JP2576865Y2 - こんろバーナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ガステーブル等に用
いるこんろバーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】ガステーブル等に用いるこんろバーナに
おいては、外周縁に外炎を形成する主炎口のほかに、中
央部に内炎を形成する中炎口を設けて外炎と内炎により
鍋、フライパン等による各種調理に最適な熱分布が得ら
れるようにしている。

【０００３】しかし、最近ではバーナが高炎口負荷の傾
向にあるため、特に、中炎口に形成される内炎の安定化
が熱分布の重要な要素となることから、その安定化に対
する対策が必要とされているが、従来のこの種のこんろ
バーナは、たとえば、図５〜図６に示されているよう
に、中炎口を垂直状の減速炎口とし、かつ、その配列を
考慮してその安定化を図っている。

【０００４】すなわち、図５及び図６に示されているも
のは、バーナヘッドＢ′の中央部に、平面ダルマ状の凸
部５′に２つの減速炎口４ａ′を穿った中炎口４′と、
平面円形の凸部５″に１つの減速炎口４ａ″を穿った中
炎口４″とを１つおきに予め決められた円周上に配設し
ており、また、図７及び図８に示されているものは、バ
ーナヘッドＢ′の中央部に、平面三角形状の凸部５′に
３つの減速炎口４ａ′を穿った４つの中炎口４′を同一
円周上に配設している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】前記従来の技術では、
炎口４ａ′の長さｌ′に制約があるため、噴出流が層流
であることと相まって減速効果が充分得られず、安定燃
焼は不充分であった。また、製作、加工においても１個
ずつドリル加工する必要があるなど相当の手間と高度の
技術を要するという問題点があった。

【０００６】この考案は、従来の技術の有する斯かる問
題点に鑑み、燃料ガスを互いにぶつけあうことで炎口か
らの噴出速度を遅くして赤火、リフトを防止し、かつ、
その製作、加工も容易としたこんろバーナの提供を目的
としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案のこんろバーナは、たとえば、実施例に対
応する図面に示されているように、混合管１の先端部に
混合室９を形成したバーナ本体Ａと、周縁下面に主炎口
２を形成する多数の炎孔溝を有し、中央上部には中炎口
４を備えたバーナヘッドＢからなるこんろバーナにおい
て、前記バーナヘッドＢの中炎口４は、前記混合室９に
連通する複数の通路を出口部で合流するように備え、そ
れぞれの通路から送られてくる燃料ガスを前記出口部で
互いにぶつけあうことにより噴出速度を遅くして、前記
出口部に火炎を形成することを要旨とする。

【０００８】また、前記中炎口４を、凸部５の下面に仕
切部６を挟んで２つの凹入部７、７を形成し、該凸部５
の仕切部６を含む中央部分を上面から凹状ｂに切削除去
して相対向する一対の炎口４ａで形成したことをも特徴
とする。

【０００９】

【作用】上記構成を有するこの考案のこんろバーナは、
混合室に連通する複数の通路が中炎口４の出口部で合流
するため、各通路から送られてくる燃料ガスは出口部で
合流し互いにぶつかりあう。このため、中炎口４におけ
る噴出速度が遅くなり、この出口部に安定した火炎を形
成し、赤火、リフトが防止される。

【００１０】また、下面に仕切部６を挟んだ２つの凹入
部７、７を有する凸部５を予め作り、該凸部５の仕切部
６を含む中央部分を上面から凹状ｂに切削除去すれば、
相対向する一対の炎口４ａをもった中炎口４が形成でき
る。したがって、このような構成とすれば、その製作、
加工は容易である。

【００１１】

【実施例】以下この考案のこんろバーナの実施例につい
て図面を参照して説明する。

【００１２】図面において、Ａは混合管１の先端部に一
体形成されたバーナ本体で、混合管１と連通するループ
状混合室９と、上面開口周縁部に後述のバーナヘッドＢ
を載置する斜状載置部１０と袖火炎口１１とを有し、中
心部には二次空気路１４を形成する支持筒１２を備えて
おり、このバーナ本体Ａは鈑金製となしている。なお、
１５は斜状載置部１０の中心寄りに穿った主炎口２への
ガス通孔である。

【００１３】Ｂは前記バーナ本体Ａ上に載置するバーナ
ヘッドで、その周縁下面に前記バーナ本体Ａの斜状載置
部１０とで主炎口２を形成する多数のスリット状の炎口
溝３を放射状に穿ち、中央上部に後述する中炎口４を有
し、中心部には前記バーナ本体Ａの支持筒１２に挿入し
て位置決めする二次空気路１４を形成する支持筒１３を
備えており、このバーナヘッドＢはスタンプ製となして
いる。

【００１４】そこで、前記バーナ本体Ａの斜状載置部１
０上に前記バーナヘッドＢの炎口溝３の下面部を載置す
るとともに、バーナ本体Ａの支持筒１２にバーナヘッド
Ｂの支持筒１３を挿入してバーナ本体Ａ上にバーナヘッ
ドＢを載せることにより、その外周縁部に炎口溝３によ
り多数の主炎口２を形成し、中心部には二次空気路１４
を形成したこんろバーナが形成される。そして、バーナ
本体ＡからバーナヘッドＢを取外せば、これらが分離で
きる構成となっている。

【００１５】４はバーナヘッドＢの中央部に設けた中炎
口で、図１〜図４に示した実施例は、下面に仕切部６を
挟んだ２つの凹入部７、７を有する凸部５を予め作り、
該凸部５の仕切部６を含む中央部分を上面から一定の深
さ１だけ凹状ｂに切削除去して相対向する一対の炎口４
ａを形成している。この凹状ｂに切削除去された部分が
本考案の中炎口４の出口部に相当する。なお、炎口４ａ
の開口面積は、凹状ｂの切除部の深さ１により、加減す
るものであり、その切除手段としては、旋盤加工等によ
り、たとえば、同一円周上に等間隔をもって配した複数
個の凸部５を同時に切削して凹状ｂに加工するものであ
る（図２のｃ参照）。

【００１６】前記構成において、中炎口４の各々の炎口
４ａから同一量の燃料ガスが噴出して、凹状ｂ部で燃料
ガスが合流してぶつかりあう。従って、中炎口４の上方
への噴出速度は遅くなり、全体としてよどみのある炎が
形成される。

【００１７】したがって、バーナが高炎口負荷の傾向に
あっても赤火、リフトは発生せず、安定した内炎が形成
される。

【００１８】また、図１〜図４の実施例のように、相対
向する一対の炎口４ａを旋盤加工等により作出する構成
とすれば、その製作、加工が容易となる。

【００１９】以上この考案の実施例について説明した
が、この考案はこうした実施例に何等限定されるもので
はなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で様々な態様
で実施し得ることは勿論である。例えば、中炎口の出口
部に燃料ガスを合流させて火炎を形成するものであれば
よく、本実施例の様に燃料ガスを真正面にぶつけなくて
も斜めにぶつけあうものであってもよい。

【００２０】

【考案の効果】以上説明したこの考案のこんろバーナに
よれば、中炎口の出口部で燃料ガスを合流させてぶつけ
あうため噴出速度が遅くなり、バーナが高炎口負荷の傾
向にあっても赤火、リフトは発生せず、安定した内炎を
形成する。したがって、鍋、フライパン等の中央部分へ
の安定した熱供給により各種調理に最適な熱分布が得ら
れる。

【００２１】また、中炎口を旋盤加工等により作出する
構成とすれば、その製作、加工が容易で、均一な製品の
量産が可能となり、商品を安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案によるこんろバーナの一実施例を示し
た全体断面図である。

【図２】その平面図である。

【図３】凹状切除部の切削除去前の要部だけの断面図で
ある。

【図４】凹状切除部の切削除去後の要部だけの断面図で
ある。

【図５】従来例の一例を示した平面図である。

【図６】図５のＸ′−Ｘ′断面図である。

【図７】異なる従来例の平面図である。

【図８】図７のＹ′−Ｙ′断面図である。

【符号の説明】

１ 混合管 Ａ バーナ本体 ２ 主炎口 ３ 炎口溝 ４ 中炎口 Ｂ バーナヘッド ４ａ 炎口 ５ 凸部 ６ 仕切部 ７ 凹入部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】混合管（１）の先端部に混合室（９）を形
   成したバーナ本体（Ａ）と、周縁下面に主炎口（２）を
   形成する多数の炎孔溝を有し、中央上部には中炎口
   （４）を備えたバーナヘッド（Ｂ）からなるこんろバー
   ナにおいて、前記バーナヘッド（Ｂ）の中炎口（４）は、前記混合室
   （９）に連通する複数の通路を出口部で合流するように
   備え、それぞれの通路から送られてくる燃料ガスを前記
   出口部で互いにぶつけあうことにより噴出速度を遅くし
   て、前記出口部に火炎を形成するこ とを特徴とするこん
   ろバーナ。
2. 【請求項２】凸部（５）の下面に仕切部（６）を挟んで
   ２つの凹入部（７）、（７）を形成し、該凸部（５）の
   仕切部（６）を含む中央部分を上面から凹状（ｂ）に切
   削除去して相対向する一対の炎口（４ａ）を形成した中
   炎口（４）である請求項１記載のこんろバーナ。