JP3962478B2 - セグメント継手およびトンネル覆工作業用のセグメント - Google Patents

セグメント継手およびトンネル覆工作業用のセグメント Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル覆工用セグメントを結合する継手の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル覆工においては、円弧状断面の複数のセグメントを、トンネル内周方向に沿ってセグメント継手を介して結合して、セグメントリングを形成する。そして、このセグメントリングをシールド機の掘進に応じてトンネル軸方向に連結することにより、トンネル全体の覆工が行われる。
【0003】
このようなセグメントの連結に用いられるセグメント継手に関しては、従来から、例えば実開平1−98300号公報や、本出願人による特願平6−231508号などに提案がなされている。
【0004】
このうち実開平1−98300号公報に開示されたセグメント継手は、図5に示すようなものである。
【0005】
図示されるように、このセグメント継手は、締め付け具本体101、楔金具102および皿バネ103からなる。締め付け具本体101は、杆体101Aと係止頭部101Bからなり、この杆体101Aが、鋼製セグメント104、105の重ね合わされた継手板104A、105Aに形成された孔に貫通する。そして、鋼製セグメント104側に突出した係止頭部101Bと継手板104Aの間には皿バネ103が介装される一方、杆体101Aの鋼製セグメント103側への突出部分に形成された挿入部101に楔金具102が嵌入される。この楔金具102は、凹部102Aが挿入部101の楔係合部101Dに嵌まり込むところまで打ち込まれ、継手板104A、105A間の締結力は、皿バネ103により得られるようになっている。
【0006】
また、特願平6−231508号のセグメント継手は、図6、図7に示すようなものである。
【0007】
図6に示すように、プレキャストコンクリートパネルであるセグメント110Aの端部のホルダ111には、ピン112がバネ113を介して弾性的に支持され、先端を継手板114から突出させている。
【0008】
一方、図7に示すように、このセグメント110Aと重ね合わされるセグメント110Bには、継手板121が埋設される。この継手板121には、前記ピン112が挿入される穴121Aが形成され、さらに、継手板121の後方にはコッタ122が支持される。
【0009】
このコッタ122は、水平部122Aと楔部122Bからなる。この楔部122Bはピン112に形成された楔形切り欠き112A(図6参照)に嵌合する一方、水平部122Aに形成された長穴122Cに嵌まり込むボルト123は、水平部122A下方の雄ネジブロック124に螺合する。
【0010】
これにより、ボルト123を締め付けによって、楔部122Bは楔形切り欠き112Aに食い込んで行き、継手板114と継手板121(セグメント110Aとセグメント110B)とを締め付け、セグメント継手による締結力を調整することができるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来のセグメント継手には、以下に述べるような問題点があった。
【0012】
セグメントリングには強大な土水圧荷重による曲げモーメントが発生し、セグメント継手には大きな曲げ引っ張り力がかかる。このため、セグメント継手はあらかじめ軸方向の力を発生させた状態で締結し、締結後のセグメント継手に曲げ引っ張り力がかかったとしても、セグメント継手間の目開きがおきないようにして、セグメントリングの変形を防止している。
【0013】
ところが、図5に示した実開平1−98300号公報のセグメント継手の場合には、上述したように、セグメント継手の締結は皿バネ103により維持されているに過ぎない。このため、セグメント継手に軸方向の力を発生させた状態で締結したとしても、締め付け具本体101の弾性変形よりも圧倒的に大きく皿バネ103が弾性変形してしまい、大きな外力が作用したときには、セグメント継手は継手としての機能を果たすことはできない。
【0014】
また、鋼製セグメント104、105間には、通常、シール部材16が設けられているが、セグメントリングにかかる外力によりシール部材16が圧しつぶされてしまい、その分、鋼製セグメント104、105間に隙間が生じてしまうことがあるが、この図5に示したセグメント継手では、これを吸収するように調整することはできない。
【0015】
一方、図6、図7に示した特願平6−231508号のセグメント継手の場合には、ボルト123のねじ込み具合によってセグメント継手の締結力を調節できるようになっているので、大きな外力が作用したときにも継手としての機能を果たすことはできる。
【0016】
しかしながら、このセグメント継手は、複雑な構成を持つものであり、複雑な加工が必要とされる。
【0017】
また、ピン112に楔形切り欠き112Aを形成しているので、ピン112の径に対して有効断面が小さく効率的でない。
【0018】
さらに、これらのピン型のセグメント継手においては、継手に作用する正負両方向の曲げモーメントに抵抗するために、セグメントの内周側近傍と外周側近傍の両方にセグメント継手を設ける必要がある。すなわち、セグメントリングに曲げモーメントが作用したときには、ピン型のセグメント継手には引っ張り荷重が、またセグメントのコンクリートパネルには圧縮荷重がかかるが、これらの荷重に対するセグメント継手またはコンクリートパネルの耐荷範囲を十分に大きなものとするには、正方向および負方向の曲げモーメントにそれぞれ対応して、セグメント内周側と外周側に2つのセグメント継手を備えなければならない。このため、セグメント継手の数が増えてしまい、コストアップの原因となっていた。
【0019】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、セグメントリングにかかる正負両方向の曲げモーメントに対して少ない数の継手で効率的に抵抗力を発揮し得るとともに、低コストで加工および組み付け作業を行い得るセグメント継手を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
第1、2の発明は、トンネル覆工作業用のセグメント間を結合するセグメント継手において、隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近にこの接合面に垂直に、または接合面に垂直な軸とセグメントの厚み方向の軸とで形成される面に、互いに平行に設けられた一対の継手板を備え、各継手板は、その先端に互いに対向するように折り曲げられた屈曲部を形成し、これらの屈曲部を係合させることにより前記一対の継手板を連結するとともに、前記継手板の少なくとも一方を接合面に対して垂直方向に移動可能とし、この移動可能とされた継手板側のセグメントの所定の位置に定着部材を固定し、前記移動可能とされた継手板に楔押さえ部を設け、この楔押さえ部と前記定着部材の間に打ち込まれる楔部材を備えた。
第3の発明は、前記セグメントは、円弧状に形成され、前記継手板は、隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近にこの接合面に垂直かつ径方向に平行に設けられる。
【0021】
第4の発明は、楔部材に備えたボルトをねじ込むことにより楔押さえ部と定着部材の間隔を圧し広げる
【0022】
第5の発明は、前記楔押さえ部材は、前記継手板の基端側に形成された屈曲部である。
【0023】
第6の発明は、前記楔押さえ部材は、前記継手板に形成した楔嵌合穴であるとともに、前記移動可能とされた継手板の両側を挟み込むように一対の定着部材を備えた。
【0024】
第7の発明は、トンネル覆工作業用のセグメントにおいて、前記第1から第6のいずれか一つの発明のセグメント継手を接合面に一対備えるとともに、これらのセグメント継手の一方の継手板は接合面に固定され、セグメント継手の他方の継手板は前記接合面に対して垂直方向に移動可能とし、かつこの移動可能な継手板を接合面に形成した凹部に収容するようにした。
【0025】
【発明の作用および効果】
第1から3の発明では、一対の継手板先端の屈曲部同士を係合させることにより、セグメントの連結は容易に行い得る。また、一対の継手板は、板状の部材から構成され、またセグメントの厚み方向(セグメントの外周側から内周側に至る方向)に平行に配置されているので、セグメントの厚み方向にわたって配設されることになり、ひとつのセグメント継手のみでセグメントリングにかかる正負の曲げモーメントのそれぞれに対して十分に大きな抵抗力を発揮することができる。また、継手の有効断面積も広く、剛性も高い。さらに、セグメント継手をセグメントに組み付ける際にも細かな位置決め作業が不要である。また、一対の継手板の少なくとも一方は、楔部材の打ち込みの程度に応じて後方に押さえ込まれ、継手板の屈曲部同士の係合が強固にされる。これにより、継手板の持つ寸法誤差や組み立て誤差は吸収され、セグメント継手は確実に連結される。また、セグメント間のシール部材がつぶれるなどして、セグメント間の隙間が広がってしまったようなときにも、楔部材の打ち込み位置を調節することによりセグメント継手による締結力を維持することができる。したがって、セグメント継手の数を低減でき、またセグメント継手の組み付け作業が効率化できるとともに、セグメント継手による締結を補強するための工事も不要となり、その分コストダウンを図ることができ、施工期間も短縮することができる。
【0026】
第4の発明では、楔部材に備えたボルトをねじ込むことにより楔押さえ部と定着部材の間隔を圧し広げるので、ボルトの締め付け程度によるセグメント継手による締結力の調整作業は極めて容易に行い得る。
【0027】
第5の発明では、楔押さえ部材は継手板の基端側に形成された屈曲部であるので、セグメント継手は全体として極めて単純な形状から構成でき、加工費を大幅に削減できる。
【0028】
第6の発明では、楔押さえ部材は継手板に形成された楔嵌合穴であるので、楔部材の打ち込みは継手板と垂直方向、すなわちセグメントの側方(トンネル軸方向)から行われる。したがって、セグメントの内周面には楔部材の打ち込み作業のための開口を形成する必要がなくなり、この開口をモルタル等で穴埋めする必要がなくなるので、トンネル覆工作業が効率化される。
【0029】
第7の発明では、トンネル覆工作業用のセグメントには、接合面に対して移動可能な継手板と、接合面に対して固定された継手板がひとつづつ振り分けられ、したがって凹部もそれぞれひとつづつ形成される。これにより、セグメントの接合面に凹部が2つ形成されてしまうことによりセグメントの強度が弱められてしまうことが回避されるとともに、セグメントの継手面形状が共通となるので、セグメントを共通の型から形成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
図1には、本発明のセグメント継手の基本構成となる実施の形態を示す。
【0032】
図示されるように、セグメント1A、1Bの接合面(継手面)には、それぞれ継手板2A、3A、継手板2B、3Bが備えられる。これらの継手板2A、3A、継手板2B、3Bは、それぞれセグメント1A、1Bの厚み方向(セグメント1A、1Bの内周面側から外周面側に向かう方向)に平行(セグメントリングの円周方向に平行)にそれぞれ配置され、継手板2Aは3Aと、また継手板2Bは3Bと、それぞれトンネル軸方向に並んだ状態となっている。そして、セグメント1A、1Bの継手面が重ね合わされたときには、継手板2Aは継手板2Bと、また継手板3Aは継手板3Bと、互いに対峙する。この継手板2A、2Bと、継手板3A、3Bが、それぞれ本発明のセグメント継手を構成する。
【0033】
継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bは、それぞれ先端部分に、互いに対向するようにL字型に折れ曲げられ、互いに係合する屈曲部4A、4Bおよび屈曲部5A、5Bを備えている。この場合、セグメント1A側の屈曲部4A、5Aは、既設コンクリート側と反対側に折り曲げられ、またセグメント1B側の屈曲部4B、5Bは、既設セグメントリング側に折り曲げられている。これにより、セグメント1Bを、既設セグメントリング側のセグメント1Aに向かって移動させ、継手面を重ね合わせるようにすれば、屈曲部4A、4Bおよび屈曲部5A、5Bの係合がなされるようになっている。
【0034】
継手板2A、2B、継手板3A、3Bは、いずれもセグメント1A、1Bのコンクリート内に、アンカー筋とともに埋め込まれている。この場合、継手板2Aおよび継手板3Bは、それぞれセグメント1A、1Bから突出する一方で、継手板2Bおよび継手板3Aは、それぞれセグメント1B、1Aに形成された凹部7B、7A内に収容されている。これにより、屈曲部4A、4Bおよび屈曲部5A、5Bが係合すると、継手面がぴったり重ね合わされるようになっている。
【0035】
なお、後述するように、凹部7B、7A内に収容された継手板2B、3Aには定着部材が備えられ、これらの継手板2B、3Aは移動可能となっているが、本実施の形態では、接合されるセグメント1A、1Bのそれぞれには、移動可能な継手板3A、2Bと固定された継手板2A、3Bがひとつづつ振り分けられ、凹部7A、7Bもそれぞれひとつづつ形成されるようになっている。これにより、セグメント1A、1Bのいずれかの継手面に凹部が2つ形成されることによりセグメントの強度が弱められてしまうことが回避されるとともに、セグメントは、継手面形状が共通となるので、共通の型から形成することができる。
【0036】
図2には、図1に示すような基本構成に、セグメント継手を強固に締結するための機構(定着機構)を備えた実施の形態を示す。
【0037】
この定着機構は、図1に示したような継手板2A、2Bの少なくとも一方、および継手板3A、3Bの少なくとも一方に備えられる。本実施の形態では、図1の凹部7B、7A内に収容された継手板2B、3Aに定着機構が備えられる。以下の説明では、継手板3Aに備えられた定着機構を例にとって説明する。
【0038】
定着機構は、定着部材である定着板11と、楔部材12と、ボルト13と、継手板3Aの基端に形成された屈曲部14からなる。
【0039】
定着板11は、セグメント1Aを構成するコンクリートパネルの中にアンカー筋8とともに埋め込まれ、接合面に略平行に固定されている。セグメント1Aを構成するコンクリートパネルには、この定着板11の側方および背後にかけて空間が形成される。この空間に、継手板3Aの基端側部分が、定着板11に対して垂直方向に移動自在に収容される。
【0040】
楔部材12は、定着板11に沿って配置される垂直面15を備えるとともに、この垂直面15の反対側に、垂直面15に対して所定の傾斜をもつ傾斜面16を備える。これにより、楔部材12は下方(セグメント1Aの内周面方向)に行くにしたがって幅を広げるようになっている。
【0041】
屈曲部14の内側の面は、楔部材12の傾斜面16と重なり合う傾斜面17となっている。これにより、楔部材12は、定着板11と、この定着板11の後方に回り込む屈曲部14の間に挟み込まれた配置となっている。
【0042】
定着板11の上側(セグメント1Aの外周面側)はL字型に折れ曲がったボルトねじ込み面18となっており、楔部材12を上下に貫通する貫通穴20を突き抜けたボルト13先端が、このボルトねじ込み面18に形成されたボルト穴19に下方からねじ込まれるようになっている。
【0043】
定着板11背後の空間は、セグメント1Aの内周面側に開口するようになっており、ボルト13のねじ込み作業は、この開口を通じて行い得る。
【0044】
このような構成により、ボルト13をボルト穴19にねじ込んで行くと、楔部材12がボルト13とともに上方のボルトねじ込み面18側に移動し、楔部材18の形状にしたがって定着板11と屈曲部14の間隔が圧し広げられて行く。この結果、継手板3Aは図2に矢印で示す方向に移動し、継手板3Aと継手板3Bの締結の強度が高められて行くようになっている。
【0045】
なお、定着板11背後の空間を、セグメント1Aの外周面側にまで貫通するようにしておけば、セグメント1Aの外周面側からこの空間内に裏込めモルタルが流入して来るので、継手板3Aの防食に有効である。
【0046】
つぎに、図1の基本構成に図2に示す定着機構を備えた実施の形態について作用を説明する。
【0047】
セグメント1A、1Bを、継手板2A、2Bからなるセグメント継手と、継手板3A、3Bからなるセグメント継手を介して連結するときには、図1に示すように、セグメント1Bの継手面を含む平面が既設セグメントリング側のセグメント1Aの継手面を含む平面と一致するように、セグメント1Bをセグメント1Aの手前でセグメントの周方向に左旋回させ、さらに、セグメント1Bの継手面がセグメント1Aの継手面に重なり合うように、セグメント1Bをトンネル軸方向に移動させ、継手板2A、2Bの屈曲部4A、4Bおよび継手板3A、3Bの屈曲部5A、5Bをそれぞれ係合させる。
【0048】
さらに、図2に示すように、セグメント1Aの内周面側の開口からボルト13のねじ込み作業を行い、継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bの締結力を調整する。
【0049】
これにより、継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bの寸法誤差や組み立て誤差は吸収され、継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bは確実に連結される。また、セグメント1A、1B間のシール部材がつぶれるなどして、セグメント1A、1B間の隙間が広がってしまったようなときにも、ボルト13をねじ込んで行くことにより、セグメント継手による締結力を維持することができる。
【0050】
また、継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bは、板状の部材から構成されているので、セグメント1A、1Bの継手面の厚み方向(外周側から内周側に至る方向)の広い範囲にわたって配置することができる。また、継手の有効断面積も広く、剛性も高い。したがって、従来のピン型のセグメント継手のようにセグメントリングにかかる正負の曲げモーメントのそれぞれに対応するためにセグメント1A、1Bの内周側と外周側のそれぞれに複数のセグメント継手を配置する必要はなく、内周側から外周側にかけては1個のセグメント継手のみを備えただけで有効に作用し、最小限の数のセグメント継手でセグメントリングにかかる正負いずれの方向に対しても大きな曲げモーメントに耐えることができ、セグメント継手による締結を補強するための工事(例えばセグメント内側への鉄筋コンクリート覆工など)が一切不要となり、工費の大幅な削減が可能となる。
【0051】
また、セグメント継手は、継手板2A、2Bおよび継手板3A、3Bに定着機構を備えた単純な形状であるので、加工は容易であり、低コストで製造することができる。
【0052】
さらに、セグメント1A、1Bへの組み付けにおいても細かな位置決め作業が必要なく、作業が効率化できる。
【0053】
なお、本実施の形態では、楔部材12を垂直面15と傾斜面16を備えた台形断面のものとしたが、楔部材の形状はこのような形態に限られず、例えば楔部材を、図3に示すように、所定の傾斜を備えた傾斜面21a、21bを互いに対向させる一対の楔部材21、22から構成してもよい。この場合、傾斜面21a、21bと反対側の面は、平行な垂直面21a、21bとなっており、それぞれ屈曲部14の内側の面または定着板11と重なり合うようにし、また、屈曲部14の内側の面は定着板11と平行面としておく。このような構成に加えて、楔部材21、22の上下方向へのずれをボルト締めなどで調節可能としておけば、屈曲部14と定着板11の間隔を調整することができ、結果として継手板間の締結の強度が調整できる。
【0054】
図4には、図1に示すような基本構成に定着機構を備えた他の実施の形態を示す。
【0055】
この実施の形態では、定着部材である一対の定着板30、31がセグメント1Aの接合面に略平行に並べられた状態で備えられ、アンカー筋32とともにコンクリート内に埋め込まれて固定されている。
【0056】
これらの定着板30、31の間から背後にかけては空間が形成され、この空間に、継手板3Aの基端側が収容されている。そして、継手板3Aの定着板30、31前後付近には、楔孔33が開口している。
【0057】
この楔孔33には、定着板30、31の背後に位置するように楔部材34が嵌合し、楔部材34に開口する貫通穴35に貫通した図示されないボルトを、図示されない固定部材に形成されたボルト穴にねじ込むことにより、楔部材34は図4の矢印Aの方向に押し込まれるようになっている。この場合、楔部材34の定着板30、31と反対側の面は傾斜面34aとなっており、楔穴33の傾斜面33aと接するようになっているので、楔部材34が押し込まれると、傾斜面33aが定着板30、31と反対方向に押し出され、結果として、継手板3Aが図4の矢印Bの方向に押し出される。このようにして、継手板3Aと3Bの締結の強さが調節できるようになっている。
【0058】
この場合、定着板30、31背後の空間は、セグメント1Aのトンネル軸方向側面(既設セグメントリングと反対側の側面)に開口するようになっており、ボルトのねじ込み作業はこの開口を通じてなされる。したがって、本実施の形態によれば、ボルトねじ込み作業のために、セグメント1Aの内周面に開口を形成する必要はなく、この開口をモルタル等で穴埋めする必要がなくなるので、トンネル覆工作業が効率化される。
【0059】
なお、図1の継手板2A、3Aのように、継手板をトンネル軸方向に並べて備えている場合には、継手板2A、3Aの定着板をセグメントの周方向にずらしておき、既設セグメントリング側の継手板2B側のボルトを長ボルトとして、継手板3B側を貫通させ、継手板3B手前の開口にまで導いておくとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同じく定着機構を備えた実施の形態を示す斜視図である。
【図3】同じく楔部材に関する他の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】同じく他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】セグメント継手の従来例を示す断面図である。
【図6】セグメント継手の他の従来例を示す斜視図である。
【図7】同じく斜視図である。
【符号の説明】
1A セグメント
1B セグメント
2A 継手板
2B 継手板
3A 継手板
3B 継手板
4A 屈曲部
4B 屈曲部
5A 屈曲部
5B 屈曲部
6 アンカー筋
7A 空間
7B 空間
8 アンカー筋
11 定着板
12 楔部材
13 ボルト
14 屈曲部
15 垂直面
16 傾斜面
17 傾斜面
18 ボルトねじ込み面
19 ボルト穴
20 貫通穴
21 楔部材
22 楔部材
30 定着板
31 定着板
32 アンカー筋
33 楔穴
34 楔部材
35 貫通穴

Claims (7)

  1. トンネル覆工作業用のセグメント間を結合するセグメント継手において、
    隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近にこの接合面に垂直に互いに平行に設けられた一対の板状の継手板を備え、
    各継手板は、その先端に互いに対向するように折り曲げられた屈曲部を形成し、
    これらの屈曲部を係合させることにより前記一対の継手板を連結するとともに、
    前記継手板の少なくとも一方を接合面に対して垂直方向に移動可能とし、
    この移動可能とされた継手板側のセグメントの所定の位置に定着部材を固定し、
    前記移動可能とされた継手板に楔押さえ部を設け、
    この楔押さえ部と前記定着部材の間に打ち込まれる楔部材を備えたことを特徴とするセグメント継手。
  2. 前記継手板は、隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近にこの接合面に垂直な軸とセグメントの厚み方向の軸とで形成される面に平行に設けられることを特徴とする請求項1に記載のセグメント継手。
  3. 前記セグメントは、円弧状に形成され、
    前記継手板は、隣り合うセグメントのそれぞれの接合面付近にこの接合面に垂直かつ径方向に平行に設けられることを特徴とする請求項1に記載のセグメント継手。
  4. 前記楔部材は、楔部材に備えたボルトをねじ込むことにより楔押さえ部と定着部材の間隔を圧し広げることを特徴とする請求項1に記載のセグメント継手。
  5. 前記楔押さえ部材は、前記継手板の基端側に形成された屈曲部であることを特徴とする請求項1または4に記載のセグメント継手。
  6. 前記楔押さえ部材は、前記継手板に形成した楔嵌合穴であるとともに、前記移動可能とされた継手板の両側を挟み込むように一対の定着部材を備えたことを特徴とする請求項1または4に記載のセグメント継手。
  7. 前記請求項1から6のいずれか一つに記載のセグメント継手を接合面に一対備えるとともに、これらのセグメント継手の一方の継手板は接合面に固定され、セグメント継手の他方の継手板は前記接合面に対して垂直方向に移動可能とし、かつこの移動可能な継手板を接合面に形成した凹部に収容するようにしたことを特徴とするトンネル覆工作業用のセグメント。
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