JP2001181888A - コネクタ用めっき材料 - Google Patents

コネクタ用めっき材料

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JP2001181888A
JP2001181888A JP35904799A JP35904799A JP2001181888A JP 2001181888 A JP2001181888 A JP 2001181888A JP 35904799 A JP35904799 A JP 35904799A JP 35904799 A JP35904799 A JP 35904799A JP 2001181888 A JP2001181888 A JP 2001181888A
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plating
intermediate layer
alloy
connector
tin
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JP35904799A
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Atsushi Kodama
篤志 児玉
Kazuhiko Fukamachi
一彦 深町
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Nippon Mining Holdings Inc
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining and Metals Co Ltd
Nippon Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】めっき材を接触子に曲げ加工する際に生じるめ
っき皮膜の割れを少なくし,さらに,錫めっき材を使用
したコネクタの挿入力をより小さくする。 【解決手段】銅又は銅合金の母材に対し,リンを2〜10
質量百分率含有し残部がニッケルおよび不可避的不純物
からなる厚み0.3〜1.0μmの合金めっきの中間層と,リ
フロー処理されたSnまたはSn合金めっき表層とからな
り,該中間層が陰極電流密度2〜20A/dmの条件でめ
っきした曲げ性と挿抜性に優れたコネクタ用めっき材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,端子,コネクタ用
接触子に使用される錫(Sn)めっき材の製造方法に係
り,特に,めっき材を接触子に曲げ加工する際に生じる
めっき皮膜の割れを少なくし,さらに,錫めっき材を使
用したコネクタの挿入力をより小さくすることができる
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】銅または銅合金に錫めっきを施した錫め
っき材は,自動車に使用されるコネクタなどの接触子
(電極)として広く使用されている。これら錫めっき材
は,錫めっきラインにおいて連続的にめっきされて製造
されているが,一般的に以下に示す方法で製造される。
【0003】黄銅またはりん青銅などの銅合金めっき母
材の条を,前処理として脱脂,酸洗した後に,電気めっ
き法により,まず中間層として銅の下地めっきを形成す
るか,あるいは中間層なしの状態で,次に表層の錫めっ
き層が形成される。錫めっき層の形成方法としては,め
っきの後にリフロー(加熱溶融)処理する方法が多く採
用されている。これは,リフロー処理された錫めっき材
では,ウィスカーが発生しないなどの理由による。錫め
っきされた銅合金条は,コネクタメーカーで接触子にプ
レスされた後に,樹脂とともに成形されコネクタにな
る。これら錫めっきコネクタは,現在自動車内部の電気
配線部品として多く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが錫めっき材の
コネクタにおいて,コネクタを嵌合させる際の挿入力が
大きいという問題点が指摘されている。自動車の組み立
てラインでは,コネクタを嵌合させる作業は,現在ほと
んど人力で行われている。コネクタの挿入力が大きすぎ
ると,組み立てライン作業者に負担がかかり,時には作
業者の健康を損なう可能性もでてくる。
【0005】錫は柔らかい金属であるために,錫皮膜に
接触した接点を摺動させる場合には,錫皮膜は摺動の抵
抗として作用する。したがって錫めっきされた端子,コ
ネクタでは,金めっきコネクタなどに比較して挿抜力が
大きくなる。近年,コネクタは多芯化の傾向があるの
で,コネクタ挿入力は大きくなる方向にあり,コネクタ
挿入力低減化の要求は強くなっている。このような要求
に対し,錫めっきの中間層めっき(下地めっき)とし
て,Ni-P合金めっきのような硬い皮膜を形成し,これに
より挿入力をより軽減させるという技術が報告されてい
る(特願平11-126201など)。
【0006】しかしながら,Ni-P合金めっきは硬い皮膜
であるために,めっき材を接触子にプレスして曲げ加工
する際に,Ni-P皮膜が割れが発生しやすいという問題点
があった。めっき皮膜に割れが存在すると,割れた箇所
が優先的に腐食されやくなるために,曲げ加工時に発生
するめっき皮膜の割れは,最小限に抑えなければならな
い。本発明は,以上のような事情に鑑みてなされたもの
であり,曲げ性に優れ,かつ,コネクタ挿入力が小さく
できる端子,コネクタ用錫または錫合金めっき材を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち,本発明は,上記の
問題点を解決したものであり,(1) 銅又は銅合金の
母材に対し,リンを2〜10%含有し残部がニッケルおよ
び不可避的不純物からなる厚み0.3〜1.0μmの合金めっ
きの中間層と,リフロー処理されたSnまたはSn合金めっ
き表層とからなり,該中間層が陰極電流密度2〜20A/d
の条件でめっきしたことを特徴とする曲げ性と挿抜
性に優れたコネクタ用めっき材料により,曲げ加工時の
めっき割れを抑え,さらにコネクタの挿入力を低減する
ことができるという知見を得た。
【0008】
【作用】すでに述べたように,錫めっき上に接点(金
属)を接触させて摺動させた場合,錫は柔らかい金属で
あるために摺動の抵抗として作用する。この作用は,下
地の硬度が高いほど低くなる(金属薄膜の潤滑特性)の
で,硬い下地をつけた錫めっきコネクタの挿入力は小さ
くなる。本発明では,錫または錫合金めっきの下地とし
て,適当な硬度のニッケル合金中間層を形成し,コネク
タ挿入力を低減している。
【0009】ニッケル合金中間層としては,リンを含有
したニッケル(あるいはNi-Co合金)の合金を形成す
る。Ni-P合金めっきは,ビッカース硬さで450〜750Hvで
あり,コネクタの挿入力低減に適した硬さを有する。さ
らに,この中間層をつけた錫めっき材では,錫めっきラ
インでのリフロー(加熱)工程により,リンが錫めっき
表面まで拡散し,表面でリン化合物が皮膜を形成する。
リン化合物などには潤滑作用があるので,これらの皮膜
は,錫めっき表面の接触抵抗を上げることなく,潤滑皮
膜として作用し,コネクタの挿入力を小さくする。
【0010】中間層のリンの含有量は要求される挿抜性
に応じて決めればよいが,2%未満では挿入力低減の効
果が得られず,より好ましくは2.5%以上であることが
望ましい。また,上限値である10%を超えてリンを含有
させと,めっき皮膜が曲げ加工時に割れやすくなる。よ
ってその含有量は,2〜10%とする。一方,めっき液
中の亜りん酸濃度を高くしてめっきすると,めっき時の
カソード電流効率が低下するので,Ni-P皮膜中のリン濃
度は5wt%以下であることがより好ましい。
【0011】中間層の厚みは,0.3μm未満であると前記
挿入力低減の効果が低くなるため,0.3μm以上必要であ
る。厚みが厚くなりすぎると,曲げ加工時にめっき割れ
が発生しやすくなるため,上限を1μm以下とする。一
方,中間層と母材との間に他のめっき層,例えばクロム
めっきなどを形成し,多層めっき構造にすることも可能
である。同様に,表層と中間層の間に,0.2μm程度の薄
いNi-Sn合金皮膜などを形成することも可能である。
【0012】中間層のめっき液として,基本となるNi-P
の合金めっき用のめっき液としては,公知の硫酸ニッケ
ル-塩化ニッケル-ほう酸-亜りん酸系等,有名なワット
浴に亜りん酸を添加したものが使用できる。ここで,め
っき浴に使用するニッケル塩類やニッケルアノード中に
はコバルトが不可避不純物として存在し,その結果,め
っき皮膜中にコバルトが1〜2%混入する場合がある。
しかし,この程度の量ではNi-P合金めっきの特性に影響
を及ぼすことはないので,不純物としてのコバルトは無
視できる。亜りん酸は,その添加量を変えることによ
り,めっき皮膜中のリンをコントロールするものであ
る。
【0013】本発明のめっき材では,中間層めっき時の
陰極電流密度を,2〜20A/dmの条件でめっきする。電
流密度が2A/dm未満の場合にはめっき皮膜が硬くな
り,曲げ加工時にめっき皮膜が割れやすくなる。一方,
陰極電流密度が20A/dmを超える場合には,中間層め
っき表面が粗くなり,表層の錫めっきを形成した後のめ
っき外観が悪くなる。したがって,中間層めっき時の陰
極電流密度はその範囲として2A/dm〜20A/dmの条
件に設定しなければならない。
【0014】表層のめっき層は,リフロー処理されたSn
めっきの他,例えばSn-Pb合金(はんだ),Sn−Ag合
金,Sn−Bi,Sn-Ni合金といった合金めっきを選択する
ことも可能である。また,Snめっき工程の後に,封孔処
理してSnめっきの耐食性と潤滑性を向上させてもよい。
表層のSnまたはSn合金めっき層の厚みは,0.5μm未満で
はリフロー後のめっき外観が悪くなりやすく,一方,表
層の厚みが2μmを超えると,コネクタの挿入力が大きく
なるので,SnまたはSn合金めっき層の厚みは0.5μm〜2
μmにすることが好ましい。
【0015】表層のSnまたはSn合金めっきについては,
公知の硫酸浴,メタンスルホン酸浴などが使用できる。
本発明は,中間層または表層のめっき条件によって制限
されることはなく,どのようなめっき条件を用いても有
効である。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき説明する。め
っき母材として,板厚が0.5mmのタフピッチ銅(JIS C
1100)および板厚0.2mmのりん青銅(JIS C 5191)を脱
脂,酸洗したものを用いた。中間層のめっきは,請求項
で示しためっきについて評価した。また,表層のめっき
はSnめっきとSn-10%Pb合金めっきについて評価した。
【0017】Ni-P合金めっき条件を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表層のSnめっき条件を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】およびSn-Pb合金めっき条件を表3に示
す。
【0022】
【表3】
【0023】これらめっき材の中間層組成,中間層厚
み,表層めっき組成を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】この他,比較材として,中間層のP濃度と
めっき厚みを変えたものも用意した。
【0026】めっき材の評価として,曲げ性評価と端子
挿入力測定を行った。めっき材曲げ性評価は,評価材を
めっき母材厚みと同じ曲げ半径で90度に曲げ,曲げた頂
点部を走査電子顕微鏡で観察し,めっき割れ(クラッ
ク)の大きさ(幅)を測定した。端子挿入力の測定は,
評価材を5mm×10mmの大きさに打抜いてオス端子とし,
これと市販のメス端子(表面処理は錫めっき)を嵌合さ
せて,コネクタ挿抜力測定装置(アイコーエンジニアリ
ング製モデル1310D1)を使用して測定した。評価材の端
子挿入力が130g以下の場合には,挿入力は小さく問題
なしと判断した。
【0027】表4によれば,本発明に係る3条件,すな
わち,中間層組成,中間層厚み,中間層めっき時の電流
密度を全て満足する試料1〜9に関しては,各評価が良
好であった。
【0028】試料10と11は中間層めっきをCu(銅)およ
びNi(ニッケル)めっきにしたものであり,挿入力が高
くなっている。試料12は中間層のP(りん)濃度が低い
ものであり,挿入力は高くなる。試料13はP濃度が高い
ものであり,曲げ性が悪い。試料14は中間層厚みが薄い
ものであり,挿入力が高くなる。
【0029】試料15は中間層が厚いものであり,曲げ性
が悪い。試料16は中間層めっき時の電流密度が低いもの
であり,曲げ性が悪い。試料17は電流密度が高いもので
あり,めっき外観が悪い。以上の結果より,本発明の条
件を満足しない試料10〜17においては,評価が劣る
項目があり,したがってその条件を満足することによっ
て,より曲げ性と挿抜性に優れためっき材を得ることが
できることが確かめられた。
【0030】
【発明の効果】以上記述した通り,本発明により,曲げ
性と挿抜性に優れたコネクタ用錫めっき材を供給するこ
とが可能になる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅又は銅合金の母材に対し,リンを2〜1
    0質量百分率(以下%とする)含有し残部がニッケルお
    よび不可避的不純物からなる厚み0.3〜1.0μmの合金め
    っきの中間層と,リフロー処理されたSnまたはSn合金め
    っき表層とからなり,該中間層が陰極電流密度2〜20A/
    dmの条件でめっきしたことを特徴とする曲げ性と挿
    抜性に優れたコネクタ用めっき材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005206869A (ja) * 2004-01-22 2005-08-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 電気導体部品及びその製造方法
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JPWO2008056418A1 (ja) * 2006-11-09 2010-02-25 株式会社アドバンテスト Tcpハンドリング装置および当該装置における接続端子の位置合わせ方法

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Effective date: 20060427