JP2001181997A - 製紙工程のためのスライム除去組成物及びそれを用いたスライム制御方法 - Google Patents

製紙工程のためのスライム除去組成物及びそれを用いたスライム制御方法

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JP2001181997A
JP2001181997A JP2000285106A JP2000285106A JP2001181997A JP 2001181997 A JP2001181997 A JP 2001181997A JP 2000285106 A JP2000285106 A JP 2000285106A JP 2000285106 A JP2000285106 A JP 2000285106A JP 2001181997 A JP2001181997 A JP 2001181997A
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シン ジュ ホン
Won-Seong Song
セオン ソン ウォン
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    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H5/00Special paper or cardboard not otherwise provided for
    • D21H5/22Fungicidal, bactericidal, insecticidal, disinfecting, antiseptic, or corrosion-inhibiting paper antistatic, antioxygenic paper
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
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    • D21H21/00Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its function, form or properties; Paper-impregnating or coating material, characterised by its function, form or properties
    • D21H21/02Agents for preventing deposition on the paper mill equipment, e.g. pitch or slime control
    • D21H21/04Slime-control agents

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】製紙工程に有用な強力な殺菌力を有するスライ
ム除去組成物及びその方法を提供する。 【解決手段】下記式Iで表されるポリヘキサメチレング
アニジン燐酸塩及び下記式IIで表される2−ブロモ−
2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが1:1〜1:
16(ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩:2−ブロ
モ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)の重量比
で混合された混合物を含む製紙工程に有用なスライム除
去組成物。及びスライムの形成を制御する方法。 ここで、mは4〜7の整数であり、nは1〜14の整数
である。 【効果】前記組成物は、優れた殺菌力の即効性及び持続
性を有することに加え、耐性突然変異体を殆ど発生させ
ないので、少量でも高い抗菌力を維持できるという経済
的利益をもたらし得る。更に、本発明の殺菌剤は、様々
な状態で用いることができるので、紙やパルプを製造す
る分野に加え、冷却水や殺菌剤の分野を包含する様々な
分野に適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙製造業に有用
なスライム除去組成物(slime-removing composition)に
関する。より詳しくは、本発明は、製紙製造業の製造ラ
インにおけるスライムの形成を引き起こす微生物の幅広
いスペクトルに対する強力な抗バクテリア及び抗菌力(a
nti-bacterial and anti-fungal activity)を有するス
ライム除去組成物に関する。更に、本発明は、前記スラ
イム除去組成物を使用することによって製紙生産中にお
けるスライムの形成を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工業において、最終製品の種類によ
って様々な原料及び添加剤が使用されるが、基本的に、
原料を混合するために多量の水が用いられる。この混合
工程は、微生物の成長に適する、30℃でほぼ中性のp
Hの条件下で行われる。更に、製紙工程において使用さ
れる材料は、微生物の成長及び増殖に十分なほど栄養
(有機的及び無機的に)に富んでいるので、微生物の存
在によって周期的にスライムが形成され、製紙工程の効
率的な運転が阻害される。特に、微生物はそれらの増殖
のために白水(white water)中に含まれる様々な有機物
を利用して、多糖類を分泌する。分泌されたこれらの重
合物は、様々な有機物及び無機物と結合し、粘性塊であ
るスライムを形成する。スライムは、流動体の流れが弱
められた場合に、特に微生物が付着しやすいパイプ又は
チェスト(chests)上に主として形成される。スライムの
形成を引き起こす微生物としては、通常、空気、澄んだ
水及び再循環された白水に由来するシュードモナスspp.
(Pseudomonas spp.)やバシラスspp.(Bacillus sp
p.)のようなバクテリア、及び通常、鉱物スラリーや紙
コーティング剤等のような製紙工程において使用される
添加剤に由来するアスペルギルスspp.(Aspergillus sp
p.)やカンジダspp.(Candida spp.)のような真菌(fun
gi)が挙げられる。
【0003】最近の製紙工程のための条件の変化は、ス
ライムの形成を増大させる傾向がある。例えば、まず、
白水の高再利用率によって、その中に溶解する有機物及
び無機物の量が増加し、白水の温度が上昇する一方、溶
解する酸素が減少するため嫌気性微生物が盛んに成長
し、悪臭を発生させる深刻なスライム形成が引き起こさ
れる。次いで、製紙工程中の浄化間隔(purging interva
l)を短くする、又は長くすることにより、スライム形成
を増大させる、堆積された(accumulated)有機物及び/
又は無機物量の増加が引き起こされる。最後に、紙屑自
体が微生物の栄養分として使用され得るために、紙屑の
再利用は微生物の繁殖を引き起こす。その上、紙屑の再
利用において使用された添加剤が残存することによっ
て、スライム制御剤が不活性化され、結果的にスライム
形成が増大される。
【0004】製紙工程の製造ラインにおけるスライムの
堆積は、製紙工程の生産性及び操作性(workability)を
低下させ、最終製品を変色させ、より汚くし、かつ悪臭
を放つようにするような付着物(fouling)、充填物(plug
ging)、沈殿及び臭気の原因となる。上記の中で最も問
題となるのは、パルプの劣化、及び運転を中断させる原
因となる紙の切断の発生であり、これらは時間を浪費さ
せ、かつ装置効率を低下させる。その結果、スライムの
堆積は、直接的又は間接的に莫大な経済的損失を招く。
【0005】上記のように、製紙工程ラインにおいてス
ライムを形成し得る微生物の例は多様であり、シュード
モナスspp.(Pseudomonas spp.)やバシラスspp.(Baci
llusspp.)のようなバクテリア及びアスペルギルスspp.
(Aspergillus spp.)やペニシリウムspp.(Penicillum
spp.)のような真菌を包含する。このようなスライム
を発生させる微生物(slime-causing microorganisms)を
制御するために、イソチアゾリン系(isothiazoline-bas
ed)又はブロム系(brome-based)化合物がスライム除去剤
として一般に使用されていた。しかし、単一化合物に基
づくスライム除去剤は、優れた素早い抗バクテリア及び
抗菌力を有さず、かつバクテリア及び真菌の幅広いスペ
クトルに対する強力な殺菌力(sterilizing activity)を
も有していなかった。例えば、ブロム化合物である2,
2−ジブロモ−3−ニトリルプロピオンアミド(DBN
PA)は、24時間後に十分な殺菌力を示すためには5
ppmの量で足りるが、早期に(3時間後)殺菌性を発
揮するためには、より多量の50ppmの量が必要であ
る(Society for Antibacterial and AntifungalAgent
s, Japan, Antibacterial and Antifungal Agent Dicti
onary p142, 1986)。イソチアゾリン化合物は、長時間
単独で用いられる場合には、特にシュードモナスspp.
(Pseudomonas spp.)のようなスライムを発生させる微
生物をスライム形成を増大させる耐性型(resistant one
s)に突然変異させる副作用をもたらす。この問題を解決
するために、様々なスライム除去剤が順に使用され、又
は徐々に濃度を高くしてより頻繁に添加される。しか
し、様々なスライム除去剤の使用は、やや面倒であり、
かつ、より高濃度のスライム除去剤を添加するときに作
業者がより危険な条件に曝されるようになる。その上、
製紙工程の運転中に、製紙工程に特有の連続操業によっ
て、添加されるスライム制御剤の即効性及び持続性が低
下する。この問題は、製造ラインの2箇所以上で、又は
より高濃度でスライム制御剤を供給することによって回
避され得る。しかし、この物理的処理と同時に、生産性
及び操作性の低下並びに経済的損失が引き起こされる。
【0006】ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩は、
即効性に優れ、毒性が低く、臭いを発生しない抗菌剤(a
ntimicrobial agent)であるが、抗菌力の持続性が比較
的劣っていることが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、スライ
ムを発生させる微生物を経済的に有利に死滅させること
を目指して製紙工程の製造ラインにおいて形成されるス
ライムの除去に関して鋭意研究した結果、ポリヘキサメ
チレングアニジン燐酸塩と2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールとの組み合わせが、バクテリ
アや真菌を包含する微生物の幅広いスペクトルに対して
即効性及び持続性に優れた効果的な抗菌力を示すことを
見出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明の目的
は、毒性が低く、バクテリアや真菌を包含する微生物の
幅広いスペクトルに対して高い殺菌力を有する、製紙工
程のために有用なスライム除去組成物を提供することで
ある。
【0009】本発明のもう一つの目的は、上記組成物を
用いてスライムを制御する方法を提供することである。
【0010】本発明の態様によって、下記式I及びII
でそれぞれ表されるポリヘキサメチレングアニジン燐酸
塩と2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオー
ルとを1:1〜1:16(ポリヘキサメチレングアニジ
ン燐酸塩:2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパン
ジオール)の重量比で混合した混合物を含む製紙工程の
ために有用なスライム除去組成物が提供される。
【0011】
【化5】 ここで、mは4〜7の整数であり、nは1〜14の整数
である。
【0012】
【化6】
【0013】本発明のもう一つの態様によって、スライ
ム除去組成物が製紙工程のパイプ及びチェストに8〜2
4時間の間隔で20〜1,000ppmの量で供給され
る、製紙工程におけるスライムの形成を制御するための
方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、スライム除去組
成物は、式Iのポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩と
2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールと
を1:1〜1:16の重量比で混合することによって調
製される。ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩に対す
る2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
の重量比が1より低く、又は16より高い場合は、得ら
れたスライム除去組成物はスライムを発生させる微生物
に対する殺菌力に劣る。本発明のスライム除去組成物
は、粉末状(powder phase)又は液状(liquid phase)で存
在し得る。粉末状のスライム除去組成物は、ポリヘキサ
メチレングアニジン燐酸塩と2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールとを1:1〜1:16の重量
比で混合することによって得ることができる。液状に関
しては、ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩を25w
t%含む水溶液を、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−
プロパンジオールを25wt%含む水溶液と1:1〜
1:16(ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩:2−
ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)の重
量比で混合することによって得ることができる。
【0015】最大の殺菌効果を得るために、本発明のス
ライム除去組成物は、作業者の手で(with unaided hand
s)、又は自動計量供給器(automatic scale feeder)を用
いて、スライムが頻繁に形成される部分に供給される。
スライム除去組成物は、好ましくは20〜1,000p
pmの量で供給される。例えば、スライム除去組成物の
量が20ppmに満たない場合、スライムを発生させる
微生物に対する殺菌効果は、それら微生物を死滅させる
には不十分である。一方、スライム除去組成物が1,0
00ppmよりも多いと、作業者の安全及び操作性に悪
影響を及ぼす。粉末のスライム除去組成物の量は、20
〜200ppmの範囲内で少なくすることが好ましく、
液状として存在する場合は、スライム除去組成物は、5
0〜1,000ppmの量で添加されることが好まし
い。
【0016】耐性菌種(resistant strains)を発生させ
ないために、8〜24時間の間隔で使用される本発明の
スライム除去組成物を長期に渡り使用することは、実際
上(effectively)回避されるべきであることが推奨され
る。
【0017】本発明のスライム除去組成物は、紙やパル
プを製造する分野に加えて、冷却水や殺菌剤の分野を包
含する様々な分野においても微生物を制御する(regulat
ing)ために利用できることが判明している。特に、本発
明のスライム除去組成物は、製紙工程のために有用であ
り、製紙工程において有用な添加剤のための消毒剤(ant
iseptic)又は防腐剤(preservative)として使用すること
ができる。
【0018】本発明は、以下に示す明確に説明された実
施例により、更に理解され得るが、これにより本発明が
限定されるものではない。
【0019】
【実施例】実施例1 スライム除去組成物の調製 ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩粉末と2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール粉末を1:
1、1:2、1:4、1:8及び1:16の重量比でそ
れぞれ混合し、粉末状のスライム除去組成物を得た。ポ
リヘキサメチレングアニジン燐酸塩水溶液(活性成分2
5wt%)と2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパ
ンジオール水溶液(活性成分25wt%)を1:1、
1:2、1:4、1:8及び1:16の重量比でそれぞ
れ混合し、液状のスライム除去組成物を得た。
【0020】実施例2 スライム除去組成物の活性成分の相乗効果 実施例1において調製されたスライム除去組成物の活性
成分は、それらの相乗効果を評価するために試験され
た。微生物(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))は、
活性成分を重量比で含む様々な濃度のスライム除去組成
物を含有する培養液中で30℃で1〜3日間培養され
た。バクテリアの成長を阻止するスライム除去組成物の
最小濃度を測定するために、この培養液の濁り度を肉眼
で観察した。ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩及び
2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを
コントロールとして単独で使用した場合にも最小発育阻
止濃度(MIC)を求めた。スライム除去組成物の抗菌
力の相乗効果は、Kull,F.C., Appl. Microbiol. 9:538
-541(1961)に開示されている以下の数式によって算出
される。
【0021】
【数1】相乗指数(SI)=(Qa/QA+Qb/QB) ここで、QAは単独で用いられた場合の殺菌剤AのMI
Cであり、QBは単独で用いられた場合の殺菌剤BのM
ICであり、Qaは殺菌剤Bと混合して用いられた場合
の殺菌剤AのMICであり、及びQbは殺菌剤Aと混合
して用いられた場合の殺菌剤BのMICである。(A:
ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩(PHMG)、
B:2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオー
ル)
【0022】算出されたSI値が1より大きい場合に
は、これらの成分がお互いに相反する活性を示すと決定
される。一方、1未満のSI値は、これらの成分が相乗
効果を示すことを意味する。結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、2種類の成分を
組み合わせた場合に相乗効果が得られた(SI<1)。
更に、スライム除去組成物は、成分を単独で用いたより
も様々な重量比で混合して用いた方が、より良好な殺菌
力を示した。その上、2種類の成分を等量で含む場合
は、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオー
ルの量を1/5に減らしたとしても、そのスライム除去
組成物は同等又はより良好な抗菌力を示した。従って、
2種類の抗生物質の成分は、お互いに混合した場合に
は、単独で用いられた場合よりも少ない量で用いられた
としても、より強力な抗菌力を示した。
【0025】実施例3 様々な微生物に対するスライム除去組成物の抗菌力 ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩水溶液(活性成分
25wt%)と2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロ
パンジオール水溶液(活性成分25wt%)とを1:1
の重量比で含有する組成物の、スライムの形成の原因と
なる様々な菌株に対するMIC値を評価した。比較のた
め、ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩水溶液(活性
成分25wt%)をコントロールとして単独で用いた。
培養液の濁り度を肉眼で観察することによってMIC値
を測定した。結果を下記表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】上記2種類の成分の組み合わせは、お互い
に相乗作用を及ぼすので、バクテリアや真菌を包含する
微生物の幅広いスペクトルに対して、それぞれ単独で用
いられた場合よりも強力な殺菌力を示すことが明らかに
なった。この殺菌剤の相乗効果によって、スライム除去
組成物は、少量しか用いなかった場合であっても、経済
的に好ましくない事態を招く製紙工程の製造ラインにお
いてスライムの形成を引き起こす微生物を効果的に制御
することが可能になる。更に、本発明のスライム除去組
成物は、製紙工程において使用される様々な添加剤が、
微生物、特にカンジダspp.(Candida spp.)やアス
ペルギルスspp.(Aspergillus spp.)のような真菌に
よって汚染されることを回避するために効果的に適用す
ることができる。
【0028】実施例4 抗菌力の即効性及び持続性 製紙工程におけるスライムの形成の原因となる微生物
(緑膿菌(Pseudomonasaeruginosa)、枯草菌(Bacillu
s subtilus)、 スファエロチラス・ナタンス(Sphaero
tilus natans)、ベギアトア・アルバ(Beggiatoa alb
a))の混合物は、栄養を含むブロス(nutrient broths)
中に103cfu/mlの密度で接種され、その後実施
例3で用いられたものと同じスライム除去組成物及びポ
リヘキサメチレングアニジン燐酸塩(活性成分25wt
%)溶液が25、50、100及び200ppmの濃度
でそれぞれ添加された。上記添加のあと直ちに(0時間
後)、3時間後、6時間後、24時間後、2日後、4日
後、7日後、14日後、21日後、28日後、及び35
日後に、培養物中に残存している微生物数を測定した。
上記添加から3週間(22日)後の培養物から採取され
た第2接種原試料(secondary inoculum samples)は、長
期に渡るスライム除去組成物の使用によって化合物に対
して耐性を有する突然変異体が発生したか否かを調べる
ために、上記と同じ培養液中で103cfu/mlの密
度で再度接種された。様々な濃度の本発明のスライム除
去組成物について、及びポリヘキサメチレングアニジン
燐酸塩単独について、時間経過に対する微生物数の変化
を観察した。結果を表3及び4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表3及び4に示されたように、ポリヘキサ
メチレングアニジン燐酸塩を単独で用いた場合は、効果
的な素早い殺菌力を示すが(即効性)、48時間後に微
生物が増殖を始めると殺菌力の持続性は低下した。更
に、ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩を単独で用い
た場合は、第2接種原の成長によって明らかなように、
突然変異した微生物が発生した。それに対して、本発明
のスライム除去組成物は、少量でも良好で迅速な殺菌作
用を示し、かつ長時間に渡り高い抗菌力を維持すること
が明らかになった。その上、このスライム除去組成物
は、再接種においても微生物に対して高い殺菌力を及ぼ
した。
【0032】実施例5 スライム除去組成物の製紙工程への適用及び殺菌効果 106cfu/mlよりも高い密度で微生物を含む製紙
工程用白水に対し、実施例3で用いられたものと同じス
ライム除去組成物が20、50、100及び200pp
mの量でそれぞれ供給された。比較のため、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールがコントロー
ルとして使用された。スライム除去組成物を供給してか
ら一定時間(6及び12時間)後に、白水から試料を採
取してその中に存在する微生物数を数えた。結果を下記
表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】表5に示されたように、本発明のスライム
除去組成物を添加してから6時間後に、微生物の数の驚
くべき減少が見られた。それに対して、コントロールを
添加してから6時間後の微生物の数は、添加初期と同じ
水準に維持されており、この結果から、2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−プロパンジオールを単独で用いた場
合は、短時間では抗菌力を及ぼすことは困難であること
が明らかになった。添加から48時間後、スライム除去
組成物を使用した場合の微生物数は、添加から6時間後
と同じ位低く維持され、一方、2−ブロモ−2−ニトロ
−1,3−プロパンジオールを単独で用いた場合は、微
生物数を大幅に減少させることはできなかった。従っ
て、ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩と2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとの組み合わ
せは、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ
ールを単独で用いた場合よりも殺菌力の即効性及び持続
性に優れている。
【0035】上記の通り、本発明のスライム除去組成物
は、バクテリアや真菌を包含する微生物の幅広いスペク
トルに対する強力な殺菌力を有する。スライム除去組成
物は、成分を単独で用いた場合よりもはるかに優れた殺
菌力の即効性及び持続性を有することに加え、耐性突然
変異体をほとんど発生させないので、少量しか用いなか
った場合であっても高い抗菌力を維持できるという経済
的利益をもたらすことができる。その上、この殺菌剤
は、毒性が低く、かつより強力な殺菌力を有するので少
量の使用で済むため、作業者の健康に対して有益であ
り、又は殺菌剤を供給する箇所が減るので製造収率を上
げるのに役立ち得る。更に、この毒性の低いスライム除
去組成物は粉末状や液状などの様々な状態で使用できる
ため、本発明の殺菌剤は紙やパルプを製造する分野に加
えて冷却水や殺菌剤の分野を包含する様々な分野におい
て微生物を制御するために適用できる。特に、腐食性や
毒性が低く、かつほとんど泡立たないという利点を有す
るので、本発明で用いられるポリヘキサメチレングアニ
ジン燐酸塩は、スライムが頻繁に形成される場所である
パイプやチェストに有利に利用することができる。
【0036】本発明は、例示的に記載され、使用された
専門用語は限定するよりもむしろ説明することを目的と
している。本発明の多くの修正及び変形は、上記の説明
に照らして可能である。それ故、添付の特許請求の範囲
内で、本発明は具体的に説明された以外の別の方法で実
施することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 17/07 D21H 17/07 17/11 17/11 17/49 17/49 17/54 17/54 (72)発明者 ウォン セオン ソン 大韓民国、テジョン 305−390、ユスン ク、ジョンミンドン、セジョン アパート 106−1005 Fターム(参考) 4H011 AA02 BA06 BB04 BB11 DA02 DA13 DD01 4L055 AG34 AG35 AG37 AH21 FA05 FA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式Iで表されるポリヘキサメチレン
    グアニジン燐酸塩及び下記式IIで表される2−ブロモ
    −2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが1:1〜
    1:16(ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩:2−
    ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)の重
    量比で混合された混合物を含む製紙工程に有用なスライ
    ム除去組成物。 【化1】 ここで、mは4〜7の整数であり、nは1〜14の整数
    である。 【化2】
  2. 【請求項2】 ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩と
    2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールと
    の混合物が粉末状又は液状である請求項1記載のスライ
    ム除去組成物。
  3. 【請求項3】 前記混合物が液状であり、活性成分を各
    々25重量%ずつ含有するポリヘキサメチレングアニジ
    ン燐酸塩水溶液及び2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−
    プロパンジオール水溶液から成る混合物である請求項2
    記載のスライム除去組成物。
  4. 【請求項4】 下記式Iで表されるポリヘキサメチレン
    グアニジン燐酸塩及び下記式IIで表される2−ブロモ
    −2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが1:1〜
    1:16(ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩:2−
    ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)の重
    量比で混合された混合物を含む組成物が8〜24時間の
    間隔で20〜1,000ppmの量で製紙工程のパイプ
    及びチェストに供給される製紙工程におけるスライムの
    形成を制御するための方法。 【化3】 ここで、mは4〜7の整数であり、nは1〜14の整数
    である。 【化4】
  5. 【請求項5】 ポリヘキサメチレングアニジン燐酸塩と
    2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールと
    の混合物が粉末状又は液状である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記混合物が、粉末状の場合には20〜
    200ppmの量で、及び液状の場合には50〜1,0
    00ppmの量で使用される請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記混合物が液状であり、活性成分を各
    々25重量%ずつ含有するポリヘキサメチレングアニジ
    ン燐酸塩水溶液及び2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−
    プロパンジオール水溶液から成る混合物である請求項5
    記載の方法。
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