JPH10152637A - 孔版印刷用エマルションインキおよび孔版印刷方法 - Google Patents

孔版印刷用エマルションインキおよび孔版印刷方法

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JPH10152637A
JPH10152637A JP32787396A JP32787396A JPH10152637A JP H10152637 A JPH10152637 A JP H10152637A JP 32787396 A JP32787396 A JP 32787396A JP 32787396 A JP32787396 A JP 32787396A JP H10152637 A JPH10152637 A JP H10152637A
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JP
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ink
stencil printing
water
component
emulsion
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Application number
JP32787396A
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English (en)
Inventor
Masahiro Matsuura
真宏 松浦
Yasuo Nakamura
康男 中村
Sadanao Okuda
貞直 奥田
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度でにじみが少なく、用紙表面およびそ
の近傍に残留している着色剤の固着力を向上させ、印刷
物の裏移りを防ぐことができる孔版印刷用エマルション
インキおよびこれを用いた孔版印刷方法を提供する。 【解決手段】 水相中に水不溶性着色剤を含む油中水
(W/O)型エマルションインキにおいて、該インキに
不溶な熱溶融性成分又は熱硬化性成分を含有させたこと
を特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。熱溶融性
成分又は熱硬化性成分の平均粒径は0.01μm〜10μm
が好ましい。該インキを用いて孔版印刷を行った後、得
られた印刷物に加熱処理を施せばインキは迅速に定着す
る。インキにシリコーンオイルを含有させればローラ等
への加熱処理手段へのオフセット現象を確実に低下させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔版印刷用エマルシ
ョンインキに関し、さらに詳しくはインキの定着性に優
れ、かつ印刷物の印刷濃度が高い孔版印刷用エマルショ
ンインキ、及びこれを用いた連続印刷に好適な孔版印刷
方法に関する。
【従来の技術】
【0002】孔版印刷は、孔版印刷用原紙を用いて製版
を行い、製版により形成された原紙の穿孔部にインキを
通過させて紙などの被印刷体に印刷を行うものである。
この孔版印刷は、版の作製が容易なために幅広い分野で
利用されている。従来、孔版印刷用インキとしては、一
般に油中水(W/O)型エマルションインキが使用され
ており、その油相成分中に着色剤である顔料成分が含ま
れている(特開昭61−255967号公報、特開昭6
4−14284号公報、特開平4−132777号公
報、特開平5−117565号公報等参照)。
【0003】油中水(W/O)型エマルションインキ
は、紙などの被印刷体に印刷されると、まずエマルショ
ンの外相である油相成分が被印刷体に浸透し、次いで内
相である水相成分が浸透および/または飛散する。従来
のように、着色剤が油相成分中に含まれている油中水
(W/O)型エマルションインキでは、着色剤の多くは
印刷用紙表面に残らずに紙層深部まで浸透してしまうた
め、印刷濃度が低下し、また、裏抜けが発生し易いとい
う問題があった。さらに、紙繊維に沿っても浸透するた
めに滲みが発生し易い、という問題があった。この事
は、インキの乾燥速度の高速化に伴い、一層大きな問題
となっていた。
【0004】これらの問題を解決するために、水不溶性
着色剤を水相中に含んだ油中水(W/O)型エマルショ
ンインキが提案されている(特開平7−188598号
公報、特開平8−34944号公報、特開平8−218
025号公報参照)。この形態のエマルションインキで
は、水不溶性着色剤は水相成分中に含まれているため、
印刷用紙の表面に留まる。その結果、印刷濃度が高く、
裏抜けや滲みの少ない印刷物を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなイ
ンキを用いた場合、用紙表面およびその近傍に留まった
顔料により、本質的に耐擦れ性が低下し、印刷された用
紙等を印刷直後に手で持った場合にインキが転移した
り、また連続印刷の際に印刷した用紙等を重ね合わせる
とインキの裏移りが発生し、インキの浸透性の悪い葉書
用紙などではかかる現象が著しいという問題があった。
【0006】インキの固着性を改善するとともに裏移り
を防止する方法として、エマルションインキに熱溶融性
成分及び/又は熱硬化性成分を添加することが提案され
ている(特開平6−128516号公報)。しかし、こ
のインキの場合、顔料成分が本質的に油相中に存在する
ため、定着性は改善するが、印刷濃度、にじみ、裏抜け
を低減させることはできない。
【0007】本発明の目的は、上記の従来技術の問題点
を解決し、高濃度でにじみが少なく、用紙表面およびそ
の近傍に残留している着色剤の固着力を向上させ、印刷
物の裏移りを防ぐことができる孔版印刷用エマルション
インキおよびこれを用いた孔版印刷方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、水相中に水不溶性着色剤を含む油中水(W/O)
型エマルションインキにおいて、該インキに不溶な熱溶
融性成分及び/又は熱硬化性成分を該インキ中に含有さ
せたことを特徴とする孔版印刷用エマルションインキに
よって達成される。
【0009】すなわち、本発明においては、熱溶融性成
分及び/又は熱硬化性成分がインキ中に含有されている
ので、印刷後に印刷面に加熱処理を施すことにより、イ
ンキは迅速に定着する。この熱溶融性成分及び/又は熱
硬化性成分はインキに不溶なため、インキ自体の粘度を
変化させることもない。したがって、水相中に水不溶性
着色剤を含む油中水(W/O)型エマルションインキの
印刷濃度が高く、滲みや裏抜けの少ない特性を高度に発
揮させることができる。
【0010】本発明に用いられる熱溶融性成分は、エマ
ルションインキの油相または水相の少なくとも一方に均
一に分散して含有される。該熱溶融性成分としては、ポ
リスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリアミド等の重合体および共重合体、低分子量ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、そのガラ
ス転移温度(Tg)は、−20〜80℃の範囲が好まし
く、−10〜60℃の範囲がより好ましい。Tgが低す
ぎると、分散中に粒子同士が凝集合一したり、定着後の
インキにタックが残ったりする。またTgが高すぎる
と、加熱処理の温度が高くなり実用性が損なわれる。そ
の固形分としての添加量は、全インキ量に対して3〜5
0重量%の範囲が好ましい。3重量%以下であるとイン
キの定着が悪くなり、50重量%を越えると孔版印刷イ
ンキとしての粘度が高くなりすぎて、適正な印刷物が得
られなくなる。
【0011】本発明に用いられる熱硬化性成分はエマル
ションインキの油相または水相の少なくとも一方に均一
に分散して含有される。該熱硬化性成分としては、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などが挙げら
れ、その添加量は、全インキ量に対して3〜50重量%
の範囲が好ましく、5〜40重量%の範囲がより好まし
い。3重量%以下であるとインキの定着が悪くなり、5
0重量%を越えると孔版印刷用インキとしての適正な粘
性を保持させることが困難になる。更に熱硬化性成分は
熱硬化に対する体積変化が大きいため、樹脂選定の際
は、この体積変化の小さいものを選定することが望まし
い。
【0012】熱溶融性成分および熱硬化性成分は乳化重
合や懸濁重合、または機械的粉砕等によって粒状の高分
子化合物として得ることができる。その粒径は0.01〜1
0μmであることが望ましい。粒径が0.01μm以下では
紙などの被印刷体内部へ浸透し、水不溶性着色剤を被印
刷体に結着させることが困難となる。また粒径が10μ
mを越えると孔版印刷用インキとしての適正な粘度を保
持させることが困難になる。
【0013】熱溶融性成分および/または熱硬化性成分
を含有する本発明のエマルションインキを用いて印刷し
た印刷物は、その印刷面を加熱処理することにより、イ
ンキの印刷物への結着を高めることができる。加熱処理
方法としては、たとえば加熱ロール、熱板、アイロン等
を印刷面に接触させることが挙げられる。またインキ
が、赤外線を効率良く吸収するインキ添加物を含有する
場合、タングステン灯、フラッシュランプ等による照射
を利用して加熱処理してもよい。上記接触加熱による場
合には、加熱ロール、熱板、アイロン等の加熱媒体の接
触面に剥離加工や剥離剤を塗布することが好ましい。加
熱処理温度(加熱媒体の温度)は、熱溶融性成分および
/または熱硬化性成分として使用される熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂の種類によって適宜決定されるが、屋内で
利用する場合には安全性の点から300℃以下であるこ
とが好ましい。加熱処理によって被印刷体表面の着色
剤、熱溶融性成分または熱硬化性成分等のインキ固形分
を被印刷体に確実に固着させることができ、通常の浸透
性に優れた印刷用紙を用いた場合はもちろんインキ浸透
性の悪い葉書用紙等を用いた場合でも、裏移りの発生の
ない連続印刷を好適に行うことができる。
【0014】加熱ロールやアイロン等の加熱媒体により
被印刷物を加熱処理する時に、加熱媒体の接触面に十分
な剥離加工がなされていないか、または剥離剤を表面に
塗布させていないと、加熱処理時に加熱媒体の表面にイ
ンキが転移する所謂オフセット現象が発生する。本発明
によれば、インキにシリコーンオイルを含有させること
によって、このオフセット現象を防ぐことができる。
【0015】本発明に用いられるシリコーンオイルは、
エマルションインキの油相または水相の少なくともいず
れか一方に含有させることができる。該シリコーンオイ
ルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
ルシリコーンオイルおよびそれらの誘導体などが挙げら
れる。水相側に添加する場合には、予め水相にシリコー
ンオイルを分散させておき、これを油相中に徐々に加え
て分散させる。また油相側に添加する場合には、油相中
の一成分にシリコーンオイルを溶解または均一に分散さ
せて添加する。
【0016】シリコーンオイルの粘度は、油相に添加す
る場合には1〜1,000cpsの範囲が好ましい。
1,000cps以上の高粘度シリコーンオイルを使用
した場合にはエマルションインキ自体が高粘度となり、
インクの流動性を低下させる。またシリコーンオイルの
添加量は、1〜20重量%の範囲が好ましく、5〜10
重量%の範囲がより好ましい。1重量%以下ではオフセ
ット現象が現れ、20重量%を超えると被印刷体へのイ
ンキの定着性が損なわれる。
【0017】本発明において、水相は、基本的に、水と
水不溶性着色剤とから構成される。水不溶性着色剤の平
均粒径は10μm以下であり、3μm以下が好ましく、
最も好ましくは0.5μm以下である。平均粒径が10
μmを越えると油中水(W/O)型エマルションが崩壊
し易くなる。また水不溶性着色剤の添加量はエマルショ
ンインキ総量に対して1〜30重量%が好ましく、2〜
10重量%の範囲がより好ましい。
【0018】水不溶性着色剤としては、各種色調の公知
の顔料や分散染料等が用いられるが、主溶媒である水と
の親和性が良好なものが好ましい。例えば、ファーネス
カーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラッ
ク、チャンネルブラック等のカーボンブラック類、コバ
ルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウ
ム、マンガン、ニッケル等からなる金属類、金属酸化
物、及び、硫化物等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニ
ン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系、ア
ルカリブルー、アニリンブラック等の有機顔料、アゾ
系、アントラキノン系、アゾメチン系、ニトロ系等の分
散染料が用いられる。
【0019】本発明における水相中には、必要に応じて
水中油(O/W)型樹脂エマルションおよび/または水
溶性樹脂を含有させることができる。これらを水相に含
有させることにより、水不溶性着色剤の分散性と、用紙
等の被印刷体への水不溶性着色剤の固着性とを向上させ
ることができる。
【0020】O/W型樹脂エマルションとしては、例え
ば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリメタク
リル酸エステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩
化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタ
ン等の樹脂エマルションが用いられる。
【0021】また、水溶性樹脂としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共
重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテ
ル、ポリアクリルアミド、アラビアゴム、澱粉、水溶性
ポリウレタン等が用いられる。
【0022】これらの水中油(O/W)型樹脂エマルシ
ョンおよび/または水溶性樹脂の添加量は、エマルショ
ンインキの総量に対して固形分換算で1〜20重量%が
好ましく、2〜10重量%の範囲がより好ましい。1重
量%未満では水相中の着色剤成分の分散性又は被印刷体
への固着性が十分得られず、また20重量%を超えると
版作製後に長期放置した場合、版上の穿孔部分でインキ
が皮膜を作り、インキの通過を阻止することがあり、好
ましくない。
【0023】さらに、水相成分には、水に対する水不溶
性着色剤の濡れ性や分散性等を改良するための分散剤と
して、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性
界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シ
リコーン系、フッ素系の界面活性剤、更には、特開平8
−34944号公報に記載のような第3アミン化合物若
しくは特願平8−177518号に記載のような酸無水
物含有水溶性ポリマーを添加することが好ましい。
【0024】これらの分散剤のうち、第3アミン化合物
又は酸無水物含有水溶性ポリマーが特に好ましく、分散
剤としてかかる化合物を使用することにより、水不溶性
着色剤を水相中に細かく、かつ安定に分散させることが
でき、水不溶性着色剤の細かな分散によって画像性(色
見)が向上し、かつエマルションの安定性に優れたW/
O型エマルションインキが得られる。分散剤として、分
子内にカルボキシル基、スルフォン酸基などの官能基を
有し、顔料表面に吸着する一般的な高分子化合物を用い
た場合にはエマルションの崩壊が生じ易いが、この理由
は、油相と水相の界面に上記高分子化合物が吸着し、エ
マルションの安定性を低下させるためと考えられる。
【0025】上記第3アミン化合物としては、例えば、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、アルキロ
ールアミン塩、ポリN−アクロイルピロリジン等の高分
子化合物が挙げられる。
【0026】上記酸無水物含有水溶性ポリマーは、例え
ば、酸無水物含有オレフィン系共重合体及び酸無水物含
有ビニル系共重合体並びにこれらの塩及びエステルから
選択することができる。酸無水物含有オレフィン系共重
合体としては、無水マレイン酸のような酸無水物基を含
有するエチレン系不飽和単量体と、エチレンやイソブチ
レン等のオレフィンとの共重合体が挙げられる。酸無水
物含有ビニル系共重合体としては、無水マレイン酸のよ
うな酸無水物基を含有するエチレン系不飽和単量体と、
芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル単量体又はビニ
ルエーテル単量体との共重合体が挙げらる。芳香族ビニ
ル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ブチルスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p−ア
リールスルホキシアミノスチレン及びp−スチレンスル
ホン酸等が挙げられる。ビニルエステル単量体として
は、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル及び
メタクリル酸エステル等が挙げられる。ビニルエーテル
単量体としてはメチルビニルエーテル等が挙げられる。
このうち、好ましい酸無水物含有水溶性ポリマーとして
は、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体及びスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
【0027】第3アミン化合物及び酸無水物含有水溶性
ポリマーの使用量には特に制限はないが、一般にこれら
の化合物は、高分子化合物であるため、使用量が増える
と、増粘効果が顕著となる。このような場合は、水不溶
性着色剤を水相中に細かく分散し、且つ安定に分散させ
ることができる必要最低量で充分であるため、分散剤に
よって適宜、その使用量を決定することが好ましい。
【0028】なお、水相には、さらに、必要に応じて、
電解質、pH調整剤、湿潤剤、水蒸発抑制剤、凍結防止
剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤等の水溶性添加物を含
有させることができる。
【0029】本発明における油相は、基本的に、不揮発
性溶剤、揮発性溶剤、乳化剤などからなる。
【0030】不揮発性溶剤としては、モーターオイル、
スピンドル油、マシン油、流動パラフィン等の鉱物油
系、オリーブ油、ヒマシ油、サラダ油等の植物油が用い
られ、また揮発性溶剤としては、公知の鉱物油系溶剤、
植物油系溶剤が用いられる。
【0031】乳化剤は、W/O型エマルションを構成す
るために用いられ、非イオン界面活性剤が好ましく用い
られる。例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソル
ビタンセスキオレエート、ソルビタンモノイソステアレ
ート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノス
テアレート、デカグリセリルデカオレエート、ヘキサグ
リセリルペンタオレエート等の(ポリ)グリセリン脂肪
酸エステル、およびこれらの酸化エチレン付加物、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)エチレング
リコール脂肪酸エステル、脂肪酸・アルキルエーテル・
アルキルフェノール・(硬化)ヒマシ油の酸化エチレン
付加物等が用いられる。本発明の水相成分中には、水不
溶性着色剤を分散させるための界面活性剤やO/W型樹
脂エマルションを構成するための界面活性剤が含まれて
いる場合があり、これらの界面活性剤等との相互作用に
よってW/O型エマルションが崩壊されないよう、乳化
剤を適宜選択することが好ましい。
【0032】さらに油相成分として、孔版印刷インキと
しての適正な粘度を持たせるため、および熱溶融性成分
および熱硬化性成分との相溶性を向上させるために、樹
脂成分をさせてもよい。このような樹脂としては、アル
キッド樹脂、フェノール樹脂、マレイン樹脂、石油樹脂
等が挙げられる。
【0033】本発明の油中水(W/O)型エマルション
インキは、通常、10〜70重量%の油相に、90〜3
0重量%の水相を徐々に添加して乳化させることにより
製造することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を、実施例により詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、例中の部は重量部を意味する。
【0035】実施例1
【0036】
【表1】
【0037】表1に示す配合により、まずA成分を撹拌
した後、さらにB成分を添加して乳化機で3時間撹拌を
行った。これに予めボールミルで分散を行ったC成分を
徐々に添加しながら、乳化機で撹拌して乳化させ、W/
O型エマルションインキを作成した。得られたエマルシ
ョンインキを用いて孔版印刷機リソグラフGR375
(登録商標:理想科学工業株式会社製)により孔版印刷
を行った。次いで得られた印刷物を表面温度180℃前
後の加熱ロールに速度3m/minで通過させて熱処理を
行った。得られた印刷物のインキの印刷濃度、定着性お
よびオフセット性を下記の方法により調べ、その結果を
表6に示した。
【0038】(1)印刷濃度:印刷されたベタ部分の印
刷濃度をOD計(マクベス社製RD920)で測定した。 (2)定着性:触指試験による印刷用紙への固着状態に
より評価した。 (3)オフセット性:加熱ロール(またはアイロン)へ
のオフセット現象の発生により評価した。
【0039】実施例2
【0040】
【表2】
【0041】表2に示す配合で、まずB成分をすべて混
合した後、充分撹拌してボールミルで分散を行った。こ
れを撹拌を終えたA成分に徐々に添加しながら、乳化機
で撹拌して乳化させ、W/O型エマルションインキを作
成した。得られたエマルションインキを用いて実施例1
と同様に孔版印刷を行い、その印刷物に150℃に加熱
したアイロン(表面:フッ素樹脂加工)を5秒間密着さ
せて熱処理を行った。得られた印刷物の評価を実施例1
と同様にして行い、その結果を表6に示した。
【0042】実施例3
【0043】
【表3】
【0044】実施例1において、A、B、C成分をそれ
ぞれ表3の配合に代えた以外は実施例1と同様にしてエ
マルションインキを作成して孔版印刷を行い、実施例1
と同様にして印刷物に熱処理を施して印刷物の評価を行
い、その結果を表6に示した。
【0045】実施例4
【0046】
【表4】
【0047】実施例2において、A、B成分をそれぞれ
表4の配合に代えた以外は実施例2と同様にしてエマル
ションインキを作成して孔版印刷を行い、実施例2と同
様にして印刷物に熱処理を施して印刷物の評価を行い、
その結果を表6に示した。
【0048】実施例5
【0049】実施例2において、シリコーンオイルを使
用しなかった以外は実施例2と同様にしてエマルション
インキを作成し、その印刷物に150℃に加熱したアイ
ロン(表面にシリコーンオイルを塗布)を5秒間密着さ
せて熱処理を行った。得られた印刷物の評価を実施例1
と同様にして行い、結果を表6に示した。
【0050】比較例1
【0051】実施例1において、シリコーンオイルおよ
びスチレン−アクリル樹脂を使用しなかった以外は実施
例1と同様にしてエマルションインキを作成し、印刷物
を得、その評価を実施例1と同様にして行い、結果を表
6に示した。
【0052】比較例2
【0053】実施例1において、スチレン−アクリル樹
脂を使用しなかった以外は実施例1と同様にしてエマル
ションインキを作成し、印刷物を得、その評価を実施例
1と同様にして行い、結果を表6に示した。
【0054】比較例3
【0055】
【表5】
【0056】表5に示す配合で、まずA成分を混合して
3本ロールで十分に混練した後、撹拌しながらB成分を
混合した。これに、予め充分撹拌したC成分を徐々に添
加しながら、撹拌機で撹拌して乳化させ、W/O型エマ
ルションインキを作成した。得られたエマルションイン
キを用いて実施例1と同様に孔版印刷を行い、印刷物を
得、その評価を実施例1と同様にして行い、結果を表6
に示した。
【0057】
【表6】
【0058】表6から、本発明のエマルションインキ
は、印刷濃度、インキの定着性およびオフセット性に優
れていることが判る。
【0059】
【発明の効果】本発明のW/O型エマルションインキ
は、水相中に水不溶性着色剤を含むとともに、インキ中
に該インキに不溶な熱溶融性成分又は熱硬化性成分を含
有することから、印刷後の印刷物への加熱によって被印
刷体へインキを確実に定着させることができるため、イ
ンキの浸透性の悪い葉書等でのインキの定着性を向上さ
せることができる。また、連続印刷時のインキの裏移り
の発生、印刷後のブロッキングの発生を防止することが
できる。また、さらにインキにシリコーンオイルを含有
させることにより、加熱ローラ等が接触した時のローラ
等へのインキ転移(オフセット現象)を確実に低下させ
ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水相中に水不溶性着色剤を含む油中水
    (W/O)型エマルションインキであって、該インキに
    不溶な熱溶融性成分を含有することを特徴とする孔版印
    刷用エマルションインキ。
  2. 【請求項2】 水相中に水不溶性着色剤を含む油中水
    (W/O)型エマルションインキであって、該インキに
    不溶な熱硬化性成分を含有することを特徴とする孔版印
    刷用エマルションインキ。
  3. 【請求項3】 前記熱溶融性成分又は熱硬化性成分の平
    均粒径が0.01μm〜10μmであることを特徴とする請
    求項1または2に記載の孔版印刷用エマルションイン
    キ。
  4. 【請求項4】 さらにシリコーンオイルを含有すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の孔版印刷用エマ
    ルションインキ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の孔
    版印刷用エマルションインキを用いて孔版印刷を行った
    後、得られた印刷物に加熱処理を施すことを特徴とする
    孔版印刷方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001262028A (ja) * 1999-09-29 2001-09-26 G R Advanced Materials Ltd エマルションインキ
JP2005146279A (ja) * 2003-11-10 2005-06-09 Gr Advanced Materials Ltd エマルションインク
JP2008274095A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルションインキ

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