JP2001179421A - 半凝固金属の供給方法 - Google Patents

半凝固金属の供給方法

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JP2001179421A JP35803199A JP35803199A JP2001179421A JP 2001179421 A JP2001179421 A JP 2001179421A JP 35803199 A JP35803199 A JP 35803199A JP 35803199 A JP35803199 A JP 35803199A JP 2001179421 A JP2001179421 A JP 2001179421A
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】容器内の半凝固金属を射出スリーブ内に迅速か
つ確実に投入することを可能にする。 【解決手段】多関節ロボット28の把持部76にるつぼ
18が把持されており、まず、このるつぼ18が回動中
心O1を中心に回転軸75のR1軸回りに所定の角度だ
け回動された後、前記多関節ロボット28の各軸が選択
的に駆動されることによって、前記るつぼ18が仮想傾
動軸O2回りに傾動され、該るつぼ18内の半凝固金属
20が射出スリーブ24内に迅速かつ確実に投入され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半凝固金属を射出
スリーブの開口部に投入するための半凝固金属の供給方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アルミニウムやマグネシウ
ム、またはそれぞれの合金等の溶融金属を使用し、成形
用に1ショット分の半凝固金属、すなわち、スラリーを
製造する作業が行われている。スラリーを使用した成形
作業では、特に成形品の表面精度および内部品質に優れ
る等の利点があることが知られている。
【0003】例えば、断熱性るつぼ(容器)に供給され
た溶融金属内で、この溶融金属の温度以下に冷却された
冷し金を回転させることによりスラリー化した半凝固金
属を得た後、前記半凝固金属を前記断熱性るつぼから成
形機に投入して成形処理を施し、所定の形状を有する金
属成形品を製造する方法が提案されている(特開平11
−197814号公報参照)。
【0004】上記の断熱性るつぼは、ロボットの手首部
先端に把持されており、前記ロボットの駆動作用下に回
動動作を行って、前記断熱性るつぼ内の半凝固金属が成
形機を構成する射出スリーブ内に投入されるように構成
されている。具体的には、図9に示すように、成形機を
構成する射出スリーブ1の上部側には、スラリー投入用
の開口部2が形成されており、ロボットの手首部の先端
に把持された断熱性るつぼ3が回動軸4を中心に回動す
ることによって、この断熱性るつぼ3内の半凝固金属5
が前記開口部2から前記射出スリーブ1内に投入されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、断熱性るつぼ3は、回動軸4を中心に一定の回転速
度で回動されるため、この断熱性るつぼ3内の半凝固金
属5の落下位置を制御することは極めて困難なものとな
っている。すなわち、半凝固金属5が断熱性るつぼ5内
から落下する角度位置は、投入時毎に変動し易く、例え
ば、前記断熱性るつぼ3が角度位置P1(一点鎖線参
照)に配置された際に前記半凝固金属5が落下してしま
う場合や、角度位置P2(二点鎖線参照)に配置された
際に前記半凝固金属5が落下してしまう場合等がある。
【0006】このため、半凝固金属5の落下位置が種々
変動してしまい、この半凝固金属5の全量を開口部2か
ら射出スリーブ1内に投入することが困難になるととも
に、前記断熱性るつぼ3内に前記半凝固金属5が残存し
てしまうおそれがある。これにより、半凝固金属5を射
出スリーブ1に効率的に供給することができないという
問題が指摘されている。
【0007】本発明はこの種の問題を解決するものであ
り、容器内の半凝固金属を射出スリーブ内に迅速かつ確
実に投入することが可能な半凝固金属の供給方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半凝固金属
の供給方法では、多関節ロボットの把持部で半凝固金属
が収容されている容器を把持し、まず、前記把持部の回
転軸を回転させて前記容器を所定の角度位置まで回動さ
せた後、前記多関節ロボットの各軸を選択的に駆動し、
前記容器を、その回動中心とは異なる仮想傾動軸回りに
傾動させることによって、該容器内の前記半凝固金属を
射出スリーブの開口部に投入する。
【0009】このため、容器は把持部の回転軸回りに所
定の角度位置まで回動され、この容器の開放端部が射出
スリーブの開口部に近接して配置される。次いで、容器
が仮想傾動軸回りに傾動されることにより、前記容器内
の半凝固金属の落下位置を、常に、一定位置に調整する
ことができる。従って、簡単な工程および制御で、容器
内の半凝固金属の全量を射出スリーブの開口部からこの
射出スリーブ内に確実に投入することが可能になるとと
もに、前記容器内に前記半凝固金属が残存することを確
実に阻止することができる。
【0010】ここで、仮想傾動軸が射出スリーブの開口
部の端部近傍に設定されている。これにより、容器の開
放端部を射出スリーブの開口部に近接させることがで
き、この容器内の半凝固金属を前記開口部に対し容易か
つ確実に投入することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
半凝固金属の供給方法を実施するための製造装置10の
概略斜視説明図であり、図2は、前記製造装置10の平
面説明図である。
【0012】製造装置10は、アルミニウム、その合
金、マグネシウム、またはその合金等の溶融金属からな
る溶湯12を保持する溶湯保持炉14と、この溶湯保持
炉14内から所定量(1ショット分)の溶湯12を汲み
出す溶湯汲み出しロボット16と、前記溶湯汲み出しロ
ボット16により汲み出された該溶湯12を注湯する断
熱性るつぼ(容器)18を設けるとともに、前記るつぼ
18内の前記溶湯12を所定のスラリー状態に撹拌して
半凝固金属20を得る半凝固金属製造手段22と、前記
半凝固金属20が投入される射出スリーブ24を有し、
該半凝固金属20を所定の形状に成形する成形機26
と、前記るつぼ18を前記溶湯保持炉14、前記半凝固
金属製造手段22および前記成形機26に搬送可能な多
関節ロボット28とを備える。
【0013】溶湯汲み出しロボット16は、支柱30上
に旋回自在に設けられるアーム32を備え、このアーム
32の先端にラドル34が傾動可能に装着される。成形
機26を構成する射出スリーブ24の上部側には、図示
しないキャビティに連通するスラリー投入用開口部36
が形成されている。半凝固金属製造手段22は、るつぼ
18を配置してこのるつぼ18内の溶湯12を冷却およ
び撹拌する第1乃至第4撹拌機38a〜38dを備え
る。なお、第1〜第4撹拌機38a〜38dは、同様に
構成されており、以下、主に第1撹拌機38aを例に説
明する。
【0014】第1撹拌機38aは、るつぼ18を離脱自
在に配置するるつぼ受台40を備える。このるつぼ受台
40は、図3に示すように、るつぼ18を収容するため
の凹部42を設けるとともに、前記るつぼ受台40の内
部には、前記凹部42に配置されるるつぼ18を周回す
るようにしてヒータ44が埋設されている。
【0015】るつぼ受台40の上方には、撹拌機能を兼
ねた冷し金46が駆動部48を介して取り外し可能に配
置される。冷し金46は、溶湯12として使用される、
例えば、アルミニウム溶湯の溶湯温度で溶けない材質、
例えば、銅やステンレス等により構成されている。この
冷し金46の外形は、円柱形状等に設定されるととも
に、必要に応じて下方に向かって抜き勾配を有してい
る。冷し金46は、駆動部48に対し、例えば、セラミ
ック製カプラ49を介して着脱自在であり、この駆動部
48がるつぼ受台40上で昇降するとともに、前記冷し
金46を回転駆動する。
【0016】図4に示すように、るつぼ18は、射出ス
リーブ24の開口部36と略同一形状の開口部50を有
するとともに、このるつぼ18の一側面52にのみ多関
節ロボット28の把持部76(後述する)に係合する把
持用係合部54が設けられる。図5に示すように、係合
部54は、るつぼ18の一側面52にねじ止め固着され
る板状部材56を備える。この板状部材56は、上端に
山形状傾斜部を設けるとともに、るつぼ18の深さ方向
(矢印A方向)に平行な2つの面58a、58bを有
し、かつ各面58a、58bに前記深さ方向に沿って係
合用溝部60a、60bが形成される。
【0017】多関節ロボット28は、第1乃至第4撹拌
機38a〜38dの配列方向(矢印B方向)に延在する
レール62に沿って進退自在である(図1参照)。多関
節ロボット28は、例えば、6軸ロボットで構成されて
おり、図4に示すように、基台64上にS軸回りに回転
自在な回転台66が設けられ、この回転台66には、第
1アーム68がH軸方向に揺動自在に設けられる。この
第1アーム68には、第2アーム70がV軸に沿って揺
動自在に設けられるとともに、この第2アーム70の先
端部にR2軸回りに回転する旋回軸72が構成される。
旋回軸72に手首部74がB軸回りに回動自在に装着さ
れ、前記手首部74には、R1軸方向に回転自在な回転
軸75が設けられて前記回転軸75に把持部76が装着
される。
【0018】図5および図6に示すように、把持部76
は、るつぼ18の係合部54を把持する第1クランプ手
段78と、前記係合部54を直接把持している前記第1
クランプ手段78を前記るつぼ18と一体的に把持する
第2クランプ手段80とを備える。第1クランプ手段7
8は、手首部74から延在する回転軸75に固定される
固定板体84を備え、その固定板体84にメインクラン
プ用の第1シリンダ86が装着される。第1シリンダ8
6は、互いに近接および離間変位する可動台88a、8
8bを有するとともに、前記可動台88a、88bに
は、第1および第2クランプ爪90a、90bが固着さ
れる。
【0019】第1クランプ爪90aは、係合部54に係
合するものであり、その上部側に突起部92が設けられ
る。第1クランプ爪90aには、溝部60aに嵌合する
上下2つの台形部94a、94bが膨出形成されるとと
もに、前記第1クランプ爪90aの可動台88aにねじ
止めされる基端部側には、テーパ面96が前方に向かっ
て内方に傾斜するように設けられている。第2クランプ
爪90bは、第1クランプ爪90aと同様に構成されて
おり、同一の構成要素には同一の参照符号付して、その
詳細な説明は省略する。
【0020】第2クランプ手段80は、固定板体84に
固着されるサブクランプ用の第2シリンダ98a、98
bを備え、前記第2シリンダ98a、98bから突出す
るロッド100a、100bに可動板体102が固着さ
れる。ロッド100a、100bを挟んで一対のガイド
バー104が配置されており、前記ガイドバー104
は、可動板体102に固着されるとともに、第2シリン
ダ98a、98bに挿入されている。
【0021】可動板体102は、その中央部に第1およ
び第2クランプ爪90a、90bを挿通するための開口
部106が形成されるとともに、前記第1および第2ク
ランプ爪90a、90bの各テーパ面96に摺接して前
記第1および第2クランプ爪90a、90bを互いに近
接する方向に押圧保持するための一対のテーパ面108
を設けている。可動板体102の四隅に引っ張り用スプ
リング110の一端が係合するとともに、前記スプリン
グ110の他端が固定板体84に取り付けられている。
可動板体102は、スプリング110の弾性力を介し
て、常時、第1および第2クランプ爪90a、90bを
固定する方向に付勢されている。
【0022】このように構成される製造装置10の動作
について、本実施形態に係る供給方法との関連で以下に
説明する。
【0023】まず、溶湯保持炉14内で溶湯12が65
0℃程度に加熱保持された状態で、溶湯汲み出しロボッ
ト16が駆動される。この溶湯汲み出しロボット16で
は、アーム32の作用下にラドル34が溶湯保持炉14
内に挿入され、このラドル34が傾動することにより1
ショット分の溶湯12が該ラドル34により汲み出され
る。溶湯12が汲み出されたラドル34は、溶湯12の
注湯位置に移動される一方、この注湯位置には、多関節
ロボット28が把持部76により空のるつぼ18を保持
して配置されている。
【0024】そこで、ラドル34が傾動され、多関節ロ
ボット28に保持されているるつぼ18内に1ショット
分の溶湯12が注湯される。次いで、多関節ロボット2
8は、るつぼ18を第1乃至第4撹拌機38a〜38d
の所定の位置、例えば、前記第1撹拌機38aを構成す
るるつぼ受台40の凹部42に挿入する。図3に示すよ
うに、るつぼ受台40では、ヒータ44が駆動されて予
め所定の温度に維持されており、凹部42に配置された
るつぼ18内の溶湯12が周囲から一挙に冷却されるこ
とを防止している。
【0025】第1撹拌機38aでは、冷し金46が、水
分除去および冷却条件の安定化のために予め100℃程
度に加熱保持されており、前記冷し金46が、駆動部4
8を介して比較的低速で所定方向に回転しながらるつぼ
18内の溶湯12中に浸漬される。その後、駆動部48
の作用下に冷し金46が溶湯12中で回転速度を上げる
ことにより、この溶湯12を冷却しながら迅速に撹拌す
る。
【0026】冷し金46が、予め設定された時間だけ、
あるいは撹拌完了信号が入力されるまで溶湯12の撹拌
を行った後、この冷し金46が回転しながらるつぼ18
から引き上げられる。このため、るつぼ18内には、全
体的に一定温度に保持された半凝固金属20が得られ
る。
【0027】一方、多関節ロボット28は、第1乃至第
4撹拌機38a〜38dの中、所望のスラリー状態に冷
却および撹拌された半凝固金属20を有する、例えば、
第4撹拌機38dに対応して移動される。第4撹拌機3
8dでは、駆動部48が上方に待機するとともに、冷し
金46が取り外されており、多関節ロボット28は、こ
の第4撹拌機38dのるつぼ受台40に配置されている
るつぼ18を把持し、このるつぼ18を前記第4撹拌機
38dから取り出す。
【0028】具体的には、第2クランプ手段80を構成
する第2シリンダ98a、98bが駆動され、可動板体
102がスプリング110の弾性力に抗して前方(矢印
C1方向)に突出している(図5参照)。このため、第
1クランプ手段78を構成する第1および第2クランプ
爪90a、90bは、互いに近接および離間する方向に
変位可能であり、第1シリンダ86が駆動されることに
よって、可動台88a、88bと一体的に前記第1およ
び第2クランプ爪90a、90bが互いに離間する方向
に配置される。
【0029】そこで、多関節ロボット28を構成する手
首部74が、第4撹拌機38dに配置されているるつぼ
18側に移動し、このるつぼ18の一側面52に固着さ
れている係合部54を第1および第2クランプ爪90
a、90b間に配置させる。次に、第1シリンダ86が
駆動され、可動台88a、88bと一体的に第1および
第2クランプ爪90a、90bが互いに近接する方向に
変位し、第1および第2クランプ爪90a、90bによ
り係合部54が把持される。
【0030】この状態で、第2クランプ手段80を構成
する第2シリンダ98a、98bが駆動され、可動板体
102が手首部74側(矢印C2方向)に移動する。こ
のため、可動板体102に設けられているテーパ面10
8が第1および第2クランプ爪90a、90bに設けら
れているテーパ面96に摺接し、前記第1および第2ク
ランプ爪90a、90bが互いに近接する方向に押圧保
持される。これにより、るつぼ18に設けられた係合部
54は、第1および第2クランプ手段78、80を介し
て強固かつ確実に把持され、多関節ロボット28は、こ
のるつぼ18を成形機26の開口部36に対応して水平
姿勢に配置される。
【0031】この場合、本実施形態は、図7に示すよう
に、るつぼ18が多関節ロボット28を介して射出スリ
ーブ24の開口部36の上部端縁部に近接して水平姿勢
で配置された後、まず、回転軸75がR1軸回りに所定
の角度だけ回転する。このため、把持部76に片持ち支
持されているるつぼ18は、前記把持部76を中心にし
て回動中心O1回りに所定の角度α1゜だけ回動され
る。これにより、るつぼ18の開口部50側の端部18
aは、射出スリーブ24の開口部36の端部に近接して
配置されることになる(図7中、二点鎖線参照)。
【0032】次いで、図8に示すように、多関節ロボッ
ト28は、射出スリーブ24の開口部36の端部近傍
を、すなわち、角度α1゜だけ回動されたるつぼ18の
端部18aを仮想傾動軸O2とし、この仮想傾動軸O2
回りに前記るつぼ18が所定の角度α2゜だけ傾動され
る(図8中、二点鎖線参照)。その際、多関節ロボット
28では、回転台66のS軸、第1アーム68のH軸、
第2アーム70のV軸、旋回軸72のR2軸、手首部7
4のB軸および回転軸75のR1軸が選択的に駆動され
ることにより、るつぼ18を開口部36の端部近傍に設
定された仮想傾動軸O2回りに傾動させている。
【0033】このため、るつぼ18内の半凝固金属20
は、このるつぼ18が、図8中、角度α2゜の範囲で傾
動する間に開口部50から射出スリーブ24の開口部3
6に確実に投入され、前記射出スリーブ24内に前記半
凝固金属20の全量を投入することができる。
【0034】このように、本実施形態では、るつぼ18
が、まず回動中心O1回りに角度α1゜だけ回動した
後、このるつぼ18が射出スリーブ24の開口部36の
端部近傍に設定される仮想傾動軸O2回りに傾動されて
いる。従って、るつぼ18は、実際上、開放側端部18
aを支点にして射出スリーブ24上で傾動することにな
り、開口部50に収容されている半凝固金属20は、こ
のるつぼ18が角度α2゜の範囲内のいずれかの傾動位
置に至る際に、前記開口部50から射出スリーブ24の
開口部36に確実に投入される。
【0035】これにより、るつぼ18内の半凝固金属2
0の全量を射出スリーブ24内に投入することができ、
このるつぼ18内に前記半凝固金属20が残存すること
がなく、前記半凝固金属20を効率的かつ確実に前記射
出スリーブ24に供給することが可能になるという効果
が得られる。
【0036】しかも、るつぼ18は、まず、回転中心O
1を中心に角度α1゜まで回動された後、仮想傾動軸O
2を中心に傾動される。このため、るつぼ18内の半凝
固金属20の投入作業が迅速に遂行され、前記半凝固金
属20の供給作業全体の効率化が容易に図られる。さら
に、るつぼ18の回動および傾動動作は、多関節ロボッ
ト28のS軸、H軸、V軸、R2軸、B軸およびR1軸
を選択的に駆動するだけでよく、制御全体を簡素化する
ことができる。
【0037】ところで、成形機26では、射出スリーブ
24内に投入された半凝固金属20を用いて成形処理が
施され、所定の金属成形品が得られることになる。多関
節ロボット28は、空になったるつぼ18をエアブロー
位置に移動してエアブロー処理を施すことにより、この
るつぼ18内に残存するアルミニウムが除去される。次
いで、るつぼ18の内部にセラミック材等によるコーテ
ィングが行われた後、このるつぼ18が注湯位置に配置
される。
【0038】なお、本実施形態では、溶湯保持炉14と
多関節ロボット28との間に1ショット分の溶湯を汲み
出すための溶湯汲み出しロボット16を設けているが、
多関節ロボット28に保持されているるつぼ18に溶湯
保持炉14から1ショット分の溶湯12を直接給湯する
ように構成すれば、この溶湯汲み出しロボット16を必
ずしも用いなくてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る半凝固金属の供給方法で
は、多関節ロボットの把持部で把持された容器が、この
把持部の回転軸の回転作用下に所定の角度範囲まで回動
された後、前記多関節ロボットの各軸が選択的に駆動さ
れることにより、前記容器がその回動中心とは異なる仮
想傾動軸回りに傾動し、該容器内の半凝固金属が射出ス
リーブの開口部に確実に投入される。このため、容器内
の半凝固金属の全量を射出スリーブ内に投入することが
でき、前記容器内に前記半凝固金属が残存することがな
く、該半凝固金属の供給作業全体が、簡単な作業で効率
的に遂行可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半凝固金属の供給方法
を実施するための製造装置の概略斜視説明図である。
【図2】前記製造装置の平面説明図である。
【図3】前記製造装置を構成する撹拌機の説明図であ
る。
【図4】前記製造装置を構成する多関節ロボットの斜視
説明図である。
【図5】前記製造装置を構成する把持部およびるつぼの
一部分解斜視説明図である。
【図6】前記把持部の平面説明図である。
【図7】前記るつぼを回動する際の動作説明図である。
【図8】前記るつぼを傾動させる際の動作説明図であ
る。
【図9】従来技術に係る半凝固金属の供給方法の説明に
供する図である。
【符号の説明】
10…製造装置 12…溶湯 14…溶湯保持炉 18…るつぼ 20…半凝固金属 22…半凝固金属製造
手段 24…射出スリーブ 26…成形機 28…多関節ロボット 38a〜38d…撹拌
機 46…冷し金 50…開口部 54…係合部 66…回転台 68、70…アーム 72…旋回軸(R2
軸) 75…回転軸(R1軸) 76…把持部 78、80…クランプ手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 41/06 B22D 41/06 (72)発明者 田岡 明範 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 伊藤 英臣 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 甲斐 昇克 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4E014 LA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半凝固金属が収容されている容器を多関節
    ロボットの把持部で把持し、前記半凝固金属を射出スリ
    ーブの開口部に投入する半凝固金属の供給方法であっ
    て、 前記容器を把持する前記把持部の回転軸を回転させ、前
    記容器を所定の角度位置まで回動させる工程と、 前記多関節ロボットの各軸を選択的に駆動することによ
    り、前記容器を、その回動中心とは異なる仮想傾動軸回
    りに傾動させて該容器内の前記半凝固金属を前記開口部
    に投入する工程と、 を有することを特徴とする半凝固金属の供給方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の供給方法において、前記仮
    想傾動軸は、前記開口部の端部近傍に設定されることを
    特徴とする半凝固金属の供給方法。
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