JP2001179671A - ワーク搬送装置の吸着パッド - Google Patents

ワーク搬送装置の吸着パッド

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JP2001179671A
JP2001179671A JP36533799A JP36533799A JP2001179671A JP 2001179671 A JP2001179671 A JP 2001179671A JP 36533799 A JP36533799 A JP 36533799A JP 36533799 A JP36533799 A JP 36533799A JP 2001179671 A JP2001179671 A JP 2001179671A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理能力の低下を招くことなく、敷粉の飛散
を防止してワークの反りや付着を防止できるワーク搬送
装置の吸着パッドを提供する。 【解決手段】 吸着面7aを有するスポンジゴム(パッ
ド部材)7に真空源が接続された吸着筒(吸着通路)8
を吸着口8aが上記吸着面7aに開口するように設けて
なり、ワークWを上記吸着面7aにて吸引保持した状態
でワーク処理位置Aに搬送し、該ワーク処理位置Aにて
上記吸着筒8に真空破壊エアを吹き込むことにより上記
ワークWの吸引保持を解除するようにしたワーク搬送装
置の吸着パッドにおいて、上記スポンジゴム7の吸着口
8aの外周部に上記真空破壊エアを吹きつけ方向と逆方
向に流出させる真空破壊エア逃げ通路9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークをパッド部
材により吸引保持した状態で搬送するようにしたワーク
搬送装置の吸着パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、セラミック電子部品の製造する
場合、板状のセラミック素子(以下、ワークと称する)
を匣に重ねた状態で焼成炉内にて熱処理する場合があ
る。この場合、熱処理する際にワークが互いに反り返っ
たり,付着したりするのを防止するためにワークの重ね
合わせ面に敷粉を振るようにしている。
【0003】また、上記ワークを焼成炉に搬送するため
の保持手段として、従来、図8〜図10に示す真空式吸
着パッドが採用されている。この吸着パッド50は、チ
ャンバ51にスポンジゴムベース52を介在させてスポ
ンジゴム53を固着し、上記チャンバ51に真空源が接
続される吸引口55を接続するとともに、スポンジゴム
ベース52及びスポンジゴム53に吸引口55に連通す
る吸着孔56,56を形成した概略構造のものである。
【0004】上記吸着パッド50は、密着させて整列し
たセラミック素子からなる複数のワークWをスポンジゴ
ム53の吸着面53aにて吸引保持した状態で所定のワ
ーク処理位置Aに搬送し、該ワーク処理位置Aにて上記
チャンバ51内に真空破壊エアを吹き込み、これにより
ワークWをスポンジゴム53から遊離する。この場合、
ワークW同士が重なり合うのを防止する観点から、上記
吸着面53aは平坦に形成されている。また真空破壊エ
アとはワークWの吸着保持を強制的に解除するための正
圧のことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の吸着パッドでは、図10に示すように、真空破壊エ
ア(→印参照)の一部がワークW間の隙間から下面に流
れ、プレース面に振りかけた敷粉60を吹き飛ばしてし
まう場合があり、この状態で熱処理を行うとワークWの
反りや付着が発生し、品質及び製品歩留まりが低下する
という問題がある。
【0006】ここで、敷粉の飛散を防止するには、真空
破壊エアの吹きつけ量を減らしたり吹きつけ圧力を弱め
たりすることが考えられるが、このようにした場合には
処理能力が著しく低下するという懸念がある。
【0007】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、処理能力の低下を招くことなく、敷粉の飛散を
防止してワークの反りや付着を防止できるワーク搬送装
置の吸着パッドを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸着面を有す
るパッド部材に真空源が接続される吸着通路を吸着口が
上記吸着面に開口するように設けてなり、ワークを上記
吸着面にて吸引保持した状態でワーク処理位置に搬送
し、該ワーク処理位置にて上記吸着通路に真空破壊エア
を吹き込むことにより上記ワークの吸引保持を解除する
ようにしたワーク搬送装置の吸着パッドにおいて、上記
パッド部材の吸着口の近傍に上記真空破壊エアを吹きつ
け方向と逆方向に流出させる真空破壊エア逃げ通路を形
成したことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において、上
記吸着通路がパッド部材に対して移動可能となってお
り、上記真空破壊エアを吹き込んだときに上記吸着通路
をエア吹きつけ方向と逆方向に移動させる移動駆動手段
を設けたことを特徴としている。
【0010】
【発明の作用効果】本発明にかかる吸着パッドによれ
ば、パッド部材の吸着口の近傍に真空破壊エの逃げ通路
を形成したので、吸着通路に吹き込まれた真空破壊エア
は吸着口から吹きつけ方向と逆方向に流出することとな
り、真空破壊エアがワークの間から下面に流入するのを
防止でき、ひいては敷粉の飛散を防止できる。これによ
りワークの反りや付着の問題を解消でき、品質及び製品
歩留まりを向上できる効果がある。
【0011】また真空破壊エアを吹きつけ方向と反対方
向に流出させる構造であるので、真空破壊エアの流量を
小さくしたり,圧力を弱めたりする必要はなく、処理能
力が低下することはない。
【0012】請求項2の発明では、真空破壊エアを吹き
込んだときに上記吸着通路をエア吹きつけ方向と逆方向
に移動させたので、吸着口から逃げ通路への流路が開く
こととなり、これにより真空破壊エアの略全てを逃げ通
路から流出させることができ、敷粉の飛散をより確実に
防止できる効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0014】図1ないし図6は、請求項1の発明の一実
施形態(第1実施形態)によるワーク搬送装置の吸着パ
ッドを説明するための図であり、図1は吸着パッドの斜
視図、図2は吸着パッドの底面図、図3は吸着パッドの
断面図(図1のIII-III 線断面図)、図4は吸着パッド
の動作を示す図、図5はワーク搬送装置の概略図、図6
はワークの搬送工程を示す工程図である。
【0015】図において、30はワーク搬送装置であ
り、これは前工程により成形処理されたワークWをワー
ク受取位置Bまで移送するベルトコンベア31と、該ワ
ーク受取位置BのワークWを真空吸引により吸着する吸
着パッド1と、吸着パッド1を昇降駆動する昇降シリン
ダ機構32と、該昇降シリンダ機構32をワーク受取位
置Bからワーク処理位置Aまで搬送する横行きシリンダ
機構33とを備えている。また上記ベルトコンベア31
の上方にはストッパ34が架設されており、該ストッパ
34によりベルトコンベア31により移送されたワーク
Wをワーク受取位置Bに停止させるようになっている。
【0016】上記吸着パッド1は、上記昇降シリンダ機
構32に支持固定された矩形板状のベース2と、該ベー
ス2と同じ大きさのスポンジゴムベース3とを間をあけ
て対向させ、該スポンジゴムベース3とベース2とを両
端部に配設された円筒状のカラー4,4を介在させて固
定ボルト5,5により締結固定してなるパッド本体6
の、上記スポンジゴムベース3の下面にパッド部材とし
てのスポンジゴム7を気密に貼着して構成されている。
このスポンジゴム7の下面が平坦な吸着面7aとなって
いる。
【0017】上記パッド本体2には一対の吸着通路を有
する吸着筒8,8が軸線を垂直方向に向けて配設されて
おり、この各吸着筒8はベース2,スポンジゴムベース
3,及びスポンジゴム7を貫通させて配置されている。
上記各吸着筒8の下端の吸着口8aはスポンジゴム7の
吸着面7aに開口しており、上端の吸引口8bはベース
2から上方に突出して不図示の真空源に接続されてい
る。また各吸着筒8の吸引口8bには真空破壊エアを供
給するエア供給源が上記真空源と切り替え可能に接続さ
れている。この真空破壊エアはワークWの吸引保持を短
時間で強制的に解除するために瞬時に空気を込むもので
ある。なお、上記吸着筒8は市販のものでよく、吸着す
るワークによりワーク1個に対する数を増やしてもよ
い。
【0018】そして、上記スポンジゴムベース3及びス
ポンジゴム7と各吸着筒8との間には真空破壊エア逃げ
通路9,9が形成されており、この各逃げ通路9はスポ
ンジゴムベース3及びスポンジゴム7の吸着筒8の外周
部を繰り抜いて形成されたものである。上記逃げ通路9
の下端開口9aは上記スポンジゴム7の吸着面7aに開
口しており、上端開口9bは上記スポンジゴムベース3
の上面から外方に開口している。
【0019】次に本実施形態の作用効果について説明す
る。
【0020】本実施形態のワーク搬送装置30は、前工
程により成形処理されたワーク(セラミック素子)Wが
ベルトコンベア31により移送され、ストッパ34に当
接してワーク受取位置Bにて停止すると、昇降シリンダ
機構32により吸着パッド1が下降してワークWに密着
し、この状態で真空吸引を行ってワークWを吸着保持す
る(図6のS1,S2)。
【0021】昇降シリンダ機構32によって吸着パッド
1が上昇してワークWを持ち上げ、次に横行きシリンダ
機構33が昇降シリンダ機構32ごと吸着パッド1をワ
ーク処理位置Aの上方まで搬送する(図6のS3,S
4)。
【0022】昇降シリンダ機構32が吸着パッド1を下
降させ、ワーク処理位置Aにて吸着筒8に真空破壊エア
を吹き込むことによりワークWをスポンジゴム7から遊
離させ、敷粉10が振られたプレース面上に載置する
(図6のS5,S6)。
【0023】この後、昇降シリンダ機構32が吸着パッ
ド1を上昇させ、横行きシリンダ機構33により吸着パ
ッド1をワーク受取位置Bまで戻す。
【0024】この場合、従来では、上記真空破壊エアを
吹き込む際に、該破壊エアがワークの下面に流入して敷
粉を飛散させてしまうという問題があった。
【0025】これに対して、本実施形態では、スポンジ
ゴムベース3及びスポンジゴム7と各吸着筒8との間に
は真空破壊エア逃げ通路9,9を形成したので、吸着筒
8内に吹き込まれた真空破壊エアはワークWに当たると
同時に逃げ通路9から上方に反射して吹きつけ方向と逆
方向に流出することとなる。これにより、真空破壊エア
がワークWの下面に流入することはなく、敷粉10が飛
び散るのを防止できる。もって焼成時のワークの反りや
付着の問題を解消でき、品質及び製品歩留まりを向上で
きる。
【0026】ちなみに、本実施形態の効果を確認するた
めに行った実験では、真空破壊エアを圧力0.5Mpa
で吹きつけたところ、敷粉の飛散は全く見られなかっ
た。
【0027】図7は、請求項2の発明の一実施形態(第
2実施形態)による吸着パッドを説明するための図であ
る。図中、図3及び図4と同一符号は同一又は相当部分
を示す。
【0028】本実施形態の吸着パッド20は、パッド本
体6にスポンジゴム7を貼着するとともに、該パッド本
体6に吸着筒8を配置し、該吸着筒8とスポンジゴムベ
ース3及びスポンジゴム7との間に真空破壊エア逃げ通
路9を形成してなり、基本的構造は第1実施形態と同様
である。
【0029】そして、上記各吸着筒8は、ベース2に配
設された摺動部材21を介して軸線方向に昇降可能に支
持されている。また各吸着筒8には昇降駆動手段22が
設けられており、これは各吸着筒8間に架設されたプレ
ート23とベース2との間にシリンダ24を配設した概
略構造のものであり、真空破壊エアを吹き込んだときに
上記吸着筒8を上昇させるように構成されている。これ
により吸着筒8と逃げ通路9とが連通するようになって
いる。なお、昇降駆動手段として、上記プレートとベー
スとの間にスプリングを配設してもよい。
【0030】本実施形態の吸着パッド20は、ワークW
を吸引保持した状態でワーク処理位置Aに搬送し(図7
(a)参照)、該位置Aにて真空破壊エアを吹き込むと
同時に吸着筒8を上昇させる(図7(b)参照)。する
と真空破壊エアは吸着筒8から逃げ通路9を通って直ち
に外部に流出することとなり、敷粉10を飛散させるこ
となくワークWを載置できる(図7(c)参照)。
【0031】このように本実施形態によれば、真空破壊
エアを吹き込んだときに吸着筒8を上昇させて該吸着筒
8と逃げ通路9とを連通させたので、真空破壊エアの全
てを逃げ通路9から瞬時に流出させることができ、敷粉
10の飛散をより確実に防止できる。
【0032】なお、上記各実施形態では、矩形状のワー
クを搬送する場合を説明したが、本発明のワークはこれ
に限られるものではなく、例えば円形状,あるいは異形
状のワークにも勿論適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるワーク搬送装置の
吸着パッドを説明するための斜視図である。
【図2】上記吸着パッドの底面図である。
【図3】上記吸着パッドの断面図(図1のIII-III 線断
面図) である。
【図4】上記吸着パッドの動作を示す図である。
【図5】上記ワーク搬送装置の概略図である。
【図6】上記ワークの搬送工程を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施形態による吸着パッドの動作
を示す図である。
【図8】従来の一般的の吸着パッドを示す斜視図であ
る。
【図9】従来の吸着パッドの断面図である。
【図10】従来の吸着パッドの問題点を示す図である。
【符号の説明】
1,20 吸着パッド 7 スポンジゴム(パッド部材) 7a 吸着面 8 吸着筒(吸着通路) 8a 吸着口 9 真空破壊エア逃げ通路 22 昇降駆動手段 30 ワーク搬送装置 A ワーク処理位置 W ワーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着面を有するパッド部材に真空源が接
    続される吸着通路を吸着口が上記吸着面に開口するよう
    に設けてなり、ワークを上記吸着面にて吸引保持した状
    態でワーク処理位置に搬送し、該ワーク処理位置にて上
    記吸着通路に真空破壊エアを吹き込むことにより上記ワ
    ークの吸引保持を解除するようにしたワーク搬送装置の
    吸着パッドにおいて、上記パッド部材の吸着口の近傍に
    上記真空破壊エアを吹きつけ方向と逆方向に流出させる
    真空破壊エア逃げ通路を形成したことを特徴とするワー
    ク搬送装置の吸着パッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記吸着通路がパッ
    ド部材に対して移動可能となっており、上記真空破壊エ
    アを吹き込んだときに上記吸着通路をエア吹きつけ方向
    と逆方向に移動させる移動駆動手段を設けたことを特徴
    とするワーク搬送装置の吸着パッド。
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