JP2001178439A - 香味源入りアルコール飲料の製造方法 - Google Patents

香味源入りアルコール飲料の製造方法

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JP2001178439A JP36827999A JP36827999A JP2001178439A JP 2001178439 A JP2001178439 A JP 2001178439A JP 36827999 A JP36827999 A JP 36827999A JP 36827999 A JP36827999 A JP 36827999A JP 2001178439 A JP2001178439 A JP 2001178439A
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Shigeo Toi
重男 戸井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷酒でも燗酒でも香味源の香味を味わえる香味
源入りアルコール飲料の製造方法を提供する。 【解決手段】固形状の焙焼したキジ肉とアルコール飲料
とを可撓性容器に充填する。充填後の可撓性容器を脱
気、密封する。密封後の可撓性容器を液状媒体に浸漬し
て、この液状媒体に6,000kg/cm2 以上の圧力
を10分間加える。 【効果】低いアルコール濃度であっても常温でアルコー
ル飲料を変質させずに、香味成分を短時間でアルコール
飲料に移せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鳥肉、花弁等の固
形状の香味源を用いた香味源入りアルコール飲料の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の香味源入りアルコール飲料とし
て、キジ酒が知られている。キジ酒とは、キジのささ身
に塩を振って焼き、スライスして大杯に並べ、熱く沸か
した清酒を注いだものである。キジ酒は、宮中の正月行
事で供される料理の中で、酒でありながら料理の一品と
して数えられており、天下の美酒とされている。キジの
代わりにヤマドリを用いたものでは、特別の者でなけれ
ば飲むことがかなわないと言われるほどの貴重な酒とさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
キジ酒のような香味源入りアルコール飲料は、冷めてし
まうと、だし酒、すなわち、アルコールや香味源の香り
が飛んで調味液のようなものとなり、香味が落ちてしま
うという問題点があった。そこで、香味が落ちないよう
に、冷えた状態の清酒に塩焼きしたささ身を漬けた場合
には、清酒に香味がなかなか移らないうえ、酒が変質し
てしまい、熱く沸かした清酒で作ったキジ酒の香味を付
けることができなかった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、冷酒でも燗酒でも香味源の香味を
味わうことができる香味源入りアルコール飲料の製造方
法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る香味源入りアルコール飲料の製造方法
は、固形状の香味源とアルコール飲料を可撓性容器に充
填し、充填後の可撓性容器を脱気、密封し、密封後の可
撓性容器を液状媒体に浸漬して、この液状媒体に5,0
00kg/cm2 以上の圧力を所定時間加えることを特
徴とする。
【0006】本発明に係るアルコール飲料の製造方法
で、前記香味源は、鳥肉、花弁、果実、ハーブ、きのこ
または魚の鰭であり、前記アルコール飲料は5度以上1
6度以下のアルコール濃度の清酒であることが好まし
い。
【0007】使用される香味源は、キジ・ヤマドリその
他の鳥肉、鹿肉・猪肉その他の獣肉、菊・さくら・バラ
その他の花弁、梅・ブルーベリー・カリン・ガマズミそ
の他の果実、ローリエ・ミント・紫蘇その他のハーブ、
椎茸・松茸その他のきのこ、フグその他の魚の鰭など、
酒に香味を付けるいかなる香味源であってもよい。香味
源は、酒に香りだけを付けるものであっても、香りとと
もに味を付けるものであってもよい。香味源は、焙焼・
油ちょうその他の加熱処理をされたものであってもよ
く、また、塩・砂糖などの調味料で味付けされたもので
あってもよい。アルコール飲料のアルコール濃度はいか
なる濃度であってもよいが、特に5度以上16度以下の
アルコール濃度が適している。本発明に係るアルコール
飲料の製造方法によれば、一般のリキュール酒などに比
べてアルコール濃度が低い場合にも、常温でアルコール
飲料を変質させずに香味をアルコール飲料に移すことが
できるためである。
【0008】本発明に係るアルコール飲料の製造方法
で、例えば、前記香味源は食塩を振りかけて焙焼したキ
ジ肉であり、前記アルコール飲料は14度以上16度以
下のアルコール濃度の清酒である。この場合、食塩を振
りかけて焙焼したキジ肉の香味が清酒に移るうえに、そ
のキジ肉の香味成分と清酒とが5,000kg/cm2
以上の高圧下で特有の変化を起こして、独特の風味を生
じさせる。
【0009】また、他の例で、前記香味源は菊の花弁で
あり、前記アルコール飲料は14度以上16度以下のア
ルコール濃度の清酒である。この場合にも、菊の花弁の
香味が清酒に移るうえに、その菊の花弁の香味成分と清
酒とが5,000kg/cm2 以上の高圧下で特有の変
化を起こして、独特の風味を生じさせる。加圧後の菊の
花弁は、黄色の色が落ちて無色に近くなり、清酒中に含
まれていても異物感が少ない。
【0010】固形状の香味源とアルコール飲料を充填す
る可撓性容器は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、無延伸ポリプロピレン、ナイロン/無延伸ポリプロ
ピレン、ナイロン/ポリエチレン、ナイロン/エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物/ポリエチレン、ポリプ
ロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/ポ
リエチレン、ポリエステル等から成る容器である。可撓
性容器の形状は、いかなる大きさ、形状であってもよ
い。
【0011】液状媒体は、可撓性容器の全体を均等に加
圧するために使用されるものであり、例えば、水が用い
られる。液状媒体は、常温のほか、加熱したものであっ
てもよい。
【0012】液状媒体の加圧装置としては、公知の密封
型超高水圧滅菌装置を使用することができる。液状媒体
に圧力を加える所定時間は、例えば、5,000kg/
cm2の圧力の場合、20分間以上であり、6,000
kg/cm2の圧力の場合、10分間以上である。液状
媒体に加える圧力は、6,000kg/cm2以上7,
000kg/cm2以下が特に好ましい。
【0013】本発明に係るアルコール飲料の製造方法で
は、液状媒体を介して可撓性容器内の固形状の香味源お
よびアルコール飲料に5,000kg/cm2 以上の圧
力を所定時間加える。5,000kg/cm2 以上の圧
力を所定時間加えることにより、可撓性容器内を完全滅
菌することができる。一般の清酒は、麹または酵素で糖
化され、醗酵を終えた後、絞られ、火入れが行われる。
しかしながら、火入れでも不活性化しない酵素があり、
製品の品質に影響を与える。本発明に係るアルコール飲
料の製造方法では、アルコール飲料に5,000kg/
cm2 以上の圧力を加えることにより、酵素を不活性化
し、長期間の保存を可能にする。
【0014】また、この加圧により、固形状の香味源か
らアルコール飲料に短時間で香味成分やエキスが移る。
この現象は、所定時間の5,000kg/cm2 以上の
圧力によって香味源およびアルコール飲料の浸透性が顕
著に高められるためと考えられる。香味成分やエキス
は、アルコール飲料の一部に偏らず、全体に均一に拡散
する。本発明に係るアルコール飲料の製造方法では、香
味源とともに加圧するアルコール飲料が5度以上16度
以下の低いアルコール濃度であっても香味成分を短時間
で移すことができる。また、アルコール飲料が冷えた状
態であっても、香味成分やエキスは、短時間で香味源か
らアルコール飲料に移り、香味源の香味の付いたアルコ
ール飲料を味わうことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の第1実施例および第2実施例
について説明する。まず、第1実施例として、キジ酒の
製造方法について説明する。香味源として、キジのささ
身、約10gに食塩を軽く振りかけて味付けし、焙焼し
た後、約5ミリの厚さにスライスしたものを準備した。
この香味源のキジ肉を厚さ約0.5mm、大きさ17c
m×10cm×2cmのポリエチレン袋に入れ、清酒2
00mlを充填した。
【0016】充填後のポリエチレン袋は、直ちに脱気
し、溶着により密封した。密封後のポリエチレン袋を公
知の密封型超高水圧滅菌装置により、水中に浸漬して、
この水に6,000kg/cm2 の圧力を10分間加え
た。加圧後、常圧に減圧した。こうして、キジ酒を製造
した。製造したキジ酒には、香味源のキジ肉の香気成分
とエキス分とが溶け込んでおり、常温15℃の状態の冷
酒でもキジ肉の豊かな香味を味わうことができて、美味
であった。
【0017】できあがったキジ酒には、食塩を振りかけ
て焙焼したキジ肉の香味が移っており、また、そのキジ
肉の香味成分と清酒とが6,000kg/cm2 の高圧
下で特有の変化を起こして、独特の風味を生じるもので
あった。なお、キジ酒は、燗酒にしても美味であった。
このキジ酒は、密封したポリエチレン袋に入れた状態で
長期間の保存が可能である。
【0018】次に、第2実施例として、菊酒の製造方法
について説明する。香味源として、小菊の花1個の花弁
(花びら)を準備した。この菊の花弁を厚さ約0.5m
m、大きさ13cm×9cm×2cmのポリエチレン袋
に入れ、清酒150mlを充填した。
【0019】充填後のポリエチレン袋は、直ちに脱気
し、溶着により密封した。密封後のポリエチレン袋を公
知の密封型超高水圧滅菌装置により、水中に浸漬して、
この水に6,000kg/cm2 の圧力を10分間加え
た。加圧後、常圧に減圧した。こうして、菊酒を製造し
た。製造した菊酒には、香味源の菊の花の香気成分とエ
キス分とが溶け込んでおり、常温15℃の状態の冷酒で
も菊の花の豊かな香味を味わうことができて、美味であ
った。
【0020】できあがった菊酒には、菊の花弁の香味が
移っており、また、その菊の花弁の香味成分と清酒とが
6,000kg/cm2 の高圧下で特有の変化を起こし
て、独特の風味を生じるものであった。菊酒には、加圧
後の菊の花弁が含まれているが、花弁は、黄色の色が落
ちて無色に近くなっており、清酒中に含まれていても異
物感は感じられなかった。なお、菊酒は、燗酒にしても
美味であった。菊酒は、密封したポリエチレン袋に入れ
た状態で長期間の保存が可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明に係る香味源入りアルコール飲料
の製造方法によれば、5度以上16度以下の低いアルコ
ール濃度であっても常温でアルコール飲料を変質させず
に香味成分を短時間で移すことができ、冷酒でも燗酒で
も香味源の香味を味わえるアルコール飲料を製造するこ
とができる。
【0022】特に、香味源が食塩を振りかけて焙焼した
キジ肉で、アルコール飲料が14度以上16度以下のア
ルコール濃度の清酒の場合には、キジ肉の香味成分と清
酒とが高圧下で特有の変化を起こして、独特の風味を生
じさせる。また、香味源が菊の花弁で、アルコール飲料
が14度以上16度以下のアルコール濃度の清酒の場合
には、菊の花弁の香味成分と清酒とが高圧下で特有の変
化を起こして、独特の風味を生じさせる。
【0023】本発明に係る香味源入りアルコール飲料の
製造方法によれば、キジ酒、菊酒、その他さまざまな固
形状の香味源を用いたアルコール飲料を製造することが
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固形状の香味源とアルコール飲料とを可撓
    性容器に充填し、充填後の可撓性容器を脱気、密封し、
    密封後の可撓性容器を液状媒体に浸漬して、この液状媒
    体に5,000kg/cm2 以上の圧力を所定時間加え
    ることを特徴とする香味源入りアルコール飲料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記香味源は鳥肉、花弁、果実、ハーブ、
    きのこまたは魚の鰭であり、前記アルコール飲料は5度
    以上16度以下のアルコール濃度であることを特徴とす
    る請求項1記載の香味源入りアルコール飲料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記香味源は食塩を振りかけて焙焼したキ
    ジ肉であり、前記アルコール飲料は14度以上16度以
    下のアルコール濃度の清酒であることを特徴とする請求
    項2記載の香味源入りアルコール飲料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記香味源は菊の花弁であり、前記アルコ
    ール飲料は14度以上16度以下のアルコール濃度の清
    酒であることを特徴とする請求項2記載の香味源入りア
    ルコール飲料の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002315563A (ja) * 2001-02-15 2002-10-29 Choya Umeshu Co Ltd アルコール飲料の容器詰方法と容器詰アルコール飲料
JPWO2005039301A1 (ja) * 2003-10-23 2007-02-15 高砂香料工業株式会社 茶生葉パウダー、茶生葉パウダーより得られる処理物、抽出物、オイルおよびアロマ
JP2009178055A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Ihi Corp 高圧試験方法および装置

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