JP2001179883A - ポリエステル系フィルムラミネート金属板および金属容器 - Google Patents
ポリエステル系フィルムラミネート金属板および金属容器Info
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Abstract
後も良好な耐衝撃性を有する金属容器、並びにそれに用
いられるラミネート金属板を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート共重合体を
含んでなる非晶質無配向のポリエステル系フィルムであ
って、該共重合体がナフタレンジカルボン酸由来の基を
有し、かつ該フィルムを形成する成分が下記〜の条
件を満足し、さらに該フィルムの融点が200〜250
℃であることを特徴とする金属板ラミネート用ポリエス
テル系フィルムが金属板の少なくとも片面に積層されて
なるラミネート金属板、及び該ラミネート金属板を用い
てなる金属容器。 ジカルボン酸成分の3〜12モル%がナフタレンジカ
ルボン酸である。 ジカルボン酸成分の75〜97モル%がテレフタル酸
である。 ジオール成分の75モル%以上がエチレングリコール
である。
Description
れるラミネート用フィルムがラミネートされた金属板、
ならびに当該ラミネート金属板を缶状に成形してなる金
属容器に関する。詳しくは、落下、特に硬化性樹脂層を
焼き付け塗装した後に落下させても、ラミネートされた
フィルムに亀裂が入りにくい金属容器、ならびにこれに
用いるラミネート金属板に関する。
属缶は、その少なくとも内面に、防食の目的で熱硬化性
樹脂塗料が塗布されている。この塗装は、製缶後にスプ
レー塗装法等で一缶毎に行われるために能率が悪く、ま
た塗料を高温で焼き付けるために多大なエネルギーが必
要である。さらに、有機溶剤の飛散による環境悪化の問
題もある。
を成形する以前に金属板に予め塗料をコーティングして
おく技術(プレコート技術)やフィルムをラミネートし
ておく技術(プレラミネート技術)が開発されつつあ
る。しかし、これらコートやラミネートされた有機樹脂
層は、製缶工程において過酷な変形や熱履歴を受けるた
め、製缶後に欠陥が生じやすい。そのため、十分な耐食
性を発揮させるのが困難である。
保香性の点からポリエチレンテレフタレートを中心とし
たポリエステル系のフィルムが用いられている。ここで
使用されるポリエステル系フィルムは、予め延伸配向さ
れていると、製缶時の変形に追従できず、フィルムに亀
裂が入って耐食性が悪化し、それと共に缶の外観も悪い
ものとなる。これに対して、非晶質無配向であると、該
フィルムは製缶時の変形に追従しやすいため製缶後も亀
裂ができず、良好な耐食性が得られるが、耐衝撃性が悪
く、缶を落下させると亀裂が入りやすく、耐食性を維持
できない。特に、熱履歴による脆化が著しく、印刷し、
さらに熱硬化性塗料を焼き付けた後や、高温殺菌処理
(レトルト処理等)した後の缶は、ラミネートフィルム
が脆化している。そのため、衝撃が加わると、容易にフ
ィルムに亀裂が生じる。
度や結晶化度を低めにコントロールする方法が検討され
ている。しかし低面配向フィルムは、大きな変形を伴う
製缶加工を行うと、フィルムに亀裂が発生してしまう。
この他に、フィルムを多層化し衝撃を吸収する方法やポ
リエステル樹脂を改質する方法等も開発されてきたが、
未だ上記問題を解決するには至っていない。
焼き付け塗装等の処理後も良好な耐衝撃性を有する金属
容器、ならびにそれに用いるラミネート金属板を提供す
ることにある。
を達成するために鋭意研究を行った結果、ナフタレンジ
カルボン酸由来の部位を特定量有するポリエチレンテレ
フタレート共重合体を含んでなり、かつ非晶質無配向で
あるポリエステル系フィルムをラミネートした金属板を
用いてなる金属容器が、落下させてもフィルムに亀裂が
入らず、金属露出部が少ないことを見出し、本発明を完
成するに至った。
る非晶質無配向のポリエステル系フィルムであって、該
共重合体がナフタレンジカルボン酸由来の基を有し、か
つ該フィルムを形成する成分が下記〜の条件を満足
し、さらに該フィルムの融点が200〜250℃である
ことを特徴とする金属板ラミネート用ポリエステル系フ
ィルムが金属板の少なくとも片面に積層されてなるラミ
ネート金属板。 ジカルボン酸成分の3〜12モル%がナフタレンジカ
ルボン酸である。 ジカルボン酸成分の75〜97モル%がテレフタル酸
である。 ジオール成分の75モル%以上がエチレングリコール
である。 (2)ポリエステル系フィルムが、2軸延伸された後、
金属板の少なくとも片面に積層され、さらに溶融後、急
冷固化されてなる(1)記載のラミネート金属板。 (3)金属板がアルミニウム板である(1)記載のラミ
ネート金属板。 (4)(1)〜(3)のいずれかに記載のラミネート金
属板を用いて成形されてなる金属容器。 (5)さらに少なくとも1層の熱硬化性樹脂層が塗装さ
れてなる(4)記載の金属容器。 (6)(1)〜(3)のいずれかに記載のラミネート金
属板を用いて絞りしごき加工されてなる金属容器。
は、ナフタレンジカルボン酸由来の基を有するポリエチ
レンテレフタレート共重合体を含んでなる。該共重合体
が有するナフタレンジカルボン酸由来の基は、本発明の
ポリエステル系フィルムを形成するジカルボン酸成分の
3〜12モル%がナフタレンジカルボン酸となる範囲で
含まれ、さらにジカルボン酸成分の75〜97モル%が
テレフタル酸、ジオール成分の75モル%以上がエチレ
ングリコールである。また、本発明のポリエステル系フ
ィルムは、非晶質無配向であり、その融点が200〜2
50℃である。
は、これを形成するジオール成分がエチレングリコール
であり、ジカルボン酸成分がナフタレンジカルボン酸お
よびテレフタル酸である。ナフタレンジカルボン酸とし
ては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフ
タレンジカルボン酸等が挙げられ、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸が経済的に入手しやすい点から好ましい。
おける上記各成分は、後述するポリエステル系フィルム
の特性を損なわない範囲で配合すればよい。
は、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびエチ
レングリコールを用い、自体既知の方法により製造され
る。例えば、エステル交換法や直接重合法で、溶融下に
縮重合することにより得ることができる。ナフタレンジ
カルボン酸由来の基を、該ポリエチレンテレフタレート
共重合体中に含有させる段階は、重合初期、重合途中、
重合後の押出し機中等のどの段階でもよい。
は、その他のジカルボン酸、その他のジオール、オキシ
カルボン酸、トリカルボン酸由来の基を、後述するポリ
エステル系フィルムの特性を損なわない範囲でさらに含
有させてもよい。
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、
ダイマー酸、インダンジカルボン酸、イソフタル酸、ジ
フェニルジカルボン酸、スルホイソフタル酸金属塩等が
挙げられる。
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、ポ
リエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
等が挙げられる。
息香酸等が挙げられる。
酸、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレート共重合体からなるフィルム
であるか、或いはこれを含む2種類以上のポリエステル
をブレンドしたものでもよい。但し、ナフタレンジカル
ボン酸、テレフタル酸およびエチレングリコールの含有
量、融点が後記範囲内となることが必要である。
ィルムを形成するジカルボン酸成分の3〜12モル%が
ナフタレンジカルボン酸である。全ジカルボン酸成分に
対してナフタレンジカルボン酸が12モル%を越える
と、経済的でない。また、2軸延伸フィルムの製膜性が
悪い等の弊害が生じる。さらに、ガラス転移温度が上が
るため、製缶加工温度が低いと、製缶加工時のフィルム
の追従性が劣る可能性がある。一方、3モル%未満であ
ると、製缶後の耐衝撃性が十分でない。
中、ナフタレンジカルボン酸は、好ましくは5〜10モ
ル%である。
フィルムを形成するジカルボン酸成分の75〜97モル
%がテレフタル酸であり、かつジオール成分の75モル
%以上がエチレングリコールである。これらが75モル
%未満であると、ポリエステル系フィルムの融点が下が
り、焼き付け塗装等の熱処理に対する耐熱性が不足する
傾向がある。また、2軸延伸フィルムを得る場合の製膜
性も悪くなる傾向がある。
中、テレフタル酸は、好ましくは85〜95モル%であ
る。該フィルムを形成するジオール成分中、エチレング
リコールは、好ましくは90モル%以上である。
は、その融点が200〜250℃の範囲である。フィル
ムを金属板に融着したり、フィルムを溶融する際の作業
性や省エネルギーの点から、融点は250℃以下である
ことが好ましい。一方、焼き付け塗装等の熱処理に対す
る耐熱性や2軸延伸フィルムを製造する際の製膜性の点
から、その融点は200℃以上である必要がある。好ま
しくは210〜235℃である。
(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度20
℃/分で測定した。
は、主にテレフタル酸由来の基とエチレングリコール由
来の基の含有量によって調整される。
るポリエステルは、その還元粘度が0.40〜1.0d
l/g、特に0.5〜0.8dl/gが好ましい。還元
粘度が0.4dl/g未満であると、金属容器の耐衝撃
性が不足しやすくなる傾向がある。還元粘度が1.0d
l/gを越えると、原料の重合、フィルムの製膜、ラミ
ネート金属板の製造等のコストが上がる傾向にある。
/テトラクロロエタンの重量比6/4の混合溶媒を用
い、溶液濃度0.4g/dl、温度30℃で測定した値
である。
るポリエステルの還元粘度は、原料に用いる各ポリエス
テルの重合度や原料の水分率、押出しの温度と時間、ま
た金属板上で再溶融する時の温度と時間等で調整され
る。
られるポリエステル系フィルムは非晶質無配向である。
本発明において、非晶質とは、フィルムの密度が1.3
5g/cm3 以下である結晶化度の低いフィルムを意味
する。無配向とは、屈折率から求めた面配向係数が0.
01以下であるフィルムを意味する。
タンの密度勾配管を用いて行った。
い、フィルムの流れ方向、幅方向および厚み方向の屈折
率(Nx、NyおよびNz)を測定し、下式より求め
た。封入液はジヨードメタン、光源はナトリウムランプ
である。 面配向係数=(Nx+Ny)/2−Nz
無配向は、溶融状態のフィルムを固化する際の冷却速度
を10℃/秒以上、好ましくは50℃/秒以上にするこ
とによって調整される。
でも複層でもよい。該フィルムの厚さは、通常8〜50
μm、好ましくは10〜20μmである。
によっては接着性や濡れ性を良くするためにコロナ処
理、コーティング処理、火炎処理等が施されていてもよ
い。
に応じ、例えば白色顔料、滑剤、ブロッキング防止剤、
熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性
改良剤等の公知の添加剤が配合されていてもよい。
ステル系フィルムが金属板の少なくとも片面に積層され
てなる。
ば鉄、鋼、ブリキ、ティンフリースチール、黄銅、銅、
アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。本発
明に用いられる金属板は、表面処理が施されていてもよ
い。表面処理としては、電気化学的処理、無機化学的処
理、有機化学的処理等があり、例えばクロメート処理、
リン酸クロメート処理、ジンククロメート処理、アルマ
イト処理等が挙げられる。
内面側または缶外面側または内外両面いずれであっても
かまわない。特に耐食性が強く要求される缶内面側にフ
ィルムを積層することが好ましい。
ちポリエステル系フィルムの金属板への積層方法は、例
えば(1)2軸延伸したフィルムを金属板に融着または
接着した後、溶融し急冷固化する方法、(2)未延伸フ
ィルムを融着または接着する方法、(3)押出しラミネ
ート方式で直接金属板に融着する方法が挙げられる。特
に(1)の方法が、厚み斑の少ない薄いフィルムを金属
板に積層できることから好ましい。ここで、厚み斑の少
ないラミネート金属板は、特に後述する絞りしごき加工
に好適である。
着する方法としては、該フィルムの軟化点以上に暖めら
れた金属板にフィルムを圧着する方法等が挙げられる。
金属板に積層された該フィルムは2軸配向性を残してい
るので、さらに該フィルムを完全に溶融させて配向を無
くした後、急冷固化すると非晶質無配向のポリエステル
層が得られる。
法としては、熱風加熱、ロール加熱、通電加熱、誘電加
熱、高周波加熱等が挙げられる。例えば、熱風加熱の場
合、通常フィルムの融点〜融点+40℃で15〜120
秒間、好ましくは融点+5〜融点+20℃で30〜60
秒間加熱される。
漬、冷風吹き付け等の方法が挙げられる。ここで、急冷
とは溶融フィルムが固化する際に結晶が生成するのを防
止するのに十分な冷却速度を持つ冷却操作であり、通常
10℃/秒以上、好ましくは50℃/秒以上である。
で製膜、延伸することにより製造される。例えば、
(1)Tダイより溶融押し出しした未延伸のシートをロ
ール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機
で横方向に延伸する方法(逐次2軸延伸法)、(2)未
延伸シートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延
伸する方法(同時2軸延伸法)、(3)チューブ状に溶
融押し出ししたシートを気体の圧力で膨張させ延伸する
方法(インフレーション法)等が挙げられる。
板を用いて成形されてなり、例えば蓋、胴および底が別
々のスリーピース缶、底と一体となった缶胴および蓋か
らなるツーピース缶等に成形される。ツーピース缶とし
ては、例えば絞り法により作られる浅絞り缶、絞り再絞
り法により作られる再絞り缶、絞り引っ張り曲げ伸ばし
法により作られる薄肉化絞り缶、絞りしごき法(DI
法)により作られる絞りしごき缶(DI缶)が挙げられ
る。例えば、絞りしごき法(DI法)、すなわち金属板
をブランクに打ち抜き、絞りダイとパンチ間で絞り加工
を行ってカップを形成し、該カップの缶胴壁をカップ内
に挿入されたパンチとカップ外周に設けられたしごきリ
ングの間の、板厚より小さい間隙をしごき通過させしご
き加工することにより、缶胴壁を徐々に薄肉化させると
同時に高い缶体に成形する方法等により成形される。
なる金属容器として好適なものは、加工時に大きな変形
を受けるため、配向したフィルムを積層した場合にフィ
ルムがその変形に追従できない等の問題が生じ易いアル
ミニウムの絞りしごき缶(DI缶)である。
げるために、少なくとも1層の熱硬化性樹脂層が常法に
より塗装されていてもよい。該熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げ
られる。例えば、熱硬化性のトップクリア塗料等が焼き
付け塗装されていてもよい。
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお、以下の実施例、比較例における物
性の評価方法は以下の通りである。
の融点を、理学電機社製外熱型の示差走査型熱量計(D
SC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度20℃/
分で測定した。ここで、融解の吸熱ピーク温度を融点と
した。
を、四塩化炭素とヘプタンの密度勾配管を用いて測定し
た。
属板から剥がしたポリエステル系フィルムの流れ方向、
幅方向および厚み方向の屈折率(それぞれ、Nx、Ny
およびNz)を測定し、下式から面配向係数を求めた。
封入液はジヨードメタンを、光源はナトリウムランプを
使用した。面配向係数=(Nx+Ny)/2−Nz
溶媒に、ラミネート金属板から剥がしたポリエステル系
フィルムを溶液濃度0.4g/dlとなるように溶解
し、ウベローデ型粘度管を用いて温度30℃で、還元粘
度を測定した。
し、エナメルレーターでERV(エナメルレイティング
値)を測定した。電圧は直流6ボルト、缶底外側に金属
露出部を作りそこを陽極に接続し、通電時間30秒で、
30秒後の電流値を測定した。
前) 作製したDI缶に水350mlを満たし、缶底を下向き
にして1mの高さより落下させた後、水を除去して
(5)と同様にして食塩水を満たしてERVを測定し
た。
後) 作製したDI缶を、焼き付け処理条件に対応する200
℃、15分間熱処理を行った後、(6)と同様に落下衝
撃を加えた後のERVを測定した。
分を、エステル交換法または直接重合法で、溶融下に重
縮合した。ここで、製造例6としては、シクロヘキサン
ジメタノールが35モル%共重合したポリエチレンテレ
フタレートであるコダール(イーストマンケミカルズ社
製)を用いた。
リエステルのチップと、還元粘度0.65dl/gのポ
リエチレンテレフタレートのチップとを表2の量になる
ように配合して、真空乾燥し、水分率0.01重量%以
下にした。ここで、実施例2、比較例1においては、製
造例7のポリエステルのチップを用いた。全てのポリエ
ステルには、フィルムのブロッキング防止と滑り性付与
のために、平均粒径が1.8μmのシリカゲル微粉末を
フィルム中に0.6重量%含有するように添加し、分散
させた。これを、Tダイより押出機で270℃で溶融押
出しして、30℃の冷却ロールに引き取り、未延伸シー
トを得た。該シートを、直ちにロール式延伸機で縦方向
に90℃で3.2倍延伸し、更にテンター式延伸機で横
方向に100℃で4倍延伸した。さらに該フィルムを、
10%緩和させつつ(融点−30)℃で熱固定し、厚さ
12μmの延伸フィルムを得た。
m、幅20cmのリン酸クロメート処理されたアルミニ
ウム板の両面に、上記2軸延伸フィルムをロールラミネ
ーターで融着させた。ここで、アルミニウム板は室温で
供給し、ゴムロール温度は180〜250℃、通過速度
は25〜100cm/分、ゲージ圧力は6kg/cm2
である。2軸延伸フィルムを融着させたアルミニウム板
を、熱風オーブン中で200〜270℃、30〜90秒
加熱し、フィルムを完全に溶融させた。これをオーブン
より取り出し、5秒以内に15〜25℃の水に漬け、フ
ィルムを固化させてラミネート金属板を得た。但し、比
較例1については、溶融、急冷の非晶質無配向化処理を
行わず、アルミニウム板に2軸延伸フィルムを融着させ
たものをラミネート金属板とした。
直径150mmの円に切り出し、絞りしごき加工して、
直径66mm、高さ125mm、壁面の厚み0.12m
mのDI缶を作製した。
ル系フィルムの特性と、これを用いてなるDI缶の特性
を表2および表3に示す。
ィルムに欠陥が少なく、ERV値が低い。また、落下衝
撃を加えてもERV値が低く、フィルムに亀裂や欠陥が
できにくいものであった。さらに、焼き付け塗装に相当
する熱履歴を受けた後に、落下衝撃を加えても、ERV
値は低く、フィルムに亀裂や欠陥ができにくい。ERV
値測定において、電流がたくさん流れるほど絶縁体であ
るフィルムに欠陥が存在し、金属が露出しているため腐
食が起こりやすく、製缶直後のERV値、熱処理前の缶
の落下衝撃後のERV値、熱処理後の缶の落下衝撃後の
ERV値は20mA以下が望ましい。一方、ナフタレン
ジカルボン酸以外の共重合成分を用いた比較例3〜8で
は、熱処理後の缶に落下衝撃を加えた場合のERV値が
高く、焼き付け塗装等の処理後の缶の耐衝撃性が劣ると
考えられる。また、ナフタレンジカルボン酸の含有量が
少ない比較例2の場合も、熱処理後の缶に落下衝撃を加
えた場合のERV値が高く、焼き付け塗装等の処理後の
缶の耐衝撃性が劣ると考えられる。比較例1では、アル
ミニウム板に2軸延伸フィルムを融着させた後、溶融、
急冷の非晶質無配向化処理を行わず、絞りしごき加工を
行いDI缶を得た。得られた缶は、フィルムの剥離が多
く、製缶直後のERV値も高いものであった。比較例9
の場合は、熱処理後、フィルム表面にアバタ状のムラが
発生しており、商品価値のないものであった。
つ耐衝撃性、耐食性に優れた金属容器、ならびにそれに
用いるラミネート金属板を提供することができる。特
に、焼き付け塗装やレトルト処理等の熱処理による脆化
が起こりにくく、フィルムの亀裂等の発生が抑制でき
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート共重合体を
含んでなる非晶質無配向のポリエステル系フィルムであ
って、該共重合体がナフタレンジカルボン酸由来の基を
有し、かつ該フィルムを形成する成分が下記〜の条
件を満足し、さらに該フィルムの融点が200〜250
℃であることを特徴とする金属板ラミネート用ポリエス
テル系フィルムが金属板の少なくとも片面に積層されて
なるラミネート金属板。 ジカルボン酸成分の3〜12モル%がナフタレンジカ
ルボン酸である。 ジカルボン酸成分の75〜97モル%がテレフタル酸
である。 ジオール成分の75モル%以上がエチレングリコール
である。 - 【請求項2】 ポリエステル系フィルムが、2軸延伸さ
れた後、金属板の少なくとも片面に積層され、さらに溶
融後、急冷固化されてなる請求項1記載のラミネート金
属板。 - 【請求項3】 金属板がアルミニウム板である請求項1
記載のラミネート金属板。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のラミネ
ート金属板を用いて成形されてなる金属容器。 - 【請求項5】 さらに少なくとも1層の熱硬化性樹脂層
が塗装されてなる請求項4記載の金属容器。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のラミネ
ート金属板を用いて絞りしごき加工されてなる金属容
器。
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JP2010058521A (ja) * | 2007-03-16 | 2010-03-18 | Sony Corp | 光学シートの製造方法及び光学シート |
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-
2000
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