JP2001176207A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JP2001176207A
JP2001176207A JP35922199A JP35922199A JP2001176207A JP 2001176207 A JP2001176207 A JP 2001176207A JP 35922199 A JP35922199 A JP 35922199A JP 35922199 A JP35922199 A JP 35922199A JP 2001176207 A JP2001176207 A JP 2001176207A
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signal
frequency
optical disk
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clock
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JP35922199A
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Shinichi Konishi
信一 小西
Takeshi Nakajima
健 中嶋
Seijun Miyashita
晴旬 宮下
Toshihiko Takahashi
利彦 高橋
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタルPLLクロック発生手段のVCOを
キャリブレーションすることができる光ディスク再生装
置を提供する。 【解決手段】 周波数制御手段Cfと位相制御手段Cφ
と感度調整用レジスタ24を備えたVCO23を組み込
んだデジタルPLLクロック発生手段DPCにおいて、
固定クロックまたは光ディスク1の読み取り信号を周波
数比較器18に入力し、周波数制御手段を動作させ、周
波数粗調整許可信号SOと周波数微調整許可信号BIが
ともに“1”となったときの第2のD/A変換器20へ
出力されるデジタル出力信号D22をモニタ手段22で
モニタし、そのモニタ値がある一定の値になるように感
度調整用レジスタ24の値を変化させてVCO23の感
度を変えて行き、モニタ値がある一定の値に最も近い値
になったときの感度調整用レジスタ24の値を採用する
ことで、VCO23のキャリブレーションを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクを再生
するためのデジタルPLL(Phase Look Loop)クロッ
ク発生手段の発振器をキャリブレーション(校正・調
整)するようにした光ディスク装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、DVD−ROM(Digital Versat
ile Disk Read Only Memory)ディスクなどに代表され
るような連続記録データ、またはDVD−RAM(Digi
tal Versatile Disk Rundom Access Memory)ディスク
に代表される記録案内溝が周期的に蛇行(ウォブリン
グ)しているセクターフォーマットのディスクが普及し
つつある。
【0003】このようなディスクから情報を再生する場
合、ディスクから読み取った信号をPLL回路へ入力
し、PLL回路によってこの読み取り信号と同期したク
ロック信号を抽出し、このクロック信号に同期して前記
の読み取り信号をサンプリングしてデジタルデータを再
生する。
【0004】先ず、ディスクのセクターフォーマットの
概略構成について図10を用いて説明する。ディスクの
RAM部に形成された案内トラックはグルーブ部および
ランド部より構成される。案内トラックは、ディスクド
ライブで情報を記録再生するときは、光学ヘッドから照
射された光ビームスポットが特定の場所を追従できるよ
うに設けられており、1回転する毎にグルーブ部(実線
で図示)とランド部(点線で図示)が切り換わるような
構成になっており、グルーブ部とランド部の両方に情報
を記録することができる。また、案内トラックは複数の
セクタ部に分割され、各セクタはID領域と情報記録領
域より構成されている。ここでは、図示の案内トラック
はスパイラル状であるが、同心円状であっても構わない
し、スパイラルの方向が逆であってもよい。
【0005】図11はアナログ方式のPLL回路を用い
た従来のディスク再生装置の一例を示すブロック図であ
る。図11において、符号の101は光ディスク、10
2は光ディスク101にレーザー光を照射し、その反射
光の強弱に応じた電気信号を出力する光ピックアップ、
103は光ピックアップ102の読み取り信号を増幅す
るプリアンプ、104はプリアンプ103の出力信号の
周波数特性を改善し、2値化に好ましい信号に波形等化
する波形等化器、105は波形等化器104の出力信号
を2値化する2値化回路を示し、これら波形等化器10
4と2値化回路105とによって波形整形器を構成して
いる。
【0006】また、110はPLL回路を示し、位相比
較器106とループフィルタ107と同期クロックを発
生するための電圧制御型発振器(以下VCOという)1
08により構成されている。位相比較器106は、2値
化回路105の出力信号とVCO108の出力するクロ
ックとを比較して位相誤差を出力し、ループフィルタ1
07は位相比較器106の出力から不要な周波数帯域の
成分(高周波成分)を除去し、VCO108は位相誤差
がなくなるようにループフィルタ107の出力電圧に比
例した周波数のPLLクロックを出力する。109はラ
ッチ回路で、2値化回路105の出力再生信号をVCO
108から出力されたPLLクロックに同期して再生デ
ータを出力する。
【0007】上記構成のアナログ方式のPLL回路を用
いた従来のディスク再生装置の動作を説明する。光ピッ
クアップ102により光ディスク101から読み取った
情報信号は、プリアンプ103で増幅され、波形等化器
104で周波数特性が改善されて2値化回路105に入
力される。2値化回路105では、波形等化器104か
ら供給された再生信号がスライスレベル処理等により2
値化(“0”または“1”に変換)され、2値化された
再生信号はラッチ回路109およびPLL回路110に
入力される。この2値化された再生信号においては、所
定のビット間隔Tの整数倍の間隔で、値“0”または
“1”を交互にとった波形となる。したがって、PLL
回路110は、この“0”または“1”の間隔からビッ
ト間隔Tを抽出し、このビット間隔Tに対応した周期の
クロック信号を発生する。
【0008】PLL回路110では、この2値化信号と
VCO108の出力するPLLクロックとが位相比較器
106において位相比較され、その位相誤差出力がゼロ
になるようにフィードバック制御される。このときVC
O108は電圧制御により位相誤差がなくなるように発
振周波数を調整しながら、ループフィルタ107の出力
電圧に比例した周波数のクロック、すなわち、2値化信
号に同期したPLLクロックを生成し、そのクロック信
号を位相比較器106にフィードバックするとともにラ
ッチ回路109に出力する。一方、2値化回路105か
らラッチ回路109に入力された2値化再生信号は、V
CO108から入力されるPLLクロックに同期して、
デジタル再生データとして後段の再生回路系に出力され
る。
【0009】しかしながら、このようなアナログ方式の
PLL回路110は、環境変化や経時変化、部品のばら
つきなどの影響を受けやすいこと、また、高集積化がで
きないこと、その他、同期化された多値の読み取りデー
タが必要な回路の導入を考慮した場合に対応できない等
の課題があった。
【0010】一方、デジタル化されたPLL回路も開発
され、VCOの代わりに可変周波数発振器(VFO)を
利用し、位相誤差に応じて発振周波数を調整し、さらに
分周器により分周した後、クロック出力信号を位相比較
器にフィードバックする方法等がある。しかし、このよ
うなデジタルPLL処理方法では、データ処理速度が速
い装置等においてはクロック信号の周波数が高く、さら
に数倍の高周波を発振するVFOを実現することは困難
であり、またコスト高となる。
【0011】そこで、このような問題を解決するための
ものとして、図12に示すような周波数比較器を組み込
んだデジタルPLL回路が考えられている。同図におい
て、光ピックアップ122は光ディスク121にレーザ
光を照射し、光ディスク121で反射したレーザ光を受
光し、読み取られた信号情報は受光した光の光量に対応
する電気信号(再生信号)としてプリアンプ123に出
力される。プリアンプ123で増幅された読み取り信号
はA/D変換器124に入力され、A/D変換器124
では、後段のVCO131で生成されたクロックに同期
してサンプリングされ、所定のビット数のデジタル値に
変換(デジタル化)される。デジタル化された読み取り
信号はトランスバーサルフィルタ125で波形等化され
て2値化に好ましい信号に改善され、位相比較器126
および後段のデジタル再生系に入力される。
【0012】また、周波数比較器127には再生信号の
中心周波数に相当するリファレンスクロックREFCL
K(固定値)が入力されており、VCO131からの出
力クロックとリファレンスクロックとの周波数誤差デー
タを算出し、セレクタ128およびタイミング制御回路
132へ出力される。また、タイミング制御回路132
は、周波数誤差のレベルがある一定レベル以下になった
ときにセレクタ128に切換信号を出力する。
【0013】一方、位相比較器126では、デジタル化
された読み取り信号の正から負、または負から正への変
化時点(すなわち、ゼロクロスポイント)を抽出し、そ
の前後の2サンプル値から位相誤差を算出してセレクタ
128へ出力する。タイミング制御回路132は、周波
数比較器127からの周波数誤差のレベルが一定レベル
以下になったときにセレクタ128に切換信号を送る。
このとき、セレクタ128は、周波数比較器127側の
接続端子Sbから位相比較器126側の接続端子Saへ
接続を切り換える。周波数誤差のレベルが前記の一定レ
ベルを超えている状態では、セレクタ128は接続端子
Sb側となっている。D/A変換器129は、セレクタ
128の切り換え接続により、周波数誤差データあるい
は位相誤差データを選択的に入力し、デジタル信号をア
ナログ信号に変換してループフィルタ130に入力し、
余分な周波数成分が除去された信号がVCO131に入
力され、誤差データが無くなるようなクロックを出力す
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
周波数比較器を組み込んだデジタルPLL回路を用いる
光ディスク再生装置にあっては、最先端のCMOSプロ
セスにより高集積化するとすれば、ループフィルタもデ
ジタル回路で構成し、ループフィルタの出力をD/A変
換器でVCOに出力する構成とし、VCOもCMOSプ
ロセスで構成する必要がある。この場合、CMOSでの
VCOはプロセスばらつきが大きい(±30%ほどにも
なる)。その結果として、D/A変換器から最大出力電
圧が印加された場合の最大発振周波数のばらつきが大き
くなってしまう。そのため、例えばDVD−ROMのC
AV(Constant Angular Velocity;角速度一定)再生
の最外周の動作周波数を満足するためにはICを選別し
たり、プリント配線基板上でボリューム調整する必要が
あり、コストアップするという課題があった。また、経
時変化があった場合などでは最大発振周波数を満足しな
くなるという課題があった。
【0015】また、複数種類のディスクに対する互換性
をもたせる場合に、ディスクを変えると、中心周波数が
変わり、それに合わせてリファレンスクロックを変えて
周波数制御を行う必要がある。この場合には、周波数シ
ンセサイザが別途必要になり、高価なものになる。
【0016】また、従来の構成ではシーク動作発生時等
において光ピックアップがディスクの径方向に大きく移
動すると、モータのCLV(Constant Linear Velocit
y;線速度一定)制御が制定していない段階でのPLL
のロックは難しく、シークタイムが長くなる。
【0017】本発明は上記した課題の解決を図るべく創
作したものであって、デジタルPLLシステムの特徴を
活かしてVCOの感度を自動調整し、コストを抑えて、
経時変化にも対応できるデジタルPLLシステムを備え
た光ディスク装置を提供するとともに、CAV再生など
の異なった中心周波数での再生を行う場合に、周波数引
き込みを早くできる光ディスク装置を提供することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記した課題の解決を図
ろうとする本発明にかかわる光ディスク装置は、感度調
整可能な発振器を用い、発振器を制御する電圧、電流等
の電気量をモニタし、発振器の感度を変化させながらモ
ニタ値が所定の値となる感度を見いだして設定するよう
にしてある。
【0019】デジタルPLLクロック発生手段をCMO
Sプロセスで高集積化する場合に発振器のばらつきが大
きくなることは現在の技術では避けにくいことである。
そのばらつき抑制のために、感度調整可能な発振器を用
い、感度を調整して、発振器の制御用電気量を所定値に
落ちつかせる。この制御を自動的に行う。すなわち、C
MOSプロセスにてデジタルPLLクロック発生手段を
構成する場合に、発振器のキャリブレーション(校正・
調整)を簡単な構成をもって、しかも人手を要すること
なく、自動的に実行することができる。高集積化のプロ
セスにおいて歩留まりを上げなければならない条件を緩
和でき、また調整コストも抑制することができる。結果
として、装置のコストを低減できる。さらには、自動的
キャリブレーションであるので、経年変化にも支障なく
対応することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を総括
的に説明する。
【0021】本願第1の発明の光ディスク装置は、デジ
タルPLLクロック発生手段における発振器を感度調整
可能な発振器となし、前記発振器を制御する電気量のモ
ニタ手段を備え、前記発振器における感度を変化させな
がら前記デジタルPLLクロック発生手段を動作させて
前記モニタ手段によるモニタ値が所定の値になるときの
感度を前記発振器に設定することを特徴としている。
【0022】この第1の発明によると、CMOSプロセ
スにてデジタルPLLクロック発生手段を構成する場合
に、発振器のキャリブレーション(校正・調整)を、感
度調整可能な発振器とモニタ手段といった簡単な構成を
もって、しかも人手を要することなく、自動的に実行す
ることができる。したがって、高集積化のプロセスにお
いてばらつき対応のために歩留まりを上げなければなら
ない条件を緩和でき、また調整コストも抑制することが
できる。結果として、装置のコストを低減できる。さら
には、自動的キャリブレーションであるので、経年変化
にも支障なく対応することができる。
【0023】本願第2の発明の光ディスク装置は、上記
の第1の発明において、前記デジタルPLLクロック発
生手段は、位相制御手段と周波数制御手段との混成態様
とされたものとして構成されている。この第2の発明に
よると、位相制御手段と周波数制御手段とを用いての協
働的動作により、周波数引き込み動作・位相引き込み動
作を迅速なものとなすことができる。
【0024】本願第3の発明の光ディスク装置は、上記
の第2の発明において、前記周波数制御手段により粗調
整を行い、前記位相制御手段により微調整を行うように
構成したものである。この第3の発明によると、デジタ
ルPLLクロック発生手段における感度調整可能な発振
器の前段の周波数制御手段および位相制御手段それぞれ
のD/A変換器のビット制限にかかわらず、粗調整と微
調整の組み合わせをもって比較的に広い周波数帯域をカ
バーすることができる。
【0025】本願第4の発明の光ディスク装置は、上記
の第3の発明において、前記粗調整と前記微調整との間
に前記周波数制御手段と前記位相制御手段とを連動動作
させるように構成したものである。この第4の発明によ
ると、周波数引き込み動作から位相引き込み動作への移
行を迅速なものにすることができる。
【0026】本願第5の発明の光ディスク装置は、上記
の第1〜第4の発明において、ディスクから読み取った
信号を前記デジタルPLLクロック発生手段が生成する
クロックに同期してA/D変換し、再生データとなすよ
うに構成したものとなっている。CMOSプロセスで接
続されたデジタルPLLクロック発生手段において生成
したクロックでディスクからの読み取り信号をA/D変
換するので、前記CMOSプロセスのばらつきの問題を
解消しつつ、高集積化することや、動作クロックの高速
化を達成することができる。また、同期化された多値の
読み取りが可能な回路の導入を容易化する。
【0027】本願第6の発明の光ディスク装置は、上記
の第1〜第5の発明において、前記感度調整の際に前記
デジタルPLLクロック発生手段に入力する信号を固定
クロック信号とするように構成したものである。
【0028】この第6の発明による作用は次のとおりで
ある。発振器の自動キャリブレーションにおいてデジタ
ルPLLクロック発生手段の動作に用いるクロックとし
てディスクから読み取った信号に基づいて得られる周期
信号(ウォブル2値化信号)で動作させることでもよい
のであるが、もし、その読み取り信号の品質が悪い場合
には、自動キャリブレーションの精度が低下してしま
う。あるいは、自動キャリブレーションが不成功に終わ
る可能性が残る。そこで、読み取り品質に左右されるこ
とのない固定クロック信号を採用することにより、自動
キャリブレーションの精度を確保している。
【0029】本願第7の発明の光ディスク装置は、上記
の第6の発明において、前記ディスクは記録案内溝が周
期的に蛇行している記録再生可能なセクタフォーマット
のものであり、前記固定クロック信号は前記ディスクに
記録するために前記記録案内溝の周期に対応したクロッ
クを生成するためのウォブルPLLクロック発生手段で
発生させたクロックであるという構成となっている。
【0030】この第7の発明による作用は次のとおりで
ある。記録再生可能なディスクの場合には、一般的に、
その書き込み性能を確保するために、ディスクのウォブ
ル信号からクロックを抽出するウォブルPLLクロック
発生手段を備えている。このウォブルPLLクロック発
生手段を有効利用して固定クロック信号を生成するの
で、兼用による構成の簡略化を図ることができる。
【0031】本願第8の発明の光ディスク装置は、上記
の第1〜第5の発明において、前記感度調整の際に前記
デジタルPLLクロック発生手段に入力する信号をディ
スクからの読み取りによる周期信号(ウォブル2値化信
号)とするように構成したものである。何らかの別の工
夫により、ディスクからの読み取り品質を良好なものと
して確保することができるときには、特に、固定クロッ
ク信号を用いなくても、そのディスクからの読み取りに
よる周期信号に基づいて自動キャリブレーションを行わ
せることが可能であり、固定クロック信号を生成するデ
バイスや固定クロック信号と読み取り周期信号との切り
換えの手段が省略できる。
【0032】本願第9の発明の光ディスク装置は、上記
の第1〜第8の発明において、前記位相制御手段と前記
周波数制御手段に対して初期値を設定する初期値設定手
段を備えたものとして構成されている。この第9の発明
によると、発振器の感度調整に基づく自動キャリブレー
ションにおいて、周波数引き込み動作・位相引き込み動
作を迅速なものとなすことができる。
【0033】本願第10の発明の光ディスク装置は、位
相制御手段と周波数制御手段との混成態様とされたデジ
タルPLLクロック発生手段における前記周波数制御手
段により粗調整を行い、前記位相制御手段により微調整
を行うように構成され、前記位相制御手段と前記周波数
制御手段に対して初期値を設定する初期値設定手段を備
えていることを特徴としている。この第10の発明によ
ると、光学ヘッドのシーク動作やリトライ動作におい
て、PLLロックまでの所要時間を短縮化することがで
きる。
【0034】本願第11の発明の光ディスク装置は、上
記の第10の発明において、前記粗調整と前記微調整と
の間に前記周波数制御手段と前記位相制御手段とを連動
動作させるように構成したものである。この第11の発
明によると、周波数引き込み動作から位相引き込み動作
への移行を迅速なものにすることができる。
【0035】本願第12の発明の光ディスク装置は、上
記の第10・第11の発明において、ディスクから読み
取った信号を前記デジタルPLLクロック発生手段が生
成するクロックに同期してA/D変換し、再生データと
なすように構成したものとなっている。この第12の発
明によると、PLLクロック発生手段をCMOSプロセ
スでデジタル化して高集積化を達成するとともに、動作
クロックの高速化を達成することができる。また、同期
化された多値の読み取りが可能な回路の導入を容易化す
る。
【0036】本願第13の発明の光ディスク装置は、上
記の第10〜第12の発明において、前記初期値設定手
段はシーク時に設定変更するように構成されている。光
学ヘッドのシーク動作やリトライ動作において、周波数
引き込み動作・位相引き込み動作を迅速なものとなし、
PLLロックまでの所要時間を短縮化することができ
る。
【0037】本願第14の発明の光ディスク装置は、上
記の第10〜第13の発明において、前記デジタルPL
Lクロック発生手段における発振器を感度調整可能な発
振器となしたものとなっている。
【0038】この第14の発明による作用は次のとおり
である。CMOSプロセスにてデジタルPLLクロック
発生手段を構成する場合に、発振器のキャリブレーショ
ン(校正・調整)を、感度調整可能な発振器とモニタ手
段といった簡単な構成をもって、しかも人手を要するこ
となく、自動的に実行することができる。したがって、
高集積化のプロセスにおいてばらつき対応のために歩留
まりを上げなければならない条件を緩和でき、また調整
コストも抑制することができる。結果として、装置のコ
ストを低減できる。さらには、自動的キャリブレーショ
ンであるので、経年変化にも支障なく対応することがで
きる。しかも、光学ヘッドのシーク動作やリトライ動作
において、PLLロックまでの所要時間を短縮化するこ
とができる。
【0039】本願第15の発明の光ディスク装置は、上
記の第9〜第14の発明において、前記初期値設定手段
は、ディスクの種類または再生スピードに応じて設定変
更するように構成されたものとなっている。この第15
の発明によると、光ディスクとして種類の異なるものが
交換されたときとか、モードの変更が行われたときなど
において、それぞれに適した初期値を自動的に選択する
ことにより、素早い引き込みの機能を維持することがで
きる。
【0040】以下、本発明にかかわる光ディスク装置の
具体的な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の実施の形態においては、記録案内溝が周期的に蛇
行(ウォブリング)しているセクターフォーマットの光
ディスク(例えばDVD−RAMディスク)の再生に関
してのみ説明するが、CDディスク、DVD−ROMデ
ィスクなどの連続記録データの再生についても適用可能
である。
【0041】図1は、本発明の実施の形態における光デ
ィスク装置の再生系のブロック図を示している。図1に
おいて、符号の1は記録案内溝が周期的に蛇行している
セクターフォーマットを有する光ディスクを示す。この
セクターフォーマットについては図6を用いて後述す
る。2は光ディスク1に光ビームを照射し、その反射光
の強弱によって記録データを読み取り、電気信号を出力
する光ピックアップを含む光学ヘッド、3は光学ヘッド
2における光ピックアップの出力信号を増幅し、広帯域
の高周波再生信号RFとトラッキングエラー信号TEを
出力するプリアンプ、4はプリアンプ3から入力された
高周波再生信号RFとトラッキングエラー信号TEを時
分割的に切り換えたり、この切り換えられた読み取り信
号のDC変動を時分割にクランプすることによってキャ
ンセルするオフセットキャンセル回路、5はオフセット
キャンセル回路4の出力信号の振幅を一定になるように
ゲインコントロールするオートゲインコントロール回路
(AGC回路)、6はAGC回路5の出力信号の周波数
特性を改善するイコライザである。
【0042】7はイコライザ6の出力信号から、後段か
らのフィードバック電圧を差し引いて出力する差動増幅
器、8は差動増幅器7のアナログ出力信号を後述するチ
ャネルクロックCLKでデジタル信号に変換するA/D
変換器、9はA/D変換器8の出力信号のDC成分を抽
出するオフセットコントロール回路、10はオフセット
コントロール回路9のデジタル出力信号をアナログ電圧
に変換するオフセットフィードバック用のD/A変換器
(説明の都合上、これを第3のD/A変換器とする)で
あり、これらの回路構成要素7,8,9,10によって
オフセット制御ループを構成している。このオフセット
制御ループにより、A/D変換器8に入力する信号のD
CレベルをA/D変換器8の変換レベルのほぼ中点に制
御する。ここで、A/D変換器8は、変換レベルの中点
をデジタル変換後の値“0”とし、それより低い電圧の
場合はマイナスの値を出力し、それより高い電圧の場合
はプラスの値を出力する。
【0043】11はA/D変換器8のデジタル出力信号
から位相誤差信号eφを生成する位相比較器、12は位
相比較器11の出力信号の不要な高周波成分を除去する
第1のループフィルタ、13は第1のループフィルタ1
2のデジタル出力信号D11をアナログ電圧信号d11
に変換する第1のD/A変換器、14は第1のループフ
ィルタ12に対して第1の初期値Ini1 を与える第1
の初期値設定手段であり、上記ブロック構成要素11,
12,13,14により微調整用の位相制御ループを構
成している。
【0044】15はプリアンプ3からのトラッキングエ
ラー信号TEの不要な周波数成分を除去し、光ディスク
1の周期的に蛇行している記録案内溝(図6参照)に対
応した周期の正弦波(以下ウォブル信号)を抽出して2
値化するウォブル2値化回路、16は後述するコントロ
ーラ26に制御され、ウォブル2値化回路15の出力信
号とコントローラ26に内蔵されている後述するウォブ
ルPLLクロック発生手段27の出力信号のいずれか一
方を選択し、後段の周波数比較器18に出力するセレク
タ、17はA/D変換器8のデジタル出力信号からデー
タ復調のための同期信号SYNCを検出し、その検出ご
とにパルスを出力するSYNC検出手段、18はセレク
タ16の出力またはSYNC検出手段17の出力を、V
CO23の感度調整時、またはDVD−RAMディスク
の記録再生時と、DVD−ROMディスクやCDの再生
時とで選択し、セレクタ16の出力信号の周期またはS
YNC検出手段17の出力信号の周期を後述するVCO
23の次段の分周器25で得られるチャネルクロックC
LKでカウントし、所定のカウント数と比較して周波数
誤差信号efを出力する周波数比較器、19は周波数比
較器18の出力信号の不要な高周波成分を除去する第2
のループフィルタ、20は第2のループフィルタ19の
デジタル出力信号D22をアナログ電圧信号d22に変
換する第2のD/A変換器、21は第2のループフィル
タ19へ初期値を与える第2の初期値設定手段であり、
上記ブロック構成要素18,19,20,21により粗
調整用の周波数制御ループを構成している。
【0045】22は第2のループフィルタ19から出力
されるデジタル出力信号D22のレベルをモニタするモ
ニタ手段であり、VCO23をキャリブレーションする
ときに後述するコントローラ26へモニタ信号MOを出
力する。
【0046】23は第1のD/A変換器13からのアナ
ログ電圧信号d11と第2のD/A変換器20からのア
ナログ電圧信号d22とを加算して、加算後の電圧に相
当する周波数のクロックを生成するVCO(電圧制御型
発振器)、24はVCO23に内蔵されており、入力電
圧に対する出力周波数の変化する割合すなわち感度を調
整するための値を保持する感度調整用レジスタ、25は
VCO23の出力クロックを所望の周波数に分周してシ
ステムの動作周波数に変換してシステム全体にチャネル
クロックCLKを供給する分周器である。分周器25が
生成したチャネルクロックCLKは、コントローラ26
をはじめとして、A/D変換器8、オフセットコントロ
ール回路9、位相比較器11、第1のループフィルタ1
2、第1のD/A変換器13、周波数比較器18、第2
のループフィルタ19、第2のD/A変換器20その他
に供給される。
【0047】26は装置全体をコントロールするコント
ローラであり、ウォブル2値化回路15の出力信号をも
とに記録クロックを生成するウォブルPLLクロック発
生手段27と、このウォブルPLLクロック発生手段2
7が出力する記録クロックから記録パルスを生成する記
録パルス生成手段28を内蔵している。また、ウォブル
PLLクロック発生手段27はシンセサイザ機能も持っ
ており、水晶発振器29のクロックから、記録クロック
を生成することも可能となっている。30は記録パルス
生成手段28の出力信号を入力とし、光学ヘッド2のパ
ワーをコントロールするレーザーパワーコントローラ
(LPC)30である。
【0048】コントローラ26は、オフセットキャンセ
ル回路4に対してヘッダゲート信号HGとリードゲート
信号RGを送出し、位相比較器11に対してリードゲー
ト信号RG(制御信号SC01)を送出し、第1のルー
プフィルタ12および第2のループフィルタ19に対し
てトラッキングOK信号TOKを送出し、また、第1の
ループフィルタ12に対して制御信号SC11を送出す
るように構成され、また、周波数比較器18から周波数
粗調整許可信号SOと周波数微調整許可信号BIを入力
し、モニタ手段22からモニタ信号MOを入力するよう
に構成されている。
【0049】図1に示した回路構成において、A/D変
換器8から、また周波数比較器18から分周器25まで
の部分がCMOSによる1チップで構成されている。こ
のチップには、第3のD/A変換器10、モニタ手段2
2も含まれている。差動増幅器7、セレクタ16、コン
トローラ26、水晶発振器29、レーザーパワーコント
ローラ30などは、そのチップとは別構成となってい
る。もっとも、このようなチップ構成は単なる例示にす
ぎず、仕様に応じて適宜に変更してよいことはいうまで
もない。
【0050】ここで位相比較器11と第1のループフィ
ルタ12と第1のD/A変換器13と第1の初期値設定
手段14で構成する微調整用の位相制御ループと、周波
数比較器18と第2のループフィルタ19と第2のD/
A変換器20と第2の初期値設定手段21で構成する粗
調整用の周波数制御ループの役割分担について説明す
る。
【0051】粗調整用の周波数制御ループは、比較的粗
い分解能での周波数の迅速な引き込みを目的とする。そ
して、微調整用の位相制御ループは、位相比較を行い、
細かい分解能で位相引き込みを行うことを目的とする。
このようにするのは、次の理由による。すなわち、第1
のD/A変換器13および第2のD/A変換器20は各
々ビット数に制限があり、広い範囲の周波数およびジッ
ターフリー再生範囲をカバーするためには、粗い分解能
を持つ第2のD/A変換器20と細かい分解能を持つ第
1のD/A変換器13とを備えて、光ディスク1の回転
速度に合わせて2つのD/A変換器を緻密に連係して制
御する必要がある。周波数引き込みはその周波数誤差が
位相引き込みのキャプチャーレンジの範囲に入るまで行
われ、入ってからしばらく継続され、その後、位相制御
に引き継がれる。
【0052】上記の説明を補足すると、粗い分解能とか
細かい分解能といっているのは、第1のD/A変換器1
3と第2のD/A変換器20とは同じビット数(例えば
ともに8ビット)であるが、デジタルデータの上位側ビ
ット群を第2のD/A変換器20に分担させ、下位側ビ
ット群を第1のD/A変換器13に分担させるというこ
とである。
【0053】図2は、図1に示した光ディスク装置のう
ち、本発明の特徴概念として重要な部分を抜き出しかつ
まとめた概略ブロック図である。図2において、符号の
Cfは、図1における周波数比較器18と第2のループ
フィルタ19と第2のD/A変換器20と第2の初期値
設定手段21とからなる粗調整用の周波数制御ループと
しての周波数制御手段、Cφは図1における位相比較器
11と第1のループフィルタ12と第1のD/A変換器
13と第1の初期値設定手段14とからなる微調整用の
位相制御ループとしての位相制御手段、DPCは上記の
周波数制御手段Cfと位相制御手段Cφおよび感度調整
用レジスタ24付きのVCO23からなるデジタルPL
Lクロック発生手段である。デジタルPLLクロック発
生手段DPCは、VCO23を制御する電圧(または電
流)のレベルをモニタするモニタ手段22を備えてい
る。
【0054】この図2に示したブロック構成において動
作の概略を説明すると、次のようになる。光ディスク1
から読み取られた信号情報が、A/D変換器8によりデ
ジタルPLLクロック発生手段DPCで生成されたクロ
ックに同期してデジタル化され、そのクロックに同期し
た再生データを出力する。再生データは、後段のデジタ
ル回路(ビタビ復号器)とデジタルPLLクロック発生
手段DPCにおける位相制御手段Cφに入力される。
【0055】通常読み取り動作モードでは、セレクタ1
6は、光ディスク1からの読み取り信号に基づく周期信
号(ウォブル2値化信号)を選択して、デジタルPLL
クロック発生手段DPCにおける周波数制御手段Cfに
出力する。コントローラ26は、周波数制御手段Cfと
位相制御手段Cφとを制御する。まず、周波数制御手段
Cfによって粗調整を行い、次の段階で周波数制御手段
Cfが位相制御手段Cφを利用するかたちで微調整を行
い、最後に位相比較器11から位相誤差信号eφを出力
させて、位相制御手段Cφによって微調整を行う。
【0056】自動キャリブレーション動作モードにおい
ては、セレクタ16は固定クロック信号を選択して、デ
ジタルPLLクロック発生手段DPCにおける周波数制
御手段Cfに出力する。このときの動作は、概ね上記と
同様であるが、次の点に特徴がある。コントローラ26
は、VCO23の感度調整用レジスタ24に設定する感
度値(β値)を変化させつつ、モニタ手段22からモニ
タ信号MOを入力し、そのモニタ信号MOの値が所定の
値に接近するようにフィードバック制御を行い、周波数
ロックして所定値になったときの感度値(β値)を最終
的に感度調整用レジスタ24に設定する。
【0057】次に、位相制御手段Cφにおける位相比較
器11と第1のループフィルタ12のより詳しい回路構
成および周波数制御手段Cfにおける周波数比較器18
と第2のループフィルタ19のより詳しい回路構成につ
いて、順次に説明してゆくことにする。
【0058】まず、位相比較器11について図3に基づ
いて説明し、次に、周波数比較器18について図4に基
づいて説明し、さらには、第1のループフィルタ12と
第2のループフィルタ19とについて図5に基づいて説
明する。
【0059】まず、図3に基づいて位相比較器11につ
いて説明する。この位相比較器11は、遅延素子41
と、位相誤差算出回路42と、ゼロクロス検出回路43
と、セレクタ44とを備えている。遅延素子41および
ゼロクロス検出回路43の入力端子はそれぞれA/D変
換器8の出力端子に接続されている。位相誤差算出回路
42の2つの入力端子はA/D変換器8の出力端子と遅
延素子41の出力端子とに接続されている。ゼロクロス
検出回路43の2つの入力端子はA/D変換器8の出力
端子と遅延素子41の出力端子とに接続されている。ゼ
ロクロス検出回路43の出力端子は位相誤差算出回路4
2の制御入力端子に接続されている。位相誤差算出回路
42の出力端子はセレクタ44の入力端子に接続されて
いる。セレクタ44の他の入力端子には“0”が入力さ
れる。セレクタ44の出力端子は次段の第1のループフ
ィルタ12の入力端子に接続されている。
【0060】遅延素子41はA/D変換器8からのデジ
タル出力信号を1チャネルクロックの期間だけ保持し、
次のチャネルクロックCLKで位相誤差算出回路42お
よびゼロクロス検出回路43に出力する(Si-1 )。ゼ
ロクロス検出回路43は、前記の1チャネルクロック期
間を挟む前後の再生出力信号から再生デジタル信号にゼ
ロクロスが発生したか否かを判断する。すなわち、その
1チャネルクロック期間の前後の再生出力信号
(Si-1 ,Si )が正と負、または、負と正であるか否
かによって、立ち下がりかまたは立ち上がりのゼロクロ
スが発生したと判断し、それに対応するゼロクロス検出
信号を位相誤差算出回路42に供給する。
【0061】位相誤差算出回路42は、ゼロクロス検出
回路43より供給されるゼロクロス検出信号に応じて、
遅延素子41より供給された1チャネルクロック期間前
後の再生出力信号から、位相誤差信号eφを算出し、セ
レクタ44に出力する。位相誤差算出回路42における
位相誤差信号eφの算出は、例えば、立ち上がりのゼロ
クロスが発生した場合は両再生出力信号値の和(Si-1
+Si )をとり、立ち下がりのゼロクロスが発生した場
合は両再生出力信号値の和に“−1”を乗じた値“−
(Si-1 +Si )”をとる。いずれにしても、Si-1
i のうちいずれか一方が正で他方が負であるので、両
者の和は差分ということになり、その絶対値をとってい
ることになる。
【0062】セレクタ44は、コントローラ26からの
制御信号SC01の“H”,“L”に応じて、“0”ま
たは位相誤差算出回路42の出力を選択し、位相誤差算
出回路42の選択のときは位相誤差信号eφとして、次
段の第1のループフィルタ12に出力する。
【0063】次に、図4に基づいて周波数比較器18に
ついて説明する。この周波数比較器18は、第1のカウ
ンタ71と、周期信号セレクタ72と、第2のカウンタ
73と、減算器74と、絶対値出力回路75と、第1の
エラー判定器76と、第2のエラー判定器77と、セレ
クタ78とを備えている。
【0064】第1のカウンタ71は、セレクタ16の出
力する2値化信号の立ち上がりで、ある定数(後述の例
では“8”)をカウントし、その定数の周期に基づく周
期信号を出力する。周期信号セレクタ72は、コントロ
ーラ26の制御信号SC10により第1のカウンタ71
の出力信号とSYNC検出手段17の出力信号とを選択
する。コントローラ26は、VCO23のキャリブレー
ションを行うときと、DVD−RAMディスクが装着さ
れているときは、第1のカウンタ71を選択するよう
に、また、DVD−ROMディスクやCDが装着されて
いるときは、SYNC検出手段17を選択するように周
期信号セレクタ72に対して制御信号SC10を送出す
る。第2のカウンタ73は、周期信号セレクタ72から
の周期信号の間隔を分周器25からのチャネルクロック
CLKでカウントする。減算器74は、第2のカウンタ
73のカウント値をある定数(本実施の形態では148
8(=186×8))から減算し、その結果を周波数誤
差信号efとして絶対値出力回路75および次段の第2
のループフィルタ19に出力し、さらにセレクタ78に
出力する。
【0065】絶対値出力回路75は、周波数誤差信号e
fの絶対値をとって周波数誤差絶対値信号absとして
第1のエラー判定器76および第2のエラー判定器77
に出力する。
【0066】第1のエラー判定器76は、周波数誤差絶
対値信号absを第1の所定値Sth 1 (例えば“3
2”)と比較し、第1の所定値Sth1 よりも大きい状態
が所定回数(例えば8回)連続したときは、周波数粗調
整許可信号SOとして“0”をコントローラ26に出力
し、第1の所定値Sth1 以下の状態が所定回数(例えば
4回)連続したときは、周波数粗調整許可信号SOとし
て“1”をコントローラ26に出力する。
【0067】第2のエラー判定器77は、周波数誤差絶
対値信号absを第2の所定値Sth 2 (例えば“4”)
と比較し、第2の所定値Sth2 よりも大きい状態が所定
回数(例えば8回)連続したときは、周波数微調整許可
信号BIとして“0”をコントローラ26に出力し、第
2の所定値Sth2 以下の状態が所定回数(例えば4回)
連続したときは、周波数微調整許可信号BIとして
“1”をコントローラ26に出力する。
【0068】セレクタ78は、コントローラ26からの
制御信号SC20の“H”,“L”に応じて、“0”ま
たは減算器74の出力を選択し、減算器74の選択のと
きは周波数誤差信号efとして、次段の第2のループフ
ィルタ19に出力する。
【0069】次に、図5に基づいて第1のループフィル
タ12と第2のループフィルタ19について説明する。
【0070】第1のループフィルタ12は、第1の乗算
器51と、第2の乗算器52と、第1の加算器53と、
第2の加算器54と、第1の初期値セレクタ55と、第
1の遅延回路56と、第3の加算器57と、周波数誤差
セレクタ58とを備えている。
【0071】第1の乗算器51は、位相比較器11の出
力信号である位相誤差信号eφと第1の定数Aを乗算し
て出力する。第2の乗算器52は、位相誤差信号eφと
第2の定数Bを乗算して出力する。第1の加算器53
は、第2の乗算器52の出力信号と周波数誤差セレクタ
58の出力信号とを加算する。
【0072】第2の加算器54は、第1の加算器53の
出力信号と第1の遅延回路56の出力信号を加算する。
第1の初期値セレクタ55は、コントローラ26からの
トラッキングOK信号TOKが“0”のときに限って第
1の初期値設定手段14による第1の初期値Ini1
選択し、それ以外のときは第2の加算器54の出力信号
を選択する。第1の遅延回路56は、第1の初期値セレ
クタ55からの出力信号を保持し、チャネルクロック1
周期分だけ遅延させて出力する。これにより、高周波成
分を除去する。第3の加算器57は、第1の乗算器51
の出力信号と第1の遅延回路56の出力信号を加算し、
その加算結果をデジタル出力信号D11として次段の第
1のD/A変換器13に出力する。
【0073】周波数誤差セレクタ58は、コントローラ
26から制御信号SC11の入力がないときは定数
“0”を選択し、制御信号SC11の入力があるときは
第2のループフィルタ19における周波数誤差極性判別
回路60からの周波数誤差極性判定信号pfを選択す
る。コントローラ26は、自動キャリブレーション動作
のモードが後述する周波数・位相制御領域PH2にあっ
て、周波数粗調整許可信号SOが“1”でかつ周波数微
調整許可信号BIが“0”のときに制御信号SC11を
出力する。周波数誤差極性判定信号pfは、“+1”か
“−1”か“0”である。
【0074】第2のループフィルタ19は、周波数誤差
極性判別回路60と、第3の乗算器61と、第4の加算
器62と、第2の初期値セレクタ63と、第2の遅延回
路64とを備えている。
【0075】周波数誤差極性判別回路60は、周波数比
較器18における減算器74が出力しセレクタ78で選
択された周波数誤差信号efの極性を判断し、“+1”
と“−1”と“0”のいずれかを周波数誤差極性判定信
号pfとして第1のループフィルタ12における周波数
誤差セレクタ58に出力する。
【0076】第3の乗算器61は、周波数誤差信号ef
に第3の定数Cを乗算して出力する。第4の加算器62
は、第3の乗算器61の出力信号と第2の遅延回路64
の出力信号を加算する。第2の初期値セレクタ63は、
コントローラ26からのトラッキングOK信号TOKが
“0”のときに限って第2の初期値設定手段21による
第2の初期値Ini2 を選択し、それ以外のときは第4
の加算器62の出力信号を選択する。第2の遅延回路6
4は、第2の初期値セレクタ63からの出力信号を保持
し、チャネルクロック1周期分だけ遅延させてデジタル
出力信号D22として出力する。これにより、高周波成
分を除去する。第2の遅延回路64からのデジタル出力
信号D22は次段の第2のD/A変換器20に出力され
る。
【0077】図6は本実施の形態の動作を説明するため
のタイミング図および対応するセクタフォーマット構成
を示す。図6(A)はDVD−RAMディスクを読み取
ったときのプリアンプ3の出力する高周波再生信号RF
を示し、図6(B)はトラッキングエラー信号TEを示
し、図6(C)はオフセットキャンセル回路4の出力信
号を示し、図6(D)はコントローラ26がオフセット
キャンセル回路4に出力するヘッダゲート信号HGを示
し、図6(E)はコントローラ26がオフセットキャン
セル回路4および位相比較器11に出力するリードゲー
ト信号RGを示し、図6(F)はウォブル2値化回路1
5が出力するウォブル2値化信号WBを示す。また、図
6(G)および図6(H)はディスクフォーマットを示
し、図6(I)は図6(H)に対応したリードゲート信
号RGを示す。
【0078】図6(G),(H),(I)に示すよう
に、1セクタは、記録案内溝と2分の1トラックずれた
ところに記録されているヘッダ81と、記録案内溝が周
期的に蛇行している情報記録部82から構成されてい
る。ヘッダ81はプリピットで構成されており、大きく
分けると、単一周波数パターンの記録されているVFO
部83a,84a,85a,86aとアドレス情報が記
録されているアドレス情報ID部83b,84b,85
b,86bから構成されている。
【0079】情報記録部82は再記録可能な領域で、情
報が記録されている場合とそうでない場合がある。記録
されている場合は、その主な構成は、第1のガード領域
87とVFO部88と記録データ(ユーザデータ)部8
9と第2のガード領域90とからなる。また、情報記録
部82は周期的に蛇行しており、その周期は図6(B)
に示すように186チャネルクロック周期になってい
る。したがって、記録・未記録に関わらず、トラッキン
グエラー信号TEには図6(B)に示すようにヘッダ8
1のプリピットの信号と、186チャネルクロック周期
の正弦波(ウォブル信号)が現れる。
【0080】上記のDVD−RAM部の構成について、
図7を用いてさらに詳しく説明する。図7において、I
Daで示す領域は図6(H)において符号83a,83
b,84a,84bで示す領域に相当し、IDbで示す
領域は図6(H)における85a,85b,86a,8
6bで示す領域に相当し、ヘッダ81のアドレス情報が
2組になっており、内周側または外周側に1/2トラッ
クピッチの距離だけずらしている。また、このヘッダ8
1のピット信号の幅は、情報記録部82におけるグルー
ブ部33およびランド部34の幅にほぼ等しくなるよう
に形成されている。
【0081】図7において、グルーブ部33およびラン
ド部34はトラックのトレース方向に対して垂直方向に
正弦波状にウォブルしている。この正弦波状ウォブルの
意味は次のとおりである。すなわち、ディスクドライブ
がDVD−RAM部の情報記録部82にデータの記録を
行う場合、このウォブルの周期をプリアンプ3を介して
ウォブル2値化回路15で検出して、ウォブルPLLク
ロック発生手段27でこのウォブル2値化信号WBに同
期した記録クロックを生成し、この記録クロックに同期
して記録パルス生成手段28で記録パルスを生成し、レ
ーザーパワーコントローラ30により光学ヘッド2のレ
ーザーをコントロールし、データの書き込みを行う。ウ
ォブルはグルーブ部33およびランド部34に対して1
周にわたりほぼ連続的に出現するので、PLLの引き込
みが早く、記録動作時間が短縮できる。
【0082】図8は、本実施の形態でのPLLの周波数
制御ループによる周波数引き込み動作および位相制御ル
ープによる位相引き込み動作を説明するタイミングチャ
ートである。ここでは図4で説明した第1のエラー判定
器76の出力信号と、第2のエラー判定器77の出力信
号の組合せにより引き込み動作を切り換えていく動作を
示しており、この引き込み動作については後述する。
【0083】次に、上記のように構成された実施の形態
の光ディスク装置の動作を説明する。
【0084】光学ヘッド2の光ピックアップで読み取ら
れた光ディスク1の読み取り信号がプリアンプ3に入力
され、図6(A)に示す高周波再生信号RFと図6
(B)に示すトラッキングエラー信号TEが出力され
る。コントローラ26からは、図6(G)に示すヘッダ
81の部分だけ“1”の信号である図6(D)に示すヘ
ッダゲート信号HGと、PLLの引き込み動作を行うた
めの図6(E)に示すリードゲート信号RGが出力され
ている。リードゲート信号RGは、VFO部83aとV
FO部85aの先頭から少し遅れたところで立ち上が
り、アドレス情報84bとアドレス情報86bの終端部
で立ち下がり、記録されている場合においてVFO部8
8の先頭から少し遅れたところで立ち上がり第2のガー
ド領域90の途中で立ち下がるといった形態となってい
る。このコントローラ26からのヘッダゲート信号HG
とリードゲート信号RGがオフセットキャンセル回路4
に入力される。
【0085】オフセットキャンセル回路4においては、
ヘッダゲート信号HGの“1”の部分でトラッキングエ
ラー信号TEを選択し、ヘッダゲート信号HGの“0”
の部分で高周波再生信号RFを選択する。また、オフセ
ットキャンセル回路4は、リードゲート信号RGが
“1”の部分で内部クランプ回路の時定数を小さくして
DC再生を急速に行い、その結果、図6(C)に示すよ
うな大まかなDCオフセットがキャンセルされた信号を
出力する。なお、もちろん、ヘッダゲート信号HGの
“1”の部分と“0”の部分の両方で高周波再生信号R
Fを選択するようにしてもよい。
【0086】次に、A/D変換器8の入力信号のオフセ
ットキャンセル方法を説明する。A/D変換器8でアナ
ログ・デジタル変換された信号がオフセットコントロー
ル回路9に入力される。オフセットコントロール回路9
はデジタル信号のMSB(極性信号)をチャネルクロッ
クCLKで符号毎にカウントし、正の符号のカウント値
は加算し、負の符号のカウント値は減算する。この加算
処理、減算処理を繰り返し、積分した信号をオフセット
制御ループの第3のD/A変換器10へ入力する。この
第3のD/A変換器10は入力されたデジタル積分値を
アナログ電圧に変換し、差動増幅器7へ入力する。差動
増幅器7ではイコライザ6の出力信号の電圧値から第3
のD/A変換器10のアナログ電圧値を差し引き、A/
D変換器8へ入力する。この動作により、前段のアナロ
グ回路によって発生されるオフセット電圧をA/D変換
器8のアナログ入力でキャンセルすることができるので
A/D変換器8のダイナミックレンジを有効に使用する
ことができる。
【0087】次に、ジッターフリー再生動作について説
明する。光学ヘッド2のシークまたはリトライ等が発生
し、トラッキング制御がオフからオンに変わったとき、
コントローラ26はまず周波数比較器18に動作開始の
指令を送る。一方、ウォブル2値化回路15には図6
(B)のトラッキングエラー信号TEが入力され、バン
ドパスフィルタで186チャネルクロック相当の周波数
の正弦波が抽出されて2値化され、図6(F)に示すよ
うなウォブル2値化信号WBが出力される。
【0088】セレクタ16はコントローラ26からの制
御信号SC02によって制御され、通常読み取り動作の
ときはウォブル2値化回路15の出力であるウォブル2
値化信号WBを選択する。セレクタ16からのウォブル
2値化信号WBが周波数比較器18に入力されると、ま
ず、図4に示す第1のカウンタ71でウォブル2値化信
号WBの立ち上がりエッジを8回カウントし、ウォブル
2値化信号WBの立ち上がりエッジ8回分の周期の信号
を出力する。周期信号セレクタ72はコントローラ26
からの制御信号SC10によって制御され、DVD−R
AMディスク読み取り動作のときは第1のカウンタ71
の出力信号を第2のカウンタ73に供給する。第2のカ
ウンタ73では第1のカウンタ71の出力する信号の周
期を分周器25からのチャネルクロックCLKでカウン
トする。ウォブル2値化信号WBの立ち上がりエッジ8
回分の周期は本来1488チャネルクロック分(=18
6チャネルクロック×8)であるので、減算器74にお
いて固定値“1488”からこの第2のカウンタ73の
カウント値を減算し、周波数誤差信号efとして各周期
ごとに出力する。すなわち、第2のカウンタ73のカウ
ント値が“1488”より小さければ周波数が低いので
周波数を上げるようにプラスの値の周波数誤差信号ef
として出力され、第2のカウンタ73のカウント値が
“1488”より大きければ周波数が高いので周波数を
下げるようにマイナスの値の周波数誤差信号efとして
出力される。
【0089】絶対値出力回路75は周波数誤差信号ef
の絶対値を算出し周波数誤差絶対値信号absとして第
1のエラー判定器76と第2のエラー判定器77に出力
する。
【0090】図8に示すように、第1のエラー判定器7
6においては、絶対値出力回路75から入力される周波
数誤差絶対値信号absが第1の所定値Sth1 (例えば
“32”)より大きい出力が8回連続して続いたときに
周波数粗調整許可信号SOを“0”で出力し、逆に、周
波数誤差絶対値信号absが第1の所定値Sth1 (例え
ば“32”)以下の出力が4回連続して続いたときに周
波数粗調整許可信号SOを“1”でコントローラ26に
出力する。また、第2のエラー判定器77においては、
絶対値出力回路75から入力される周波数誤差絶対値信
号absが第2の所定値Sth2 (例えば“4”)より大
きい出力が8回連続して続いたときに周波数微調整許可
信号BIを“0”でコントローラ26に出力し、逆に、
周波数誤差絶対値信号absが第2の所定値Sth2 (例
えば“4”)以下の出力が4回連続して続いたときに周
波数微調整許可信号BIを“1”でコントローラ26に
出力する。
【0091】シーク等の発生でCLV制御設定前のトラ
ッキング制御段階において、大きく周波数変動があるよ
うな場合の動作は次のようになる。
【0092】最初は、周波数粗調整許可信号SOが
“0”でかつ周波数微調整許可信号BIも“0”の状態
となっており、この状態を周波数制御領域PH1と呼
び、周波数比較器18、第2のループフィルタ19、第
2のD/A変換器20、第2の初期値設定手段21より
なる周波数制御手段Cf(図2参照)による周波数制御
が行われる。
【0093】次いで、その周波数制御によって周波数粗
調整許可信号SOが“0”から“1”に切り換わり(図
8のポイントT1参照)、周波数微調整許可信号BIは
“0”のままの状態となる。この状態を周波数・位相制
御領域PH2と呼び、位相比較器11、第1のループフ
ィルタ12、第3のD/A変換器10、第1の初期値設
定手段14よりなる位相制御手段Cφ(図2参照)によ
る周波数制御の支援を受けながら周波数制御手段Cfに
よる周波数制御が行われる。ただし、この周波数・位相
制御領域PH2においては、コントローラ26は、周波
数粗調整許可信号SO=“1”と周波数微調整許可信号
BI=“0”に基づいて制御信号SC01を“H”とし
て生成し、これを位相比較器11におけるセレクタ44
に出力する。セレクタ44は、“H”の制御信号SC0
1の入力によって、“0”を選択するため、位相比較器
11からの出力は“0”に固定されてしまい、位相誤差
信号eφの出力が禁止される。
【0094】上記の周波数・位相制御によって周波数微
調整許可信号BIが“0”から“1”に切り換わる(図
8のポイントT2参照)。このとき、周波数粗調整許可
信号SOはすでに“1”となっている。この状態を位相
制御領域PH3と呼び、コントローラ26はセレクタ4
4に対して“L”の制御信号SC01を送出し、セレク
タ44は位相誤差算出回路42に接続されるため、位相
比較器11からは位相誤差信号eφの出力が行われて、
位相制御が行われるようになる。
【0095】以下、より詳細な動作について、周波数制
御領域PH1での動作、周波数・位相制御領域PH2で
の動作、位相制御領域PH3での動作の順に、順を追っ
て説明する。
【0096】(1)周波数制御領域PH1での動作 まず、周波数制御領域PH1では、図5に示す第2のル
ープフィルタ19に対してコントローラ26からトラッ
キングOK信号TOKとして“0”が入力されると、第
2の初期値セレクタ63では第2の初期値設定手段21
の出力である第2の初期値Ini2 を選択し、DVD−
RAMディスク再生の中心周波数のほぼ近傍の周波数が
得られる値が、第2の遅延回路64でラッチされ、デジ
タル出力信号D22として第2のD/A変換器20へ供
給される。その後、トラッキングOK信号TOKとして
“1”が入力されると、第2の初期値セレクタ63はす
ぐに第4の加算器62の出力信号を選択する。この動作
により、シーク終了直後からVCO23では中心周波数
に近い発振周波数が得られるので、粗調整用の周波数制
御ループの引き込み時間が短くなる。
【0097】また、同様に微調整用の位相制御ループで
もコントローラ26からトラッキングOK信号TOKと
して“0”が入力されると、第1の初期値セレクタ55
では、第1の初期値設定手段14の出力である第1の初
期値Ini1 (例えば“80h”(16進数))を選択
する。“80h”は10進数で「128」であり、これ
は、第1のD/A変換器13のダイナミックレンジの8
ビットの「256」の2分の1となっている。したがっ
て、第1のD/A変換器13の中心値が第1の遅延回路
56でラッチされ、第1のD/A変換器13へ供給され
る。その後においてシークが終了し、トラッキングOK
信号TOKとして“1”が入力されると、第1の初期値
セレクタ55は第2の加算器54の出力信号を選択す
る。この動作により、常に微調整用の位相制御ループが
第1のD/A変換器13の中心値から制御され、ロック
レンジが一番広くなるように制御される。
【0098】そして、減算器74から出力されセレクタ
78で選択された周波数誤差信号efが第2のループフ
ィルタ19に入力されると、第2のループフィルタ19
の第3の乗算器61は周波数誤差信号efと定数Cを乗
算し乗算結果を出力する。そして第4の加算器62はこ
の第4の加算器62が出力し、第2の初期値セレクタ6
3に選択され第2の遅延回路64で遅延された信号と第
3の乗算器61の出力信号とを加算し出力する。そし
て、第2の遅延回路64は周波数誤差信号efの余分な
周波数成分を除去した信号を出力する。第2のD/A変
換器20は第2の遅延回路64からのデジタル出力信号
D22をアナログ電圧信号d22に変換して、VCO2
3に入力する。このVCO23の生成するクロックが分
周器25で所望の分周比で分周されチャネルクロックC
LKとしてA/D変換器8に入力され、周波数誤差が
(±32/1488)以下になるようにフィードバック
制御が行われる。
【0099】周波数制御領域PH1での動作を図示する
と、図9(A)のように表すことができる。ここで、大
きいステップの量子化ステップは、第2のD/A変換器
20でのものであり、その根源は周波数誤差信号efお
よび第2の初期値Ini2 にある。小さいステップの量
子化ステップは、第1のD/A変換器13でのものであ
り、その根源は周波数誤差セレクタ58の固定値“0”
および第1の初期値Ini1 にある。大きいステップの
第2のD/A変換器20の量子化ステップは256階調
であり、また、小さいステップの第1のD/A変換器1
3の量子化ステップも256階調である。第1の初期値
Ini1 は大きい量子化ステップの上下の中点に位置す
る。第1の初期値Ini1 が不適切であると、粗調整の
周波数制御によって、大きな量子化ステップの1つ上ま
たは1つ下のレベルを移って再度の判定が行われる。し
かし、どのステップに移っても第1の初期値Ini1
量子化ステップの上下の中点に位置する状態は変わらな
い。
【0100】(2)周波数・位相制御領域PH2での動
上記粗調整の周波数制御の結果、周波数粗調整許可信号
SOが“0”から“1”に切り換わる(図8のポイント
T1参照)。周波数微調整許可信号BIは“0”のまま
である。したがって、周波数制御領域PH1から周波数
・位相制御領域PH2に移行することになる。この領域
段階では第2のループフィルタ19の動作は上記周波数
制御領域PH1での動作と全く同じである。第2のルー
プフィルタ19から出力されるデジタル出力信号D22
が第2のD/A変換器20によってアナログ電圧信号d
22に変換されてVCO23に入力される。
【0101】前述したように、周波数・位相制御領域P
H2においては、コントローラ26は、周波数粗調整許
可信号SO=“1”と周波数微調整許可信号BI=
“0”に基づいて制御信号SC01を“H”として生成
し、これを位相比較器11におけるセレクタ44に出力
する。セレクタ44は、“H”の制御信号SC01の入
力によって、“0”を選択するため、位相比較器11か
らの出力は“0”に固定されてしまい、位相誤差信号e
φの出力が禁止される。
【0102】したがって、第1の乗算器51の出力も第
2の乗算器52の出力も“0”のままである。コントロ
ーラ26からの制御信号SC11により、周波数誤差セ
レクタ58で選択された周波数誤差極性判別回路60か
らの周波数誤差極性判定信号pf、すなわち“+1”ま
たは“−1”または“0”が第1の加算器53の出力と
なり、この“+1”または“−1”または“0”が第2
の加算器54において第1の遅延回路56にラッチされ
ている値に加算され、その加算結果が再び第1の遅延回
路56にラッチされる。第1の乗算器51の出力は前述
のように“0”であるから、第3の加算器57の出力
は、第1の遅延回路56の出力そのままとなる。これが
デジタル出力信号D11として第1のD/A変換器13
へ出力される。第1のD/A変換器13は第3の加算器
57からのデジタル出力信号D11をアナログ電圧信号
d11に変換してVCO23へ出力する。
【0103】VCO23は第1のD/A変換器13から
のアナログ電圧信号d11と第2のD/A変換器20か
らのアナログ電圧信号d22とを加算して、この加算電
圧に応じた周波数のクロックを生成する。このVCO2
3の生成するクロックが分周器25で所望の分周比(本
実施の形態では1/2)で分周され、チャネルクロック
CLKとしてA/D変換器8その他に入力され、周波数
誤差が(±4/1488)になるようにフィードバック
制御が行われる。
【0104】ここで、周波数誤差極性判別回路60の動
作を説明する。周波数誤差極性判別回路60は周波数比
較器18の出力する周波数誤差信号efの極性を判断
し、その周波数誤差信号efがプラスの値なら周波数誤
差極性判定信号pfとして“+1”を出力し、周波数誤
差信号efがマイナスの値なら周波数誤差極性判定信号
pfとして“−1”を出力し、周波数誤差信号efが
“0”なら周波数誤差極性判定信号pfとして“0”を
出力する。このように周波数誤差信号efの符号に対応
した周波数誤差極性判定信号pfを第1のループフィル
タ12における周波数誤差セレクタ58に送り、微調整
用の位相制御ループである位相制御手段Cφを動作させ
る。
【0105】周波数誤差極性判定信号pfが“+1”と
なっているときは、微調整用の位相制御ループにおける
第1のループフィルタ12の一部を有効利用する微調整
の周波数制御が働き、小さい量子化ステップで第1の遅
延回路56の出力すなわち第1のD/A変換器13へ出
力されるデジタル出力信号D11のレベルがインクリメ
ントされていく。逆に、周波数誤差極性判定信号pfが
“−1”となっているときは、小さい量子化ステップで
第1のD/A変換器13へ出力されるデジタル出力信号
D11のレベルがデクリメントされていく。周波数誤差
極性判定信号pfが“0”となれば、変動がなくなり、
落ちつく。
【0106】上記のような微調整の周波数制御と同時
に、第2のループフィルタ19における粗調整の周波数
制御が行われる。すなわち、大きな量子化ステップでの
インクリメントまたはデクリメントが行われる。さらに
いうと、第2のループフィルタ19の動作に基づいて第
2のD/A変換器20へ出力されるデジタル出力信号D
22のレベルが大きな量子化ステップでインクリメント
されているときには、同時に第1のループフィルタ12
の動作に基づいて第1のD/A変換器13へ出力される
デジタル出力信号D11のレベルが小さい量子化ステッ
プで同じくインクリメントされていく。また、第2のル
ープフィルタ19の動作に基づいて第2のD/A変換器
20へ出力されるデジタル出力信号D22のレベルが大
きな量子化ステップでデクリメントされているときに
は、同時に第1のループフィルタ12の動作に基づいて
第1のD/A変換器13へ出力されるデジタル出力信号
D11のレベルが小さい量子化ステップで同じくデクリ
メントされていく。これは、大きな量子化ステップで増
加させなければならないときは、傾向として、小さい量
子化ステップでも増加させなければならず、また、大き
な量子化ステップで減少させなければならないときは、
傾向として、小さい量子化ステップでも減少させなけれ
ばならいといった考え方に基づいている。
【0107】周波数・位相制御領域PH2での動作を図
示すると、図9(B)のように表すことができる。ここ
で、大きいステップの量子化ステップでの1ステップア
ップUp1と小さい量子化ステップでの1ステップアッ
プUp2とが同時に行われる。また、大きいステップの
量子化ステップでの1ステップダウンDn1と小さい量
子化ステップでの1ステップダウンDn2とが同時に行
われる。
【0108】以上のように、第2のループフィルタ19
での粗調整の周波数制御と第1のループフィルタ12で
の微調整の周波数制御とがダイナミックに絡み合って、
トータルとして、周波数引き込み動作が素早く行われ
る。すなわち、この周波数・位相制御領域PH2で第1
のループフィルタ12を動作させる意味を説明すると、
周波数の微調整を行うとき第1のループフィルタ12を
周波数誤差信号efの状況に対応させて動作させること
により、より分解能の高い周波数制御ができ、周波数引
き込みが早くなるということである。
【0109】(3)位相制御領域PH3での動作 上記の周波数・位相制御の結果、周波数微調整許可信号
BIが“0”から“1”に切り換わる(図8のポイント
T2参照)。周波数粗調整許可信号SOはすでに“1”
となっている。したがって、周波数・位相制御領域PH
2から位相制御領域PH3に移行したことになる。この
ように位相制御領域PH3に移行して周波数・位相制御
領域PH2が終了すると、その終了とともに第2のルー
プフィルタ19が第2のD/A変換器20に出力するデ
ジタル出力信号D22はホールドされる。そのホールド
は、コントローラ26から制御信号SC20をセレクタ
78に与えて“0”を選択するようにすることで実現で
きる。
【0110】位相制御領域PH3においては、上記のホ
ールド(ロック)により、基本的には第2のループフィ
ルタ19からの第2のD/A変換器20へのデジタル出
力信号D22は変化しない。この位相制御領域PH3に
なると、コントローラ26からの制御信号SC11によ
り周波数誤差セレクタ58は定数“0”を選択する。こ
れは、すなわち、第1のループフィルタ12から第2の
ループフィルタ19を切り離していることを意味する。
つまり、第1の加算器53に対して第2のループフィル
タ19からの周波数誤差極性判定信号pfの加算は行わ
れない。
【0111】また、コントローラ26から位相引き込み
の必要なVFO部及びID部及び記録データ部の場合に
“H”レベルとなる図6(E),(I)に示すリードゲ
ート信号RGが制御信号SC01を否定する信号として
位相比較器11におけるセレクタ44に入力され、セレ
クタ44の入力を“0”から位相誤差算出回路42に切
り換えるため、位相比較器11は位相誤差信号eφの出
力を開始する。
【0112】位相誤差信号eφが第1のループフィルタ
12に入力されると、第1の乗算器51は位相誤差信号
eφと定数Aを乗算し、その結果の信号A・eφを出力
する。第2の乗算器52は位相誤差信号eφと定数Bを
乗算し、その結果の信号B・eφを出力する。第1の加
算器53の一方の入力である周波数誤差セレクタ58か
らの入力は、この位相制御領域PH3においては、コン
トローラ26からの制御信号SC11によって“0”と
なっている。したがって、第1の加算器53の出力は、
第2の乗算器52の出力の信号B・eφのままとなる。
【0113】第2の加算器54はこの第2の加算器54
が出力し、第1の初期値セレクタ55に選択され第1の
遅延回路56で遅延された信号と第1の加算器53の出
力信号とを加算し出力する。
【0114】第3の加算器57は、第1の遅延回路56
の出力信号と第1の乗算器51の出力信号とを加算して
デジタル出力信号D11となし、第1のD/A変換器1
3へ出力する。第1のD/A変換器13は第3の加算器
57からのデジタル出力信号D11をアナログ電圧信号
d11に変換して出力する。VCO23にはこの第1の
D/A変換器13からのアナログ電圧信号d11と、周
波数・位相制御領域PH2の終了とともにホールドされ
た第2のループフィルタ19のデジタル出力信号D22
を第2のD/A変換器20を介して変換したアナログ電
圧信号d22とが入力される。
【0115】VCO23はこの2つのアナログ電圧信号
d11,d22を加算し、この加算値に対応した周波数
のクロックを生成する。このVCO23の生成するクロ
ックが分周器25で所望の分周比で分周されチャネルク
ロックCLKとしてA/D変換器8その他に入力され、
位相誤差信号eφが0になるように制御され、データに
位相ロックしたチャネルクロックCLKが生成される。
このチャネルクロックCLKに同期したデジタル信号が
A/D変換器8から出力され、後段のデジタル信号処理
回路(例えばビタビ復号器;図示せず)へ出力される。
【0116】ここで、VCO23では第1のD/A変換
器13と第2のD/A変換器20の出力である2つのア
ナログ電圧信号d11,d22を加算しているが、これ
は1つの入力電圧に対してそれに見合う周波数のクロッ
クを出力するためであり、いずれか一方の出力を選択す
るだけでは、所望の周波数が得られない。すなわち、第
1のD/A変換器13の出力だけでは周波数制御ができ
ず、また、第2のD/A変換器20の出力だけだと位相
制御ができないことによる。
【0117】位相制御領域PH3での動作を図示する
と、図9(C)のように表すことができる。ここで、大
きい量子化ステップでの増減はない。大きな量子化ステ
ップは固定となっている。そして、位相誤差信号eφに
基づいた小さい量子化ステップでのインクリメントまた
はデクリメントが行われる。この位相制御領域PH3で
は、微調整の位相制御のみが行われる。
【0118】以上は、光ディスク装置の通常使用状態で
の動作についての説明である。これが本発明のメインテ
ーマであるといってよい。
【0119】以下では、この光ディスク装置におけるV
CO23のキャリブレーション動作について説明する。
上記と同様な動作により周波数引き込み、位相引き込み
を行ってキャリブレーションする。
【0120】VCO23の構成は、第1のD/A変換器
13と第2のD/A変換器20との2つのD/A変換器
から出力されるアナログ電圧信号d11,d22の和の
電圧を電流に変換するV−I変換器と電流制御型発振器
(ICO)によって構成されている。そのICOの入力
電流と発振周波数の関係を表すと次のようになる。
【0121】発振周波数=(第1のD/A変換器13の
出力電圧に相当する電流+第2のD/A変換器20の出
力電圧に相当する電流+Ioffset)×β ここで、オフセット電流Ioffsetは発振周波数の原点を
決定するものであり、VCO23の特性として、この原
点の発振周波数にはさほどばらつきがない。感度調整用
レジスタ24は上記のベータ値(β)を調整するもので
ある。
【0122】上記の図6のところで説明したように、記
録可能な光ディスク装置ではその書き込み性能を上げる
ため、光ディスク1のウォブル信号からクロックを抽出
するウォブルPLLクロック発生手段27が搭載されて
いる。このウォブルPLLクロック発生手段27は、光
ディスク1のウォブル信号が品質が悪いために使えない
状況が起こり得ることを想定して、シンセサイザ機能を
備えている。これは、例えば水晶発振器29の信号をシ
ンセサイズして、書き込みクロックを生成するモードで
ある。VCO23のキャリブレーションを行う際、この
シンセサイザ機能を使うと最も正確にVCO23のキャ
リブレーションを行うことができる。
【0123】周波数比較器18は、186チャネルクロ
ック周期のウォブル2値化信号WBを8回分カウントし
てそのカウント値が“1488”になるように周波数制
御を行う。したがって、ウォブルPLLクロック発生手
段27からウォブル2値化信号WBの周期と同じ周期の
信号をセレクタ16を介して周波数比較器18に入力し
て、周波数制御を動作させ、周波数粗調整許可信号SO
と周波数微調整許可信号BIがともに“1”となったと
きの第2のループフィルタ19からの第2のD/A変換
器20へのデジタル出力信号D22をモニタ手段22で
モニタし、そのモニタ値がある一定の値になるように感
度調整用レジスタ24に設定する値を変化させて上記β
値を変えて行き、モニタ値がある一定の値に最も近い値
になったときの感度調整用レジスタ24の値を採用すれ
ば、VCO23のキャリブレーションは簡単にできる。
【0124】例えば、第1のD/A変換器13から出力
されるアナログ電圧信号d11および第2のD/A変換
器20から出力されるアナログ電圧信号d22がともに
“0”であったときの発振周波数を0MHz、最大発振
周波数の目標値を255MHz、第1のD/A変換器1
3および第2のD/A変換器20の入力が8ビットであ
ったときの調整方法は、ウォブルPLLクロック発生手
段27から記録クロック約58MHz(4.7GBDV
D−RAMの場合)の1/186分周のクロックをセレ
クタ16を介して、周波数比較器18に入力し、上記同
様の周波数制御を動作させ、周波数粗調整許可信号SO
と周波数微調整許可信号BIがともに“1”となったと
きの第2のD/A変換器20へ入力されるデジタル出力
信号D22が3Ah (16進数:10進数で「58」)
に一番近くなる感度調整用レジスタ24の値を採用すれ
ばよいことになる。
【0125】ところで、このキャリブレーション動作は
ウォブルPLLクロック発生手段27がなくても可能で
あり、通常DVD−RAMディスクの読み取り動作をし
ているときに、感度調整用レジスタ24の値を調整し、
第2のD/A変換器20へ入力されるデジタル出力信号
D22をモニタ手段22でモニタし、そのモニタ値があ
る一定の値になるように制御すればよい。
【0126】もちろん、DVD−ROMディスク再生時
や、CD再生時でも同様にSYNC検出手段17を介し
て周波数制御を行ったときに、DVD−RAM再生時と
同じ動作をすれば、簡単にVCO23のキャリブレーシ
ョンを行うことができる。
【0127】以上、説明したように本実施の形態では簡
単な構成でVCO23のキャリブレーションを行えるの
で、ICや装置の歩留まりを上げたり、調整コストを抑
えることができ、装置全体のコストを安価にできる。ま
た、自動で動作を行えるシステムなので、経時変化にも
対応できる。
【0128】また、本実施の形態では位相制御手段と周
波数制御手段に初期値を設定する初期値設定手段を設け
ることにより、シーク時などに周波数引き込みや位相引
き込みを迅速に行うことができる。
【0129】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、本発明は上記の実施の形態に限定される必要
性はなく、例えば、モニタ手段22については、第2の
ループフィルタ19から出力されるデジタル出力信号D
22のレベルを見るとしたが、第2のループフィルタ1
9からのデジタル出力信号D22のレベルとともに第1
のループフィルタ12からのデジタル出力信号D11の
レベルも見て、両者を総合して判断するように構成して
もよい。
【0130】なお、本願の明細書または図面に記載して
ある任意の事項について、その省略の可能性、または特
許請求の範囲への追加ならびに発明の詳細な説明の変更
の可能性を留保する。
【0131】
【発明の効果】光ディスク装置についての本発明によれ
ば、感度調整可能な発振器を用い、発振器の感度を変化
させながら発振器制御電気量のモニタ値が所定の値とな
る感度を見いだして設定するので、CMOSプロセスに
てデジタルPLLクロック発生手段を構成する場合に、
発振器のキャリブレーション(校正・調整)を簡単な構
成をもって、しかも人手を要することなく、自動的に実
行することができる。高集積化のプロセスにおいて歩留
まりを上げなければならない条件を緩和でき、また調整
コストも抑制することができる。結果として、装置のコ
ストを低減できる。さらには、自動的キャリブレーショ
ンであるので、経年変化にも支障なく対応することがで
きる。
【0132】また、本発明によれば、周波数制御手段に
より粗調整を行い、位相制御手段により微調整を行うも
のにおいて、位相制御手段と周波数制御手段に対して初
期値を設定する初期値設定手段を備えたので、光学ヘッ
ドのシーク動作やリトライ動作において、周波数引き込
み動作・位相引き込み動作を迅速なものとなし、PLL
ロックまでの所要時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の光ディスク装置の再生
系の電気的構成を示すブロック図
【図2】 上記の図1に示す光ディスク装置のうち本発
明の特徴概念として重要な部分を抜き出しかつまとめた
概略ブロック図
【図3】 上記の図1における位相比較器の具体的構成
を示すブロック図
【図4】 上記の図1における周波数比較器の具体的構
成を示すブロック図
【図5】 上記の図1における第1のループフィルタお
よび第2のループフィルタの具体的構成を示すブロック
【図6】 実施の形態の光ディスク装置の動作を説明す
るタイミング図および構成図
【図7】 DVD−RAM部のセクターフォーマットの
概略構成説明図
【図8】 本実施の形態でのPLLの周波数制御ループ
による周波数引き込み動作および位相制御ループによる
位相引き込み動作を説明するタイミングチャート
【図9】 周波数制御領域での動作、周波数・位相制御
領域での動作および位相制御領域での動作の説明図
【図10】 一般的なディスクのセクターフォーマット
の概略構成図
【図11】 従来の技術におけるアナログ方式のPLL
回路を用いたディスク再生装置の一例を示すブロック図
【図12】 従来の技術におけるデジタルPLL回路を
用いたディスク再生装置のブロック図
【符号の説明】
1 光ディスク 2 光学ヘッド 3 プリアンプ 4 オフセットキャンセル回路 5 AGC回路 6 イコライザ 7 差動増幅器 8 A/D変換器 9 オフセットコントロール回路 10 オフセットコントロール用の第3のD/A変換器 11 位相比較器 12 第1のループフィルタ 13 第1のD/A変換器 14 第1の初期値設定手段 15 ウォブル2値化回路 16 セレクタ 17 SYNC検出手段 18 周波数比較器 19 第2のループフィルタ 20 第2のD/A変換器 21 第2の初期値設定手段 22 モニタ手段 23 VCO 24 感度調整用レジスタ 25 分周器 26 コントローラ 27 ウォブルPLLクロック発生手段 28 記録パルス生成手段 29 水晶発振器 30 レーザーパワーコントローラ 42 位相誤差算出回路 43 ゼロクロス検出回路 44 セレクタ 55 第1の初期値セレクタ 58 周波数誤差セレクタ 60 周波数誤差極性判別回路 63 第2の初期値セレクタ 75 絶対値出力回路 76 第1のエラー判定器 77 第2のエラー判定器 Cf 周波数制御手段 Cφ 位相制御手段 DPC デジタルPLLクロック発生手段 ef 周波数誤差信号 eφ 位相誤差信号 TOK トラッキングOK信号 HG ヘッダゲート信号 RG リードゲート信号 SO 周波数粗調整許可信号 BI 周波数微調整許可信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 晴旬 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 高橋 利彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D044 CC04 GM12 GM14 5J106 AA05 BB04 CC02 CC21 CC31 CC41 CC52 GG01 HH00 HH10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタルPLLクロック発生手段におけ
    る発振器を感度調整可能な発振器となし、前記発振器を
    制御する電気量のモニタ手段を備え、前記発振器におけ
    る感度を変化させながら前記デジタルPLLクロック発
    生手段を動作させて前記モニタ手段によるモニタ値が所
    定の値になるときの感度を前記発振器に設定することを
    特徴とする光ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記デジタルPLLクロック発生手段
    は、位相制御手段と周波数制御手段との混成態様とされ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装
    置。
  3. 【請求項3】 前記周波数制御手段により粗調整を行
    い、前記位相制御手段により微調整を行うことを特徴と
    する請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記粗調整と前記微調整との間に前記周
    波数制御手段と前記位相制御手段とを連動動作させるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 【請求項5】 ディスクから読み取った信号を前記デジ
    タルPLLクロック発生手段が生成するクロックに同期
    してA/D変換し、再生データとなすように構成してあ
    る請求項1から請求項4までのいずれかに記載の光ディ
    スク装置。
  6. 【請求項6】 前記感度調整の際に前記デジタルPLL
    クロック発生手段に入力する信号を固定クロック信号と
    することを特徴とする請求項1から請求項5までのいず
    れかに記載の光ディスク装置。
  7. 【請求項7】 前記ディスクは記録案内溝が周期的に蛇
    行している記録再生可能なセクタフォーマットのもので
    あり、前記固定クロック信号は前記ディスクに記録する
    ために前記記録案内溝の周期に対応したクロックを生成
    するためのウォブルPLLクロック発生手段で発生させ
    たクロックであることを特徴とする請求項6に記載の光
    ディスク装置。
  8. 【請求項8】 前記感度調整の際に前記デジタルPLL
    クロック発生手段に入力する信号をディスクからの読み
    取り信号とすることを特徴とする請求項1から請求項5
    までのいずれかに記載の光ディスク装置。
  9. 【請求項9】 前記位相制御手段と前記周波数制御手段
    に対して初期値を設定する初期値設定手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか
    に記載の光ディスク装置。
  10. 【請求項10】 位相制御手段と周波数制御手段との混
    成態様とされたデジタルPLLクロック発生手段におけ
    る前記周波数制御手段により粗調整を行い、前記位相制
    御手段により微調整を行うように構成され、前記位相制
    御手段と前記周波数制御手段に対して初期値を設定する
    初期値設定手段を備えていることを特徴とする光ディス
    ク装置。
  11. 【請求項11】 前記粗調整と前記微調整との間に前記
    周波数制御手段と前記位相制御手段とを連動動作させる
    ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスク装置。
  12. 【請求項12】 ディスクから読み取った信号を前記デ
    ジタルPLLクロック発生手段が生成するクロックに同
    期してA/D変換し、再生データとなすように構成して
    ある請求項10または請求項11に記載の光ディスク装
    置。
  13. 【請求項13】 前記初期値設定手段はシーク時に設定
    変更することを特徴とする請求項11から請求項12ま
    でのいずれかに記載の光ディスク装置。
  14. 【請求項14】 前記デジタルPLLクロック発生手段
    における発振器を感度調整可能な発振器となしてあるこ
    とを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれ
    かに記載の光ディスク装置。
  15. 【請求項15】 前記初期値設定手段は、ディスクの種
    類または再生スピードに応じて設定変更するように構成
    されていることを特徴とする請求項9から請求項14ま
    でのいずれかに記載の光ディスク装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005318507A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Hynix Semiconductor Inc 遅延固定ループ回路
US7193941B2 (en) 2002-03-29 2007-03-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical disc drive with clock synchronization and rotational speed detection

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US7193941B2 (en) 2002-03-29 2007-03-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical disc drive with clock synchronization and rotational speed detection
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