JP2001181794A - 高強度ばね用鋼材 - Google Patents
高強度ばね用鋼材Info
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Abstract
性に優れたばね用鋼材を提供する。 【解決手段】 質量%において、C:0.35〜0.8
5%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜1.2
%、Cr:0.1〜2.0%、N:0.001〜0.0
07%を含み、PおよびSを、P<0.02、S<0.
02に制限して残部がFeと不可避的不純物からなり、
引張強度が1800MPa以上であり、旧オーステナイ
ト粒界中の析出物の粒界占有面積率が70%以下である
ことを特徴とする高強度ばね用鋼材。
Description
イリングされ、高強度かつ高靱性を有するばね用鋼材、
特にばね用鋼線に関するものである。
も高強度化され、熱処理後に引張強度1470MPa
(150kgf/mm2)を超えるような高強度鋼がば
ねに供されている。近年では引張強度1960MPa
(200kgf/mm2)を超える鋼も使用されてい
る。その手法としては特開昭57−32353号公報で
はV、Nb、Mo等の元素を添加することで焼入れで固
溶し、焼き戻しで析出する微細炭化物を生成させ、それ
によって転位の動きを制限し、耐へたり特性を向上させ
るとしている。
用環境に耐えうる破壊特性が重要である。特に腐食など
により水素が侵入すると、通常の大気環境よりもはるか
に低い負荷で破断に至ることが知られている。この特性
は大気強度が高いほど顕著で、実ばねの高強度化のため
には、それに供するばね鋼の大気強度の高強度化だけで
なく、水素の侵入する環境での強度向上が不可欠であ
る。これに対して従来はたとえば特開平9−12519
7号公報のように、腐食そのものを抑制することを目的
としたCu添加およびS低減、P低減などの粒界不純物
の低減などが考えられてきた。しかしこれらの対策は一
般論として知られた手法であり、ばねのような高強度材
の水素侵入による破壊特性の低下を抑制するのに十分で
なく、根本的な対策を必要とした。
間でコイリングされ、十分な大気強度と水素の侵入する
環境における耐破壊特性を両立できるばね用鋼材、特に
ばね用鋼線を提供することを課題としている。
では見られなかった粒界の析出物の粒界における占有率
を制限することによって旧オーステナイト粒界の粒界強
度を強化することで水素侵入時の耐水素破壊特性を向上
させた鋼材を開発するに至った。
る。
0.85%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜
1.2%、Cr:0.1〜2.0%、N:0.001〜
0.007%を含み、PおよびSを、P<0.02、S
<0.02に制限して残部がFeと不可避的不純物から
なり、引張強度が1800MPa以上であり、旧オース
テナイト粒界中の析出物の粒界占有面積率が70%以下
であることを特長とする高強度ばね用鋼材。
0.85%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜
1.2%、Cr:0.1〜2.0%に加え、Ti:0.
005〜0.07%、V:0.05〜0.5%、Nb:
0.01〜0.1%の内の1種または2種以上、およ
び、N:0.001〜0.007%を含み、PおよびS
を、P<0.02、S<0.02に制限して残部がFe
と不可避的不純物からなり、引張強度が1800MPa
以上であり、旧オーステナイト粒界中の析出物の粒界占
有面積率が70%以下であることを特長とする高強度ば
ね用鋼材。
0.85%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜
1.2%、Cr:0.1〜2.0%に加え、Ti:0.
005〜0.07%、V:0.05〜0.5%、Nb:
0.01〜0.1%の内の1種または2種以上、およ
び、B:0.0005〜0.006%、N:0.001
〜0.007%を含み、PおよびSを、P<0.02、
S<0.02に制限して残部がFeと不可避的不純物か
らなり、引張強度が1800MPa以上であり、旧オー
ステナイト粒界中の析出物の粒界占有面積率が70%以
下であることを特長とする高強度ばね用鋼材。
規定した化学成分に、さらに、Mo:0.05〜1.0
%を含み、残部がFeと不可避的不純物からなり、引張
強度が1800MPa以上であり、旧オーステナイト粒
界中の析出物の粒界占有面積率が70%以下であること
を特長とする高強度ばね用鋼材。
規定した化学成分に、さらに、Cu:0.05〜0.5
%、Ni:0.05〜1.0%の1種または2種を含
み、Cu>0.3%の場合にはCuおよびNiの含有率
を質量%で[Cu%]<[Ni%]とし、残部がFeと
不可避的不純物からなり、引張強度が1800MPa以
上であり、旧オーステナイト粒界中の析出物の粒界占有
面積率が70%以下であることを特長とする高強度ばね
用鋼材。
れるように多量に合金成分を投入することを避けつつ、
焼入れ焼戻し後に高強度かつ水素環境下での破壊特性の
優れる鋼材、特に鋼線を発明するに至った。
明する。
元素であり、十分な強度を得るために0.35〜0.8
5%とした。0.35%以下では十分な強度を得られ
ず、他の合金元素をさらに多量に投入せざるを得ず、
0.85%以上では過共析に近くなり、靱性を著しく低
下させる。
保するために必要な元素であり、少ない場合、必要な強
度、耐へたり性が不足するため、0.9%を下限とし
た。またSiは粒界の炭化物系析出物を球状化、微細化
する効果があり、積極的に添加することで粒界析出物の
粒界占有面積率を小さくする効果がある。しかし多量に
添加しすぎると、材料を硬化させるだけでなく、脆化す
る。そこで焼入れ焼戻し後の脆化を防ぐために2.5%
を上限とした。
存在するSをMnSとして固定し、強度低下を抑制する
ために0.1%を下限とする。またMnによる脆化を防
止するために上限を1.2%とした。
に有効な元素であるが、添加量が多いとコスト増を招く
だけでなく、脆化するために伸線時に割れを生じやすく
する。そこで焼入れ性の確保のために0.1%を下限と
し、脆化が顕著となる2.0%を上限とした。
で窒化物、炭化物、炭窒化物として析出する。したがっ
てこれらの元素を1種または2種以上を添加すれば、オ
ーステナイト粒微細化効果があり、安定して靱性を高め
ることができる。さらにVまたはNbの析出物には腐食
環境下で侵入してきた水素をトラップする効果があり、
耐水素遅れ破壊特性も向上する。しかしTi、Vおよび
Nbは添加量が多すぎると、それらの析出物が大きくな
りすぎ、オーステナイト粒微細化効果を失うとともに、
破壊特性に悪影響を及ぼす。
るため、強度を制御するために焼戻しを行う場合、その
温度を高めることができる。焼戻し温度を高温化すれば
粒界炭化物の形状を球状化するので、析出物の粒界占有
面積率が低下し、水素環境下での破壊特性を高めること
ができる。
溶鋼中で既に析出している。またその結合力は強いの
で、鋼中のNを固定する場合にも用いる。Bを添加する
場合にはBをBNとさせないためにも、Nを十分に固定
できるだけ添加する必要がある。
粒径が微細化できる最低限の必要添加量0.005%を
下限とし、析出物寸法が破壊特性に悪影響を及ぼさない
最大量0.07%を上限とした。またVについては0.
05%以下では添加した効果がほとんど認められず、
0.5%以上では粗大な未固溶介在物を生成し、靱性を
低下させる。Nbも同様に0.01%以下では効果がほ
とんど認められず、0.1%以上では粗大な未固溶介在
物を生成し、靱性を低下させる。
る。さらにオーステナイト粒界の清浄化に効果がある。
すなわち、粒界に偏析して靱性を低下させるP、S等の
元素をBを添加することで無害化し、破壊特性を向上さ
せる。その際、BがNと結合してBNを生成するとその
効果は失われる。添加量はその効果が明確になる0.0
005%を下限とし、効果が飽和する0.006%を上
限とした。
iNを生成する。生成したTiNはその後のオーステナ
イト化温度においても固溶しない。そのため、炭窒化物
の生成が容易になり、オーステナイト粒微細化のピン止
め粒子となるTi系析出物の析出サイトになりやすい。
そのためばね製造までに施される様々な熱処理条件で安
定的にピン止め粒子を生成することができる。このよう
な目的から0.001%以上のNを添加させる。また粗
大なTiNを析出し、破壊特性を損なわない0.007
%を上限とする。
じ、材料を脆化させる。特にオーステナイト粒界に偏析
したPは衝撃値の低下や水素の侵入により遅れ破壊など
を引き起こす。そのため少ない方がよい。そこで脆化傾
向が顕著となるP<0.02%と制限した。
させる。Mnによって極力その影響を小さくするが、M
nSも介在物の形態をとるため、破壊特性は低下する。
特にMnSから腐食を発生することが多く、水素発生源
の腐食を誘起しやすいため、Sも極力少なくすることが
望ましい。その悪影響が顕著となる0.02%を上限と
した。
で焼入れ性を向上させるとともに、焼戻し軟化抵抗を与
えることができる。すなわち強度を制御する際の焼戻し
温度を高温化させることができる。この点は粒界炭化物
の粒界占有面積率を低下させるのに有利である。すなわ
ちフィルム状に析出する粒界炭化物を高温で焼戻すこと
で球状化させ、粒界面積率を低減することに効果があ
る。その添加量は0.05%以下では効果が認められ
ず、1.0%以上では効果が飽和する。
て安定して高強度化することができる。また耐食性を向
上させる効果もあり、水素発生源である錆の発生を抑制
し、腐食環境下での破壊特性を向上させる。その添加量
は0.05%以下では効果が認められず、1.0%以上
では効果が飽和する。
炭を防止できる。脱炭層はばね加工後に疲労寿命を低下
させるため、極力少なくする努力が成されている。また
脱炭層が深くなった場合にはピーリングとよばれる皮む
き加工によって表層を除去する。またNiと同様に耐食
性を向上させる効果もある。
の疲労寿命向上やピーリング工程の省略することができ
る。Cuの脱炭抑制効果や耐食性向上効果は0.05%
以上で発揮することができ、後述するようにNiを添加
したとしても0.5%を超えると脆化により圧延きずの
原因となりやすい。そこで下限を0.05%、上限を
0.5%とした。Cu添加によって室温における機械的
性質を損なうことはほとんどないが、Cuを0.3%を
超えて添加する場合には熱間延性を劣化させるために圧
延時にビレット表面に割れを生じる場合がある。そのた
め圧延時の割れを防止するNi添加量をCuの添加量に
応じて[Cu%]<[Ni%]とすることが重要であ
る。Cu:0.3%以下の範囲では圧延きずが生じない
ことから、圧延きず防止を目的としてNi添加量を規制
する必要がない。
て説明する。水素が侵入した場合、粒界強度が低下し、
その破面に粒界破面が認められるようになる。腐食環境
では化学反応によって生じた水素の一部が鋼中に侵入す
ることで鋼を脆化させ、破壊に至るとされている。その
ため粒界強度の強化が必須であるが、通常のばね鋼にお
いて、ばねに要求される高強度を達成するためには焼入
れ焼戻し処理が施される。その際、オーステナイト化し
て焼き入れた場合、焼戻し過程で旧オーステナイト粒界
に炭化物を主体とする析出物が析出する。この旧オース
テナイト粒界の炭化物の形状を制御することが水素環境
下における破壊を抑制するのに重要であることを見出し
た。そのため、鋼の成分を調整し、粒界に生じる析出物
を微細化させるように粒界を清浄化し、さらに積極的に
粒界の析出物を球状化するMo、Si等の元素を添加し
たり、析出物の成長を抑制する熱処理方法を選択するこ
とで粒界の析出物の粒界占有面積率を70%以下、好ま
しくは60%以下に小さくしたものである。なお、粒界
占有面積率の下限は、特に限定するものではないが20
%程度が製造上現実的である。
の範囲内に調整し、焼入れ焼戻し処理を施すことにより
1800MPa以上のばねに要求される高強度を達成で
き、かつ、析出物の粒界占有面積率を70%以下に制御
することにより引張強度1800MPa以上の高強度に
おいても十分な遅れ破壊特性を有するばね用鋼材とする
ことができる。
・線材)は、線材製造のオンラインで熱処理して製造す
ることが好ましいが、オンラインに限らずオフラインで
熱処理して製造することもできる。
件、炭化物の粒界占有面積率、引張強度および遅れ破壊
強度、ばねにおける遅れ破壊試験結果を示す。表2に実
験条件の詳細を示す。
50t転炉によって精錬したものを連続鋳造によってビ
レットを作成した。またその他の実施例は2t−真空溶
解炉で溶製後、圧延によってビレットを作成した。その
後いずれの場合もビレットからφ12mmに圧延した。
圧延条件は表2に示す。
イルテンパー処理および圧延ライン後端の水槽を利用し
たオンライン熱処理に分かれ、実施例2、4、8、1
1、14〜25はバッチ炉処理、実施例1、7、12は
高周波熱処理、実施例3、6、13はオイルテンパー処
理、実施例9、10は圧延ライン後端に設置した水槽に
投入することによってオンライン急冷、その後、焼鈍炉
によって焼戻したオンライン熱処理である。
加熱炉に投入して加熱し、60℃のオイル槽に投入して
焼き入れた。加熱時間は30minで、熱間コイリング
して製造する熱間ばねの温度履歴と対応するようにし
た。その後、再度加熱炉に投入して焼戻し、大気雰囲気
における引張強度を調整した。焼入れおよび焼戻し時の
加熱温度およびその結果得られた大気雰囲気での引張強
度は表1中に明記したとおりである。
圧延した鋼を連続的に加熱炉を通過させ、鋼内部温度が
十分に加熱されるよう、加熱炉通過時間を設定した。本
実施例ではでは500secで加熱炉を通過し即在に5
0℃のオイル槽に連続的に投入された。さらに焼戻し温
度に調整されたPb層に投入したパテンティング処理を
行い、強度を調整した。本実施例ではPb槽内を200
secで通過させた。焼入れおよび焼戻し時の加熱温度
およびその結果得られた大気雰囲気での引張強度は表1
中に明記したとおりである。
350mm長に配置され、30kHz、250Aの条件
で高周波加熱するコイル(35巻)1内部に線材2を通
線することで加熱し、コイル通過後即座に水冷3して焼
入れ処理を行った。さらに図1(b)に示すように、再
度250mm長に配置され、10kHz、200Aの条
件で高周波加熱する焼戻し処理を行った。その際の加熱
温度、およびその結果得られた大気雰囲気での引張強度
は表1中に明記したとおりである。加熱温度は加熱コイ
ル通過直後に計測された温度で、条件設定は加熱温度に
よって行った。
加熱、抽出し圧延全域にわたって900〜1000℃と
なるように調整し、オンラインで圧延機後端の水冷槽に
投入して急冷したのち巻き取り、即座に焼戻し用焼鈍炉
に投入した。表1の焼入れ温度は水冷槽投入直前の温
度、焼戻し温度は焼鈍炉の設定温度である。その結果得
られた大気雰囲気での引張強度は表1中に明記したとお
りである。
図2(a)は試験片5の形状を示し、図2(b)は試験
方法を示す図である。図2(b)に示すように、装置は
ノッチ付き試験片5をpH3.0の硫酸浴の容器内にセ
ットし、定電流電源7から電流密度10mA/cm2の
電流を通電し、試験片5をカソードとし、Pt電極8を
アノードとして硫酸を電気分解すると、水素が発生す
る。試験片5に容器内でこの水素をチャージをしながら
荷重6を負荷し、その際の破断時間を計測できるように
構成されている。なお、バンドヒーター9により浴温を
30℃に保持できるようになっている。そのような試験
において負荷荷重を変化させた場合、200hr経過後
も破断しない最大荷重Wが計測できる。それをノッチ底
断面積Sで除した公称応力(すなわちW/S)を遅れ破
壊強度とした。
以下の手順で行った。(1)粒界破面を有する破面を現
出せしめる。(2)電解により破面を腐食(エッチン
グ)、(3)粒界破壊部を電子顕微鏡によって写真撮
影、(4)画像処理装置によって析出物を二値化して粒
界破面における面積率を測定する。この操作を粒界破面
10個において実施し、析出物の粒界占有面積率を算出
した。
エッチングになると粒界破面の判別がつかなくなり、粒
界占有面積率を測定できなくなる可能性がある。本実施
例の場合、その条件は通常観察の1/10程度を目安と
した。すなわち電解液として10%アセチルアセトン−
1%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノール
を用い、電解電位−100mVSCEとして電解量は0.
13〜0.15クーロン/cm2と設定した。
走査型電子顕微鏡(日立製作所製S4100)を用い、
加速電圧15kVで観察した。占有率の計測には100
00倍の倍率で撮影した写真を用いた。その観察例を図
3(a)〜(c)に示す。電解腐食ではFe部が腐食さ
れるため、(a)では羽毛のように析出物が粒界のほぼ
全面を覆っているのが観察された。(b)では板状、針
状の析出物が認められ粒界全域に分布している。(c)
では析出物は粒状で粒界占有面積率が極端に小さい。こ
れらの写真を10000倍で撮影し、粒界あたり30μ
m2以上、10個の粒界について面積率を算出した。
度の関係を図4に示す。一般的に大気強度が高いほど遅
れ破壊強度は低い傾向にあるため、図4では大気強度が
約1900MPaの実施例5〜25を示した。粒界占有
面積率が70%を境に遅れ破壊強度が大きく変化してい
ることがわかる。
%硫酸水溶液中にせん断応力1200MPaを負荷して
保持し、200hr後の折損の有無を確認した。バッチ
炉処理材は熱間コイリングによって成形され、オイルテ
ンパー処理、高周波熱処理およびオンライン処理材は冷
間コイリングにより成形された。それぞれコイリング後
にφ0.5mm硬球を50m/sで投射しするショット
ピーニングを行ったのち、セッチングした。塗装は施さ
なかった。それによると粒界占有面積率の小さな発明例
は折損しなかった。
上に高強度化するとともに、鋼成分または熱処理を調整
することによって旧オーステナイト粒界に生成する析出
物の粒界占有面積率を小さくすることで、水素環境下に
おける強度、いわゆる遅れ破壊強度を向上され、腐食環
境下においても優れた破壊特性を発揮できる。よって本
発明鋼を用いることで高強度かつ破壊特性に優れたばね
を製造可能になる。
や衝撃値が損なわれることがないため、広い範囲の強度
のばねに対応可能であり、様々な強度のばねを信頼性を
損なうことなく容易に製造できる。
を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 質量%において、C:0.35〜0.8
5%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜1.2
%、Cr:0.1〜2.0%、N:0.001〜0.0
07%を含み、PおよびSを、P<0.02、S<0.
02に制限して残部がFeと不可避的不純物からなり、
引張強度が1800MPa以上であり、旧オーステナイ
ト粒界中の析出物の粒界占有面積率が70%以下である
ことを特徴とする高強度ばね用鋼材。 - 【請求項2】 質量%において、C:0.35〜0.8
5%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜1.2
%、Cr:0.1〜2.0%に加え、Ti:0.005
〜0.07%、V:0.05〜0.5%、Nb:0.0
1〜0.1%の内の1種または2種以上、および、N:
0.001〜0.007%を含み、PおよびSを、P<
0.02、S<0.02に制限して残部がFeと不可避
的不純物からなり、引張強度が1800MPa以上であ
り、旧オーステナイト粒界中の析出物の粒界占有面積率
が70%以下であることを特長とする高強度ばね用鋼
材。 - 【請求項3】 質量%において、C:0.35〜0.8
5%、Si:0.9〜2.5%、Mn:0.1〜1.2
%、Cr:0.1〜2.0%に加え、Ti:0.005
〜0.07%、V:0.05〜0.5%、Nb:0.0
1〜0.1%の内の1種または2種以上、および、B:
0.0005〜0.006%、N:0.001〜0.0
07%を含み、PおよびSを、P<0.02、S<0.
02に制限して残部がFeと不可避的不純物からなり、
引張強度が1800MPa以上であり、旧オーステナイ
ト粒界中の析出物の粒界占有面積率が70%以下である
ことを特長とする高強度ばね用鋼材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに規定した化学
成分に、さらに、Mo:0.05〜1.0%を含み、残
部がFeと不可避的不純物からなり、引張強度が180
0MPa以上であり、旧オーステナイト粒界中の析出物
の粒界占有面積率が70%以下であることを特長とする
高強度ばね用鋼材。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに規定した化学
成分に、さらに、Cu:0.05〜0.5%、Ni:
0.05〜1.0%の1種または2種を含み、Cu>
0.3%の場合にはCuおよびNiの含有率を質量%で
[Cu%]<[Ni%]とし、残部がFeと不可避的不
純物からなり、引張強度が1800MPa以上であり、
旧オーステナイト粒界中の析出物の粒界占有面積率が7
0%以下であることを特長とする高強度ばね用鋼材。
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