JP2001180901A - 水素吸蔵合金成形体 - Google Patents

水素吸蔵合金成形体

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JP2001180901A
JP2001180901A JP36369599A JP36369599A JP2001180901A JP 2001180901 A JP2001180901 A JP 2001180901A JP 36369599 A JP36369599 A JP 36369599A JP 36369599 A JP36369599 A JP 36369599A JP 2001180901 A JP2001180901 A JP 2001180901A
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alloy
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Kazuhiko Ito
一彦 伊東
Hideto Kubo
秀人 久保
Katsuyoshi Fujita
勝義 藤田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素透過性、熱伝導性に優れ、水素吸蔵合金
の微粉化に起因する圧密化及び微粉末の飛散を防止する
ことができ、しかも、単位体積当たりの吸蔵量が大きい
水素吸蔵合金成形体を提供すること。 【解決手段】 熱伝導性に優れた多孔質材料からなる収
容体10、20に、水素吸蔵合金粉末4又は水素吸蔵合
金粉末4と熱伝導性に優れた金属粉末5との混合物を充
填し、加圧成形することにより水素吸蔵合金成形体とす
る。この場合、金属粉末5には、扁平形状を有するもの
を用いるのが望ましい。また、収容体10、20は、そ
の内部が熱伝導性に優れた多孔質材料からなる隔壁1
4、24によって細分化されていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金成形
体に関し、更に詳しくは、定置式水素貯蔵器、水素自動
車用燃料タンク、熱貯蔵システム、ヒートポンプ、ケミ
カルコンプレッサー、ケミカルエンジン、金属水素化物
センサ、金属水素化物アクチュエータ、水素分離・精製
装置等に用いられる水素吸蔵合金成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は、大量の水素を吸蔵する
能力と、吸蔵した水素を再び放出する能力を備えた合金
であり、LaNi合金、FeTi合金、MgNi合
金、Ti1+xCr2−yMn(x=0.1〜0.
3、y=0〜1.0)合金などが知られている。これら
の水素吸蔵合金は、一般に水素の吸蔵及び放出時に発熱
及び吸熱を伴うことから、単に水素貯蔵器としてだけで
はなく、水素という化学エネルギを、熱エネルギ、機械
エネルギ又は電気エネルギに変換するエネルギ変換材料
としての利用が期待されているものである。
【0003】水素吸蔵合金は、合金内部への水素の拡散
を容易化するために、通常、100μm程度の粉末と
し、これを水素ガスの導入口及び放出口を備えた貯蔵容
器に充填した状態で使用される。また、水素吸蔵合金
は、本質的に脆い材料であり、しかも水素の吸蔵及び放
出時に大きな膨張及び収縮を生じるために、水素の吸蔵
及び放出を繰り返すと、数μm程度の大きさまで微粉化
するという性質がある。
【0004】水素吸蔵合金が微粉化しても、合金性能の
低下はほとんどみられないが、微粉化の進行により、合
金微粉末が貯蔵容器内部で偏在し、圧密化を生じるとい
う問題がある。圧密化が生じると、水素の透過性が低下
したり、あるいは、吸蔵時の膨張によって貯蔵容器が破
損し、水素漏れの原因となる。また、微粉化した合金粉
末がフィルタを通過して水素ガス中に混入して放出さ
れ、パイプやバルブを詰まらせる原因ともなる。
【0005】さらに、水素吸蔵合金は、水素の吸蔵、放
出速度が大きい方が実用上有利であるが、水素化反応
は、伝熱律速で進行する場合が多い。従って、水素の吸
蔵、放出速度を大きくするためには、伝熱面積を増大さ
せ、反応熱の除去及び付加を速やかに行う必要がある。
しかしながら、水素吸蔵合金の微粉化が進行すると、合
金層の伝熱効率が著しく低下し、水素の吸蔵、放出速度
が低下するという問題がある。
【0006】このような水素吸蔵合金の微粉化及び伝熱
効率の低下を防止するために合金自体を改良することも
考えられるが、合金自体の改良には限度がある。そこ
で、この問題を解決するために、従来から合金の改良以
外の種々の手法が提案されている。例えば、特開昭64
−56835号公報には、ミッシュメタルをFeに対し
て原子比で0.02〜0.1含有するFeTi合金粉末
に、10μm程度の電解銅粉末を20〜40重量%添加
し、196〜490MPaでプレス成形した後、800
〜1050℃で焼結するFe−Ti系水素吸蔵合金成型
体の製造方法が提案されている。
【0007】また、特開平1−264901号公報に
は、100μm程度に粉砕した水素吸蔵合金に10μm
程度の電解銅粉を30重量%添加して成形し、この成形
体を貯蔵容器内に納め、さらに、この成形体と貯蔵容器
の間隙に、Al、Cu、Ni等の熱伝導性の良好な金属
粉末、金属箔、短冊状の金属片等の金属細片を充填した
水素吸蔵合金貯蔵器が提案されている。
【0008】さらに、特開平11−248097号公報
には、空孔率が90〜98%で、長さ2.54cm当た
り6〜30個の空孔を有する金属多孔体の空孔内に水素
吸蔵合金粉末を散布、回転、振動等によって収納して水
素吸蔵エレメントとし、これを水素の供給・放出口を備
えた密閉容器の内部に配し、水素吸蔵エレメントの外面
と密閉容器の内面を密着させるようにした水素吸蔵合金
の容器が提案されている。また、同公報には、金属多孔
体の空孔から水素吸蔵合金が離脱するのを防止するため
に、金属多孔体の空孔内に結着剤を混在させたり、ある
いは、空孔内に水素吸蔵合金粉末が収納された金属多孔
体をプレス等により圧縮して水素吸蔵エレメントとする
点が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64−56835号公報に開示されているように、水素
吸蔵合金粉末に対して電解銅粉末を添加して成形・焼結
する方法の場合、電解銅粉末の混合量が少ない時には、
熱伝導性の改善効果が少なく、微粉化の抑制も困難であ
る。一方、電解銅粉末の混合量を多くした時には、熱伝
導性の改善効果は大きく、微粉化も抑制されるが、貯蔵
容器への水素吸蔵合金の充填割合が減少し、貯蔵容器の
単位体積当たりの水素充填量が低下するという問題があ
る。
【0010】また、特開平1−264901号公報に開
示されているように、水素吸蔵合金の成形体を貯蔵容器
に納め、さらに成形体と貯蔵容器の隙間に金属細片を充
填する方法の場合、工程が煩雑になるという問題があ
る。また、成形体と貯蔵容器の隙間に金属細片を充填す
ることにより貯蔵容器への水素吸蔵合金の充填割合がさ
らに減少し、貯蔵容器の単位体積当たりの水素充填量が
低下するという問題がある。
【0011】さらに、特開平11−248097号公報
に開示されているように、空孔が三次元的に連結してい
る金属多孔体を用いる場合には、水素吸蔵合金粉末を空
孔内に充填するのが煩雑となるうえに、合金粉末の充填
率を大きくできないという問題がある。また、合金粉末
の離脱を防止するために、空孔内に結着剤を混在させる
と、水素吸蔵合金が結着剤に汚染され、吸蔵量が低下す
るという問題がある。
【0012】本発明が解決しようとする課題は、水素透
過性、熱伝導性に優れ、水素吸蔵合金の微粉化に起因す
る圧密化及び微粉末の飛散を防止することができ、しか
も、単位体積当たりの吸蔵量が大きい水素吸蔵合金成形
体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、熱伝導性に優れた多孔質材料からなる収容
体に、水素吸蔵合金粉末又は水素吸蔵合金粉末と熱伝導
性に優れた金属粉末との混合物を充填し、加圧成形する
ことにより水素吸蔵合金成形体とすることを要旨とする
ものである。
【0014】この場合、前記金属粉末は、扁平形状を有
していることが望ましい。また、前記収容体は、その内
部が熱伝導性に優れた多孔質材料からなる隔壁によって
細分化されていてもよい。
【0015】上記構成を有する本発明に係る水素吸蔵合
金成形体は、収容体によって伝熱路と水素ガスの通気路
が確保されているので、熱伝導性及び水素ガスの透過性
に優れている。また、多孔質の収容体がフィルタとして
機能するため、合金粉末の飛散を防止することができ
る。さらに、水素吸蔵合金粉末に扁平形状を有する高熱
伝導性の金属粉末を加えて成形した場合には、合金微粉
末の偏在による圧密化が防止される。また、金属粉末が
ネットワーク組織を形成するので、金属粉末の添加量が
相対的に少ない場合であっても成形体の熱伝導性が著し
く向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明に係る水素吸蔵合金成形体
は、収容体に水素吸蔵合金粉末又は水素吸蔵合金粉末と
金属粉末との混合物を充填し、加圧成形したことを特徴
とする。
【0017】ここで、収容体には、熱伝導性に優れた多
孔質材料が用いられる。また、後述する加圧成形を容易
化するためには、収容体の材質は、塑性変形能に優れた
ものであることが望ましい。収容体の材質としては、具
体的には、Cu、Ni、Al等及びこれらの合金が好適
な一例として挙げられる。
【0018】また、収容体の気孔率は、30〜90%で
あることが望ましい。気孔率が30%未満であると、水
素ガスの透過性が低下するので好ましくない。また、気
孔率が90%を超えると、収容体の強度が低下し、加圧
成形時に破損するおそれがあるので好ましくない。
【0019】収容体の平均気孔径は、合金微粉末の飛散
が抑制されるように、その内部に充填する水素吸蔵合金
の種類、使用環境、収容体の肉厚等に応じて、最適な値
を選択するとよい。例えば、水素吸蔵合金は、その種類
によって微粉化の程度が異なることが知られている。従
って、微粉化しやすい合金系を用いる場合には、収容体
の平均気孔径は、小さい方が望ましい。一方、微粉化し
にくい合金系や、水素吸蔵合金粉末と金属粉末の混合物
を用いる場合、あるいは収容体の外壁の肉厚が厚い場合
には、収容体の平均気孔径は、比較的大きくても良い。
【0020】また、収容体の形状は、その用途に応じた
最適な形状とすれば良く、特に限定されるものではな
い。例えば、収容体10は、図1に示すように、有底缶
状の容器12と、容器12の内部に配置された円筒状の
隔壁14からなるものであっても良い。この場合、容器
12及び隔壁14には、いずれも上述した熱伝導性に優
れた多孔質材料が用いられる。
【0021】このように、隔壁14によって容器12内
部を細分化すると、容器12内に充填された合金層の伝
熱効率が向上するという利点がある。また、隔壁14に
よって容器12内部における合金微粉末の移動が抑制さ
れるので、圧密化に対する抑制効果がさらに向上すると
いう利点がある。
【0022】また、収容体20は、図2に示すように、
有底缶状の容器22と、容器22の内部に配置された円
筒状の隔壁24と、容器22の開口部を封じるための蓋
26からなるものであっても良い。この場合、蓋26
は、容器22と機械的に締結するようになっていてもよ
く、あるいは、溶接、ろう接等により容器22に固着さ
せるようになっていても良い。また、容器22、隔壁2
4及び蓋26は、いずれも上述した熱伝導性に優れた多
孔質材料が用いられる。
【0023】このように、容器22の開口部を蓋26で
封じると、合金層の伝熱効率がさらに向上するという利
点がある。また、容器22の開口部を蓋26で封じる
と、開口部からの合金粉末の飛散も抑制されるという利
点がある。
【0024】なお、収容体が、容器、隔壁、蓋等、複数
の部品で構成されている場合、各部品の材質、肉厚、気
孔率及び/又は平均気孔径は、必ずしも同一である必要
はなく、用途、要求特性等に応じて異なる材質、肉厚等
を用いても良い。例えば、図2に示す収容体20の場
合、合金粉末の飛散は、主に容器22によって防止され
るので、隔壁24及び/又は蓋26の肉厚は、容器22
の肉厚より薄くてもよい。隔壁24及び/又は蓋26の
肉厚を薄くすると、容器22内への水素吸蔵合金の総充
填量が増加し、単位体積当たりの水素吸蔵量が増加する
という利点がある。
【0025】水素吸蔵合金としては、FeTi、TiF
1−yMn(y=0.1〜0.3)、Ti1+x
2−yMn(x=0.1〜0.3、y=0〜1.
0)等のチタン系、MgNi、MgCu、LnMg
12、MgAl等のマグネシウム系、LaNi
MmNi(Mmは、ミッシュメタル)等の希土類系な
ど、多くの合金系が知られているが、本発明は、あらゆ
る合金系に属する水素吸蔵合金に対して適用することが
できる。また、収容体に充填する水素吸蔵合金粉末の平
均粒径は、合金粉末の種類、水素吸蔵合金成形体の用途
等に応じて任意に定めることができる。通常は、100
μm程度の平均粒径を有する粉末が用いられる。
【0026】また、収容体に水素吸蔵合金粉末と金属粉
末の混合物を充填する場合、金属粉末には、熱伝導性に
優れた材料が用いられる。金属粉末としては、具体的に
は、Cu、Al、Ni、Mg等及びこれらの合金が好適
な一例として挙げられる。また、熱伝導性に優れた非金
属系の粉末(炭素、SiC、AlN、BeO等)を混合
物として用いた場合も、同様の効果がある。
【0027】水素吸蔵合金粉末に金属粉末を添加する場
合、その添加量は、5〜30mass%が好適である。
金属粉末の添加量が5mass%未満であると、熱伝導
性の改善効果及び微粉化の防止効果が少ないので好まし
くない。また、金属粉末の添加量が30mass%を超
えると、水素吸蔵合金の充填割合が減少し、水素ガスの
単位体積当たりの吸蔵量が低下するので好ましくない。
【0028】また、金属粉末の形状は、等軸状であって
も良いが、合金層の伝熱効率を向上させるためには、金
属粉末は、薄片状、樹枝状などの扁平形状を有している
ことが望ましい。扁平形状の金属粉末を用いると、その
添加量が相対的に少量であっても、成形体内部にネット
ワーク組織が容易に形成され、成形体の熱伝導率が著し
く向上するという利点がある。
【0029】上述したような収容体に水素吸蔵合金粉末
又は水素吸蔵合金粉末と金属粉末の混合物を充填し、加
圧成形すれば、本発明に係る水素吸蔵合金成形体が得ら
れる。蓋付きの収容体を用いる場合には、容器内に水素
吸蔵合金粉末又はこれと金属粉末の混合物を充填し、蓋
で容器の開口部を封じた後に、加圧成形を行う。成形方
法としては、金型プレス、静水圧プレス等を用いること
ができ、特に限定されるものではない。成形圧は、水素
吸蔵合金粉末間、収容体と水素吸蔵合金粉末、あるいは
水素吸蔵合金粉末と金属粉末が十分密着するように、収
容体、水素吸蔵合金粉末及び金属粉末の材質に応じて、
最適な値を用いるとよい。また、水素吸蔵合金粉末又は
水素吸蔵合金粉末と金属粉末の混合物を加圧成形し、そ
の成形体を収容体に挿入する場合であっても良い。
【0030】このようにして得られた水素吸蔵合金成形
体を、そのままの状態で水素ガスの導入口及び放出口並
びに熱媒管を設けた貯蔵容器内に挿入すれば、水素貯蔵
器を構成することができる。また、水素吸蔵合金成形体
を500〜800℃の温度範囲で加熱し、焼結させた
後、これを貯蔵容器内に挿入して、水素貯蔵器としても
良い。また、このような水素貯蔵器を用いて、蓄熱槽、
ヒートポンプ、ケミカルコンプレッサ、ケミカルエンジ
ン等を構成することもできる。
【0031】次に、本発明に係る水素吸蔵合金成形体の
作用について説明する。本発明に係る水素吸蔵合金成形
体は、多孔質の収容体内に合金粉末を充填しているの
で、水素ガスの通気路と伝熱路が確保され、水素ガス透
過性及び熱伝導性が向上する。そのため、水素化反応速
度が速くなり、水素充填時間や水素放出時間が短縮され
る。また、収容体により成形体の機械的特性が向上する
ので、水素の吸蔵、放出を繰り返した場合であっても、
形状を維持することができる。さらに、多孔質の収容体
は、フィルタ機能を有しているので、合金粉末の飛散も
抑制される。
【0032】また、収容体内に水素吸蔵合金粉末と熱伝
導性に優れた金属粉末の混合物を充填した場合には、成
形体の熱伝導率がさらに向上し、水素吸蔵合金粉末の微
粉化も抑制される。特に、扁平形状の金属粉末を用いた
場合には、図3に示すように、水素吸蔵合金粉末4の周
囲に扁平形状の金属粉末5からなるネットワーク組織が
形成される。そのため、金属粉末の添加量が相対的に少
量であっても、成形体の熱伝導率が著しく向上する。
【0033】さらに、水素吸蔵合金粉末を収容体に充填
して成形することにより、合金粉末内に微細なクラック
が導入され、合金粉末の活性化特性が向上する。また、
成形によって貯蔵容器への水素吸蔵合金の高密度、かつ
均一充填が可能となるので、水素貯蔵器の構造を簡略化
することができ、コストダウンを図ることができる。ま
た、成形によって水素吸蔵時の成形体の膨張が均一化さ
れるので、成形体と貯蔵容器の内壁あるいは熱媒管との
密着性も良好となり、熱伝導特性が著しく向上する。
【0034】
【実施例】(実施例1)電解銅粉(400メッシュ以
下)を黒鉛容器にタップ充填し、水素雰囲気中、600
℃で30分間焼結を行うことにより、有底缶状の多孔体
容器(φ25×φ23×15mm)と、円筒状の多孔体
隔壁(φ15×φ13×15mm)を作製した。多孔体
容器及び多孔体隔壁の密度は、いずれも2.7〜2.8
g/cmであった。次いで、図1に示すように、得ら
れた多孔体容器内に多孔体隔壁を同心円状に配置して、
収容体とした。
【0035】水素吸蔵合金には、40メッシュ以下のT
i(CrMn)合金粉末を用いた。この合金粉末と薄
片状の銅粉末(100〜40メッシュ)を重量比で9:
1の割合で混合した粉末23gを収容体内に充填し、さ
らに直径25mmの金型を用いて490MPaで加圧
し、水素吸蔵合金成形体とした。得られた水素吸蔵合金
成形体は、φ25×11mmの円盤形状であった。
【0036】この水素吸蔵合金成形体をステンレス鋼製
の反応容器に充填し、室温で真空排気処理した後に高純
度水素ガスを導入して、1回目の水素化処理をした。2
回目以降の水素化処理は、反応容器を70℃に加熱保持
しながら1.33Paまで真空脱ガス処理を行い、次に
反応容器を0℃に冷却し、水素ガスを導入して30分か
ら1時間保持して水素を吸蔵させた。この水素化処理
を、所定の水素吸蔵量が得られるまで繰り返し、合金を
活性化させた。
【0037】水素吸蔵量の測定は、内容積の明らかなタ
ンクに水素ガスを充填し、その圧力を測定した後に水素
ガスを反応容器内に導入して平衡状態に達した圧力を測
定し、圧力の変化量から合金重量当たりの水素吸蔵量
(mass%)を求めた。
【0038】水素化処理回数と水素吸蔵量の関係を図4
に示す。なお、図4の縦軸は、最大吸蔵量に対する水素
吸蔵量の比(%)を示す。最大吸蔵量とは、水素化処理
を繰り返して、合金が十分に活性化した時の水素ガス平
衡圧力1MPaにおける水素吸蔵量をいう。
【0039】本発明に係る水素吸蔵合金成形体は、3回
の水素化処理で合金の活性化が終了し、後述する比較例
1及び比較例2に比べて著しく活性化されやすいことが
わかる。これは、水素吸蔵合金を加圧成形したことによ
り、合金粒子内部に微細なクラックが導入され、これが
活性面の増大となり、初期の活性化が向上したと考えら
れる。また、成形体の周囲が多孔質の収容体で包まれて
いるため、大気中でも活性が維持されやすくなっている
ことを示している。
【0040】合金を活性化させた後に、再び70℃で真
空脱ガス処理を行い、次に反応容器を20℃に保持し、
反応容器に一定量の水素ガスを導入してから水素吸蔵量
が安定するまでの経過時間を測定した。その結果を図5
に示す。なお、図5の縦軸は、平衡状態に達した時の到
達最大吸蔵量に対する水素吸蔵量の比(%)を示す。
【0041】本発明に係る水素吸蔵合金成形体は、8分
で水素吸蔵を完了しており、後述する比較例1及び比較
例2に比べて水素充填時間が1/2以下になっているこ
とがわかる。これは、水素吸蔵合金粉末に添加した10
mass%の薄片状の銅粉末と、高熱伝導材料からなる
多孔質の収容体によって、水素吸蔵合金成形体の伝熱効
率が著しく向上し、水素化反応速度が増大したためであ
る。
【0042】(比較例1)200メッシュのステンレス
鋼製金網を加圧成形したフィルタをステンレス鋼製チュ
ーブ(φ25×φ23×15mm)の片端面に抵抗溶接
で接合した容器を作製した。この容器に、実施例1で用
いた水素吸蔵合金粉末22gを充填し、実施例1と同一
の条件下で、合金の活性化処理及び水素吸蔵を完了する
までの時間測定を行った。その結果を、それぞれ、図4
及び図5に示す。比較例1の場合、合金を活性化するた
めには、10回以上の水素化処理回数が必要であった。
また、水素化反応速度は遅く、水素吸蔵を完了するまで
に25分を要した。
【0043】(比較例2)実施例1で用いた水素吸蔵合
金粉末20gを直径25mmの金型に充填し、490M
Paで加圧して成形体とした。得られた成形体は、φ2
5×8mmの円盤形状であった。この成形体をステンレ
ス鋼製チューブ(φ28×φ27×15mm)に収容
し、さらに、チューブと成形体の空間に銅粉末を充填し
て評価用の試料とした。この試料をステンレス鋼製反応
容器内に挿入し、実施例1と同一の条件下で、合金の活
性化処理及び水素吸蔵を完了するまでの時間測定を行っ
た。その結果を、それぞれ、図4及び図5に示す。
【0044】比較例2の場合、図4に示すように、6回
の水素化処理で合金が活性化され、水素化処理回数は、
比較例1の約1/2であった。これは、水素吸蔵合金を
加圧成形したことで、合金粒子内に微細なクラックが導
入され、これが活性面の増大となり、初期の活性化が向
上したと考えられる。しかしながら、図5に示すよう
に、水素吸蔵を完了するまでに要した時間は、18分で
あった。水素化反応速度は、比較例1に比べて速くなっ
ているが、水素充填時間の効果的な短縮に至っていな
い。
【0045】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しないで種々の改変
が可能である。
【0046】例えば、収容体は、有底缶状の多孔質の容
器のみからなっていても良く、あるいは、有底缶状の多
孔質の容器と、容器の開口部を封じるための薄肉多孔体
からなる蓋からなっていてもよい。また、容器の外形
は、円筒状に限られるものではなく、角筒状、ドーナツ
状等であってもよい。
【0047】また、多孔質の容器の内部に配置する隔壁
の形状は、円筒状に限られるものではない。例えば、三
角柱状、四角柱状、ハニカム状等他の形状であっても良
く、これにより上記実施の形態と同様の効果を得ること
ができる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、熱伝導性に優れた多孔質材料
からなる収容体に、水素吸蔵合金粉末又は水素吸蔵合金
粉末と熱伝導性に優れた金属粉末との混合物を充填し、
加圧成形することにより水素吸蔵合金成形体としている
ので、収容体によって伝熱路と水素ガスの通気路が確保
され、熱伝導性と水素ガスの透過性が向上するという効
果がある。また、多孔質の収容体がフィルタとして機能
するため、合金粉末の飛散が抑制されるという効果があ
る。
【0049】また、水素吸蔵合金粉末に対して金属粉末
を添加した場合には、水素吸蔵合金粉末の微粉化と微粉
末の偏在に起因する圧密化が抑制されるという効果があ
る。特に、扁平形状を有する金属粉末を用いた場合に
は、ネットワーク組織が形成されるために、金属粉末の
添加量が相対的に少ない場合であっても、成形体の熱伝
導性が著しく向上するという効果がある。
【0050】さらに、収容体の内部が熱伝導性に優れた
多孔質材料からなる隔壁によって細分化されている場合
には、水素吸蔵合金成形体の熱伝導性がさらに向上し、
水素化反応速度が増大するという効果がある。また、隔
壁によって水素吸蔵合金粉末の偏在による圧密化が抑制
されるという効果がある。
【0051】以上のように、本発明によれば、吸蔵容器
の単位重量当たりの水素吸蔵量が増大し、しかも、圧密
化に起因する水素透過性の低下や吸蔵容器の破損による
水素漏れを防止することができるので、これを例えば、
定置式水素貯蔵器、水素自動車用燃料タンク、熱貯蔵シ
ステム等に応用すれば、システムの小型化及び信頼性の
向上が可能となるものであり、産業上その効果の極めて
大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる収容体の一例を示す断面図
である。
【図2】本発明で用いられる収容体の他の一例を示す断
面図である。
【図3】扁平形状を有する金属粉末により水素吸蔵合金
層内に形成されたネットワーク組織を示す模式図であ
る。
【図4】水素化処理回数と水素吸蔵量の関係を示す図で
ある。
【図5】水素吸蔵量の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
4 水素吸蔵合金 5 金属粉末 10、20 収容体 12、22 容器 14、24 隔壁 26 蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 秀人 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所技術開発研究所内 (72)発明者 藤田 勝義 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所技術開発研究所内 Fターム(参考) 3D038 CA11 CB01 CC19 3E072 AA10 EA10 4G040 AA32 AA36 AA42 AA43 AA44 5H050 AA07 BA14 CB16 DA03 EA02 EA03 EA04 EA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性に優れた多孔質材料からなる収
    容体に、水素吸蔵合金粉末又は水素吸蔵合金粉末と熱伝
    導性に優れた金属粉末との混合物を充填し、加圧成形す
    ることにより得られる水素吸蔵合金成形体。
  2. 【請求項2】 前記金属粉末は、扁平形状を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金成形
    体。
  3. 【請求項3】 前記収容体は、その内部が熱伝導性に優
    れた多孔質材料からなる隔壁によって細分化されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金成形
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012512125A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク 金属水素化物のための断熱タンク

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012512125A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク 金属水素化物のための断熱タンク
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