JP2001180521A - 車体前部構造 - Google Patents

車体前部構造

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JP2001180521A
JP2001180521A JP37210199A JP37210199A JP2001180521A JP 2001180521 A JP2001180521 A JP 2001180521A JP 37210199 A JP37210199 A JP 37210199A JP 37210199 A JP37210199 A JP 37210199A JP 2001180521 A JP2001180521 A JP 2001180521A
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成幸 太田
Masao Kobori
昌雄 小堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダッシュパネルとカウルアッパパネルとの接
合に際して溶接作業の作業能率の向上を図り、かつ接合
面に作用する荷重に対する剛性の向上を図る車体前部構
造を提供する。 【解決手段】 ダッシュパネルの上端フランジ部をカウ
ルアッパパネルの下面に接合し、上記ダッシュパネルの
両側前部にフロントサスペンションのストラットタワー
を配設した車体前部構造において、上記ストラットタワ
ー部8の後端部が接合されるダッシュパネル6の両側部
の上端フランジ部6cを前方に向けて前上がりの傾斜面
10に形成すると共に、上記カウルアッパパネル2の底
面2a前端部に上記ダッシュパネル6の傾斜面10に対
応する傾斜面11を形成し、これら傾斜面11を互いに
接合した構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダッシュパネルと
カウルアッパパネルとの接合に際して溶接作業の作業能
率の向上を図り、かつ接合面に作用する荷重に対する剛
性の向上を図り得る車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ダッシュパネルとカウルアッパパネルが
上下に分かれている車体前部構造では、一般的に、図8
に示すように、ダッシュパネル100の上端部に車幅方
向に形成されたフランジ部101をカウルアッパパネル
102の底面102aにスポット溶接により接合してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8の
ように、ストラットタワー部103が近接して設けられ
ている箇所では、スポットガン104a,104bの作
業スペースが確保できないため、その部分だけ特殊なス
ポットガンを使用しなければならなかった。また、スト
ラット105の組付に際してサスペンションアッパブラ
ケット106に取付ボルト107を固定するナット10
7a締め付け用のインパクト工具108の使い勝手が悪
かった。
【0004】本発明は上記課題を解決し、ダッシュパネ
ルとカウルアッパパネルとの接合に際して溶接作業の作
業能率の向上を図り、かつ接合面に作用する荷重に対す
る剛性の向上を図り車体前部構造を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、ダッシュパネルの上端フランジ部をカウルア
ッパパネルの下面に接合し、上記ダッシュパネルの両側
前部にフロントサスペンションのストラットタワー部を
配設した車体前部構造において、上記ストラットタワー
部の後端部が接合されるダッシュパネルの両側部の上端
フランジ部を前方に向けて前上がりの傾斜面に形成する
と共に、上記カウルアッパパネルの底面前端部に上記ダ
ッシュパネルの傾斜面に対応する傾斜面を形成し、これ
ら傾斜面を互いに接合したことにある。また、本発明
は、ストラットタワー部の上面を形成するサスペンショ
ンアッパブラケットの後端部をダッシュパネルの前面に
接合し、サスペンションアッパブラケットの接合部の上
方側に位置するダッシュパネルの上部壁面を車体後方に
傾斜させたことにある。さらに、本発明は、上記ダッシ
ュパネルの両側部の上端フランジ部に形成された傾斜面
と、ダッシュパネルの壁面に形成された傾斜面との角部
の後方に上記カウルアッパパネルの底面を配設したこと
にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しながら詳細に説明する。図1は、カウル部を車体
前方側から見た車体前部構造で、カウル部1は逆ハット
型断面のカウルアッパパネル2と、エンジンルーム4と
車室内5とを仕切る上面開口を塞ぐカウルトップパネル
3で構成されている。カウル部1の下部側には、エンジ
ンルーム4と車室内5とを仕切るダッシュパネル6が配
設されている。ダッシュパネル6の両側部には、図示し
ないダッシュサイドパネルが設けられており、その前方
側には、フェンダーエプロンパネル7が、ダッシュパネ
ル6の両側前方に配設されている。フェンダーエプロン
パネル7には、フロントサスペンションが内装されるス
トラットタワー部8が形成されており、このストラット
タワー部8の上面にはサスペンションアッパブラケット
9が配設されている。
【0007】ダッシュパネル6は、図2および、図3
(a),(b),(c)に示すように、エンジンルーム
4と車室内5とを仕切る壁面6aの上端に車体前方側に
折り曲げたフランジ部6bが設けられており、このフラ
ンジ部6bを介してカウルアッパパネル2の底面2aに
スポット溶接されている。このフランジ部6bのうちス
トラットタワー部8の後端部、サスペンションアッパブ
ラケット9の後端部が接合されるダッシュパネル6の両
側部上方のフランジ部6cは、前方に向けて前上がりの
傾斜面10に形成されている。一方、この傾斜面10に
対応する上記カウルアッパパネル2の底面2a前端部に
は、上記ダッシュパネル6の傾斜面10に対応する傾斜
面11が形成されている。
【0008】ダッシュパネル6の両側部は、傾斜面10
を介して上記カウルアッパパネル2の傾斜面11にスポ
ット溶接されている。この傾斜面10が形成されたダッ
シュパネル6の壁面6a上端部には、図4に示すよう
に、カウルアッパパネル2の底面2aに対して、傾斜面
10と逆方向に略同一の角度α≒βで底面2aと交差す
る方向の傾斜面12が形成されている。このダッシュパ
ネル6の両側部の傾斜面10と傾斜面12がなす角部1
3の後方に上記カウルアッパパネル2の底面2aが配設
されるように構成されている。
【0009】上記構成によると、ダッシュパネル6の両
側部の接合に際して、図5に示すように、ダッシュパネ
ル6の両側部の傾斜面10とカウルアッパパネル2の傾
斜面11を合わせてスポットガン14a,14bによっ
てスポット溶接する。ダッシュパネル6の両側部は、傾
斜面10が形成されているので、スポットガン14a,
14bを容易に配置することができることから、溶接作
業に特殊なスポットガンを用いる必要がない。
【0010】また、ダッシュパネル6とカウルアッパパ
ネル2の接合面をそれぞれ傾斜面10、11に形成して
いるので、前方から衝撃荷重が加わった場合、図4に示
すように、入力Fを剪断力Faと面圧縮方向の力Fbに
分散して受けることができる。そして、ダッシュパネル
6の両側部の傾斜面10の下部側には、車体後方に向け
て傾斜面12を形成して、カウルアッパパネル2がサス
ペンションアッパブラケット9の上方に張り出さないよ
うにしている。よって、図6に示すように、サスペンシ
ョンストラット15の取付に際してサスペンションアッ
パブラケット9にボルト16固定用のナット16aを締
め付けるためのインパクト工具17の使い勝手が良い。
このダッシュパネル6の両側部の傾斜面10と傾斜面1
2がなす角部13の後方に上記カウルアッパパネル2の
底面2aが配設されているので、角部13に作用する車
体後方への荷重は、カウルアッパパネル2の底面2aで
受けることもできる。
【0011】さらに、傾斜面10が形成されたダッシュ
パネル6の壁面6a上端部には、カウルアッパパネル2
の底面2aに対して、傾斜面10と逆方向に略同一の角
度α≒βで底面2aと交差する方向の傾斜面12が形成
されている(図4参照)。これによって、サスペンショ
ンアッパブラケット9の上下方向の入力荷重F′は、図
7に示すように、剪断力Fa′と面圧縮方向の力Fb′
に分散して受けることができる。
【0012】本発明は、上記実施の形態のみに限定され
るものではなく、例えば、ダッシュパネル6の両側部に
形成する傾斜面10と傾斜面12は、任意の角度で、そ
の長さも適宜選定することができる。また、傾斜面12
の長さを調整することにより、カウルアッパパネル2の
張り出し位置を任意に調整することができる。など、そ
の他、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して
実施し得ることは言うまでもない。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による車体前
部構造によれば次のような効果を奏することができる。
請求項1において、ダッシュパネルの上端フランジ部を
カウルアッパパネルの下面に接合し、上記ダッシュパネ
ルの両側前部にフロントサスペンションのストラットタ
ワー部を配設した車体前部構造において、上記ストラッ
トタワー部の後端部が接合されるダッシュパネルの両側
部の上端フランジ部を前方に向けて前上がりの傾斜面に
形成すると共に、上記カウルアッパパネルの底面前端部
に上記ダッシュパネルの傾斜面に対応する傾斜面を形成
し、これら傾斜面を互いに接合したので、スポットガン
の作業スペースを拡大することができる。また、前方か
らの衝撃荷重に対して、入力を接合面の剪断方向だけで
なく、面圧縮方向に分散して受けることができる。さら
に、上下方向の入力荷重に対しては、接合面の剪断方向
でも受けることができるので、カウルアッパパネルおよ
びダッシュパネルの変形を防止することができる。請求
項2において、上記ストラットタワー部の上面を形成す
るサスペンションアッパブラケットの後端部をダッシュ
パネルの前面に接合し、サスペンションアッパブラケッ
トの接合部の上方側に位置するダッシュパネルの上部壁
面を車体後方に傾斜させたので、ストラット組付作業を
容易に行うことができる。請求項3において、上記ダッ
シュパネルの両側部の上端フランジ部に形成された傾斜
面と、ダッシュパネルの壁面に形成された傾斜面との角
部の後方に上記カウルアッパパネルの底面を配設したの
で、傾斜面の角部に加わる荷重は、カウルアッパパネル
の底面にも分散して受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体前部構造の実施の形態を示す
斜視図である。
【図2】図1のダッシュパネルを示す斜視図である。
【図3】図2のダッシュパネルの断面図を示したもの
で、(a)は図2のB−B線断面図、(b)は図2のC
−C線断面図、(c)は図2のD−D線断面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】スポットガンの使用方法を示す断面図である。
【図6】工具によってナットを締め付ける方法を示す断
面図である。
【図7】サスペンションアッパブラケットの上下方向の
入力荷重による剪断力と面圧縮方向の力を示す断面図で
ある。
【図8】従来の車体前部構造を示す概念断面図である。
【符号の説明】
1 カウル部 2 カウルアッパパネル 3 カウルトップパネル 4 エンジンルーム 5 車室内 6 ダッシュパネル 7 フェンダーエプロンパネル 8 ストラットタワー部 9 サスペンションアッパブラケット 10 傾斜面 11 傾斜面 12 傾斜面 13 角部 14a,14b スポットガン 17 インパクト工具 2a 底面 6a 壁面 6c 上端フランジ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダッシュパネルの上端フランジ部をカウ
    ルアッパパネルの下面に接合し、上記ダッシュパネルの
    両側前部にフロントサスペンションのストラットタワー
    部を配設した車体前部構造において、上記ストラットタ
    ワー部の後端部が接合されるダッシュパネルの両側部の
    上端フランジ部を前方に向けて前上がりの傾斜面に形成
    すると共に、上記カウルアッパパネルの底面前端部に上
    記ダッシュパネルの傾斜面に対応する傾斜面を形成し、
    これら傾斜面を互いに接合したことを特徴とする車体前
    部構造。
  2. 【請求項2】 上記ストラットタワー部の上面を形成す
    るサスペンションアッパブラケットの後端部をダッシュ
    パネルの前面に接合し、サスペンションアッパブラケッ
    トの接合部の上方側に位置するダッシュパネルの上部壁
    面を車体後方に傾斜させたことを特徴とする請求項1に
    記載の車体前部構造。
  3. 【請求項3】 上記ダッシュパネルの両側部の上端フラ
    ンジ部に形成された傾斜面と、ダッシュパネルの壁面に
    形成された傾斜面との角部の後方に上記カウルアッパパ
    ネルの底面を配設したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の車体前部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100448829B1 (ko) * 2002-08-13 2004-09-16 현대자동차주식회사 차량의 프론트 휠 하우스
CN111267963A (zh) * 2020-03-27 2020-06-12 奇瑞商用车(安徽)有限公司 一种适用于新能源车型的前挡板结构

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