JP2001177994A - 補償器制御装置 - Google Patents

補償器制御装置

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JP2001177994A JP2000108084A JP2000108084A JP2001177994A JP 2001177994 A JP2001177994 A JP 2001177994A JP 2000108084 A JP2000108084 A JP 2000108084A JP 2000108084 A JP2000108084 A JP 2000108084A JP 2001177994 A JP2001177994 A JP 2001177994A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流制御と電圧制御が相互に独立しているト
ランスレス無効電力直列補償装置の制御装置を得る。 【解決手段】 電流制御ループおよび電圧制御ループ
は、線電流(i)および補償器(3)の直流コンデンサ
(CDC)の直流コンデンサ電圧(uDC)を所要基準値
(id ref、uDC ref)に対して制御するようにそれぞれ
変調指数mq’、md’を出力するために装備される。制
御装置は、線電流(i)が直流コントローラ(16)の
出力から独立し、コンデンサ電圧(uDC)が電流コント
ローラ(20)の出力から独立するように非干渉制御手
段(25)を含む。変調信号生成手段(13、14)は
m=mqcos(wt)−mdsin(wt)の形におけ
る変調信号mを生成し、送電線(2a、2b)へ直列挿
入されたトランスレス無効電力直列補償器(3)へ供給
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力送電線に直列挿
入された変圧器なし無効電力直列補償器の非干渉制御を
実施するコントローラに関する。一般に、この種の変圧
器なし無効電力直列補償器において、補償器から送電線
に印加された線電流、及び/又は、電圧を制御するため
にインバータ制御が実施される。電圧/電流制御は送電
線の一端からもう一方の端への電力流の制御、および、
印加電圧を供給するコンデンサを充電するために補償器
のインバータへの電力流入の実施を可能化する。
【0002】一般に、以下に更に詳細に説明するよう
に、線電流の無効部分と有効部分をそれぞれ制御するた
めに、電流フィードバック制御ループ及び電圧フィード
バック制御ループが用いられる。そのために、インバー
タのPWM制御がこれに基づいて実施される変調信号は
特定位相の正弦波信号である。変調信号の振幅および位
相を調節すると、電力制御の実施を可能にする。
【0003】ただし、送電線電流と電圧の干渉に起因し
て、電流および電圧フィードバック制御ループは相互に
独立していない。即ち、電圧コントローラの出力制御信
号は実測電流に影響する。同様に、電流コントローラに
よって出力される電流制御値は実測電圧に影響する。電
流と電圧の独立制御、即ち、電流フィードバック制御ル
ープにおける信号と電圧フィードバック制御ループにお
ける信号とは相互に影響しないことを可能にするために
本発明のコントローラが特に装備される。
【0004】
【従来の技術】近年、融通性交流送電システム(FAC
TS)用電力電子装置が研究され、実用系統へ適用され
ている。変圧器なし無効電力直列補償器はこれらの装置
の1つであり、上述したように電力流制御を実施するた
めに効果的である。変圧器なし無効電力直列補償器は変
圧器を含まないので、そのサイズが小さく、かつ有利に
使用できる。
【0005】図1および図2は、それぞれインダクタン
スLACおよび抵抗RACを持つ送電線2a、2bを介して
相互に干渉する2つの交流電力系統1a、1bを含む送
電系統の一般的な構成を示す。図1および図2に示すよ
うに、送電系統は単相システム又は3相システムであ
る。単相システムにおいては、ただ1つの直列補償器3
を装備することが必要であるが、3相システムにおいて
は、図2に示すように、複数の直列補償器3がそれぞれ
直列に挿入される。参照番号3a、3bはそれぞれ、そ
れぞれの1つ又は複数の直列補償器が直列挿入されてい
る端子を示す。
【0006】図3に示すように、一般的な直列補償器3
は、起動スイッチ4、フィルタ12、インバーター7、
直流コンデンサCDC、制御手段C、鋸歯波ゼネレータ1
0、変調信号生成手段11を含む。インバーター7は、
制御手段Cによって出力されるPWM制御信号SW5a
SW5b、SW5c、SW5dによって各々制御される4つの
サイリスタ5a、5b、5c、5dを含む。
【0007】用語「サイリスタ」とは、一般に、図3に
示すように、その導通を遮断することが制御不可能な装
置であるが、インバータ用にはPWMが用いられるの
で、ゲート遮断型サイリスタが用いられる。GTO(ゲ
ートターンオフサイリスタ)、GCT(ゲート転流サイ
リスタ)、IGBT(絶縁ゲート双極式トランジスタ)
は一般に図3に示す種類のスイッチング電力装置として
使用することが可能であるので、今後、用語「サイリス
タ」は、全てのこの種スイッチング電力素子を含むもの
と仮定する。
【0008】各サイリスタは、逆並列に接続されたダイ
オード6a、6b、6c、6dを有する。フィルタ12
は、インバータ7のPWM制御によって生成する更に高
次の高調波を濾波するための2つのリアクタ9b、9a
及び1つのコンデンサ8を含む。フィルタ端子は、サイ
リスタ5a、5bとダイオード6a、6b、及び、サイ
リスタ5c、5dとダイオード6c、6dそれぞれの相
互接続部へ接続される。直流コンデンサCDCは、サイリ
スタ及びダイオードのもう一方の端子に接続される。
【0009】直列補償器3の回路構成は従来型であり、
例えば、同一出願者による欧州特許出願EP 98 1
16 096.3およびEP 98 106 780.
4に開示済みである。特に、これら2つの特許出願は、
直列補償器3の起動および停止制御について記述してい
る。
【0010】インバータ7のPWM制御は、主として図
4のダイアグラムに示すように実施される。図3におけ
る変調信号生成手段11は正弦波変調信号mを生成し、
鋸歯波ゼネレータ10は2鋸歯搬送信号cs1、cs2
を出力する。PWM制御信号SW5a、SW5dは、変調
信号mをそれぞれの搬送信号cs1、cs2と比較する
ことにより生成される。すなわち、変調信号振幅が搬送
波信号cs1振幅より大きい場合には、PWMスイッチ
ング信号SW5aがオンであり、変調信号振幅の方が小さ
い場合にはオフである。同様に、変調信号の振幅が反転
された搬送波信号cs2より大きい場合には、もう一方
のPWMスイッチング信号SW5dはオンからオフへ切り
替えられる。PWM信号SW5a、SW5dは、サイリスタ
5a、5dをトリガするために使われる。勿論、同様の
制御がサイリスタ5b、5cにも適用されるが、説明を
簡単にするためにここで記述しないことに注意された
い。
【0011】直流コンデンサCDCがuDCに充電されるも
のと仮定すれば、接続端子3a、3bにおける出力電圧
cは図4のグラフ底部に示すような波形となる。変調
信号、及び/又は、搬送波信号の振幅を変えることによ
り、及び/又は、変調信号、及び/又は、搬送波信号の
位相を変えることによって異なる波形の出力電圧u
c(以後、インバータ端子電圧または補償器出力電圧と
も称する)が達成されることが理解されるはずである。
図4と図3を比較すると、出力電圧ucは実質的に端子
3a、3bに供給される電圧であることが理解できる。
【0012】図4から、端子電圧ucはインバータ7の
PWM制御に起因して変化するかのように見えるが、線
インピーダンスLACによる干渉効果を介して電流と電圧
はリンクしているので、勿論、線電流iも同様に変化す
るはずである。ここで、PWM制御が線電圧および線電
流に同時に及ぼす影響について説明することとする。
【0013】電流および電圧制御を説明するために必要
な図3の本質的な部分の概要ダイアグラムを図5に示
す。図6は、図5に関する原理フェーザダイアグラムを
示す。図1の場合と同様に図5においても、補償器3
は、交流電力系統1a、1bに接続されている送電線2
a、2b間に直列的に接続される。電流制御と電圧制御
の位相関係について説明するためには、勿論図5の場合
にも線インピーダンスRACは同様に存在することは理解
しなければならないが、線インピーダンスRACについて
明白に考察する必要はない。参照番号7で示すブロック
を用いてインバータ制御について概略的に説明すること
とする。変調信号mはPWM制御を実施するために供給
される。uLは線インピーダンスLACの結果として発生
する電圧であり、iは線電流であり、iDCは直流コンデ
ンサCDCを流れる電流であり、uDCは直流コンデンサC
DCの電圧であり、ucは直列補償器3の出力電圧であ
る。更に、uxは、交流供給源間の差電圧に相当する架
空電圧である。説明を簡単にするために、位相関係に関
する限り、スイッチング損失、コンデンサの漏洩損失、
及び/又は、直流フィルタの損失を含む直流側における
漏洩コンダクタンス、即ち、直流コンデンサCDCに対し
て実質的な並列抵抗は考慮する必要がない。
【0014】図6は原理フェーザダイアグラムを示し、
図5に関して説明の対象となる電圧をその中に示す。補
償器3は、直流コンデンサ電圧uDCを用いて、限られた
振幅をもつ任意の位相の出力電圧ucを出力することが
できる。図7(a)、(b)、(c)はそれぞれ、線電
流iの制御に際して補償の無い場合、容量性作動する場
合、誘導性作動する場合を示す。即ち、補償器3がゼロ
電圧ucを線(ライン)に注入する場合、インダクタン
ス電圧uLは架空電圧ux(図7(a))と同じである。
この場合、線電流iは、インダクタンス電圧uLに対し
て90°位相遅れをもって送電線を通る電流である。
【0015】補償器3が線電流iに対して90°進んだ
容量性電圧ucを注入する場合、インダクタンス電圧uL
は増大し、従って、線電流iも増大する(図7
(b))。
【0016】他方、補償器3が誘導電圧を線(ライン)
に注入する場合(ucはインダクタンス電圧uLと同位相
である)、インダクタンス電圧uLは減少し、従って、
線電流iも減少する(図7(c))。従って、補償器3
の第1目的は、補償器3によって出力される電圧により
(補償器出力電圧ucの振幅および位相により)線電流
iを制御(増加/減少)可能にすることにある。更に、
勿論、当業者は、単相に関して上述した事を、3相シス
テムに対して同じ仕方において実現する。
【0017】勿論、図7に示す制御は、そうでなければ
線(ライン)への電圧注入は不可能なはずであるので、
直流コンデンサCDCが所定電圧uDCまで充電された場合
に限り、実施可能である。蓄電池または別の電源を使用
する代わりに、線(ライン)から直流コンデンサCDC
流入する電力流が実施されるように、補償器3を同様に
制御することは有利である。この種の線(ライン)から
コンデンサへの充電または有効電力流については、図8
及び図9を参照して説明することとする。
【0018】既に述べたように、直流コンデンサCDC
充電には、送電線2a、2bからインバータ7を介して
直流コンデンサCDCへの有効電力を必要とする。電力系
統1a、1bから有効電力を取るには、補償器3が印加
交流電圧ucの有効成分を直流コンデンサCDCに供給し
なければならない。
【0019】定常状態においては、図7(c)に関して
既に説明し、同様に図8(a)にも示すように、補償器
3は、線電流iに対して90°の位相差を持つ無効電圧
cを出力する。この状況は、図8(a)および6
(c)に示すように、充電制御の初期状態および最終状
態に存在する。
【0020】有効電力を取り入れるために、補償器3が
短期間に亙って有効成分を出力する場合、図8(b)に
示すように、インダクタンス電圧も過渡的に変化する。
過渡インダクタンス電圧はdi/dt成分およびωLi
成分を含む。di/dt成分の生成に際して、ωLi成
分が影響される。次に、ωLi成分の変動はdi/dt
成分に影響し、図8(b)に示すように、線電流は揺動
状態で変動する。従って、充電プロセスはコンデンサ電
圧に影響するだけでなく、線電流にも影響する。電流お
よび電圧の動的動作を考察することから理解されるよう
に、理由は線インダクタンスLACを介する干渉効果であ
る。
【0021】すなわち、インダクタンスLACの電圧方程
式は次のように表される。
【0022】
【数1】
【0023】ここに、LAC、i、uACはそれぞれ線イン
ダクタンス、線電流、インダクタンス電圧である。次式
(1.2)及び(1.3)に示すように定常状態条件に
おいて、その周波数がωであるような回転基準フレーム
が導入された場合においては、
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】電圧方程式(1.1)は、次のように成分
方程式に分解可能である。
【0027】
【数4】
【0028】
【数5】
【0029】図8(b)に示すように、Ud(印加電圧
の有効部分)が変化すると、Id(電流の有効部分)も
変化し、Iq(電流の無効部分)も同様に影響される。
【0030】直流電圧に対する線電流制御の干渉を図9
に示す。線電流制御による補償器電圧の無効成分の急速
な変化は、インダクタ電圧のdi/dt成分を生成す
る。従って、線電流フェーザiは最初の変化の方向に向
かって動く。次に、ωLi成分およびdi/dt成分
は、干渉が反対向きであることを除いて同じメカニズム
により相互に影響する。その結果として、線電流は変動
し、かつ補償器電圧と同位相成分である有効成分を含
む。この段階において、図9(b)に示すようにこの有
効成分は、送電線から直流コンデンサCDCへ過渡状態に
おける有効電力流を生じさせる。ただし、線電流が制御
される場合には、明らかに線電流制御により直流電圧も
影響を受ける。
【0031】図5、6、7,8、9についての記述から
理解されるように、直列補償器用コントローラの主目的
は、図7に示すように線電流を増加/減少させるような
制御を実施し、図8、9に示すように、有効電力が直流
コンデンサCDCに流入することを可能にすることによっ
て直流コンデンサCDCを充電することにある。この種の
コントローラについて以下に説明することとする。
【0032】図10および図11はそれぞれ単相および
3相システム用コントローラを示す。実質的に電流ルー
プ及び電圧ループを有するこの種コントローラは、パワ
ーエレクトロニクスとその応用に関する第8回欧州会議
(EPE)の講演論文集、Lausanne、1999
年、頁1−10「Hybrid transforme
rless reactive series com
pensators」(ハイブリットトランスレス無効
電力直列補償器)を典拠としてよく知られている。図1
0を参照しながら単相システムの原理制御方式について
以下に説明することとする。
【0033】直列補償器3の構成は、図3又は図5、6
に関して既に説明したとおりである。それは、補償器端
子3a、3bにおいて、送電線2a、2bに直列接続さ
れる。補償器3は変調信号mによって制御される。電流
センサ24は線電流iを感知し、電圧センサ26は直流
コンデンサ電圧uDCを感知する。
【0034】電流と電圧の間には次の方程式によって表
される次の関係が存在する(この場合には線抵抗RAC
含まれる)。
【0035】
【数6】
【0036】
【数7】
【0037】方程式(1.2)及び(1.3)の場合と
同様に、定常状態における基準フレームωを再度導入す
ることにより、次式が得られる。
【0038】
【数8】
【0039】
【数9】
【0040】
【数10】
【0041】勿論、当業者は、これらの方程式が、たと
えば、i=Re[(id+jiq)ejωt]のような複
素数平面におけるフェーザ式と同じであることを理解す
る。方程式(2.3)〜(2.5)を方程式(2.1)
に挿入することにより、次の方程式が得られる。
【0042】
【数11】
【0043】回転基準フレームωにおける交流電流の動
方程式を求めるために、三角関数の係数が次のように導
出される。
【0044】
【数12】
【0045】
【数13】
【0046】方程式(2.7)および(2.8)はそれ
ぞれ電流動特性を表す。交流辺と直流辺の電力均衡を用
いて、方程式(2.2)における直流電圧動特性は交流
電流現行力学に関係付けることができる。勿論、補償器
3の出力端子端3a、3bにおける出力電圧ucはイン
バータ7に適用された変調mに直接関係する。従って、
原理的には、補償器3の出力電圧ucは変調信号mとの
間に次の関係を有する。
【0047】
【数14】
【0048】再び、基準フレームωを導入し、基準フレ
ームをm=mdcos(ωt)−mqsin(ωt)とし
て変調信号にも適用すれば、振幅に関して次の関係が存
在しなければならない。
【0049】
【数15】
【0050】
【数16】
【0051】方程式(2.10)および(2.11)を
方程式(2.7)および(2.8)に挿入することによ
り、次式が得られる。
【0052】
【数17】
【0053】
【数18】
【0054】補償器の瞬間的な交流有効電力PAC=uC
*iおよび直流電力PDC=UDC*iD Cは、コンバータに
おける損失の無い状態の下では平衡していなければなら
ないので、直流電流は次式で表される。
【0055】
【数19】
【0056】ここに、△iDCは、単相における交流電力
の変動に起因する電流変動を表す。△IDCは次式で表さ
れる。
【0057】
【数20】
【0058】従って、方程式(2.14)を方程式
(2.2)に代入することにより、直流電圧動特性は次
式(2.16)の方程式を得ることができる。
【0059】
【数21】
【0060】前述の方程式で、特に方程式(2.12)
および(2.13)は、交流電流(idおよびiq)及び
直流電圧(uDC)は、変調指数mdおよびmqを介して得
られる変調信号(mdおよびmq)を介して実際に制御可
能であることを示す。同様に、方程式(2.16)も、
これが可能であることを示す。
【0061】図10に示すように、基本コントローラ
は、システム内の2つのフィードバック制御ループで構
成され、ここに一方は交流電流振幅制御であり、もう一
方は直流電圧制御であって、これらは一連の方程式で導
出された変調指数に基づく。無効電力直列補償器は定常
状態における無効電力だけが制御可能であり、交流電流
におけるq軸成分は位相ロックループ18によってゼロ
に保持されるので、mqは誘導性および容量性電圧と関
係があり、交流線電流振幅を制御するために用いられ
る。mdは有効電力に関係し、方程式(2.16)にお
けるiq=0において唯一の利用可能な信号であるの
で、直流電圧はmdによって制御される。
【0062】図10は直列補償器の基本制御のブロック
図を示す。このコントローラは、振幅検出器21を有す
る電流コントローラ20、フィルタ15を有する直流電
圧コントローラ16、電流位相検出器(PLL)18、
座標変換ユニット14、及び、直流電圧変動補償手段1
3による直流電圧変動補償から構成される。
【0063】原則として、図10に示すコントローラ
は、前述の方程式(2.12)、(2.13)、(2.
16)によって規定された制御を実施する。振幅検出器
21は、電流検出器24によって感知された線電流iの
電流振幅を検出する。参照番号22は、振幅検出器の出
力値idからコマンド値id refを減算する減算器を示
す。参照番号20は、例えば変調信号の実数部分mq
出力するPIまたはPIDコントローラのような電流コ
ントローラを示す。
【0064】参照番号15は、基本周波数の第2高調波
を濾波するフィルタを示す。参照番号19は、電圧コマ
ンドuDC refからフィルタ15の出力を減算する減算器
を示す。参照番号16は直流電圧コントローラ、即ち、
変調信号mの虚数部分mdを出力するPIまたはPID
コントローラを示す。
【0065】既に説明したように、参照番号18は、電
流検出器24によって検出された線電流iの位相にロッ
クされた基準信号sin(ωt)、cos(ωt)を出
力する位相検出器(例えば位相ロックループPLL)を
示す。既に説明したように、基本的に、無効電力直列補
償器3は無効電圧ucを出力し、従って、場合によって
は、制御システムが交流線電流iの位相に関する入力を
必要とする。図10に示す単相システムにおいて、交流
電流iを利用した位相の直接測定が用いられる。位相検
出器18は、位相の三角関数を生成する位相ロックルー
プPLLを含む。
【0066】参照番号14は、変調信号mの実数および
虚数部分mq、mdに基準信号cos(ωt)、sin
(ωt)をそれぞれ乗算する第1および第2乗算器14
a、14bを含む座標変換手段を示す。参照番号14c
は、第2乗算器14bの出力から第1乗算器14aの出
力を減算する減算器を示す。出力は複素数信号であり、
変調信号m0である。
【0067】参照番号13は、既に言及したように、乗
算器13aおよび除算器13bを含む直流電圧変動補償
手段を示す。乗算器13aは、減算器14cからの出力
信号に除算器13bからの出力を乗算し、変調信号mを
出力する。除算器13bは、フィルタ15からの出力を
フィルタ15の入力によって除算する。フィルタ15及
びユニット13を使用すると高調波の影響を有利に軽減
できるが、これらは任意装備品である。
【0068】前述のユニットは、感知された電流iおよ
び感知された直流コンデンサ電圧u DCに基づく電流およ
び電圧に関する2つの制御ループを形成する。
【0069】電流制御ループはフィードバック制御を用
いて交流電流の振幅を制御するためにq軸変調指数mq
を出力する。電流コントローラ20は、測定した電流振
幅idが基準値よりも大きい場合、一層小さい電流作動
点へ移動するように、正方向におけるmqを修正する。
測定した電流振幅idが基準値より小さい場合には、反
対方向に演算が実施される。従って、電流コントローラ
20直前の減算器22は、基準信号id refに対しては負
記号をもつ。振幅検出器21は、単相補償器に対して
は、ピーク検出器および整流器等であることが好まし
い。
【0070】一方、電圧コントローラ16は、補償器3
の直流電圧を制御するために、変調信号mの有効成分m
dを出力する。直流電圧が低下すると、電圧コントロー
ラ16は、補償器3の交流電圧の有効電力成分が増大す
るようにmdを増大させ、交流システムから直流コンデ
ンサへの電力流入が実施される。直流電圧uDCが増大す
ると、直流電圧コントローラ16によって、mdは負方
向に修正される。1サイクルにおける単相交流電力の変
動に起因して、直流電圧には、基本周波数の2倍の変動
が生じる。この周波数は一般に電圧制御ループの優勢周
波数よりはるかに高いので、コントローラにおける変動
を軽減するためには検出フィルタ15を装備することが
好ましい。
【0071】位相検出器18は、一方において同位相基
準正弦波信号sin(ωt)を供給し、他方において交
流電流に直交するcos(ωt)を供給するために、交
流電流iの位相を検出するか、又は、これに追従する。
図10において、cos(ωt)は同位相の基準信号で
あり、sin(ωt)は90°異なる信号である。
【0072】mq及びmdが電流及び電圧制御ループから
出力される場合、合成器14、即ち座標変換手段は、m
d及びmqを単相交流変調信号へ変換する。この場合、変
換における減算がmqsin(ωt)に関して負符号を
持つように、mqは交流電流に対して90度進んだ成分
である。
【0073】既に説明したように、直流電圧変動補償手
段13は、座標変換手段14の下流に装備される。単相
交流/直流コンバータの場合、直流電力変動の周波数は
交流送電系統の基本周波数の2倍である。更に、補償器
の出力交流電圧はm*uDCによって表示される。変調信
号mが正弦波である場合には、当該変調信号は変動によ
って歪められるはずである。従って、変動の補償は、第
2高調波を含まない状態に出力電圧を保つように実施さ
れることが好ましい。フィルタ15によって出力される
濾波済み直流電圧(変動なしで)を瞬間直流電圧u
DC(変動あり)によって割り算することにより、減算器
19に補償信号が供給される。座標変換の出力はこの補
償信号が掛け算される。従って、減算器19へ入力され
る補償信号入力はuDC 0/uDCとして表すことができ
る。この場合、uDC 0はコンデンサ電圧u DCの直流成分
である。従って、変調信号は次のように表現できる。
【0074】
【数22】
【0075】ここに、m0は変換ユニット13の出力で
あり、補償器の出力電圧ucは、次式で表されるように
0に比例する。
【0076】
【数23】
【0077】図10は単相システム用コントローラの原
理的構成を示すが、図11に示す3相システムコントロ
ーラは、図10の単相システムに完全に類似する。図1
0に示すユニットに加えて、図11は3相極座標変換ユ
ニット21及び位相回転ユニット17も含む。位相検出
器18は、基準フレームωに関して3つの線電圧の位相
を検出する電圧検出器23から信号を受け取る。3相極
座標変換ユニット21は、電流検出器24によって検出
された3相電流値に関する電流振幅idを出力する。同
様に、図10に示す位相検出器18によって出力される
基準信号sinθ、cosθは、ここで、電流位相検出
器17によって出力される。図10の場合と同様に、座
標変換手段14は、変調指数mq、md並びに3相極座標
変換ユニット21によって出力された検出済みの電流振
幅idを受け取る。図11における他のユニットは、補
償器3、直流電圧変動補償手段13、座標変換手段1
4、直流電圧コントローラ16、及び、2fフィルタが
それぞれ各位相に装備されている点だけが異なる、図1
0に関して既に記述されたユニットと完全に対応する。
【0078】既に述べたように、基本的に、無効電力直
列補償器3は無効電圧ucを出力し、従って、3相系統
における制御システムも交流線電流iの位相に関する入
力を必要とする。図11に示す3相系統においては、交
流電圧を使用する位相の間接測定が用いられる。第1位
相ロックループPLLを含む位相検出器18は交流電圧
の位相を生成する。ただし、交流電圧位相は交流電流の
位相と同じではないので、修正が必要とされる。この修
正は、位相差検出ユニット21および位相回転ユニット
17によって実施される。これらのユニット21、17
を用いると、修正された信号sinθ、cosθは交流
電流iに同期化される。これらユニットの機能は次のと
おりである。
【0079】ユニット21は、電流センサ24によって
検出された3相交流電流を受け取り、その振幅、およ
び、交流線電圧の位相を感知する位相検出器18からの
出力sinωt、cosωtによって供給される交流電
圧の位相に対する位相差を出力する。従って、ユニット
21は振幅検出および位相差検出を介した位相ψに基づ
いて電流振幅idを出力する。
【0080】既に説明したように、ユニット18は基本
的に位相検出の責任を負い、対応する位相の三角関数を
出力する。従って、三角関数は入力交流電圧の単位振幅
信号を表す。例えば、交流電圧の1つの位相と余弦関数
は同位相であり、もう一方の位相は±120°の差があ
る。単位振幅の交流信号がユニット14において用いら
れる。位相回転ユニット17は、それぞれ交流線電圧と
同位相である電圧PLLユニット18の三角関数を受け
取る。ただし、座標変換手段14は、交流電圧位相でな
くて交流電流位相を必要とする。従って、位相回転手段
17は、三角関数の位相が交流電流の位相と同じである
ように電圧PLLユニット18による出力を修正する。
これは、基本的に、デカルト成分、即ち正弦と余弦によ
ってデカルト座標に表されるベクトルの回転変換によっ
て達成される。
【0081】ただし、前述の干渉方程式(1.1)〜
(1.5)および(2.1)〜(2.16)から明瞭に
分かるように、図10、11に示すコントローラにおけ
る制御は、独立していない電流および電圧制御を実施す
る。
【0082】上述した電流および電圧制御用の制御シス
テムを要約して図12の構成図に示す。即ち、電流制御
ループはユニット24、21、18、22、20によっ
て提供され、電圧制御ループはユニット26、15、1
9、16によって提供される。コンバイナ14、13
は、最終的に変調信号mを補償器3に出力するために、
変調指数mqとmdを組み合わせる。
【0083】方程式(2.12)、(2.13)、
(2.16)から分かるように、コントローラの本質的
な問題は、ラインリアクタンスLACに起因する電流と電
圧の干渉により、本質的に電圧uDCも変調指数mqに依
存するような仕方において(概略図線VDEPによって
示すように)制御が実施され、検出された電流idも本
質的に(概略図線CDEPによって示すように)変調指
数mdに依存することである。
【0084】図12におけるVDEP、CDEPと同じ
依存性が図13の概略図にも示される。図15は、図1
3の伝達関数の周波数特性の例、および、送電線におけ
る振幅の異なる電流を示す。図14、15に示すよう
に、変調指数mdの有効成分から電流振幅idへの干渉は
電流振幅の主伝達関数よりも大きい。もう一方の干渉
は、主伝達関数と比較した場合、高い周波領域における
利得が一層大きい。更に、主伝達関数は作動点(この場
合には、電流振幅)によって変化し、従って、図13に
示す制御システムを用いると、制御性能は低下する。更
に、図12、13に示す干渉制御は、単相システム又は
3相システムのいずれの場合にも独立して行われること
に注意されたい。
【0085】図14は、干渉制御を含む基礎的制御のス
テップレスポンスを示す。図14の時点0.1に示すよ
うに、直流電圧のステップ関数を変えると(電流に対す
る電圧の動的干渉を決定するために)、交流線電流には
大きいパルスが発生する。同様に、ステップ関数、即
ち、直流線電流edが同様に変化した場合には、時点
0.5において、直流電圧にも同様の変化が発生する。
従って、変圧器なし無効電力直列補償器用の従来型コン
トローラにおいては、電圧と電流制御は独立して実施す
ることが不可能であることが図14に示される。
【0086】
【発明が解決しようとする課題】既に説明したように、
従来型コントローラにおいては(電流への電圧クロスカ
ップリングが電圧への電流カップリングよりも強力であ
る場合であっても)、電流制御は電圧制御に依存し、電
圧制御は電流制御に依存してしまうという問題点があっ
た。
【0087】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、電流制御と電圧制御が相互に独
立している、即ち、電流制御コマンドによって、電流が
電圧から独立して制御可能であり、電圧は電圧制御コマ
ンドに応答して電流から独立して制御可能であるコント
ローラを提供することを目的としている。
【0088】
【課題を解決するための手段】この目的は、送電線に挿
入された無効電力直列補償器を制御するコントローラに
よって達成される。前記コントローラは、送電線を流れ
る線電流を検出する線電流検出手段と、無効電力直列補
償器のインバータの変調器へ接続されたコンデンサの直
流電圧を検出する直流電圧検出手段と、送電線の周波数
がωである場合にm=mdcos(ωt)−mqsin
(ωt)の形で補償器の変調器に変調信号として供給さ
れるインバータ変調信号を生成する変調信号生成手段
と、基準値に対して線電流を制御する電流制御ループと
を有し、前記電流制御ループの電流コントローラは変調
信号用変調指数mqを出力し、所定の基準電圧に対して
直流コンデンサの直流電圧を制御する電圧制御ループを
有し、前記電圧制御ループの直流電圧コントローラは前
記変調信号用変調指数md’を出力し、電流コントロー
ラから変調指数mq’と直流電圧コントローラの変調指
数md’を受け取り、線電流が直流電圧コントローラの
出力md’から独立し、かつ直流コンデンサ電圧が電流
コントローラの出力mq’から独立するように新規変調
指数mqおよびmdを変調信号生成手段へ出力する非干渉
制御手段を有し、ここに、交流電流振幅および直流コン
デンサ電圧が独立して制御可能である。
【0089】本発明の一態様にしたがい、非干渉制御手
段が、電圧および電流制御ループ内に提供され、かつ、
電圧制御の変調指数から独立した電流制御を実施し、電
流変調指数から独立した電圧制御を実施するように構成
される。
【0090】非干渉制御手段は、従来型コントローラの
座標変換手段の上流に装備されることが好ましい。
【0091】本発明の非干渉制御手段は、線形システム
の伝達関数に基づいた線形制御、または、近似された非
線形微分方程式に基づいた直接補償のいずれかに基づ
く。
【0092】本発明の更なる有利な実施形態および改良
は添付従属請求の範囲にリストされる。
【0093】以下に、本発明の有利な実施形態に関して
説明することとする。ただし、以下に図説する事柄は当
発明者が現時点における本発明の最良態様と推測する事
柄に関するものであることを理解されたい。特に、本記
述および特許請求の範囲内に独立して記述および請求さ
れている特徴から成る実施形態は本発明に含まれるもの
とする。
【0094】
【発明の実施の形態】図12および13について既に説
明したように、電流および電圧に関する2つの主制御ル
ープは従来技術におけるクロスカップリングを有する。
このクロスカップリングは、正確な制御のために必要と
される非干渉制御といったものであり、本発明はこのよ
うな非干渉制御を提供し、その原理は非線形微分方程式
を基調とする直接補償に基づく。
【0095】干渉微分方程式を非干渉にする導出方法の
詳細について言及する前に、図12及び図13に示され
る従来例と図16及び図17に示される本発明とを比較
して一般的な考察を行うこととする。
【0096】図17は発明に従うコントローラの原理構
成図である。図17に示すように、本発明のコントロー
ラは電流検出器24およびフィードバック経路21、1
8、及び、電流コントローラ20を含む順方向経路によ
って形成される電流制御ループから成る。同様に、電圧
制御ループは電圧検出器26、フィードバック経路15
及び直流電圧コントローラ16を含む順方向経路により
構成される。図7、6、7について既に説明したよう
に、線電流iおよび電圧ucは、基準電流値id re f及び
基準電圧uDC refに関して所要値を設定することによ
り、変調信号mを介して調節可能である。
【0097】ただし、図17に示すように、本発明のコ
ントローラは、電流コントローラ20及び直流電圧コン
トローラ16の下流の非干渉制御手段25を含む。非干
渉制御手段25は線交流電流iを制御するための第1変
調制御信号mqおよび補償出力電圧を制御するための第
2変調制御信号mdを出力する。
【0098】第1および第2制御信号mq、mdは、第1
制御信号mqの変動が直流制御電圧uDCに影響しないよ
うに、即ち、コンデンサ電圧uDCが、電流コントローラ
20によって出力される制御信号muから独立するよう
に選択される。同様に、第2制御信号mdは、線電流に
影響しないように、即ち、線電流iが第2制御信号md
から独立するように選択される。従って、補償器にはた
だ1つの変調信号m(所定の振幅および位相の複合信
号)だけが供給され、id refの変化は線電流の振幅だけ
を変え、uDC refの変動だけが直流コンデンサ電圧
DC、ひいては、補償器の出力電圧ucだけを変える。
従って、本発明のコントローラにおいて、電流と電圧
は、非干渉制御手段25を使用することにより、独立し
て調節可能である。即ち、本発明のコントローラにおい
て、電流制御ループは電圧制御ループと独立して動作す
る。
【0099】実質的に、図13と図16の間の比較によ
って分かるように、非干渉制御手段25は、電流伝達関
数ブロックCTF、電圧伝達関数ブロックVTF、電圧
電流伝達ブロックVCTF、及び、電流電圧伝達関数ブ
ロックCVTFによる干渉発生が相殺されるような、あ
る種の逆作用を実施しなければならない。即ち、電流コ
ントローラ20および電圧コントローラ16が図12に
示す従来型システムと同様に作動する場合には、非干渉
制御手段25は、ブロックCTF、VCTF、CVT
F、VTFを介して伝達された場合に、これらのブロッ
クの効果を厳密に相殺するある種の前以て歪ませた変調
インデックスmq’、md’を出力する。特に、非干渉制
御手段25は、電流制御ループと電圧制御ループの干渉
を起こさせるクロスカップリングブロックVCTF、C
VTFの除去を可能にする。
【0100】近似非線形微分方程式に基づいて非干渉制
御手段25が作成される方法の一例を以下に記載する。
ただし、線形化システムの伝達関数に基づいてこの種の
非干渉制御手段25を導出することも可能であることに
注意されたい。非線形微分方程式に基づいた直接補償
は、動作点が直接補償可能であること、及び、動作点が
2、3のシステムパラメータのみに依存するという利点
を持つ。さらに、単に電流および電圧のみを測定し、コ
ントローラに供給することが必要であるという利点を持
つ。従って、非線形微分方程式による方法は、広範囲に
亙る動作および可能性の殆どの状態変数が測定可能であ
るという好ましい方法である。
【0101】非干渉制御に関する関連微分方程式を導出
するためには、交流電流方程式が導出されなければなら
ない。これは、次式の方程式を導く時間に関する方程式
(2.12)の導関数を求めることにより達成される。
【0102】
【数24】
【0103】方程式(2.13)および(2.16)を
使用すると、idおよびiq成分に分割される線電流に関
する全微分方程式は次式のように導出される。
【0104】
【数25】
【0105】方程式(4.2)において、mqの前の括
弧内の式は交流電流idを制御するための入力であり、
dによって乗算される式、即ち、mdの微分係数は干渉
項である。交流電圧成分によって乗算される項は外乱と
見なすことができる。式(4.2)を図13と比較する
と、時間微分dmd/dtの微分係数は主過渡干渉ブロ
ックVCTFであり、mqによって乗算される式におけ
るωuDCは変化作動点の影響であることが分かる。一般
に変動周波数はコントローラの帯域幅よりはるかに高い
ので、単純化するために、直流電流変動ΔiDCは無視で
きる。更に、外乱は、フィードバック又はフィードフォ
ワードループによって制御可能であり、周波数変動は干
渉に較べると小さい影響に過ぎないと見なされる。従っ
て、方程式(4.2)および(2.16)は次のように
近似可能である。
【0106】
【数26】
【0107】
【数27】
【0108】これら2つの方程式(4.3)および
(4.4)は2つの制御ループの干渉の動的動作を完全
に示す。本発明によれば、電流制御ループが電圧制御ル
ープから独立するように、即ち、交流電流振幅と直流電
圧は独立して制御可能であるように変調指数mqおよび
dは選定されなければならない。この必要条件は、次
のように数学的に表現できる。
【0109】
【数28】
【0110】
【数29】
【0111】これら2つの方程式(4.5)および
(4.6)において、KdおよびKqは定数であり、
d’およびmq’は電流振幅制御および直流電圧制御の
ための新規制御信号入力(または、変調指数)であると
簡単に要求できる。実際には、方程式(4.5)および
(4.6)に従ってシステムが設計可能であれば、補償
器がその限界内で作動する限り、完全な非干渉が達成さ
れるはずである。方程式(4.3)と方程式(4.5)
および方程式(4.4)と方程式(4.6)を比較した
場合、mdとmqは、次の方程式を満足させなければなら
ない。
【0112】
【数30】
【0113】
【数31】
【0114】これらの方程式は、md’およびmq’の関
数として、mdおよびmqに関して次のように解が求めら
れる。
【0115】
【数32】
【0116】
【数33】
【0117】mdの追加的な時間従属微分係数が存在す
るので、勿論、方程式(4.9)を直接的にコントロー
ラにおいて技術的に具現することは可能でない。方程式
(4.9)がmdの非線形微分方程式と見なすことがで
きる場合であっても、導関数の係数がゼロのまわりで正
または負の値をとり得るiqであるので、この方程式を
オンラインコントローラにおいて具現することは可能で
ない。いずれにせよ、変調mdが次式のように計算可能
であるように、方程式(4.9)におけるmdの時間微
分係数を無視することができる。
【0118】
【数34】
【0119】ただし、方程式(4.11)および(4.
10)を用いて、これらの方程式は、依然として、抵
抗、インダクタンス、及び、キャパシタンスのような回
路パラメータに依存するので、完全な非干渉制御を具現
することはできない。方程式(4.10)において、主
干渉作用は依然としてmdの時間微分係数である。更
に、電流のq軸成分iqは、基準フレーム検出によって
ゼロに保持される(実質的にはユニット17がiq=0
にする)。md’は一般に小さく、抵抗およびコンダク
タンスも同様に無視できる。従って、方程式(4.1
0)および(4.11)においてRAC=0およびGDC
0と仮定可能であり、次の2つの方程式(4.12)お
よび(4.13)が導かれる。
【0120】
【数35】
【0121】
【数36】
【0122】ここで、単純化すれば、方程式(4.1
2)および(4.13)を用いた非干渉制御は1つのシ
ステムパラメータCDCにのみ依存し、これは、一層複雑
な方程式よりも、具現することがはるかに容易である。
方程式(4.12)および(4.13)において更なる
単純化が可能である、即ち、md’およびiq(md’は
小さく、iq基準フレーム検出によってゼロに保持でき
るので)およびm’d 2(mdは小さいので)を無視する
ことにより、方程式(4.12)および(4.13)か
ら、非干渉制御に関する次のような最終方程式が得られ
る。
【0123】
【数37】
【0124】
【数38】
【0125】基準フレーム検出が実施されるので、方程
式(4.14)におけるiq=0であり(ユニット17
により)、定数および実数値KdおよびKqはmd’およ
びmq’値の一部分(これらは、電流および電圧制御ル
ープにおける更なる定数を表すにすぎない)と見なすこ
とができる。従って、次に示す非干渉化された方程式の
最終組は非干渉制御手段25のために使用できる。
【0126】
【数39】
【0127】
【数40】
【0128】方程式(4.16)および(4.17)に
従ってmdおよびmqを選択することにより、方程式
(4.5)および(4.6)の要求に応じて、電流制御
と電圧制御を独立して実施できる。図18に示すよう
に、手段25の下流における干渉は、方程式(4.1
4)および(4.15)に基づく非干渉によって補償さ
れる。
【0129】図11に関して既に検討済みの線形化およ
び3相システムを用いた図18に示す非干渉手段25の
特殊実施形態について以下に記述する。
【0130】実施の形態1.(電圧PLLを有する3相
系統) 図19は図11に基づくコントローラを示す(即ち、交
流電圧検出器23、電圧PLL位相検出器18、及び、
位相回転手段17を含む)が、しかしながら、本発明の
実施の形態1によれば、さらに、非干渉制御手段25も
含む。方程式(4.14)から(4.17)までによっ
て分かるように、非干渉制御手段25は、電流コントロ
ーラ20の出力(変調指数)mq’、直流コンデンサ電
圧uDC、電流振幅id、送電線の周波数ω、及び、直流
電圧コントローラ16の出力md’を受け取る。3相系
統の場合には、非干渉制御手段25、補償器3、2fフ
ィルタ15、及び、直流電圧コントローラ16が3度装
備される。図19における他のユニット、すなわち、電
流検出器24、電流振幅および位相検出ユニット21、
18、コンデンサ電圧検出器26、平均電圧検出器1
5、基準位相生成ユニット17(制御システムにおける
qを0に保持する)、基準フレーム検出器18、座標
変換器19、直流リップル補償ユニット13、及び、電
圧位相検出器23は、既に図11において述べたこれら
のユニットに対応する。
【0131】直流電圧変動手段13および2fフィルタ
15を装備しない補償器の結果として得られる交流電流
および出力電圧は幾らかの高調波を含むが、非干渉制御
は、これらのユニットを装備しない場合であっても効果
的であることに注意されたい。これらのユニットは高調
波を抑圧するための何等かの用途に用いることが好まし
い。例えば、直流コンデンサのキャパシタンスが変動を
抑制抑圧することのできる程度に十分に大きい場合に
は、追加ユニットは必要ない。その代りに、2fフィル
タ(例えば、LCフィルタ)が、補償器3の直流回路と
並列に直流コンデンサを備えて形成された場合には、こ
の場合にも、ユニット13および15は必要でない。後
者の解決方法は、変圧器なし直列補償器の場合には部分
的に実際的な解決方法である。
【0132】方程式(4.14)および(4.15)は
qqq’/ωuDC項を含む(図18に示すように)
にもかかわらず、非干渉制御手段25へのiq入力が存
在しないことが図19から分かる。上述したように、本
発明によるコントローラにおいては、3相極座標変換ユ
ニット21における基準フレーム検出により、電流のq
軸成分iqはゼロに保持される。従って、図19におけ
る非干渉手段25の実施形態を示すには、方程式(4.
14)、(4.15)は方程式(4.16)、(4.1
7)に書き直されることが正当である。
【0133】方程式(4.16)、(4.17)におい
て、時間微分係数以外の全ての係数はハードウェア乗算
器および除算器によって具現できる。ただし、時間微分
係数は、高い周波数条件において非常に高い利得を持つ
ことが可能であり、従って、方程式(4.17)におけ
るdmd/dtは、演算増幅器またはマイクロプロセッ
サのようなハードウェアを用いて具現することは困難で
ある。ただし、図20における非干渉制御手段25の特
殊実施形態に示すように、時間微分係数は時定数の小さ
いフィルタによって処理可能である。非干渉制御手段2
5の実施形態の精密な構造を図20に示す。
【0134】図20において、出力md’は、乗算器2
5jにおいて定数Kdが乗じられる。勿論、追加乗算器
25jが必ずしも必要でない、即ち、Kdが単位数であ
っても差し支えなく、Kdが1であるように方程式
(4.16)、(4.17)はリスケーリング(再基準
化)可能であることを理解されたい。同様に、電流コン
トローラの出力mq’は、乗算器25kにおいて定数Kq
が乗じられる(同様に正規化によってKqは単位数であ
っても差し支えない)。乗算された信号N1は第1除算
器25aの分子を形成する。検出された直流電圧u
DCは、乗算器25bにおいて基準フレーム周波数ωが乗
算される。乗算された信号D1は、分割器25aにおけ
る除算のために用いられる分母である。第1インバータ
ーの出力DV1は加算器25iに供給される。送電線の
周波数ωは、第2除算器25cにおける割り算のための
分母であり、フィルタからの信号N2出力は第2除算器
25cの分子である。乗算済み信号DV2は、反転され
た入力として加算器25iに供給される。
【0135】乗算済み出力N3(=md’Kd)は、分子
信号N3として第3ディバイダへ供給される。分割器2
5dの分母はd軸電流成分idである。第3分割器の出
力DV3は、反転された仕方において積分ユニット25
hの出力信号を受け取る第2加算器25fへ供給され
る。第2加算器25fの出力は、dmD/dtフィード
バック回路25f、25g、及び、25hへ供給され
る。ユニット25g、25h、25fは、方程式(4.
7)における第2項を決定するために必要である。
【0136】キャパシタンス電圧制御の主ループは、そ
の周波数特性において限定された帯域幅に適合するよう
に設計されるので、時定数の小さいフィルタ25fをメ
インループに配置してもメインループの特性には影響し
ない。積分器25h、利得25g、及び、減算器25f
は一緒にフィルタとして作用し、フィルタの入力は時間
に関するmdの純微分である。従って、この干渉作用は
フィルタ機能を用いた純粋微分により補償を適切に実施
することができる。電流の分割によって補償されるもう
一方の干渉作用も同様に濾波される。ただし、伝送線の
インダクタンスおよび電流振幅のフィードバック制御の
応答によって、電流の応答も同様に限定される。
【0137】メインループ内の時定数Tfの小さいフィ
ルタ25f、25g、25hはメインループの特性に影
響しない。積分器25h、利得25g、及び、減算器2
5fは、一緒にフィルタとして作用し、積分器25hの
入力N2は、時間に関するMdの純粋微分である。積分
器25hの入力は、分割器25cの分子N2を形成す
る。従って、干渉作用は、フィルタ機能を用いた純粋微
分により適切に補償可能である。電流idの分割によっ
て補償されるもう一方の干渉作用も同様に濾波され、弱
化する。ただし、伝送線のインダクタンスおよび電流振
幅のフィードバック制御の応答により電流の応答も同様
に限定される。
【0138】図24は、図20の非干渉制御手段25を
用いた図19に示す制御システムの伝達関数の周波数特
徴を示す。主伝達関数は、作動点によって影響されず、
干渉作用は20dB以上も低下する。従って、電流振幅
dの非干渉制御およびコンデンサ電圧uDCが達成可能
である。更に、図20における非干渉制御の構成は、例
えば伝送線ライン2a、2b、及び、直流コンデンサの
キャパシタンスCDCのインダクタンスLACのような系統
パラメータから独立している。これは、補償器3のコン
トローラがローカル変数のみを必要とすることを意味す
る。電流検出または電圧検出によって容易に検出でき
る。
【0139】図23は、従来技術の図14と対照的に、
非干渉制御を用いたステップレスポンス(段階応答)を
示す。電流振幅idは、図14に示す時点0.1におけ
る、干渉に起因するリップルを示すが、図23に示す時
点0.1において電圧ステップが発生する場合には、電
流には何等変化が無い。同様に、図23に示す時点0.
5において電流にステップが起きる場合には、電圧には
全然変化がない。従って、図23は、電流および電圧は
方程式(4.16)、(4.17)に基づいて独立的に
制御可能であることを示す。図25は、本発明によるシ
ステムの典型的な設計例を示す。
【0140】実施の形態2.(電流PLLを有する3相
系統) 図19は図20と共に、電圧PLLおよび独立およびロ
ーカル制御を用いた3相システムを含む本発明の実施の
形態を示すが、電流PLLを有する図19の3相システ
ムコントローラを提供することも可能である。この場
合、コントローラは、図19に示す交流電圧検出器26
を必要としない。従って、実施の形態2の構成は、図1
9のように組み立てられ、電圧検出器23および位相回
転手段17を必要とせず、電流検出器24の出力を、電
流PLLユニット18として作動する位相検出器18に
も接続する。3相極座標変換ユニット21は図19の場
合と同じであり、位相検出器18は、sinθおよびc
osθ関数を直接出力する。ただし、実施の形態1の場
合と同様に、本システムは依然として3相システムであ
る。非干渉コントロール25への入力m’q、uDC
d、ω、m’dは図19の場合と同様であり、従って、
図20に示す非干渉制御に関するブロック図が同様に適
用可能である。従って、図26に示す実施の形態は、非
干渉制御に関する限り、図19に示す実施の形態と厳密
に同じ仕方において作動することを理解されたい。
【0141】実施の形態3.(電流PLLを有する単相
系統) 図21は、図10の基礎構造を有し、本発明の実施の形
態3による非干渉制御手段25および成分検出器26を
有する単相システムを示す。この単相システムにおい
て、電流検出も同様に位相である。電流検出は単相であ
るので、基準フレーム検出によってゼロであるべき電流
現行iqのq軸成分を供給することは可能でない。従っ
て、図21において、図18に示す方程式、即ち方程式
(4.14)、(4.15)が具現される。単相システ
ムにおいては、図21に示すように、非干渉制御手段2
5に必要とされるidおよびiq成分を供給するために、
電流の単相からd−q座標への変換が必要とされる(図
22参照)。
【0142】本発明の実施の形態3に基づく非干渉制御
手段25は、ユニット25a−25kに加えて、追加乗
算器25l及び追加加算器25mを含む。乗算器251
は、q軸電流成分iqに第1分割器25aの出力を乗
じ、加算器25mの負入力へ乗算済み出力MLを供給す
る。加算器25mは、md’Kdからiq*DV1(即
ち、iq*mq’Kq/uDCω)を減算する。加算器25
bの出力は、第3除算器25dの分子信号N3を形成す
る。このような構成を用いて、完全方程式(4.1
4)、(4.15)が具現化可能である。
【0143】3相システムの平衡運転においては、対称
演算を用いて、瞬間電流成分を容易に測定可能である
が、単相または不平衡3相システムにおいては、これに
反して、測定のための幾らかの時間的遅延は避け難い。
単相電流のこれらの成分を検出する幾つかの方法があ
る。簡単な一例を図22に示す。電流検出器24によっ
て検出される交流線電流iは、位相検出器18によって
生成される正弦基準信号cos(ωt)及びsin(ω
t)を乗じられる。成分検出器26は、直交電流成分i
d、iqを生成するように、検出された線電流iに信号s
in(ωt)及びcos(ωt)を乗じるための第1お
よび第2乗算器26a、26bを含む。乗算により、送
電線の周波数ωの2倍の成分も存在し、フィルタ26
c、26dは、基本周波数ωを通過させるためだけに用
いられる。基準信号cos(ωt)は交流電流と同相の
信号であることに注意されたい。従って、icosωt
及びisinωtは、それぞれ、交流電流idの振幅お
よび過渡成分iqを含む。
【0144】実施の形態4.(電圧PLLを有する単相
系統) 実施の形態3において、電流PLLは、単相システムに
おける電流位相検出のために用いられることに注意され
たい。ただし、勿論、上で説明したように、3相システ
ムに関して単相システムにおいて電圧PLLを使用する
ことが可能である。電流PLLの代りに電圧PLLを使
用する単相システムを図27に示す。
【0145】図27に示すように、成分検出器26はi
d及びiq成分を出力する。3相極座標変換ユニット2
1、位相検出器18、及び、位相回転ユニット17は、
図19に関して既に記述したこれらのユニットに対応す
る。電圧PLLバージョンを有する単相システムの非干
渉制御は、図19および図20に示す電圧PLLを有す
る3相システムの場合とちょうど同じ様に簡易化できる
ことは興味深い。電圧位相から電流位相への位相補正が
用いられるので、この制御は、非干渉を図20に示すよ
うに簡単にする。勿論、図19とは対照的に、成分検出
器26における成分検出に起因して制御ループに追加遅
延が存在する。ただし、非干渉コントロール25は、そ
こでは電流のq成分がゼロになる補正済み基準フレーム
と共に機能する。
【0146】実施の形態5.(追加フィルタ) 既に図21に示したように、入力基準電圧uDC refを濾
波するために更なるフィルタ27を使用できる。この種
のフィルタ27は、図19−27に示し、既に上述した
ように、実施の形態1〜4の各々にも使用できる。
【0147】フィルタは変調指数の振幅を減少させる効
果を持ち、従って、非干渉制御は、制限された出力電圧
容量を用いて達成される。入力基準電圧の高い周波数成
分はフィルタによって減少されるので、これらの成分は
非干渉制御ユニットへ移送されない。その結果、利得ユ
ニット25gの出力は減少するはずである。これは、直
流電圧コントローラの利得が低く、かつ/または、入力
基準電圧が低速である場合には、非干渉制御ユニットD
V2が無視可能であることを意味する。
【0148】実施の形態6.(3相および単相) 既に説明したように、本発明に基づく非干渉制御手段は
2つの異なるシステム、すなわち、単相または3相シス
テムへ適用される。更に、本質的に異なる2つの位相検
出手段(電圧検出器PLL付き、および、電圧検出器な
し)を用いることができる。更に、フィルタは随意に使
用できる。更に、3相システムにおいて、既に説明した
ように、iq=0に保持することは容易である。ただ
し、単相システムにおいては、過渡検出遅延のために、
q=0を保証することが困難であるので、(単相シス
テムに関して図21に示すように)非干渉制御手段の異
なる内部構造が用いられる。
【0149】3相システムにおいては、実施の形態1に
基づき、電圧PLLの用法は一般的知られているので、
電圧PLLが用いられる。実施の形態2は電圧PLLを
持たず、その利点は成分の減少である。更に、単相シス
テムにおいて、単相システムにおける本発明の適用につ
いて簡単に説明するために、実施の形態3は電圧PLL
を用いない。ただし、単相システムは、実施の形態4に
基づいて図27に示すように、電圧PLLおよび電圧検
出器を用いて機能することができることを理解された
い。実施の形態5に基づく追加フィルタは、他の任意の
実施の形態において使用可能である。もちろん、実施形
態は組み合わせ可能である。最後に、2fフィルタおよ
び直流電圧変動補償手段は、既に説明したように、任意
装備ユニットであることに注意されたい。
【0150】産業的用途 既に説明したように、本発明は、電流および電圧ループ
の非線形微分方程式に近似させることによる非干渉制御
に基づく。従って、独立した電圧および電流制御が達成
できる。この種の非干渉手段は、補償器、好ましくは変
圧器無し無効電力直列補償器を制御するために、単相シ
ステム又は3相システムにおけるコントローラ用に使用
できる。本発明は、変圧器無し無効電力直列補償器の制
御のみに制限されることなく、この制御は実際に変圧器
を含む補償器にも充分同様に適用可能であることに注意
されたい。補償器出力電圧および電流を制御することが
必要なあらゆる装置に、変圧器無し無効電力直列補償器
において直流コンデンサによって検出される線電圧を表
わす式が利用可能なはずである。従って、上述の全ての
制御方式は、変圧器を有する補償器にも適用可能であ
る。
【0151】ただし、ここに記述した教示および説明は
好ましい作動態様にのみ関係するものであること、およ
び、ここに開示された教示に基づいて更なる実施形態が
可能であることに注意されたい。従って、当業者は、前
述の教示に基づいて更なる修正および改変を実施するこ
とが可能である。更に、本発明は、説明に記述され、か
つ、これとは独立して特許請求の範囲に請求された特徴
に基づく実施形態を含むことができる。従って、全ての
この種変化および修正が添付特許請求の範囲に含まれる
ものと解釈される。
【0152】
【発明の効果】この発明は、送電線(2a、2b)に挿
入された補償器を制御する補償器制御装置であって、送
電線を流れる線電流(i)を検出する線電流検出手段
と、補償器のインバータの変調器に接続された直流コン
デンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を検出する直流電圧
検出手段と、変調信号として補償器の変調器に供給され
るべき周波数がωであって、m=mdcos(ωt)−
qsin(ωt)の形のインバータ変調信号(m)を
生成する変調信号生成手段と、所定の基準電流
(id r ef)になるように線電流(i)を制御する電流制
御ループであって、インバータ変調信号(m)のための
変調指数(mq')を出力する電流コントローラを有する
電流制御ループと、所定の基準電圧(uDC ref)になる
ように直流コンデンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を制
御する電圧制御ループであって、インバータ変調信号
(m)のための変調指数(md’)を出力する直流電圧
コントローラを有する電圧制御ループと、電流コントロ
ーラからの変調指数(mq’)および直流電圧コントロ
ーラからの変調指数(md’)を受け取り、線電流
(i)が直流電圧コントローラの出力(md’)から独
立し、かつ、直流電圧(uDC)が電流コントローラの出
力(mq’)から独立するように、新規の変調指数
(mq)および(md)を生成して上記変調信号生成手段
へ出力する非干渉制御手段とを備え、交流電流の電流振
幅(id)と直流コンデンサ電圧(CDC)とが独立して
制御されることが可能である補償器制御装置であるの
で、系統電流の変動によって引き起こされるDC電圧の
変動を非干渉制御手段によって補償してDC電圧制御が
安定に働くようにして制御し、系統電流を安定に制御す
ることができる。
【0153】また、電流制御ループが、基準電流(id
ref)から線電流(i)の電流振幅(id)を減算し、か
つ、その結果を上記電流コントローラへ出力するための
電流減算器を含むようにしたので、簡単な構成におい
て、電圧制御とは独立して安定した電流制御を行うこと
ができる。
【0154】また、電圧制御ループが、基準電圧(uDC
ref)からコンデンサ(CDC)のコンデンサ直流電圧
(uDC)を減算し、かつ、その結果を直流電圧コントロ
ーラへ出力するための電圧減算器を備えているので、電
流制御とは独立して安定した電圧制御を行うことができ
る。
【0155】また、変調信号生成手段が、第1基準信号
(sin(ωt))、第2基準信号(cos(ω
t))、電流コントローラの出力(mq’)および直流
電圧コントローラの出力(md’)を受け取って、変調
信号(m)を出力する座標変換手段を備えているので、
容易に変調信号(m)を得ることができる。
【0156】また、送電線が3相方式であり、補償器、
直流電圧コントローラ、非干渉手段、座標変換手段およ
び上記変調信号(m)が各相につき設けられ、電流コン
トローラは1つだけ設けられているので、本発明の補償
器制御装置は3相系統に適用することができる。
【0157】また、各相の線電圧を検出する電圧検出器
と、電圧検出器から上記線電圧を受け取り、かつ、各々
が線電圧の位相および送電線の周波数(ω)と同期して
いる第3基準信号(sinωt)および第4基準信号
(cosωt)を出力する電圧PLL検出ユニットと、
第3及び第4基準信号と位相信号(ψ)とを受け取り、
かつ、座標変換手段に供給するための第1および第2基
準信号を生成する位相回転手段と、各相に関する線電流
(i)を受け取り、かつ、電流減算器および非干渉手段
へ有効電流振幅(id)を出力し、位相回転手段へ上記
位相信号(ψ)を出力する3相極座標変換ユニットとを
備えているので、本発明の補償器制御装置は3相系統に
適用することができる。
【0158】また、線電流検出手段から線電流(i)を
受け取り、線電流を、線電流(i)の位相および送電線
の周波数(ω)と同期している第1基準信号(sinω
t)および第2基準信号(cosωt)として、非干渉
手段(25)へ出力する電流PLL検出ユニット(1
8)と、線電流(i)を受け取り、かつ、上記有効電流
振幅(id)を上記電流減算器および上記非干渉制御手
段へ、無効電流振幅(iq)を非干渉制御手段へ出力す
る成分検出器とを備えているので、非干渉制御手段によ
り干渉現象を抑制することができる。
【0159】また、送電線が単相方式であり、上記補償
器、上記直流電圧コントローラ、上記非干渉制御手段、
上記座標変換手段および上記電流コントローラが1つだ
け設けられているので、本発明の補償器制御装置は単相
系統に適用することができる。
【0160】また、線電流検出手段から上記線電流
(i)を受け取り、かつ、線電流を、線電流(i)の位
相および送電線の周波数(ω)と同期している第1基準
信号(sinωt)および第2基準信号(cosωt)
として、非干渉制御手段へ出力する電流PLL検出ユニ
ットと、線電流(i)を受け取り、かつ、有効電流振幅
(id)を電流減算器および非干渉制御手段へ出力し、
無効電流振幅(iq)を上記非干渉制御手段へ出力する
成分検出器とを備えているので、非干渉制御手段により
安定して干渉現象を補償することができる。
【0161】また、非干渉制御手段が、コンデンサ(C
DC)のコンデンサ直流電圧(uDC)に電流PLL検出ユ
ニットから出力された送電線の周波数(ω)を乗算する
ための第1乗算器と、電流コントローラからの出力(m
q’*Kq)を上記第1乗算器からの出力信号(D1)に
よって割り算するための第1除算器と、成分検出器によ
って出力された無効電流振幅(iq)の有効成分に上記
第1除算器の割り算した結果(DV1)を乗算するため
の第2乗算器と、第2乗算器の乗算結果(M1)を上記
直流電圧コントローラの出力(md’*Kd)から引き算
するための第1加算器と、第1加算器からの出力を上記
成分検出器によって出力された上記電流(id)の無効
成分によって割り算するための第2除算器と、第2除算
器の割り算結果および積分器の出力を受け取る第2加算
器と、第2加算器の出力を受け取り、その出力を積分器
の入力に供給する時間遅延ユニットと、修正済み変調指
数(md)を形成する積分器とを有する導出手段と、積
分器の入力を電流PLL検出ユニットによって出力され
た送電線の周波数(ω)により割り算する第3除算器
と、第1除算器の出力(CV1)から上記第3除算器
(25c)の出力(DV2)を引き算することにより、
修正済み変調指数mqを結果として出力する第3加算器
とを備えているので、簡単な演算の組合せにより修正済
み変調指数を得るこおtができ、安定した制御を行うこ
とができる。
【0162】また、成分検出器が、検出された線電流
(i)にそれぞれ第1および第2基準信号(sin(ω
t)、cos(ωt))を乗算するための第1および第
2乗算器と、第1および第2乗算器の出力における基本
周波数をそれぞれ通過させるための第1および第2フィ
ルタとを有し、第1および第2フィルタの出力が線電流
(i)の無効電流振幅(id)および有効電流振幅
(iq)を構成するので、変調指数の振幅を減少させる
ことができる。
【0163】また、非干渉制御手段の各々が、直流コン
デンサ電圧(uDC)に上記電圧PLL検出ユニットによ
って出力された送電線の周波数(ω)を乗算するための
第1乗算器と、電流コントローラ(20)の出力
(mq’)を第1乗算器の出力信号(D1)によって割
り算するための第1除算器と、直流電圧コントローラの
出力(md’)を3相極座標変換ユニットによって出力
された有効電流振幅(id)出力によって割り算するた
めの第2除算器と、加算器、時間遅延ユニットおよび積
分器を含む導出手段であって、加算器が第2除算器の除
算結果(DV3)から積分器の出力を引き算し、かつ、
その結果を時間遅延ユニットに出力し、時間遅延ユニッ
トが受け取った結果を積分器に出力し、積分器が修正済
み変調指数(md)を出力する導出手段と、積分器の入
力を上記位相検出器によって出力された上記送電線の周
波数(ω)によって割り算するための第3除算器と、第
1除算器の出力(DV1)から上記第3除算器の出力
(DV2)を引き算するための第2加算器と、修正済み
変調指数(mq)を結果として出力する第3加算器とを
備えているので、干渉現象を安定して抑制することがで
きる。
【0164】また、変調信号生成手段が、座標変換手段
からの変調信号(m0)を受け取り、かつ、変調信号
(m)を補償器のインバータに出力する電圧変動補償手
段をさらに有し、電圧変動補償手段が直流コンデンサ電
圧(uDC)の電圧変動に起因する変調信号の変動を減少
させるようにしたので、安定した制御を行うことができ
る。
【0165】また、座標変換手段が、電流コントローラ
の出力(mq)に第1基準信号(sin(ωt))を乗
算するための第一乗算器と、直流電圧コントローラの出
力(md’)に上記第2基準信号(cos(ωt))を
乗算するための第2乗算器と、第2乗算器の乗算結果か
ら上記第1乗算器の乗算結果を引き算するための減算器
とを備えているので、簡単な演算により座標変換を行う
ことができる。
【0166】また、電圧制御ループが、コンデンサ電圧
(uDC)を濾波するためのフィルタを有し、電圧変動補
償手段が、上記フィルタの出力を上記フィルタの入力に
よって割り算するための除算器と、上記座標変換手段の
出力に上記除算器の出力を乗算する乗算器とを有し、乗
算器による乗算結果出力が上記補償器のインバータに供
給される変調信号(m)を構成するようにしたので、安
定した電圧制御を行うことができる。
【0167】また、フィルタおよび電圧変動補償手段が
各相に対して設けられているので、3相系統に適用する
ことができる。
【0168】また、フィルタおよび電圧変動補償手段が
1相当たり1つだけ設けられているので、単相系統に適
用することができる。
【0169】また、制御装置が、変圧器なし無効電力直
列補償器を制御するために設けられるので、変圧器なし
無効電力直列補償器の制御を安定して行うことができ
る。
【0170】また、制御装置が、変圧器を有する無効電
力直列補償器を制御するために設けられるので、変圧器
を有する無効電力直列補償器の制御を安定して行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の送電系統における直列補償器の原理構
成図である。
【図2】 従来の各相に補償器を組込んだ3相系統を示
す図である。
【図3】 図1、図2に用いられる一般的な補償器の詳
細なブロック図である。
【図4】 図3に示すインバータの従来のPWM制御を
示す図である。
【図5】 図1、図2に基づく補償器を含む従来の送電
系統における電流と電圧の原理的関係を示す図である。
【図6】 図1、図2に基づく補償器を含む従来の送電
系統における電流と電圧の原理的関係を示す図である。
【図7】 従来の線電流制御に関するフェーザダイアグ
ラムを示す図である。
【図8】 従来の直流コンデンサCDC充電時における電
圧と電流の依存性のフェーザダイアグラムを示す図であ
る。
【図9】 従来の過渡状態における直流コンデンサの充
電を示す図である。
【図10】 従来の単相コントローラを示す図である。
【図11】 従来の3相コントローラを示す図である。
【図12】 図10、11の従来のコントローラにおけ
る干渉効果の概観図である。
【図13】 図12に示す従来の干渉効果の概要図であ
る。
【図14】 図10、11に示す基礎的コントローラの
ステップレスポンスを示す図である。
【図15】 図10、11における従来のコントローラ
の利得特性を示す図である。
【図16】 図13に示す干渉ユニットの上流に設置さ
れた非干渉制御手段を含む本発明の原理を示す図であ
る。
【図17】 図16に基づく非干渉制御手段を含む本発
明によるコントローラの原理ブロック図である。
【図18】 非線形微分方程式の近似に基づいて実施さ
れる非干渉作用を示す図である。
【図19】 電圧PLLを有する3相系統における本発
明の実施の形態1による非干渉制御を含むコントローラ
のブロック図である。
【図20】 本発明に基づく非干渉制御手段の詳細なブ
ロック図である。
【図21】 本発明の実施の形態3に基づく単相コント
ローラのブロック図である。
【図22】 本発明の一実施の形態に基づく成分検出器
を示す図である。
【図23】 本発明に基づく非干渉制御を用いたステッ
プレスポンスを示す図である。
【図24】 発明の一実施の形態に基づく簡素化済み非
干渉制御の利得特性を示す図である。
【図25】 本発明に基づくシステムの一般的な一設計
例を示す図である。
【図26】 図19に示す場合と同様であるが、本発明
の実施の形態2による線電流位相検出用電流PLLを用
いる3相系統を示す図である。
【図27】 図21に示す場合と同様であるが、本発明
の実施の形態4による線電流位相検出用電流PLLを用
いる単相系統を示す図である。
【符号の説明】
3 トランスレス無効電力直列補償器、2a,2b 送
電線、13,14 変調信号生成手段、16 直流電圧
コントローラ、18,21,22 電流制御ループ、2
0 電流コントローラ、25 非干渉制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G066 DA04 DA07 FA01 FB13 FC12 5H420 BB16 CC05 DD04 EA04 EA11 EA45 EB09 EB29 FF03 FF04 FF11 FF21

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送電線に挿入された補償器を制御する補
    償器制御装置であって、 上記送電線を流れる線電流(i)を検出する線電流検出
    手段と、 上記補償器のインバータの変調器に接続された直流コン
    デンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を検出する直流電圧
    検出手段と、 変調信号として上記補償器の上記変調器に供給されるべ
    き周波数がωであるとき、m=mdcos(ωt)−mq
    sin(ωt)の形のインバータ変調信号(m)を生成
    する変調信号生成手段と、 所定の基準電流(id ref)になるように上記線電流
    (i)を制御する電流制御ループであって、上記インバ
    ータ変調信号(m)のための変調指数(mq')を出力す
    る電流コントローラを備えた電流制御ループと、 所定の基準電圧(uDC ref)になるように上記直流コン
    デンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を制御する電圧制御
    ループであって、上記インバータ変調信号(m)のため
    の変調指数(md’)を出力する直流電圧コントローラ
    を備えた電圧制御ループと、 上記電流コントローラからの変調指数(mq’)および
    上記直流電圧コントローラからの変調指数(md’)を
    受け取り、上記線電流(i)が上記直流電圧コントロー
    ラの出力(md’)から独立し、かつ、上記直流電圧
    (uDC)が上記電流コントローラの出力(mq’)から
    独立するように、新規の変調指数(mq)および(md
    を生成して上記変調信号生成手段へ出力する非干渉制御
    手段とを備え、 交流電流の電流振幅(id)と直流コンデンサ電圧(C
    DC)とが独立して制御されることが可能であることを特
    徴とする補償器制御装置。
  2. 【請求項2】 上記電流制御ループが、上記基準電流
    (id ref)から上記線電流(i)の上記電流振幅
    (id)を減算し、かつ、その結果を上記電流コントロ
    ーラへ出力するための電流減算器を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の補償器制御装置。
  3. 【請求項3】 上記電圧制御ループが、上記基準電圧
    (uDC ref)から上記コンデンサ(CDC)のコンデンサ
    直流電圧(uDC)を減算し、かつ、その結果を上記直流
    電圧コントローラへ出力するための電圧減算器を備えて
    いることを特徴とする請求項2記載の補償器制御装置。
  4. 【請求項4】 上記変調信号生成手段が、第1基準信号
    (sin(ωt))、第2基準信号(cos(ω
    t))、上記電流コントローラの出力(mq’)および
    上記直流電圧コントローラの出力(md’)を受け取っ
    て、変調信号(m)を出力する座標変換手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項3記載の補償器制御装置。
  5. 【請求項5】 上記送電線が3相方式であり、上記補償
    器、上記直流電圧コントローラ、上記非干渉手段、上記
    座標変換手段および上記変調信号(m)が各相につき設
    けられ、上記電流コントローラは1つだけ設けられてい
    ることを特徴とする請求項4記載の補償器制御装置。
  6. 【請求項6】 各相の線電圧を検出する電圧検出器と、 上記電圧検出器から上記線電圧を受け取り、かつ、各々
    が線電圧の位相および送電線の周波数(ω)と同期して
    いる第3基準信号(sinωt)および第4基準信号
    (cosωt)を出力する電圧PLL検出ユニットと、 上記第3及び第4基準信号と位相信号(ψ)とを受け取
    り、かつ、上記座標変換手段に供給するための上記第1
    および第2基準信号を生成する位相回転手段と、 上記各相に関する線電流(i)を受け取り、かつ、上記
    電流減算器および上記非干渉手段へ有効電流振幅
    (id)を出力し、上記位相回転手段へ上記位相信号
    (ψ)を出力する3相極座標変換ユニットとを備えたこ
    とを特徴とする請求項5記載の補償器制御装置。
  7. 【請求項7】 上記線電流検出手段から上記線電流
    (i)を受け取り、上記線電流を、線電流(i)の位相
    および送電線の周波数(ω)と同期している上記第1基
    準信号(sinωt)および上記第2基準信号(cos
    ωt)として、上記非干渉手段へ出力する電流PLL検
    出ユニットと、 上記線電流(i)を受け取り、かつ、上記有効電流振幅
    (id)を上記電流減算器および上記非干渉制御手段
    へ、無効電流振幅(iq)を上記非干渉制御手段へ出力
    する成分検出器とを備えたことを特徴とする請求項5記
    載の補償器制御装置。
  8. 【請求項8】 上記送電線が単相方式であり、上記補償
    器、上記直流電圧コントローラ、上記非干渉制御手段、
    上記座標変換手段および上記電流コントローラが1つだ
    け設けられていることを特徴とする請求項4記載の補償
    器制御装置。
  9. 【請求項9】 上記線電流検出手段から上記線電流
    (i)を受け取り、かつ、上記線電流を、線電流(i)
    の位相および送電線の周波数(ω)と同期している上記
    第1基準信号(sinωt)および上記第2基準信号
    (cosωt)として、上記非干渉制御手段へ出力する
    電流PLL検出ユニットと、 上記線電流(i)を受け取り、かつ、上記有効電流振幅
    (id)を上記電流減算器および上記非干渉制御手段へ
    出力し、無効電流振幅(iq)を上記非干渉制御手段へ
    出力する成分検出器とを備えたことを特徴とする請求項
    8記載の補償器制御装置。
  10. 【請求項10】 上記非干渉制御手段が、 上記コンデンサ(CDC)のコンデンサ直流電圧(uDC
    に上記電流PLL検出ユニットから出力された送電線の
    周波数(ω)を乗算するための第1乗算器と、 上記電流コントローラからの出力(mq’*Kq)を上記
    第1乗算器からの出力信号(D1)によって割り算する
    ための第1除算器と、 上記成分検出器によって出力された無効電流振幅
    (iq)の有効成分に上記第1除算器の割り算した結果
    (DV1)を乗算するための第2乗算器と、 上記第2乗算器の乗算結果(M1)を上記直流電圧コン
    トローラの出力(md’*Kd)から引き算するための第
    1加算器と、 上記第1加算器からの出力を上記成分検出器によって出
    力された上記電流(i d)の無効成分によって割り算す
    るための第2除算器と、 上記第2除算器の割り算結果および積分器の出力を受け
    取る第2加算器と、上記第2加算器の出力を受け取り、
    その出力を上記積分器の入力に供給する時間遅延ユニッ
    トと、修正済み変調指数(md)を形成する積分器とを
    有する導出手段と、 上記積分器の入力を上記電流PLL検出ユニットによっ
    て出力された送電線の周波数(ω)により割り算する第
    3除算器と、 上記第1除算器の出力(CV1)から上記第3除算器の
    出力(DV2)を引き算することにより、修正済み変調
    指数mqを結果として出力する第3加算器とを備えたこ
    とを特徴とする請求項9記載の補償器制御装置。
  11. 【請求項11】 上記成分検出器が、 検出された上記線電流(i)にそれぞれ第1および第2
    基準信号(sin(ωt)、cos(ωt))を乗算す
    るための第1および第2乗算器と、 上記第1および第2乗算器の出力における基本周波数を
    それぞれ通過させるための第1および第2フィルタとを
    有し、 第1および第2フィルタの出力が線電流(i)の無効電
    流振幅(id)および有効電流振幅(iq)を構成するこ
    とを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の補
    償器制御装置。
  12. 【請求項12】 上記非干渉制御手段の各々が、 上記直流コンデンサ電圧(uDC)に上記電圧PLL検出
    ユニットによって出力された送電線の周波数(ω)を乗
    算するための第1乗算器と、 上記電流コントローラの出力(mq’)を上記第1乗算
    器の出力信号(D1)によって割り算するための第1除
    算器と、 上記直流電圧コントローラの出力(md’)を3相極座
    標変換手段によって出力された上記有効電流振幅
    (id)出力によって割り算するための第2除算器と、 加算器、時間遅延ユニットおよび積分器を含む導出手段
    であって、上記加算器が上記第2除算器の除算結果(D
    V3)から上記積分器の出力を引き算し、かつ、その結
    果を上記時間遅延ユニットに出力し、上記時間遅延ユニ
    ットが受け取った上記結果を上記積分器に出力し、上記
    積分器が修正済み変調指数(md)を出力する導出手段
    と、 上記積分器の入力を上記位相検出器によって出力された
    上記送電線の周波数(ω)によって割り算するための第
    3除算器と、 上記第1除算器の出力(DV1)から上記第3除算器の
    出力(DV2)を引き算するための第2加算器と、 修正済み変調指数(mq)を結果として出力する第3加
    算器とを備えていることを特徴とする請求項6記載の補
    償器制御装置。
  13. 【請求項13】 上記変調信号生成手段が、上記座標変
    換手段からの変調信号(m0)を受け取り、かつ、変調
    信号(m)を上記補償器のインバータに出力する電圧変
    動補償手段をさらに有し、 上記電圧変動補償手段が直流コンデンサ電圧(uDC)の
    電圧変動に起因する変調信号の変動を減少させることを
    特徴とする請求項4記載の補償器制御装置。
  14. 【請求項14】 上記座標変換手段が、 上記電流コントローラの出力(mq)に上記第1基準信
    号(sin(ωt))を乗算するための第一乗算器と、 上記直流電圧コントローラの出力(md’)に上記第2
    基準信号(cos(ωt))を乗算するための第2乗算
    器と、 上記第2乗算器の乗算結果から上記第1乗算器の乗算結
    果を引き算するための減算器とを備えたことを特徴とす
    る請求項4記載の補償器制御装置。
  15. 【請求項15】 上記電圧制御ループが、コンデンサ電
    圧(uDC)を濾波するためのフィルタを有し、 上記電圧変動補償手段が、上記フィルタの出力を上記フ
    ィルタの入力によって割り算するための除算器と、上記
    座標変換手段の出力に上記除算器の出力を乗算する乗算
    器とを有し、 上記乗算器による乗算結果出力が上記補償器のインバー
    タに供給される変調信号(m)を構成することを特徴と
    する請求項13記載の補償器制御装置。
  16. 【請求項16】 上記フィルタおよび上記電圧変動補償
    手段が各相に対して設けられることを特徴とする記載5
    または15記載の補償器制御装置。
  17. 【請求項17】 上記フィルタおよび上記電圧変動補償
    手段が1相当たり1つだけ設けられることを特徴とする
    請求項8または15記載の補償器制御装置。
  18. 【請求項18】 上記制御装置が、変圧器なし無効電力
    直列補償器を制御するために設けられることを特徴とす
    る請求項1記載の補償器制御装置。
  19. 【請求項19】 上記制御装置が、変圧器を有する無効
    電力直列補償器を制御するために設けられることを特徴
    とする請求項1記載の補償器制御装置。
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