JP2001173795A - バッファシール構造 - Google Patents

バッファシール構造

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JP2001173795A
JP2001173795A JP36049299A JP36049299A JP2001173795A JP 2001173795 A JP2001173795 A JP 2001173795A JP 36049299 A JP36049299 A JP 36049299A JP 36049299 A JP36049299 A JP 36049299A JP 2001173795 A JP2001173795 A JP 2001173795A
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JP
Japan
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buffer seal
fluororesin
buffer
seal structure
tetrafluoroethylene
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JP36049299A
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English (en)
Inventor
Hiroo Kusano
広男 草野
Hideki Yagyu
秀樹 柳生
Hiroyuki Enomoto
博幸 榎本
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Hitachi Cable Ltd
KYB Corp
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バッファシールBのはみ出し量を少なくして、
耐圧強度を維持しながら摺動すき間3を大きく取れるよ
うにする。 【解決手段】 バッファシールBのスライドリング8
を、クリープ性の低い改質フッ素樹脂で構成した点に特
徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に高圧が作用
する摺動部分に用いるのに最適なバッファシール構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】バッファシールは、例えば、ピストンロ
ッドとシリンダヘッドとの間をシールするために用いら
れるものである。このバッファシールを用いたシリンダ
には、シリンダヘッド内の流体が、ピストンロッドに付
着して外部に大量に流出するのを防止するために、Uパ
ッキンを設けている。しかし、このUパッキンに直接高
圧が作用すると、それがピストンロッドに密着するの
で、ピストンロッドに付着した油膜を、この密着したU
パッキンでかき取ってしまう危険がある。もし、ピスト
ンロッドの表面の油膜が完全にかき取られてしまえば、
パッキン自体の耐久性が損なわれるだけでなく、大気に
解放されたピストンロッドの部分が錆びてしまうという
問題も発生する。
【0003】そこで、高圧のシリンダにおいては、ピス
トンロッドの伸長方向に対してUパッキンの手前側にバ
ッファシールを設けて、Uパッキンに高圧が作用しない
ようにしている。このような目的を持った従来のバッフ
ァシールは、ポリテトラフロロエチレンと充填剤とを混
合したものが用いられている。このポリテトラフロロエ
チレンと充填剤とを混合したバッファシールは、クリー
プ性が高い(変形率が大きい)という特性を持ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】クリープ性の高いバッ
ファシールを、例えば、ピストンロッドとシリンダヘッ
ドの摺動部分に用いると、次のような問題があった。ピ
ストンロッドとシリンダヘッドとの摺動部分には、その
摺動性を維持するために、摺動すき間を保たなければな
らない。
【0005】ところが、バッファシールのクリープ性が
高いと、高圧が作用したときに、バッファシールが変形
して上記すき間からはみ出してしまう。バッファシール
が摺動すき間からはみ出した状態で、両者の摺動を繰り
返すと、そのはみ出した部分が、引きちぎられることが
ある。バッファシールが引きちぎられれば、当然のこと
として、その耐圧性が落ちるし、ひどいときには切断し
てしまうこともある。バッファシールが切断すれば、U
パッキンに高圧が作用し、前記したような問題が発生す
る。
【0006】そこで、従来は、ピストンロッドとシリン
ダヘッドとの間の摺動すき間を小さくして、バッファシ
ールのはみ出し量を規制するようにしていた。このよう
に摺動すき間を小さくすれば、バッファシールのはみ出
しを防止できるので、それだけ耐圧強度が増す。しか
し、摺動すき間を小さくすればするほど、製造精度や組
み付け精度を上げなければならないし、精度を上げるた
めに設計の自由度も制限されるという問題があった。こ
の発明の目的は、バッファシールのクリープ性を高め
て、そのはみ出しを防止できるバッファシール構造を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、相対移動し
ながら摺動する部材間に摺動すき間を維持するととも
に、これらいずれか一方の部材に凹溝を形成し、この凹
溝内にバッファシールをはめたバッファシール構造を前
提にする。上記のバッファシール構造を前提にしつつ、
第1の発明は、バッファシールを改質フッ素樹脂製とし
た点に特徴を有する。
【0008】第2の発明は、改質フッ素樹脂が、フッ素
樹脂を酸素濃度100torr以下で、かつ、その融点
以上の雰囲気下で、照射線量1kGy〜10MGyの範囲内で
電離性放射線を照射した改質した樹脂が1〜100重量
%含まれたものであることを特徴とする。第3の発明
は、フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン系重合体、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)系共重合体、又はテトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロイレン系共重合体、あるいはこれ
らの混合からなるものであることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図示の実施例は、ピストンロッド
1とシリンダヘッド2との摺動部分に、摺動すき間3を
保持している。上記のようにしたシリンダヘッドに凹溝
4を形成し、この凹溝4にUパッキン5をはめている。
なお、図中符号6は、凹溝4にはめたバックアップリン
グである。
【0010】また、ピストンロッド1の伸長方向に対し
て手前側にも凹溝7を形成し、この凹溝7にバッファシ
ールBを組み込んでいる。ただし、このバッファシール
Bは、ピストンロッド1に直接接触するスライドリング
8と、このスライドリング8の内側にはめ込んだ角リン
グ9とから構成される。
【0011】そして、上記スライドリング8は改質フッ
素樹脂製としているが、この改質フッ素樹脂は、酸素濃
度100torr以下で、かつ、その融点以上に加熱さ
れた雰囲気下にフッ素樹脂を置き、それを電離性放射線
を照射線量1kGy〜10MGyの範囲で照射して製造したも
のを用いている。ただし、この発明の改質フッ素として
は、上記のようにして製造した改質フッ素樹脂に、さら
に他のフッ素樹脂、あるいはウレタンゴム、NBR、P
EEK、超高分子量ポリエチレン等を添加したものであ
ってもよい。
【0012】上記改質フッ素樹脂の原料となるフッ素樹
脂としては、テトラフルオロエチレン系重合体(以下
「PTFE」という)、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体(以下
「PFA」という)、あるいはテトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(以下「FE
P」という)が挙げられる。さらに、それに添加するフ
ッ素樹脂としても、上記と同様なものが考えられる。
【0013】また、上記フッ素樹脂の照射は、単独のフ
ッ素樹脂粉末に対して電離線を照射してもよいし、2種
以上のフッ素樹脂混合物に電離性放射線を照射してもよ
い。このようにして照射された改質フッ素樹脂に、もう
一度電離性放射線を照射してもよい。さらに、上記の電
離性放射線を照射するにときには、フッ素樹脂をその結
晶融点以上に加熱しておくことが望ましい。例えば、フ
ッ素樹脂としてPTFEを用いる場合には、この材料の
結晶融点である327℃よりも高い温度に過熱した状態
で、電離性放射線を照射することが望ましい。また、P
FAの場合には、その結晶融点である310℃以上、F
EPの場合には同じく275℃以上に加熱して、放射線
を照射することが望ましい。
【0014】上記のように結晶融点以上に加熱するの
は、フッ素樹脂を構成する主鎖の分子運動を活発化させ
て、分子間の架橋反応を効率よく促進させるためであ
る。ただし、過度の加熱は、逆に、分子主鎖の切断と分
解とを招いてしまう。そこで、このような解重合現象の
発生を抑制するために、加熱温度は、フッ素樹脂の結晶
融点よりも10〜30℃高い範囲内に抑えるべきであ
る。フッ素樹脂を照射する雰囲気が、酸素濃度100t
orr以上の場合に、その照射時に酸素が存在すると架
橋が抑制され、分解が起きてしまう。そのため酸素濃度
は100torr以下であることが望ましい。その上、
耐摩耗性を考慮すれば、10torr以下、更には2t
orr以下が望ましい。
【0015】上記のバッファシールBを用いて行ったテ
ストでは、次のような好結果が得られた。 従来品のバッファーシール 変性ポリテトラフルオロエチレン(デュポン社製、ホス
タフロンTEM1700)にカーボン繊維を10重量%
混入したもの。 実施例のバッファーシール PTFEパウダ(デュポン製、モールディングパウダ、
7AJ)を酸素濃度2torrで、しかも、340℃の
窒素雰囲気下で、かつ、電離性放射線を加速電圧2Me
Vで、照射線量200kGyの条件で電子線加速器で加速
させながら照射した。このように電離性放射線を照射し
たものを取り出して、約20μmに微粉砕したパウダ
に、カーボン繊維を10重量%添加した。
【0016】使用条件 圧力:400kgf/cm2 、移動速度:16m/min、油温:
120度で、40mmのストロークの範囲内を400km分
移動させた。ただし、両スライドリングとも、その摺動
すき間を同じものとした。その結果、はみ出し量が、従
来のスライドリングで2mm、実施例のスライドリングで
0.2mmであった。
【0017】以上の結果からも明らかなように、この実
施例のバッファシールのはみ出し量が、従来品に比べて
1/10となっている。改質フッ素樹脂製のバッファシ
ールBを用いれば、はみ出し量が1/10なので、摺動
すき間を大きくできる。したがって、この実施例では、
摺動すき間を大きくでき、それだけ製造精度や組み付け
精度を落とすことができるとともに、その分、設計の自
由度も増すことになる。
【0018】なお、図中符号10は軸受け、11はダス
トシールである。また、この実施例では、バッファシー
ルBをスライドリング8と角リング9とで構成したが、
これら両者を一体にしてもよいこと当然である。
【0019】
【発明の効果】第1〜第3の発明のバッファシール構造
によれば、改質フッ素樹脂製のバッファシールを用いた
ので、相対移動しながら摺動する部材間の摺動すき間を
大きく保つことができる。したがって、摺動すき間を大
きくできる分、製造精度や組み付け精度を落とすことが
できるとともに、耐圧強度を維持しながら、設計の自由
度も増すことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンロッドとシリンダヘッドとのはめ合い
部分を拡大した部分断面図である。
【符号の説明】
7 凹溝 B バッファシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳生 秀樹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 榎本 博幸 東京都港区浜松町2−4−1 世界貿易セ ンタービル カヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 3J043 AA13 BA08 CA05 CB14 DA03 HA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動しながら摺動する部材間に摺動
    すき間を維持するとともに、これらいずれか一方の部材
    に凹溝を形成し、この凹溝内にバッファシールをはめた
    バッファシール構造において、バッファシールを改質フ
    ッ素樹脂製としたことを特徴とするバッファシール構
    造。
  2. 【請求項2】 改質フッ素樹脂は、フッ素樹脂を酸素濃
    度100torr以下で、かつ、その融点以上の雰囲気
    下で、照射線量1kGy〜10MGyの範囲内で電離性放射線
    を照射した改質した樹脂が1〜100重量%含まれたも
    のであることを特徴とする請求項1記載のバッファシー
    ル構造。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン
    系重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(ア
    ルキルビニルエーテル)系共重合体、又はテトラフルオ
    ロエチレン−ヘキサフルオロプロイレン系共重合体、あ
    るいはこれらの混合からなるものであることを特徴とす
    る請求項2記載のバッファシール構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174555A (ja) * 2008-01-21 2009-08-06 Komatsu Ltd ダストシールシステム
JP2009528481A (ja) * 2006-02-27 2009-08-06 トレルボルグ シーリング ソリューションズ ジャーマニー ゲーエムベーハー 圧力除去要素を備える封止装置と中間領域内に圧力カスケードを形成するための封止装置の使用法
US7572839B2 (en) 2003-10-02 2009-08-11 Nissan Motor Co., Ltd. Seal ring and seal device
CN107208795A (zh) * 2015-01-16 2017-09-26 特瑞堡密封系统德国有限公司 具有压力卸载元件的密封系统和这种密封系统用于调整中间空间压力级的应用

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