JP2001181941A - 防護材料 - Google Patents

防護材料

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JP2001181941A
JP2001181941A JP36394799A JP36394799A JP2001181941A JP 2001181941 A JP2001181941 A JP 2001181941A JP 36394799 A JP36394799 A JP 36394799A JP 36394799 A JP36394799 A JP 36394799A JP 2001181941 A JP2001181941 A JP 2001181941A
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Yukihiro Nomura
野村幸弘
Yasuo Ota
大田康雄
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化に対する繊維特性の変化が極めて少
なく、常温での防護性能にも優れる改良された高強度ポ
リエチレン繊維からなる防護材料を提供すること。 【解決手段】 繊維状態での極限粘度[η]が5以上の
エチレン成分を主体とするポリエチレン繊維であり、そ
の強度が20cN/dtex以上、弾性率が500cN
/dtex以上であり、かつその繊維の動的粘弾性の温
度分散測定におけるγ分散の損失弾性率のピーク温度が
−110℃以下であり、さらに損失正接(tanδ)が
0.03以下である高強度ポリエチレン繊維からなる防
護材料及び当該高強度ポリエチレン繊維を1方向に配列
してなる樹脂含浸シートを2層以上異なった角度で積層
した構造物もしくは当該高強度ポリエチレン繊維を少な
くとも一部に用いた織編物からなる防護材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防弾チョッキ、防弾
ヘルメットなどに用いられる繊維素材として特に温度変
化の大きい環境下で使用される条件下でその性能の温度
に対する変化の少ない高強度ポリエチレン繊維からなる
防弾材料に関する。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリエチレンを原料にして高
強度・高弾性率繊維を得ようとする試みは近年活発であ
り、非常に高い強度・弾性率を有する繊維が報告されて
いる。例えば、特開昭56−15408号公報には、超
高分子量ポリエチレンを溶剤に溶解し得られたゲル状の
繊維を高倍率に延伸する、いわゆる「ゲル紡糸法」の技
術が開示されている。「ゲル紡糸法」により得られた高
強度ポリエチレン繊維は有機繊維として非常に高い強度
・弾性率を有し、さらには耐衝撃性が非常に優れる事が
知られており、防護材料として広く使用されている。か
かる高強度繊維を得る目的において、前出の特開昭56
−15408号公報によれば、極めて高い強度と弾性率
を有する素材を提供する事が可能であると開示されてい
る。しかしながら一方で、高強度ポリエチレン繊維は温
度による性能の変化が非常に大きいことで知られてい
る。したがって、ポリエチレン繊維を用いた防護材料も
その使用される温度によって性能が変化する。一般に防
護衣料は人が活動する場所で使用されるがその温度は−
50℃〜+60℃と非常に大きな幅を持っておりこのす
べてで高い防護性能を示すことが求められている。した
がって素材の温度による特性変化は防護材料としての性
能変化を引き起こす可能性が高く、温度により特性の変
化の小さいポリエチレン繊維からなる防護材料が求めら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の観点に基づき、
本発明は、常温で極めて優れた力学特性を有してかつ、
広範囲での温度変化における強度や弾性率などの力学特
性が高いレベルで維持された改良された高強度ポリエチ
レン繊維からなる防護材料を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、繊維状態
での極限粘度[η]が5以上のエチレン成分を主体と
し、強度が20cN/dtex以上、弾性率が500c
N/dtex以上であり、かつ繊維の動的粘弾性の温度
分散測定におけるγ分散の損失弾性率のピーク温度が−
110℃以下であり、さらにその損失正接(tanδ)が
0.03以下である高強度ポリエチレン繊維からなるこ
とを特徴とする防護衣料、及び前記記載の高強度ポリエ
チレン繊維を1方向に配列してなる樹脂含浸シートを2
層以上異なった角度で積層した構造物からなることを特
徴とする防護材料、及び前記記載の高強度ポリエチレン
繊維を少なくとも一部に用いた織編物からなることを特
徴とする防護材料に関する。さらに本発明で用いられる
ポリエチレン繊維は、極限粘度[η]が5以上でありか
つ、その重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/
Mn)が4以下である、エチレン成分を主体とする高分
子量重合体(A)を99重量部乃至50重量部、高分子
量重合体(A)に対して少なくとも1.2倍の極限粘度
を有する超高分子量重合体(B)を1重量部乃至50重
量部含有してなる重合混合物を、濃度が全量の5重量%
以上80重量%未満となるように溶剤に溶解して後、紡
糸、延伸された改良された高強度ポリエチレン繊維から
なる防護材料であることが望ましい。
【0005】以下、本発明を詳述する。本発明は、繊維
状態で測定の動的粘弾性特性の温度分散におけるγ分散
の損失弾性率のピーク温度が−110℃以下、好ましく
は−115℃以下であり、さらにその損失正接(tan
δ)の値が0.03以下好ましくは0.02以下である
ことを特徴とする改良された高強度ポリエチレン繊維か
らなる防護材料を提供するものである。
【0006】本発明で防護材料に使用される改良された
ポリエチレン繊維の温度による性能の変化が少ないこ
と、特に室温での力学物性、特に強度に優れていること
は。繊維の動的粘弾性のγ分散ピーク温度で定義するこ
とができる。すなわち、力学分散の起こる温度域では通
常、弾性率の著しい低下が観察される。高強度ポリエチ
レン繊維の場合、通常−100℃付近にγ分散が観察さ
れる。ポリエチレンはこのγ分散を境にして以後、室温
へ向かって温度上昇とともに急激にその物性値が低下す
る。例えば、液体窒素等使った極低温雰囲気下(約−1
60℃)で4GPaもの高強度を有するポリエチレン繊
維を、室温で測定すると約3GPa程度まで強度が低下
するという現象が見られた。このような性質は、広範囲
の温度域で該繊維を使用しようする場合、各種製品設計
上好ましくないことはもちろんであるが、逆にこの現象
を改善できれば室温での強度を飛躍的に向上せしめるこ
とが可能となると考えられる。従って、繊維の使用温度
域を広げる目的でγ分散の温度をより低温に維持してか
つ、強度の温度による低下をふせぐべく、その値を低く
することは上記の目的に対して非常に有効である。
【0007】かかる、材料の設計思想に基づき、新しい
繊維の開発を目指す際にまず着目されるγ分散とは、繊
維を構成している分子の側鎖や末端などの局所的な欠陥
に由来するものであることが知られている。このような
欠陥を低減すれば、γ分散の緩和強度すなわち損失正接
(tanδ)を低下させることができるが、そうすると繊
維の微細構造としてその完全度がより高くなり、γ分散
の発生する温度はより高温へ自動的に移行するのが常で
あった。すなわち、γ分散のピーク温度を低温に維持し
たまま、その緩和強度を低減することは、従来技術にお
いては相反する方向であり、到底到達することが出来な
い領域であった。而して、本発明の提供する繊維のよう
にγ分散のピーク温度が逆に非常に低温に維持されてか
つその値が非常に小さいことは従来常識からは、極めて
驚くべきことである。
【0008】本発明でいう改良されたポリエチレン繊維
を得る方法としては、前述の「ゲル紡糸法」が実際的手
法とて有効であるが、超高分子量ポリエチレンを成形し
て従来知られている高強度ポリエチレン繊維を得る手法
であれば特に基本となる製糸技術は問わない。すなわ
ち、本発明においては、極限粘度[η]が5以上であり
かつ、その重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw
/Mn)が4以下である、エチレン成分を主体とする高
分子量重合体(A)を99重量部乃至50重量部、高分
子量重合体(A)に対して少なくとも1.2倍の極限粘
度を有する超高分子量重合体(B)を1重量部乃至50
重量部含有する少なくとも2種類の超高分子量ポリエチ
レンの重合混合物を用いることが推奨される。この際、
主となる重合体(A)は極限粘度が5以上、好ましくは
10以上でありかつ、40未満であり、かつポリマーを
GPC(ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー
法)で測定したMw/Mnが4以下好ましくは3以下、
さらにこのましくは2.5以下であることが望ましい。
【0009】本発明のようなγ分散の温度が先ず低い値
であるためには、分岐や末端などの欠陥部ができるだけ
小さいものを選択することが肝要であり、その意味で主
体となる重合体(A)の重合度は重要であり、極限粘度
が5未満では分子の末端が非常に大きくなりγ分散のta
nδ値が大きくなってしまう。また40を超えると逆
に、製糸上溶液の粘度が上昇しすぎて製糸が困難とな
る。ここで、極限粘度で代替して表せられる平均的重合
度と共にその分布、いわゆる分子量分布は非常に重要で
あり、GPCで測定したMw/Mnは4以下であること
が望ましい。このような超高分子量でかつ分子量分布が
比較的揃った原料を用いるとγ分散を低温に維持したま
ま、そのtanδの値を低くすることが容易となる。
【0010】このように、極く狭い分子量分布を持つ超
高分子量ポリエチレン重合体は通常の紡糸手法に供する
だけでは、原料重合体の分子量分布が非常に狭いことに
由来して紡糸で安定して吐出できなかったり、吐出され
た溶液はほとんど延伸性が無くその成形は事実上不可能
である。上述のポリマーを従来のゲル紡糸法に供与せし
めるためには少なくもとも分子量分布Mw/Mnが4よ
り大きいことが望ましい。かかる低分子量分布の重合体
を利用する試みとして特開平9−291415号公報の
ごとく、粘度平均分子量30万以上でMw/Mnが3以
下の特殊な触媒により調整された超高分子量ポリエチレ
ン系重合体を用いて高強度高弾性率繊維を得られた技術
が開示されている。該公報に記載されているごとく、高
強度ポリエチレン繊維を製造する一般的な製造法である
ゲル紡糸法よりも、該開示技術はむしろポリマーを濃度
0.2wt%以下の希薄溶液に溶解して得られる単結晶
物集合体の乾燥試料から固相押出し法あるいはゲル延伸
法を組み合せて製造されるのが一般的であると述べら
れ、実施例にも単結晶集合物を利用した技術が開示され
ている。この例のように、従来のゲル紡糸法にかかる低
Mw/Mnのポリマーを供して紡糸・延伸工程を経るこ
とは非常に困難であった。かかる観点に基づき、旧来の
技術を改善するべく鋭意検討をした結果、主成分である
重合体(A)99乃至50重量部に対してその極限粘度の
少なくとも1.2倍の超高分子量重合体(B)を1重量
部乃至50重量部混合することで、著しく紡糸での曳糸
性(紡糸口金を出た溶液を引き伸ばす場合の引き取りや
すさ)や延伸のしやすさ、その速度が著しく向上するこ
とが判明し、得られた繊維もより前述に求めるごとき特
性、すなわちγ分散温度が低くかつtanδが低くなるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0011】上記製法等により得られた繊維は、繊維状
態での極限粘度[η]Fが5以上、好ましくは10以
上、40未満であり、その強度が20cN/dtex以
上、好ましくは 25cN/dtex以上,更に好ましく
は 35cN/dtex以上、また弾性率が500cN
/dtex以上、好ましくは800cN/dtex以
上,更に好ましくは1200cN/dtex以上であ
り、上述の力学分散特性との相乗効果により、実用面で
従来にない極めて優れた特性を有する改良されたポリエ
チレン繊維を得ることが可能となった。本発明でいう防
護材料としては一般に良く知られている防弾チョッキな
どに用いられる織布単独の形態、あるいは防弾ヘルメッ
トに用いられる織布に樹脂を含浸した複合材料のような
形態のものが想定される。本発明では特に使用される形
態に限定されることなくどのような形の防護用品に使用
されても高い効果が期待できる。
【0012】本発明で用いられる高強度ポリエチレン繊
維の形態の一例としては繊維を1方向に配列してなる樹
脂含浸シートを2層以上異なった角度で積層したシート
状積層物を多数重ね合わせた形態を取るものが挙げられ
る。この形態では繊維がほぼ直線となっており繊維の耐
衝撃性能が特に発揮されやすく本発明の目的をより確か
に達成できる。樹脂としては比較的柔らかく粘性のある
物が良く、例えば熱可塑性エラストマーなどが使用でき
る樹脂として挙げられるが用途に応じ剛性の高い熱硬化
性樹脂を用いても良い。本発明では高強度ポリエチレン
繊維を少なくとも一部に用いた織編物あるいはシート状
積層体を使用することでも優れた耐衝撃性能を発揮する
ことができる。例えば上記一方向樹脂繊維シートの場
合、組み合わせる他方の一方向シートにアラミド繊維か
らなるシートを組み合わせることもできる、また、織物
の場合経糸、緯糸にそれぞれ該ポリエチレン繊維とアラ
ミド繊維を1本交互に織り込んだ交織織物も一例として
挙げられる。
【0013】
【実施例】以下に本発明における特性値に関する測定法
および測定条件を説明する。 (動的粘弾弾性測定)本発明における動的粘度測定は、
オリエンテック社製「レオバイブロンDDV−01FP
型」を用いて行った。繊維は全体として100デニール
±10デニールとなるように分繊あるいは合糸し、各単
繊維ができる限り均一に配列するように配慮して、測定
長(鋏金具間距離)が20mmとなるように繊維の両末
端をアルミ箔で包みセルロース系接着剤で接着する。そ
の際の糊代ろ長さは、鋏金具との固定を考慮して5mm
程度とする。各試験片は、20mmの初期幅に設定され
た鋏金具(チャック)に糸が弛んだり捩じれたりしない
ように慎重に設置され、予め60℃の温度、110Hzの
周波数にて数秒、予備変形を与えてから本実験を実施し
た。本実験では−150℃から150℃の温度範囲で約
1℃/分の昇温速度において110Hzの周波数での温
度分散を低温側より求めた。測定においては静的な荷重
を5gfに設定し、繊維が弛まない様に試料長を自動調
整させた。動的な変形の振幅は15μmに設定した。
【0014】(強度・弾性率)本発明における強度,弾
性率は、オリエンティック社製「テンシロン」を用い、
試料長200mm、伸長速度100%/分の条件で歪ー
応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で
測定し、曲線の破断点での応力を強度(500cN/d
tex)、曲線の原点付近の最大勾配を与える接線より
弾性率(500cN/dtex)を計算して求めた。な
お、各値は10回の測定値の平均値を使用した。
【0015】(極限粘度)135℃のデカリンにてウベ
ローデ型毛細粘度管により、種々の希薄溶液の比粘度を
測定し、その粘度の濃度にたいするプロットの最小2乗
近似で得られる直線の原点への外挿点より極限粘度を決
定した。測定に際し、原料ポリマーのがパウダー状の場
合はその形状のまま、パウダーが塊状であったり糸状サ
ンプルの場合は約5mm長の長さにサンプルを分割また
は切断し、ポリマーに対して1wt%の酸化防止剤(商
標名「ヨシノックスBHT」吉富製薬製)を添加し、1
35℃で4時間撹はん溶解して測定溶液を調整した。
【0016】(分子量分布測定)本特許におけるMw/
Mnはゲル・パーミエーションクロマトグラフィー法に
て測定した。用いた装置はWaters社製(150C
ALC/GPC)とカラムとして東ソ(株)製(GM
HXLシリース゛)を用い145℃の温度で測定した。分子量
の検量線はPolymer Laboratoies社
製(Polystyren-High Molecular Weight Calibration K
it)を用いて作成した。試料溶液は、トリクロルベンゼ
ンに0.02wt%となるようにポリマーの0.2wt
%にあたる酸化防止剤(チバガイギー(社)製Irgafos168)
を添加して140℃で約8時間溶解したものを用いた。
【0017】(防護性能測定)繊維を全体として400
デニール±40デニールとなるように分繊あるいは合糸
し、織り密度が経緯とも40本/25mmの平織物を作
成する。こうして得られた織物を20cm各に切り出
し、単位重さが2.0kg/mとなるように積層して
4角を縫い糸で止め防護性能評価用の試料を作成した。
こうして得られた試料を−25℃の低温冷蔵庫、室温、
50℃熱風乾燥機の3つの温度条件に24時間以上放置
したのち直ちに試料台に保持し、1分以内にドライブイ
ット社製ドライブイット銃により直径5.56mm、重
量1.1gの円柱状の小鉄片を約500m/秒の速度で
射撃し、貫通前後の速度を2組の検速紙で計測し、試料
に吸収されたエネルギーを算出した。さらに得られた吸
収エネルギー値を実際の試料を計測した単位重量で除し
て単位吸収エネルギー(SEA)値を計算した。
【0018】以下、実施例をもって本発明を説明する。 (実施例1)極限粘度が18.5でかつその分子量分布
指数Mw/Mn=2.5の超高分子量ポリエチレンのホ
モポリマー(A)を99重量部と極限粘度が28.0で
かつその分子量分布が約Mw/Mn=5.5のポリマー
(D)を2重量部加えたパウダー状の混合物が全量の3
0重量%となるようにデカヒドロナフタレン70重量%
を常温で添加した。この際、重合物混合物の極限粘度
[η]Mは18.8であった。この混合重合体のデカリン
分散体を2軸型の混合押し出し機に供給し、200℃の
温度条件および100rpmで溶解・押し出しを実施し
た。尚この際、酸化防止剤は使用しなかった。このよう
にして調整された溶液は0.6mm直径を有するオリフ
ィスが48ホール設置された口金を用いて各ホールの吐
出量が1.2g/minとなるように押し出して後、直ちに
室温に調整した不活性ガスにて溶剤を一部除去しつつ冷
却し、90m/minの速度で引き取りを実施した。引き取
り直後のゲル状繊維のポリマー含有量は55重量%であ
った。この引き取られた糸は直ちに120℃のオーブン
にて4倍延伸されて後、一旦巻き取り、さらに149℃
に調整されたオーブンにて4.5倍に延伸されて高強度
繊維を得た。こうして得られた繊維を防護性能評価法に
従って製織し防護性能の評価を行った。繊維の動的粘弾
性特性を含む諸物性を表1に示す。
【0019】(実施例2)実施例1における主成分ポリ
マーとして極限粘度が12.0のポリマーを用いた他
は、同様の操作で延伸糸を得た。この際、重合物混合物
の極限粘度[η]Mは10.6であった。実施例1に比
べ、延伸が非常にスムーズであったが、得られた繊維の
強度は若干低下した。こうして得られた繊維を防護性能
評価法に従って製織し防護性能の評価を行った。
【0020】(実施例3)実施例1において、主成分の
ポリマーをエチレンに対して1−オクテンを0.1mol
%共重合させた極限粘度18.2のポリマーを用いた他
は同様の操作せ繊維を得た。尚、混合物の極限粘度は1
8.5であった。実施例1に比べると繊維の弾性率が若
干低下する傾向にあるが、紡糸での曳糸性および延伸で
の操業性等はむしろ優れる結果であった。さらに動的粘
弾性特性も非常に優れた結果となった。こうして得られ
た繊維を防護性能評価法に従って製織し防護性能の評価
を行った。
【0021】(比較例1)実施例1に用いた主成分ポリ
マーの替わりに極限粘度18.8で分子量分布指数Mw
/Mn=8.5のポリマーを使用した他は同様の操作で
延伸糸を得た。尚、ブレンド体の平均の極限粘度は1
8.9であった。実施例1に比較して糸の延伸性が低下
し若干延伸倍率を低下させる必要が生じその分、強度が
低下した。動的粘弾性特性のγ分散の損失弾性率のピー
ク位置の温度は−116℃と良好であったが、その損失
正接は0.040と大きな値となった。こうして得られ
た繊維を防護性能評価法に従って製織し防護性能の評価
を行った。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明によると、温度変化に対する繊維
特性の変化が極めて少なく、常温での防護性能にも優れ
る改良された高強度ポリエチレン繊維からなる防護材料
を提供することを可能とした。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維状態での極限粘度[η]が5以上のエ
    チレン成分を主体とするポリエチレン繊維であり、その
    強度が20cN/dtex以上、弾性率が500cN/
    dtex以上であり、かつその繊維の動的粘弾性の温度
    分散測定におけるγ分散の損失弾性率のピーク温度が−
    110℃以下であり、さらに損失正接(tanδ)が0.
    03以下である高強度ポリエチレン繊維からなることを
    特徴とする防護材料。
  2. 【請求項2】請求項1記載の高強度ポリエチレン繊維を
    1方向に配列してなる樹脂含浸シートを2層以上異なっ
    た角度で積層した構造物からなることを特徴とする防護
    材料。
  3. 【請求項3】請求項1記載の高強度ポリエチレン繊維を
    少なくとも一部に用いた織編物からなることを特徴とす
    る防護材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009504941A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 繊維網状構造層およびそれを含んでなる可撓性の耐貫通性物品
JP2011522199A (ja) * 2008-04-28 2011-07-28 テイジン・アラミド・ビー.ブイ. テープを含有する防弾製品
CN110607683A (zh) * 2019-09-29 2019-12-24 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 温度响应纤维及其制备方法

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