JP2001179480A - 枠体の溶接ひずみ除去治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺フレーム材のがたつきを迅速に除去で
き、円滑に枠体の溶接ひずみを除去することができる溶
接ひずみ除去治具を提供する。 【解決手段】 載置台Ｘ１上において矩形枠状に仮組み
された４本のフレーム材２１，２２よりなる枠体２の長
辺をそれぞれ構成する２本の長尺フレーム材の外側に設
けられ、互いに離反する方向への各長尺フレーム材の移
動を規制する規制部材１１と、各長尺フレーム材間に作
業者の手で装着され、この各長尺フレーム材をそれぞれ
規制部材に対し押圧して位置決めする伸縮可能なエアシ
リンダ１２とを備える。そして、載置台上において矩形
枠状に仮組みされた４本のフレーム材を、エアシリンダ
の伸長動によって各長尺フレーム材をそれぞれ規制部材
に対し押圧して位置決めした状態で、溶接することによ
って、枠体を形成する際に生じるひずみが除去されるよ
うにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、矩形枠状に仮組さ
れた４本のフレーム材よりなる枠体を溶接する際に生じ
るひずみを除去する枠体の溶接ひずみ除去治具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、４本のフレーム材により矩形枠
状の枠体を形成する場合、４本のフレーム材を型枠上に
おいて個別に矩形枠状に並べて仮組みするか、４本のフ
レーム材を予め組んで矩形枠状にした状態で型枠上に移
送して仮組みし、この状態で溶接することによって、矩
形枠状の枠体を形成するようになされている。この場
合、型枠上には、４本のフレーム材をそれぞれ内外両方
向（互いに対向するフレーム材同士の接離方向）から位
置決めする位置決め部材が設けられ、この内外の位置決
め部材間に各フレーム材が挿通されて仮組みされるよう
にしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のもの
では、型枠上において４本のフレーム材を個別に並べた
仮組み、または予め矩形枠状にした４本のフレーム材を
移送して仮組みを行うにしろ、これらのフレームが型枠
上においてスムーズに仮組みできるように、内外の位置
決め部材間の間隔が各フレーム材の内外方向の幅よりも
大きく設定されている。このため、型枠上に仮組した各
フレーム材に内外方向へのがたつきが生じることにな
る。その場合、各フレーム材のうち、特に、枠体の長辺
をそれぞれ構成する２本の長尺フレーム材に内外方向へ
のがたつきが生じていると、各フレーム材を溶接して枠
体を形成した際に、枠体に大きな溶接ひずみが発生して
しまうことになる。

【０００４】そこで、２本の長尺フレーム材を、それぞ
れ固定治具などを用いて個別に固定することによって、
内外方向へのがたつきを抑制することが考えられる。し
かしながら、上述の如きものでは、各長尺フレーム材毎
の個別の固定治具が必要となるため、その作業に時間を
要することになる。

【０００５】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、長尺フレーム材のが
たつきを迅速に除去でき、円滑に枠体の溶接ひずみを除
去することができる溶接ひずみ除去治具を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明が講じた解決手段
は、枠体の溶接ひずみ除去治具として、型枠上において
矩形枠状に仮組みされた４本のフレーム材よりなる枠体
の長辺をそれぞれ構成する２本の長尺フレーム材の外側
に設けられ、互いに離反する方向への各長尺フレーム材
の移動を規制する規制部材と、上記各長尺フレーム材間
に装着され、この各長尺フレーム材をそれぞれ上記規制
部材に対し押圧して位置決めする伸縮可能な伸縮シリン
ダとを備える。そして、型枠上において矩形枠状に仮組
みされた４本のフレーム材を、伸縮シリンダの伸長動に
よって各長尺フレーム材をそれぞれ規制部材に対し押圧
して位置決めした状態で、溶接することによって、枠体
を形成する際に生じるひずみを除去するようになされた
ものである。

【０００７】本発明の場合、型枠上において４本のフレ
ーム材を矩形枠状に仮組みし、伸縮シリンダの伸長動に
よって各長尺フレーム材をそれぞれ規制部材に対し押圧
して位置決めするので、各長尺フレーム間において伸縮
シリンダを伸長動させて各長尺フレーム間に掛け渡すだ
けで各長尺フレーム材のがたつきが抑制され、長尺フレ
ーム材のがたつきを迅速に除去することが可能となる。

【０００８】しかも、伸縮シリンダの伸長動により各長
尺フレーム材を位置決めした状態、つまり長尺フレーム
材のがたつきを除去した状態で、各フレーム材を溶接す
ることにより、枠体を形成する際に生じるひずみが円滑
に除去されることになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【００１０】図１および図２は、本発明の実施形態に係
わる枠体の溶接ひずみ除去治具を示している。図１に示
すように、溶接ひずみ除去治具１は、型枠Ｘ上において
使用される。型枠Ｘ上には略矩形枠状の載置台Ｘ１が設
けられている。各フレーム材２１，２２は、載置台Ｘ１
上において２本の短尺フレーム材２１，２１と２本の長
尺フレーム材２２，２２とがそれぞれ個別に運ばれて作
業者の手により矩形枠状に仮組みされるようになされて
いる。上記溶接ひずみ除去治具１は、載置台Ｘ１上に設
けられた複数のブロック状の規制部材１１，…を備えて
いる。この各期西部材１１は、載置台Ｘ１の内外両位置
においてそれぞれ周方向所定間隔置きに設けられてい
る。そして、各フレーム材２１，２２は、上記各規制部
材１１によって、内外方向（互いに対向する短尺フレー
ム材２１，２１同士の接離方向または長尺フレーム２
２，２２同士の接離方向）から移動不能に規制されるよ
うになっている。この場合、載置台Ｘ１上の各フレーム
材２１，２２は、図示しない溶接ロボットにより溶接が
行われる溶接場所まで型枠Ｘごと移送されるようになさ
れている。

【００１１】図２に示すように、上記各フレーム材２
１，２２は、断面略Ｃ字状のＣ形鋼よりなり、互いの開
口同士が向き合った状態でレイアウトされている。

【００１２】また、上記溶接ひずみ除去治具１は、伸縮
可能な伸縮シリンダとしてのエアシリンダ１２を備えて
いる。このエアシリンダ１２は、シリンダチューブ１３
ａおよびピストンロッド１３ｂを備えたシリンダ本体１
３と、シリンダチューブ１３ｂの反ピストンロッド側面
（図２では右側面）に支持板１４ａを介して基端（図２
では左端）が固設された支持ロッド１４ｂと、上記ピス
トンロッド１３ｂの先端（図２では左端）および支持ロ
ッド１４ｂの先端（図２では右端）にそれぞれ固着さ
れ、載置台Ｘ１（型枠Ｘ）上において仮組みされた２本
の長尺フレーム材２２，２２に対し当接する当て板１
５，１５と、上記ピストンロッド１３ｂ先端側の当て板
１５の下端部に一端（図２では左端）が固定され、他端
側が上記支持板１４ａの下端部に対しピストンロッド１
３ｂの伸縮方向にスライド移動するガイドロッド１６と
を具備している。この場合、溶接ひずみ除去治具１は、
各規制部材１１と、エアシリンダ１２とによって構成さ
れている。

【００１３】そして、このエアシリンダ１２は、載置台
Ｘ１上の各長尺フレーム材２２，２２間に作業者の自身
の手により装着され、ピストンロッド１３ｂの伸長時に
各長尺フレーム材２２の内側面に当て板１５，１５を当
接させて各長尺フレーム材２２外側面をそれぞれ規制部
材１１に対し押圧して各長尺フレーム材２２の位置決め
がなされるようにしている。この場合、載置台Ｘ１上に
おいて矩形枠状に仮組みされた４本のフレーム材２１，
２２は、エアシリンダ１２のピストンロッド１３ｂ伸長
動によって各長尺フレーム材２２をそれぞれ規制部材１
１に対し押圧して位置決めした状態で溶接される。これ
によって枠体２が形成され、この各長尺フレーム材２２
を溶接（形成）する際に生じるひずみが除去されるよう
になされている。

【００１４】本実施形態の場合、載置台Ｘ１（型枠Ｘ）
上において４本のフレーム材２１，２２を矩形枠状に仮
組みし、エアシリンダ１２のピストンロッド１３ｂの伸
長動によって各長尺フレーム材２２，２２をそれぞれ規
制部材１１に対し押圧して位置決めするので、各長尺フ
レーム２２間においてエアシリンダ１２のピストンロッ
ド１３ｂを伸長動させて各長尺フレーム２２，２２間に
掛け渡すだけで各長尺フレーム材２２のがたつきが抑制
され、長尺フレーム材２２のがたつきを迅速に除去する
ことができる。

【００１５】しかも、エアシリンダ１２のピストンロッ
ド１３ｂの伸長動により各長尺フレーム材２２を位置決
めした状態、つまり各長尺フレーム材２２のがたつきを
除去した状態で、各フレーム材２１，２２を溶接するこ
とにより、枠体２を形成する際に生じるひずみを円滑に
除去することができる。

【００１６】なお、本実施形態では、４本のフレーム材
２１，２２を載置台Ｘ１上において個別に矩形枠状に並
べて仮組みした場合について述べたが、４本のフレーム
材を予め組んで矩形枠状にした状態で載置台（型枠）上
に移送して仮組みした場合についても溶接ひずみ除去治
具が同様に適用できるのは勿論である。

【００１７】また、図３に示すように、４本のフレーム
材２１，２２を対角線上につなぐ一対のブレース４１，
４１が設けられている場合についても、溶接ひずみ除去
治具１が同様に適用できる。この場合、各ブレース４１
によって枠体２の上方空間が狭くなっているが、エアシ
リンダ１２を長尺フレーム材２２に沿わせた方向（設置
方向と直交する方向）から各ブレース４１間を潜らせれ
ば、エアシリンダ１２を支障なく容易に装着することが
できる。

【００１８】

【発明の効果】本発明における枠体の溶接ひずみ除去治
具によれば、型枠上において仮組みした各長尺フレーム
材を伸縮シリンダの伸長動によって規制部材に押圧して
位置決めすることで、各長尺フレーム材のがたつきを迅
速に除去することができる。しかも、各長尺フレーム材
のがたつきを除去した状態で溶接することによって、枠
体を形成する際に生じるひずみを円滑に除去することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係わる溶接ひずみ除去治具
を装着した型枠の平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線で切断した断面図である。

【図３】本発明の変形例に係わる図１相当図である。

【符号の説明】

１ 溶接ひずみ除去治具 １１ 規制部材 １２ エアシリンダ（伸縮シリンダ） ２ 枠体 ２１ 短尺フレーム材（フレーム材） ２２ 長尺フレーム材（フレーム材） Ｘ 型枠

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 型枠上において矩形枠状に仮組みされた
   ４本のフレーム材よりなる枠体の長辺をそれぞれ構成す
   る２本の長尺フレーム材の外側に設けられ、互いに離反
   する方向への各長尺フレーム材の移動を規制する規制部
   材と、 上記各長尺フレーム材間に装着され、この各長尺フレー
   ム材をそれぞれ上記規制部材に対し押圧して位置決めす
   る伸縮可能な伸縮シリンダとを備え、 型枠上において矩形枠状に仮組みされた４本のフレーム
   材を、伸縮シリンダの伸長動によって各長尺フレーム材
   をそれぞれ規制部材に対し押圧して位置決めした状態
   で、溶接することによって、枠体を形成する際に生じる
   ひずみが除去されるようになされていることを特徴とす
   る枠体の溶接ひずみ除去治具。