JP2001179005A - 発酵用消泡剤 - Google Patents
発酵用消泡剤Info
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Abstract
れた発酵用消泡剤を提供する。 【解決手段】 下記化1の一般式(1)で表される化合
物からなる発酵用消泡剤。 【化1】 A-[O-(C3H6O)l-(C2H4O)m/(C3H6O)n-H]x …(1) 一般式(1)において、Aは炭素数2〜6からなる炭化
水素基残基または酸素を含む炭化水素基残基、またはこ
れらの混合物を表し、lは0.5〜4の数、mは1〜1
0の数、nは5〜50の数、xは2〜8の数を表し、且
つm/nは0.05〜0.5である。)
Description
し、更に詳しくは、発酵菌への阻害性が低く、且つ消泡
効果に優れた発酵用消泡剤に関する。
を要する培養では、多量の気泡が発生し作業上の問題に
なることが多い。発酵槽が泡で満たされると、装置容量
を充分に活用できなくなるため生産性の低下を招くばか
りか、ときにはふきこぼれ等を生じ正常な発酵が行われ
なくなる。そのため発酵工業においては気泡の制御が必
要とされる。
く消泡剤が用いられている。その消泡剤としては、シリ
コーン油、動植物油、アルコール類へのアルキレンオキ
シド付加物等があるが、発酵工業においては、抑泡性、
発酵菌への阻害性、コスト等の面から、アルキレンオキ
シド付加物が広く使用されている。
付加タイプの消泡剤は、発酵用消泡剤として特に要求さ
れる発酵菌の生育阻害を低く抑えることと、十分な消泡
効果を有することの両者を同時に満足するものではなか
った。
公昭45−38827号公報、特開昭50−12148
2号公報、特開昭52−69881号公報のようなポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル類は、消泡性に優れ
る反面、発酵菌への阻害が生じ、発酵菌の培養過程にお
いてときに問題となる。また、特公昭47−40394
号公報、特開昭53−134785号公報、特開昭54
−135298号公報、特開昭56−169583号公
報のようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル類を
脂肪酸によりエステル化したタイプでは阻害性は改善さ
れるが、一方で十分な消泡効果が得られない。また、特
開平5−228308号公報、特開平6−54680号
公報では、油脂と多価アルコール類の混合物にアルキレ
ンオキシドを付加する方法も提唱されているが、得られ
た反応生成物は発酵菌への阻害性は改善されるが、十分
な消泡効果が得られない。さらに、特開平2−2190
5号公報、特開平2−21906号公報、特開平2−3
5073号公報では特定の順序で多価アルコールにオキ
シエチレン基とオキシプロピレン基を付加しているが、
このような方法では消泡効果と発酵菌への阻害性を低く
抑えることの両者を同時に満足することはできない。
は発酵菌への阻害性が低く、且つ消泡効果にも優れた発
酵用消泡剤を提供することにある。
を解決するために鋭意研究を行った結果、炭素数2〜6
からなる炭化水素基または酸素を含む炭化水素基を含む
化合物、またはこれらの混合物にプロピレンオキシドを
付加し、さらに、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドを特定の割合でランダム付加することにより、発酵菌
への阻害性が低く、且つ消泡性にも優れる発酵用消泡剤
の得られることを見出し、本発明を完成した。
2の一般式(1)で表される化合物からなることを特徴
とする。
水素基残基または酸素を含む炭化水素基残基、またはこ
れらの混合物を表し、lは0.5〜4の数、mは1〜1
0の数、nは5〜50の数、xは2〜8の数を表し、且
つm/nは0.05〜0.5である。)すなわち一般式
(1)で表される化合物は、A−[OH]xである多価ア
ルコール(x=2〜8)に、プロピレンオキシドを0.
5〜4モルブロック付加し、次いでエチレンオキシド1
〜10モルとプロピレンオキシド5〜50モルを特定の
モル比m/nでランダム付加したものである。したがっ
て、「Aは炭素数2〜6からなる炭化水素残基」とは、
主鎖A中に酸素を含まないエチレングリコール、グリセ
リン等を示し、「Aは炭素数2〜6からなる酸素を含む
炭化水素残基」とは、ジエチレングリコール、ジグリセ
リン等を示す。
6からなり、主鎖が炭化水素または酸素を含む炭化水素
としては、一般に公知のものは何れも使用できる。具体
的には、A−[OH]xがエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロール
プロパン、エリスリトール、ヘキサンジオール、ヘキサ
ントリオール、ペンタエリスリトール、キシリトール、
ソルビトール、マンニトール、グルコース、フルクトー
ス、またはこれらの混合物等に由来するものがあげられ
るが、これらの中でも、グリセリン、ジグリセリン、ト
リメチロールプロパン、ソルビトールが特に好ましい。
〜8の数、nは10〜50の数、xは3〜6の数であ
り、m/nは0.10〜0.30である。m/nが0.
05未満であると消泡剤が水に溶解せず油滴となって分
離してしまうため十分な消泡効果が得られない。また、
0.5より大きくなると発酵菌への阻害が大きくなる。
物をそのまま使用しても良く、溶媒に溶解して使用して
も良い。更に本発明の発酵用消泡剤を、その他公知の消
泡剤と配合して使用することもできる。
されないが、一般的には培養する培地に対して0.00
01〜5重量%程度の濃度で使用される。
用できる。例えばアミノ酸発酵、カルボン酸発酵、酵
素、抗生物質等の発酵に使用することができるが、特
に、L−グルタミン酸発酵、L−リジン発酵用消泡剤と
して適している。
害性が低く、且つ消泡効果に優れるものである。
詳細に説明するが、本発明は以下の製造例及び実施例に
限定されるものではない。
2.0gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内
を窒素置換し95℃に昇温した後、圧力670Pa以下
で30分間攪拌しながら脱水した。脱水後、120℃ま
で昇温し、圧力5MPa以下でプロピレンオキシド37
8g(6.5モル)を導入し、導入終了後、圧力一定に
なるまで熟成して一段反応物(I)を得た。さらにこの
一段反応物(I)100g(0.38モル)と水酸化カ
リウム4.0gをオートクレーブに仕込み、オートクレ
ーブ内を窒素置換し95℃に昇温した後、圧力670P
a以下で30分間攪拌しながら脱水した。脱水後、温度
120℃に昇温し、圧力5MPa以下でエチレンオキシ
ド199g(4.5モル)とプロピレンオキシド163
6g(28.2モル)の混合液を導入し、導入終了後、
圧力一定になるまで熟成した。熟成後80℃まで冷却
し、合成吸着剤(協和化学工業社製、キョーワード60
0S)を添加して混合、濾過して触媒を除去し、表1に
示す本発明品サンプルNo.1の消泡剤を得た。更に、
同様の方法により、本発明品No.3、5及び比較品サ
ンプルNo.6、8の消泡剤を得た。また、同様の方法
で得た反応粗生成物中の触媒を、酢酸によって中和する
ことによって表1に示す本発明品サンプルNo.2、4
及び比較品サンプルNo.7の消泡剤を得た。
較品の消泡剤を表1に示す。
基を示す。また、(EO)−(PO)はブロック結合
を、(EO)/(PO)はランダム結合を表す。サンプ
ルNo.1、2、6、8はAがグリセリン残基、サンプ
ルNo.3、4、7はAがトリメチロールプロパン残
基、サンプルNo.5はAがソルビトール残基である。
地50mLを仕込み、加熱滅菌後、L−グルタミン酸生
産菌であるコリネバクテリウム グルタミカム(Cor
ynebacterium glutamicum)を
植菌し30℃で24時間前培養した。その後、試験管に
ブイヨン培地と本発明品又は比較品をそれぞれブイヨン
培地に対して100〜10,000ppmの濃度になる
よう添加し加熱滅菌した。これに前述した前培養液を植
菌し、30℃で24時間培養した。培養後、培養液を所
定濃度に希釈して濁度(O.D.)を測定して、菌体量
の指標とした。測定値は、消泡剤を添加せずに培養した
培養液の濁度を100とした相対値で示した。結果を表
2に示す。
にブイヨン培地50mLを仕込み、加熱滅菌後、L−グ
ルタミン酸生産菌を植菌し30℃で24時間前培養し
た。さらに、下記組成の培地3Lをジャーファーメンタ
ーに仕込み、消泡剤無添加のまま120℃で20〜30
分加熱滅菌し、滅菌後、30℃まで冷却してから、上述
した前培養液を植菌し、30℃で48時間通気攪拌培養
した。培養後の発酵液を100mL共栓付メスシリンダ
ーに20mL採取し、本発明品又は比較品を発酵液に対
してそれぞれ10〜50ppmの濃度範囲で添加した。
30〜40℃で温度一定にした共栓付メスシリンダー
を、100回/30秒の速度で振とうし、静置して30
秒後の泡量(mL)を測定した。結果を表2に示す。 培地組成 グルコース:5% ポリペプトンS:0.5% 尿素:0.4% K2HPO4:0.1% MgSO4・7H2O:0.1% FeSO4・7H2O:0.001% MnSO4・4H2O:0.001% サイアミン:100μg/L ビオチン:3μg/L 水:バランス
は培地に対して10,000ppmの濃度で添加しても
発酵菌への阻害が小さい。また、本発明品は従来の消泡
剤と比較して十分な消泡性能を有している。一方、比較
品6は本発明品に近い構造であるが、本発明品と比較す
ると発酵菌への阻害性、消泡効果とも十分ではない。さ
らに、比較品8のようにエチレンオキシドとプロピレン
オキシドをブロック付加しただけのタイプは、発酵菌に
対して特に阻害が大きい。
にブイヨン培地50mLを仕込み、加熱滅菌後、L−グ
ルタミン酸生産菌を植菌し30℃で24時間前培養し
た。さらに、下記組成の培地1Lをジャーファーメンタ
ーに仕込み、本発明品1、2及び比較品6、7の消泡剤
100ppmをそれぞれ添加し120℃で20〜30分
加熱滅菌した。滅菌後、30℃まで冷却してから、上述
した前培養液を植菌し、30℃で30時間通気攪拌培養
した。培養過程において、所定時間ごとにサンプリング
して濁度を測定し、またジャーファーメンター内の泡高
さを測定した。結果を表3に示す。 培地組成 グルコース:5% ポリペプトンS:0.5% 尿素:0.4% K2HPO4:0.1% MgSO4・7H2O:0.1% FeSO4・7H2O:0.001% MnSO4・4H2O:0.001% サイアミン:100μg/L ビオチン:3μg/L 水:バランス
Claims (1)
- 【請求項1】 下記化1の一般式(1)で表される化合
物からなる発酵用消泡剤。 【化1】 A-[O-(C3H6O)l-(C2H4O)m/(C3H6O)n-H]x …(1) 一般式(1)において、Aは炭素数2〜6からなる炭化
水素基残基または酸素を含む炭化水素基残基、またはこ
れらの混合物を表し、lは0.5〜4の数、mは1〜1
0の数、nは5〜50の数、xは2〜8の数を表し、且
つm/nは0.05〜0.5である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36629999A JP2001179005A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 発酵用消泡剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36629999A JP2001179005A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 発酵用消泡剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001179005A true JP2001179005A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18486437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36629999A Pending JP2001179005A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 発酵用消泡剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001179005A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006061039A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Chisso Corp | ジピコリン酸の製造法 |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36629999A patent/JP2001179005A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006061039A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Chisso Corp | ジピコリン酸の製造法 |
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