JP2001182490A - セグメントの接合方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セグメント内面が平滑になるように継手がセ
グメント内に格納できると共に、締結が容易で、かつ充
填量が少ないセグメント継手を提供する。 【解決手段】 セグメント（Ｓ）の接合面には外部から
回転自在な固定用継手（２）を内装したセグメント継手
接合部（１０Ａ）を複数個、それぞれ既設の被接合セグ
メントの継手の対向位置に埋設し、被接合面には前記固
定用継手（２）を固定するためのセグメント継手被接合
部（１０Ｂ）を複数個埋設しておき、セグメント（Ｓ）
を所定位置に位置決めし前記セグメント継手接合部（１
０Ａ）の固定用継手（２）を回動してセグメント（Ｓ
１、Ｓ２）を互いに接合し、その後必要に応じて固定用
継手（２）の増締めを行い、継手（１０）の空隙には内
面から注入孔（１１）を通し充填剤を注入してその空隙
を埋める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シールド工法にお
けるトンネル内面の支保工または覆工として組み立てる
セグメントの隣接するセグメント間またはリング間を互
いに接合するセグメントの接合方法および装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、セグメント同志の軸方向あるいは
周方向の接合には、ボルトまたはコッターによる締結が
行われていた。すなわち、ボルト締結による場合は、セ
グメント内面側にボルト取り付け用のボルトボックスを
設け、ボルトを挿入して締結し、また、コッターによる
締結の場合は、セグメント内面側にＣ型金物を埋設し、
組み立て時にそのＣ型金物間にＨ型のコッターを打ち込
んで締結していた。

【０００３】しかし、このような従来の工法において
は、ボルト締結では二次覆工省略セグメントの場合に、
間詰めする充填量も多く工費がかかるという問題があ
り、また、コッター締結では、充填量は少ないが、内側
からコッターを打ち込む場合に、継手が内面に出るとい
う問題があって雨水幹線や下水幹線では腐食する恐れが
あった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、セグメント内面が平滑になるように継手がセグメン
ト内に格納できると共に、締結が容易で、かつ充填量が
少ないセグメントの接合方法および装置を提供すること
を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のセグメントの接
合方法によれば、隣接するセグメントを互いに接合する
セグメントの接合方法において、セグメントの接合面に
は外部から回転自在な固定用継手を内装したセグメント
継手接合部を複数個、それぞれ既設の被接合セグメント
の継手の対向位置に埋設し、被接合面には前記固定用継
手を固定するためのセグメント継手被接合部を複数個埋
設しておき、セグメントを所定位置に位置決めし前記セ
グメント継手接合部の固定用継手を回動してセグメント
を互いに接合し、継手の空隙には内面から注入孔を通し
充填剤を注入してその空隙を埋める。

【０００６】本発明のセグメントの接合装置によれば、
隣接するセグメントを互いに接合するセグメントの接合
方法において、互いに接合するセグメントの対向する接
合面にセグメント継手の接合部と被接合部とをそれぞれ
対向して埋設し、その一方の接合部には回転自在な固定
用継手を内装し、他方の披接合部はその固定用継手を固
定させるように構成している。

【０００７】そして、隣接するセグメントを互いに接合
するセグメント接合装置において、互いに接合するセグ
メントの対向する接合面にセグメント継手の接合部と被
接合部とをそれぞれ対向して埋設し、接合部には先端に
係止部を有するカムを外部から回転自在に内装し、被接
合部には前記カム係止部と係合する係止ピンを設けてい
る。

【０００８】または、隣接するセグメントを互いに接合
するセグメント接合装置において、互いに接合するセグ
メントの対向する接合面にセグメント継手の接合部と被
接合部とをそれぞれ対向して埋設し、一方の接合部には
外部から回転自在に固定用回転板を内装し、他方の披接
合部に回転板を固定するピンを設けている。

【０００９】なお、上記セグメント継手の接合部と被接
合部との配設は、それぞれセグメントの接合面と被接合
面とに限定する必要はなく、いずれであっても良い。

【００１０】したがって、本発明によれば、セグメント
継手を埋設したセグメントを互いに接合し、固定用継手
を外部から回転することで互いに容易に接合することが
でる。そして、継手は埋設されているのでセグメント内
面が平滑かつ腐食に強く、さらに、充填量を減少させる
ことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図１には、本発明によるセグメント
継手１０が各接合面（図示の例では、トンネル軸方向接
合面ａに各３、周方向接合面ｂに各２）に埋設されたセ
グメントのピースＳが示されており、そして、図２〜図
５にはセグメント継手１０の詳細が示されている。

【００１２】図２および図３において、接合側のセグメ
ントＳ１には、セグメント継手の接合部１０Ａが、既設
の被接合側のセグメントＳ２には、セグメント継手の被
接合部１０Ｂがそれぞれ埋設されている。

【００１３】図４にも示すように、セグメント継手の接
合部１０Ａは、コ字状断面の保持体１Ａの内部に、固定
用継手であるカム２が固設された回転軸３が回転自在に
支持されて構成されている。そして、同じくコ字状断面
の保持体１Ｂ内に係止ピン５が固設されたセグメント継
手の被接合部１０Ｂとは保持体１Ａ、１Ｂのコ字状の開
口部が対向してそれぞれセグメントＳ１、Ｓ２に埋め込
まれている。また、接合部１０Ａ内のカム２の先端には
フック部２ｂが形成され、矢印Ｘ方向に回動することで
被接合部１０Ｂの係止ピン５に係合するように構成され
ている。

【００１４】図５に示すように、回転軸３には、四角断
面の軸部３ａが設けられ、カム２のボス部２ａに穿設さ
れた四角孔２ｃに嵌め込まれており、そして、軸３の頭
部３ｂには六角孔３ｃが穿設されて、この六角孔３ｃに
工具を挿入し、カム２を回動するように形成されてい
る。また、セグメントＳ１には軸３を挿入し、挿入した
工具で回動する挿入孔Ｈが設けられている（図３参
照）。一方、セグメントＳ２の継手被接合部１０Ｂ埋設
位置には、内面から継手１０内に充填剤注入を注入する
注入孔１１が穿設されている（図１参照）。

【００１５】図６および図７には、仮締めを行うことが
可能なカム２Ａが示されている。図示のように、カム２
Ａのフック部２ｃは２段の形状に形成され、図６に符号
Ｋで示すように係止ピン５に対し仮締め状態、図７に符
号Ｌで示すように本締め状態の２ステップの締め付けを
行うことができる。

【００１６】本発明のセグメント接合方法の施工は、以
下の手順で行われる。セグメントＳの接合面には、既設
セグメントの継手被接合部１０Ｂの配置に合わせてその
対向位置にセグメント継手接合部１０Ａを埋設し、被接
合面には、接合するセグメントの接合部１０Ａの位置に
合わせ、セグメント継手被接合部１０Ｂを埋設してお
く。そして、予め継手接合部１０Ａの回転カム２は、回
転力をかけないときには回転しないように仮固定をして
おく。

【００１７】掘進に伴いセグメントの位置決めをし、工
具を用いてカム２を回転して被接合側の継手１０Ｂの係
止ピン５に係止させ、固定する。そして、掘削が進み、
セグメントＳがシールド機から出て土圧が掛かった地点
において必要に応じて継手１０の増締めを行う。そし
て、継手１０の空隙には注入孔１１を通し内面から充填
剤を注入して埋める。

【００１８】図８および図９に固定用回転板１２による
セグメント継手が示されている。前記実施形態と同様
に、固着用孔１２ａを設けた回転板１２が回転軸３に固
着されており、接合時に回動して外部から固定ピン１５
を固着用孔１２ａに挿入してセグメントを接合する。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成さ
れ、その効果は以下の通りである。 （１） セグメントの内面は、ほぼ完全に平滑であり、
美観が向上する。 （２） 継手がセグメント内に埋設されているので、腐
食に強い。 （３） 従来のボルトボックスによる締結に比べ、充填
量を低減できる。 （４） 充填剤で穴埋めするまでカムを回転することが
でき、増締めが可能である。 （５） カムの１／４回転で接合することができ、作業
能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のセグメント継手を組み込んだセグメン
トのピースを示す斜視図。

【図２】本発明のセグメント継手の一実施形態を示す平
面図。

【図３】図２の側面図。

【図４】図２の継手の接合部を示す斜視図。

【図５】図２の継手接合部の構成を示す斜視図。

【図６】固定用継手の仮締め状態を示す平面図。

【図７】固定用継手の本締め状態を示す平面図。

【図８】本発明のセグメント継手の別の実施形態を示す
平面図。

【図９】図８の側面図。

【符号の説明】

Ｓ・・・セグメントのピース １Ａ、１Ｂ・・・保持体 ２・・・カム ３・・・回転軸 ５・・・係止ピン １０・・・セグメント継手 １０Ａ・・・セグメント継手の接合部 １０Ｂ・・・セグメント継手の被接合部 １１・・・注入孔 １２・・・回転板 １５・・・固定ピン

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 隣接するセグメントを互いに接合するセ
   グメントの接合方法において、セグメントの接合面には
   外部から回転自在な固定用継手を内装したセグメント継
   手接合部を複数個、それぞれ既設の被接合セグメントの
   継手の対向位置に埋設し、被接合面には前記固定用継手
   を固定するためのセグメント継手被接合部を複数個埋設
   しておき、セグメントを所定位置に位置決めし前記セグ
   メント継手接合部の固定用継手を回動してセグメントを
   互いに接合し、継手の空隙には内面から注入孔を通し充
   填剤を注入してその空隙を埋めることを特徴とするセグ
   メントの接合方法。
2. 【請求項２】 隣接するセグメントを互いに接合するセ
   グメントの接合方法において、互いに接合するセグメン
   トの対向する接合面にセグメント継手の接合部と被接合
   部とをそれぞれ対向して埋設し、その一方の接合部には
   回転自在な固定用継手を内装し、他方の披接合部はその
   固定用継手を固定させるように構成していることを特徴
   とするセグメントの接合装置。
3. 【請求項３】 隣接するセグメントを互いに接合するセ
   グメント接合装置において、互いに接合するセグメント
   の対向する接合面にセグメント継手の接合部と被接合部
   とをそれぞれ対向して埋設し、接合部には先端に係止部
   を有するカムを外部から回転自在に内装し、被接合部に
   は前記カム係止部と係合する係止ピンを設けていること
   を特徴とするセグメントの接合装置。
4. 【請求項４】 隣接するセグメントを互いに接合するセ
   グメント接合装置において、互いに接合するセグメント
   の対向する接合面にセグメント継手の接合部と被接合部
   とをそれぞれ対向して埋設し、一方の接合部には外部か
   ら回転自在に固定用回転板を内装し、他方の披接合部に
   回転板を固定するピンを設けていることを特徴とするセ
   グメントの接合装置。