、比較品Bの場合、スリーブ材料
として用いたニッケルに歪みが存在し、たとえスリーブ
の内面にエミッタをその膜厚が均一になるように被着さ
れているとしても、この歪みによって炭酸塩から酸化塩
への活性化時に、被着されたエミッタに亀裂等が生じて
剥離してしまうためであると考えられる。これに対し
て、本発明品Cの場合、スリーブを焼きなましすること
により、その歪みが減少し、つまりビッカース硬度が低
下して、エミッタの剥離を抑制することができる。
【0066】次に、本発明品C(エミッタの剥離率0
%)と、比較品B(エミッタの剥離率30%)とにおい
て、点灯回路(図示せず)の出力電圧および出力時間を
種々変化さて暗所で始動したところ、その始動確率は表
2に示すとおりの結果となった。
【0067】
【表2】
【0068】表2に示すように、本発明品Cでは、出力
電圧が1000Vrms、かつ出力時間が2000ms
ecの場合、出力電圧が1000Vrms、かつ出力時
間が500msecの場合、および出力電圧が700V
rms、かつ出力時間が500msecの場合のいずれ
の場合においても、暗所での始動確率が100%であっ
た。
【0069】一方、比較品Bでは、出力電圧が1000
Vrms、かつ出力時間が2000msecの場合、暗
所での始動確率が100%であったものの、出力電圧が
1000Vrms、かつ出力時間が500msecの場
合、暗所での始動確率が90%、また出力電圧が700
Vrms、かつ出力時間が500msecの場合、暗所
での始動確率が70%であった。
【0070】したがって、本発明品Cでは、比較品Bに
比して、出力時間が短くても、確実に始動することがで
きる、すなわち暗所での始動性に優れていることが確認
された。これは、本発明品Cの場合、剥離率が0%であ
るために、剥離率が30%である実施例1に比して、電
子放射効率が高いためであると考えられる。
【0071】以上のような本発明の第3の実施の形態に
かかる冷陰極蛍光ランプの構成によれば、上記本発明の
第1の実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプの効果に加
えて、電極からのエミッタの剥離を抑制することができ
るので、エミッタの光電効果を十分に発揮させることが
でき、わずかな光の照射で、放電を開始させるのに十分
な電子が電極から放射され、暗所での始動性を向上させ
ることができる。
【0072】なお、上記第3の実施の形態では、ニッケ
ルからなるスリーブを用いた場合について説明したが、
ニッケル合金からなるスリーブを用いた場合でも上記と
同様の効果を得ることができる。
【0073】次に、本発明の第4の実施の形態である冷
陰極蛍光ランプ(以下、本発明品Dという)は、内面に
ダイヤモンドからなるエミッタが被着されたスリーブを
有する電極(図示せず)がバルブ(図示せず)の両端部
に取り付けられている点を除いて本発明の第1の実施の
形態である冷陰極蛍光ランプと同じ構成を有している。
【0074】本発明品Dでは、上記第1の実施の形態で
ある冷陰極蛍光ランプと同様の製造方法によって製造さ
れ、エミッタ材料液としては粒子径が数nmのダイヤモ
ンド微粒子粉を酢酸ブチル溶液に融解したものを用い
た。
【0075】エミッタの膜厚は、6μm〜12μmであ
る。
【0076】次に、本発明品Dについて、点灯にともな
うエミッタの残存量についての検討を行った。
【0077】本発明品Dを、周囲温度25℃、無風の条
件下で高周波点灯回路を用いて点灯(ランプ電流10m
A、点灯周波数100kHz)させ、1000時間点灯
経過後のエミッタの残存量を調べたところ、次のとおり
の結果が得られた。
【0078】比較のために、酸化バリウムと酸化ストロ
ンチウムとの混合体からなるエミッタがスリーブの内面
に被着された点を除いて本発明の第1の実施の形態であ
る冷陰極蛍光ランプと同じ構成を有している冷陰極蛍光
ランプ(以下、比較品Cという)についても、本発明品
Dの場合と同条件で1000時間点灯経過後のエミッタ
の残存量を調べた。
【0079】なお、ここでいうエミッタの残存量とは、
バルブの内面に付着したエミッタ量と、1000時間点
灯経過後にスリーブに被着していたエミッタ量との和に
対する1000時間点灯経過後にスリーブに被着してい
たエミッタ量の割合を示すこととする。
【0080】その結果、本発明品Dでは、1000時間
点灯経過後のエミッタの残存量が97%であった。一
方、比較品Cでは、1000時間点灯経過後のエミッタ
の残存量が85%であった。これは、本発明品Dに用い
たダイヤモンドからなるエミッタが、比較品Cに用いた
エミッタに比して、点灯時のイオン衝撃によるスパッタ
が起こりにくいためであると考えられる。
【0081】以上のような本発明の第4の実施の形態に
かかる冷陰極蛍光ランプの構成によれば、点灯時のイオ
ン衝撃によってエミッタがスパッタされるのを抑制する
ことができるので、エミッタ効果をより長時間持続させ
ることができる。
【0082】なお、上記各実施の形態では、貫通孔8を
1つ設けた場合について説明したが、貫通孔8を2つ以
上の複数個を設けても上記と同様の効果を得ることがで
きる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、スリー
ブ内面へのエミッタの被着を容易に行うことができると
ともに、スリーブの内面にエミッタをその膜厚が均一に
なるように被着することができるので、エミッタの活性
化時にエミッタの熱収縮によってエミッタが電極から剥
離、脱落するのを抑制することができ、その結果、エミ
ッタ効果を長時間持続させることができる低圧放電ラン
プおよびその製造方法を提供することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である冷陰極蛍光ラ
ンプの一端部を示す正面断面図
【図2】点灯経過時間とランプ電圧との関係を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態である冷陰極蛍光ラ
ンプの一端部を示す正面断面図
【符号の説明】
1 バルブ 2,11 電極 5 エミッタ 6,10 スリーブ 8 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 年宏 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 Fターム(参考) 5C015 EE07 EE08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブの両端部に、内面にエミッタが被
    着されたスリーブを有する電極が取り付けられ、前記ス
    リーブには貫通孔が設けられていることを特徴とする低
    圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔は、前記スリーブの底部近傍
    の側壁に設けられていることを特徴とする請求項1記載
    の低圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔の面積は、0.01mm2
    上0.25mm2以下であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の低圧放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記スリーブは、ビッカース硬度が16
    0以下のニッケルまたはニッケル合金からなることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の低
    圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記エミッタはダイヤモンドからなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の低圧放電ランプ。
  6. 【請求項6】 バルブの両端部に、内面にエミッタが被
    着されたスリーブを有する電極が取り付けられ、前記ス
    リーブには貫通孔が設けられている低圧放電ランプの製
    造方法であって、前記スリーブの開口側の先端をエミッ
    タ材料液に浸けて、前記スリーブ内に前記エミッタ材料
    液を吸い上げると同時に、前記貫通孔から前記スリーブ
    内の気体を抜くことを特徴とする低圧放電ランプの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 毛細管現象によって前記スリーブ内に前
    記エミッタ材料液を吸い上げることを特徴とする請求項
    6記載の低圧放電ランプの製造方法。
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