JP2001181781A - 溶接性に優れた高強度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材及びその製造方法 - Google Patents
溶接性に優れた高強度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材及びその製造方法Info
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Abstract
の材質特性を有し、溶接性に優れたせん断補強筋用熱間
圧延鋼材及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 質量%で、C:0.08〜0.20、S
i:0.30〜1.00、Mn:1.0〜2.0、V:
0.005〜0.10、Ti:0.05〜0.20、
B:0.0005〜0.0050、残部がFeおよび不
可避的不純物からなる鋼で、ミクロ組織中のベイナイト
分率が95%以上、残留オーステナイト分率が2%以下
であり、表層スケール厚みが50μm以下である溶接性
に優れた高強度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材。ま
た、前述の鋼成分を有する鋼を、1100〜1280℃
に加熱して熱間圧延し、800〜1050℃で仕上げ圧
延後、800℃以上の温度から90℃以上の温水中で浸
漬冷却する鋼材の製造方法。
Description
造、プレストレストコンクリート構造の柱、梁等に熱間
圧延ままで使用されるせん断補強筋に供する溶接性に優
れた高強度高延性熱間圧延鋼材及びその製造方法に関す
る。
震への対応で梁、柱の強度を確保するためせん断補強筋
が使われる。このせん断補強筋はコイル状で供給される
線材を主筋の周りにまきつけスパイラル形状あるいは溶
接閉鎖型筋に加工するため、降伏応力が600MPa と低
く加工しやすいものが一般的に使用され、その直径とし
ては梁、柱の断面制約および主筋のにまきつける際の加
工性からφ10〜φ16mmのものが多い。近年、建築物
の建設コスト低減や耐震性の更なる高度化をはかるため
鉄筋の高強度化が求められているが、単に鋼材成分中の
C%や合金成分を増加させるという方法をとると、材料
の延性および溶接性が著しく低下し所期の目的を達し得
ないという問題があった。
れた鋼材をオフラインで焼入れ焼き戻しの熱処理を施す
必要があった。しかし、このような付加工程は製造コス
ト増大の要因となるため、熱間圧延ままでも高強度・高
延性でしかも優れた溶接性を兼ね備えたせん断補強筋用
鋼材が望まれていた。具体的には、降伏応力が685MP
a 以上、伸びが8%以上の材質特性を有し、スポット溶
接で容易かつ強固に主筋と接合可能であることが求めら
れていた。
の手段を以下に列記する。まず、特許第2899128
号、特許第2697543号、特公平7−26152
号、特開平4−56727号公報に開示された手段は、
鋼材成分や製造方法を特定することでミクロ組織を微細
フェライト・パーライト組織とし高強度化をはかったも
のであるが、この方法で高強度化すると延性が極端に低
下してしまうという問題があることに加え、焼き入れ性
向上元素を多量に添加する必要があり、経済性の面から
も受け入れられていない。
25143号、9−111340号公報に記載された手
段は、制御圧延により鋼材表層のみを微細フェライトパ
ーライト組織として高強度・高延性を狙ったものである
が、安定して表層のみに微細組織を形成することは工業
生産的には極めて困難であり、実用化にはいたっていな
い。
は、表層部のみに焼き戻しマルテンサイト、内部がフェ
ライトパーライトもしくはベイナイト組織等からなる鋼
材の製造方法が提案されているが、この方法では鉄筋加
工時に表層の焼き戻しマルテンサイト層から割れが生じ
てしまうという問題がある。
示された手段は、ベイナイト組織とすることで高強度・
高延性を狙ったものであるが、ミクロ組織の残留オース
テナイトの低減がなされていないため、高強度化すると
延性が低下してしまうという問題があった。
は、前述の従来発明の問題解決を狙って、ベイナイトと
パーライトの混合組織とする方法を提案しているが、実
際にはパーライト分率の増大によりやはり延性が低下し
てしまうため所期の目的を達し得ない。
熱間圧延ままでも高強度・高延性でしかも優れた溶接性
を兼ね備えたせん断補強筋用鋼材は、従来の技術では製
造し得ないというのが実際の状況であった。そのため、
一旦圧延された鋼材をオフラインで焼入れ焼き戻しの熱
処理を施していた。
もので、熱間圧延ままで高強度・高延性を有するせん断
補強筋用鋼材を経済的に提供すること、具体的には降伏
応力685Mpa 以上、伸び8%以上の材質特性を有し、
さらにはスパイラル筋、溶接閉鎖型筋等に加工する際に
必要な溶接性を兼ね備えた鋼材を熱間圧延工程内で製造
することを課題とする。
の本発明の主旨とするところは次の通りである。 (1)化学成分が質量%で C:0.08〜0.20 Si:0.30〜1.00 Mn:1.0〜2.0 V:0.005〜0.10 Ti:0.05〜0.20 B:0.0005〜0.0050 残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼からなり、ミ
クロ組織中のベイナイト分率が95%以上、残留オース
テナイト分率が2%以下であり、表層スケール厚みが5
0μm以下であることを特徴とする高強度高延性せん断
補強筋用熱間圧延鋼材。この鋼材は、熱間圧延(連続的
に引き続く熱処理を含む。以下同じ。)のままで機械的
性質として降伏応力685MPa 以上、伸び8%以上を有
するものである。尚、本明細書中の降伏応力は、JIS
G2020の1164で規定されるオフセット法によ
る永久伸びが0.2%の耐力である。 (2)前記鋼材を圧延工程内で安定かつ効率的に製造す
る方法として、上記(1)記載の鋼成分を有する鋼を、
1100〜1280℃に加熱して熱間圧延し、800〜
1050℃で仕上げ圧延後、800℃以上の温度から9
0℃以上の温水中で浸漬冷却することを特徴とする高強
度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材の製造方法。 (3)上記(2)に記載の製造方法よりもさらに優れた
延性を得るための製造方法として、(2)記載の浸漬冷
却に引き続き、300〜500℃の雰囲気炉で1時間以
上保持することを特徴とする高強度高延性せん断補強筋
用熱間圧延鋼材の製造方法。
て説明する。本発明者らは、溶接性に有利なC:0.2
%以下の鋼材成分で所定の強度を確保するのに適したベ
イナイト組織の熱間圧延鋼材に着目し、この鋼材の延性
と溶接性の向上を図るため種々研究を重ねた結果、下記
の知見を得た。
組織中の残留オーステナイトの分率と伸び値の関係を示
すものである。図1に示すように、残留オーステナイト
の分率が2%以下となると、延性を評価する伸び値が大
幅に改善する。これは残留オーステナイトは後工程で材
料内部に歪みが加わった際に硬質なマルテンサイトとな
り、これが基点となって鋼材が破断する現象が起きる
が、残留オーステナイトの分率が2%以下の場合では、
硬質組織が微細分散され伸びが向上することによるもの
と考えられる。
条件で加熱・圧延・冷却した鋼材のC%および表層スケ
ール厚みと溶接性の関係を示すものである。C:0.2
%を超えると溶接性が著しく低下するが、これはC%の
増加に伴い焼き入れし易くなってしまい、溶接の際に高
温となった部位が局所的に過冷されマルテンサイト組織
となり、溶接部の靭延性が低下し溶接部が断裂してしま
うためである。また、表層スケール厚みが50μmを超
えると、溶接の際に不必要な加熱が必要となったり、ス
ケールが溶接部内に混入して靭延性を低下させてしまう
ため溶接性が著しく低下する。
示す成果にもとずき、鋼材成分や製造条件を特定するこ
とで、溶接性に優れた高強度・高延性せん断補強筋用熱
間圧延鋼材が得られることを知見して上記した本発明を
完成させたものである。
ずは本発明に係る高強度・高延性せん断補強筋用熱間圧
延鋼材の化学成分の限定理由について述べる。尚、成分
含有量の「%」は「質量%」を示す。
冷却速度の範囲では0.08%未満では最終製品で十分
な強度が得られず、0.20%を超えると強度が過度に
高くなり、伸びを確保できないことに加え溶接性を著し
く悪化させるので、0.08%を下限とし、0.20%
を上限とした。
素でもある。下限の0.30%未満では効果が不十分
で、上限の1.00%を超えると靭性が劣化するので、
上記範囲とした。
0%未満では効果が不十分である。一方、2.0%を超
える添加を行っても効果は飽和し、経済的ではないので
2.0%を上限とした。
作用の分、Cの添加量を抑制することが出来、溶接性を
劣化させない効果も有する。0.005%未満では効果
がなく、またVは高価な元素のため0.10%を超えて
添加すると不経済なため、上記上下限を定めた。
05%未満では効果がなく、また0.20%を超えて添
加しても圧延前の加熱時に十分固溶する事が困難なた
め、0.20%を上限とした。
0.0005%未満では効果がなく、0.0050%を
超えて添加しても効果が飽和するため、0.0005〜
0.0050%を上下限とした。
よび残留オーステナイトの分率を特定した理由は次の通
りである。図2に示すように溶接性を確保するという観
点から、C:0.2%以下の成分系で後述のように安定
したベイナイトが得られる成分系を選んでいる。実際の
鋼材製造に際しては、鋼片製造までの段階における断面
内の合金成分ばらつきや、製造条件のうち冷却速度が適
正範囲より小さすぎる場合または大きすぎる場合等の理
由で、ベイナイト中にフェライト、パーライト、マルテ
ンサイト、残留オーステナイト等が不可避的に混入して
しまう。このときベイナイト中にフェライトやパーライ
ト組織が混入すると、所要の強度が得られなくなるばか
りか延性の劣るパーライト組織により伸びが確保できな
くなってしまう。本発明の目的とする高強度・高延性を
実現するには、ベイナイトの分率を少なくとも95%以
上とする必要がある。
体が硬質な有害組織であるが、熱間圧延工程では極端に
水冷しない限り発生しない。但し、残留オーステナイト
については通常では3〜7%程度混入することが知られ
ており、後工程で材料に歪みが加わるととマルテンサイ
トになり、同様に延性が極端に低下し実用に供さなくな
ってしまう。このため図1に示すように、残留オーステ
ナイトの分率を2%以下に抑えることにより、鋼材が破
断する現象を抑制でき材質特性としては伸びを著しく向
上できるという知見を得た。
定成分の材料でベイナイトの分率を少なくとも95%以
上とし、残留オーステナイトの分率を2%以下に抑える
ことで、目的とした降伏応力685MPa 以上、伸び8%
以上を安定して得ることができる。
保するという観点から、圧延時の鋼材表面に生成するス
ケール厚みを50μm以下とすることが有効であるとい
う知見を得た。なお、鋼材のスケール組成は、仕上げ圧
延温度(最終圧延スタンドを通過した時の温度)とそれ
に引き続く冷却条件により千差万別変化するが、溶接性
にたいしてはスケールの厚みが支配要素であり、冷却方
法の違いによるスケール組成の影響は小さい。
熱間圧延ままで降伏応力685MPa以上、伸び8%以上
を満たす鋼材となる。この鋼材は、この後、スパイラル
筋、溶接閉鎖型筋、フック付筋等に加工され、せん断補
強筋として梁、柱等に使用される。
用熱間圧延鋼材の製造方法について、鋼材の形態が線材
の場合の製造工程を例にして以下に述べる。前述の成分
からなる鋼材を安定して狙いとする組織(ベイナイト分
率95%以上、残留オーステナ分率2%以下)およびス
ケール厚み(50μm以下)を得るためには、最終圧延
機を通過した高温の線材を直ちに3〜30℃/sの範囲
で、望ましくは5〜20℃/sの範囲の冷却速度で急冷
する必要がある。この冷却速度を容易にかつ低コストで
実現する方法として、温水(90℃以上)中で浸漬冷却
する方法が最も有効であることを見出した。
鋼材中の残留オーステナイトを更に低減させる方法とし
て、本発明者らが特許第2785083号で開示した線
材コイルを搬送中にテンパー(焼き戻し)処理可能な搬
送ライン設備(以降インラインテンパー炉と呼ぶ)を利
用することが品質安定化の観点から有効であることを見
出した。
利用し鋼材強度向上を図っている。そのため熱間圧延前
にこれら元素をオーステナイト中に充分固溶させておく
必要がある。そのためには鋼片を1100℃以上で加熱
する必要がある。また、1280℃を超えるの温度で
は、オーステナイト粒粗大化や脱炭等の悪影響があり、
目的の機械的性質が得られない。したがって、加熱温度
範囲は1100〜1280℃とした。
るための焼き入れ前組織を造り込むことが条件となる。
このための重要な因子は最終圧延での条件であり、温度
があまり低温ではオーステナイト結晶粒が微細化してフ
ェライト変態が発生し易くなり、焼き入れが安定しない
ので800℃以上必要である。また、1050℃を超え
る高温領域の圧延では、結晶粒の粗大化により目標とす
る機械的性質が得られない。従って、圧延温度範囲とし
ては800〜1050℃とした。尚、圧下量は特に規定
するものではない。
線材はループ状にコンベア上に連続して置かれ、その直
後に配置されかつ90℃以上の温水を入れた調整冷却槽
内に、ループ状線材をコンベアに乗せたまま浸漬冷却す
る。この浸漬前鋼材温度はオーステナイト組織である必
要性から800℃以上とした。また、浸漬冷却後の線材
温度は100〜400℃程度となる。冷媒である温水の
温度は、線材の熱により常時沸点近くが維持されるため
初期温度を確保すれば、あとは安定して90℃以上とな
る。温水の温度が90℃を下回ると膜沸騰伝熱における
蒸気膜が不安定となり、局所的に過冷却されるので温度
は90℃以上に規定した。冷水を使用すると組織がマル
テンサイトとなり、あとで焼戻し処理が必須となりコス
ト増要因となるので、温水の使用が望ましい。
きた線材は、集束装置によりコイル状に束ねられフック
コンベアに移載される。その後、必要に応じてフックコ
ンベア上のコイルをインラインテンパー炉に入れ、30
0〜500℃の雰囲気温度中で1時間以上保持する。こ
の雰囲気温度は300℃未満では焼き戻しには不十分
で、500℃を超えると強度の低下を招くため上記温度
範囲に限定した。また、保持時間は保持時間が1時間以
下では、伸びの改善効果が不十分であり、1時間を超え
るとその効果が飽和し、これ以上時間を延長することは
エネルギーの浪費になるので好ましくない。これにより
伸びの更なる安定化を図ることができる。また、本発明
では温水での浸漬冷却完了後インラインテンパー炉に入
れるまでの時間は、浸漬冷却後の100〜400℃程度
の温度を有する鋼材をできるだけ冷えないうちにインラ
インテンパー炉に入れることが熱の有効利用の点から、
10分以内とするのが望ましい。
備形態例を図3〜図5により説明する。圧延機1により
熱間圧延され冷却装置2を経た線材は、捲取装置(レー
イングヘッド)3によりループ状にコンベア上に一旦置
かれ、その後すぐ温水を冷媒とする浸漬式調整冷却ライ
ン4を通過して急冷される。図4に温水を冷媒とする浸
漬式調整冷却ラインを示している。浸漬時間はコンベア
の速度を制御することにより調整する。浸漬槽から引き
上げられた線材は、集束装置5によりコイル状に集束さ
れ製品コイル11となり、フックコンベア6にフック1
0を介して積載される。フックコンベア6に吊られた線
材コイル11は、そのまま払い出してもよいが、必要に
応じてインラインテンパー炉7に導入され扉を閉め所定
の雰囲気温度中に所定時間保持される。図5にインライ
ンテンパー炉7の概略を示すが、炉の雰囲気は電気加熱
により設定温度が維持される。その後、結束機8で結束
され、払出し装置9で線材の製造ラインから払い出され
る。
らはいずれも転炉溶製後に連続鋳造で製造され、162
mm角鋼片に分塊圧延後に表中に記載の条件でφ13mmの
線材に熱間圧延されたものである。表2には表1の条件
で製造した鋼材の機械的性質、組織、スケール厚、溶接
性をに示した。また、表中の温水浸漬冷却は90℃以上
の温水である。また、インラインテンパーは表中の温度
で1時間保定した。
は降伏応力685Mpa 以上、伸び8%以上の材質特性を
満足しており、そのうち水準5、6、7の鋼材はインラ
インテンパー炉を使用しているが、同成分でありインラ
インテンパー炉を使用していない試験水準2、3、4と
比較すると、明らかに伸びが改善されていることが認め
られている。
については、次の理由で所要の条件を達成し得ない。水
準8はC%が本発明の下限を下回るため降伏応力が不足
した。水準9はC%が本発明の上限を上回るため伸びが
未達となった。水準10はSi%が本発明の下限を下回
るため固溶が不十分で降伏応力が不足した。水準11は
Si%が本発明の上限を上回るため靭性が不足し伸びが
未達となった。水準12はMn%が本発明の下限を下回
るため焼き入れ性が不十分で降伏応力が不足した。水準
13はV%が本発明の下限を下回るため固溶が不十分で
降伏応力が不足した。水準14はTi%が本発明の下限
を下回るため固溶が不十分で降伏応力が不足した。水準
15はB%が本発明の下限を下回るため焼き入れ性が不
十分で降伏応力が不足した。
を下回るため特にTiの固溶が不十分で降伏応力が不足
した。また、加熱温度が上限を上回る場合についてはオ
ーステナイト粒度が5番程度の粗大粒となるため実用に
は供さないので省略した。水準17は浸漬前温度が本発
明の下限を下回るため焼き入れが不十分で降伏応力が不
足した。水準18は仕上圧延温度が本発明の上限を上回
るため結晶粒が粗大化し伸びが未達となった。水準19
は仕上圧延温度が本発明の下限を下回るためフェライト
が混入し降伏応力が不足した。水準20はインラインテ
ンパー温度が本発明の上限を上回るため焼きなましされ
降伏応力が不足した。水準21は衝風冷却(ステルモ
ア)で冷却したため冷却速度が不十分で降伏応力が不足
した。また、スケール厚みも目標を達成できなかった。
水準22は強度を上げる目的でC%を高めた材料を衝風
冷却(ステルモア)したものであり、降伏応力と伸びが
目標に達せず、また水準21と同様にスケール厚みが目
標を達成できなかった。
め溶接性が不良であり、また水準22はC%が高くなり
スケールも厚いため、溶接時鋼材つかみ部でスパークが
発生し易く、ここを起点とした脆性破壊が認められたた
め溶接性不良であった。
製造条件により製造された鋼材は、降伏応力685MPa
有し、伸び8%以上の機械的特性を有し、スケール厚さ
が50μm以下であり、溶接性がよい高強度せん断補強
筋用鋼材であることが確認できた。
ままで、降伏応力が685MPa 以上、伸びが8%以上の
高強度高延性の材質特性を有し、スポット溶接等で容易
かつ強固に主筋と接合可能な溶接性に優れたせん断補強
筋用熱間圧延鋼材を提供することができる。
ルテンサイトと残留オーステナイトの合計分率と伸び値
の関係を示した図である。
・冷却した鋼材のC%および表層スケール厚みと溶接性
の関係を示した図である。
ト概略図。
整冷却装置の概略図。
略図。
6)
の本発明の主旨とするところは次の通りである。 (1)化学成分が質量%で C:0.08〜0.20 Si:0.30〜1.00 Mn:1.0〜2.0 V:0.005〜0.10 Ti:0.05〜0.20 B:0.0005〜0.0050 残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼からなり、ミ
クロ組織中のベイナイト分率が95%以上、残留オース
テナイト分率が2%以下であり、表層スケール厚みが5
0μm以下であって、熱間圧延ままで降伏応力685MP
a 以上、伸び8%以上を有することを特徴とする熱間圧
延ままでせん断補強筋に使用される高強度高延性せん断
補強筋用熱間圧延鋼材。この鋼材は、上記の如く熱間圧
延(連続的に引き続く熱処理を含む。以下同じ。)のま
まで機械的性質として降伏応力685MPa 以上、伸び8
%以上を有するものであるが、本明細書中の降伏応力
は、JIS G2020の1164で規定されるオフセ
ット法による永久伸びが0.2%の耐力である。 (2)前記鋼材を圧延工程内で安定かつ効率的に製造す
る方法として、上記(1)記載の鋼成分を有する鋼を、
1100〜1280℃に加熱して熱間圧延し、800〜
1050℃で仕上げ圧延後、800℃以上の温度から9
0℃以上の温水中で浸漬冷却することを特徴とする高強
度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材の製造方法。 (3)上記(2)に記載の製造方法よりもさらに優れた
延性を得るための製造方法として、(2)記載の浸漬冷
却に引き続き、300〜500℃の雰囲気炉で1時間以
上保持することを特徴とする高強度高延性せん断補強筋
用熱間圧延鋼材の製造方法。
Claims (3)
- 【請求項1】 質量%で C:0.08〜0.20 Si:0.30〜1.00 Mn:1.0〜2.0 V:0.005〜0.10 Ti:0.05〜0.20 B:0.0005〜0.0050 残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼からなり、
ミクロ組織中のベイナイト分率が95%以上であり、残
留オーステナイト分率が2%以下であり、表層スケール
厚みが50μm以下であることを特徴とする溶接性に優
れた高強度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材。 - 【請求項2】 請求項1に記載の鋼成分を有する鋼を、
1100〜1280℃の温度範囲に加熱して熱間圧延
し、800〜1050℃の温度範囲で仕上げ圧延後、8
00℃以上の温度から90℃以上の温水中で浸漬冷却す
ることを特徴とする溶接性に優れた高強度高延性せん断
補強筋用熱間圧延鋼材の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の鋼成分を有する鋼を、
1100〜1280℃の温度範囲に加熱して熱間圧延
し、800〜1050℃の温度範囲で仕上げ圧延後、8
00℃以上の温度から90℃以上の温水中で浸漬冷却
し、引き続き300〜500℃の炉雰囲気温度範囲で1
時間以上保持することを特徴とする溶接性に優れた高強
度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材の製造方法。
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---|---|---|---|
JP36380599A JP3182141B2 (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 溶接性に優れた高強度高延性せん断補強筋用熱間圧延鋼材及びその製造方法 |
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US7754031B2 (en) * | 2002-11-19 | 2010-07-13 | Industeel Creusot | Weldable steel building component and method for making same |
US10415124B2 (en) * | 2015-07-09 | 2019-09-17 | Benteler Steel/Tube Gmbh | Chassis or drive component |
CN112111687A (zh) * | 2020-08-28 | 2020-12-22 | 安徽吾兴新材料有限公司 | 一种Ti微合金化635MPa级热轧带肋钢筋及其制备方法 |
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- 1999-12-22 JP JP36380599A patent/JP3182141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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