JPH11256995A - セグメント継手およびトンネル覆工作業用のセグメント - Google Patents

セグメント継手およびトンネル覆工作業用のセグメント

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JPH11256995A
JPH11256995A JP10061770A JP6177098A JPH11256995A JP H11256995 A JPH11256995 A JP H11256995A JP 10061770 A JP10061770 A JP 10061770A JP 6177098 A JP6177098 A JP 6177098A JP H11256995 A JPH11256995 A JP H11256995A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セグメントリングにかかる正負両方向の曲げ
モーメントに対して少ない数の継手で効率的に抵抗力を
発揮し得るとともに、低コストで加工および組み付け作
業を行い得るセグメント継手を提供する。 【解決手段】 隣り合うセグメント1A、1Bのそれぞ
れに、継手板2A、2Bを備え、これらの屈曲部4A、
4Bを係合させることにより、セグメント1A、1Bの
連結を行う。また、継手板2Aをセグメント1Aの接合
面に垂直な方向に移動可能とするとともに、継手板2A
の基端の屈曲部14と定着板11の間に打ち込まれる楔
部材12を備え、この楔部材12の打ち込み位置を、ボ
ルトねじ込み面18のボルト穴19へのボルト13のね
じ込みにより調整可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル覆工用セ
グメントを結合する継手の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル覆工においては、円弧状断面の
複数のセグメントを、トンネル内周方向に沿ってセグメ
ント継手を介して結合して、セグメントリングを形成す
る。そして、このセグメントリングをシールド機の掘進
に応じてトンネル軸方向に連結することにより、トンネ
ル全体の覆工が行われる。
【0003】このようなセグメントの連結に用いられる
セグメント継手に関しては、従来から、例えば実開平1
−98300号公報や、本出願人による特願平6−23
1508号などに提案がなされている。
【0004】このうち実開平1−98300号公報に開
示されたセグメント継手は、図5に示すようなものであ
る。
【0005】図示されるように、このセグメント継手
は、締め付け具本体101、楔金具102および皿バネ
103からなる。締め付け具本体101は、杆体101
Aと係止頭部101Bからなり、この杆体101Aが、
鋼製セグメント104、105の重ね合わされた継手板
104A、105Aに形成された孔に貫通する。そし
て、鋼製セグメント104側に突出した係止頭部101
Bと継手板104Aの間には皿バネ103が介装される
一方、杆体101Aの鋼製セグメント103側への突出
部分に形成された挿入部101に楔金具102が嵌入さ
れる。この楔金具102は、凹部102Aが挿入部10
1の楔係合部101Dに嵌まり込むところまで打ち込ま
れ、継手板104A、105A間の締結力は、皿バネ1
03により得られるようになっている。
【0006】また、特願平6−231508号のセグメ
ント継手は、図6、図7に示すようなものである。
【0007】図6に示すように、プレキャストコンクリ
ートパネルであるセグメント110Aの端部のホルダ1
11には、ピン112がバネ113を介して弾性的に支
持され、先端を継手板114から突出させている。
【0008】一方、図7に示すように、このセグメント
110Aと重ね合わされるセグメント110Bには、継
手板121が埋設される。この継手板121には、前記
ピン112が挿入される穴121Aが形成され、さら
に、継手板121の後方にはコッタ122が支持され
る。
【0009】このコッタ122は、水平部122Aと楔
部122Bからなる。この楔部122Bはピン112に
形成された楔形切り欠き112A(図6参照)に嵌合す
る一方、水平部122Aに形成された長穴122Cに嵌
まり込むボルト123は、水平部122A下方の雄ネジ
ブロック124に螺合する。
【0010】これにより、ボルト123を締め付けによ
って、楔部122Bは楔形切り欠き112Aに食い込ん
で行き、継手板114と継手板121(セグメント11
0Aとセグメント110B)とを締め付け、セグメント
継手による締結力を調整することができるようになって
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のセグメント継手には、以下に述べるような問題点
があった。
【0012】セグメントリングには強大な土水圧荷重に
よる曲げモーメントが発生し、セグメント継手には大き
な曲げ引っ張り力がかかる。このため、セグメント継手
はあらかじめ軸方向の力を発生させた状態で締結し、締
結後のセグメント継手に曲げ引っ張り力がかかったとし
ても、セグメント継手間の目開きがおきないようにし
て、セグメントリングの変形を防止している。
【0013】ところが、図5に示した実開平1−983
00号公報のセグメント継手の場合には、上述したよう
に、セグメント継手の締結は皿バネ103により維持さ
れているに過ぎない。このため、セグメント継手に軸方
向の力を発生させた状態で締結したとしても、締め付け
具本体101の弾性変形よりも圧倒的に大きく皿バネ1
03が弾性変形してしまい、大きな外力が作用したとき
には、セグメント継手は継手としての機能を果たすこと
はできない。
【0014】また、鋼製セグメント104、105間に
は、通常、シール部材16が設けられているが、セグメ
ントリングにかかる外力によりシール部材16が圧しつ
ぶされてしまい、その分、鋼製セグメント104、10
5間に隙間が生じてしまうことがあるが、この図5に示
したセグメント継手では、これを吸収するように調整す
ることはできない。
【0015】一方、図6、図7に示した特願平6−23
1508号のセグメント継手の場合には、ボルト123
のねじ込み具合によってセグメント継手の締結力を調節
できるようになっているので、大きな外力が作用したと
きにも継手としての機能を果たすことはできる。
【0016】しかしながら、このセグメント継手は、複
雑な構成を持つものであり、複雑な加工が必要とされ
る。
【0017】また、ピン112に楔形切り欠き112A
を形成しているので、ピン112の径に対して有効断面
が小さく効率的でない。
【0018】さらに、これらのピン型のセグメント継手
においては、継手に作用する正負両方向の曲げモーメン
トに抵抗するために、セグメントの内周側近傍と外周側
近傍の両方にセグメント継手を設ける必要がある。すな
わち、セグメントリングに曲げモーメントが作用したと
きには、ピン型のセグメント継手には引っ張り荷重が、
またセグメントのコンクリートパネルには圧縮荷重がか
かるが、これらの荷重に対するセグメント継手またはコ
ンクリートパネルの耐荷範囲を十分に大きなものとする
には、正方向および負方向の曲げモーメントにそれぞれ
対応して、セグメント内周側と外周側に2つのセグメン
ト継手を備えなければならない。このため、セグメント
継手の数が増えてしまい、コストアップの原因となって
いた。
【0019】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、セグメントリングにかかる正負両方向の
曲げモーメントに対して少ない数の継手で効率的に抵抗
力を発揮し得るとともに、低コストで加工および組み付
け作業を行い得るセグメント継手を提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、トンネル
覆工作業用のセグメント間を結合するセグメント継手に
おいて、隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近に
この接合面に垂直かつセグメントの厚み方向に平行に設
けられた一対の継手板を備え、各継手板の先端には互い
に対向するように折り曲げられた屈曲部を形成し、これ
らの屈曲部を係合させることにより前記一対の継手板を
連結するとともに、前記継手板の少なくとも一方を接合
面に対して垂直方向に移動可能とし、この移動可能とさ
れた継手板側のセグメントの所定の位置に定着部材を固
定し、前記移動可能とされた継手板に楔押さえ部を設
け、この楔押さえ部と前記定着部材の間に打ち込まれる
楔部材を備えた。
【0021】第2の発明は、前記楔部材の打ち込み位置
は、楔部材に備えたボルトの締め付けの程度に応じて調
整可能となっている。
【0022】第3の発明は、前記楔押さえ部材は、前記
継手板の基端側に形成された屈曲部である。
【0023】第4の発明は、前記楔押さえ部材は、前記
継手板に形成した楔嵌合穴であるとともに、前記移動可
能とされた継手板の両側を挟み込むように一対の定着部
材を備えた。
【0024】第5の発明は、トンネル覆工作業用のセグ
メントにおいて、前記第1から第4のいずれか一つの発
明のセグメント継手を接合面に一対備えるとともに、こ
れらのセグメント継手の一方の継手板は接合面に固定さ
れ、セグメント継手の他方の継手板は前記接合面に対し
て垂直方向に移動可能とし、かつこの移動可能な継手板
を接合面に形成した凹部に収容するようにした。
【0025】
【発明の作用および効果】第1の発明では、一対の継手
板先端の屈曲部同士を係合させることにより、セグメン
トの連結は容易に行い得る。また、一対の継手板は、板
状の部材から構成され、またセグメントの厚み方向(セ
グメントの外周側から内周側に至る方向)に平行に配置
されているので、セグメントの厚み方向にわたって配設
されることになり、ひとつのセグメント継手のみでセグ
メントリングにかかる正負の曲げモーメントのそれぞれ
に対して十分に大きな抵抗力を発揮することができる。
また、継手の有効断面積も広く、剛性も高い。さらに、
セグメント継手をセグメントに組み付ける際にも細かな
位置決め作業が不要である。また、一対の継手板の少な
くとも一方は、楔部材の打ち込みの程度に応じて後方に
押さえ込まれ、継手板の屈曲部同士の係合が強固にされ
る。これにより、継手板の持つ寸法誤差や組み立て誤差
は吸収され、セグメント継手は確実に連結される。ま
た、セグメント間のシール部材がつぶれるなどして、セ
グメント間の隙間が広がってしまったようなときにも、
楔部材の打ち込み位置を調節することによりセグメント
継手による締結力を維持することができる。したがっ
て、セグメント継手の数を低減でき、またセグメント継
手の組み付け作業が効率化できるとともに、セグメント
継手による締結を補強するための工事も不要となり、そ
の分コストダウンを図ることができ、施工期間も短縮す
ることができる。
【0026】第2の発明では、楔部材の打ち込み位置
は、ボルトの締め付けにより調整できるようになってい
るので、ボルトの締め付け程度によるセグメント継手に
よる締結力の調整作業は極めて容易に行い得る。
【0027】第3の発明では、楔押さえ部材は継手板の
基端側に形成された屈曲部であるので、セグメント継手
は全体として極めて単純な形状から構成でき、加工費を
大幅に削減できる。
【0028】第4の発明では、楔押さえ部材は継手板に
形成された楔嵌合穴であるので、楔部材の打ち込みは継
手板と垂直方向、すなわちセグメントの側方(トンネル
軸方向)から行われる。したがって、セグメントの内周
面には楔部材の打ち込み作業のための開口を形成する必
要がなくなり、この開口をモルタル等で穴埋めする必要
がなくなるので、トンネル覆工作業が効率化される。
【0029】第5の発明では、トンネル覆工作業用のセ
グメントには、接合面に対して移動可能な継手板と、接
合面に対して固定された継手板がひとつづつ振り分けら
れ、したがって凹部もそれぞれひとつづつ形成される。
これにより、セグメントの接合面に凹部が2つ形成され
てしまうことによりセグメントの強度が弱められてしま
うことが回避されるとともに、セグメントの継手面形状
が共通となるので、セグメントを共通の型から形成する
ことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0031】図1には、本発明のセグメント継手の基本
構成となる実施の形態を示す。
【0032】図示されるように、セグメント1A、1B
の接合面(継手面)には、それぞれ継手板2A、3A、
継手板2B、3Bが備えられる。これらの継手板2A、
3A、継手板2B、3Bは、それぞれセグメント1A、
1Bの厚み方向(セグメント1A、1Bの内周面側から
外周面側に向かう方向)に平行(セグメントリングの円
周方向に平行)にそれぞれ配置され、継手板2Aは3A
と、また継手板2Bは3Bと、それぞれトンネル軸方向
に並んだ状態となっている。そして、セグメント1A、
1Bの継手面が重ね合わされたときには、継手板2Aは
継手板2Bと、また継手板3Aは継手板3Bと、互いに
対峙する。この継手板2A、2Bと、継手板3A、3B
が、それぞれ本発明のセグメント継手を構成する。
【0033】継手板2A、2Bおよび継手板3A、3B
は、それぞれ先端部分に、互いに対向するようにL字型
に折れ曲げられ、互いに係合する屈曲部4A、4Bおよ
び屈曲部5A、5Bを備えている。この場合、セグメン
ト1A側の屈曲部4A、5Aは、既設コンクリート側と
反対側に折り曲げられ、またセグメント1B側の屈曲部
4B、5Bは、既設セグメントリング側に折り曲げられ
ている。これにより、セグメント1Bを、既設セグメン
トリング側のセグメント1Aに向かって移動させ、継手
面を重ね合わせるようにすれば、屈曲部4A、4Bおよ
び屈曲部5A、5Bの係合がなされるようになってい
る。
【0034】継手板2A、2B、継手板3A、3Bは、
いずれもセグメント1A、1Bのコンクリート内に、ア
ンカー筋とともに埋め込まれている。この場合、継手板
2Aおよび継手板3Bは、それぞれセグメント1A、1
Bから突出する一方で、継手板2Bおよび継手板3A
は、それぞれセグメント1B、1Aに形成された凹部7
B、7A内に収容されている。これにより、屈曲部4
A、4Bおよび屈曲部5A、5Bが係合すると、継手面
がぴったり重ね合わされるようになっている。
【0035】なお、後述するように、凹部7B、7A内
に収容された継手板2B、3Aには定着部材が備えら
れ、これらの継手板2B、3Aは移動可能となっている
が、本実施の形態では、接合されるセグメント1A、1
Bのそれぞれには、移動可能な継手板3A、2Bと固定
された継手板2A、3Bがひとつづつ振り分けられ、凹
部7A、7Bもそれぞれひとつづつ形成されるようにな
っている。これにより、セグメント1A、1Bのいずれ
かの継手面に凹部が2つ形成されることによりセグメン
トの強度が弱められてしまうことが回避されるととも
に、セグメントは、継手面形状が共通となるので、共通
の型から形成することができる。
【0036】図2には、図1に示すような基本構成に、
セグメント継手を強固に締結するための機構(定着機
構)を備えた実施の形態を示す。
【0037】この定着機構は、図1に示したような継手
板2A、2Bの少なくとも一方、および継手板3A、3
Bの少なくとも一方に備えられる。本実施の形態では、
図1の凹部7B、7A内に収容された継手板2B、3A
に定着機構が備えられる。以下の説明では、継手板3A
に備えられた定着機構を例にとって説明する。
【0038】定着機構は、定着部材である定着板11
と、楔部材12と、ボルト13と、継手板3Aの基端に
形成された屈曲部14からなる。
【0039】定着板11は、セグメント1Aを構成する
コンクリートパネルの中にアンカー筋8とともに埋め込
まれ、接合面に略平行に固定されている。セグメント1
Aを構成するコンクリートパネルには、この定着板11
の側方および背後にかけて空間が形成される。この空間
に、継手板3Aの基端側部分が、定着板11に対して垂
直方向に移動自在に収容される。
【0040】楔部材12は、定着板11に沿って配置さ
れる垂直面15を備えるとともに、この垂直面15の反
対側に、垂直面15に対して所定の傾斜をもつ傾斜面1
6を備える。これにより、楔部材12は下方(セグメン
ト1Aの内周面方向)に行くにしたがって幅を広げるよ
うになっている。
【0041】屈曲部14の内側の面は、楔部材12の傾
斜面16と重なり合う傾斜面17となっている。これに
より、楔部材12は、定着板11と、この定着板11の
後方に回り込む屈曲部14の間に挟み込まれた配置とな
っている。
【0042】定着板11の上側(セグメント1Aの外周
面側)はL字型に折れ曲がったボルトねじ込み面18と
なっており、楔部材12を上下に貫通する貫通穴20を
突き抜けたボルト13先端が、このボルトねじ込み面1
8に形成されたボルト穴19に下方からねじ込まれるよ
うになっている。
【0043】定着板11背後の空間は、セグメント1A
の内周面側に開口するようになっており、ボルト13の
ねじ込み作業は、この開口を通じて行い得る。
【0044】このような構成により、ボルト13をボル
ト穴19にねじ込んで行くと、楔部材12がボルト13
とともに上方のボルトねじ込み面18側に移動し、楔部
材18の形状にしたがって定着板11と屈曲部14の間
隔が圧し広げられて行く。この結果、継手板3Aは図2
に矢印で示す方向に移動し、継手板3Aと継手板3Bの
締結の強度が高められて行くようになっている。
【0045】なお、定着板11背後の空間を、セグメン
ト1Aの外周面側にまで貫通するようにしておけば、セ
グメント1Aの外周面側からこの空間内に裏込めモルタ
ルが流入して来るので、継手板3Aの防食に有効であ
る。
【0046】つぎに、図1の基本構成に図2に示す定着
機構を備えた実施の形態について作用を説明する。
【0047】セグメント1A、1Bを、継手板2A、2
Bからなるセグメント継手と、継手板3A、3Bからな
るセグメント継手を介して連結するときには、図1に示
すように、セグメント1Bの継手面を含む平面が既設セ
グメントリング側のセグメント1Aの継手面を含む平面
と一致するように、セグメント1Bをセグメント1Aの
手前でセグメントの周方向に左旋回させ、さらに、セグ
メント1Bの継手面がセグメント1Aの継手面に重なり
合うように、セグメント1Bをトンネル軸方向に移動さ
せ、継手板2A、2Bの屈曲部4A、4Bおよび継手板
3A、3Bの屈曲部5A、5Bをそれぞれ係合させる。
【0048】さらに、図2に示すように、セグメント1
Aの内周面側の開口からボルト13のねじ込み作業を行
い、継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bの締結力
を調整する。
【0049】これにより、継手板2A、2Bおよび継手
板3A、3Bの寸法誤差や組み立て誤差は吸収され、継
手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bは確実に連結さ
れる。また、セグメント1A、1B間のシール部材がつ
ぶれるなどして、セグメント1A、1B間の隙間が広が
ってしまったようなときにも、ボルト13をねじ込んで
行くことにより、セグメント継手による締結力を維持す
ることができる。
【0050】また、継手板2A、2Bおよび継手板3
A、3Bは、板状の部材から構成されているので、セグ
メント1A、1Bの継手面の厚み方向(外周側から内周
側に至る方向)の広い範囲にわたって配置することがで
きる。また、継手の有効断面積も広く、剛性も高い。し
たがって、従来のピン型のセグメント継手のようにセグ
メントリングにかかる正負の曲げモーメントのそれぞれ
に対応するためにセグメント1A、1Bの内周側と外周
側のそれぞれに複数のセグメント継手を配置する必要は
なく、内周側から外周側にかけては1個のセグメント継
手のみを備えただけで有効に作用し、最小限の数のセグ
メント継手でセグメントリングにかかる正負いずれの方
向に対しても大きな曲げモーメントに耐えることがで
き、セグメント継手による締結を補強するための工事
(例えばセグメント内側への鉄筋コンクリート覆工な
ど)が一切不要となり、工費の大幅な削減が可能とな
る。
【0051】また、セグメント継手は、継手板2A、2
Bおよび継手板3A、3Bに定着機構を備えた単純な形
状であるので、加工は容易であり、低コストで製造する
ことができる。
【0052】さらに、セグメント1A、1Bへの組み付
けにおいても細かな位置決め作業が必要なく、作業が効
率化できる。
【0053】なお、本実施の形態では、楔部材12を垂
直面15と傾斜面16を備えた台形断面のものとした
が、楔部材の形状はこのような形態に限られず、例えば
楔部材を、図3に示すように、所定の傾斜を備えた傾斜
面21a、21bを互いに対向させる一対の楔部材2
1、22から構成してもよい。この場合、傾斜面21
a、21bと反対側の面は、平行な垂直面21a、21
bとなっており、それぞれ屈曲部14の内側の面または
定着板11と重なり合うようにし、また、屈曲部14の
内側の面は定着板11と平行面としておく。このような
構成に加えて、楔部材21、22の上下方向へのずれを
ボルト締めなどで調節可能としておけば、屈曲部14と
定着板11の間隔を調整することができ、結果として継
手板間の締結の強度が調整できる。
【0054】図4には、図1に示すような基本構成に定
着機構を備えた他の実施の形態を示す。
【0055】この実施の形態では、定着部材である一対
の定着板30、31がセグメント1Aの接合面に略平行
に並べられた状態で備えられ、アンカー筋32とともに
コンクリート内に埋め込まれて固定されている。
【0056】これらの定着板30、31の間から背後に
かけては空間が形成され、この空間に、継手板3Aの基
端側が収容されている。そして、継手板3Aの定着板3
0、31前後付近には、楔孔33が開口している。
【0057】この楔孔33には、定着板30、31の背
後に位置するように楔部材34が嵌合し、楔部材34に
開口する貫通穴35に貫通した図示されないボルトを、
図示されない固定部材に形成されたボルト穴にねじ込む
ことにより、楔部材34は図4の矢印Aの方向に押し込
まれるようになっている。この場合、楔部材34の定着
板30、31と反対側の面は傾斜面34aとなってお
り、楔穴33の傾斜面33aと接するようになっている
ので、楔部材34が押し込まれると、傾斜面33aが定
着板30、31と反対方向に押し出され、結果として、
継手板3Aが図4の矢印Bの方向に押し出される。この
ようにして、継手板3Aと3Bの締結の強さが調節でき
るようになっている。
【0058】この場合、定着板30、31背後の空間
は、セグメント1Aのトンネル軸方向側面(既設セグメ
ントリングと反対側の側面)に開口するようになってお
り、ボルトのねじ込み作業はこの開口を通じてなされ
る。したがって、本実施の形態によれば、ボルトねじ込
み作業のために、セグメント1Aの内周面に開口を形成
する必要はなく、この開口をモルタル等で穴埋めする必
要がなくなるので、トンネル覆工作業が効率化される。
【0059】なお、図1の継手板2A、3Aのように、
継手板をトンネル軸方向に並べて備えている場合には、
継手板2A、3Aの定着板をセグメントの周方向にずら
しておき、既設セグメントリング側の継手板2B側のボ
ルトを長ボルトとして、継手板3B側を貫通させ、継手
板3B手前の開口にまで導いておくとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同じく定着機構を備えた実施の形態を示す斜視
図である。
【図3】同じく楔部材に関する他の実施の形態を示す斜
視図である。
【図4】同じく他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】セグメント継手の従来例を示す断面図である。
【図6】セグメント継手の他の従来例を示す斜視図であ
る。
【図7】同じく斜視図である。
【符号の説明】
1A セグメント 1B セグメント 2A 継手板 2B 継手板 3A 継手板 3B 継手板 4A 屈曲部 4B 屈曲部 5A 屈曲部 5B 屈曲部 6 アンカー筋 7A 空間 7B 空間 8 アンカー筋 11 定着板 12 楔部材 13 ボルト 14 屈曲部 15 垂直面 16 傾斜面 17 傾斜面 18 ボルトねじ込み面 19 ボルト穴 20 貫通穴 21 楔部材 22 楔部材 30 定着板 31 定着板 32 アンカー筋 33 楔穴 34 楔部材 35 貫通穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル覆工作業用のセグメント間を結合
    するセグメント継手において、 隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近にこの接合
    面に垂直かつセグメントの厚み方向に平行に設けられた
    一対の継手板を備え、 各継手板の先端には互いに対向するように折り曲げられ
    た屈曲部を形成し、 これらの屈曲部を係合させることにより前記一対の継手
    板を連結するとともに、 前記継手板の少なくとも一方を接合面に対して垂直方向
    に移動可能とし、 この移動可能とされた継手板側のセグメントの所定の位
    置に定着部材を固定し、 前記移動可能とされた継手板に楔押さえ部を設け、 この楔押さえ部と前記定着部材の間に打ち込まれる楔部
    材を備えたことを特徴とするセグメント継手。
  2. 【請求項2】前記楔部材の打ち込み位置は、楔部材に備
    えたボルトの締め付けの程度に応じて調整可能となって
    いることを特徴とする請求項1に記載のセグメント継
    手。
  3. 【請求項3】前記楔押さえ部材は、前記継手板の基端側
    に形成された屈曲部であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のセグメント継手。
  4. 【請求項4】前記楔押さえ部材は、前記継手板に形成し
    た楔嵌合穴であるとともに、前記移動可能とされた継手
    板の両側を挟み込むように一対の定着部材を備えたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のセグメン
    ト継手。
  5. 【請求項5】前記請求項1から請求項4のいずれか一つ
    に記載のセグメント継手を接合面に一対備えるととも
    に、これらのセグメント継手の一方の継手板は接合面に
    固定され、セグメント継手の他方の継手板は前記接合面
    に対して垂直方向に移動可能とし、かつこの移動可能な
    継手板を接合面に形成した凹部に収容するようにしたこ
    とを特徴とするトンネル覆工作業用のセグメント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007198045A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Fujisash Co アルミサッシの躯体への取付構造
JP2012219575A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Nippon Hume Corp セグメントの継手構造

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