JP2001181882A - 電解槽 - Google Patents

電解槽

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JP2001181882A
JP2001181882A JP36390499A JP36390499A JP2001181882A JP 2001181882 A JP2001181882 A JP 2001181882A JP 36390499 A JP36390499 A JP 36390499A JP 36390499 A JP36390499 A JP 36390499A JP 2001181882 A JP2001181882 A JP 2001181882A
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JP
Japan
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cathode
electrolytic cell
nickel
gas
electrolytic
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JP36390499A
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English (en)
Inventor
Akio Yoshikawa
明男 吉川
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液中でのニッケル錯塩スラッジ生
成を抑制し、長期安定操業を可能ならしめる。 【解決手段】 電解槽に用いる陰極浸漬部のエッジ部
が半円形又は楕円形であること、又は電解槽に用いる陰
極浸漬部が円筒状で、かつ先端部を球形とし、エッジ部
が半円形又は楕円形であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度三フッ化窒素
(NF3)ガス製造用の電解槽に関する。更に詳しく
は、フッ化アンモニウム(NH4F)−フッ化水素(H
F)系溶融塩の電解による三フッ化窒素(NF3)ガス
の製造用の電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】三フッ化窒素ガスは電子情報材料向け、
特にCVD装置のクリーニングガスとして、また半導体
のドライエッチング剤やTFT液晶分野における枚葉式
装置のクリーニング用として、近年注目され、その生産
量は著しく伸びている。これらの用途に使用されるNF
3ガスは、近年、益々高純度のものが要求されている。
【0003】NF3ガスの製造方法は大きく化学法と電
解法とに分けられる。化学法は第一段階として、電解に
よりフッ素(F2)ガスを製造し、第二段階において得
られたF2と窒素含有原料とを反応させることによりN
3ガスを製造するものである。一方、電解法は窒素分
およびフッ素分を含有する非水溶液系溶融塩を電解液と
し、これを電解することによりNF3ガスを製造するも
のである。
【0004】電解法は化学法と比較した場合、一段階で
かつ高収率でNF3ガスを製造できる利点を有してい
る。化学法では四フッ化炭素(CF4)ガスが多量に含
まれるF2を原料とするため、必然的に多量のCF4がN
3ガス中へ混入する。ところが、このCF4はNF3
物性が極めて似ており、高純度のNF3ガスを得るに
は、工業的にコストの嵩む高度の精製技術を適用せざる
を得ない。これに対して、電解法では合成の過程でCF
4が生成、あるいは混入することが殆ど無いため、容易
に高純度のNF3を得られる利点を有している。
【0005】電解法NF3の工業的合成の概要は次の通
りである。電解液はアンモニアや酸性フッ化アンモニウ
ム(NH4HF2)と無水フッ化水素(HF)よりなるN
4F−HF系溶融塩を使用する。これをニッケル製の
陽極で電解する。溶融塩電解法によるNF3の製造にお
いては、陽極からは主にNF3と窒素(N 2)ガス及びそ
の他の不純物ガスが発生し、陰極からは水素(H2)ガ
スが発生する。精製操作後のNF3純度は99.99容
量%を超える。
【0006】陽極のニッケル電極は電解により、通電量
の2〜4%程度を消費しながら、徐々に電解液中に溶解
していく。溶解したニッケルの一部は陰極に析出する
が、残りは電解液と反応して固体のニッケル錯塩スラッ
ジとして電解液中に析出し、該電解液を汚染する。
【0007】ニッケル錯塩スラッジが増加すると電解液
の粘度が増加し、電解液自体の対流を阻害する。通常、
電解槽は外部ジャケットによる加熱または冷却により電
解液温度を一定に保つ構造となっている。しかし、ニッ
ケル錯塩スラッジの発生により電解液の対流が阻害され
ると、電解槽内で局所的な温度分布が徐々に発生してく
る。またニッケル錯塩スラッジを含んだ電解液は見かけ
上、比熱が増大するため電解液の加熱または冷却による
温度制御は、該スラッジの発生量の増加に伴い、一層困
難になっていく。このような現象により、最終的には温
度制御不能となるとともに、陽極の消耗により操業が不
可能となる。操業続行限界に到達する前に、電解運転を
停止せざるを得なくなる。
【0008】以上の理由により、該現象の発生により運
転停止した後には、消耗した電極および汚染された電解
液の更新が必要となるが、これらの作業は大変煩雑で、
工業的には操業効率を低下させる最大の原因である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電解
液中でのニッケル錯塩スラッジ生成を抑制し、長期安定
操業を可能ならしめる構造を有する電解槽を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意、この
課題解決に向け検討を続けてきた。その結果、陰極の形
状を特定することにより、陰極へのニッケル析出率を向
上させることが可能であることを見いだし、本発明を完
成したものである。
【0011】即ち、本発明はフッ化アンモニウム(NH
4F)−フッ化水素(HF)系溶融塩を電解液として用
いる三フッ化窒素ガス製造用の電解槽において、該電解
槽に用いる陰極浸漬部のエッジ部が半円形又は楕円形で
あること、又は該電解槽に用いる陰極浸漬部が円筒状
で、かつ先端部を球形とし、エッジ部が半円形又は楕円
形であることを特徴とする三フッ化窒素ガス製造用の電
解槽に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】更に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる電解液はフッ化アンモニウム(NH
4F)−フッ化水素(HF)系溶融塩を使用する。調製
方法としては、例えば、アンモニアガスと無水フッ化水
素より調製、一水素フッ化アンモニウムと無水フッ化水
素より調製、フッ化アンモニウムと無水フッ化水素より
調製する等の方法がある。
【0013】電解液溶融塩の組成モル比(HF/NH4
F)としては1〜3が好ましい。工業的実施のため、よ
り高い組成安定性を求めるならば1.5〜2.5の範囲
が好ましく、更に好ましくは1.6〜1.8の範囲が好
適である。モル比が1未満の電解液は熱分解性を帯びる
ため好ましくない。また、モル比が3を超えるとHFの
蒸気圧が増大し、HFの損失量が増加するため電解液組
成の変動が大きくなり、やはり好ましくない。
【0014】陽極にはニッケルを使用するが、モネル合
金(ニッケル分65重量%前後)では、不働態化するた
め好ましくない。概ね、ニッケル分90重量%を超える
ニッケルであれば問題はない。尚、工業的には汎用品の
使用が好都合であり、いわゆる純ニッケル(ニッケル含
有量は概ね99重量%以上)やDuranickela
lloy301(ニッケル含有量94重量%、INCO
製)が挙げられる。
【0015】電解電流密度は好ましくは3A・dm-2
上である。電流密度の上限について、電極近傍で発生す
る熱は電流密度にほぼ比例し、電流密度が著しく高くな
ると電解液の温度が局部的に高くなる、組成が安定しな
くなる等の不都合が生じる。本発明の効果に対して影響
は無いものの、安定的な運転を行うための電流密度の上
限として30A・dm-2程度が推奨される。
【0016】尚、電解に用いられる陰極としては一般に
NF3ガスの電解製造に用いられる材料、例えば、鉄、
鋼、ニッケル、モネル等を使用することができる。本発
明の陰極浸漬部のエッジ部とは、陰極浸漬部の端部が鋭
角であることをいう。したがって、本発明では該エッジ
部が半円形又は楕円形であることが必要である。
【0017】本発明は陰極エッジ部に電流の集中を防ぐ
ために、電解槽に用いる陰極浸漬部のエッジ部が半円形
又は楕円形であること、又は陰極浸漬部が円筒状で、か
つ先端部を球形とし、エッジ部が半円形又は楕円形であ
ることで陰極へのニッケルの析出効率を向上させること
を可能ならしめる。
【0018】通常、陰極へのニッケル析出は陰極表面全
体に生じないで、陰極エッジ部に集中して生じる。陰極
エッジ部には電流の局所的な集中を示唆するデンドライ
ト状(樹枝状)の析出が観察される。本発明者らの検討
によれば、陰極へのニッケル析出率は経時的に低下する
傾向を有する。その機構は定かではないが、前述のデン
ドライト状析出物の発生により、陰極の表面積が増大、
見かけの電流密度および単位面積当たりの陰極過電圧が
低下するため、電気化学的にみて水素の発生反応に比べ
て不利なニッケルの析出反応が生じづらくなるためと推
察している。
【0019】本発明者らは上記の推察に基づき、陰極エ
ッジ部への電流の集中を抑制することによって、陰極へ
のニッケル析出率を向上させることが可能であると考察
し、検討を重ねた。その結果、陰極エッジ部に電流の集
中を防ぐために、陰極先端形状を球形にすることによっ
て、陰極エッジ部そのものを無くし、陰極へのニッケル
析出率の飛躍的向上を実現することが可能であることを
見出した。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、特記しない限り%は重量基準を表す。 実施例1 予め、アンモニアと無水フッ化水素を混合し、モル比
(HF/NH4F)が1.7のフッ化アンモニウム(N
4F)−フッ化水素系溶融塩22kgを調製し、容量
20Lの内面をフッ素樹脂コーティングした電解槽に投
入し、電解を行った。電極には陽極、陰極とも純度9
9.9%のニッケル製電極(表面積320cm2)を使
用した。このうち、陰極には図1に示すように先端部を
球形にした棒状の物を使用した。電解は電解温度120
℃、電解電流25A(電流密度7.8A・dm-2)にて
行った。360時間の電解終了後、電極の重量を測定し
たところ、陽極のニッケル溶解量は213g、陰極への
ニッケル析出量は208gで陰極へのニッケル析出率
(陰極析出量/陽極溶出量)は97.7%であった。
【0021】実施例2 実施例1で用いた陰極を図2に変更した以外は、実施例
1と同様に行なった。その結果、陽極のニッケル溶解量
は226g、陰極へのニッケル析出量は217gで陰極
へのニッケル析出率は96.0%であった。
【0022】比較例1 陰極を陽極同様の平板状を用いたほかは、実施例1と同
様に行った。その結果、陽極のニッケル溶解量は226
g、陰極へのニッケル溶出量は142gで、陰極へのニ
ッケル析出率は62.8%であった。
【0023】
【発明の効果】電解法は高純度の三フッ化窒素ガスを容
易に得られる優れた方法であるが、ニッケル錯塩スラッ
ジの生成により早期に操業停止を余儀なくされる点が、
工業的実施の上で重大な問題となっていた。本発明の方
法によれば、電解槽の構成、具体的には陰極の先端部形
状を球形に変更するという、軽微な装置変更のみで、長
期安定運転の妨げになるニッケル錯塩の電解液中での析
出を抑えることができる画期的な発明である。また、電
極や電解液の交換頻度を下げることができるので製造コ
ストを低減させることもできる。工業的生産における効
果は極めて大きいものといえる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に好適な陰極形状の一例
【図2】 本発明の実施に好適な陰極形状の正面図、平
面図、側面図の一例
【図3】 比較例で用いる陰極形状の正面図、平面図、
側面図の一例
【符号の説明】 1 陰極板 2 接合棒

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化アンモニウム(NH4F)−フ
    ッ化水素(HF)系溶融塩を電解液として用いる三フッ
    化窒素ガス製造用の電解槽において、該電解槽に用いる
    陰極浸漬部のエッジ部が半円形又は楕円形であることを
    特徴とする三フッ化窒素ガス製造用の電解槽。
  2. 【請求項2】 フッ化アンモニウム(NH4F)−フ
    ッ化水素(HF)系溶融塩を電解液として用いる三フッ
    化窒素ガス製造用の電解槽において、該電解槽に用いる
    陰極浸漬部が円筒状で、かつ先端部を球形とし、エッジ
    部が半円形又は楕円形であることを特徴とする三フッ化
    窒素ガス製造用の電解槽。
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