JP2017197856A - ポリオレフィン多層フィラメント - Google Patents

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Abstract

【課題】高い引張伸び率と応力緩和性を有しながら、低タック性と寸法変化しにくいポリオレフィン多層フィラメントを提供する。【解決手段】コア層(X)に4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を60モル%〜90モル%、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%〜40モル%含む4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む樹脂組成物を、表面層にエチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、および/または4−メチル−1−ペンテン系重合体からなるポリオレフィン多層フィラメントであり、該フィラメントのJIS L1013に準拠して測定される乾熱寸法変化率の絶対値が10%以下である。【選択図】なし

Description

本発明はポリオレフィンからなる多層フィラメント、およびその用途に関する。
フィラメントなどの繊維はインナーウェア、アウターウェア、ストッキング等に代表される衣料分野、水着やタイツなどのスポーツ分野、オムツに代表される衛生材料分野、産業資材分野等に広く使用されている。
近年、特にスポーツ分野や衣料分野、衛生材料分野で用いられるような柔軟繊維は高い伸縮性に加えて、薄地、軽量、透明性に代表される高機能性が強く求められている。これらの分野には、ポリアミド、ポリエステルあるいはポリウレタンの弾性繊維が広く使用されてきた(例えば特許文献1〜3)。
一方、原料としてポリオレフィン系樹脂を用いて得られるフィラメントは上記樹脂を用いたものに比べて、軽量、低吸水性である特長を有するものの柔軟性に課題があった。このような課題解決のために、特定要件を満たすエチレン系共重合体を含む樹脂材料を紡糸後、更に延伸して成るモノフィラメント(特許文献4)および4−メチル−1−ペンテン共重合体を紡糸して得られる紡績糸(特許文献5)が開示されている。
特開平11−323659号公報 特開平11−222724号公報 特開2008−248137号公報 特開2004−323983号公報 特開2014−167185号公報
特許文献1〜3で開示されている繊維では、吸水や加水分解による劣化により寸法変化するという問題があり、またウェアなどへ加工した際には伸縮性による締め付け感が強く、着心地が悪いという問題点もあった。特許文献4で開示されている繊維では、軽量で吸水や加水分解という問題は解決しているものの、熱水等加熱状態での寸法変化に未だ改良の余地があり、特許文献5で開示されている繊維では、軽量で吸水や加水分解という問題は解決しているものの、依然として伸縮性に改良の余地があった。
そこで本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、低比重、低吸水率を保持したまま寸法変化が小さく、かつ応力緩和性のバランスに優れるポリオレフィンフィラメントを提供することにある。
すなわち、本発明の主旨は次の通りである。
[1]下記要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物からなるコア層(Y)と、
エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体及び4−メチル−1−ペンテン系重合体(ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を除く)からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる表面層(Z)からなるポリオレフィン多層フィラメントであり、
該フィラメントがJIS L1013に準拠して測定される乾熱寸法変化率の絶対値が10%以下であることを特徴とするポリオレフィン多層フィラメント。
要件(a);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、構成単位(i)60〜90モル%と構成単位(ii)10〜40モル%とからなる。
要件(b);デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dL/gの範囲にある。
要件(c);密度(ASTM D1505にて測定)が870〜830kg/m3の範囲にある。
[2]前記ポリオレフィン多層フィラメントを50℃で3日熱処理した後の剥離力が10N/10mm以下である上記[1]に記載のポリオレフィン多層フィラメント。
[3]4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(d)を満たす上記[1]または[2]に記載のポリオレフィン多層フィラメント。
要件(d);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が0℃以上40℃以下である
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のポリオレフィン多層フィラメントを含有してなる紡績糸。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載のポリオレフィン多層フィラメントを含有して成る繊維構造体。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、高い引張伸び率と応力緩和性を有しながら、低寸法変化性と低タック性を示す。
以下、本発明のポリオレフィン多層フィラメントについて説明する。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、特定の4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物(X)からなるコア層(Y)と、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体及び4−メチル−1−ペンテン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる表面層(Z)からなるポリオレフィン多層フィラメントである。なお以下の説明では、コア層を芯層、表面層を鞘層と呼ぶ場合がある。
以下、本発明のポリオレフィン多層フィラメントのコア層(Y)を構成する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)について説明する。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」ともいう。)は、以下の要件(a)〜(d)を全て満たす。
要件(a);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)60〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜40モル%とからなる。
すなわち、構成単位(i)の割合の下限値は、60モル%であるが、65モル%であることが好ましく、68モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(i)の割合の上限値は、90モル%であるが、87モル%であることが好ましく、85モル%であることがより好ましく、80モル%であることが特に好ましい。このように、本発明では共重合体(A)における前記構成単位(i)の割合が前記下限値以上であることで、室温付近にtanδのピーク値温度を持つことになるため、形状追従性および応力緩和性が優れ、また、前記構成単位(i)の割合が前記上限値以下にあることで適度な柔軟性を持つ。
また、構成単位(ii)の割合の上限値は、40モル%であるが、35モル%であることが好ましく、32モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、10モル%であるが、13モル%であることが好ましく、15モル%であることがより好ましく、20モル%であることが特に好ましい。
前記構成単位(ii)を導くα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
ここで、本発明の一態様において共重合体(A)は、通常、構成単位(i)および構成単位(ii)のみからなるものである。ただし、共重合体(A)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、10モル%以下)であれば、構成単位(i)および構成単位(ii)のほかに、構成単位(iii)として、4−メチル−1−ペンテンおよび構成単位(ii)を導くα−オレフィンのいずれでもない他のモノマーから導かれる構成単位をさらに含んでいてもよい。このような他のモノマーの好ましい具体例としては、前記共重合体(A)が4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体の場合であれば、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
要件(b)
デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、通常0.5〜5.0dL/g、好ましくは0.5〜4.0dL/g、より好ましくは0.5〜3.5dL/gの範囲である。
後述するように重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得て極限粘度[η]を調整することが出来る。前記極限粘度[η]が0.5dL/gよりも過小、または5.0dL/gよりも過大であると、重合体組成物をシート等に加工する際の、成形加工性が損なわれる場合がある。
要件(c)
密度(ASTM D1505にて測定)が、通常870〜830kg/m、好ましくは865〜830kg/m、さらに好ましくは855〜830kg/mである。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
密度は共重合体(A)のコモノマー組成比によって適宜変えることができ、密度が上記範囲内にある共重合体(A)は、軽量なシートを製造する上で有利である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の特に好ましい形態は、前記要件(a)、(b)および(c)に加えて、更に下記要件(d)を満たし、とりわけ好ましい態様においては、(a)〜(d)の要件に加えて、更に要件(e)、(f)、(g)、(h)および(i)から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは全てを満たしている。
要件(d)
DSCにより測定した融点(Tm)が、110℃未満または観測されない。より好ましくは100℃未満または観測されない。さらに好ましくは85℃未満または観測されない。特に好ましくは融点(Tm)が観測されない。共重合体(A−1)の融点(Tm)は、コモノマー種およびコモノマー組成によって任意に制御することができ、融点(Tm)が上記要件を満たす場合に、本発明のポリオレフィン多層フィラメントは優れた柔軟性と靱性を示す。
要件(e)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が、通常1.0〜3.5、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8の範囲である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。前記Mw/Mnが3.5よりも過大であると、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、成形性が悪くなる。
ここで、本発明においては、後述する触媒を用いれば、上記要件(b)で示される極限粘度[η]の範囲内において、上記要件(c)を満たす共重合体(A)を得ることができる。なお、前記Mw/Mnおよび以下のMwの値は、後述する実施例において採用された方法で測定した場合の値である。
また、共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
要件(f);
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク値が、1.0以上5.0以下であることが好ましく、1.5以上5.0以下であることがより好ましく、2.0以上4.0以下であることがさらに好ましい。
要件(g)
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの室温での応力吸収性をより高める観点からは、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、共重合体(A)のtanδピーク温度は、0℃以上40℃以下であることが好ましく、10℃以上40℃以下であることがより好ましく、20℃以上40℃以下であることがさらに好ましく、25℃以上40℃以下であることがさらに好ましい。
共重合体(A)のtanδピーク温度を上記の温度範囲にすることで、室温でのtanδの値をより高めることができる。また室温にtanδピーク値を持つことにより、引張や変形の速度に応じて振動吸収性、材料の硬さや追従性を変化させることができる。
要件(h)
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの柔軟性をより高める観点からは、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始から15秒後における共重合体(A)のショアーA硬度は、5以上95以下であることが好ましく、10以上95以下であることがより好ましく、25以上90以下であることがさらに好ましく、50以上90以下であることが特に好ましい。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの応力緩和性、形状追従性をより高める観点からは、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、共重合体(A)の、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値との間の変化量ΔHSは、10以上60以下であることが好ましく、10以上50以下であることがより好ましく、15以上45以下であることがさらに好ましい。
なお、上記ΔHSは、以下の式に従って求められる値である。
ΔHS=(押針接触開始直後のショア)−(A硬度値−押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)
要件(h);
組成分布の幅を小さくして低分子量成分の量を減らし、低分子量成分が原因となるべたつきによる成形不良を生じにくくする観点からは、酢酸メチルによる共重合体(A)の抽出量は、0質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上0.8質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%以上0.7質量%以下であることがさらに好ましい。
酢酸メチルへの抽出量は、たとえば、共重合体(A)に含まれる成分をソックスレー抽出法で酢酸メチルに抽出したときの、抽出前後の共重合体(A)の質量変化量として測定することができる。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法>
前記共重合体(A)の製造方法は、特に限定されないが前記共重合体(A)は、例えば、4−メチル−1−ペンテンと上述した「構成単位(ii)を導くα−オレフィン」とを適当な重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
ここで、本発明で用いることのできる重合触媒として、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中、国際公開第2011/055803号、国際公開第2014/050817等に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。
<熱可塑性エラストマー(B)>
本発明のポリオレフィン多層フィラメントのコア層(Y)を構成する樹脂組成物(X)には、4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A)の優れた特性を損なわない範囲で、共重合体(A)以外の熱可塑性エラストマー(B)が添加されていてもよい。添加する場合、その添加量は、一般的には樹脂組成物(X)100質量部当たり50質量部以下、好ましくは40質量部以下である。なお、本発明においては樹脂組成物(X)が、共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる場合を、特に樹脂組成物(X1)と呼ぶ場合がある。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、熱可塑性エラストマー(B)との合計量を100質量部とすると、柔軟性、応力緩和性の観点から、前記組成物中の重合体(A)含量の上限値は、通常100質量部、好ましくは90質量部、さらに好ましくは75質量部、特に好ましくは60質量部であり、下限値は、通常10質量部、好ましくは15質量部、さらに好ましくは25質量部、特に好ましくは30質量部である。
言い換えると、熱可塑性エラストマー(B)の含量の下限値は、通常0質量部、好ましくは10質量部、さらに好ましくは25質量部、特に好ましくは40質量部であり、上限値は、通常90質量部、好ましくは85質量部、さらに好ましくは75質量部、特に好ましくは70質量部である。
本発明でいう熱可塑性エラストマー(B)とは、融点以上に加熱すると熱可塑性の性質を示す一方、常温ではゴム弾性の性質を示すポリマーである。そのような熱可塑性エラストマー(B)は具体的には、ポリオレフィン系エラストマー(B−1)、ポリスチレン系エラストマー(B−2)、ポリエステル系エラストマー(B−3)、ポリアミド系エラストマー(B−4)が挙げられる。
≪ポリオレフィン系エラストマー(B−1)≫
ポリオレフィン系エラストマー(B−1)の第1の態様は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系共重合体等(ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を除く)が挙げられる。
共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでもよい。例えば硬質部となるポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すα−オレフィン共重合体とのブロック共重合体が挙げられる。
第1の態様の具体例としては、JSR株式会社から商品名DYNARON(ダイナロン)(登録商標)、三井化学株式会社から商品名タフマー(登録商標)、ノティオ(登録商標)、ダウケミカル社から商品名ENGAGETM、INFUSETM、VERSIFYTM、エクソンモービルケミカル社から商品名VistamaxxTMとして市販されているものなどが挙げられる。
ポリオレフィン系エラストマー(B−1)の第2の態様は、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリイソブチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、水素添加スチレンブタジエン、α−オレフィンからなる共重合体(ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を除く)からなる群より選ばれる1つとのブレンド物である。このとき、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体は、部分的もしくは完全に架橋されていてもよい。
第2の態様の具体例としては、三井化学製から商品名ミラストマー(登録商標)、住友化学製から商品名エスポレックス(登録商標)、三菱化学製から商品名サーモラン(登録商標)、ゼラス(登録商標) 、エクソンモービルケミカル社から商品名Santoplene(登録商標)”などが挙げられる。
また、本発明に係るポリオレフィン系エラストマーは、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ヒドロキシル基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基で変性されていてもよい。
≪スチレン系エラストマー(B−2)≫
スチレン系エラストマー(B−2)としては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。スチレン系エラストマーは、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いられる。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の具体例としては、JSR株式会社から商品名:ダイナロン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加してなるものである。SISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、株式会社クラレから商品名:ハイブラー(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEBSの具体例としては、旭化成株式会社から商品名:タフテック(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SIB、SIBSの具体例としては、株式会社カネカから商品名:シブスター(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
≪ポリエステル系エラストマー(B−3)≫
本発明に係るポリエステル系エラストマーとしては、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、および、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体が挙げられるが、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体であることが好ましい。
ポリエステルエラストマー中の芳香族ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート系樹脂であることが好ましい。ここで、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸を組合せたものを用い、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いたポリエステルをいうものとするが、このジカルボン酸成分の一部(50モル%未満)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置き換えたり、ジオール成分の一部(50モル%未満)をブタンジオール成分以外の低分子ジオール成分で置き換えたりしたポリエステルであってもよい。また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸を組合せたジカルボン酸成分を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエステルをいうものとするが、このジカルボン酸成分の一部(50モル%未満)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置き換えたり、ジオール成分の一部(50モル%未満)をエチレングリコール成分以外の低分子ジオール成分で置き換えたりしたポリエステルであってもよい。
また、ポリエステル系エラストマー中の脂肪族ポリエーテルとしては、ポリアルキレングリコール系樹脂であることが好ましく、そのなかでも、ポリテトラメチレングリコール系樹脂および/またはポリエチレングリコール系樹脂であることがさらに好ましい。ここで、ポリアルキレングリコール系樹脂とは、ポリアルキレングリコールを主たる成分とする脂肪族ポリエーテルをいうものとするが、ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、アルキレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。また、ポリテトラメチレングリコール系樹脂とは、ポリテトラメチレングリコールを主たる成分とするポリアルキレングリコールをいうものとするが、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、テトラメチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。さらに、ポリエチレングリコール系樹脂とは、ポリエチレングリコールを主たる成分とするポリアルキレングリコールをいうものとするが、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、エチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。ここで、「主たる」とは、脂肪族ポリエーテル部分全体を100質量%とした際、50質量%以上を占める場合をいうものとする。
ポリエステル系エラストマーとして市販されているものとしては、東レ・デュポン株式会社製の“ハイトレル(登録商標)”、東洋紡株式会社製の“ペルプレン(登録商標)”、三菱化学株式会社製の“プリマロイ(登録商標)”などが挙げられる。
≪ポリアミド系エラストマー(B−4)≫
本発明に係るポリアミド系エラストマー(B−4)は、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)等のポリアミド樹脂の他、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、ポリアミドと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体を挙げることができる。
ポリアミド系エラストマーとして市販されているものとしては、宇部興産株式会社製の“UBESTA(登録商標)”、ダイセル・エボニック製の“ダイアミド(登録商標)”、“ベスタミドE(登録商標)”、アルケマ製の“ペバックス(登録商標)”などが挙げられる。
<その他の重合体>
本発明のポリオレフィン多層フィラメントを構成する樹脂組成物(X)は、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合体(A)および熱可塑性エラストマー(B)以外の、従来公知である、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン等に代表される樹脂や後述する添加剤を含んでいてもよい。
<添加剤>
本発明におけるポリ4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、副次的添加物を加えて種々の改質が行われたものであってもよい。副次的添加剤の具体例として、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、熱安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、着色防止剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、染料、顔料、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの副次的添加物は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、リン系(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)の酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系等が挙げられる。
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等が挙げられる。
界面活性剤としては非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはステアリン酸やオレイン酸のエステルなどが挙げられ、高分子型帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、前記共重合体(A)100質量部に対して、合計で、通常5質量部以下、好ましくは0.1〜3質量部である。
スリップ剤としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、講習脂肪酸塩(ステアリン酸カルシウム等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等)等が挙げられる。
上記の各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン重合体(A)に対して、それぞれ、0.01〜30質量部であることが好ましい。
≪表面層(Z)≫
本発明の多層構造のポリオレフィン多層フィラメントに係る表面層(Z)は、熱可塑性樹脂(C)からなる。このような熱可塑性エラストマー(C)は、前記した熱可塑性エラストマー(B)がそのまま制限なく使用できる。熱可塑性エラストマー(C)は、熱可塑性エラストマー(B)と同一であっても異なっていてもよい。
また、本発明における表面層(Z)は、少なくとも一部がコア層(Y)と接触している層である。
ここで、「少なくとも一部が基材層と接触している」とは、表面層が基材層の一部分と接触しているか、或いは、表面層が基材層の全体と接触していることを意味し、基材層と表面層との接触割合が、基材層の総面積に対して、30%〜100%であることが好ましく、50%〜100%であることがより好ましい。
本発明の積層体における基材層と表面層との厚さの比〔基材層の厚さ/表面層の厚さ〕には特に制限はないが、1〜100/100/1〜100が好ましく、1〜50/100/1〜50がより好ましい。
<熱可塑性重合体(C)>
熱可塑性重合体(C)は、好ましくは、オレフィン系樹脂(C−1)から選ばれる。
≪オレフィン系樹脂(C−1)≫
オレフィン系樹脂(C−1)の具体例として、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系重合体、1−ブテンと炭素数2または3のα−オレフィンとの共重合体に代表されるブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテンと炭素数2〜20のα−オレフィン等との共重合体に代表される4−メチル−1−ペンテン系重合体(ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を除く)が挙げられる。より具体的には、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
エチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、エチレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、エチレン系重合体としては、例えば、エチレン系重合体系エラストマーも挙げられる。
エチレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合体であることが好ましく、エチレンと炭素数3〜10のα-オレフィンとの共重合体であることがより好ましい。
エチレン系重合体中のエチレンに由来する構成単位の比率は、エチレン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、60モル%〜99モル%であることがより好ましい。
プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、プロピレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、アイソタクティックプロピレン系重合体、シンジオタクティックプロピレン系重合体等が挙げられる。プロピレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)としては、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)のランダム共重合体、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)のブロック共重合体が挙げられる。また、プロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン系重合体系エラストマーも挙げられる。
プロピレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)との共重合体であることが好ましい。
プロピレン系重合体中のプロピレンに由来する構成単位の比率は、プロピレン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、60モル%〜99モル%であることがより好ましい。
ブテン系重合体としては、ブテンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、ブテンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、1−ブテンのホモポリマー、1−ブテンと1−ブテンを除くオレフィンとの共重合体等が挙げられる。該共重合体としては、例えば、1−ブテン・エチレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体、1−ブテン・メチルペンテン共重合体、1−ブテン・メチルブテン共重合体、1−ブテン・プロピレン・エチレン共重合体等が挙げられる。
ブテン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、1−ブテンと1−ブテンを除くオレフィンとの共重合体であることが好ましい。
ブテン系重合体中の1−ブテンに由来する構成単位の比率は、ブテン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、70モル%〜99モル%であることがより好ましい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体としては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、4−メチル−1−ペンテンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー、4−メチル−1−ペンテンと4−メチル−1−ペンテンを除くオレフィンとの共重合体等が挙げられる。該共重合体としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン・エチレンランダム共重合体、4−メチル−1−ペンテン・プロピレンランダム共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−オクテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキサデセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−オクタデセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキサデセン・1−オクタデセン共重合体、等が挙げられる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、4−メチル−1−ペンテンを除くオレフィンとの共重合体であることが好ましい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体中の4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率は、4−メチル−1−ペンテン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、80モル%〜100モル%であることが好ましく、90モル%〜99モル%であることがより好ましい。
熱可塑性重合体(C)の、密度、引張弾性率、融点の好ましい範囲については前述したとおりである。
熱可塑性重合体(C)のメルトフローレート(MFR)は、紡糸性及びフィラメントの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
熱可塑性重合体Bのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、エチレン系重合体及びブテン系重合体は、190℃で2.16kgの荷重にて測定される値であり、プロピレン系重合体は、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値であり、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、260℃で5.0kgの荷重にて測定される値である。
表面層(Z)は、熱可塑性重合体(C)に加え、熱可塑性重合体(C)以外の重合体である熱可塑性エラストマー(D)や公知の熱可塑性樹脂、公知の添加剤等を含有していてもよい。熱可塑性エラストマー(D)としては、コア層(Y)に任意に用いられる熱可塑性エラストマー(B)をあげることができる。
本発明の効果がより効果的に奏される点から、表面層(Z)における熱可塑性重合体(C)の含有量は、表面層(Z)の全質量に対して、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%(即ち、表面層(Z)が熱可塑性重合体(C)からなること)が最も好ましい。
<ポリオレフィン多層フィラメントの製造方法>
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、例えば、樹脂組成物を溶融したものを紡糸口金に通して押出すことにより、モノフィラメント、マルチフィラメント、フラットヤーン、カットファイバー、不織布として製造することにより得ることができる。この際多層口金を用いることで、芯鞘構造のフィラメントを作製することができる。
モノフィラメント、マルチフィラメント、フラットヤーンを製造する際の溶融紡糸加工における溶融温度は、共重合体(A)の融点に応じて、適宜選択することができるが、180〜280℃の範囲であることが好ましく、より好ましい範囲は、180〜230℃である。溶融温度が上記の範囲内にあると、共重合体(A)の過度な熱分解を抑制でき、口金から吐出された繊維状ストランドの伸長粘度が十分に低下するため、機械的強度に優れ、紡糸加工性が良好な繊維を得ることができる。
このようにして得られた繊維は、さらに延伸してもよい。この延伸の程度は、例えば共重合体(A)に少なくとも一軸方向の分子配向が有効に付与される程度に行えば、弾性率や強度を向上させることができる。延伸倍率は、通常1.05〜10.0倍、好ましくは1.1〜7.0倍、より好ましくは1.2〜6.0倍である。
本発明における延伸とは、フィラメントを、材料の融点以下の温度で機械的に引き伸ばし、引張方向と平行に分子鎖を配向させる工程をいう。この操作により引張強さは著しく向上し、靱性を増す。延伸工程の後、延伸温度以上に再加熱すると元の寸法に収縮しようとする性質が表れるため、寸法や強度の安定性をはかるために、延伸温度よりやや低い温度で熱処理(熱固定、ヒートセット)を行うことがある。本発明では、押出工程で得られたストランドを特定の温度に加熱して延伸を行う。延伸は入口側の引き取りロールと出口側の引き取りロールとの速度比(延伸倍率)によって行い、この時の延伸倍率は、1.1〜15倍が好ましい。延伸時の加熱方法は、温水槽、オーブン、熱ロール等のいずれを用いてもよく、特に制限はないが、より均一に加熱延伸するには温水槽がより好ましい。
温水槽を用いた延伸としては、水温調整可能な長さと深さを有する水槽と、その前後に引取ロールを配置することにより実現可能である。オーブンを用いた延伸としては、電気式ヒーター(赤外線ヒーター)を熱源として引取方向に配置して温度調整を行う長さ数mのオーブンと、その前後に引取ロールを配置することにより実現可能である。また、熱ロールを用いた延伸としては、水配管、油配管、電気ヒーターなどを内部に配置して加熱し温度調整された複数の引取ロールを設置し、ロールの回転速度を調節することにより実現される。
延伸時の温度条件としては、温水槽、オーブン、熱ロールのいずれの装置でも、延伸前のフィラメントの表面温度がガラス転移温度(Tg)以上、150℃以下であることが好ましい。表面温度が低い場合は延伸切れが起こったり、高倍率の延伸が不可能になったりする場合がある。延伸工程は1段で行う方法の他に、これらを適宜組み合わせて、2段、3段〜多段の構成とし、各段で小倍率の延伸を行い、全体としての延伸倍率を高倍率とする方法を取ることもできる。多段の延伸を行う場合には、例えば、1段目で1.1〜10倍、2段目で1.5〜10倍というように順次延伸倍率を変化させ、全体的な延伸倍率を調整し、同時に加熱温度条件は、上記温度範囲において、1段目を一番低く、段数を増すごとに順次温度を高くする方法が好ましい。
延伸したフィラメントを巻取機により筒状の紙、プラスチック、金属性のボビンおよびコーン状で巻取り、フィラメントの巻物を得ることができる。
本発明のフィラメントの断面形状は繊維の断面形状に関して特に制限が無い。繊維の強度の観点からは真円状の円形断面が好ましいが、非円形断面であってもよい。非円形断面の具体例としては、多葉形、多角形、扁平形、楕円形、C字形、H字形、S字形、T字形、W字形、X字形、Y字形などが挙げられる。また断面形状は中空でもよい。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、捲縮を有していてもよい。捲縮を有することで、紡績糸とした場合に繊維同士の絡合が強固となるのに加えて、嵩高で軽量感のある風合いを得ることができるため好ましい。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの直径は、特に限定されないが、好ましくは、3〜5000μmであり、より好ましくは10〜1500μmであり、さらに好ましくは10〜1000μmであり、特に好ましくは10〜500μmである。前記範囲を満たすポリオレフィン多層フィラメントは、二次加工性に優れる。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントのコア層(Y)/表面層(Z)の体積比率は好ましくは1/99〜99/1(vol%/vol%)であり、より好ましくは40/60〜95/5(vol%/vol%)であり、さらに好ましくは45/55〜90/10vol%/vol%)である。前記範囲を満たす多層フィラメントは応力緩和性が高くなり、柔軟なフィラメントとなる。なお、前記体積比率は後述する透過型電子顕微鏡画像から求められる値である。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの、JIS L1013に準拠して測定される乾熱寸法変化率の絶対値は10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下であるという特徴を示す。乾熱寸法変化率が小さいので、本発明のポリオレフィン多層フフィラメントは高温環境下において低寸法変化が求められる各種用途に好適に利用される。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは低寸法変化性とともに、50℃で3日間熱処理した後のタック性が低いという特徴を示す。すなわち、ポリオレフィン多層フィラメントを20本並べて束ね、端部をテープで留めて測定に用いた。束ねたポリオレフィン多層フィラメント同士を重ねて2.5kgの荷重をかけた状態で50℃の乾燥機で3日間放置後取り出し、室温に戻した後、引張試験機で200mm/分の速度でT字ピール強度が10N/10mm以下、好ましくは5N/10mm以下、より好ましくは3N/10mm以下、特に好ましくは2N/10mm以下であるという特徴を示す。この特性によって、本発明の多層フィラメントの複数本を束ねて、荷重下で長期保管してもフィラメント同士が粘着することがないので作業性に優れる。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、JIS L1013に準拠して測定される3%伸張弾性率および50%伸張弾性率が、50〜100%の範囲であり、好ましくは60〜99%、さらに好ましくは70〜99%の範囲である。
さらに本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、JIS L1013に準拠して測定される3%伸張弾性率および50%伸張弾性率での変化率が50%以下、好ましくは30%以下、であることが好ましい。伸張弾性率および伸張弾性率の変化率が上記の範囲を満たすポリオレフィン多層フィラメントは、繰り返し伸張させても、塑性変形せずに戻るため伸縮性に優れることとなる。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、JIS L1013に準拠して測定される引張伸び率は、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができるが、30〜500%の範囲であり、好ましくは50〜200%、さらに好ましくは50〜150%である。前記範囲を満たすポリオレフィン多層フィラメントは、引張強さと伸度のバランスに優れる。
引張伸び率が30%以上であれば、紡績糸ならびに二次加工体にしたときの伸縮性が良好となり好ましい。一方、ポリオレフィンフィラメントが未延伸糸である場合、伸度が300%以下であれば、延伸における取り扱い性が良好であり、延伸によって機械的特性を向上させることができるため好ましい。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、10%伸長時の引張応力緩和率が40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。引張応力緩和率の上限値は100%以下である。前記範囲を満たすポリオレフィン多層フィラメントは、引張時の応力緩和に優れ、二次加工品を着用したときの締め付け等が低減する。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、JIS L1013に準拠して測定される比重が好ましくは0.91以下である。比重の下限値は特に制限はないが、通常0.82以上である。前記範囲を満たすポリオレフィン多層フィラメントは、軽量性に優れる。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの引張強さは、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができるが、0.2〜7.0cN/dtexであることが好ましい。引張強度は、機械的特性の観点から高ければ高いほど好ましいが、0.2cN/dtex以上であることが好ましい。ポリオレフィンフィラメントの強度が0.2cN/dtex以上であれば、糸切れが少なく、工程通過性が良好であることに加え、耐久性に優れるため好ましい。引張強度は0.2〜5.0cN/dtexであることがより好ましく、0.4〜4.0cN/dtexであることが更に好ましい。
本発明のポリオレフィン多層フィラメントの初期引張抵抗度は、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5.0N/dtexであることが好ましい。初期引張抵抗度が0.01N/dtex以上であれば、工程通過性や取り扱い性が良好であり、機械的特性に優れるため好ましい。一方、初期引張抵抗度が5.0N/dtex以下であれば、紡績糸ならびに二次加工体の柔軟性を損なうことがないため好ましい。初期引張抵抗度は0.05〜0.80N/dtexであることがより好ましく、0.05〜0.6N/dtexであることが更に好ましい。
<ポリオレフィン多層フィラメントの用途>
本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、高い応力緩和性と伸縮性に加えゆっくり緩和する特長を持つ。本発明のポリオレフィン多層フィラメントは、従来公知の用途である、衣類用資材、医療用資材、衛生用資材、漁業用資材、農林業用資材、土木建築用資材、シューズ用資材、スポーツ用資材、レジャー用資材、産業用資材などの用途に用いることができる。例えば、衣類用資材としては、肌着、靴下、シャツ、ブリーフ、トランクス、ショーツ、キャミソール、スパッツ、ブラジャー、タイツ、腹巻などのインナーウェア、Tシャツ、セーター、コート、ジャケット、ジャンパー、パンツ、スカート、帽子、手袋等のアウターウェア、トレーニングウェア、スキーウェア、水着、レオタード、サポーター等のスポーツウェア、医療用資材としては、絆創膏、湿布材等、衛生用資材としては、オムツ、生理用品、お産パッド、母乳パッド、マスク紐、眼帯紐、創傷被覆材等、漁業用資材としては、海苔網、巻き網、養殖の魚網や養殖網等、農林業用資材としては、防虫ネット、防風ネット、遮光ネット、雑草防止用ネット、防鳥用ネット、キューリネット、フラワーネット等、土木建築用資材としては、植生ネット、土嚢ネット等、シューズ用資材としては、靴表皮材、靴紐、スポーツ、レジャー用資材としては、ゴルフ、野球、テニス、卓球、バレーボール、バドミントン、サッカー、ハンドボール、バスケットボール、ホッケー、アイスホッケ、水球などのスポーツ用ネット、靴表皮材、虫取り網等、産業用資材としては、玩具等が挙げられる。
本発明の多層フィラメント構造を有するポリオレフィン多層フィラメントは、例えば従来から知られている編成機や織機で加工し、二次加工品を得ることができる。二次加工品とは、ネット状、ロープ状、網状、更にはこれらの組み合わせの形を有し、その大きさ、形状、意匠に関して何ら制限はない。編成機や織機で加工する際の編地の種類としては、緯編地、経編地、丸編地などの編地、織物全般、本目網、蛙又網、二重蛙又網などの有結節網、ラッセル網、もじ網、織り網、メテリック・ファイバー網などの無結節網等が挙げられるが、何ら制限はない。
本発明の紡績糸は、本発明の多層フィラメント構造を有するポリオレフィン多層フィラメントのみで構成されていてもよく、化学繊維または天然繊維と混紡されていてもよい。また、紡績糸と、化学繊維または天然繊維からなる紡績糸を撚り合わせてなるものであってもよい。なお、混紡または撚り合わせに用いる化学繊維または天然繊維は、単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
本発明における化学繊維は、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができる。化学繊維の具体例として、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、セルロース系繊維、セルロース繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。なかでもポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、セルロース系繊維などが好ましい。
ポリエステル系繊維の具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などが、ポリアミド系繊維の具体例として、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などが、ポリアクリロニトリル系繊維の具体例として、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸エチル共重合体、セルロース系繊維の具体例として、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロース繊維の具体例として、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明における天然繊維は、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができる。天然繊維の具体例として、綿、絹、麻、羊毛などが好ましく挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の多層フィラメント構造を有するポリオレフィン多層フィラメントの二次加工品としては、衣類用資材、衛生用資材、漁業用資材、農林業用資材、土木建築用資材、シューズ用資材、スポーツ用資材、レジャー用資材、産業用資材などの用途に用いることができる。例えば、衣類用資材としては、肌着、靴下、シャツ、ブリーフ、トランクス、ショーツ、キャミソール、スパッツ、ブラジャー、タイツ、腹巻などのインナーウェア、Tシャツ、セーター、コート、ジャケット、ジャンパー、パンツ、スカート、帽子、手袋等のアウターウェア、トレーニングウェア、スキーウェア、水着、レオタード、サポーター等のスポーツウェア、衛生用資材としては、オムツ、生理用品、お産パッド、母乳パッド、マスク紐、眼帯紐、創傷被覆材等、漁業用資材としては、海苔網、巻き網、養殖の魚網や養殖網等、農林業用資材としては、防虫ネット、防風ネット、遮光ネット、雑草防止用ネット、防鳥用ネット、キューリネット、フラワーネット等、土木建築用資材としては、植生ネット、土嚢ネット等、シューズ用資材としては、靴表皮材、靴紐、スポーツ、レジャー用資材としては、ゴルフ、野球、テニス、卓球、バレーボール、バドミントン、サッカー、ハンドボール、バスケットボール、ホッケー、アイスホッケ、水球などのスポーツ用ネット、靴表皮材、虫取り網等、産業用資材としては、熱溶融積層法に用いる三次元造形(3Dプリンター)用フィラメント材料、丸紐、玩具、携帯電話用ストラップ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各種物性は以下の方法により測定した。
〔組成〕
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)中の各構成単位(4−メチル−1−ペンテン及びα−オレフィン)の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。
・測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
・観測核:13C(125MHz)
・シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
・パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
・繰り返し時間:5.5秒
・積算回数:1万回以上
・溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
・試料濃度:55mg/0.6mL
・測定温度:120℃
・ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
共重合体(A)の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
約20mgの共重合体(A)をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
−条件−
・測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
・カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
・溶離液:o−ジクロロベンゼン
・カラム温度:140℃
・流量:1.0mL/min
〔メルトフローレート(MFR)〕
共重合体(A)およびポリプロピレン(PP)のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
〔密度〕
共重合体(A)の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m)を軽量性の指標とした。
〔融点(Tm)〕
共重合体(A)の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。約5mgの重合体を、測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
〔見掛け繊度(dtex)〕
JIS L1013(2010年)に従ってB法にて測定した。
〔コア層(X)/表面層(Y)比率(vol%/vol%)〕
透過型電子顕微鏡(TEM) H−7650(日立ハイテク社製)を用い、得られたフィラメントを樹脂包埋後にトリミングし、四酸化ルテニウム(RuO)で染色後、超薄切片を作製したものを観察した。観察された画像より、コア層(X)と表面層(Y)の断面積をそれぞれ計算で求め、面積比から求めた。
〔引張強さ(cN/dtex)、引張伸び率(%)〕
JIS L1013(2010年)に従い、定速伸張形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、20℃、相対湿度65%、及び20℃、相対湿度95%の各条件下でつかみ間隔100mm、100mm/分の速度により、フィラメントが破断するまで測定した。
また、20℃、相対湿度65%の引張強さにおける20℃、相対湿度95%の引張強さの比を、乾湿強力比(%)として算出した。
〔初期引張抵抗度(N/dtex)〕
JIS L1013(2010年)に従い、20℃、相対湿度65%の条件下で、引張強さ及び引張伸び率と同じ測定方法で行った。応力−伸び率曲線を描き、この図から原点の近くで伸張変化する荷重変化に対する荷重変化の最大値(接線角の最大点)を求め、初期引張抵抗度(N/tex)を算出し、以下の式により見掛けヤング率を求めた。
ri=P/(l’/l)×F
ri :初期引張抵抗度(N/tex)
P :接線角の最大点における荷重(N)
F0 :正量繊度(tex)
l :試験長(mm)
l’ :荷重−伸び曲線において、接線角の最大点における荷重と横軸との垂線と、接線と横軸との交点との長さ(mm)
〔見掛けヤング率(N/mm)〕
JIS L1013(2010年)に従い、20℃、相対湿度65%の条件下で、引張強さ及び引張伸び率と同じ測定方法で行った。応力−伸び率曲線を描き、この図から原点の近くで伸張変化する荷重変化に対する荷重変化の最大値(接触角の最大点)を求め、初期引張抵抗度(N/tex)を算出し、以下の式により見掛けヤング率を求めた。
YM=1000×ρ×Tri
YM :見掛けヤング率(N/mm
ρ :フィラメント密度(g/cm
ri :初期引張抵抗度(N/tex)
〔伸張弾性率(%)〕
JIS L1013(2010年)に従い、定速伸張形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、掴み間隔100mmで、100mm/分の速度によりフィラメントを50%伸長させた。その後直ちに同一速度で荷重を取り除き、2分間保持した後、再び同一速度で50%まで伸張させた。応力−伸び率曲線から残留伸びを測り、以下の式により伸張弾性率を求めた。
E=(L−L)/L×100
E :伸張弾性率(%)
:50%伸長時の伸び(mm)
L :残留伸び(mm)
〔乾熱寸法変化率(%)〕
JIS L1013(2010年)に従い、B法(フィラメント寸法変化率)として算出した。試料に初荷重をかけて500mmを測定して2点を打ち、初荷重を取りこれを40℃の乾燥機中に吊り下げ、30分間放置後取り出し、室温まで冷却後再び初荷重をかけ、2点間の長さを測り、以下の式によって乾熱寸法変化率(%)を算出した。また、|ΔL|を乾熱寸法変化率の絶対値とした。
ΔL=((L−500)/500)×100
ΔL :乾熱寸法変化率(%)
L :2点間の長さ(mm)
〔熱水寸法変化率(%)〕
JIS L1013(2010年)に従い、B法(フィラメント寸法変化率)として算出した。試料に初荷重をかけて500mmを測定して2点を打ち、初荷重を取りこれを100℃の熱水中に10分間放置後取り出し、室温まで冷却後再び初荷重をかけ、2点間の長さを測り、以下の式によって熱水寸法変化率(%)を算出した。また、|ΔL|を熱水寸法変化率の絶対値とした。
ΔL=((L−500)/500)×100
ΔL :熱水寸法変化率(%)
L :2点間の長さ(mm)
〔水分率(%)〕
JIS L1013(2010年)に従い、湿度20℃、相対湿度65%、及び20℃相対湿度95%の各条件で測定した。
〔引張応力緩和率(%)〕
定速伸張形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、掴み間隔100mmで、100mm/分の速度によりフィラメントを10%伸長させた。その時の応力(初期応力)を計測し、そのままフィラメントを120秒間保持させ、その間の応力の変化についても計測した。そして、上記初期応力と伸長から60秒後の応力との差から応力緩和率を算出した。
SR=(F−F)/F×100
SR :引張応力緩和率(%)
:10%伸長時の初期応力(MPa)
F :10%伸長時後、120秒後の応力(MPa)
〔剥離強度(N/10mm)〕
ポリオレフィン多層フィラメントを20本並べて束ね、端部をテープで留めて測定に用いた。束ねたポリオレフィン多層フィラメント同士を重ねて2.5kgの荷重をかけた状態で50℃の乾燥機で3日間放置後取り出し、室温に戻した後、引張試験機で200mm/分の速度でT字ピール強度を測定した。
〔静摩擦力(N)〕
上記の剥離強度を測定したポリオレフィン多層フィラメントを20本並べて重ね、端部をテープで留めて測定に用いた。束ねたポリオレフィン多層フィラメントとSUS304板を合わせて荷重200gをかけて、200mm/分の速度で引いた時の静摩擦力を測定した。
[実施例1]
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の4−メチルー1−ペンテン共重合体(A−1)を得た。
共重合体(A−1)中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体(A−1)の密度は839kg/mであった。共重合体A−1の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体(A−1)の融点(Tm)は観測されなかった。
<フィラメント紡糸>
直径1.4mmφ×18ホールで、コア層/表面層の芯鞘構造が形成できる口金を備えた紡糸ノズルを用い、口径40mmφの単軸押出機を複数持つ紡糸設備(フジボウ愛媛社製)を用いてフィラメントの紡糸を行った。2つのギアポンプの回転数により、コア層/表面層の吐出量を調整することで多層フィラメントの構成比を調整し、適切なシリンダー温度(230〜290℃)にて溶融させたコア層としての上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、表面層の樹脂としてアイソタクティックポリプロピレン(C−1)(株式会社プライムポリマー社製、商品名プライムポリプロ(登録商標)F107、融点:162℃、MFR:7g/10分)を用い、紡糸ノズルより吐出されたストランドを空冷式の冷却塔へ導いて冷却固化させ、加熱ロールの速度比により延伸したフィラメントを巻取機により紙管で巻き取った。得られたフィラメントによる物性測定結果を表1に示す。
[実施例2]
コア層の樹脂組成物として4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を100質量部用い、延伸倍率とコア層/表面層比率を表1のように調整した他は、実施例1と同様に紡糸してフィラメントを得た。得られたフィラメントによる物性評価結果を表1に示す。
[実施例3]
コア層の樹脂組成物として4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を100質量部用い、延伸倍率とコア層/表面層比率を表1のように調整した他は、実施例1と同様に紡糸してフィラメントを得た。得られたフィラメントによる物性評価結果を表1に示す。
[実施例4]
コア層の樹脂組成物として4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を70質量部、熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製、商品名ミラストマー 5030NS、融点:162℃、MFR:25g/10分)を30質量部配合し、表面層の樹脂としてアイソタクティックポリプロピレン(C−1)(株式会社プライムポリマー社製、商品名プライムポリプロ(登録商標)F107、融点:162℃、MFR:7g/10分)を用い、延伸倍率とコア層/表面層比率を表1のように調整した他は、実施例1と同様に紡糸してフィラメントを得た。得られたフィラメントによる物性評価結果を表1に示す。
[比較例1]
コア層、表面層ともに4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を用い、実施例1と同様に紡糸してフィラメントを得た。得られたフィラメントによる物性評価結果を表1に示す。
<比較例2>
コア層、表面層ともにアイソタクティックポリプロピレン(C−1)(株式会社プライムポリマー社製、商品名プライムポリプロ(登録商標)F107、融点:162℃、MFR:7g/10分)を用い、実施例1と同様に紡糸してフィラメントを得た。得られたフィラメントによる物性評価結果を表1に示す。
上表から明瞭であるように、本願発明の範囲にあるポリオレフィン系多層フィラメント(実施例1〜実施例4)は、室温付近にtanδピークを有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)をコア層(Y)に含み、表面層(Z)としてポリプロピレンを用いているので、多層フィラメントとしての効果、すなわち低乾熱寸法変化および低タック性に優れる。本願発明の範囲から外れた比較例1の多層構造を取らない4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)フィラメントでは、前記の二性能が劣ることが分かる。また、コア層に4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を用いない単層のフィラメントでは引張破断伸びが十分でなく(比較例2)、またtanδピークを室温付近に有する成分を含まないのであるから室温付近の応力吸収性が効果的に発現しないことが予想される。

Claims (5)

  1. 下記要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物からなるコア層(Y)と、
    エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体及び4−メチル−1−ペンテン系重合体(ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を除く)からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる表面層(Z)からなるポリオレフィン多層フィラメントであり、
    該フィラメントがJIS L1013に準拠して測定される乾熱寸法変化率の絶対値が10%以下であることを特徴とするポリオレフィン多層フィラメント。
    要件(a);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、構成単位(i)60〜90モル%と構成単位(ii)10〜40モル%とからなる。
    要件(b);デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dL/gの範囲にある。
    要件(c);密度(ASTM D1505にて測定)が870〜830kg/m3の範囲にある。
  2. 前記ポリオレフィン多層フィラメントを50℃で3日熱処理した後の剥離力が10N/10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン多層フィラメント。
  3. 4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(d)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン多層フィラメント。
    要件(d);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が0℃以上40℃以下である。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン多層フィラメントを含有してなる紡績糸。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン多層フィラメントを含有して成る繊維構造体。
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