JP2001178383A - ローヤルゼリー含有ソフトカプセル剤 - Google Patents

ローヤルゼリー含有ソフトカプセル剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローヤルゼリーを含有するソフトカプセル剤
の褐色変化を防止または抑制すること。 【解決手段】 スクワレンを配合したローヤルゼリー含
有ソフトカプセル剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はローヤルゼリーを含
有するカプセル剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりローヤルゼリーのソフトカプセ
ル剤としては、ローヤルゼリーにミツロウやグリセリン
脂肪酸エステルなどの乳化剤を加え、油脂等に懸濁させ
てカプセル内容物としたものが販売されている。このよ
うなソフトカプセル剤は、一定量の成分を簡単に摂取し
やすいこと、内容成分が直接空気に触れないために空気
酸化を受けにくいこと等を特徴とする有用な整剤であ
る。しかしタンパク質を主体にアミノ酸、ビタミン類な
ど40種以上の種々の栄養素を含んだローヤルゼリーは
安定性の高い物質とは言えず、ローヤルゼリーを含有す
るソフトカプセルは、その皮膜や内容物が経時的あるい
は高温保存状態において褐色に変化してしまうことが知
られている。このローヤルゼリーの変色を防止するた
め、ソフトカプセル剤内容液にカルシウムを加えたり
(特開平11−266804号)、乾燥ローヤルゼリー
をサイクロデキストリンで抱接させたものを用いること
等が提案されているが、いずれも充分な改善が図られて
いないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ロー
ヤルゼリーを含有するソフトカプセル剤において生じる
褐色変化を抑制または防止することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
ローヤルゼリー含有のソフトカプセル剤は、ローヤルゼ
リーを10〜50重量%及びスクワレンを5〜80重量
%含有する組成物をソフトカプセル化したことを特徴と
して成るものである。
【0005】また請求項2記載のローヤルゼリー含有の
ソフトカプセル剤は、前記請求項1記載の組成物に更に
1〜30重量%の抗酸化剤及びマスキング剤を配合して
成るものである。
【0006】更にまた請求項3記載のローヤルゼリー含
有のソフトカプセル剤は、前記請求項1記載の組成物に
更に1〜30重量%の抗酸化剤、マスキング剤及び賦形
剤を配合して成るものである。
【0007】更にまた請求項4記載のローヤルゼリー含
有のソフトカプセル剤は、前記請求項2または3記載の
要件に加え、前記抗酸化剤が、抗酸化ビタミン、フラボ
ノイド及びポリフェノールの中から選ばれて成るもので
ある。
【0008】更にまた請求項5記載のローヤルゼリー含
有のソフトカプセル剤は、前記請求項2または3記載の
要件に加え、前記マスキング剤がカルシウム誘導体であ
ることを特徴として成るものである。
【0009】更にまた請求項6記載のローヤルゼリー含
有のソフトカプセル剤は、前記請求項3記載の賦形剤
が、デキストリン、サイクロデキストリン、還元糖、セ
ルロース及びポリサッカライドの中から選ばれて成るも
のである。
【0010】
【発明の作用】本発明の作用は必ずしも明らかではない
が、深海サメの肝臓より抽出した油脂の一種であるスク
ワレンの物性により、その作用がなされるものと推察で
きる。すなわちスクワレンは、化学構造上、二重結合を
多く持っていることから強力な酸化防止効果があること
によって、ローヤルゼリーに含まれる化学的に不安定な
物質を安定化させたり、成分中の糖とタンパク質及びソ
フトカプセル皮膜のゼララチンとの反応で生じる褐色変
化の原因となるメーラード反応を抑制すると考えること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明はローヤルゼリー及びスク
ワレンを含有するソフトカプセル剤を製造するものであ
る。ここでローヤルゼリーの含有率は、カプセル内容薬
液の総和に対して10〜50重量%であり、これに対し
てスクワレンを5〜80重量%、好ましくは20〜60
重量%含有させることにより、ローヤルゼリーを含有す
るソフトカプセル剤の褐色変化の抑制または防止が可能
となる。
【0012】また本発明のソフトカプセル剤には、ロー
ヤルゼリー及びスクワレンのほか、抗酸化剤及びマスキ
ング剤または更に賦形剤を配合することが可能であり、
これらの総和は1〜30重量%である。ここで抗酸化剤
としては、ビタミンC、ビタミンE等の抗酸化ビタミ
ン、フラボノイド、ポリフェノール等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0013】またマスキング剤としては、グルコン酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム、真珠カルシウム、乳酸カル
シウム、ミルクカルシウム、貝カルシウム等のカルシウ
ム誘導体、賦形剤としては、デキストリン、サイクロデ
キストリン、還元糖、セルロース、ポリサッカライド等
を挙げることができる。しかしこれらに限定されるもの
ではないことは言うまでもない。なお本発明を実施する
には、常法に従ってソフトカプセルを製造すればよく、
例えばソフトカプセル剤皮は、ロータリー式、シームレ
ス式または平板式などの方法を使用することができる。
【0014】
【実施例】以下の実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。 〔実施例1〕乾燥ローヤルゼリー45重量%、ミツロウ
5.5重量%、スクワレン49.5重量%の配合比の内
容薬液を下記の操作で製造した。スクワレンの配合処方
量の1/4量に配合処方量のミツロウを加え、できるだ
け低温で窒素気流中加熱溶解(温度:60〜70℃)
後、冷却しミツロウとスクワレンのペーストを作成し、
これに残りのスクワレンを加え、適当な高速攪拌機で窒
素気流中で攪拌均一化した。なおこのときの攪拌速度
は、スクワレンの温度が上昇しない程度のものとする
(3,000rpm以下)。更に均一化したスクワレン
とミツロウの混合物(ペースト状態)に配合量の乾燥ロ
ーヤルゼリーを加え、温度40℃以下の状態を保ちなが
ら窒素気流中で高速攪拌機で約15分間攪拌して(回転
速度は3,000rpm〜6,000rpm)均一な配
合薬液とした。
【0015】次に高圧ホモジナイザーを用い、温度上昇
がないようにして(入口温度と出口温度の差が20℃以
下)配合薬液を粉砕し、60メッシュの篩で篩過し、更
に720mmHg/cm2 以下の真空下で脱泡してソフ
トカプセル内容薬液を製造し、従来のカプセル充填製造
方法、例えば対向ロータリーダイ式のゼラチンシートシ
ームレスカプセル加工の手法を用いてカプセル化した。
【0016】
【褐色変化の抑制及び防止効果に対する試験方法及び結
果】本発明のスクワレンを含むローヤルゼリーカプセル
とスクワレンを含まない比較例1のローヤルゼリーカプ
セルを表1の条件下で保存して比較した(表1及び表
2)。このスクワレンを含まない比較例1は、本発明の
実施例1におけるスクワレンをサフラワー油に置き換え
たものであり、具体的には下記のとおりである。
【0017】
【比較例1】カプセル剤に内容薬液の総和に対して乾燥
ローヤルゼリーを45重量%、ミツロウを5.5重量
%、サフラワー油を49.5重量%の配合で下記の操作
で内容薬液を製造した。サフラワー油の配合処方量の1
/4量に配合処方量のミツロウを加え、できるだけ低温
で窒素気流中加熱溶解(温度:60〜70℃)後、冷却
し、ミツロウとサフラワー油のペーストを作成する。次
に前で作成したミツロウとサフラワー油のペーストに残
りのサフラワー油を加え、適当な高速攪拌機で窒素気流
中で攪拌均一化する。このときの攪拌速度は、サフラワ
ー油の温度が上昇しない程度のものとする(3,000
rpm以下)。更に均一化したサフラワー油とミツロウ
の混合物(ペースト状態)に配合処方量の乾燥ローヤル
ゼリーを加え、温度40℃以下の状態を保ちながら窒素
気流中で高速攪拌機の回転速度を3,000〜6,00
0rpmの回転速度で15分間攪拌して均一な配合薬液
とする。次に高圧ホモジナイザーもしくは石臼式粉砕機
を用いて温度上昇がないようにして(入口温度と出口温
度の差が20℃以下)配合薬液を粉砕し、60メッシュ
の篩で篩過する。更に720mmHg/cm2 以下の真
空下で脱泡してソフトカプセル内容薬液を製造し、従来
のカプセル充填製造方法を用いてカプセル化した。
【0018】比較に際して、色の変化の指標としてJI
S Z 8105 3007及びJIS Z 8721
に定められたJIS標準色票を用いて色の変化を測定し
た。これらの結果、1カ月の室温保存では、本発明品及
び従来手法による比較例1ともにほとんどスタート時と
変わらず、褐色変化を起こさずに推移していた。しかし
直射日光にさらした状態では、従来手法による比較例1
で赤みを帯びた褐色変化を生じていたが、本発明品では
スタート時の色とほぼ同一の色調を示していた。温度と
湿度による変化についての結果から、ローヤルゼリーカ
プセルの褐色変化は、温度依存性を示して褐色変化が進
み、且つ湿度が高いほど(カプセルに対する直接の水
分)影響が強いことも示されていた。しかしながら本発
明では、従来手法による比較例1と比較して褐色変化が
少なく、赤みを示す色調の変化をJIS規格のマンセル
表色系で表したとき、ほぼ1/4まで抑制していること
を示していた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ローヤルゼリー含有ソ
フトカプセル剤において生じる褐色変化を確実に防止ま
たは抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/02 A61K 47/02 47/08 47/08 47/22 47/22 47/36 47/36 47/38 47/38 47/40 47/40 47/44 47/44 Fターム(参考) 4B035 LC05 LE07 LG04 LG16 LG26 LG41 LG42 LK11 LK14 LK19 LP21 LP35 4B041 LC07 LD06 LE02 LH04 LH11 LK05 LK09 LK11 LK36 LP04 LP14 4C076 AA56 BB01 CC50 DD25 DD38S DD59S EE30 EE31 EE39 FF46 FF63 4C084 AA17 CA49 MA37 MA52 NA03 ZC801 4C087 AA10 BB22 NA03 ZC80

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローヤルゼリーを10〜50重量%及び
    スクワレンを5〜80重量%含有する組成物をソフトカ
    プセル化したことを特徴とするローヤルゼリー含有ソフ
    トカプセル剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物に更に1〜30
    重量%の抗酸化剤及びマスキング剤を配合した請求項1
    記載のローヤルゼリー含有ソフトカプセル剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の組成物に更に1〜30
    重量%の抗酸化剤、マスキング剤及び賦形剤を配合した
    請求項1記載のローヤルゼリー含有ソフトカプセル剤。
  4. 【請求項4】 前記抗酸化剤が、抗酸化ビタミン、フラ
    ボノイド及びポリフェノールの中から選ばれている請求
    項2または3記載のローヤルゼリー含有ソフトカプセル
    剤。
  5. 【請求項5】 前記マスキング剤がカルシウム誘導体で
    ある請求項2または3記載のローヤルゼリー含有ソフト
    カプセル剤。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の賦形剤が、デキストリ
    ン、サイクロデキストリン、還元糖、セルロース及びポ
    リサッカライドの中から選ばれている請求項3記載のロ
    ーヤルゼリー含有ソフトカプセル剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012110253A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Yawata Bussan Kk ローヤルゼリー含有組成物及びソフトカプセル
JP2013533313A (ja) * 2010-08-10 2013-08-22 アール.ピー. シェーラー テクノロジーズ エルエルシー マイクロカプセル化されたプロバイオティクス細菌を含む安定なソフトゲルカプセルを製造する方法

Cited By (3)

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JP2013533313A (ja) * 2010-08-10 2013-08-22 アール.ピー. シェーラー テクノロジーズ エルエルシー マイクロカプセル化されたプロバイオティクス細菌を含む安定なソフトゲルカプセルを製造する方法
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