JP2001182910A - 低ＮＯｘバーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中央の淡炎孔と両側の濃炎孔とを一体形成し
てユニット化した低ＮＯｘバーナにおいて、特に、両側
の濃炎孔へのガス量のバランスが崩れるのをなくして常
時バラツキのない濃燃焼が行いうるようにする。 【解決手段】 中央の淡炎孔１と両側の濃炎孔２、２と
を一体形成してユニット化したバーナユニットＡにおい
て、上記濃炎孔２、２に至る供給入口８、８から混合室
９、９、均圧室１０、１０までのガス通路１１、１１を
各別の独立した通路に区画し、各々のガス通路１１、１
１に各々のガスノズル２７、２７を設けて安定した濃燃
焼が行えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、主としてガス給
湯器の加熱源に使用されるガス燃焼機器用の低ＮＯｘバ
ーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】大気汚染の主な原因となっているＮＯｘ
（窒素酸化物）の削減対策については、環境保存の見地
からその対応が迫られており、ガス給湯器等のガス燃焼
機器についても例外ではない。そこで、ガス燃焼機器に
おいてＮＯｘ排出量を低減するには、排ガス自己再循環
法の応用によりバーナの燃焼速度を遅延させて燃焼炎の
温度を低下させる方法又は中央の淡炎孔で理論空燃比よ
り燃料の希薄な燃料空気混合気（以下単に淡ガスとい
う）を燃焼させて主炎を形成し、上記淡炎孔の両側の濃
炎孔では理論空燃比より燃料の濃い燃料空気混合気（以
下単に濃ガスという）を燃焼させて袖火を形成する方法
等があるが、特に、後者の低ＮＯｘバーナとしては、従
来、たとえば、特許第２６９０４４７号公報及び図８
（ロ）に示されているように、バーナユニット内で濃ガ
スを左右に分割して両側の濃炎孔に供給する構造のもの
がある。すなわち、上記従来の低ＮＯｘバーナは、濃炎
孔に連なる通路の途中において両側の濃炎孔に濃ガスを
分割する複数個の小穴を左右対称位置に穿って１つのノ
ズルから共通の通路内に供給される濃ガスを小穴によっ
て左右に分割する構造となっている（特許第２６９０４
４７号公報の図７、図８、図９及び図１１等とその要点
を概略図で示した図８（ロ）を参照）。なお、図８
（ロ）において、１′は淡炎孔、２′、２′は濃炎孔、
７′は淡ガス用通路、１１′、１１′は濃ガス用通路、
１２′、１２′は小穴、４′は淡ガス用通路の供給入
口、８′は濃ガス用通路の供給入口である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た構造の低ＮＯｘバーナでは、ノズルに対しバーナが傾
くなどして組み付け設置されたノズルとバーナとの予め
決められた位置関係に狂いがあると、分割ガス量のバラ
ンスが崩れるために左右の濃炎孔から噴出するガス量に
バラツキが生じ燃焼が不安定になるという問題点があっ
た。したがって、ノズルとバーナの位置関係に正確性が
要求されることから、製造及び組み付けにバラツキのな
い構造とする必要があり、また、その組み付け作業にも
多くの手間と高度の技術が必要であるために構造の複雑
化は勿論のこと、製造コストも著しく高くなるという問
題点があった。

【０００４】この発明の低ＮＯｘバーナは上記課題を解
決し、１ユニットで中央の淡炎孔と両側の濃炎孔とを一
体形成した低ＮＯｘバーナにおいて、両側の濃炎孔への
ガス通路を各別に区画し各々のガス通路には各々のノズ
ルを設けてガス供給のバラツキをなくすことにより、常
に低ＮＯｘの安定燃焼が得られ、併せて、構造の簡略化
と作業性の向上をも図った低ＮＯｘバーナの提供を目的
としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明の低ＮＯｘバーナが採用した手段の要旨とするとこ
ろは、叙上の特許請求の範囲の請求項１〜３に記載され
ているとおりである。

【０００６】上記構成を有するこの発明の請求項１記載
の低ＮＯｘバーナは、１ユニットで淡炎孔と該淡炎孔の
両側の濃炎孔とを一体形成してなる低ＮＯｘバーナにお
いて、上記淡炎孔と該淡炎孔の両側の濃炎孔とに至る供
給入口から混合室、均圧室までを各別の独立した通路に
区画して一体形成してユニット化したので、淡炎孔と該
淡炎孔の両側の濃炎孔にはガス量のバランスが崩れるこ
となく、常に予め設定された一定のガス量が供給されて
低ＮＯｘの安定燃焼が得られる。そして、ユニット化に
よる構造の簡略化と組み付け作業の簡易化をも実現でき
る。この結果、従来の低ＮＯｘバーナのようにガス量の
バランスが崩れることによる燃焼の不安定性は解消され
る。

【０００７】上記構成を有するこの発明の請求項２記載
の低ＮＯｘバーナは、上記１ユニットのバーナを取付枠
に一定の間隔を存して複数個並設するにあたり、各々の
バーナの両側の濃炎孔に至る通路の供給入口近くの区画
壁に取付枠に備えられた位置決め用の筒状バーリングが
嵌り込む切り込みを設けたので、組み付け時に切り込み
に筒状バーリングを嵌め込むだけで濃ガス側の供給入口
と後述するノズルとの位置関係が最適な状態に簡単に決
められる。この結果、組み付け作業が簡易なことで作業
性は著しく向上する。

【０００８】上記構成を有するこの発明の請求項３記載
の低ＮＯｘバーナは、上記複数個のバーナユニットの各
々の通路に対し各々のガスノズルが対設される各別のガ
スノズルを有するノズル台を備えたので、淡炎孔と該淡
炎孔の両側の濃炎孔に至る各々の通路に対応するノズル
が各別に独立して設置される。この結果、淡炎孔と濃炎
孔への各別の通路とこれらに対応する各別のノズルとは
所定の位置関係を保って簡易に組み付けうる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以上説明したこの発明の構成、作
用を一層明確にするために、以下この発明の低ＮＯｘバ
ーナの好適な実施の形態の一例について図面を参照して
詳細に説明する。

【００１０】図面において、Ａはバーナユニットで、図
３〜図６に例示されているように、上面に複数のスリッ
ト炎孔からなる淡炎孔１と、該淡炎孔１の両側には濃炎
孔２、２が環流域３、３を隔てて形成されており、上記
淡炎孔１には供給入口４からの淡ガスが混合室５、均圧
室６を経て供給されるガス通路７が連通され、また、両
側の濃炎孔２、２には供給入口８、８からの濃ガスが混
合室９、９、均圧室１０、１０を経て供給されるガス通
路１１、１１が連通されている。上記淡ガス用ガス通路
７と濃ガス用ガス通路１１、１１とは区画壁１２、１
２、１３で各別の独立したガス通路に区画形成されてい
る。

【００１１】上記構成のバーナユニットＡは、板金によ
るプレス成形及びスポット溶接等により作られた淡バー
ナユニットＡ_１の両側に鈑金によるプレス成形により上
端の連結片１４を介して一体に連結された濃バーナユニ
ットＡ_２を組み付けスポット溶接、カシメ等によってこ
れらを一体化して作られユニット化されている。なお、
上記淡炎孔１は複数のスリット状炎孔となっているの
で、淡ガスの噴出が整流されて安定した主炎ａを形成
し、また、淡炎孔１と濃炎孔２、２との間には環流域
３、３が設けられ、しかも、濃炎孔２、２の外壁１５、
１５が僅かに高くなっているので、淡炎孔１から噴出す
る淡ガスの一部が渦流となることにより濃炎孔２、２か
らの濃ガスが下向きに抑えられ濃炎孔２、２の外壁１
５、１５が僅かに高いことと相まって濃炎孔２、２に形
成される火炎ｂは淡炎孔１に形成される主炎ａに向いた
安定した炎となり、主炎ａへの保炎効果が確実に行われ
るようになっている。

【００１２】Ｂは上記バーナユニットＡを取付け設置す
るための取付枠で、複数個のバーナユニットＡが一定の
間隔を存して並列状に取付けうるようになっている。す
なわち、上記バーナユニットＡの前後両端のカシメ部１
６、１６の上方部が挿入支持できる支持溝１７、１７と
バーナユニットＡの前部上方下部の受け部１８が係合支
持できる受段部１９とを有し、前部下方部の前面壁２０
にはバーナユニットＡの淡ガス用通路７の供給入口４が
嵌め付け支持できるバーリング孔２１とバーナユニット
Ａの濃ガス用通路１１、１１の供給入口８、８が嵌め付
け支持できる筒状バーリング２２とを上下に備えてお
り、底部には各々のバーナユニットＡの底面カシメ部１
６を載せ、各々のバーナユニットＡ間には空気導入孔２
３を穿った底板２４を備え、背面壁２５の下部にバーナ
ユニットＡの背面のカシメ部１６を嵌め付け支持する凹
部２６を備えた上部開口の箱状に形成されている。

【００１３】上記構成の取付枠Ｂにおいて、上記筒状バ
ーリング２２は濃ガス用通路１１、１１の区画壁１３の
前端部に設けられた凹状の切り込み２７に嵌め込み支持
できるようになっており、各々のバーナユニットＡの濃
ガス用通路１１、１１の供給入口４、４と後述するノズ
ル台Ｃの各々の濃ガス用ノズル２８、２８との正確な位
置決めができるようになっている。なお、２９は前面壁
２０の裏面と各々の供給入口４、１１、１１との間に介
在したパッキングである。

【００１４】Ｃはノズル台で、上記バーナユニットＡの
淡ガス用通路７と濃ガス用通路１１、１１とにガスを供
給するためのもので、上記取付枠Ｂの前面壁２０の前部
に取付けられる。上記ノズル台ＣにはバーナユニットＡ
の淡ガス用通路７の供給入口４の中心に指向する淡ガス
用ノズル３０と濃ガス用通路１１、１１の供給入口８、
８の中心に指向する濃ガス用ノズル２８、２８とが設け
られ、両端に備えた取付座３１を取付枠Ｂの前面壁２０
の両端部３２にボルト、ナット３３により取付け固定す
ることにより、淡ガス用通路７に対する淡ガス用ノズル
３０と濃ガス用通路１１、１１に対する濃ガス用ノズル
２８、２８とが淡ガス側は広く濃ガス側は狭い空間を存
してその中心位置に同一軸線を保って対向するようにな
っている。なお、たとえば、図２に例示されているよう
に、取付枠Ｂの前面壁２０の両端部３２の端部を前方へ
延長屈折してノズル台Ｃの位置決め用の規制片３４を設
けると、前面壁２０に対するノズル台Ｃの取付け位置が
常に正確に決められて、各々のノズル３０、２８、２８
と各々のガス通路７、１１、１１の供給入口４、８、８
との位置関係が狂いを生ずることなく組み付けに便利で
ある。なお、３５はノズル台Ｃへのガス供給口である。
また、ノズル台Ｃ内は図示しないが、たとえば、３つの
部屋に区画し、取付け枠Ｂに１７個のバーナユニットＡ
を並設した場合、その燃焼を、たとえば、７、４、６に
切換えて燃焼できるようにすることも可能である。

【００１５】以上この発明の実施の形態の一例について
説明したが、この発明はこうした実施の形態のものに何
等限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々なる態様で実施しうることは勿論である。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したこの発明の低ＮＯｘバーナ
によれば、淡炎孔と該淡炎孔の両側の濃炎孔とに至る供
給入口から混合室、均圧室までを各別の独立した通路に
区画し一体化してユニット化し、各々の通路に各々のガ
スノズルを設けたので、各々のガス量のバランスが崩れ
ることなくバラツキのない適切な濃淡燃焼が常に行える
ものである。したがって、低ＮＯｘの安定燃焼が得られ
る低ＮＯｘバーナが提供できる。また、ガス通路の入口
側の位置決めと、ノズルとの位置決めとが簡易、かつ、
正確に行えるので、バーナのユニット化と相まって構造
の簡略化と作業性の向上とが容易に実現できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の低ＮＯｘバーナの一例を示した一部
切断側面図である。

【図２】要部の一部切断平面図である。

【図３】バーナユニットだけの側面図である。

【図４】その一部拡大平面図である。

【図５】要部の縦断正面図であって、（イ）は図３のＸ
−Ｘ断面図、（ロ）は図３のＹ−Ｙ断面図である。

【図６】その拡大正面図である。

【図７】要部の一部切断平面図である。

【図８】低ＮＯｘバーナの概略構成図であって、（イ）
はこの発明の低ＮＯｘバーナ、（ロ）は従来の低ＮＯｘ
バーナを示したものである。

【図９】ノズル台を分離した全体の一部斜視図である。

【符号の説明】

Ａ…バーナユニット １…淡炎孔 ２…濃炎孔 ４…淡ガス用通路の供給入口 ５…淡ガス用通路の混合室 ６…淡ガス用通路の均圧室 ７…淡ガス用通路 ８…濃ガス用通路の供給入口 ９…濃ガス用通路の混合室 １０…濃ガス用通路の均圧室 １１…濃ガス用通路 １３…区画壁 Ｂ…取付枠 ２２…筒状バーリング ２７…切り込み Ｃ…ノズル台 ２８…濃ガス用ノズル ３０…淡ガス用ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3K017 AA06 AA10 AB02 AB10 AC02 AD03 AD11 3K065 TA01 TA14 TB04 TB13 TC02 TD05 TF02 TH04

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １ユニットで淡炎孔と該淡炎孔の両側の
   濃炎孔とを一体形成してなる低ＮＯｘバーナにおいて、 上記淡炎孔と該淡炎孔の両側の濃炎孔とに至る供給入口
   から混合室、均圧室までを各別の独立した通路に区画し
   て一体形成したことを特徴とする低ＮＯｘバーナ。
2. 【請求項２】 上記１ユニットのバーナを取付枠に一定
   の間隔を存して複数個並設するにあたり、各々のバーナ
   の両側の濃炎孔に至る通路の供給入口近くの区画壁に取
   付枠に備えられた位置決め用の筒状バーリングが嵌り込
   む切り込みを設けたことを特徴とする請求項１記載の低
   ＮＯｘバーナ。
3. 【請求項３】 上記複数個のバーナユニットの各々の通
   路に対し各々のガスノズルが対設される各別のガスノズ
   ルを有するノズル台を備えたことを特徴とする請求項
   １、２記載の低ＮＯｘバーナ。