JP2001181543A - 孔版印刷用エマルジョンインクおよびそれを用いる印刷方法 - Google Patents
孔版印刷用エマルジョンインクおよびそれを用いる印刷方法Info
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Abstract
性の悪いコート紙、アート紙でも連続印刷ができ、かつ
インクの定着性の優れた孔版印刷用エマルジョンインク
およびそれを用いる印刷方法を提供する。 【解決手段】 油相および水相からなり、油相中に水不
溶性着色剤を含むW/O型エマルジョンインクにおい
て、前記水相に、ポリビニルアルコールを油相100重
量部に対し5〜25重量部含有させたことを特徴とする
孔版印刷用エマルジョンインク、および該エマルジョン
インクを用いる印刷方法。
Description
ョンインクおよびそれを用いる印刷方法に関する。
ため巾広い分野で利用されている。とりわけ輪転謄写印
刷においては、版に感熱性の孔版原紙を用い、赤外線照
射やサーマルヘッドにより迅速忠実に熱穿孔製版するこ
とができ、得られた孔版を単胴輪転ドラム印刷装置のド
ラムに装着したままW/O型エマルジョンインクを用い
て任意随時に印刷することができるので、簡便安価な複
写軽印刷として一般に広く普及している。
しかつインク自体が固化しないので、印刷直後に印刷用
紙に触れるとインクが転移し汚染する。連続印刷すると
重ね合さった排出印刷用紙のインクが裏移りする。特
に、インクの浸透性の劣るハガキ用紙などではこの現象
が著しい。さらに浸透性の劣るコート紙、アート紙で
は、実質的に連続印刷が不能となる。
長時間経過し、見かけ上十分に乾燥しているものであっ
ても強く擦するとインクが剥れ汚染する。この理由は、
孔版印刷用インクは、印刷後印刷装置内に放置され時間
をおいて使用される場合が多いことから、基本的に不揮
発性、不乾燥性、非硬化性であることによる。即ち、孔
版印刷用インクは、不揮発性、不乾燥性、非硬化性のオ
イル成分に着色剤を分散させ、必要に応じ分散剤および
流動性調整剤、付着性付与剤として樹脂を添加した油相
を基本の成分として、単胴ドラムに装入放置したままで
もインクがシミ出したり、漏れが生じないように、ダイ
ラタント粘性体とするために水を添加分散させてW/O
型エマルジョンとした構成になっていることによる。
油相および水相の印刷用紙への浸透と水分の蒸発のみに
よって行なわれ、油相の乾燥、定着固化の機能は無く、
印刷用紙の浸透性により著しく左右されることになる。
を添加し、印刷後紫外線を照射する方法(特開平10−
120960号公報、平10−316919号号公報)
が提案されているが、インクの自然硬化が起こり、安定
性が悪く、照射装置が高価で大型となり、実用化に至っ
ていない。他に熱溶融性成分および/または熱硬化性成
分を添加し、印刷後加熱ロールまたはアイロン処理する
方法(特開平6−128516号公報、平10−152
637号公報)が提案されているが、添加成分の熱溶融
/硬化の温度が低いと放置中に溶融/硬化が進み、高い
と処理温度をむやみに高くする必要が有り、さらに処理
はインク印刷面に施さなければ効果が無いため、ブロッ
キングの問題が生じ、実用化はされていない。その他、
インクの組成、成分について種々の方法が数多く提案さ
れているが、もっぱら、指触乾燥速度、裏移り、裏抜け
に対する改良案で、孔版印刷用インクにおける基本的な
不乾燥、不定着性の課題を解決する提案はされていな
い。
安価な複写軽印刷としてインクを装入放置したままで用
いる孔版印刷において、印刷直後でもインクの転移汚染
がなく、浸透性の劣るコート紙、アート紙などでも連続
印刷ができ、インクの定着性の優れた孔版印刷用エマル
ジョンインクおよびそれを用いる印刷方法を提供するこ
とにある。
る発明は、油相および水相からなり、油相中に水不溶溶
性着色剤を含むW/O型エマルジョンインクにおいて、
前記水相に、ポリビニルアルコールを油相100重量部
に対し5〜25重量部含有させたことを特徴とする孔版
印刷用エマルジョンインクに関する。
素共重合樹脂を含有させたことを特徴とする請求項1記
載の孔版印刷用エマルジョンインクに関する。
コーン共重合樹脂を含有させたことを特徴とする請求項
1記載の孔版印刷用エマルジョンインクに関する。
求項3のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンイン
クインクを用いて印刷を行った後に、得られた印刷物に
加熱処理を施すことを特徴とする印刷方法に関する。
熱ローラーを用いて行なうことを特徴とする請求項4記
載の印刷方法に関する。
ンクにおいては、水相にポリビニルアルコール(以下、
PVAという)が油相の100重量部に対し、5〜25
重量部含有される。PVAは水相の凍結性を押え、水分
の蒸発を防止し、インクの放置安定性を向上させる。ま
た、水相を構成するPVAを添加したエマルジョン粒子
は、PVAの強い結合力、溶解性により、界面が保護さ
れ安定化する。さらに、印刷後、水相中のPVAの油相
との界面への移行拡散に伴い、成膜性、結着性に優れた
PVAが水相と油相との界面に配向し、インクを定着さ
せる。この場合PVAは透明皮膜を形成し、PVAの含
有量の多少にかかわらず油相中の着色剤濃度に影響を与
えることなく良好な印刷物の濃度が得られる。PVAの
含有量が油相100重量部に対し5重量部以上でない
と、PVAが油相面を被覆し、インクを定着する効果が
発現しない。
刷後に、印刷物に加熱処理を施すことにより、印刷イン
クに熱を与え、PVAの水相の界面への移行拡散、水の
蒸発を速かにし、初期指触乾燥性を上げ、かつPVAの
表面配向を効率的にする作用効果が発揮される。
ては、水溶解性が高く、保水性に優れ、自己成膜性を有
し、かつ水相表面への配向、油相面被覆の性能を発現す
るには、水相へのPVAの添加が必須である。PVAに
は重合度、ケン化度により種々の品種があり、また各種
の変性品、例えば、カルボキシル基変性、シラノール基
変性、アルキル基変性、フッ化アルキル基変性、シリコ
ーンアルキル基変性などがあるが、基本的にはとくに制
限はなく、いずれも好ましく用いられる。たとえば、重
量平均重合度が200〜1700程度、ケン化度が78
〜99%程度のものがいずれも好ましく使用できる。
量部に対し5重量部以上であるが、好ましくは8重量部
以上であり、より好ましくは油相/水相の重量比率が4
0/60〜25/75の範囲において、油相100重量
部に対し11〜17重量部である。PVAの量が5重量
部未満だと油相面を被覆する量に不足する。PVAの量
が8重量部以上、とくに11重量部以上であれば油相面
を十分に被覆し、インクの定着性が向上する。PVAの
量が25重量部を超えると長期間保存中にインクの表面
に皮バリを生じたり、印刷直後に加熱処理を施すと印刷
インクの表面が発泡するなどの不具合が生じる。
にその他の樹脂やワックス類を添加することができる。
その他の樹脂としては、例えば、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、
ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、アラビアゴ
ム、澱粉、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリア
クリル酸部分アルキルエステル等の水溶性樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ酢
酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸エス
テル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、フッ素含有樹脂、シリ
コーン樹脂等のエマルジョン、ディスパージョンがあげ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。これらの樹脂は、個々の特性により性能調
整、機能性付与剤として適宜適当に使用することができ
る。ただし、W/O型エマルジョンインクの水相に添加
できる条件として、樹脂自体の物性に係わらず、水溶
液、水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンの形
態において含有する乳化剤、界面活性剤等を含め、油相
非溶解性であること、またpHが中性域にあり、強酸性
あるいは強アルカリ性でないことがあげられる。そうで
ないと、エマルジョンが破壊するか経時的に分離する。
また、形態自体も極めて安定性の高いものでないと添加
した水相のエマルジョンの安定性も損なわれる。
に、フッ素共重合樹脂またはシリコーン共重合樹脂の1
種または2種以上を含有させることができる。これらを
含有させることにより、エマルジョンインク表面に離型
性を付与し、指触乾燥性を高め、加熱処理時のインクの
ブロッキングを抑える効果がある。
は、フルオロアルキル基含有共重合樹脂の水/アルコー
ルディスパージョンがあげられる。これらはとくに制限
なく用いることができるが、前記した水相に添加できる
条件を満している必要がある。フルオロアルキル基含有
共重合樹脂の構成としては、フルオロアルキル基含有セ
グメントと親水性セグメントとからなるA−B型ブロッ
クまたはグラフト共重合体が望ましい。
ては、ポリシロキサンのアルキル変性共重合樹脂の水/
アルコールディスパージョンがあげられる。これらはと
くに制限なく用いることができるが、前記した水相に添
加できる条件を満している必要がある。ポリシロキサン
のアルキル変性共重合樹脂の構造としては、ポリシロキ
サンのアルキル変性セグメントと親水性セグメントから
なるA−B型ブロックまたはグラフト共重合体が望まし
い。
低級飽和一価アルコール、多価アルコール等の公知の蒸
発抑制、凍結防止剤、トリエタノールアミン、酢酸ナト
リウム等の公知のpH調整剤、硫酸マグネシウム、硫酸
ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の公知の電解質、芳
香族ヒドロキシ化合物、ソルビン酸等の公知の防腐防カ
ビ剤等を添加することができる。
不揮発性溶剤、少量の高沸点難揮発性溶剤、乳化剤から
なる。水不溶性着色剤としては、公知の顔料がとくに制
限なく用いられる。例えば、ファーネスカーボンブラッ
ク、ランプブラック、シアニンブルー、シアニングリー
ン、レーキレッド、酸化チタン等の有機および/または
無機の顔料があげられる。
スピンドル油、マシン油、流動パラフィン等の鉱物油、
オリーブ油、ヒマシ油、サラダ油等の植物油、初留点が
300℃以上の非芳香族系炭化水素溶剤などがあげられ
る。水相中の水の蒸発とのバランスを保つために、初留
点が300℃未満で150℃以上の非芳香族炭化水素溶
剤を含有させることができる。乳化剤としては、不揮発
性溶剤に溶解する非イオン界面活性剤が用いられる。乳
化剤はHLBが1.5〜8.5の範囲のものが好まし
い。乳化剤の添加量は油相全量の2〜10重量%が望ま
しい。なお油相には、必要に応じて、ジブチルヒドロキ
シトルエン、没食子酸プロピル等の公知の酸化防止剤、
ポリアルキルポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、高分
子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩等の公知の顔料分散
剤等を添加することができる。さらに、流動性調整剤、
安定化剤剤、付着性付与剤としてロジン、ロジン変性樹
脂、石油樹脂、アルキッド樹脂等の樹脂を含有させるこ
とができる。
た孔版印刷においては、印刷を行なった後、得られた印
刷物に加熱処理を施すのが好ましい。それにより、イン
ク乾燥性、インク定着性をより一層向上せしめることが
でき、インク浸透性の劣る印刷用紙を用いて、連続印刷
できる。加熱条件はとくに制限されないが、通常80〜
150℃程度が好ましい。加熱は、印刷機の排紙部に、
加熱ロール、赤外線照射装置などを装着することによっ
て行なうことができる。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
印刷用エマルジョンインクを調製した。表1〜2におけ
る各成分の配合量は重量部数である。また成分No.で
示される物質はつぎのものである。
%のPVAの15重量%水溶液 No.15:重量平均重合度1700、ケン化度98.
5%のPVAの10重量%水溶液 No.16:フッ化アルキルブロックポリマーの15重
量%イソプロピルアルコール/水分散液 No.17:シリコーンアルキルブロックポリマーの1
0重量%イソプロピルアルコール/水分散液 No.18:ポリビニルピロリドンの15重量%水溶液
3)に溶解し、この液に他の溶剤、乳化剤、分散剤等お
よび着色剤を混合し、三本ロールで良く分散させて調製
した。水相液は水に各成分を溶解、分散させることによ
り調製した。乳化器に油相液を仕込み、400rpmの
速度で油相液を撹拌しながら、水相液を徐々に添加して
乳化し、エマルジョンインクを調製した。
下記の方法でインクの性能評価、印刷テストを行なっ
た。
評価した。結果を表3に示す。 ○:変化なし △:わずかな粘度低下および/または発汗状の水漏出あ
り ×:粘度低下または水分離、ゲル化あり
(株)製DP63S、サーマルヘッド:600ドット/
インチ)に装入し、印刷を行なった後1カ月放置し、再
度印刷を行ない、その際の状況をつぎの基準で評価し
た。結果を表3に示す。 ○:最初の印刷のときと変化なし △:刷り始め50枚以内でインクのメキまたはカスレあ
り ×:インク漏れまたはインクの目詰まりあり
印刷を行ない、つぎの項目について測定または評価し
た。印刷は90枚/分の速度で行なった。印刷用紙とし
ては、一般孔版印刷用紙(以下、PPという)および坪
量75g/m2のコート紙(以下、CPという)を使用
した。結果を表4に示す。
学濃度計で印字の光学濃度(OD)を測定した。
ね、5kgの荷重を30秒かけた後、つぎの基準で目視
評価した。 ○:裏移りが全くないか、ベタ部の1部に極僅かの裏移
りあり △:ベタ部の裏移りあり ×:ベタ部および文字部の裏移りあり
を軽く数回擦り、指先の汚染状態を目視観察し、つぎの
基準により評価した。 ○:汚染ほとんどなし △:汚染があり、画像部に擦れが認められる ×:汚染がひどく、指触部の画像部にボケ、カスレが認
められる
/A5の荷重下に脱脂綿で5回摩擦し、摩擦後の画像濃
度(OD)と摩擦前の画像濃度(OD)から次式で示さ
れる摩擦による画像濃度の低減率を求め、次の基準によ
り評価した。 低減率(%)=(摩擦後濃度/摩擦前濃度)×100 ◎:低減率99%以上 ○:低減率95%以上、99%未満 △:低減率80%以上、95%未満 ×:低減率80%未満
温度約120℃に加熱したメタルロールを装着して用い
た他は、印刷テストIと同様にして印刷を行ない、同様
な評価を行った。結果を表5に示す。
は、水相中にPVAが油相100部に対して5〜25部
含有されていることにより、放置安定性に優れると共
に、印刷の初期指触乾燥が速く、用紙への転移付着も良
くて裏移りがなく、コート紙にも印刷できる。さらに印
刷物に加熱処理を施すことにより画像定着性がより一層
優れ、画像部のこすりはがれの無い印刷物を得ることが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 油相および水相からなり、油相中に水不
溶性着色剤を含むW/O型エマルジョンインクにおい
て、前記水相に、ポリビニルアルコールを油相100重
量部に対し5〜25重量部含有させたことを特徴とする
孔版印刷用エマルジョンインク。 - 【請求項2】 前記水相中にフッ素共重合樹脂を含有さ
せたことを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用エマル
ジョンインク。 - 【請求項3】 前記水相中にシリコーン共重合樹脂を含
有させたことを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用エ
マルジョンインク。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の孔版印刷用エマルジョンインクインクを用いて印刷
を行った後に、得られた印刷物に加熱処理を施すことを
特徴とする印刷方法。 - 【請求項5】 前記加熱処理を加熱ローラーを用いて行
なうことを特徴とする請求項4記載の印刷方法。
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JP37331799A JP4028669B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 孔版印刷用エマルジョンインクおよびそれを用いる印刷方法 |
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JP2008106144A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 孔版印刷用エマルジョンインキ |
WO2011149006A1 (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-01 | 花王株式会社 | 容器入り水系組成物 |
WO2011155404A1 (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-15 | 花王株式会社 | 水中油型乳化組成物及びその製造方法 |
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1999
- 1999-12-28 JP JP37331799A patent/JP4028669B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011246398A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Kao Corp | 容器入り水系組成物 |
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WO2011155404A1 (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-15 | 花王株式会社 | 水中油型乳化組成物及びその製造方法 |
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